JP2011144819A - 油圧密封式チェーンテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】チェーンに対して下向きの調整力を負荷することができるようにした油圧密封式チェーンテンショナを提供することである。
【解決手段】シール部材23の組込みによって上部開口が密封されたシリンダ21と、上記シール部材23をスライド自在に貫通するロッド24の伸縮によってチェーンの張力を一定に保持する油圧密封式テンショナユニット20をチェーンカバー1に取付けられるハウジング10の下端開口のガイド孔12内にスライド自在に組込む。そのテンショナユニット20のロッド24の上端をガイド孔12の上部開口を閉塞するヘッドキャップ15の下面で受け、上記ハウジング10によってスライド自在に支持されたシリンダ21の底でチェーンガイド3を押圧して、チェーン4の張力を一定に保持する。
【選択図】図1

Description

この発明は、カム軸駆動用のチェーンの張力を一定に保持する油圧密封式チェーンテンショナに関する。
クランク軸の回転をチェーンを介してカム軸に伝達するチェーン伝動装置においては、チェーンの弛み側に揺動可能なチェーンガイドを接触し、そのチェーンガイドにチェーンテンショナの調整力を負荷してチェーンの張力を一定に保つようにしている。
上記チェーンテンショナとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。このチェーンテンショナにおいては、ハウジングに形成されたシリンダ室内にプランジャと、そのプランジャを外方に向けて押圧するリターンスプリングとを組込み、上記ハウジングには、プランジャの背部に形成された圧力室に連通する給油通路を設け、その給油通路のオイル出口部に圧力室内のオイルが給油通路側に逆流するのを防止するチェックバルブを設け、上記給油通路から圧力室内に供給されるオイルによってチェーンからプランジャに負荷される押し込み力を緩衝するようにしている。
特開2007−218372号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたチェーンテンショナにおいては、給油通路のオイルを供給する給油式のものであるため、オイルポンプから吐出されるオイルを給油通路に導くオイル供給路を必要とし、エンジンのコストが高くなるという不都合がある。
また、オイルポンプとしては吐出容量の多い大型のものを必要とし、そのオイルポンプはエンジン始動時の吐出量が少なく、チェーンテンショナの圧力室がオイルで満たされて油圧ダンパ機能が発揮するまでに時間を要し、エンジン始動直後にチェーンにバタツキが生じ易いという不都合がある。
ここで、チェーンテンショナには、特開2006−90440号公報あるいは特開2007−24200号公報に記載されているように、油圧密封式のものが存在するが、これらの公報に記載されている油圧密封式チェーンテンショナにおいては、ハウジングの端部開口をオイルシール等のシール部材の組込みより密封してハウジング内部に封入されたオイルの外部への漏洩を防止するようにしているため、上記シール部材を上向きあるいは横向きとする使用に限定され、チェーンに下向きの調整力を付与する必要のあるエンジンの場合には、ハウジング内部に形成された圧力室内にエアが侵入して油圧ダンパ効果を発揮させることができず、使用することができないという問題がある。
この発明の課題は、チェーンに対して下向きの調整力を負荷することができるようにした油圧密封式チェーンテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、一端が開口し、他端が閉塞するガイド孔を有し、そのガイド孔の開口端を下にしてチェーンカバーに取付けられるハウジングと、そのハウジングのガイド孔によってスライド自在に支持されるテンショナユニットとからなり、前記テンショナユニットが、前記ガイド孔内にスライド自在に嵌合された底付きシリンダを有し、そのシリンダの上部開口をシール部材の組込みにより密閉してシリンダ内部に作動油とエアとを封入し、そのシール部材をスライド自在に貫通するロッドの下端にシリンダの内径面に沿って摺動可能なプランジャを接続し、そのプランジャには、その下方に形成された圧力室と上方に形成されたリザーバ室を連通する通路を形成し、その通路の圧力室側の開口端部に圧力室内の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなった際に通路を閉じるチェックバルブを設け、前記ロッドとシリンダをリターンばねにより伸長する方向に付勢した構成からなり、そのテンショナユニットをロッドの端面がガイド孔の上側閉塞端で受けられる組込みとした構成を採用したのである。
