JP5491432B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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この発明は、主として、自動車エンジンのカムシャフトを駆動するタイミングチェーンの張力保持に用いられるチェーンテンショナに関する。
自動車のエンジンは、一般に、クランクシャフトの回転をタイミングチェーン(以下「チェーン」という)を介してカムシャフトに伝達し、そのカムシャフトの回転により燃焼室のバルブの開閉を行なう。ここで、チェーンの張力を適正範囲に保つために、支点軸を中心として揺動可能に設けたチェーンガイドと、そのチェーンガイドを介してチェーンを押圧するチェーンテンショナとからなる張力調整装置が多く用いられる。
この張力調整装置に組み込まれるチェーンテンショナとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このチェーンテンショナは、一端が開口し、他端が閉塞した水平筒状のシリンダと、そのシリンダの外径側に一体に成形されたリザーバ室と、前記シリンダの開口端に取り付けられたオイルシールと、そのオイルシールをスライド可能に貫通するロッドと、そのロッドのシリンダ内への挿入端に設けられたピストンと、そのピストンが摺動可能に嵌合する有底筒状のバルブスリーブと、そのバルブスリーブとピストンで囲まれた圧力室と前記リザーバ室との間を連通する油通路と、その油通路のリザーバ室側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブと、前記ロッドをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有する。
このチェーンテンショナは、ロッドのシリンダからの突出端でチェーンガイドを押圧して使用する。そして、エンジンの共振等でチェーンの張力が大きくなったときは、そのチェーンの張力によって、ロッドがシリンダ内に押し込まれる方向に移動し、チェーンの緊張を吸収する。このとき、ピストンとバルブスリーブの摺動面間のリーク隙間を作動油が流れ、その作動油の粘性抵抗によってダンパ作用が生じるので、ロッドはゆっくりと移動する。
一方、チェーンの張力が小さくなったときは、リターンスプリングの付勢力によって、ロッドがシリンダから突出する方向に移動し、チェーンの弛みを吸収する。このとき、油通路のチェックバルブが開き、その油通路を通ってリザーバ室から圧力室に作動油が流入するので、ロッドは速やかに移動する。
特開2006−90440号公報
ところで、上記特許文献1のチェーンテンショナは、通常、ロッドの突出方向が水平となる姿勢でエンジンに取り付けられるが、エンジンのレイアウトによっては、ロッドの突出方向が斜め下向きまたは鉛直下向きとなる姿勢で取り付けられる場合がある。この場合、リザーバ室の位置が低くなり、圧力室の位置が高くなるので、作動油に混入した空気が圧力室に溜まって、チェーンテンショナのダンパ作用が低下する可能性がある。
また、エンジンのレイアウトによって、チェーンテンショナを、エンジンカバーに形成されたテンショナ取り付け孔に挿入して組み付ける場合がある。このようなレイアウトのエンジンをオーバーホール等する際、エンジンカバーの周囲のスペースは一般に狭いので、リターンスプリングの付勢力によって伸張した状態のチェーンテンショナを、テンショナ取り付け孔から抜き出す作業が困難であった。
この発明が解決しようとする課題は、下向きに取り付けたときに圧力室に空気が溜まりにくく、また、メンテナンス性に優れたチェーンテンショナを提供することである。
上記課題を解決するため、上下両端が開口する筒状のシリンダと、そのシリンダの上端開口内に着脱可能に固定されたリザーバタンクと、前記シリンダ内に同軸に設けられ、上端が前記リザーバタンクに接続したロッドと、そのロッドの下端に設けられたピストンと、前記シリンダの下端開口から突出した状態で前記ピストンの外周に摺動可能に嵌合され、前記シリンダからの突出端が閉塞した有底筒状のプランジャと、そのプランジャと前記ピストンで囲まれた圧力室と前記リザーバタンクとの間を連通する油通路と、上端が前記リザーバタンクで支持され、下端が前記プランジャをシリンダから突出する方向に付勢するリターンスプリングとを有し、前記プランジャのシリンダからの突出端でチェーンガイドを押圧する構成をチェーンテンショナに採用した。
