JP2012058063A - 圧力センサー - Google Patents
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Abstract
【課題】大気圧を基準として圧力を測定する圧力センサーであって、圧力センサーを構成する感圧素子の結露を防止する圧力センサーを提供する。
【解決手段】ハウジング12と、前記ハウジング12の開口部22を封止し、受圧面で力を受けて前記受圧面に対して垂直方向に撓み変位するダイアフラム40と、前記ハウジング12の内部において前記ハウジング12側と前記ダイアフラム40側の夫々に、両端が各々接続される感圧素子42と、両端が開放され、前記ハウジング12に形成された圧力導入口28bに一端が接続されたチューブ36と、前記チューブ36に導入され、前記チューブ36内の前記一端側と他端側とを空間的に分離することにより前記ハウジング12を気密封止し、前記ハウジング12内の気圧が前記ハウジング12外の気圧と等しくなるように前記チューブ36内を移動可能な液体38と、を有し、前記ハウジング12内には、乾燥ガスが充填されたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】ハウジング12と、前記ハウジング12の開口部22を封止し、受圧面で力を受けて前記受圧面に対して垂直方向に撓み変位するダイアフラム40と、前記ハウジング12の内部において前記ハウジング12側と前記ダイアフラム40側の夫々に、両端が各々接続される感圧素子42と、両端が開放され、前記ハウジング12に形成された圧力導入口28bに一端が接続されたチューブ36と、前記チューブ36に導入され、前記チューブ36内の前記一端側と他端側とを空間的に分離することにより前記ハウジング12を気密封止し、前記ハウジング12内の気圧が前記ハウジング12外の気圧と等しくなるように前記チューブ36内を移動可能な液体38と、を有し、前記ハウジング12内には、乾燥ガスが充填されたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧力センサーに関し、特に大気圧を基準として圧力を測定する圧力センサーであって、圧力センサーを構成する感圧素子の結露を防止する圧力センサーに関する。
従来から、水圧計、気圧計、差圧計などとして圧電振動素子を感圧素子として使用した圧力センサーが知られている。圧電振動素子を用いた圧力センサーは。圧電振動素子に検出軸方向の圧力が印加すると、圧電振動素子の共振周波数が変化し、当該共振周波数の変化から圧力センサーに印加される圧力を検出する。
特許文献1〜3には、感圧素子に圧電振動素子を用いた圧力センサーが開示されている。圧力導入口よりベローズ内に圧力が加わると、当該ベローズの有効面積に応じた力が、ピボット(撓みヒンジ)を支点とした力伝達手段を介して、圧電振動素子に圧縮力、或いは引張力(伸長力)Fとして加えられる。圧電振動素子には、この力Fに応じた応力が生じ、該応力により圧電振動素子の共振周波数が変化する。圧力センサーは、圧電振動素子の共振周波数の変化を検出することにより、印加された圧力を求めることができる。
図5は、特許文献1に開示された圧力センサーの構成を示す断面図であり、対向して配置された第1及び第2の圧力入力口102、103を有する筐体104と、筐体104の内部に配置された力伝達部材105とを備え、力伝達部材105の一端を挟むように第1のベローズ106の一方の端部、及び第2ベローズ107の一方の端部が接続されている。そして、第1のベローズ106の他端開口を第1の圧力入力口102に接続し、第2のベローズ107の他端開口を第2の圧力入力口103に接続している。さらに力伝達部材105の他端と、基板108のピボット(支点)ではない方の端部との間に、感圧素子としての双音叉型振動素子109が配置されている。
圧力を高精度に検出する場合、ベローズの内部には、液体が充填される。当該液体としては、ベローズの内部の蛇腹部分への気泡の入り込みは、滞留を防止するために、一般的に粘性の高いシリコンオイル等が用いられる。このように、第1のベローズ106の内部には、粘性のあるオイル110が充填されており、圧力測定の対象が液体の場合は、第1の圧力入力口102に開けられた開口部111により液体と前記オイルとが接触して相対する構造となっている。なお、開口部111はオイルが外部に漏れないように開口径が設定されている。
また、特許文献3には、図6の断面図に示すような圧力センサー150が開示されている。図6において120はハウジング、121a、121bは圧力導入口、122a、122bはベローズであって、該ベローズ122a、122bには力伝達部材125が連結され、該力伝達部材125の可撓部125aと固定部材140との間に感圧素子130が接着固定されている。図6に示す圧力センサー150の圧力導入口121aによりベローズ122a、圧力導入口121bよりベローズ122bに圧力が加わると、ベローズ122a、122bの有効面積に応じた力が、力伝達部材125の上下にかかり、差圧に相当する力がピボット135を支点にして、感圧素子130に圧縮力、或いは引張力(伸長力)として加わり、この力に応じて感圧素子130の共振周波数が変化し、これを検知することにより圧力を測定するものである。
ベローズ122a、122b、力伝達部材125、感圧素子130及びハウジング120は、それぞれ異なった材料により構成されているので、使用環境の温度変化等により熱歪みが発生し、圧力測定精度を劣化させることになる。そこで、感圧素子130の支持部を力伝達部材125の可撓部125aと、該力伝達部材125とを隔設し、且つハウジング120内に設けた固定部材140とし、前記可撓部125aと前記固定部材140との間に感圧素子130の両端を橋架固定することにより、周囲温度の変化に伴う熱歪みの影響を感圧素子130に加えることのないように構成する。