上記の構成からなる油圧密封式チェーンテンショナにおいては、チェーンカバーに形成されたテンショナ取付孔にハウジングを挿入して、そのハウジングをチェーンカバーに固定し、テンショナユニットにおけるシリンダの底で揺動可能なチェーンガイドを下向きに押圧して、そのチェーンガイドで案内されるチェーンに下向きの調整力を付与する組付けとする。
上記のような油圧密封式チェーンテンショナの組付け状態において、チェーンが振動し、そのチェーンに弛みが生じると、リターンばねの押圧によりシリンダが下向きにスライドしてチェーンの弛みを吸収する。このとき、圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より低下するため、チェックバルブが開放し、リザーバ室の作動油は通路から圧力室に流入し、シリンダは急速に下向きにスライドしてチェーンの弛みを直ちに吸収する。
一方、チェーンが緊張すると、そのチェーンからチェーンガイドを介してシリンダに押上げ力が負荷され、圧力室内の圧力が上昇する。その圧力上昇によりチェックバルブが通路を閉鎖し、圧力室内の作動油の油圧ダンパ作用により押上げ力が緩衝されてチェーンの張力が一定に保持される。
上記押上げ力がリターンばねの弾性力より強い場合、圧力室内の作動油はシリンダとプランジャの摺動面間に形成された微小なリーク隙間からリザーバ室内に流入し、シリンダは押上げ力とリターンばねの弾性力とが釣り合う位置まで上昇して、チェーンの張力変化を吸収する。
この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナにおいて、ハウジングに形成されたガイド孔の上部内にヘッドキャップをねじ係合し、そのヘッドキャップをガイド孔の上部閉塞端とすると、上記ヘッドキャップの回転による軸方向の移動によりテンショナユニットのロッドを軸方向に移動させることができるため、リターンばねの弾性力を調整することがき、チェーンの張力調整を行なうことができる。
また、ハウジングの外径面にチェーンカバーに形成されたテンショナ取付け用のねじ孔にねじ係合される雄ねじを形成すると、ハウジングの回転による軸方向の移動によって、ロッドを軸方向に移動させることができるため、この場合においてもチェーンの張力調整を行なうことができる。
ここで、ハウジングとシリンダの相互間に、テンショナユニットのシリンダとロッドを収縮状態に保持し、その保持状態でシリンダに押込み力が負荷された際に保持を解除する初期セット手段を設けておくと、エンジンに対する油圧密封式チェーンテンショナの組付け時にテンショナユニットを収縮状態に保持する必要がなくなるため、油圧密封式チェーンテンショナの組付けの容易化を図ることができる。
上記初期セット手段として、ハウジングにおけるガイド孔の下側開口端部の内周に、浅溝部と深溝部とを有する段付きのセット溝を、浅溝部が下側に位置するように設け、そのセット溝に周方向の一部が切り離されて径方向に弾性変形可能なセットリングを縮径させた状態で組込み、そのセットリングをシリンダの下端部外周に形成された係合溝と浅溝部に跨る係合状態としてシリンダを押込み状態に保持するようにした構成からなるものを採用することができる。
上記の構成からなる初期セット手段の採用において、エンジンに対する油圧密封式チェーンテンショナの組付け後、エンジンをクランキングしてチェーンを緊張させることにより、そのチェーンでシリンダが押し上げられる。そして、セットリングが深溝部と対向する位置までシリンダが押し上げられると、セットリングが拡径して深溝部に収容されるため、初期セットを自動的に解除することができる。
また、ハウジングとシリンダの相互間に、シリンダがガイド孔から抜け出るのを防止する抜止め手段を設けておくと、チェーンを取り外すエンジンのメンテナンス時にテンショナユニットがハウジングから抜け落ちるのを防止することができる。
上記抜止め手段として、ガイド孔を上部孔部が下部孔部より大径の段付き孔としてガイド孔の内周に段部を形成し、シリンダの上部外周に抜止めリングを取付け、上記段部に対する抜止めリングの当接によりテンショナユニットを抜止めするようにしたものを採用することができる。