この構成を採用すると、プランジャのシリンダからの突出方向が斜め下向きまたは鉛直下向きとなる姿勢で取り付けたときに、プランジャ内の圧力室がシリンダの上端開口内のリザーバタンクよりも低い位置にくるので、作動油に混入した空気が圧力室に溜まらず、安定したダンパ作用を発揮することができる。
また、上記構成を採用すると、シリンダからリザーバタンクを取り外すことにより、リターンスプリングの上端の支持を解除し、チェーンガイドからの反力によりプランジャをシリンダに押し込んで収容し、チェーンテンショナの全長を短くすることができる。そのため、エンジンカバーに形成されたテンショナ取り付け孔にチェーンテンショナを挿入して組み付けるレイアウトのエンジンをオーバーホール等する際に、チェーンテンショナをテンショナ取り付け孔から抜き出す作業が容易である。
前記プランジャのシリンダ内への挿入部分の外周にフランジを設け、そのフランジと上下に対向するウエアリングを前記シリンダの下部内周に設け、前記フランジとウエアリングの間に、前記リターンスプリングよりもばね定数が小さく、前記プランジャをシリンダ内に押し込む方向に付勢するプランジャスプリングを組み込むと好ましい。このようにすると、プランジャがチェーンガイドから反力を受けていない場合でも、シリンダからリザーバタンクを取り外したときに、プランジャスプリングの付勢力によりプランジャがシリンダに収容され、チェーンテンショナの全長が短くなる。
さらに、前記ウエアリングの上面に、前記プランジャスプリングを圧縮状態で収容可能な環状凹部を設けると好ましい。このようにすると、プランジャがシリンダから最大限に突出したときに、プランジャスプリングが過度に圧縮して永久変形するのを防止することができ、プランジャスプリングの動作の信頼性を長期にわたって確保することができる。
さらに、前記ウエアリングとピストンとで前記プランジャを挟んで保持するように前記ウエアリングとピストンを径方向に対向して配置すると、プランジャの支持剛性を高めることができる。
さらに、前記フランジの外周を前記シリンダの内周で摺動可能に支持すると、プランジャが、軸方向に間隔を有するフランジとウエアリングの2箇所で支持されるので、プランジャがシリンダの軸方向に対して倒れた姿勢となるのを確実に防止することができる。
前記油通路は、前記ロッドの上端から前記ロッドの内部と前記ピストンの内部とを順に通って前記ピストンの下端に貫通する軸方向孔と、その軸方向孔に交差して前記ピストンの外周に開口する径方向孔と、前記ピストンとプランジャの摺動面間に形成されたリーク隙間とで構成し、前記ピストンの外周に、前記ピストンとプランジャの摺動面間を前記径方向孔よりも上側で密封するシール部材を設け、前記ピストンの下端に、前記軸方向孔のリザーバタンク側から圧力室側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブを設けることができる。
このようにすると、プランジャがシリンダ内に押し込まれる方向に移動するときは、圧力室の圧力が高くなってチェックバルブが閉じるので、圧力室からリザーバタンクに流れる作動油の経路が、リーク隙間と径方向孔と軸方向孔を順に通る経路のみとなり、リーク隙間を流れる作動油の粘性抵抗によってダンパ作用が生じ、プランジャはゆっくりと移動する。一方、プランジャがシリンダから突出する方向に移動するときは、圧力室の圧力が低くなってチェックバルブが開くので、リザーバタンクから軸方向孔を通って圧力室に作動油が流入し、プランジャは速やかに移動する。
前記リザーバタンクの前記ロッドの上端との接続部分に、前記リザーバタンクの内部に連通する弁孔を有するバルブシートと、前記弁孔を閉鎖する閉弁位置と前記弁孔を開放する開弁位置との間で移動可能に設けられた弁体と、その弁体を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢するバルブスプリングとを有するストップバルブを設け、前記ロッドの上端に前記ストップバルブの弁体を開弁位置に支持する弁体支持ピンを設けることができる。
