JP2011141223A5 - - Google Patents

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圧力感知ユニット、及び圧力センサー
本発明は、圧力感知ユニット、及び圧力センサーに関し、特に感圧部に2個の感圧素子を用い、且つこれらを差動的に動作させて、検出感度、温度特性等を改善した圧力感知ユニット、及び圧力センサーに関する。
従来から、水圧計、気圧計、差圧計等の感圧素子に圧電振動素子を使用した圧力センサーが知られている。圧電振動素子を用いた圧力センサーは、圧電振動素子に検出軸方向の圧力が作用すると、圧電振動素子の共振周波数が変化し、当該共振周波数の変化から圧力センサーに印加される圧力を検出する。
特許文献1〜3には、感圧素子に圧電振動素子を用いた圧力センサーが開示されている。圧力導入口よりベローズ内に圧力が加わると、当該ベローズの有効面積に応じた力が、ピボット(撓みヒンジ)を支点とした力伝達手段を介して、圧電振動素子に圧縮力、あるいは引張り力(伸長力)Fとして加えられる。圧電振動素子には、この力Fに応じた応力が生じ、該応力により圧電振動素子の共振周波数が変化する。圧力センサーは、圧電振動素子の共振周波数の変化を検出することにより、印加された圧力を求めることができる。
図10は、特許文献1に開示された圧力センサーの構成を示す断面図であり、対向して配置された第1及び第2の圧力入力口102、103を有する筐体104と、筐体104の内部に配置された力伝達部材105とを備え、力伝達部材105の一端を挟むように第1のベローズ106、及び第2のベローズ107が接続されている。そして、第1のベローズ106の他端開口を第1の圧力入力口102に接続し、第2のベローズ107の他端開口を第2の圧力入力口103に接続している。さらに、力伝達部材105の他端と、基板108のピボット(支点)ではない方の端部との間に、感圧素子としての双音叉型振動素子109が配置されている。
圧力を高精度に検出する場合、ベローズの内部には、液体が充填される。当該液体としては、ベローズの内部の蛇腹部分への気泡の入り込みや、滞留を防止するために、一般的に粘性の高いシリコンオイル等が用いられる。このように、第1のベローズ106の内部には、粘性のあるオイル110が充填されており、圧力測定の対象が液体の場合は、第1の圧力入力口102に開けられた開口部111により液体と前記オイルとが接触して相対する構造となっている。なお、開口部111はオイルが外部に漏れないような開口径が設定されている。
また、特許文献3には、図11の断面図に示すような圧力センサーが開示されている。図11において、120はハウジング、121は圧力導入口、122a、122bはベローズであって、該ベローズ122a、122bには力伝達部材125が連結され、該力伝達部材125の可撓部125aと固定部125bとの間に感圧素子130が接着固定されている。図11に示す圧力センサーの圧力導入口121よりベローズ122a、122bに圧力が加わると、ベローズ122a、122bの有効面積に応じた力が、力伝達部材125の上下にかかり、差圧に相当する力がピボット135を支点にして、感圧素子130に圧縮力、あるいは引張り(伸長)力として加わり、この力に応じて感圧素子130の共振周波数が変化し、これを検知することにより圧力を測定するものである。
ベローズ122a、122b、力伝達部材125、感圧素子130及びハウジング120は、それぞれ異なった材料により構成されているので、使用環境の温度変化等により熱歪みが発生し、圧力測定精度を劣化させることになる。そこで、感圧素子130の支持部を力伝達部材可撓部125aと、該力伝達部材と隔設し、且つ圧力センサハウジング120内に設けた感圧素子130の固定部材140との間に橋架固定することにより、周囲温度の変化に伴う熱歪みの影響を感圧素子130に加えることのないよう構成する。
そして、ベローズライン、力伝達部材、力伝達部材支柱と感圧素子固定部に分けて熱歪みの解析を行った。例えばハウジングにステンレス、ベローズにニッケル、力伝達部材に燐青銅、感圧素子に水晶を用い、それぞれの線膨張係数を適用し、各部材の寸法を設定し、感圧素子130の固定部材の線膨張係数を設定すれば、その最適な長さを求めることができ、熱歪みの影響を受けることのない圧力センサーを構成できると開示されている。
特開昭56−119519号公報 特開昭64−9331号公報 特開平2−228534号公報
