JP2011140624A - ポリウレタン化合物、それを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物、分子中に一個以上の重合可能なエチレン性不飽和基と一個のカルボキシル基を併せ持つ化合物を反応させ得られるエポキシカルボキシレート化合物、一分子中に二個の水酸基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物、特定のポリエステルジオール化合物とジイソシアネート化合物から得られるポリウレタン化合物が、上記の相反する性能を高い次元で兼ね備える活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
これらはいずれもカルボキシル基を有しているため、光パターニング、アルカリ水溶液による現像性を有しており、レジスト材料として好適な特性を有している。そして、高い耐熱性、硬化性、卓越した柔軟性、耐折性、長期にわたり絶縁性を保ち続ける絶縁信頼性等を高い次元でバランスよく有する硬化物を与えることが出来る材料である。
フレキシブルプリント基板は文字通りにフレキシブルであるために、これに用いられる材料には、アルカリ現像による光パターニングの特性を有しながら、高い感度、密着性、耐傷性、高い機械的・熱的・電気的強度等の必要特性を持ちながら、フレキシブル基板に追従出来る高い柔軟性を有した強靭な皮膜形成能が要求される。
このように、これらの特性はそれぞれ相反するものであり、フレキシブル基板等のソルダーレジスト材料にはこれらの特性を高い次元で融合する材料が求められるが、従来はエポキシアクリレート系材料が主に用いられてきた。しかしながら、この材料は耐薬品性、耐熱性等の特性には優れるものの、柔軟性は不十分であった。従って、フレキシブル基板に適用出来るような柔軟性を併せ持つ強靭な皮膜を得ることは困難であり、更なる皮膜形成材料が望まれていた。
これにより比較的良好な柔軟性を発揮させることが出来るが、該ゴム化合物が反応性ウレタン化合物との相溶性が悪く、充分な柔軟性を発揮させるための量のゴム化合物を用いると相分離状態となってしまう。その他の化合物を配合した活性エネルギー線硬化型樹脂組成物とする場合にも、相溶性の問題が生じてしまう。
更に本発明は、ポリウレタン化合物(A)に多塩基酸無水物(e)を反応させて得られる酸変性型ポリウレタン化合物(B)に関する。
更に本発明は、前記ポリウレタン化合物(A)、前記酸変性型ポリウレタン化合物(B)以外の反応性化合物(C)を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
更に本発明は、電気的な絶縁を目的とする皮膜形成用材料である前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
更に本発明は、永久レジストに用いるための前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
更に本発明は、前記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物に関する。
即ち、本発明のポリウレタン化合物(A)は二つの反応工程をもって製造される。まず、一分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(i)と一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基と一個のカルボキシル基を併せ持つ化合物(ii)とを反応させて不飽和エポキシカルボキシレート化合物(a)を得る工程である。本発明ではこの工程をカルボキシレート化工程とする。
次いで、こうして得られた不飽和エポキシカルボキシレート化合物(a)、一分子中に二個の水酸基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)、ポリエステルジオール化合物(c)及び一分子中に二個のイソシアネート基を有する化合物(d)を反応させる工程である。本発明ではこの工程をウレタン化工程とする。
該(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、β−フルフリル(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物、(メタ)アクリル酸二量体、飽和又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との当モル反応物である半エステル類、飽和又は不飽和二塩基酸とモノグリシジル(メタ)アクリレート誘導体類との当モル反応物である半エステル類等が挙げられる。
該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等の一般の塩基性触媒等が挙げられる。
本発明のポリウレタン化合物(A)の製造に使用される一分子中に二個の水酸基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)は、該ポリウレタン化合物(A)にカルボキシル基を導入し、光パターニングに必要なアルカリ水溶液可溶性とする。該化合物(b)中のカルボキシル基数としては一個〜四個が好ましい。
該ポリエステルジオール化合物(c)は、一分子中に二個の水酸基を有し、更に主骨格中にエステル結合を有することを特徴とする。
更に、この範囲よりも大きい場合、得られるポリウレタン化合物(A)の分子量が小さくなりすぎ強靭な硬化物を得ることが難しくなりやすく、小さすぎる場合、得られるポリウレタン化合物(A)の分子量が大きくなりすぎて現像性等に悪影響が出る場合がある。
例えば、柔軟性が比較的良好なポリカプロラクトンジオール類の場合は、カルボキシレート化合物(a)を多く、一方、ポリエステルジオール化合物(c)を少なくした方が好適な上記バランスが発揮されやすい。即ち、カルボキシレート化合物(a)が38〜60重量部、より好ましくは45〜55重量部、化合物(b)が5〜25重量部、より好ましくは10〜20重量部、ポリエステルジオール化合物(c)が0.5〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部、化合物(d)が20〜40重量部、より好ましくは25〜30重量部である。
