以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態の印字ラベル作成装置を備えたラベル生成システムを、図1により説明する。
図1に示すこのラベル生成システムLSにおいて、印字ラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してPC118に接続されている。上記PC118は、液晶ディスプレイ等の表示部118a及びキーボードやマウス等である操作部118bを有しており、上記印字ラベル作成装置1により印字ラベルを作成する際に印字内容を編集すること等が可能である。
印字ラベル作成装置1は遠隔操作に対応しており、印字ラベル作成装置1の側面に通信手段としての赤外線受信部28が設けられている。この赤外線受信部28は、操作者によって操作される操作端末(以下適宜、「リモコン」と称する)10から送信される赤外線信号を受信する。これにより、印字ラベル作成装置1は、赤外線受信部28がリモコン10から受信した赤外線信号(ラベル作成指示信号)に従った動作が可能である。なお、赤外線に代え、リモコンから電波を用いた無線通信によりラベル作成指示信号を送信し、印字ラベル作成装置1に設けた通信手段としてのアンテナにより、当該信号を受信するようにしてもよい。
リモコン10には、上記赤外線信号を送信するための送信窓11と、複数のボタン12とが設けられている。この例では「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンの3つが設けられており、本実施形態では、印字ラベルの印字態様に係わる後述のテンプレートの種類を、どのボタンを操作するかによって選択可能となっている。すなわち、操作者が、「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンのうちどのボタン12を押したかによって、3種類用意されたテンプレートのうちどのテンプレートを用いるかが選択される。リモコン10は、操作者が操作したボタン12に応じた赤外線信号を印字ラベル作成装置1に送信する。
印字ラベル作成装置1の構成を図2及び図3を用いて説明する。図2及び図3において、印字ラベル作成装置1は、樹脂製の本体筐体2と、本体筐体2の上側を覆うように後側上端縁部に開閉自在に取り付けられた透明樹脂製の上カバー5とを備えている。上カバー5の前側のフロントカバー6には、印字されたラベル用テープ30Aを外部に排出する排出口6Aが形成されている。
本体筐体2には、所定幅のラベル用テープ30Aがロール状に巻回されたラベル用テープロール30が収納されている(図3参照)。このラベル用テープ30Aは、自己発色性を有する長尺状の感熱シート(いわゆるサーマルペーパー)と、該感熱シートの片面に粘着剤を介して貼り合わされた離型紙とから構成される。ラベル用テープロール30は、例えばカートリッジ化されたものであり、本体筐体2には、このカートリッジを着脱自在なカートリッジホルダ(図示せず)が設けられている。なお、上記のようなカートリッジ方式ではなく、ラベル用テープロール30を直接本体筐体2の内部に収納し、ラベル用テープロール30を本体筐体2の内部で回転させながら、ラベル用テープ30Aを繰り出すようにしてもよい。
ラベル用テープロール30から繰り出されたラベル用テープ30Aは、搬送手段としてのプラテンローラ26により搬送される(図3参照)。プラテンローラ26は、プラテンローラ用モータ208によって駆動される。その駆動により、ラベル用テープ30Aに搬送力が働き、ラベル用テープ30Aがラベル用テープロール30から繰り出される。プラテンローラ用モータ208の制御は、プラテンローラ駆動回路209によって行われる。搬送されるラベル用テープ30Aは、サーマルヘッド31(印字手段)とプラテンローラ26との間を通って排出口6Aへと導かれる。なお、センサ239は、上記ラベル用テープ30Aに適宜の識別用マークが設けられている場合に、当該マークを検出する。
サーマルヘッド31は、ラベル用テープ30Aの搬送方向と直交する方向に、複数個の発熱素子を備えている(図3参照)。サーマルヘッド31の発熱素子が設けられた面と対向する側に、上記プラテンローラ26は配置されている。発熱素子には、印字すべきドットパターンデータに従って通電がなされ、これによって、ラベル用テープロール30から繰り出されたラベル用テープ30A上に文字や図像等が印字される。サーマルヘッド31に設けられた各発熱素子の駆動は、印刷駆動回路205によって行われる。
排出口6Aの内側には、固定刃41Bと可動刃41Aを備えたカッターユニット40が配置されている(図3参照)。サーマルヘッド31により印字が行われたラベル用テープ30Aは、切断用モータやソレノイド等のアクチュエータ(図示せず)により所定のタイミングで可動刃41Aが往復移動することで切断され、所定長さの印字ラベルL(図4参照)となって排出口6Aから排出される。なお、このようなアクチュエータの駆動力による自動切断動作ではなく、操作者が可動刃41Aを手動で往復移動させて切断する、手動切断としてもよい。あるいは、搬送されるラベル用テープ30Aが所定の切断位置に到達したことを液晶ディスプレイ(LCD)27等に表示し、その表示を見た操作者が所定の切断ボタン(いずれかのキー4A〜4Iでもよい)を操作することで上記アクチュエータにより可動刃41Aが移動し、切断を行うようにしてもよい。
排出口6Aの上側の前面部には、液晶ディスプレイ(LCD)27と、キー入力部4とが配置されている(図2参照)。液晶ディスプレイ27は、後述する制御回路210の制御により、各印刷設定画面等を表示する。キー入力部4は、複数(この例では9個)のキー4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G,4H,4Iを備えている。
フロントカバー6の下側縁部には、フロントカバー6の前側を覆うようにトレー部材9が開閉自在に取り付けられている(図2参照)。トレー部材9は、上端部に形成された凹み部9Aに操作者が指を掛け前側に回動させることにより、開く。なお、図示していないが、本体筐体2の背面部には図示しない電源コードが接続されるインレットと、複数のUSB(Universal Serial Bus)コネクタとが設けられている。また本体筐体2の適宜の箇所に、上記電源コードを介した給電により装置電源をON又はOFFする電源スイッチが設けられている(いずれかのキー4A〜4Iがこの電源スイッチ機能を備えていてもよい)。上記USBコネクタを用いることで、通信回線NWを介してPC118との接続が可能となる。
制御回路210は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って処理を行う。制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209及び印刷駆動回路205等を介し、印字ラベル作成装置1全体の動作を制御する。また制御回路210には、液晶ディスプレイ27と、現在時刻を計時する計時手段として機能するタイマ201と、キー入力部4と、上記赤外線受信部28と、上記切断用のアクチュエータを制御する切断用駆動回路とが接続されている。
制御回路210のROMには、印刷される文字や記号等の印字データ(ドットパターン)がコードデータと対応させて記憶されている。制御回路210は、ROMに記憶された印字データを用いて、印字ラベルLの印字領域Sに印字するための印字データを生成する。生成された印字データに従って印刷駆動回路205を動作させると共に、プラテンローラ26によりラベル用テープ30Aを繰り出しつつ、サーマルヘッド31による印刷を行わせ、印字ラベルLを作成する。