そしてベローズライン、力伝達部材、力伝達部支柱と感圧素子固定部に分けて熱歪みの解析を行った。例えばハウジングにステンレス、ベローズにニッケル、力伝達部材に燐青銅、感圧素子に水晶を用い、それぞれの線膨張係数を解析に適用し、各部材の寸法を設定し、感圧素子130の固定部材の線膨張係数を設定すれば、その最適な長さを求めることができ、熱歪みの影響を受けることのない圧力センサーを構成できると開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された圧力センサー101では、図5に示す第1のベローズ106に充填されているオイル110が、他の構成要素、例えば力伝達部材105や双音叉型振動素子109などに比べて熱膨張係数が大きく、圧力センサー101を構成する各部材に温度変化による熱歪みを生じさせる。この熱歪みによる応力が双音叉型振動素子109に負荷されるため、前記熱歪みに起因したノイズ成分が双音叉型振動素子109の共振周波数に重畳してしまうので、圧力センサーの測定精度を劣化させるという問題があった。
また、第1のベローズ106に充填されているオイル110は、圧力測定の対象となる液体と接触して相対しているが、圧力センサーの設置方法により、オイル110が圧力測定の対象となる液体側への流出や、液体の第1のベローズ106への流入もあり、第1のベローズ106に充填されたオイル110内に気泡が発生する虞がある。オイル110に気泡が発生すると、気泡が圧力を吸収することにより圧力の伝達媒体としての機能が劣化し、圧力測定値に誤差が生ずる虞がある。
さらに、オイル110は圧力測定対象の液体と接触しているため、圧力センサーの設置方法によっては、オイル110が圧力測定対象の液体側に流出する虞があり、異物混入を忌避する液体の圧力測定には、オイル110を使用した従来のような圧力センサーを使用することができないという問題があった。
また、特許文献1、3に開示の圧力センサーは、力伝達部材105、125が複雑な構造をしており、圧力センサーを小型化する際に障害となっている。また、力伝達部材105、125は、くびれ部の細い撓みヒンジが不可欠の部品であり、該部品のために圧力センサーの製造コストが上昇するという問題があった。
このような問題を解決するため、図7に示すように、特許文献4に開示の圧力センサー200は、内部を大気開放するための穴部204を有する筐体202と、前記筐体202の一部を構成し測定対象となる圧力を受ける受圧面を備え、前記受圧面208に圧力を受けて撓み変形する可撓性を有するダイアフラム206と、前記受圧面208に対して垂直方向を検出軸とするセンサー振動片(感圧素子としての双音叉振動子)210と、を有しており、前記受圧面208に対して前記検出軸を直交させて、前記センサー振動片210の一端を前記ダイアフラム206の中央部に接合した構成を有し、大気圧を基準とした液圧センサーとして用いられる。
このような構成とすることにより、上述の撓みヒンジを介することなくダイアフラム206の変形に伴う力をセンサー振動片210に圧縮力または伸長力として直接的に印加することができるので、感度が向上するとともに、オイルを用いることがないので、オイル漏れやオイル中に混入する気泡の問題を回避して、測定対象を広げることができる。
しかし、上記構成においては、筐体202内部が大気開放されているため、筐体202内部に配置されたセンサー振動片210が結露する虞がある。そして、センサー振動片210が結露すると共振周波数が変化し、圧力値を正確に測定できないといった問題がある。
そこで本発明は、上記問題点に着目し、結露の問題を回避して安定的に圧力を測定可能な圧力センサーを提供することを目的とする。
そこで本発明は、上記問題点に着目し、結露の問題を回避して安定的に圧力を測定可能な圧力センサーを提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]ハウジングと、前記ハウジングの開口部を封止し、受圧面で力を受けて前記受圧面に対して垂直方向に撓み変位する受圧手段と、前記ハウジングの内部において前記ハウジング側と前記受圧手段側の夫々に、両端が各々接続される感圧素子と、両端が開放され、前記ハウジングに形成された圧力導入口に一端が接続されたチューブと、前記チューブに導入され、前記チューブ内の前記一端側と他端側とを空間的に分離することにより前記ハウジングを気密封止し、前記ハウジング内の気圧が前記ハウジング外の気圧と等しくなるように前記チューブ内を移動可能な液体と、を有し、前記ハウジング内には、乾燥ガスが充填されたことを特徴とする圧力センサー。
[適用例1]ハウジングと、前記ハウジングの開口部を封止し、受圧面で力を受けて前記受圧面に対して垂直方向に撓み変位する受圧手段と、前記ハウジングの内部において前記ハウジング側と前記受圧手段側の夫々に、両端が各々接続される感圧素子と、両端が開放され、前記ハウジングに形成された圧力導入口に一端が接続されたチューブと、前記チューブに導入され、前記チューブ内の前記一端側と他端側とを空間的に分離することにより前記ハウジングを気密封止し、前記ハウジング内の気圧が前記ハウジング外の気圧と等しくなるように前記チューブ内を移動可能な液体と、を有し、前記ハウジング内には、乾燥ガスが充填されたことを特徴とする圧力センサー。
上記構成により、ハウジング内部の気圧が外部の大気圧より高ければ、液体は外部側に移動し、逆にハウジング内部の気圧が外部の大気圧より低ければ、液体はハウジング側に移動することにより、ハウジング内外の圧力差を抑制することができる。またハウジング内部は外部とは液体により空間的に分離されるとともに、ハウジング内部には乾燥ガスが充填されているため、感圧素子の結露を防止し安定的な圧力測定を行なうことができる。