この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナにおいて、ガイド孔の内径面にシリンダを摺動案内する樹脂ライナを設けておくと、シリンダのスライド抵抗が減少して、シリンダを軸方向にスムーズに移動させることができ、チェーンの張力調整を円滑に行なうことができる。
また、ガイド孔とシリンダの摺動面間に、シリンダの上方への移動を制限する後退動規制手段を設けておくと、エンジンの停止時、カムの停止位置の関係によりチェーンが緊張状態に保持されても、シリンダがハウジング内に押し込まれるのを防止することができる。このため、エンジンの再始動による直後から良好な油圧ダンパ機能を発揮させることができ、チェーンのバタツキを抑制することができる。
上記のように、この発明においては、シール部材の組込みによって上部開口が密封されたシリンダと、上記シール部材をスライド自在に貫通するロッドの伸縮によってチェーンの張力を一定に保持する油圧密封式テンショナユニットをチェーンカバーに取付けられるハウジングのガイド孔内にスライド自在に組込み、そのテンショナユニットのロッドの上端をガイド孔の上部閉塞端で受け、上記ハウジングによってスライド自在に支持されるシリンダの底でチェーンガイドを押圧するようにしたので、チェーンに対して下向きの調整力を負荷することができる。
この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナの実施の形態を示す縦断正面図 図1に示す油圧密封式チェーンテンショナのテンショナユニットの初期セット状態を示す縦断正面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図2のセットリングの組付け部を拡大して示す断面図 初期セットの解除状態を示す断面図 この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナの他の実施の形態を示す縦断正面図 この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナのさらに他の実施の形態を示す縦断正面図 図7の一部分を拡大して示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナは、エンジンのチェーンカバー1に取付けられるハウジング10と、そのハウジング10にスライド自在に支持される油圧密封式テンショナユニット20とからなる。
ハウジング10は円柱状をなし、チェーンカバー1の周壁上部に形成されたテンショナ取付孔2に対して外部から挿入可能とされ、その挿入方向の後端部外周にはチェーンカバー1の外表面に衝合されてボルト止めされるフランジ11が設けられている。
また、ハウジング10には、チェーンカバー1に対する取付け状態で上下に貫通するガイド孔12が形成されている。ガイド孔12は、大径孔部12aの下部に小径孔部12bが形成された段付き孔とされて、その内径面に段部13が形成されている。
大径孔部12aの上端開口部の内周には雌ねじ14が形成され、その雌ねじ14にヘッドキャップ15がねじ係合されて上端の開口が閉塞されている。
テンショナユニット20は、ハウジング10の小径孔部12bにスライド自在に嵌合された底付きのシリンダ21を有し、そのシリンダ21の上端開口部内にはウェアリング22と、その上側にオイルシールからなるシール部材23とを組込んで、シリンダ21の内部に封入された作動油とエアの外部への漏洩を防止している。
また、ウェアリング22とシール部材23をスライド自在に貫通するロッド24のシリンダ21内に位置する端部に、シリンダ21の内径面に沿って摺動可能なプランジャ25を接続し、そのプランジャ25に、その下方に形成された圧力室26と上方に形成されたリザーバ室27を連通する通路28を形成し、その通路28の圧力室26側の端部開口に圧力室26内の圧力がリザーバ27室内の圧力より高くなった際に通路を閉じるチェックバルブ29を設け、上記圧力室26内に組込んだリターンばね30によりプランジャ25およびロッド24を圧力室26の容積が拡大する方向に向けて付勢している。
ここで、底付きシリンダ21は、シリンダチューブ21aの下端開口にボトムキャップ21bを圧入し、その圧入と同時に溶接している。