なお、制御回路210は、上記電源コードに接続された電源回路211Aにより給電されるとともに、通信回路211Bを介し通信回線NWに接続されている。この結果、制御回路210は、通信回線NWに接続されたPC118や、さらには図示しないルートサーバ、他の端末、汎用コンピュータ、及び情報サーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。
上記構成の印字ラベル作成装置1において、その特徴の1つは、操作者がリモコン10の「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンのいずれかを操作することにより、当該操作したボタンに対応したテンプレートを用いた印字が印字領域Sに形成され、印字ラベルLが作成されることにある。
作成される印字ラベルLの例を図4(a)〜図4(c)により説明する。本実施形態では、図4(a)、図4(b)、図4(c)にそれぞれ示すような、3種類の印字ラベルLを作成することができる。
図4(a)〜(c)において、各印字ラベルLの上記印字領域Sには、予め印字内容が定型的に用意されている定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6と、印字内容が可変である可変印字領域T1,T2とが備えられる。これらの例は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の物品(例えば食料品)を製造・販売する施設で作成され、当該食料品に添付される印字ラベルLの例を示している。
図4(a)の例は、食料品として、からあげ弁当を製造した場合を例にとって、当該からあげ弁当の容器に添付される印字ラベルLの例を示している。定型印字R1として弁当名を表す「からあげ弁当」のテキストが印字され、定型印字R2として当該弁当を調理した時刻を表す「調理時刻」のテキストが印字されている。またこの例では、当該弁当の賞味期限時刻を表す「賞味期限」のテキストが、定型印字R3として印字されている。なお、この賞味期限時刻は、上記調理時刻から所定時間(例えば10時間)だけオフセットされた管理用時刻である。また、定型印字R4として、当該施設、すなわち店舗の名称である「AAA店」のテキストが印字されている。
一方、可変印字領域T1には、印字ラベルの作成時刻を表す現在時刻情報(図示の例では「13:51」)が上記調理時刻の具体値として印字されており、その可変印字領域T1の外郭の枠線が、定型印字R5として印字されている。また可変印字領域T2には、上記の管理用時刻情報(図示の例では「23:51」)が上記賞味期限時刻の具体値として印字されており、その可変印字領域T2の外郭の枠線が、定型印字R6として印字されている。
図4(b)の例は、食料品として、フライドポテトを製造した場合を例にとって、当該フライドポテトの容器に添付される印字ラベルLの例を示している。上記同様、定型印字R1として「フライドポテト」のテキストが印字され、定型印字R2,R3,R4として「調理時刻」「賞味期限」「AAA店」のテキストがそれぞれ印字されている。可変印字領域T1,T2には、上記同様、現在時刻情報(図示の例では「17:15」)及び管理用時刻情報(図示の例では「19:51」)が印字され、可変印字領域T1,T2の外郭の枠線が定型印字R5,T6として印字されている。
なお、例えば図4(b)の例において、購入客に渡すフライドポテトの容器に印字ラベルLを添付するのに限られない。例えば、加熱機能付きの陳列棚に適宜のタイミングで製造したフライドポテトを予め陳列しておき、購入客からの要望があったときに、陳列棚から店員側(購入客とは反対側)から1つのフライドポテトを取り出して販売するような場合がある。このような場合には、店員は適宜の時間幅で順次交代するため、陳列棚に陳列されたフライドポテトを製造した店員とは別人の店員が、当該フライドポテトを販売する場合がある。この場合は、購入客に対しフライドポテトの賞味期限を告知するのではなく、販売する店員に対し、当該フライドポテトの賞味期限すなわち販売可能な期限を告知するために、上記陳列棚の店員側部分(開閉扉やその周囲等)に印字ラベルLを添付するようにしてもよい。この場合、上記賞味期限時刻を過ぎると店員に廃棄を促す意味で、「賞味期限」に代えて「廃棄期限」のテキストを定型印字R3として印字するようにしてもよい。
図4(c)の例は、対象となる食料品の名称を表す定型印字R1を省略した例を示している。上記同様の定型印字R2,R3,R4として、「調理時刻」「賞味期限」「AAA店」のテキストがそれぞれ印字されている。可変印字領域T1,T2には、現在時刻情報(図示の例では「8:25」)及び管理用時刻情報(図示の例では「20:25」)が印字され、可変印字領域T1,T2の外郭の枠線が定型印字R5,R6として印字されている。あるいは、図示を省略するが、図4(c)の印字ラベルLから賞味期限に係わる定型印字R3,R6及び可変印字領域T2を省略してもよい。逆に、図4(c)の印字ラベルLから調理時刻に係わる定型印字R2,R5及び可変印字領域T1を省略してもよい。また、定型印字R4を省略することもできる。
本実施形態では、上記図4(a)〜図4(c)のそれぞれの印字ラベルLの態様に対応して、図4(a)の定型印字R1〜R6を印字するための定型印字情報(以下適宜「テンプレートA」という)、図4(b)の定型印字R1〜R6を印字するための定型印字情報(以下適宜「テンプレートB」という)、図4(c)の定型印字R2〜R6を印字するための定型印字情報(以下適宜「テンプレートC」という)の、3種類のテンプレートが用意され、予め制御回路210内のテンプレートメモリ212(記憶手段)に記憶されている。これらテンプレートA,B,Cについて、図5(a)〜図5(c)により説明する。
図5(a)に示したテンプレートAは、図4(a)に示した印字ラベルLを作成するためのものである。操作者が、リモコン10の「1」ボタンを操作することにより、このテンプレートAを用いた印字がサーマルヘッド31により実行される。図示のように、このテンプレートAでは、「からあげ弁当」の定型印字R1、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が定型的に設定されている。
図5(b)に示したテンプレートBは、図4(b)に示した印字ラベルLを作成するためのものである。操作者が、リモコン10の「2」ボタンを操作することにより、このテンプレートBを用いた印字がサーマルヘッド31により実行される。図示のように、このテンプレートBでは、「フライドポテト」の定型印字R1、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が定型的に設定されている。
図5(c)に示したテンプレートCは、図4(c)に示した印字ラベルLを作成するためのものである。操作者が、リモコン10の「3」ボタンを操作することにより、このテンプレートCを用いた印字がサーマルヘッド31により実行される。図示のように、このテンプレートCでは、「調理時刻」の定型印字R2、「賞味期限」の定型印字R3、「AAA店」の定型印字R4、枠線の定型印字R5,R6が定型的に設定されている。