[適用例2]前記乾燥ガスは、ヘリウムであることを特徴とする適用例1に記載の圧力センサー。
ヘリウムは熱伝導率が高い。よって外部で急激な温度変化があった場合においてもハウジング内外の温度差を抑制し、感圧素子の温度による誤差を抑制することができる。
ヘリウムは熱伝導率が高い。よって外部で急激な温度変化があった場合においてもハウジング内外の温度差を抑制し、感圧素子の温度による誤差を抑制することができる。
[適用例3]前記感圧素子は、感圧部と前記感圧部の両端に接続された一対の基部とを有するとともに前記基部同士を結ぶ方向と平行な方向を検出軸とし、前記検出軸が前記受圧手段の変位方向と平行となるように配置され、前記一対の基部の一方の基部が前記受圧手段側に接続し、他方の基部が前記ハウジング側に接続されたことを特徴とする適用例1または2に記載の圧力センサー。
上記構成により、感圧素子は受圧手段の変位による力を圧縮力または引張力として直接受けることができるので圧力センサーの感度を向上させることができる。
上記構成により、感圧素子は受圧手段の変位による力を圧縮力または引張力として直接受けることができるので圧力センサーの感度を向上させることができる。
[適用例4]前記感圧素子は、感圧部と前記感圧部の両端に接続された一対の基部とを有するとともに前記基部同士を結ぶ方向と平行な方向を検出軸とし、前記検出軸が前記受圧手段の変位方向と平行となるように配置された第1感圧素子と第2感圧素子であって、前記第1感圧素子は、前記受圧手段側の基部が前記受圧手段側に接続され、その反対側の基部が前記ハウジング側に接続され、前記第2感圧素子は、前記受圧手段側の基部が前記ハウジング側に接続され、その反対側の基部が前記受圧手段に接続された力伝達部材を介して前記受圧手段側に接続されたことを特徴とする適用例1または2に記載の圧力センサー。
上記構成により、受圧手段がハウジングの外側に変位した場合、第1感圧素子には引張力がかかり、第2感圧素子には圧縮力がかかる。逆に受圧手段がハウジングの内側に変位した場合、第1感圧素子には圧縮力がかかり、第2感圧素子には引張力がかかる。そして第1感圧素子、第2感圧素子が共振周波数について同様の温度特性、経年変化特性等を有する場合、第1感圧素子と第2感圧素子の共振周波数の差分をとると、上述の差分においてはこのような特性はキャンセルされることになる。したがって、温度特性及び経年変化特性等に係らず安定した圧力測定を行うことが可能な圧力センサーとなる。また2つの感圧素子の共振周波数の差分により圧力を測定することになるので、1つの感圧素子を用いた場合より大きな感度を得ることができる。
[適用例5]前記ハウジング内部に配置された温度センサーと、前記感圧素子と前記温度センサーに電気的に接続されたICと、を有し、前記ICは、前記温度センサーから得られる温度の情報に基づいて、前記感圧素子の共振周波数の補正を行うことを特徴とする適用例1乃至4のいずれか1例に記載の圧力センサー。
上記構成により、感圧素子の共振周波数の温度補償を行って圧力測定値の誤差を抑制することができる。
上記構成により、感圧素子の共振周波数の温度補償を行って圧力測定値の誤差を抑制することができる。
[適用例6]音叉型圧電振動子で形成され、前記音叉型圧電振動子の振動片が前記ハウジング内に露出して配置された圧電振動素子と、前記感圧素子と前記圧電振動素子に電気的に接続されたICと、有し、前記ICは、前記感圧素子の共振周波数と前記圧電振動素子の共振周波数との差分に基づいて圧力を算出することを特徴とする適用例1乃至3のいずれか1例に記載の圧力センサー。
上記構成により、ハウジング内部の粘性抵抗等を考慮した感圧素子の共振周波数の温度補償を行って圧力測定値の誤差を抑制することができる。
上記構成により、ハウジング内部の粘性抵抗等を考慮した感圧素子の共振周波数の温度補償を行って圧力測定値の誤差を抑制することができる。
[適用例7]前記チューブは、曲線状、または螺旋状に曲げられていることを特徴とする適用例1乃至6のいずれか1例に記載の圧力センサー。
上記構成により、液体がハウジングの内部側および外部に漏洩することを防止することができる。
上記構成により、液体がハウジングの内部側および外部に漏洩することを防止することができる。
[適用例8]前記チューブの前記液体が移動する領域は水平に保たれていることを特徴とする適用例1乃至7のいずれか1例に記載の圧力センサー。
上記構成により、液体が重力によりチューブ内を移動することを抑制して、ハウジング内外の圧力差を抑制することができる。
上記構成により、液体が重力によりチューブ内を移動することを抑制して、ハウジング内外の圧力差を抑制することができる。
以下、本発明に係る圧力センサーを図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1に第1実施形態に係る圧力センサーの斜視図を示す。また図2は、第1実施形態の圧力センサーを示し、図2(a)は断面図、図2(b)は受圧手段側から見た模式図である。第1実施形態に係る圧力センサー10は、容器としてハウジング12と、圧力を受けて前記容器の内部側または外部側に受圧面に対して垂直方向に撓み変位する受圧手段(ダイアフラム40)とを有する。そして前記容器の内部において前記ハウジング12側と前記受圧手段側に接続され、前記受圧手段の変位による力を受けることにより圧力を検知する感圧素子42を有する。さらに、両端が開放され、前記ハウジング12に形成された圧力導入口28bに一端が接続されたチューブ36と、前記チューブ36に導入され、前記チューブ36内の前記一端側とその反対側とを空間的に分離することにより前記ハウジング12を気密封止し、前記ハウジング12内の気圧が前記ハウジング12外の気圧と等しくなるように前記チューブ36内を移動可能な液体38と、を有し、前記ハウジング12内には、乾燥ガスが充填されたものである。