また、実施の形態では、圧力室26内にリターンばね30を組込むようにしているが、ロッド24のシリンダ21の外部に臨む端部にばね座を取り付け、そのばね座とシリンダ21の開口端間にリターンばね30を組込むようにしてもよい。
上記の構成からなるテンショナユニット20は、ハウジング10に形成されたガイド孔12の開口端からその内部にシリンダ21をスライド自在に嵌合する組付けとされる。この場合、シリンダ21はロッド24を先にする組付けとされて、ロッド24の上端がヘッドキャップ15の下面で受け止められ、リターンばね30で下向きに付勢されたシリンダ21の底で揺動可能なチェーンガイド3を押圧し、チェーン4に調整力を負荷するようになっている。
図2乃至図5に示すように、ハウジング10とシリンダ21の相互間には、テンショナユニット20のシリンダ21とロッド24を収縮状態に保持し、その保持状態でシリンダ21に押込み力が負荷された際に保持を自動的に解除する初期セット手段40が設けられている。
初期セット手段40は、ハウジング10におけるガイド孔12の下側開口端部の内周に、浅溝部41aと深溝部41bとを有する段付きのセット溝41を、浅溝部41aが下側に位置するように設け、そのセット溝41に周方向の一部が切り離されて径方向に弾性変形可能なセットリング42を縮径させた状態で組込み、そのセットリング42をシリンダ21の下端部外周に形成された係合溝43と浅溝部41aに跨る係合状態としてシリンダ21を押込み状態に保持するようにし、上記シリンダ21に押込み力が負荷されて、セットリング42が深溝部41bと対向する位置までシリンダ21が押し込まれた際に、セットリング42を自己の復元弾性で拡径させてシリンダ21の保持を解除するようにしている。
ここで、セットリング42は、図3に示すように、切り離し端に外方に向く一対の摘み42aを有し、その一対の摘み42aはシリンダ21の下端部に形成された切欠部44内に配置され、上記一対の摘み42aを摘むことによってセットリング42が縮径するようになっている。
図1に示すように、ハウジング10とシリンダ21の相互間には、シリンダ21がガイド孔12から抜け出るのを防止する抜止め手段50が設けられている。抜止め手段50は、シリンダ21のハウジング10内に位置する上端部の外周にリング溝51を形成し、そのリング溝51内に抜止めリング52を取り付け、上記ハウジング10のガイド孔12の内周に形成された段部13に対する抜止めリング52の内周部の当接によってシリンダ21を抜止めするようにしている。
実施の形態で示す油圧密封式チェーンテンショナは上記の構造からなり、その油圧密封式チェーンテンショナのエンジンへの組付けに際しては、テンショナユニット20のシリンダ21とロッド24を収縮状態とし、その収縮状態においてハウジング10のガイド孔12内にテンショナユニット20を嵌合する。
このとき、テンショナユニット20はロッド24を先にしてガイド孔12内に嵌合し、そのロッド24の上端がヘッドキャップ15の下面に当接する位置までテンショナユニット20を嵌合した後、セット溝41の深溝部41b内に装着されたセットリング42を縮径し、そのセットリング42をシリンダ21の端部外周に形成された係合溝43に係合し、その係合状態を維持して、セット溝41の浅溝部41aにセットリング42が係合する位置までシリンダ21を軸方向に移動させる。
図2および図4は、セット溝41の浅溝部41aと係合溝43の双方にセットリング42を係合させた状態を示し、そのセットリング42の係合によってテンショナユニット20は、シリンダ21とロッド24とが収縮された初期セット状態に保持される。その保持状態において、チェーンカバー1の上方から、そのチェーンカバー1に形成されたテンショナ取付孔2内にハウジング10を挿入し、チェーンカバー1の外表面に当接されるフランジ11をチェーンカバー1にボルト止めすることによって、油圧密封式チェーンテンショナの組付けが完了する。その組付けによってシリンダ21の底がチェーンガイド3の上側に対向する状態とされる。
上記のように、係合溝43に係合させたセットリング42をセット溝41の浅溝部41aに嵌合させることによってテンショナユニット20を収縮状態に保持することができるため、油圧密封式チェーンテンショナの組付けに際して、シリンダ21を人手によって押し込み状態に保持する必要がなくなり、油圧密封式チェーンテンショナをきわめて容易に組付けることができる。