なお、上記テンプレートA〜Cは、例えばPC118より通信回線NWを介して印字ラベル作成装置1が予め取得し、テンプレートメモリ212に格納しておく。
上述したように、リモコン10の3つのボタン12のうち、「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンのいずれかを操作者が操作することで、各ボタンに対応したテンプレートA〜Cを選択する選択指示信号とラベルLの作成を要求するラベル作成指示信号とが、赤外線信号の形で送信される(選択指示信号とラベル作成指示信号を1つの信号にまとめてもよい)。リモコン10から送信されたラベル作成指示信号及びラベル作成指示信号は、赤外線受信部28により受信される。制御回路210は、上記選択指示信号の受信に応じて、当該選択指示信号に対応したテンプレートA〜Cをテンプレートメモリ212から取得し、そのテンプレートA〜Cを用いて印字データを生成する。そして、制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209、及び印刷駆動回路205を連携させて制御して、上記印字データをラベル用テープ30Aの印字領域Sに印字し、印字ラベルLを作成する。
ここで、本実施形態の印字ラベル作成装置1のもう1つの特徴は、上記操作者の「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンの操作によるテンプレートA,B,Cの選択に対応して、対応するメロディを流すことにある。
図3に戻り、印字ラベル作成装置1には、発音手段としての発音素子215(報知手段)が設けられるとともに、制御回路210内にメロディメモリ214(記憶手段)が設けられている。メロディメモリ214内には、上記3つのテンプレートA,B,Cにそれぞれ対応付けて予め設定された3つのメロディA,B,Cが記憶されている。
そして、前述した選択指示信号に対応しテンプレートAが用いられる場合にはメロディAがメロディメモリ214より取得され、発音素子215よりメロディAが流れる。また上記選択指示信号に対応しテンプレートBが用いられる場合にはメロディBがメロディメモリ214より取得され、発音素子215よりメロディBが流れる。また上記選択指示信号に対応しテンプレートCが用いられる場合にはメロディCがメロディメモリ214より取得され、発音素子215よりメロディCが流れる。
上記した印字ラベルLの作成作業を実行するために、印字ラベル作成装置1の制御回路210が実行する制御を、図6〜図11により説明する。
図6において、まずステップS10で、制御回路210は、各種パラメータの値やその他の各種データ等の初期化処理を行う。
その後、ステップS20に移り、制御回路210は、キー入力部4のいずれかのキー4A〜4Iが操作されたかどうかを検出するキースキャン処理を行う。
そして、ステップS30において、制御回路210は、赤外線受信部28がリモコン10から受信した赤外線信号を取り込むためのリモコンデータ受信処理を行う。
その後、ステップS40において、制御回路210は、上記通信回路211Bを介し、通信回線NWに接続されたPC118からの操作信号を入力するための、インターフェース(I/F)データ受信処理を行う。
そして、ステップS100において、制御回路210は、上記ステップS20におけるキースキャン処理のスキャン結果に対応した、キー押下によるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図7参照)。
その後、ステップS200において、制御回路210は、上記ステップS40におけるインターフェース(I/F)データ受信処理の結果に対応した、I/F受信データによるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図8参照)。
その後、ステップS300において、制御回路210は、上記ステップS30におけるリモコンデータ受信処理の結果に対応した、リモコン操作によるコマンド決定処理を実行する(詳細は後述の図9参照)。
そして、ステップS400において、制御回路210は、上記ステップS100、若しくはステップS200、若しくはステップS300における処理結果に基づき、それらのいずれかによって決定されたコマンドの内容に対応したコマンド実行処理を実行する(詳細は後述の図10参照)。
その後、ステップS50において、制御回路210は、印字ラベル作成装置1の装置電源がOFFされているかどうかを判定する。電源がOFFされていればステップS50の判定が満たされ、このフローを終了する。装置電源がONのままであればステップS50の判定が満たされず、ステップS20に戻って同様の手順を繰り返す。
上記ステップS100の詳細手順を図7により説明する。
図7において、まずステップS110において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理、又は、ステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判断する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS110の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS110の判定が満たされず、ステップS120に移る。
ステップS120では、制御回路210は、例えば適宜のキー4A〜4Iを介してキー入力部4へのキー操作を無効とするキーロックが設定されているかどうかを判定する。キーロックが設定されている場合はステップS120の判定が満たされ、このルーチンを終了する。キーロックが設定されていない場合はステップS120の判定が満たされず、ステップS130に移る。
ステップS130では、制御回路210は、現在の状況、及びキー入力部4のうちいずれのキー4A〜4Iが操作されたかに基づき、コマンドテーブルの検索を行い、実行すべき要求コマンドを特定するコマンドテーブル検索処理を実行する。ステップS140では、制御回路210は、上記ステップS130での検索結果に基づき、要求コマンドを設定した後、このルーチンを終了する。
ここで、上記コマンドテーブルは、各キー4A〜4Iの操作と要求コマンドの種類との対応関係が定義されることで、各キーに割り当てる機能を設定しているものである。この機能の割り当ては、変更することもできる。この割り当ての中には、印字ラベルLの作成指示機能やテンプレートA〜Cの選択指示機能も含まれている。すなわち、テンプレートA〜Cを選択しての印字ラベルLの作成は、リモコン10の遠隔操作によっても実行可能であるとともに、上記キー4A〜4Iへの操作によっても実行可能である。そして、上記のキーロックは、上記作成指示のためのキー4A〜4Iの機能を喪失させるものである(テンプレート選択機能を喪失させてもよい)。このキーロックが設定されている場合には、印字ラベルLの作成はリモコン10による遠隔操作に限定される。これにより、例えば、操作者が印字ラベル作成装置1から離れた位置にいるとき、印字ラベル作成装置1の近傍の第三者等によって不用意若しくは誤った印字ラベルLの作成が行われるのを効果的に防止することができる。
上記ステップS200の詳細手順を図8により説明する。