そして、前記感圧素子42は、感圧部(柱状の振動ビームである振動腕)42cと前記感圧部42cの両端に接続された一対の基部(第1の基部42a、第2の基部42b)とを有するとともに前記基部同士を結ぶ方向と平行な方向を検出軸とし、前記検出軸が前記受圧手段の変位方向と平行となるように配置され、一方の基部(第2の基部42b)が前記受圧手段側に接続し、他方の基部(第1の基部42a)が前記ハウジング12側に接続されている。
本実施形態の圧力センサー10は、後述のようにハウジング12内部が大気圧となるように調整され、大気圧を基準としてダイアフラム40の外側から液圧を受ける液圧センサーとして利用できる。
ハウジング12は、円形のフランジ部14、支持シャフト26、円形の天板部28、円筒形の側面部(側壁部)30を有する。フランジ部14は、側面部(側壁部)30の端部と接続する外周部16と、外周部16上に外周部16と同心円状に形成され、天板部28と同一の直径を有するとともに側面部(側壁部)30の内側側面と接続する内周部18と、内周部18の中央領域に形成され感圧素子42の前記他方の基部(第1の基部42a)を固定するボス部20と、を有する。図1(b)においてボス部20は円形に描かれているが、感圧素子42の前記他方の基部(第1の基部42a)が接続されるため、外周部16や内周部18とは異なり矩形に形成することが好ましい。さらにフランジ部14はフランジ部14の外形と同心円状に開口部22を有し、さらに開口部22の中心には開口部22とボス部20を連通し、後述のセンターシャフト44を貫通させる貫通孔24を有する。そして、開口部22には、開口部22を封止するようにダイアフラム40が接続されている。ダイアフラム40を開口部22に取り付けることにより、ダイアフラム40はハウジング12の外壁の一部を形成することになる。
フランジ部14の内周部18及び天板部28の互いに対向する面の所定位置には支持シャフト26を嵌め込む取り付け穴18a、28aが形成されている。また取り付け穴18a及び取り付け穴28aは互いに対向する位置に形成されている。よって取り付け穴18a、28aに支持シャフト26を嵌め込むことによりフランジ部14と天板部28とは支持シャフト26を介して接続される。支持シャフト26は、一定の剛性を有する棒状の部材であって、ハウジング12の内部に配置され、支持シャフト26の一端が内周部18の取り付け穴18aに、他端が天板部28の取り付け穴28aにそれぞれ嵌め込まれる。これにより、フランジ部14、支持シャフト26、および天板部28との間で一定の剛性を獲得する。なお支持シャフト26は複数本用いられるが、各取り付け穴の位置の設計に従って任意に配置される。
また天板部28には、ハーメチック端子32が取り付けられている。このハーメチック端子32は、感圧素子42の電極部(不図示)と、ハウジング12外部に取り付けられ感圧素子42を発振させるIC(集積回路、不図示)と、を電気的に接続することができる。
なお図1においてハーメチック端子32は1つ描かれているが、感圧素子42の電極部(不図示)の総数に応じて天板部28に取り付けられるものとする。また天板部28のハーメチック端子32と干渉しない任意の位置には圧力導入口28bが形成され、圧力導入口28bには両端が開放されたチューブ36の一端が接続されている。
チューブ36は曲線形状または螺旋形状で、その一端が圧力導入口28bに接続されるととともに、その内部に不揮発性の液体38、例えばシリコンオイルが導入される。なお、チューブ36は、導入される液体38の占めるチューブ36中の長さより十分長くなるように設計し、液体38はチューブ36内の経路のほぼ中央位置に配置することが望ましい。これにより液体38がハウジング12側及び大気圧導入側に漏れることを防止することができる。またチューブの液体38が移動する領域は水平に保つことが好適である。例えば、水平を保たれた水平面上に、チューブが重ならないように渦巻き状やジグザク状に配置して、その水平面上に配置されたチューブ内に液体38が配置されればよい。これにより液体が重力によりチューブ内を移動することを抑制して、ハウジング内外の圧力差を抑制することができる。
さらに天板部28には、封止孔28dが形成され、封止孔28dには例えば銅で形成された圧着封止管48が取り付けられている。圧着封止管48は前記容器を気密封止する前は先端が開放されているが、後述の組み立て工程において先端をつぶして圧着させることによりハウジング12内を気密封止することができる。
側面部(側壁部)30は、容器の側面を構成するものであり、内周部18の外周18b、及び天板部28の外周28cに接続するとともに、その端部が外周部16の表面に接続する。フランジ部14、天板部28、側面部(側壁部)30はステンレス等の金属で形成することが好ましく、支持シャフト26は一定の剛性を有し熱膨張係数の小さいセラミック等を用いることが好ましい。
ダイアフラム40は開口部22を封止するように開口部22に取り付けられている。ダイアフラム40は容器の外部側に面した一方の主面が受圧面となっており、前記受圧面が被測定圧力環境(例えば液体)の圧力を受けて撓み変形することにより感圧素子42に圧縮力或いは引張り力を伝達するものである。また容器の内部側において、ダイアフラム40の中心には力伝達部材としてのセンターシャフト44の一端が取り付けられ、センターシャフト44の長手方向とダイアフラム40の変位方向とが同軸となるように取り付けられる。これによりセンターシャフト44は、ダイアフラム40が圧力を受けると、その長手方向に変位することになる。
またセンターシャフト44の他端側には感圧素子の一方の基部(第2の基部42b)を固定する例えば矩形の平面で構成された6面体の固定部46が取り付けられる。ここで、固定部46とボス部20は、固定部46の側面46aとボス部20の側面20aとが同一平面に位置するように設計されている。これにより感圧素子42を容易に取り付けることができる。