しかしながら、特許文献1に開示の圧力センサー101では、図10に示す第1のベローズ106に充填されているオイル110が、他の構成要素、例えば、力伝達部材105や双音叉型振動子素子109などに比べて熱膨張係数が大きく、圧力センサー101を構成する各部材に温度変化による熱歪みを生じさせる。この熱歪みによる応力が双音叉型振動素子109の信号にノイズとして重畳し、圧力センサーの測定精度を劣化させるという問題があった。
また、第1のベローズ106に充填されているオイル110は、圧力測定の対象となる液体と接触して相対しているが、圧力センサーの設置方法により、オイル110が圧力測定の対象となる液体側への流出や、液体が第1のベローズ106側への流入もあり、第1のベローズ106に充填されたオイル110内に気泡が発生する虞がある。オイル110内に気泡が発生すると、圧力の伝達媒体として機能が劣化し、圧力測定値に誤差を生ずる虞がある。
さらに、オイル110は、圧力測定対象の液体と接触しているため、圧力センサーの設置方法によっては、オイル110が圧力測定対象の液体側に流出する虞があり、異物混入を嫌う液体の圧力測定には、オイル110を使用した従来のような圧力センサーを使用することができないという問題があった。
また、特許文献1、3に開示の圧力センサーは、力伝達部材105、125が、複雑な構造をしており、圧力センサーを小型化する際に障害となっている。また、力伝達部材105、125は、くびれ部の細い撓みヒンジが不可欠の部品であり、該部品のために圧力センサーの製造コストが上昇するという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、内部に受圧媒体としてのオイルを使用せず、力伝達部材の構造を簡素化することにより、小型、高精度、低コストで温度変化に強い圧力感知ユニット、及び圧力センサーを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の圧力検知ユニットは、それぞれが感圧面と反対側の面で対向している第1のダイアフラムおよび第2のダイアフラムと、前記2つのダイアフラムの間にあって、前記2つのダイアフラムどうしを接続している軸部と、第1のダイアフラムの外周部と接続している底板と、第2のダイアフラムの外周部と接続している天板と、一端側が前記底板に接続し、他端側が前記軸部に固定されている第1の感圧素子と、一端側が前記天板に接続し、他端側が前記軸部に固定されている第2の感圧素子と、を有することを特徴とする
同一カットアングルの圧電基板を用い、ほぼ同様な形状に第1及び第2感圧素子を形成して、第1、及び第2感圧素子を差動で動作させると、双方の周波数温度特性は、ほぼ同じとなるので、温度変化による第1、及び第2感圧素子の差周波数はほぼ零となり、温度変化による圧力感知ユニット1の検出誤差を最小にすることができるという効果がある。
また、エージングについても同様であり、差周波数を求めることにより、エージングによる圧力検出誤差を最小にすることが可能になるという利点がある。
また、静圧特性が改善されるという効果がある。つまり、大気圧の変動は、圧力感知ユニットの第1及び第2ダイアフラムに同時に作用するので、大気圧の変動の影響を除去できるという効果がある。
また、第1、及び第2感圧素子には夫々同じ大きさで符号の異なる力が作用するので、第1及び第2感圧素子の差周波数を求めると、周波数変化は2倍となり、感圧素子の応力検出感度は2倍になるという効果がある。
[適用例2]本適用例の圧力感知ユニットは、前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、前記一端と前記他端とを結ぶ直線が前記軸部の伸びる方向に沿っている、ことが好ましい。
前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、ダイヤフラムが受ける力の方向に沿って配置されるので、精度よく圧力を感知することができる。
[適用例3]本適用例の圧力検知ユニットは、前記底板と前記天板とを連結している外周側壁を有し、前記第1のダイアフラム、前記第2のダイアフラム、前記底板、前記天板、および前記外周側壁によって構成される内部空間に、前記第1の感圧素子、前記第2の感圧素子、および前記軸部を収容している、ことが好ましい。
前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子が、ほこりや異物、大気圧など外気の影響を直接受けないようにすることができ、精度よく圧力を測定することができる。
[適用例4]前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、前記一端部と前記他端部との間に振動腕を有する振動素子である、ことが好ましい。