油圧密封式チェーンテンショナの組付け後、エンジンをクランキングさせることで、そのチェーンテンショナが組付けされた側のチェーンスパンを緊張させ、あるいは、エンジンのクランク軸を逆転させて、通常運転時に弛み側とされるチェーン4を張り側とさせると、そのチェーン4からチェーンガイド3を介してシリンダ21に押し込み力が負荷される。
シリンダ21に対する押し込み力の負荷により、シリンダ21はハウジング10のガイド孔12内に押し込まれ、係合溝43がセット溝41の深溝部41bに対向する位置までシリンダ21が押し込まれると、セットリング42は自己の復元弾性により拡径して、図5に示すように、深溝部41bに嵌り込み、セットリング42と係合溝43の係合が解除される。
係合解除後にチェーン4に弛みが生じると、リターンばね30の押圧力によりシリンダ21が前進し、チェーンガイド3を介してチェーン4に調整力が負荷され、油圧密封式チェーンテンショナは張力調整状態とされる。図1は、油圧密封式チェーンテンショナの張力調整状態を示す。
このように、油圧密封式チェーンテンショナの組付け後、クランク軸を回転してチェーン4を移動させると、チェーン4からシリンダ21に押し込み力が負荷されてシリンダ21はセットリング42による保持が自動的に解除されるため、シリンダ21の保持を解除するための特別な操作を不要とすることができ、油圧密封式チェーンテンショナの組付け性の向上を図ることができる。
図1に示す油圧密封式チェーンテンショナの張力調整状態において、チェーン4が振動し、そのチェーン4に弛みが生じると、リターンばね30の押圧によりシリンダ21が下向きにスライドしてチェーン4の弛みを吸収する。このとき、圧力室26の圧力がリザーバ室27の圧力より低下するため、チェックバルブ29が開放し、リザーバ室27の作動油が通路28から圧力室26に流入する。このため、シリンダ21は下向きに急速にスライドしてチェーン4の弛みを直ちに吸収する。
一方、チェーン4が緊張すると、そのチェーン4からチェーンガイド3を介してシリンダ21に押上げ力が負荷され、圧力室26内の圧力が上昇する。その圧力上昇によりチェックバルブ29が通路28を閉鎖し、圧力室26内の作動油の油圧ダンパ作用により押上げ力が緩衝され、チェーン4の張力が一定に保持される。
上記押上げ力がリターンばね30の弾性力より強い場合、圧力室26内の作動油はシリンダ21とプランジャ25の摺動面間に形成された微小なリーク隙間からリザーバ室27内に流入し、シリンダ21は押上げ力とリターンばね30の弾性力とが釣り合う位置まで上昇して、チェーン4の張力変化を吸収する。
このように、実施の形態では、シール部材23の組込みによって上部開口が密封されたシリンダ21と、上記シール部材23をスライド自在に貫通するロッド24の伸縮によってチェーン4の張力を一定に保持する油圧密封式テンショナユニット20をチェーンカバー1に取付けられるハウジング10のガイド孔12内にスライド自在に組込み、そのテンショナユニット20のロッド24の上端をガイド孔12の上部を閉塞するヘッドキャップ15で受け、上記ハウジング10によってスライド自在に支持されるシリンダ21の底でチェーンガイド3を押圧するようにしたので、チェーン4に対して下向きの調整力を負荷することができる。
実施の形態で示すように、ハウジング10に形成されたガイド孔12の上部内にヘッドキャップ15をねじ係合して、そのヘッドキャップ15をガイド孔12の上部閉塞端とすると、上記ヘッドキャップ15の回転による軸方向の移動によりテンショナユニット20のロッド24を軸方向に移動させることができるため、リターンばね30の弾性力を調整することがき、チェーン4の張力調整を行なうことができる。
また、ハウジング10のガイド孔12を段付き孔として、そのガイド孔12の内周に段部13を形成し、シリンダ21の上部外周に上記段部13に対して当接可能な抜止めリング52を取付けておくことにより、チェーン4を取り外すエンジンのメンテナンス時、リターンばね30の押圧によりシリンダ21が下方向に移動して抜止めリング52が段部13に当接するため、テンショナユニット20がハウジング10から抜け落ちるのを防止することができる。