まずステップS210において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS100のキー押下によるコマンド決定処理、又は、ステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判定する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS210の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS210の判定が満たされず、ステップS220に移る。
ステップS220では、制御回路210は、上記ステップS40でのI/Fデータ受信処理結果に基づき、通信回路211Bを介してPC118から操作信号が入力されたかどうかを判定する。操作信号がPC118より入力されていなければステップS220の判定が満たされず、このルーチンを終了する。操作信号がPC118より入力されている場合はステップS220の判定が満たされ、ステップS230に移る。
ステップS230では、制御回路210は、上記ステップS220で確認した操作信号に基づき、上記コマンドテーブルの検索を行い、設定すべき要求コマンドを決定する。すなわち、コマンドテーブルには、前述と同様、PC118からの操作信号と要求コマンドの種類との対応関係も定義されており、ステップS230でコマンドテーブルを参照することによりPC118の操作に対して設定すべき要求コマンドを特定することができる。
その後、ステップS240で、制御回路210は、上記ステップS230での検索結果に基づき、設定すべき要求コマンドを設定した後、このルーチンを終了する。
上記ステップS300の詳細手順を図9により説明する。
まずステップS310において、制御回路210は、既に別の処理(ステップS100のキー押下によるコマンド決定処理、又は、ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理)において、要求コマンドが決定されているかどうかを判断する。別の処理で要求コマンドが決定されていればステップS310の判定が満たされ、このルーチンを終了する。別の処理で要求コマンドが決定されていない場合にはステップS310の判定が満たされず、ステップS320に移る。
ステップS320において、制御回路210は、上記ステップS30でのリモコンデータ受信処理の実行結果に基づき、リモコン10からラベル作成指示信号及び選択指示信号を赤外線受信部28が受信したかどうか、つまりリモコン10の3つのボタン12のいずれかによる遠隔操作があったかどうか、を判定する。ラベル作成指示信号及び選択指示信号を受信していなければステップS320の判定が満たされず、このルーチンを終了する。リモコン10の適宜のボタンによる遠隔操作により赤外線受信部28がリモコン10からのラベル作成指示信号及び選択指示信号を受信した場合は、ステップS320の判定が満たされ、ステップS322に移る。
ステップS322では、制御回路210は、赤外線受信部28が受信した上記選択指示信号に基づき、操作者がリモコン10の「1」「2」「3」の上記3つのボタン12のうち、どのボタン12を押したかを判定する。すなわち、リモコン10からの上記指示信号には、どのボタン12の操作であるかの識別情報が予め含まれている。ステップS322では、この識別情報に基づき制御回路210が判定を行う。なお、上記ステップS320及びステップS322が、各請求項記載の第1選択判定手段として機能する。
操作者がリモコン10の「1」ボタンを操作していた場合、ステップS322からステップS325Aへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図5(a)に示したテンプレートAに設定する。そして、ステップS326Aへ移り、制御回路210は、メロディメモリ214からテンプレートAに対応したメロディAを取得し、これを発音素子215に発音させるメロディとして設定する。
操作者がリモコン10の「2」ボタンを操作していた場合、ステップS322からステップS325Bへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図5(b)に示したテンプレートBに設定する。そして、ステップS326Bへ移り、制御回路210は、メロディメモリ214からテンプレートBに対応したメロディBを取得し、これを発音素子215に発音させるメロディとして設定する。
操作者がリモコン10の「3」ボタンを操作していた場合、ステップS322からステップS325Cへ移り、制御回路210は、印字ラベルLの作成に使用するテンプレートを、図5(c)に示したテンプレートCに設定する。そして、ステップS326Cへ移り、制御回路210は、メロディメモリ214からテンプレートCに対応したメロディCを取得し、これを発音素子215に発音させるメロディとして設定する。
すなわち、リモコン10の「1」ボタン、「2」ボタン、「3」ボタンは、印字ラベル作成指示信号とテンプレートの選択指示信号との両方の機能を兼ね備えた信号を、ワンアクションで送信できるボタンである。なお、このような複数のボタン12を個別に用いた選択に限られず、例えば適宜の1つのボタン12を押すごとに、図5(a)に示したテンプレートA→図5(b)に示したテンプレートB→図5(c)に示したテンプレートC→図5(a)に示したテンプレートA→・・のように、ラベル作成に使用するテンプレートが順送りに選択されるようにしてもよい。
そして、上記のようなテンプレートA〜CとメロディA〜Cそれぞれの対応付けにより、この後で実行されるラベル作成処理(図10及び図11参照)において、ステップS326A〜ステップS326Cでの設定に対応したメロディA〜Cが発音(後述する図11のステップS500a参照)された後、ステップS325A〜ステップS325Cでの設定に対応したテンプレートA〜Cを用いた印字が実行されることとなる(後述する図11のステップS550参照)。すなわち、ステップS325A〜ステップS325C、及びステップS326A〜ステップS326Cは、各請求項記載の情報取得手段として機能する。
図9に戻り、上記ステップS325A〜ステップS325Cが終了したら、ステップS330へ移り、制御回路210は、ラベル作成コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。
上記ステップS400の詳細手順を図10により説明する。
まずステップS410において、制御回路210は、上記ステップS100のキー押し下げによるコマンド決定処理、ステップS200のインターフェース受信データによるコマンド決定処理、及びステップS300のリモコン操作によるコマンド決定処理のいずれかにおいて、要求コマンドが既に決定されているかどうかを判断する。要求コマンドが決定されていなければステップS410の判定が満たされず、このルーチンを終了する。いずれかの処理で要求コマンドが決定されていた場合にはステップS410の判定が満たされ、ステップS415に移る。
ステップS415では、制御回路210は、要求コマンドがラベル作成コマンドであるかどうかを判定する。要求コマンドがラベル作成コマンドであった場合、判定が満たされてステップS500に移る。ステップS500では、制御回路210は、印字ラベルLを作成するラベル作成処理を実行し、このルーチンを終了する。一方、ステップS415において、要求コマンドがラベル作成コマンドでなかった場合、判定が満たされずステップS420に移る。ステップS420では、制御回路210は、要求コマンドに対応するために、その要求コマンドで要求されたコマンド処理を実行する。その後、このルーチンを終了する。