ダイアフラム40の材質は、ステンレスのような金属やセラミックなどの耐腐食性に優れたものがよく、また、水晶のような単結晶体やその他の非結晶体でもよい。また、センターシャフト44、固定部46は熱膨張係数の小さいセラミック等を用いることが望ましい。
なお、ダイアフラム40は、液体やガス等により腐食しないように、外部に露出する表面を耐食性の膜にてコーティングしてもよい。例えば、金属製のダイアフラム40であれば、ニッケルの化合物をコーティングしてもよいし、ダイアフラム40が水晶のような圧電結晶体であれば珪素をコーティングすればよい。
感圧素子42は、水晶、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム等の圧電材料により形成することができる。図1、に示すように、感圧素子42は、感圧部42cとその両端に形成された第1の基部42aと第2の基部42bを有する。そして感圧素子42の感圧部42cには励振電極(不図示)が形成され、励振電極(不図示)と電気的に接続する電極部(不図示)を有する。
感圧素子42は、その長手方向、すなわち第1の基部42aと第2の基部42bとが並ぶ方向をダイアフラム40の変位方向と平行になるように配置し、その変位方向を検出軸としている。感圧素子42の第1の基部42aはボス部20の側面20aに固定され、第2の基部42bは固定部46の側面46aに固定される。これにより、ダイアフラム40が容器の外側に変位すると感圧素子42は圧縮応力を受け、逆にダイアフラム40がハウジング12の内側に変位すると感圧素子42は引張応力(伸長応力)を受けることになる。
感圧素子42は、ワイヤー34及び上述のハーメチック端子32を介してIC(不図示)と電気的に接続され、IC(不図示)から供給される交流電圧により、固有の共振周波数で振動する。そして感圧素子42は、上述のように前記検出軸に平行な方向から感圧部42c(柱状の振動ビームである振動腕)その長手方向から伸長応力または圧縮応力を受けることにより共振周波数が変動する。本実施形態においては感圧部42cを構成する振動腕として双音叉型振動子を適用することができる。双音叉型振動子は、感圧部42cである2つの柱状の振動ビームに引張応力(伸長応力)或いは圧縮応力が印加されると、その共振周波数が印加される応力にほぼ比例して変化するという特性がある。そして双音叉型圧電振動片は、厚みすべり振動子などに比べて、伸長・圧縮応力に対する共振周波数の変化が極めて大きく共振周波数の可変幅が大きいので、わずかな圧力差を検出するような分解能力に優れる圧力センサーにおいては好適である。双音叉型圧電振動子は、伸長応力を受けると感圧部42cを構成する振動腕の共振周波数が高くなり、圧縮応力を受けると振動腕の共振周波数は低くなる。
また本実施形態においては2つの振動ビームを有する感圧部42cのみならず、一本の柱状の振動ビーム(シングルビーム)からなる感圧部42cを適用することができる。感圧部42cをシングルビーム型の振動子として構成すると、長手方向(検出軸方向)から同一の応力を受けた場合、その変位が2倍になるため、双音叉の場合よりさらに高感度な圧力センサーとすることができる。なお、双音叉型またはシングルビーム型の圧電振動子の圧電基板としては温度特性に優れた水晶が望ましい。
上記構成において、容器はハウジング12、側面部(側壁部)30、ダイアフラム40、液体38、圧着封止管48により気密封止されるとともに、容器内部は乾燥ガスが充填されている。これにより感圧素子42の結露を防止することができる。また乾燥ガスとしてはヘリウムが好適である。ヘリウムの熱伝導率は0.152W/mKであり、酸素(0.02674W/mK)や窒素(0.02598W/mK)に比べて十分大きな値を有している。これにより容器の外部側において急激な温度変化があった場合でも、容器内外の時間的な温度差を抑制して圧力センサー10の温度による誤差を抑制することができる。
第1実施形態の圧力センサー10の組み立ては、ダイアフラム40にセンターシャフト44を取り付け、センターシャフト44を貫通孔24に挿通させた状態でダイアフラム40を開口部22に接続する。そしてセンターシャフト44の先端に固定部46を取り付け、ボス部20の側面20aに第1の基部42aを接続し、固定部46の側面46aに第2の基部42bを接続することで感圧素子42を固定する。
次に内周部18の取り付け穴18aに支持シャフト26を差込んで固定し、天板部28の取り付け穴28aに、既に内周部18に一端が差し込まれた支持シャフト26の他端を差し込んで固定するとともに、ハーメチック端子32のハウジング12内部側と感圧素子42の電極部(不図示)とをワイヤー34により電気的に接続する。このとき容器の外部側のハーメチック端子32はIC(不図示)に接続する。
そして、組み立て途中の圧力センサー10を乾燥ガス(ヘリウム)が充填されたチャンバー(不図示)に運び入れ、天板部28に形成された圧力導入口28bにチューブ36を接続し、側面部(側壁部)30を天板部28側から差し込んで天板部28の外周28c、内周部18の外周18b、外周部16に接合してハウジング12を形成することにより圧力センサー10の外形が組み立てられる。このときハウジング12内部は乾燥ガス(ヘリウム)で充填されることになる。
最後に、チューブ36に不揮発性の液体を導入するとともに、天板部28に取り付けられた圧着封止管48を圧着して封止孔28dを封止することにより圧力センサー10の組み立て工程は終了する。