図6は、この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナの他の実施の形態を示す。この実施の形態においては、ハウジング10の外径面に雄ねじ60を形成し、上記ハウジング10の外径面には角軸部からなるスパナ係合部61を設けている。また、ハウジング10に形成されたガイド孔12を軸方向に全長にわたって同一径とし、そのガイド孔12の内周に樹脂ライナ62を取り付けてテンショナユニット20のシリンダ21をスライド自在に案内するようにしている。
上記のような油圧密封式チェーンテンショナの場合、チェーンカバー1に形成されるテンショナ取付孔2をねじ孔とし、そのねじ孔2に対する雄ねじ60のねじ係合によってチェーンカバー1に油圧密封式チェーンテンショナのハウジング10を取り付ける。
上記のように、ねじ孔2に対する雄ねじ60のねじ係合によってハウジング10を取り付けることにより、シリンダ21の底でチェーンガイド3を押圧するチェーン4の張力調整状態で、ハウジング10を回転させて軸方向に移動させることにより、ハウジング10のヘッドキャップ15でロッド24を軸方向に押圧し、または、押圧を解除することができるため、リターンばね30の弾性力を調整することができる。したがって、この場合においてもチェーン4の張力調整を行なうことができる。
また、ガイド孔12の内径面に樹脂ライナ62を取り付けることにより、その樹脂ライナ62でテンショナユニット20のシリンダ21を摺動案内することができるため、シリンダ21のスライド抵抗が減少し、シリンダ21を軸方向にスムーズに移動させることができ、チェーン4の張力調整を円滑に行なうことができる。
図7および図8は、この発明に係る油圧密封式チェーンテンショナのさらに他の実施の形態を示す。この実施の形態においては、ハウジング10とテンショナユニット20のシリンダ21の相互間に、シリンダ21に押し込み力が負荷された際に、そのシリンダ21がガイド孔12の閉塞端に向けて所定量以上に後退動するのを防止する後退動規制手段70を設けている点で図1に示す油圧密封式チェーンテンショナと相違している。このため、図7および図8では、後退動規制手段70のみを示し、他の部分については省略している。
後退動規制手段70は、ガイド孔12の内径面にリング収容溝71を形成し、そのリング収容溝71内に一部が切り離された径方向に弾性変形可能なレジスタリング72を拡径した状態で装着し、シリンダ21の外径面には上記レジスタリング72で締付けられる複数の円周溝73を軸方向に間隔をおいて形成し、その円周溝73のそれぞれ内面にシリンダ21の下端側を小径端とするテーパ面74と、そのテーパ面74の小径端から径方向外方に向いて前記レジスタリング72に係合可能な係合面75とを設けている。
上記の構成から成る後退動規制手段70において、リターンばね30の押圧によってシリンダ21が圧力室26の容積を拡大する方向に向けて移動(前進)すると、テーパ面74がレジスタリング72を拡径させるようになっている。このため、シリンダ21はレジスタリング72により移動を阻害されることなく前進する。
シリンダ21の外方向への移動量が大きくなると、次の円周溝73がレジスタリング72に対向し、その円周溝73がレジスタリング72で締付けられる。
一方、シリンダ21に押し込み力が負荷されると、係合面75がレジスタリング72に係合し、そのレジスタリング72がリング収容溝71の上側のストッパ面71aに係合する位置までシリンダ21は後退して停止状態に保持される。
このため、エンジンの停止時、カムの停止位置の関係によってチェーン4が緊張状態に保持されても、シリンダ21はレジスタリング72と係合面75の係合によって後退動するのが防止されるため、チェーン4は緊張状態に保持される。したがって、エンジンの再始動時にチェーン4に大幅な弛みが生じるのが防止され、チェーン4のバタツキや歯飛びが生じるという不都合の発生を防止することができる。
1 チェーンカバー
2 テンショナ取付孔(ねじ孔)
10 ハウジング
12 ガイド孔
12a 大径孔部
12b 小径孔部
13 段部
15 ヘッドキャップ
20 テンショナユニット
21 シリンダ
23 シール部材
24 ロッド
25 プランジャ
26 圧力室
27 リザーバ室
28 通路
29 チェックバルブ
30 リターンばね
40 初期セット手段
41 セット溝
41a 浅溝部
41b 深溝部
42 セットリング
43 係合溝
50 抜止め手段
51 リング溝
52 抜止めリング
60 雄ねじ
62 樹脂ライナ
70 後退動規制手段