上記ステップS500の詳細手順を図11により説明する。
まず、ステップS500aにおいて、制御回路210は発音素子215に制御信号を出力し、上記ステップS326A〜Cで取得されたメロディA〜Cのいずれかの再生を行う。なお、リモコン10の操作でないラベル作成処理の場合には、予め固定的に定められた(テンプレートA〜Cとは対応していない)メロディを再生するようにしてもよいし、メロディ再生を行わないようにしてもよい。上記メロディA〜Cの再生は、予め定められた所定回数(例えば2回等)、又は、所定時間範囲(例えば5秒間等)だけ行う。
その後、ステップS500bにおいて、制御回路210は、メロディA〜Cの再生中に、操作者によるリモコン10の3つのボタン12のいずれかの操作により、新たな上記ラベル作成指示信号及び上記選択指示信号が赤外線受信部28を介し受信されたかどうかを判定する。再生中の新たな操作がなくラベル作成指示信号及び選択指示信号が受信されなかった場合にはステップS500bの判定が満たされず、ステップS500cに移る。
ステップS500cでは、制御回路210は、上記メロディA〜Cを再生した長さが、上記所定回数又は所定時間範囲に達したかどうかを判定する。このステップS500cが、各請求項記載の実行判定手段として機能する。所定回数又は所定時間範囲に達していなければステップS500c判定が満たされず、ステップS500aに戻って引き続きメロディA〜Cの再生が継続される。所定回数又は所定時間範囲に達していればステップS500cの判定が満たされ、ステップS500eに移る。
ステップS500eでは、制御回路210は発音素子215に制御信号を出力し、メロディA〜Cの再生を停止する。その後、後述するステップS510へ移行する。
一方、上記ステップS500bにおいて、メロディA〜Cの再生中に、新たな上記ラベル作成指示信号及び上記選択指示信号が赤外線受信部28を介し受信された場合には、ステップS500bの判定が満たされ、ステップS500dへ移行する。
ステップS500dでは、制御回路210は、発音素子215に制御信号を出力し、メロディA〜Cの再生を停止する。なお、このステップS500dと、上記ステップS500eと、上記ステップS500aとが、各請求項記載の報知制御手段として機能する。
ステップS500dが終了したら、制御回路210は、図9のステップS322、ステップS325A〜C、ステップS326A〜Cと同等の、ステップS522、ステップS525A〜C、ステップS526A〜Cを実行する。
すなわち、制御回路210は、ステップS500bで受信された選択指示信号に基づく、ステップS522での、操作者がリモコン10の「1」〜「3」ボタンのどれを操作していたかの判定に応じ、「1」ボタンの場合にはステップS525A及びステップS526AでテンプレートA及びメロディAに設定し、「2」ボタンの場合にはステップS525B及びステップS526BでテンプレートB及びメロディBに設定し、「3」ボタンの場合にはステップS525C及びステップS526CでテンプレートC及びメロディCに設定する。その後、上記ステップS500aへ戻り、新しく再設定されたテンプレートA〜C及びメロディA〜Cに基づき、前述と同様の手順を繰り返す。なお、上記ステップS522と、前述したステップS500bとが、各請求項記載の第2選択判定手段として機能する。また、上記ステップS525A〜ステップS525C、及びステップS526A〜ステップS526Cもまた、各請求項記載の情報取得手段として機能する。
ステップS510では、制御回路210は、上記ステップS525A、又はステップS525B、若しくはステップS525Cで設定された定型印字情報、すなわち前述のテンプレートA、又はテンプレートB、若しくはテンプレートCを読み込み、当該テンプレートA〜Cに対応した印字データを生成する。
その後、ステップS520に移り、制御回路210は、タイマ201から現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に対応した可変印字領域T1の印字データを生成する。
そして、ステップS530において、制御回路210は、ステップS520で取得した現在時刻情報を用いて管理用時刻情報(図4(a)〜(c)の例では賞味期限時刻)を算出し、算出した管理用時刻情報に対応した可変印字領域T2の印字データを生成する。なお、この算出で用いる現在時刻情報と管理用時刻情報とのオフセット時間幅は、操作者が適宜の値に設定することができる。すなわち、操作者は、キー入力部4の適宜のキー4A〜4Iを操作して値を設定入力したり増減したりして、数値を液晶ディスプレイ27で表示させつつ、オフセット時間幅を設定することができる。なお、可変印字領域T1,T2における現在時刻情報及び管理用時刻情報の印字が不要な場合には、ステップS520及びステップS530の手順を省略してもよい。この場合、タイマ201を省略することもできる。
その後、ステップS540において、制御回路210は、プラテンローラ駆動回路209に制御信号を出力する。これにより、プラテンローラ用モータ208がプラテンローラ26を駆動し、ラベル用テープ30Aの搬送を開始する。
そして、ステップS550において、制御回路210は、上記ステップS510、ステップS520、及びステップS530で生成された印字データに応じた制御信号を印刷駆動回路205に出力する。これにより、サーマルヘッド31がラベル用テープ30Aに対し、上記印字データに対応した印字を開始する。
その後、ステップS560で、制御回路210は、ラベル用テープ30Aへの印字が完了するのを待つ。上記ステップS540、ステップS550、ステップS560が、各請求項記載の印字制御手段として機能する。印字完了が確認されるとステップS560からステップS570へ移る。
ステップS570では、制御回路210は、ラベル用テープ30Aが所定の切断位置に達したかどうか、すなわち、例えば、サーマルヘッド31による印刷の範囲の末端部が、カッターユニット40の固定刃41から所定の長さ分、搬送されたかどうかを判定する。この判定は、例えば、上記ラベル用テープ30Aに設けた適宜の識別用マークを、上記センサ239で検出することにより行えば足りる。あるいは、ある基準位置からの搬送距離を所定の公知の方法(ステッピングモータであるプラテンローラ用モータ208を駆動するプラテンローラ駆動回路209の出力するパルス数をカウントする等)で検出するようにしてもよい。判定が満たされたら、ステップS580に移る。
ステップS580では、制御回路210は、例えばプラテンローラ駆動回路209への制御信号の出力を停止する。これにより、プラテンローラ26の回転が停止し、ラベル用テープ30Aの搬送が停止する。
そしてステップS590において、制御回路210は、切断用駆動回路に制御信号を出力する。これにより、上記アクチュエータがカッターユニット40の可動刃41Aを駆動し、可動刃41Aがラベル用テープ30Aを切断する。その後、このルーチンを終了する。