第1実施形態の圧力センサー10の動作について説明する。第1実施形態において、液体38はチューブ36の全経路の一部の領域においてチューブ36を封止し、チューブ36のハウジング12側と大気圧導入側とを空間的に分離している。そして液体38がハウジング12側に移動するとハウジング12内部の気圧は上昇し、逆に大気圧導入側に移動するとハウジング12内部の気圧は低下する。これにより液体38はチューブ36内においてハウジング12内部の圧力が大気圧との圧力差が無くなる方向に移動することができる。よって、ハウジング12内部は外部と空間的に分離しているにもかかわらず、ハウジング12内部は常時大気圧を維持することになる。
したがって、ダイアフラム40にかかるハウジング12外部からの圧力が大気圧より低いとダイアフラム40がハウジング12の外側に変位し、逆にダイアフラム40にかかるハウジング12外部からの圧力が大気圧より高いとダイアフラム40はハウジング12の内側に変位する。
なお、大気圧や外部の温度は時間とともに変動するためハウジング12内部の気圧や温度も変動することになるが、ハウジング12内部は乾燥ガス(ヘリウム)が充填されているため、感圧素子42が結露することはなく、また乾燥ガスとして熱伝導率の高いヘリウムを用いているので、ハウジング12外部で急激な温度変化があってもハウジング12内外での温度差を抑制して圧力誤差を抑制することができる。
第1実施形態においては温度センサーを用いることにより圧力測定値の誤差を低減することができる。図1に示すように、ハウジング内に取り付けられた温度センサー58は、音叉型圧電振動子58aと、音叉型圧電振動子58aを真空封止する金属容器58bにより形成され、設置環境の温度変化により共振周波数が変化するものである。そして温度センサー58は、ワイヤー(不図示)によりハーメチック端子(不図示)と接続され、ハーメチック端子(不図示)は温度センサー58を駆動するとともに入力された共振周波数から温度を算出するIC(不図示)に接続される。
温度センサー58が取り付けられた圧力センサー10における温度補償について説明する。なお、温度センサー58を構成する音叉型圧電振動子58aと、圧力センサー10を構成する感圧素子42(双音叉型圧電振動子)の無負荷時の共振周波数は、基準温度(25℃)において一致するものとする。まず、温度センサーの共振周波数Ftと温度Tとの関係は、
となる。ここでa、b、cは温度センサーの検査工程で算出される定数である。
一方、感圧素子の共振周波数の変化ΔF1は、圧力Pによる変化と温度Tによる変化を含むので、
となる。ここでA1、B1、C1、D1は圧力センサーの検査工程で補正定数として算出される。よって、
となる。数式3において、ΔF1、A1、B1、C1、D1は既知であり、Tも数式1により既知となる。これにより、圧力センサーを構成するIC(不図示)は、補正後の共振周波数を圧力Pに換算して圧力値を算出することができる。
一方、感圧素子の共振周波数の変化ΔF1は、圧力Pによる変化と温度Tによる変化を含むので、
また第1実施形態の圧力センサーには圧電振動素子(不図示)を適用することができる。圧電振動素子(不図示)は、温度センサー58と同様に音叉型圧電振動子(不図示)により形成されているが、金属容器は用いず、圧電振動片(素子)がハウジング12の内部空間に露出した状態で配置されている。これにより圧電振動素子(不図示)はハウジング12内のガスの粘性抵抗を受けることになるためその共振周波数が変化するが、感圧素子42も同様に粘性抵抗を受けており、これにより共振周波数が変化する。また感圧素子42及び圧電振動素子(不図示)はガスに晒されているので、同様な時間単位で変化するエージング特性を有することになる。
よってこれらを考慮すると、圧電振動素子(不図示)の周波数変化ΔF0は、エージング特性による周波数変化量をΔF(τ)、粘性抵抗による周波数変化量をΔF(μ)とすると、
となり、圧力センサー10の周波数変化ΔF1は同様に、
となる。そしてΔF1とΔF0との差分をとると、
となる。ここで(A1−A0)、(B1−B0)、(C1−C0)、(D1−D0)は圧力センサーの検査工程で補正定数として算出される。また感圧素子42及び圧電振動素子(不図示)のエージング特性および粘性抵抗が同様のものであれば、(ΔF1(τ)−ΔF0(τ))、(ΔF1(μ)−ΔF0(μ))はそれぞれ小さな値となる。よって、補正後の共振周波数は圧力センサー10を構成するIC(不図示)により算出されるが、感圧素子42のエージング特性や粘性抵抗の影響が低減されたものとなり、圧力測定値の誤差を低減することができる。
第1実施形態においては、金属容器58bに音叉型圧電振動子58aが封入された温度センサー58と、音叉型圧電振動子(不図示)が露出した圧電振動素子(不図示)を適用した。温度センサー58は、粘性抵抗が極めて小さいので温度変化に対する感度(周波数感度)が高く、微小な温度変化に対して追随して周波数も変化するので、結果的に圧力センサー10の圧力感度を高めることができる。そして圧電振動素子(不図示)は、圧力を検出する感圧素子42の環境(温度、粘性抵抗)と近い状態になり、精度の高い補正を行うことができる。
図3に第2実施形態に係る圧力センサーの斜視図を示す。また図4に第2実施形態の圧力センサーを示し、図4(a)は断面図、図4(b)は受圧手段側から見た模式図である。第2実施形態に係る圧力センサー50は、基本的構成は第1実施形態と共通するが、前記感圧素子は、感圧部(振動腕52c、54c)と前記感圧部の両端に接続された一対の基部(第1の基部52a、54a、第2の基部52b、54b)とを有するとともに前記基部同士を結ぶ線と平行な検出軸を有し、前記検出軸が前記受圧手段(ダイアフラム40)の変位方向と平行となるように配置された第1感圧素子52と第2感圧素子54であって、前記第1感圧素子52は、前記受圧手段側の基部(第1の基部52a)が前記受圧手段側に接続され、その反対側の基部(第2の基部52b)が前記ハウジング側に接続され、前記第2感圧素子54は、前記受圧手段側の基部(第1の基部54a)が前記ハウジング側に接続され、その反対側の基部(第2の基部54b)が前記受圧手段に接続された力伝達部材(センターシャフト44)を介して前記受圧手段側に接続されている点で相違する。なお、第1実施形態と共通する構成要素には同一番号を付すとともに、必要がある場合を除いてその説明を省略する。