以上のように、前記第1、及び第2の感圧素子を、振動素子を用いて形成すると、圧力の検出感度が高い圧力感知ユニットが得られるという効果がある。
[適用例5]前記振動素子は、前記振動腕を2つ有する双音叉型振動素子である、ことが好ましい。
以上のように、前記第1、及び第2の感圧素子を双音叉型振動素子で形成すると、圧力の検出感度が極めて高いという効果がある。
[適用例6]前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、圧電性材料である、ことが好ましい。
以上のように、前記第1、及び第2の感圧素子が、圧電材料を用いて形成されているので、これらの駆動は励振電極を形成するだけでよく、圧力の検出感度が高く、且つ再現性に優れ、小型化、低コスト化に効果がある。
[適用例7]前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、水晶材料である、ことが好ましい。
以上のように、前記第1、及び第2の感圧素子が、水晶材料を用いて形成されているので、長年の加工技術、例えばフォトリソグラフィ技法、エッチング手法等が活用でき、形状寸法の精度のよい第1、及び第2の感圧素子が形成できる。その上、圧力感度、精度の優れた第1、及び第2の感圧素子が形成できるという効果がある。更に、第1、及び第2の感圧素子は、再現性に優れ、温度特性が零温度係数を有する二次特性となるという効果がある。
また、前記第1、及び第2の感圧素子の駆動は励振電極を形成するだけでよく、小型化、低コスト化に効果がある。
[適用例8]本適用例の圧力センサーは、適用例1乃至7の何れかに記載の圧力感知ユニットと、前記第1、及び第2感圧素子を励振する発振回路と、前記発振回路の出力周波数をカウントするカウンターと、前記カウンターのデータを処理する演算回路と、を備えている、ことが好ましい。
本適用例の圧力センサーは、前記圧力センサーが厳しい条件で使用される場合でも、圧力検出感度、温度特性、再現性が優れ圧力センサーが得られるという効果がある。
本発明に係る圧力感知ユニット1の構造を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は底面図。 圧力感知ユニット1の外周側壁を除去した断面斜視図。 圧力感知ユニット1の外周側壁を除去した内部の要部斜視図。 双音叉型圧電振動素子を説明する図で、(a)は振動モードの平面図、(b)は振動腕に形成した励振電極と、ある瞬間に発生する電荷の符号を示す図、(c)は励振電極の結線図。 圧力感知ユニット2の構造を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は底面図。 圧力感知ユニット2の外周側壁を除去した断面斜視図。 圧力感知ユニット3の構造を示す概略断面図。 圧力感知ユニット3の外周側壁を除去した断面斜視図。 圧力センサー4の構成を示すブロック図。 従来の圧力センサーの構成を示す断面図。 従来の圧力センサーの構成を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る圧力感知ユニット1の構成を示す概略図であり、同図(a)は断面図、同図(b)は底面図である。また、図2は、図1に示す圧力感知ユニット1の外周側壁を除去した垂直方向の断面斜視図であり、図3はハウジングの外周側壁を除去した要部斜視図である。
圧力感知ユニット1のハウジング5は、第1の圧力入力口9aを有した底板(第1フランジ)6と、第1の圧力入力口9aと対向する第2の圧力入力口9bを有した天板(第2フランジ)7と、底板(第1フランジ)6、及び天板(第2フランジ)7とを連接する中空円筒状の外周側壁8と、を備えている。
圧力感知ユニット1は、ハウジング5の第1の圧力入力口9aを閉止すると共に外面を受圧面とし、圧力入力口9aの圧力により撓む第1ダイアフラム10と、第2圧力入力口9bを閉止すると共に外面を受圧面とし、圧力入力口9bの圧力により撓む第2ダイアフラム12と、を備えている。第1ダイアフラム10の外周部は底板(第1フランジ)6に接続し、第2ダイアフラム12の外周部は天板(第2フランジ)7と接続している。ハウジング5の第1及び第2の圧力入力口9a、9bは、それぞれ同一圧力が加えられると同一の量だけ変形する(撓む)第1、及び第2ダイアフラム10、12で封止されて、内部空間を構成し、すなわち中空密閉容器が構成され、内外を遮断すると共に内部を真空状態として用いられる。
圧力感知ユニット1は、ハウジング5内部に配置されて力の検出方向を検出軸とする感圧部13と、第1、第2ダイアフラム10、12を夫々の中央領域で連結して一体化し、力の伝達を可能としたセンターシャフト14、すなわち軸部と、を有している。