次に、酸付加工程について詳細に説明する。酸付加工程は、前記ウレタン化反応後に残存した水酸基に多塩基酸無水物(e)を反応させ、エステル結合を介してカルボキシル基を導入する工程である。従って、ウレタン化工程終了後に残存した水酸基の当量以上に酸付加させることは出来ない。
該触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙げられる。
該溶剤としては、前記カルボキシレート化反応やウレタン化工程において例示した溶剤と同様のものを使用すればよい。
該ビニルエーテル類としては、例えば、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
該スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン等が挙げられる。
その他のビニル化合物としては、例えば、トリアリルイソイシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート等が挙げられる。
その他の成分としては、光重合開始剤、その他の添加剤、顔料材料、又、塗工適性付与等を目的に粘度調整のため添加される揮発性溶剤等が挙げられる。
ラジカル型光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、4,4'−ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド類等が挙げられる。
ルイス酸のヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
ルイス酸のスルホニウム塩としては、例えば、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート(Union Carbide社製Cyracure UVI−6990等)、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(Union Carbide社製Cyracure UVI−6974等)等が挙げられる。
ルイス酸のホスホニウム塩としては、例えば、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。
トリアジン系開始剤としては、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メトキシフェニル)トリアジン(Panchim社製Triazine A等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メトキシスチリル)トリアジン(Panchim社製Triazine PMS等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニルトリアジン(Panchim社製Triazine PP等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4’−メトキシナフチル)トリアジン(Panchim社製Triazine B等)、2−[2’−(5’’−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製等)、2−(2’−フリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(三和ケミカル社製)等が挙げられる。
その他の光酸発生剤等としては、例えば、9−フェニルアクリジン、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2−ビイミダゾール(黒金化成社製ビイミダゾール等)、2,2−アゾビス(2−アミノ−プロパン)ジヒドロクロリド(和光純薬社製V50等)、2,2−アゾビス[2−(イミダソリン−2イル)プロパン]ジヒドロクロリド(和光純薬社製VA044等)、[イータ−5−2−4−(シクロペンタデシル)(1,2,3,4,5,6,イータ)−(メチルエチル)ベンゼン]鉄(II)ヘキサフルオロホスホネート(Ciba Geigy社製Irgacure 261等)、ビス(イータ−5−シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピリジン−1−イル)フェニル]チタニウム(Ciba Geigy社製CGI−784等)等が挙げられる。
該クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−695(DIC(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(いずれも日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
該ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンEXA−7200(DIC(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
該ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロンN−880(DIC(株)製)、jER E157S75(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。
該グリオキサール型エポキシ樹脂としては、例えば、GTR−1800(日本化薬(株)製)等が挙げられる。
該脂環式エポキシ樹脂としては、例えば、EHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。