第1感圧素子52及び第2感圧素子54は第1実施形態の感圧素子と同一のものであり、それぞれ検出軸をダイアフラムの変位方向と平行となるように配置されている。第2感圧素子54においては、第1の基部54aがボス部20の側面20aに接続され、第2の基部54bが固定部46の側面46aに取り付けられる。
ハウジング12内部において支持部材56が内周部18に接続され、または内周部18(フランジ部14)と一体に形成されている。支持部材56は、その先端56aが第1感圧素子52の第2の基部52bと接続する位置にまで延びて形成される。そして支持部材56の先端56aの側面56bと固定部46の側面46bとが同一平面を形成するように設計されている。そして第1感圧素子52においては、第1の基部52aが固定部46の側面46bに接続され、第2の基部52bが支持部材56の先端56aの側面56bに接続される。
そして、第1感圧素子52、第2感圧素子54は、ワイヤー34を介してハーメチック端子32と電気的に接続され、ハーメチック端子32は第1感圧素子52、第2感圧素子54を駆動させるとともに、第1感圧素子52と第2感圧素子54の共振周波数の差分を算出するIC(不図示)に電気的に接続される。
第2実施形態の圧力センサー50の組み立ては、基本的に第1実施形態と同様であるが、固定部46をセンターシャフト44に接続したのち、第2感圧素子54を固定部46の側面46aとボス部20の側面20aに跨って接続し、第1感圧素子52を固定部46の側面46bと支持部材56の先端56aの側面56bに跨って接続すればよい。
第2実施形態に係る圧力センサー50の動作について説明する。なお第1実施形態と共通する作用効果等の説明は省略する。第1実施形態と同様に、ダイアフラム40にかかるハウジング12外部からの圧力が大気圧より高い場合は、ダイアフラム40はハウジング12の内側に変位し、逆に大気圧より低い場合は、ダイアフラム40はハウジング12の外側に変位する。
そして、ダイアフラム40がハウジング12の外側に変位すると、第1感圧素子52は、センターシャフト44を介してダイアフラム40から引張応力を受け、第2感圧素子54はセンターシャフト44を介して圧縮応力を受けることになる。逆にダイアフラム40がハウジング12の内側に変位すると、第1感圧素子52は圧縮応力を受け、第2感圧素子54は引張応力を受けることになる。
各感圧素子は、引張応力を受けると共振周波数が増加し、圧縮応力を受けると共振周波数が減少する。よって第1感圧素子52と第2感圧素子54の共振周波数の差分を求めることによりダイアフラムの外部から印加される圧力を検出することができる。そして第1感圧素子52、第2感圧素子54が互いに同様の構成要素であれば、共振周波数について同様の温度特性及び経年変化特性等を有するため、上述の差分においてはこのような特性はキャンセルされることになる。
したがって、温度特性及び経年変化特性等に係らず安定した圧力測定を行うことが可能な圧力センサーとなる。また2つの感圧素子の共振周波数の差分により圧力を測定することになるので、1つの感圧素子を用いた場合より大きな感度を得ることができる。
ここで、第1感圧素子52の第2感圧素子54に対する共振周波数の変化について考える。各感圧素子の共振周波数の変化ΔFは、ダイアフラムからの圧力Pによる周波数変化ΔF(P)、温度Tによる周波数変化ΔF(T)、経年変化(τ)による周波数変化ΔF(τ)、空気の粘性(μ)による周波数変化ΔF(μ)の総和として表現することができる。すなわち第1感圧素子52の共振周波数ΔF1、第2感圧素子54の共振周波数の変化ΔF2は、
となる。ここで第1感圧素子52および第2感圧素子54は同等の特性を有する素子を用いることになるのでΔF(T)、ΔF(τ)、ΔF(μ)は等しくなるが、本実施形態の構造上、圧力Pによる周波数変化ΔF(P)は正負が逆となる。すなわち、
となる。よって数式7に数式8を代入し、第1感圧素子52の共振周波数の変化ΔF1と第2感圧素子54の共振周波数の変化ΔF2との差分をとると、
となる。したがって、第1感圧素子52と第2感圧素子54の共振周波数の差分をとると、圧力Pによる周波数変化の成分ΔF(P)だけが残り、他の成分は相殺される。したがって、各感圧素子の温度変化、経年変化、空気の粘性の影響による圧力値の誤差が解消できることがわかる。さらにΔF(P)の成分は2倍になるので圧力測定の感度が2倍に向上することもわかる。
ところで、上述のΔF1(T)とΔF2(T)は、感圧素子の実装状態等により厳密には一致しないため、これに起因して圧力測定値の誤差が発生する。すなわち、
である。数式10を数式7に代入してΔF1−ΔF2の差分をとって変形すると、
となり、温度に依存した項が残存する。しかし、(A1−A2)、(B1−B2)、(C1−C2)、(D1−D2)は、第1実施形態と同様に検査工程において補正定数として算出することができる。そこで第1実施形態と同様に第2実施形態においても温度センサーを用いて、この圧力測定値の誤差を低減することができる。第2実施形態においては上述の温度センサー58(図1参照)を用いることができる。すなわち、温度センサー58の共振周波数Ftから温度Tは上述の数式1のように定まるため、数式1で求められた温度Tを数式11に代入してF1(P)を求めることができる。