このようにすると、リザーバタンクをシリンダから取り外したときに、弁体支持ピンによるストップバルブの弁体の支持が解除され、バルブスプリングの付勢力によって弁体が閉弁位置に移動して弁孔が閉鎖するので、リザーバタンクからの作動油の流出を防止することができる。
前記弁体を球状に形成し、前記弁体支持ピンを前記ロッドの上端から突出する筒状に形成し、その弁体支持ピンの前記ロッドの上端からの突出部分に径方向に貫通する切欠きを設けることができる。このようにすると、球状の弁体を筒状の弁体支持ピンで支持するので、弁体の支持が安定したものとなる。また、弁体支持ピンの切欠きを通じてリザーバタンクと油通路の間の連通を確保することができる。
前記リザーバタンクを前記シリンダの上端開口内に着脱可能に固定する手段として、前記シリンダの上部内周に形成された雌ねじと、その雌ねじにねじ係合し、前記リザーバタンクの外周に形成された雄ねじを採用することができる。このようにすると、シリンダからリザーバタンクを取り外すときに、リターンスプリングの付勢力が徐々に解放されるので、取り外したリザーバタンクを誤ってエンジン内に落下したりしにくく、止め輪などでリザーバタンクを固定する場合よりも、リザーバタンクを取り外すときの作業性に優れる。この場合、前記リザーバタンクの上面に、六角レンチ等の回転操作工具が係合する工具係合穴を設けると、リザーバタンクの取り外し作業が容易となる。
この発明のチェーンテンショナは、プランジャのシリンダからの突出方向が斜め下向きまたは鉛直下向きとなる姿勢で取り付けたときに、プランジャ内の圧力室がシリンダの上端開口内のリザーバタンクよりも低い位置にくるので、作動油に混入した空気が圧力室に溜まらず、安定したダンパ作用を発揮することができる。また、シリンダからリザーバタンクを取り外すことにより、プランジャをシリンダに収容し、チェーンテンショナの全長を短くすることができるので、エンジンをオーバーホール等する際に、チェーンテンショナをテンショナ取り付け孔から抜き出す作業が容易である。
この発明の実施形態のチェーンテンショナを組み込んだチェーン伝動装置を示す正面図 図1のII−II線に沿った拡大断面図 図2に示すプランジャのシリンダからの突出端に外力を加えない自然状態を示す拡大断面図 (a)は、リザーバタンクを回転操作する前のチェーンテンショナを示す図、(b)は、(a)に示すリザーバタンクを回転操作してシリンダから取り外す過程を示す図、(c)は、(b)に示すリザーバタンクをシリンダから完全に取り外した状態を示す図 図2のストップバルブ近傍の拡大図 図2のリザーバタンクをシリンダから完全に取り外したときのストップバルブの状態を示す拡大図
図1に、この発明の実施形態のチェーンテンショナ1を組み込んだチェーン伝動装置を示す。このチェーン伝動装置は、エンジンのクランクシャフト2に固定されたスプロケット3と、カムシャフト4に固定されたスプロケット5とがチェーン6を介して連結されており、そのチェーン6がクランクシャフト2の回転をカムシャフト4に伝達し、そのカムシャフト4の回転により燃焼室のバルブ(図示せず)の開閉を行なう。
チェーン6には、支点軸7を中心として揺動可能に支持されたチェーンガイド8が接触しており、チェーンテンショナ1は、そのチェーンガイド8を介してチェーン6を押圧している。
チェーンテンショナ1は、エンジンカバー9に固定されるシリンダ10と、シリンダ10から一端が突出した状態でシリンダ10に挿入されたプランジャ11とを有し、プランジャ11のシリンダ10からの突出方向が斜め下向きとなる姿勢でエンジンカバー9に取り付けられている。シリンダ10は、エンジンカバー9に形成されたテンショナ取り付け孔12に挿入され、シリンダ10の外周に一体に形成された固定用フランジ10aが、エンジンカバー9の外面にボルト13で固定されている。
図2に示すように、シリンダ10は、上下両端が開口する筒状に形成され、その上端開口内にリザーバタンク14が固定されている。リザーバタンク14は、シリンダ10の上部内周に形成された雌ねじ15と、リザーバタンク14の外周に形成された雄ねじ16とをねじ係合することにより固定されており、リザーバタンク14をシリンダ10に対して回転操作することにより着脱できるようになっている。リザーバタンク14の上面には、六角レンチ(図示せず)が係合する六角穴17が形成され、この六角穴17を利用してリザーバタンク14を回転操作することができるようになっている。