以上説明したように、本実施形態においては、操作者が用途等に応じて複数種類の態様の印字ラベルLを作成可能なように、複数種類のテンプレートA〜Cが予めテンプレートメモリ212に記憶されている。そして、テンプレートA〜Cのうちどれを用いるかに応じて操作者がリモコン10の「1」「2」「3」ボタンで選択することにより、当該選択結果に対応した選択指示信号がリモコン10から印字ラベル作成装置1へ送信される。そしてその選択指示信号に対応したテンプレートA〜Cがテンプレートメモリ212より取得され、当該取得されたテンプレートA〜Cが定型印字R1〜R5等として印字された印字ラベルL(図4(a)〜(c)の3つの態様のうちのいずれかの態様のもの)が、作成される。これにより、操作者は、印字ラベル作成装置1から離れた場所からの遠隔操作により、予め用意された複数種類の態様のうち自らの意図に応じた態様を選択し、当該選択した態様の印字ラベルLを作成することができる。
ここで、上記のようなリモコン10からの操作に基づく印字ラベル作成作業の際、印字ラベル作成装置1では、上記テンプレートA〜Cとともに、当該テンプレートA〜Cに対応したメロディA〜Cがメロディメモリ214から取得される。そして、発音素子215が、上記取得したメロディA〜Cを用いて、操作者に対し報知を行う。これにより、操作者は、印字ラベル作成装置1から離れて遠隔操作をしている当該場所で、自らのリモコン10での選択により印字ラベル作成装置1が認識したテンプレートがテンプレートA〜Cのいずれであるか、を聴覚的に確認することができる。この結果、操作者は、印字ラベルLに印字される定型印字R1〜R5等の確認のために、印字ラベル作成作業の都度、遠隔操作をしている場所から印字ラベル作成装置1の設置箇所まで赴く必要がない。
したがって、操作者は、印字ラベル作成装置1から離れた場所からの遠隔操作により、意図に応じて選択した態様の印字ラベルLを確実に作成することができる。この結果、操作者の利便性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、光でなく音による報知とすることで、操作者の位置から視認できない箇所に印字ラベル作成装置1が配置されている場合であっても、確実に上記テンプレートA〜Cの確認を行うことができる。さらに、メロディA〜Cによる報知とすることにより、操作者は、単なる音声よりも印象的な楽曲の名称や種類によって、印字ラベル作成装置1が認識したテンプレートA〜Cがいずれであるかを、より確実に確認することができる。
また、本実施形態では特に、図11に示すステップS500a、ステップS500b、ステップS500c、及びステップS500eにおいて、メロディA〜Cによる報知が完了した後に、ステップS510以降においてテンプレートA〜Cを用いて印字を行った印字ラベルLが作成される。これにより、操作者は、実際に印字ラベルLが作成開始されるより前に、印字ラベルLに印字されるテンプレートA〜Cが何であるか、言い換えれば、図4(a)〜図4(c)の3種類のうちいずれの態様の印字ラベルLが作成されるかを、事前に確認することができる。
また、本実施形態では特に、リモコン10からの操作に基づき選択されたテンプレートA〜Cに対応したメロディA〜Cを再生中に、操作者がリモコン10のボタン12を再操作して新たにテンプレートA〜Cを選択した場合には、当該新たな選択に対応したテンプレートA〜C及びメロディA〜Cが新たに取得される(図11のステップS525A〜C及びステップS526A〜C)。また、再生中であったメロディA〜Cは中断され(ステップS500d)、新たに取得されたメロディA〜Cが再生される(ステップS500a)。これにより、当初のボタン12による選択に対応したテンプレートA〜Cにより作成されようとしている印字ラベルLの態様を、新たな選択に対応したテンプレートA〜Cにより作成するように、印字態様を変更することができる。この結果、実際に作成されようとしている印字ラベルLの態様が操作者の意図と異なっていた場合に、当該態様の印字ラベルLが無駄に作成されるのを防止することができる。したがって、操作者の意図を反映したラベル作成を無駄なく確実に行うことができる。
また、本実施形態では特に、ステップS540〜ステップS590での制御により、上記ステップS520で取得された現在時刻情報が可変印字領域T1に印字された印字ラベルLが作成される。この結果、操作者がラベルの作成を意図した瞬間の時刻を遠隔操作にてリアルタイムで印字して、印字ラベルLを作成することができる。これにより、操作者が印字ラベル作成装置1から離れた位置において所定の作業をしているときに、その位置から印字ラベル作成装置1の設置箇所まで操作者が赴く時間をロスすることなく、当該所定の作業の作業時刻を正確に印字し印字ラベルLを作成することができる。
また、本実施形態では特に、操作者の作業時刻を表す現在時刻情報に加え、現在時刻情報から所定の時間幅だけオフセットした管理用時刻情報も併せて印字ラベルLに印字することができる。例えば操作者が上記食料品の調理作業に従事している場合には、食料品の製造時刻から所定の時間幅でオフセットして定義される、賞味期限時刻、廃棄期限時刻、品質保証期限時刻等を、正確に印字ラベルLに記録することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
(1)複数枚の印字ラベルを一括作成する場合
本変形例を図12〜図17により説明する。なお、各図において、上記実施形態と同等の部分や同等の手順には同一の符号を付し、適宜説明を省略又は簡略化する。
本変形例では、印字ラベル作成装置1に2つのモードが備えられる。1つのモードは、上記実施形態と同様、リモコン10からのラベル作成指示信号及び選択指示信号が受信される都度、1枚の印字ラベルLを作成する個別作成モードである。またもう1つのモードは、ラベル作成指示信号及び選択指示信号を受信する都度、1枚の印字ラベルLを作成可能な印字データを蓄積しておき、印字ラベル作成装置1で所定の操作があったときに、蓄積された印字データにより複数枚の印字ラベルLを一括して作成する一括作成モードである。操作者は、印字ラベル作成装置1のキー入力部4における適宜のキー4A〜4Iを操作することにより、上記個別作成モード及び一括作成モードのいずれかを選択することができる。なお、このモード選択を操作者がリモコン10において選択し、対応する選択指示信号が赤外線受信部28へと送信されるようにしてもよい。
本変形例の印字ラベル作成装置1の制御回路210が実行する制御では、先に示したステップS100、ステップS300、ステップS400、ステップS500の詳細手順が、それぞれ上記実施形態における制御と異なる。
本変形例で実行されるステップS100の詳細手順を図12に示す。図12において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図7と異なる主な点は、新たにステップS132、ステップS134、ステップS136、ステップS138を設けたことである。
図12において、上記図7と同様のステップS110及びステップS120が実行された後、ステップS130で、制御回路210はコマンドテーブル検索処理を行う。前述したように、コマンドテーブルは、各キー4A〜4Iの操作と要求コマンドの種類との対応関係が定義され、各キーに割り当てる機能が設定されている。本変形例では、上記のようにいずれかのキー4A〜4Iにモード切替機能が割り当てられており、操作者により当該キーが操作されていた場合には、このステップS130でのコマンドテーブル検索処理によって、コマンドがモード切替コマンドに設定される。