感圧部13は、センターシャフト14の途中に固定された可動受け台16と、ハウジング5内の底板6に設けた第1固定受け台6aとに両端部が夫々取り付けられ、検出軸をセンターシャフト14と平行に設定された第1の感圧素子18を有している。更に、可動受け台16と、天板7に設けた第2固定受け台7aとに両端部が夫々取り付けられ、検出軸をセンターシャフト14と平行に設定された第2の感圧素子19を有している。
センターシャフト14は、ハウジング5の軸芯に沿って配置され、第1、及び第2ダイアフラム10、12と夫々垂直に接続されている。つまり、第1、及び第2ダイアフラム10、12の一方の撓み量が、力伝達部材のセンターシャフト14を介して、他方のダイアフラムに伝達されるように構成されている。センターシャフト14は、ステンレス等の金属、またはセラミック等の変形を生じない剛性材料で形成されている。
圧力感知ユニット1は、第1、第2ダイアフラム10、11のそれぞれの撓み量の差によるセンターシャフト14の検出軸方向の変化を、可動受け台16を介して第1及び第2の感圧素子18、19に対し、検出軸方向に沿った力として伝達するように配置構成されている。
第1実施例の圧力感知ユニット1は、天板(第2フランジ)7に複数の小孔を開け、これらに絶縁端子(ハーメ端子)24a、24bを貫通させて第1及び第2の感圧素子18、19からの信号を外部に取り出すように構成されている。
本出願人は、特願2009−006884にてハウジング5、及び力伝達構造がほぼ同様な「圧力センサー」を開示しているが、本発明とは感圧部13の構造が大きく異なる。
第1の感圧素子18(第2の感圧素子19)は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、ランガサイト等の圧電材料から形成されることが望ましい。例えば、第1の感圧素子18(19)は、平板状の圧電基板、例えば水晶ウエハーにフォトリソグラフィ技法とエッチング手法、真空蒸着法等を用いて、複数個を同時に形成することにより、量産化が容易である。
感圧素子18(19)が、双音叉型圧電振動素子で構成される場合について、図4を用いて簡単に説明する。
双音叉型圧電振動素子18は、図4(a)に示すような一対の基部18c、18d及び該基部18c、18d間を連設する一対の振動腕18a、18bを備えた圧電基板からなる応力感応部と、該圧電基板の振動領域上に形成した励振電極と、を備えている。図4(a)の破線は双音叉型圧電振動素子18の振動姿態を示す平面図である。双音叉型圧電振動素子18の振動モードが、一対の振動腕18a、18bの長手方向の中心軸に対して、互いに対称な振動モードで振動するように励振電極を配置する。図4(b)は振動腕18a、18bに形成した励振電極と、ある瞬間に励起される励振電極上の電荷の符号を示した平面図である。また、図4(c)は励振電極の結線を示す模式断面図である。
双音叉型圧電振動素子18、例えば双音叉型水晶振動素子は伸張・圧縮応力に対する感度が良好であり、高度計用、或いは深度計用の応力感応素子として使用した場合には、分解能力が優れているために僅かな気圧差から高度差、深度差を知ることができる。
双音叉型水晶振動素子の周波数温度特性は、上に凸の二次曲線であり、その頂点温度は水晶結晶のX軸(電気軸)の回りの回転角度に依存する。一般的には頂点温度が常温(25℃)になるように各パラメータを設定する。
双音叉型水晶振動素子の一対の振動腕に外力Fを加えたときの共振周波数fFは式(1)のように表わされる。
F=f0(1−(KL2F)/(2EI))1/2 (1)
ここで、f0は外力がないときの双音叉型水晶振動素子の共振周波数、Kは基本波モードによる定数(=0.0458)、Lは振動ビームの長さ、Eは縦弾性定数、Iは断面2次モーメントである。断面2次モーメントIはI=dw3/12より、式(1)は式(2)のように変形することができる。ここで、dは振動ビームの厚さ、wは幅である。
F=f0(1−SFσ)1/2 (2)
但し、応力感度SFと、応力σとはそれぞれ次式で表される。
F=12(K/E)(L/w)2 (3)
σ=F/(2A) (4)
ここで、Aは振動ビームの断面積(=w・d)である。
以上の式から双音叉型水晶振動子に作用する力Fを圧縮方向のとき負、伸張方向(引張り方向)を正としたとき、力Fと共振周波数fFの関係は、力Fが圧縮力で共振周波数fFが減少し、伸張(引張り)力では増加する。また応力感度SFは振動ビームのL/wの2乗に比例する。
図1に示した感圧素子18(19)は、水晶基板を用いた双音叉型水晶振動子に限らず、伸張・圧縮応力によって周波数が変化する振動素子であればどのような素子でもよい。例えば振動体に駆動部を接着した振動素子、シングルビーム振動素子、厚み滑り振動素子、SAW振動素子等を用いることが可能である。