また、リザーバタンク14の外周には、雄ねじ16が形成された部分よりも上方に雄ねじ16よりも大径のフランジ14aが一体に設けられ、このフランジ14aがシリンダ10の上端に当接することによって、リザーバタンク14がシリンダ10に対して軸方向に位置決めされている。
シリンダ10内にはロッド18が同軸に設けられ、そのロッド18の上端がリザーバタンク14の底部14bに接続している。ロッド18の下端には、ロッド18よりも大径の円筒面を外周に有するピストン19が一体に形成され、そのピストン19の外周にプランジャ11が軸方向に摺動可能に嵌合している。プランジャ11は、ピストン19の外周に嵌合した状態でシリンダ10の下端開口から突出する長さを持ち、シリンダ10からの突出端が閉塞する有底筒状に形成されている。プランジャ11のシリンダ10からの突出端はチェーンガイド8に接触している。
リザーバタンク14の内部には、作動油と空気が封入されるリザーバ室20が形成されている。リザーバ室20は、プランジャ11とピストン19で囲まれた圧力室21と油通路22を介して連通している。油通路22は、ロッド18の上端からロッド18の内部とピストン19の内部とを順に通ってピストン19の下端に貫通する軸方向孔22aと、その軸方向孔22aに交差してピストン19の外周に開口する径方向孔22bと、ピストン19とプランジャ11の摺動面間に形成されたリーク隙間22cとからなる。リーク隙間22cは微小な隙間であり、作動油の流量を制限する絞りとして機能する。
ピストン19の外周には径方向孔22bよりも上側にリング溝23が形成され、そのリング溝23にピストン19とプランジャ11の摺動面間を密封するシール部材24が設けられている。シール部材24は、例えばゴム製のOリングである。ピストン19の下端には、軸方向孔22aのリザーバタンク14側から圧力室21側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ25が設けられている。
図5、図6に示すように、リザーバタンク14の底部14bのロッド18の上端との接続部分にはストップバルブ26が組み込まれている。ストップバルブ26は、リザーバ室20に連通する弁孔27を有するバルブシート28と、弁孔27を閉鎖する閉弁位置と弁孔27を開放する開弁位置との間で移動可能に設けられた球状の弁体29と、その弁体29を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢するバルブスプリング30と、バルブスプリング30を支持するリテーナ31とからなる。
ロッド18の上端には、ストップバルブ26の弁体29を開弁位置に支持する弁体支持ピン32が設けられている。弁体支持ピン32は、弁体29よりも小径の筒状に形成されており、一端部が軸方向孔22aに圧入して固定され、他端部がロッド18の上端から突出している。弁体支持ピン32のロッド18の上端からの突出部分には、径方向に貫通する切欠き32aが周方向に間隔をおいて複数設けられている。
ストップバルブ26は、リザーバタンク14をシリンダ10に取り付けた状態では、図5に示すように、弁体支持ピン32で弁体29が開弁位置に支持されて、弁孔27が開いた状態に保持される。このとき、球状の弁体29を筒状の弁体支持ピン32で支持するので、作動油の流れによる弁体29のふらつきが生じにくく、弁体29の支持が安定したものとなる。また、弁体支持ピン32の切欠き32aを通じて、リザーバ室20と油通路22の間の連通が確保される。
一方、リザーバタンク14をシリンダ10から取り外した状態では、図6に示すように、弁体支持ピン32によるストップバルブ26の弁体29の支持が解除されるので、バルブスプリング30の付勢力によって弁体29が閉弁位置に移動し、弁孔27が閉鎖する。この状態において、ストップバルブ26はリザーバ室20からの作動油の流出を禁止するとともに、リザーバ室20内への作動油の給油を許容するチェックバルブとして機能する。
図2に示すように、シリンダ10内には、リターンスプリング33とプランジャスプリング34が組み込まれている。リターンスプリング33とプランジャスプリング34は、いずれも圧縮コイルばねである。リターンスプリング33の上端は、ロッド18の上部に固定されたスプリングシート35を介してリザーバタンク14の底部14bで支持されている。