該複素環式エポキシ樹脂としては、例えば、TEPIC(日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
特に、電気的な絶縁を目的とする皮膜形成用材料として用いる場合には、難燃剤と併用することが好ましい。好ましい難燃剤としては、公知一般のものが使用でき、臭素化エポキシ樹脂、ブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系難燃剤、ホスファゼン樹脂、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル樹脂、ジヒドロ―9−オキサ―ホスファフェナントレン―10―オキシド誘導体等の有機リン系難燃剤、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物系難燃剤、赤リン、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が好適に用いられる。
該着色顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系等の有機顔料、カーボンブラック等、酸化チタン等の無機顔料が挙げられる。
該体質顔料としては、例えば、タルク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、シリカ、クレー等が挙げられる。
更には、皮膜形成用材料を一時的に剥離性基材に塗工しフイルム化した後、本来目的とする基材に貼合し皮膜を形成させる、所謂ドライフイルムも皮膜形成用材料に該当する。
1)エポキシ当量(WPE):JIS K 7236:2001に準じた方法で測定した。
2)全塩素:JIS K 7243−3:2005に準じた方法で測定した。
3)酸価:JIS K 0070:1992に準じた方法で測定した。
4)GPCの測定条件は以下の通りである。
機種:TOSOH HLC−8220GPC
カラム:TSKGEL Super HZM−N
溶離液:THF(テトラヒドロフラン);0.35ml/分、温度40℃
検出器:示差屈折計
分子量標準:ポリスチレン
ビスフェノール−A型のエポキシ樹脂(i)として、RE−310S(WPE=184g/eq、日本化薬(株)製)を1840g、一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基と一個のカルボキシル基を併せ持つ化合物(ii)としてアクリル酸(略称AA、Mw=72)を720g、触媒としてトリフェニルホスフィン30g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート(略称PGMAc)を固形分含有率が80%となるように加え、100℃で24時間反応させカルボキシレート化合物溶液を得た。
反応槽に合成例1で得られたカルボキシレート化合物(a)溶液を表1中記載量(記載値は固形分換算値)、一分子中に二個の水酸基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)として、ジメチロールプロピオン酸を表1中記載量、ポリエステルジオール化合物(c)として、表1中記載のポリエステルジオールを表1中記載量、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(略称PGMAc)をポリウレタン化合物(A)として固形分含有率が50%になるように100g加えて撹拌溶解した。更に、触媒としてオクタン酸スズを0.5g、熱重合禁止剤としてハイドロキノンを0.1g添加し、100℃に加熱した。その後に表1記載量の一分子中に二個のイソシアネート基を有する化合物(d)としてヘキサメチレンジイソシアネートを滴下漏斗を用いて加え反応させた。滴下終了後、10時間反応を継続して、赤外線吸収スペクトルにてイソシアネート基に由来する吸収ピークがないことを確認しポリウレタン化合物(A)を得た。その結果を併せて表1に示す。
なお、実施例1−23以降はイソシアネート(d)をヘキサメチレンジイソシアネートから変更しポリウレタン化合物(A)を調製した。実施例1−23ではトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、実施例1−24ではイソホロンジイソシアネート、実施例1−25ではトリレンジイソシアネートを用いた。
合成例1にて調製したカルボキシレート化合物(a)を用いて、実施例1と同様に表1中の種々のウレタン化合物を調製した。その結果を表1に示す。
(a+b+c)/d:反応系中に含まれる水酸基の総モル数とイソシアネートの総モル数の比
AV:固形分酸価(mg・KOH/g):測定は溶液として測定を行い固形分での値に換算した。
Mw:ゲル透過クロマトグラフを用いて測定した重量平均分子量(ポリスチレン標準換算値)
PCL500:ポリカプロラクトンジオール(プラクセル205、ダイセル化学(株)製)平均分子量500
PCL1000:ポリカプロラクトンジオール(プラクセル210、ダイセル化学(株)製)平均分子量1000
PCL2000:ポリカプロラクトンジオール(プラクセル220、ダイセル化学(株)製)平均分子量2000
PCL4000:ポリカプロラクトンジオール(プラクセル240、ダイセル化学(株)製)平均分子量4000
PCB1000:ポリヘキサンジオールカーボネートジオール(プラクセルCD CD210、ダイセル化学(株)製)平均分子量1000
PCC1000:ポリシクロヘキサンジオールカーボネートジオール(エタナコールUC−100、宇部興産(株)製)平均分子量1000
PCB2000:ポリヘキサンジオールカーボネートジオール(プラクセルCD CD220、ダイセル化学(株)製)平均分子量2000
PBD1000:ポリブタジエンジオール(ニッソーPB G−1000、日本曹達(株)製)平均分子量1000
PBH1000:水添ポリブタジエンジオール(ニッソーPB GI−1000、日本曹達(株)製)平均分子量1000
PEG1000:ポリエチレングリコール(PEG#1000、日油(株)製)平均分子量1000