上記ステップS130が終了すると、新たに設けたステップS132へ移る。ステップS132では、制御回路210は、ステップS130でのコマンドテーブル検索処理により検索したコマンドがモード切替コマンドであるかどうかを判定する。操作者がモード切替以外のキー4A〜4I(ラベル作成指示のためのキーを含む)を操作していた場合にはステップS132の判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS140へ移る。ステップS140では、制御回路210は、上記実施形態と同様、上記ステップS130で検索できたコマンド(ラベル作成コマンドを含む)を要求コマンドに設定した後、このルーチンを終了する。
一方、操作者がモード切替のキー4A〜4Iを操作していた場合にはステップS132の判定が満たされ、新たに設けたステップS134へ移る。
ステップS134では、制御回路210は、操作者が、モード切替を実行するキー4A〜4Iによって、上記個別作成モード及び上記一括作成モードのうち、一括作成モードを選択していたかどうかを判定する。個別作成モードが選択されていた場合にはステップS134の判定が満たされず、ステップS138で制御回路210はフラグFを個別作成モードが選択されていることを表す0にし、このルーチンを終了する。一括作成モードが選択されていた場合にはステップS134の判定が満たされ、ステップS136へ移る。ステップS136では、制御回路210は、一括作成モードが選択されていることを表すフラグFを1にし、このルーチンを終了する。なお、本変形例では、先に示した図6のフローのステップS10での各種初期化処理において、上記フラグFが0に初期化される。
以上の図12に示すフローにより、操作者のキー操作により一括作成モードが選択されている場合のみ、フラグFが1に設定される。
本変形例で実行されるステップS300の詳細手順を図13に示す。図13において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図9と異なる主な点は、新たにステップS327、ステップS335を設けたことである。
図13において、図9と同様のステップS320においてリモコン10からの遠隔操作があった場合には判定が満たされ、図9と同様のステップS322及びステップS325A〜C及びステップS326A〜Cが実行された後、新たに設けたステップS327へ移る。ステップS327では、制御回路210は、上記フラグFが1であるかどうかを判定する。個別作成モードが選択されておりフラグFが0であった場合にはステップS327の判定が満たされず、上記図9と同様のステップS330に移り、制御回路210は、ラベル作成コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。
一方、ステップS327において、一括作成モードが選択されておりフラグFが1であった場合には判定が満たされ、ステップS335に移る。ステップS335では、制御回路210は、データ蓄積コマンドを要求コマンドに設定し、このルーチンを終了する。このデータ蓄積コマンドは、印字ラベルLを作成するために生成された印字データを、複数枚分記憶し蓄積するためのコマンドである。このデータ蓄積コマンドに対応して、図14に示すように、本変形例では、制御回路210に印字データを蓄積するためのデータメモリ213が設けられている。
図13に戻り、上記ステップS335が完了すると、このルーチンを終了する。
以上の図13に示すフローにより、リモコン10からラベル作成指示信号及び選択指示信号が受信された場合でも、一括作成モードが選択されている場合には、要求コマンドは「ラベル作成コマンド」ではなく「データ蓄積コマンド」に設定される。
本変形例で実行されるステップS400の詳細手順を図15に示す。図15において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図10と異なる主な点は、新たにステップS417、ステップS600を設けたことである。
図15において、制御回路210は、上記図10と同様のステップS415において、要求コマンドがラベル作成コマンドであるかどうかを判定する。要求コマンドがラベル作成コマンドであった場合、ステップS415の判定が満たされて上記実施形態と同様にステップS500へ移り、ステップS500を完了した後にこのルーチンを終了する。
一方、要求コマンドがラベル作成コマンドではなかった場合、ステップS415の判定が満たされず、新たに設けたステップS417へ移る。ステップS417では、制御回路210は、要求コマンドがデータ蓄積コマンドであるかどうか、言い換えれば一括作成モードが選択されているかどうかを判定する。個別作成モードが選択されていて要求コマンドがデータ蓄積コマンド以外のコマンドである場合にはステップS417の判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS420へ移る。一方、一括作成モードが選択され要求コマンドがデータ蓄積コマンドであった場合にはステップS417の判定が満たされ、ステップS600へ移る。
ステップS600では、制御回路210は、印字データの蓄積処理(詳細は後述の図16参照)を行う。その後、このルーチンを終了する。
以上の図15に示すフローにより、要求コマンドがラベル作成コマンドの場合はラベル作成処理が実行され、要求コマンドがデータ蓄積コマンドの場合はデータ蓄積処理が実行され、要求コマンドがラベル作成コマンド及びデータ蓄積コマンド以外の場合は、当該コマンドに対応した処理が実行される。
上記ステップS600の詳細手順を図16により説明する。
図16において、まず、制御回路210は、図11のステップS500a〜eと同等の、ステップS600a〜dを実行する。
すなわち、制御回路210は、ステップS600aで上記ステップS326A〜Cで取得されたメロディA〜Cを再生開始するとともに、所定回数又は所定時間範囲に達したらステップS600cを経てステップS600eでメロディ再生を停止する。その後は後述のステップS610へ移行する。上記メロディA〜Cの再生中にリモコン10の「1」「2」「3」ボタンが操作されたらステップS600bからステップS600dへ移り、メロディ再生を停止する。
ステップS600dが終了したら、制御回路210は、図11のステップS522、ステップS525A〜C、ステップS526A〜Cと同等の、ステップS622、ステップS625A〜C、ステップS626A〜Cを実行する。
すなわち、制御回路210は、上記ステップS600bで受信された選択指示信号に基づく、ステップS622での、操作者がリモコン10の「1」〜「3」ボタンのどれを操作していたかの判定に応じ、「1」ボタンの場合にはステップS625A及びステップS626AでテンプレートA及びメロディAに設定し、「2」ボタンの場合にはステップS625B及びステップS626BでテンプレートB及びメロディBに設定し、「3」ボタンの場合にはステップS625C及びステップS626CでテンプレートC及びメロディCに設定する。その後、上記ステップS600aへ戻り、新しく再設定されたテンプレートA〜C及びメロディA〜Cに基づき、前述と同様の手順を繰り返す。
ステップS600eが終了したら、制御回路210は、ステップS610で、上記実施形態のステップS510(図11参照)と同様、上記ステップS625A、又はステップS625B、若しくはステップS625Cで設定されたテンプレートA、又はテンプレートB、若しくはテンプレートCを読み込み、当該テンプレートA〜Cに対応した印字データを生成する。