リターンスプリング33の上端は、リザーバタンク14の底部14bで直接支持するように構成することも可能であるが、ロッド18の上部に固定されたスプリングシート35を介して支持するように構成すると、リターンスプリング33から受ける反力によってロッド18がリザーバタンク14の底部14bに押さえ付けられるので、ロッド18の軸方向位置を安定させることができる。
リターンスプリング33の下端は、プランジャ11のシリンダ10内への挿入部分の外周に一体に形成されたフランジ36を押圧しており、その押圧によってプランジャ11をシリンダ10から突出する方向に付勢している。プランジャ11のシリンダ10からの突出端は、リターンスプリング33の付勢力によってチェーンガイド8を押圧している。フランジ36は、プランジャ11と一体に形成すると低コストであるが、プランジャ11と別体に形成したものをプランジャ11の外周に固定して設けてもよい。
シリンダ10の下部内周には、プランジャ11のフランジ36と上下に対向するようにウエアリング37が圧入して固定され、そのウエアリング37とフランジ36の間にプランジャスプリング34が組み込まれている。プランジャスプリング34は、下端がウエアリング37で支持され、上端がフランジ36を押圧しており、その押圧によってプランジャ11をシリンダ10内に押し込む方向に付勢している。
プランジャスプリング34のばね定数は、リターンスプリング33のばね定数よりも小さく設定されており、図3に示すように、プランジャ11のシリンダ10からの突出端に外力を加えない自然状態においては、リターンスプリング33が伸張すると同時にプランジャスプリング34が圧縮することにより、プランジャ11がシリンダ10から最大限に突出するようになっている。
ウエアリング37の上面には、プランジャスプリング34を圧縮状態で収容可能な環状凹部38が設けられており、プランジャ11がシリンダ10から最大限に突出したときに、プランジャスプリング34を環状凹部38に収容することによって、プランジャスプリング34が過度に圧縮して永久変形するのを防止している。
ウエアリング37の内周には、プランジャ11の外周を軸方向に摺動可能に支持する円筒面が形成されている。プランジャ11の支持剛性を高めるため、ウエアリング37とピストン19は径方向に対向して配置され、このウエアリング37とピストン19とでプランジャ11が径方向に挟んで保持されている。
フランジ36の外周は、シリンダ10の内周で摺動可能に支持されている。これにより、プランジャ11は、軸方向に間隔を有するフランジ36とウエアリング37の2箇所で支持された状態となり、プランジャ11のシリンダ10からの突出端に軸直角方向の力が作用したときにも、プランジャ11がシリンダ10の軸方向に対して倒れた姿勢とならないようにしている。
次に、このチェーンテンショナ1の動作例を説明する。
エンジンの共振等でチェーン6の張力が大きくなったときは、チェーン6の張力によって、プランジャ11がシリンダ10内に押し込まれる方向に移動し、チェーン6の緊張を吸収する。このとき、圧力室21の圧力が高くなってチェックバルブ25が閉じるので、圧力室21からリザーバタンク14に流れる作動油の経路が、リーク隙間22cと径方向孔22bと軸方向孔22aを順に通る経路のみとなり、リーク隙間22cを流れる作動油の粘性抵抗によってダンパ作用が生じ、プランジャ11はゆっくりと移動する。
一方、チェーン6の張力が小さくなったときは、リターンスプリング33の付勢力によって、プランジャ11がシリンダ10から突出する方向に移動し、チェーン6の弛みを吸収する。このとき、圧力室21の圧力が低くなってチェックバルブ25が開くので、リザーバタンク14から軸方向孔22aを通って圧力室21に作動油が流入し、プランジャ11は速やかに移動する。
このように、このチェーンテンショナ1は、圧力室21がシリンダ10から突出するプランジャ11内にあるので、プランジャ11のシリンダ10からの突出方向が斜め下向きとなる姿勢でチェーンテンショナ1を取り付けたときに、プランジャ11内の圧力室21がシリンダ10の上端開口内のリザーバタンク14よりも低い位置にくる。そのため、作動油に混入した空気が圧力室21に溜まらず、安定したダンパ作用を発揮することができる。
