JP2011140214A - 記録媒体の製造方法、記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面に設けられた1層以上のインク受容層に、最表層用塗工液を塗工して最表層を形成する工程を有し、前記1層以上のインク受容層のうち前記最表層に最も近いインク受容層がアルミナ水和物及びバインダーを含む記録媒体の製造方法であって、前記最表層用塗工液は、単分散性で平均粒径が30nm以上60nm以下の球状のカチオン性コロイダルシリカ粒子と、ケン化度が75モル%以上85モル%以下、かつ粘度平均重合度が1500以上2200以下のポリビニルアルコールと、平均粒径が10nm以上100nm以下のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子とを含むことを特徴とする記録媒体の製造方法。その製造方法から得られる記録媒体。
【選択図】なし
Description
前記最表層用塗工液は、
単分散性で平均粒径が30nm以上60nm以下の球状のカチオン性コロイダルシリカ粒子と、
ケン化度が75モル%以上85モル%以下、かつ粘度平均重合度が1500以上2200以下のポリビニルアルコールと、
平均粒径が10nm以上100nm以下のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子と
を含むことを特徴とする記録媒体の製造方法である。
また、本発明は、係る記録媒体の製造方法によって得られる記録媒体である。
支持体としては、例えば、キャストコート紙、バライタ紙、レジンコート紙(両面がポリオレフィンなどの樹脂で被覆された樹脂皮膜紙)などの紙類、フィルムなどを好適に用いることができる。
本発明においては、インク受容層は、支持体の片面もしくは両面に形成される。また、本発明において、1層以上のインク受容層のうち、最表層に最も近いインク受容層は、アルミナ水和物及びバインダーを含む。従って、本発明は、例えば、支持体側から見て、支持体、アルミナ水和物及びバインダーを含むインク受容層、最表層の順に各層が設けられた記録媒体を好適に製造することができる。
本発明においては、アルミナ水和物及びバインダーを含むインク受容層用塗工液を塗工して、1層以上のインク受容層のうちの最表層に最も近いインク受容層を形成することが好ましい。インク受容層用塗工液を支持体上に塗工する方法としては、公知の任意の塗工方法が適用できる。例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンダイコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法などの塗工方法による塗布が可能である。
インク受容層用塗工液中に添加するアルミナ水和物としては、例えば、下記一般式(X)により表されるものを好適に用いることができる。
(上記式中、nは0、1、2及び3の何れかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。但し、mとnは同時に0にはならない。)
mH2Oは、多くの場合、結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数または整数でない値をとることができる。また、アルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることもあり得る。本発明において、インク受容層用塗工液中の全固形分に対するアルミナ水和物の含有量は、70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。また、インク受容層用塗工液を塗工して形成するインク受容層中のアルミナ水和物の含有量は、係る塗工液中の全固形分に対するアルミナ水和物の固形分の含有量と等しくなる。すなわち、インク受容層中の全固形分に対するアルミナ水和物の含有量は、70質量%以上95質量%以下であることが好ましい。
アルミナ水和物は、解膠剤で解膠された水性分散液の状態でインク受容層用塗工液に含まれることが好ましい。本発明においては、アルミナ水和物が前記解膠剤で解膠された水性分散液を、アルミナ水和物分散液と呼ぶこととする。また、アルミナ水和物を含む分散液には必要に応じて顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、界面活性剤、離型剤、浸透剤、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、耐水化剤、染料定着剤、硬化剤、耐候材料等を含むことができる。また、アルミナ水和物を含む分散液の分散媒には、水を用いることが好ましい。本発明では、上記解膠剤として酸(解膠酸)を用いることが好ましい。解膠酸は下記一般式[I]で表されるスルホン酸が耐画像にじみの観点で好ましい。
一般式[I] R1−SO3H、