図1に示す圧力感知ユニット1の動作について説明する。圧力感知ユニット1の第1及び第2のダイアフラム10、11には、それぞれ外圧P1、P2の圧力が加わっているものとする。
弾性のある第1のダイアフラム10に圧力P1が加えられると、圧力感知ユニット1のハウジング5内は真空であるので、圧力P1によりダイアフラム10は内側に撓み、この撓み力がセンターシャフト14を介して可動受け台16に、図1(a)の底板6から天板7方向に(紙面の上向に)力F1が加わる。一方、第2のダイアフラム12には外圧P2が加わり、該圧力P2により第2のダイアフラム12が、図1(a)の天板7から底板6方向に(紙面の下向きに)撓み、この撓み力がセンターシャフト14を介して可動受け台16に力F2を加える。
可動受け台16には、第1のダイアフラム10にかかる圧力P1による力F1と、第2のダイアフラム12にかかる圧力P2による力F2と、の差圧(P1−P2)に相当する力(F1−F2)が加わることになる。この力により可動受け台16と、底板(第1フランジ)の固定受け台6aとの間に配置された第1の感圧素子18に引張力(伸長力)、又圧縮力が加わり、共振周波数が変化する。同時に、可動受け台16と、天板(第2フランジ)の固定受け台7aとの間に配置された第2の感圧素子19には、圧縮力、又は引張力(伸長力)が加わり、共振周波数が変化する。第1、及び第2の感圧素子18、19の夫々共振周波数の変化量の絶対値は同じであるが符号が異なる。
本発明の圧力感知ユニット1の特徴は、第1の感圧素子18と、第2の感圧素子19とに、互いに逆の力が作用するように構成されている点である。つまり、P1>P2の場合は、第1の感圧素子18に引張力(伸長力)が加わり、他方の第2の感圧素子19には圧縮力が加わる。逆にP1<P2の場合は、第1感圧素子18に圧縮力が加わり、他方の第2感圧素子19には引張力(伸長力)が加わるように構成されている。
図1(a)に示すように、第1及び第2の感圧素子18、19を差動で動作させる利点は、次の通りである。第1の利点は、同一カットアングルの圧電基板を用い、ほぼ同様な形状に第1及び第2感圧素子18、19を形成すると、双方の周波数温度特性は、ほぼ同じとなるので、温度変化による第1及び第2感圧素子18、19の差周波数はほぼ零となり、温度変化による圧力感知ユニット1の検出誤差を最小にすることが可能となる。第1及び第2感圧素子18、19のエージングについても同様であり、差周波数を求めることにより、エージングによる圧力検出誤差を最小にすることが可能である。
第2の利点は、静圧特性が改善されることである。つまり、大気圧の変動は、圧力感知ユニット1の第1及び第2ダイアフラムに同時に作用するので、大気圧の変動の影響は取り除けることができる。
第3の利点は、例えばP1>P2の場合、第1感圧素子18には引張力(伸長力)が加わり、その周波数は増加するが、第2感圧素子19には圧縮力が加わり、その周波数は減少する。つまり、第1及び第2感圧素子18、19の差周波数を求めると、周波数変化は2倍となり、感圧素子の応力検出感度は2倍になるという効果がある。P1<P2の場合の場合も同様である。
第1、及び第2の感圧素子18、19が、水晶材料を用いて形成されると、長年の加工技術、例えばフォトリソグラフィ技法、エッチング手法等が活用でき、形状寸法の精度のよい第1、及び第2の感圧素子18、19が形成でき、その上、圧力感度、精度の優れたものが得られるという効果がある。更に、第1、及び第2の感圧素子18、19は、再現性に優れ、温度特性が零温度係数を有する二次特性となるという効果がある。
また、第1、及び第2の感圧素子18、19の駆動は励振電極を形成するだけでよく、小型化、低コスト化に効果がある。
図5(a)、(b)は第2の実施例の圧力感知ユニット2であり、図1に示した圧力感知ユニット1の変形例である。図5(a)は圧力感知ユニット2の断面図であり、同図(b)は底面図、図6は外周側壁を除去した断面斜視図である。圧力感知ユニット2が圧力感知ユニット1と異なる点は、ハウジング5の内部で底板(第1フランジ)6と天板(第2フランジ)7との間に、センターシャフト14と平行に複数のガイドシャフトである支持棒22a、22bを設けた点である。支持棒22a、22bの端部は、底板(第1フランジ)6、及び天板(第2フランジ)7にダボ穴を形成し、これに圧入して固定する。これらにより底板(第1フランジ)6と、天板(第2フランジ)7との間隔を一定に保ち、外力によるハウジング5の変形を防ぎ、圧力検出精度を劣化させないようにしている。