また、このチェーンテンショナ1は、エンジンのオイルポンプからの給油を必要としないので、給油用の配管の設置が不要であり、エンジンの製造コストを低減することができる。また、オイルポンプが駆動されて給油が開始するまでのタイムロスがなく、エンジン始動直後から安定したダンパ特定を発揮することができる。また、リザーバタンク14内に封入した作動油を使用するので、エンジンオイルの劣化の影響を受けず、長期的に安定した特性を発揮可能である。
エンジンをオーバーホール等するとき、図1に示すエンジンカバー9からチェーンテンショナ1を取り外す必要がある。このとき、チェーンテンショナ1の周囲に十分なスペースがあれば、シリンダ10の外周の固定用フランジ10aのボルト13を緩め、テンショナ取り付け孔12からシリンダ10を抜き出すだけで、チェーンテンショナ1を取り外すことができる。
しかし、エンジンカバー9の周囲のスペースは一般に狭いので、リターンスプリング33の付勢力によって伸張した状態のチェーンテンショナ1を、テンショナ取り付け孔12から抜き出すことが困難な場合がある。この場合は、次のようにしてチェーンテンショナ1の取り外し作業を行なう。
まず、図4(a)、(b)に示すように、リザーバタンク14の外周の雄ねじ16と雌ねじ15のねじ係合を緩める方向にリザーバタンク14を回転操作する。このとき、リザーバタンク14は回転しながら上方に移動し、このリザーバタンク14の移動に伴ってリターンスプリング33の付勢力が徐々に解放されて、リターンスプリング33が伸張する。リターンスプリング33の付勢力がプランジャスプリング34の付勢力よりも小さくなると、プランジャスプリング34の付勢力によってプランジャ11がシリンダ10内に徐々に押し込んで収容され、プランジャ11のシリンダ10からの突出長が短くなり、チェーンテンショナ1の全長が短くなっていく。そして、図4(c)に示すように、リザーバタンク14をシリンダ10から完全に取り外すと、リターンスプリング33の上端の支持が解除され、チェーンテンショナ1の全長が最も短い状態となる。その後、テンショナ取り付け孔12からシリンダ10を抜き出す。
ここで、シリンダ10からリザーバタンク14を取り外したとき、図6に示すように、弁体支持ピン32によるストップバルブ26の弁体29の支持が解除され、バルブスプリング30の付勢力によって弁体29が閉弁位置に移動して弁孔27が閉鎖する。そのため、リザーバタンク14からの作動油の流出は最小限に抑えられる。
このように、このチェーンテンショナ1は、シリンダ10からリザーバタンク14を取り外すことによりプランジャ11をシリンダ10に収容し、チェーンテンショナ1の全長を短くすることができるので、エンジンカバー9の周囲のスペースが狭い場合にも、チェーンテンショナ1をテンショナ取り付け孔12から抜き出す作業が容易である。
また、リザーバタンク14がシリンダ10から着脱可能なので、作動油の補充作業や作動油の入替作業が容易であり、メンテナンス性に優れる。
上記実施形態では、プランジャ11のシリンダ10からの突出方向が斜め下向きとなる姿勢でチェーンテンショナを取り付けた例を挙げて説明したが、プランジャ11のシリンダ10からの突出方向が鉛直下向きとなるように取り付けるようにしてもよい。
1 チェーンテンショナ
8 チェーンガイド
10 シリンダ
11 プランジャ
14 リザーバタンク
15 雌ねじ
16 雄ねじ
17 六角穴
18 ロッド
19 ピストン
21 圧力室
22 油通路
22a 軸方向孔
22b 径方向孔
22c リーク隙間
24 シール部材
25 チェックバルブ
26 ストップバルブ
27 弁孔
28 バルブシート
29 弁体
30 バルブスプリング
32 弁体支持ピン
32a 切欠き
33 リターンスプリング
34 プランジャスプリング
36 フランジ
37 ウエアリング
38 環状凹部

Claims (10)

  1. 上下両端が開口する筒状のシリンダ(10)と、そのシリンダ(10)の上端開口内に着脱可能に固定されたリザーバタンク(14)と、前記シリンダ(10)内に同軸に設けられ、上端が前記リザーバタンク(14)に接続したロッド(18)と、そのロッド(18)の下端に設けられたピストン(19)と、前記シリンダ(10)の下端開口から突出した状態で前記ピストン(19)の外周に摺動可能に嵌合され、前記シリンダ(10)からの突出端が閉塞した有底筒状のプランジャ(11)と、そのプランジャ(11)と前記ピストン(19)で囲まれた圧力室(21)と前記リザーバタンク(14)との間を連通する油通路(22)と、上端が前記リザーバタンク(14)で支持され、下端が前記プランジャ(11)をシリンダ(10)から突出する方向に付勢するリターンスプリング(33)とを有し、前記プランジャ(11)のシリンダ(10)からの突出端でチェーンガイド(8)を押圧するチェーンテンショナ。