71 リング収容溝
72 レジスタリング
73 円周溝
74 テーパ面
75 係合面

Claims (10)

  1. 一端が開口し、他端が閉塞するガイド孔を有し、そのガイド孔の開口端を下にしてチェーンカバーに取付けられるハウジングと、そのハウジングのガイド孔によってスライド自在に支持されるテンショナユニットとからなり、前記テンショナユニットが、前記ガイド孔内にスライド自在に嵌合された底付きシリンダを有し、そのシリンダの上部開口をシール部材の組込みにより密閉してシリンダ内部に作動油とエアとを封入し、そのシール部材をスライド自在に貫通するロッドの下端にシリンダの内径面に沿って摺動可能なプランジャを接続し、そのプランジャには、その下方に形成された圧力室と上方に形成されたリザーバ室を連通する通路を形成し、その通路の圧力室側の開口端部に圧力室内の圧力がリザーバ室内の圧力より高くなった際に通路を閉じるチェックバルブを設け、前記ロッドとシリンダをリターンばねにより伸長する方向に付勢してロッドの上端を前記ガイド孔の上部閉塞端に当接させるようにした構成からなる油圧密封式チェーンテンショナ。
  2. 前記ガイド孔の上部閉塞端が、ガイド孔の上部内にねじ込まれたヘッドキャップからなる請求項1に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  3. 前記ハウジングの外径面に前記チェーンカバーに形成されたテンショナ取付け用のねじ孔にねじ係合される雄ねじを形成した請求項1又は2に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  4. 前記ハウジングと前記シリンダの相互間に、前記テンショナユニットのシリンダとロッドを収縮状態に保持し、その保持状態でシリンダに押込み力が負荷された際に保持を解除する初期セット手段を設けた請求項1乃至3のいずれかの項に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  5. 前記初期セット手段が、ハウジングにおけるガイド孔の下側開口端部の内周に、浅溝部と深溝部とを有する段付きのセット溝を、浅溝部が下側に位置するように設け、そのセット溝の浅溝部に周方向の一部が切り離されて径方向に弾性変形可能なセットリングを縮径させた状態で組込み、そのセットリングの前記浅溝部からガイド孔内に臨む内周部をシリンダの下端部外周に形成された係合溝に係合させてシリンダを押込み状態に保持するようにした構成からなる請求項4に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  6. 前記ハウジングと前記シリンダの相互間に、シリンダがガイド孔から抜け出るのを防止する抜止め手段を設けた請求項1乃至5のいずれかの項に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  7. 前記抜止め手段が、前記ガイド孔を上部孔部が下部孔部より大径の段付き孔としてガイド孔の内周に段部を形成し、前記シリンダの上部外周にリング溝を設け、そのリング溝に抜止めリングを取付け、前記段部に対する抜止めリングの当接によってシリンダを抜止めするようにした構成からなる請求項6に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  8. 前記ガイド孔の内径面に前記シリンダを摺動案内する樹脂ライナを設けた請求項1乃至7のいずれかの項に記載の油圧密封式チェーンテンショナ。
  9. 前記ガイド孔とシリンダの摺動面間に、シリンダの上方への移動を制限する後退動規制手段を設けた請求項1乃至8のいずれかの項に記載の油圧密閉式チェーンテンショナ。
  10. 前記後退動規制手段が、ガイド孔の内径面にリング収容溝を形成し、そのリング収容溝内に径方向に弾性変形可能なレジスタリングを拡径した状態で装着し、前記シリンダの外径面には前記レジスタリングで締付けられる複数の円周溝を軸方向に間隔をおいて形成し、その円周溝のそれぞれ内面にシリンダの下端側を小径端とするテーパ面と、そのテーパ面の小径端から径方向外方に向いて前記レジスタリングに係合可能な係合面とを設けた構成からなる請求項9に記載の油圧密閉式チェーンテンショナ。
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