10………圧力センサー、12………ハウジング、14………フランジ部、16………外周部、18………内周部、18a………取り付け穴、18b………外周、20………ボス部、20a………側面、22………開口部、24………貫通孔、26………支持シャフト、28………天板部、28a………取り付け穴、28b………圧力導入口、28c………外周、28d………封止孔、30………側面部、32………ハーメチック端子、34………ワイヤー、36………チューブ、38………液体、40………ダイアフラム、42………感圧素子、42a………第1の基部、42b………第2の基部、42c………感圧部、44………センターシャフト、46………固定部、46a………側面、46b………側面、48………圧着封止管、50………圧力センサー、52………第1感圧素子、52a………第1の基部、52b………第2の基部、52c………振動腕、54………第2感圧素子、54a………第1の基部、54b………第2の基部、54c………振動腕、56………支持部材、56a………先端、56b………側面、58………温度センサー、102………第1の圧力入力口、103………第2の圧力入力口、104………筐体、105………力伝達部材、106………第1のベローズ、107………第2のベローズ、108………基板、109………双音叉型振動素子、110………オイル、111………開口部、120………ハウジング、121………圧力導入口、122a………ベローズ、122b………ベローズ、125………力伝達部材、125a………可撓部、130………感圧素子、140………固定部材、150………圧力センサー、200………圧力センサー、202………筐体、204………穴部、206………ダイアフラム、208………受圧面、210………センサー振動片。
Claims (8)
- ハウジングと、
前記ハウジングの開口部を封止し、受圧面で力を受けて前記受圧面に対して垂直方向に撓み変位する受圧手段と、
前記ハウジングの内部において前記ハウジング側と前記受圧手段側の夫々に、両端が各々接続される感圧素子と、
両端が開放され、前記ハウジングに形成された圧力導入口に一端が接続されたチューブと、
前記チューブに導入され、前記チューブ内の前記一端側と他端側とを空間的に分離することにより前記ハウジングを気密封止し、前記ハウジング内の気圧が前記ハウジング外の気圧と等しくなるように前記チューブ内を移動可能な液体と、を有し、
前記ハウジング内には、乾燥ガスが充填されたことを特徴とする圧力センサー。 - 前記乾燥ガスは、ヘリウムであることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサー。
- 前記感圧素子は、感圧部と前記感圧部の両端に接続された一対の基部とを有するとともに前記基部同士を結ぶ方向と平行な方向を検出軸とし、前記検出軸が前記受圧手段の変位方向と平行となるように配置され、
前記一対の基部の一方の基部が前記受圧手段側に接続し、他方の基部が前記ハウジング側に接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサー。 - 前記感圧素子は、感圧部と前記感圧部の両端に接続された一対の基部とを有するとともに前記基部同士を結ぶ方向と平行な方向を検出軸とし、前記検出軸が前記受圧手段の変位方向と平行となるように配置された第1感圧素子と第2感圧素子であって、
前記第1感圧素子は、前記受圧手段側の基部が前記受圧手段側に接続され、その反対側の基部が前記ハウジング側に接続され、
前記第2感圧素子は、前記受圧手段側の基部が前記ハウジング側に接続され、その反対側の基部が前記受圧手段に接続された力伝達部材を介して前記受圧手段側に接続されたことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサー。 - 前記ハウジング内部に配置された温度センサーと、前記感圧素子と前記温度センサーに電気的に接続されたICと、有し、
前記ICは、前記温度センサーから得られる温度の情報に基づいて、前記感圧素子の共振周波数の補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の圧力センサー。 - 音叉型圧電振動子で形成され、前記音叉型圧電振動子の振動片が前記ハウジング内に露出して配置された圧電振動素子と、前記感圧素子と前記圧電振動素子に電気的に接続されたICと、有し、
前記ICは、前記感圧素子の共振周波数と前記圧電振動素子の共振周波数との差分に基づいて圧力を算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧力センサー。 - 前記チューブは、曲線状、または螺旋状に曲げられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧力センサー。
- 前記チューブの前記液体が移動する領域は水平に保たれていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の圧力センサー。
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JP2017074659A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | マツダ株式会社 | 工作機械の制御装置 |
-
2010
- 2010-09-08 JP JP2010200849A patent/JP2012058063A/ja active Pending
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WO2017065054A1 (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | マツダ株式会社 | 工作機械の制御装置 |
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