  2. 前記プランジャ(11)のシリンダ(10)内への挿入部分の外周にフランジ(36)を設け、そのフランジ(36)と上下に対向するウエアリング(37)を前記シリンダ(10)の下部内周に設け、前記フランジ(36)とウエアリング(37)の間に、前記リターンスプリング(33)よりもばね定数が小さく、前記プランジャ(11)をシリンダ(10)内に押し込む方向に付勢するプランジャスプリング(34)を組み込んだ請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記ウエアリング(37)の上面に、前記プランジャスプリング(34)を圧縮状態で収容可能な環状凹部(38)を設けた請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記ウエアリング(37)とピストン(19)とで前記プランジャ(11)を挟んで保持するように前記ウエアリング(37)とピストン(19)を径方向に対向して配置した請求項3に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記フランジ(36)の外周を前記シリンダ(10)の内周で摺動可能に支持した請求項4に記載のチェーンテンショナ。
  6. 前記油通路(22)が、前記ロッド(18)の上端から前記ロッド(18)の内部と前記ピストン(19)の内部とを順に通って前記ピストン(19)の下端に貫通する軸方向孔(22a)と、その軸方向孔(22a)に交差して前記ピストン(19)の外周に開口する径方向孔(22b)と、前記ピストン(19)とプランジャ(11)の摺動面間に形成されたリーク隙間(22c)とからなり、前記ピストン(19)の外周には、前記ピストン(19)とプランジャ(11)の摺動面間を前記径方向孔(22b)よりも上側で密封するシール部材(24)が設けられ、前記ピストン(19)の下端には、前記軸方向孔(22a)のリザーバタンク(14)側から圧力室(21)側への作動油の流れのみを許容するチェックバルブ(25)が設けられた請求項1から5のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  7. 前記リザーバタンク(14)の前記ロッド(18)の上端との接続部分に、前記リザーバタンク(14)の内部に連通する弁孔(27)を有するバルブシート(28)と、前記弁孔(27)を閉鎖する閉弁位置と前記弁孔(27)を開放する開弁位置との間で移動可能に設けられた弁体(29)と、その弁体(29)を開弁位置から閉弁位置に向けて付勢するバルブスプリング(30)とを有するストップバルブ(26)を設け、前記ロッド(18)の上端に前記ストップバルブ(26)の弁体を開弁位置に支持する弁体支持ピン(32)を設けた請求項1から6のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  8. 前記弁体(29)を球状に形成し、前記弁体支持ピン(32)を前記ロッド(18)の上端から突出する筒状に形成し、その弁体支持ピン(32)の前記ロッド(18)の上端からの突出部分に径方向に貫通する切欠き(32a)を設けた請求項7に記載のチェーンテンショナ。
  9. 前記リザーバタンク(14)を前記シリンダ(10)の上端開口内に着脱可能に固定する手段が、前記シリンダ(10)の上部内周に形成された雌ねじ(15)と、その雌ねじ(15)にねじ係合し、前記リザーバタンク(14)の外周に形成された雄ねじ(16)である請求項1から8のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
  10. 前記リザーバタンク(14)の上面に回転操作工具が係合する工具係合穴(17)を設けた請求項9に記載のチェーンテンショナ。
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