その後、ステップS620に移り、制御回路210は、上記実施形態のステップS520と同様、タイマ201から現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に対応した可変印字領域T1の印字データを生成する。
そして、ステップS630において、制御回路210は、上記実施形態のステップS530と同様、ステップS620で取得した現在時刻情報を用いて管理用時刻情報を算出し、算出した管理用時刻情報に対応した可変印字領域T2の印字データを生成する。なお、前述と同様、この算出で用いる現在時刻情報と管理用時刻情報とのオフセット時間幅は、操作者が適宜の値に設定することができる。
その後、ステップS640に移り、制御回路210は、上記ステップS610〜ステップS630により生成した、定型印字R1,R2,R3,R4,R5,R6を印字するための印字データと、可変印字領域T1,T2の印字データとを、上記のデータメモリ213へ格納し、このルーチンを終了する。
以上の図16に示すフローにより、テンプレートA〜Cに対応したメロディA〜Cが再生された後、1枚の印字ラベルLを印刷するための印字データが、データメモリ213へ記憶される。
本変形例で実行されるステップS500の詳細手順を図17に示す。図17において、本変形例の制御手順が上記実施形態の図11と異なる主な点は、メロディ再生やテンプレート設定に係わるステップS500a〜ステップS500d、ステップS522、ステップS525A〜C、ステップS526A〜Cが省略されるとともに、新たにステップS505、ステップS507、ステップS595が設けられたことである。
図17において、まずステップS505において、制御回路210は、上記フラグFが1であるかどうか、すなわち一括作成モードが選択されているかどうかを判定する。一括作成モードが選択されフラグFが1であった場合には判定が満たされ、ステップS507に移る。ステップS507では、制御回路210は、上記図16のフローに示した手順によりデータメモリ213に既に記憶され蓄積されている少なくとも1枚の印字ラベルL用の印字データを読み込む。その後、上記実施形態と同様のステップS540へ移る。
一方ステップS505において、個別作成モードが選択されていてフラグFが0であった場合には判定が満たされず、上記実施形態と同様のステップS510、ステップS520、ステップS530を実行した後、ステップS540へ移る。
ステップS540、及び、それ以降のステップS550〜ステップS590は、上記実施形態と同様である。すなわち、ステップS540でラベル用テープ30Aの搬送が開始され、ステップS550で、サーマルヘッド31により上記ステップS507で読み込んだ印字データ、若しくは、ステップS510〜ステップS530により生成された印字データの、印字が開始される。ステップS560及びステップS570で印字完了と切断位置への到達が確認された後、ステップS580でラベル用テープ30Aの搬送が停止され、ステップS590でテープ切断が行われる。
上記ステップS590が完了したら、新たに設けたステップS595に移る。ステップS595では、制御回路210は、着手しているすべての枚数の印字ラベルLの作成が完了したかどうかを判定する。個別作成モードが選択されている場合(F=0の場合)には、作成着手している印字ラベルLの枚数は1枚であり、ステップS510、ステップS520、ステップS530、ステップS540、ステップS550、ステップS560、ステップS570、ステップS580、ステップS590を経ることで当該1枚の印字ラベルLの作成は完了するため、ステップS595の判定が満たされ、このルーチンを終了する。
一方、一括作成モードが選択されている場合(F=1の場合)には、ステップS507で一括して読み込んだ複数枚分の印字データを用いて当該複数枚分のすべての印字ラベルLの作成が完了していれば、ステップS595の判定が満たされてこのルーチンを終了する。当該複数枚分のすべての印字ラベルLの作成はまだ完了していなければ、ステップS595の判定が満たされず、ステップS540に戻り、当該複数枚分の印字ラベルLの作成が完了するまで、ステップS540〜ステップS595の手順を繰り返した後、このルーチンを終了する。なお、この繰り返しの間の、ステップS540〜ステップS560が、各請求項記載の印字制御手段として機能する。
以上の図17に示すフローにより、一括作成モードが選択されている場合には、ラベル作成処理において複数枚分の印字データが一括して読み込まれ、当該複数枚の印字ラベルLが一括して作成される。
以上のように、本変形例においては、一括作成モードに切り替えられた状態(フラグF=1)では、操作者がラベルの作成を意図してリモコン10を操作したとき、ステップS335(図13参照)でのデータ蓄積コマンドの設定により、当該印字ラベルLを作成するための印字データ(制御データ)がステップS600でデータメモリ213に記憶される(図15参照)。その際、上記データメモリ213への格納の前に、上記リモコン10の操作により選択したテンプレートA〜Cに対応したメロディA〜Cが再生される。このとき、上記実施形態と同様、再生時に操作者によりリモコン10が再操作された場合には、再生中であったメロディA〜Cは中断され、再操作に対応した新たなメロディA〜Cが再生される。
そして、複数回(あるいは1回でもよい)のリモコン10の操作に対応した印字データがデータメモリ213に記憶された後、操作者が適宜のキー14A〜14Iを用いて印字ラベル作成を指示すると、ステップS140(図12参照)において設定されたラベル作成コマンドに基づき、ステップS500(図15参照)のラベル作成処理が実行される。このラベル作成処理では、それまでにデータメモリ213に記憶されていた印字データに基づき(図17のステップS507参照)、対応する枚数(複数枚又は1枚)の印字ラベルLが一括して作成される(ステップS540〜ステップS595参照)。
このように、本変形例では、操作者が印字ラベル作成装置1へ赴くまで印字ラベルLの作成(発行)を行わないようにすることで、印字ラベル作成装置1付近に人がいない無人状態で印字ラベルLが作成(発行)される場合に生じうる、印字ラベルLの紛失を確実に防止することができる。
(2)その他
なお、以上においては、印字ラベル作成装置1において、テンプレートA,B,Cのそれぞれに応じて発音態様を変える発音態様情報として、楽曲情報としての各メロディA〜Cを使用したが、これに限られない。すなわち、任意の音階の単音や、継続音・断続音等からなる発音態様情報を3種類用意して使用してもよい。さらには、発音態様情報にも限られず、テンプレートA,B,Cのそれぞれに応じて報知態様を変える報知態様情報として、遠くから識別できる複数態様(色、明るさ、発光源の形等)の光を用いても良い。この場合は印字ラベル作成装置1の適宜の箇所に発光手段が設けられ、当該発光手段を駆動するための発光駆動データが適宜のメモリ(記憶手段)に記憶されて用いられる。
また、以上においては、印字ラベルLを作成するときに操作者が従事する作業として食料品の製造作業等を想定した場合を例にとって説明したが、時間により管理する物品を取り扱う作業であれば、特に食料品関連の作業でなくとも良い。また、現在時刻情報とともに印字する管理用時刻情報としては、賞味期限や廃棄期限に代えて、例えば消費期限、品質保証期限等の他の情報としても良い。
なお、上記各図におけるフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。