PBG1000:ポリブチレングリコール(PTMG1000、三菱化学(株)製)平均分子量1000
反応槽に、実施例1にて得られたポリウレタン化合物(A)のPGMAc溶液を表2中記載量、更に、酸無水物(d)として表2中記載の酸無水物を表2中記載量(固形分酸価として90mg・KOH/gとなる計算値)加えた。更に溶剤として最終的な固形分含有率が50%となるように、即ち、酸無水物と同重量のPGMAcを加えた。触媒としてトリエチルアミンを0.2g加えて撹拌し溶解させた。
比較例1にて調製したその他反応性ウレタン化合物を用いて、実施例2と同様にウレタン化工程に付し、ウレタン化合物を調製した。その結果を表2に示す。
実施例1で得られたポリウレタン化合物(A)又は実施例2で得られた酸変性型ポリウレタン化合物(B)を54.4g、反応性化合物(C)としてHX−220(商品名:日本化薬(株)製ジアクリレート単量体)3.5g、光重合開始剤としてイルガキュアー907(チバスペシャリチィーケミカルズ製)を4.7g及びカヤキュアーDETX−S(日本化薬(株)製)を0.5g、硬化成分としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(商品名:EPPN−201、日本化薬(株)製)を14.8g、熱硬化触媒としてメラミンを1.0g及び濃度調整溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテートを5g加え、均一に分散させレジスト樹脂組成物を得た。
このフレキシブル基板をもって各種評価を実施した。その結果を表3に示す。
比較例1又は比較例2で得られたポリウレタン化合物又は酸変性型ポリウレタン化合物を、実施例3のポリウレタン化合物(A)又は酸変性型ポリウレタン化合物(B)の替わりに用いて同様に試験を行った。評価方法、評価基準も同様に行った。
その結果を表3に示す。
感度は、ステップタブレットを透過した露光部に、何段目の濃度部分までが60秒現像時に残存したかで判定した。段数(値)が大きいほうがタブレットの濃部であるので高感度と判定される(単位:段)。
現像性は、パターンマスクを透過した露光部を現像する際に、パターン形状部が完全に現像されるまでの時間、所謂ブレイクタイムをもって現像性の評価とした(単位:秒)。好適なブレイクタイムは20〜50秒程度である。
硬化性評価は、150℃加熱終了後の硬化膜の鉛筆硬度をもって示した。評価方法は、JIS K5600−5−4:1999に準拠した。
JIS C−5016 8.7:1994に準拠し試験を実施した。レジストの硬化膜を形成したパターンフイルムを耐折性試験機によって繰り返しの折り曲げを行った。評価は回路が断線するまでの折り曲げ回数をもっておこなった。
評価は各試料につき6枚ずつ用意しその平均値で表した。
折り曲げ試験荷重:4.9N
折り曲げ曲率:0.38R、0.254mm
折り曲げ速さ:175回/分
評価基準:断線までの繰り返し回数が多い方が優れた耐折性を有していると判断する。
JIS C−5016 10.3:1994に準拠し試験を実施した。レジストの硬化膜を形成したパターンフイルムを用い、加熱した半田浴に三回繰り返し浸漬した。浸漬後、フレキシブル基板を碁盤目剥離試験を行い剥離具合を評価した。
はんだ浴温度:260℃
一回の浸漬時間:60秒
評価基準:全碁盤目数(100)を分母にし、残った升目の数を分子に示した。例を下記に示す。
100/100 剥離なし
50/100 半分剥離した
0/100 すべて剥離した
ライン/スペース比が100ミクロン/100ミクロンのくし型パターンフイルムに、100Vの電圧を印加し、120℃、相対湿度85%の恒温槽に入れて抵抗値が10メガオームを下回るまでの時間を計測した。
評価基準:
時間が長い方が優れた絶縁信頼性を有していると判断する。
この特性を鑑み、本発明の(酸変性型)ポリウレタン化合物及びそれを含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、フレキシブル基板用ソルダーレジストとして特に好適に使用することが出来ることは明らかである。
Claims (8)
- 一分子中に二個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(i)に、一分子中に一個以上のエチレン性不飽和基と一個のカルボキシル基を併せ持つ化合物(ii)を反応させて得られる不飽和エポキシカルボキシレート化合物(a)、一分子中に二個の水酸基と一個以上のカルボキシル基を併せ持つ化合物(b)、ポリエステルジオール化合物(c)及び一分子中に二個のイソシアネート基を有する化合物(d)を反応させて得られるポリウレタン化合物(A)。
- ポリウレタン化合物(A)に多塩基酸無水物(e)を反応させて得られる酸変性型ポリウレタン化合物(B)。
- 請求項1記載のポリウレタン化合物(A)及び/又は請求項2記載の酸変性型ポリウレタン化合物(B)を含む活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 更にポリウレタン化合物(A)、酸変性型ポリウレタン化合物(B)以外の反応性化合物(C)を含む請求項3記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 皮膜形成用材料である請求項3又は4に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 電気的な絶縁を目的とする皮膜形成用材料である請求項5に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 永久レジストに用いるための請求項3〜6のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
- 請求項3〜7のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化物。
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