図7は第3の実施例の圧力感知ユニット3の断面図であり、図1に示した圧力感知ユニット1の変形例である。図8は圧力感知ユニット3の外周側壁を除去した断面斜視図である。圧力感知ユニット3が圧力感知ユニット1と異なる点は、感圧素子の配置の違いである。圧力感知ユニット1では、図1に示すように第1及び第2感圧素子18、19は、可動受け台16の端面にセンターシャフト14に対し対称に固定されているが、圧力感知ユニット3では、第1及び第2感圧素子18、19は、可動受け台16の同じ端面に、同一平面上に並列するように固定されている。
図9は、圧力センサー4の構成を示すブロック図である。圧力センサー4は、上記の圧力感知ユニットと、上記の圧力感知ユニットの第1及び第2感圧素子18、19を励振する発振回路51、52、該発振回路51、52の出力周波数をカウントするカウンター53、54、及び該カウンター53、54の信号を処理する演算回路55を有するIC50と、表示部58と、を備えている。
本発明の圧力センサー4は、圧力感知ユニット1、2、3と、前記ICとを用いて構成されており、前記圧力センサーが厳しい条件で使用される場合でも、圧力検出感度、温度特性、再現性が優れた圧力センサーが得られるという効果がある。
1、2、3…圧力感知ユニット、4…圧力センサー、5…ハウジング、6…底板(第1フランジ)、6a…第1固定受け台(ボス部)、7…天板(第2フランジ)、7a…第2固定受け台(ボス部)、8…外周側壁、9a…第1の圧力入力口、9b…第2の圧力入力口、10…第1ダイアフラム、12…第2ダイアフラム、13…感圧部、14…センターシャフト、16…可動受け台、17…圧力検出部、18…第1の感圧素子、19…第2の感圧素子、22a、22b…支持棒、24a、24b…絶縁端子(ハーメ端子)、51、52…発振回路、53、54…カウンター、55…演算処理部、56…表示部

Claims (8)

  1. それぞれが感圧面と反対側の面で対向している第1のダイアフラムおよび第2のダイアフラムと、
    前記2つのダイアフラムの間にあって、前記2つのダイアフラムどうしを接続している軸部と、
    第1のダイアフラムの外周部と接続している底板と、
    第2のダイアフラムの外周部と接続している天板と、
    一端側が前記底板に接続し、他端側が前記軸部に固定されている第1の感圧素子と、
    一端側が前記天板に接続し、他端側が前記軸部に固定されている第2の感圧素子と、
    を有することを特徴とする圧力感知ユニット。
  2. 前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、前記一端と前記他端とを結ぶ直線が前記軸部の伸びる方向に沿っていることを特徴とする請求項1に記載の圧力感知ユニット。
  3. 前記底板と前記天板とを連結している外周側壁を有し、
    前記第1のダイアフラム、前記第2のダイアフラム、前記底板、前記天板、および前記外周側壁によって構成される内部空間に、前記第1の感圧素子、前記第2の感圧素子、および前記軸部を収容していることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力感知ユニット。
  4. 前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、前記一端部と前記他端部との間に振動腕を有する振動素子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の圧力感知ユニット。
  5. 前記振動素子は、前記振動腕を2つ有する双音叉型振動素子であることを特徴とする請求項4に記載の圧力感知ユニット。
  6. 前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、圧電性材料であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の圧力感知ユニット。
  7. 前記第1の感圧素子および前記第2の感圧素子は、水晶材料であることを特徴とする請求項6に記載の圧力感知ユニット。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の圧力感知ユニットと、
    前記第1、及び第2感圧素子を励振する発振回路と、前記発振回路の出力周波数をカウントするカウンターと、前記カウンターのデータを処理する演算回路と、を備えていることを特徴とする圧力センサー。
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