〔一般式[I]において、R1は炭素数1以上3以下の分岐もしくは非分岐のアルキル基またはアルケニル基を表す。ただしR1は、オキソ基、ハロゲン原子、アルコキシ基(−OR)及びのアシル基(R−CO−)のうちの少なくとも一つを置換基として有しても良い。これらの置換基中のRは水素原子または炭素数1以上2以下のアルキル基を表す。ただし、置換基がアルコキシ基の場合は、Rは水素原子ではない。〕
インク受容層用塗工液はバインダーを含有する。バインダーとしては、上記アルミナ水和物を結着し、被膜を形成する能力のある材料であって、且つ、本発明の効果を損なわないものであれば、特に制限なく利用することができる。
インク受容層用塗工液には、架橋剤を添加することができる。架橋剤の具体的な例としては、アルデヒド系化合物、メラミン系化合物、イソシアネート系化合物、ジルコニウム系化合物、アミド系化合物、アルミニウム系化合物、ホウ酸、及びホウ酸塩が挙げられる。また、架橋剤はこれらの少なくとも1種類であることが好ましい。これらの中でも、架橋剤は架橋速度及び塗工面のひび割れ防止の観点から、ホウ酸あるいはホウ酸塩が特に好ましい。使用できるホウ酸としては、オルトホウ酸(H3BO3)だけでなく、メタホウ酸や次ホウ酸等も挙げられる。ホウ酸塩としては、上記ホウ酸の水溶性の塩であることが好ましい。具体的には、下記のホウ酸のアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。ホウ酸のナトリウム塩(Na2B4O7・10H2O、NaBO2・4H2O等)、ホウ酸のカリウム塩(K2B4O7・5H2O、KBO2等)等のアルカリ金属塩。ホウ酸のアンモニウム塩(NH4B4O9・3H2O、NH4BO2等)。ホウ酸のマグネシウム塩やカルシウム塩。
インク受容層用塗工液には、必要に応じて各種の添加剤、例えば各種カチオン性樹脂等の定着剤、多価金属塩等の凝集剤、界面活性剤、蛍光増白剤、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、防腐剤、pH調節剤、その他本発明の技術分野で公知の各種助剤を添加することが可能であり、またその添加量も適宜調整することができる。カチオン性樹脂の例としてはポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は、それぞれ単独で用いても良く、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の最表層用塗工液は、単分散性で平均粒径が30nm以上60nm以下の球状のカチオン性コロイダルシリカ粒子と、ケン化度が75モル%以上85モル%以下、かつ粘度平均重合度が1500以上2200以下のポリビニルアルコールと、平均粒径が10nm以上100nm以下のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子とを含む。本発明においては、上記した最表層用塗工液を、アルミナ水和物及びバインダーを含むインク受容層の上に塗工することで、最表層を形成することができる。また、形成された最表層を硬化する方法としては、特に限定されず、インク受容層を硬化させる際に用いることのできる公知の乾燥方法を、好適に用いることができる。尚、本発明においては、本発明の効果を損なわない限り、最表層の上に更に別の層を設けてもよい。
本発明の最表層用塗工液はカチオン性コロイダルシリカ粒子、すなわちカチオン性コロイダルシリカの固形分を含む。本発明においては、カチオン性コロイダルシリカ粒子を含む最表層用塗工液を得るために、カチオン性コロイダルシリカ、即ち、カチオン性コロイダルシリカ粒子を含む分散液を好適に使用することができる。カチオン性コロイダルシリカを含む最表層用塗工液をインク受容層に塗工(塗布)することで、カチオン性コロイダルシリカ粒子を含む最表層を形成することができる。
平均粒径(D)nm=6000/(S×ρ)・・・・(A)
本発明に用いるカチオン性コロイダルシリカとしては、例えば、日産化学工業製のスノーテックスAK−L(商品名)等が挙げられる。
本発明に用いる最表層用塗工液は、ケン化度が75モル%以上85モル%以下であり、かつ粘度平均重合度が1500以上2200以下のポリビニルアルコールを含む。ケン化度が75モル%より低い場合は水溶性が低下し扱いにくい。ケン化度が85モル%より高い場合は、最表層の塗工液の塗布時にカチオン性コロイダルシリカ粒子の凝集が不均一なものとなり、発色性が低下する。また、粘度平均重合度が1500より小さい場合は塗膜強度が低下し、粘度平均重合度が2200より大きい場合は、発色性が低下する。ポリビニルアルコールのケン化度とは、JIS−K6726の方法で測定した値である。化学的には、ポリ酢酸ビニルをケン化してポリビニルアルコールを得た際の、ケン化反応によって生じた水酸基のモル数の割合である。また、ポリビニルアルコールの平均重合度とは、JIS−K6726(1994)に記載の方法で求めた粘度平均重合度のことをいう。
本発明の最表層用塗工液は、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を含む。本発明においては、エマルション状態のカチオン性ポリウレタンと、係るカチオン性ポリウレタンを分散している分散媒とを合わせたものをカチオン性ポリウレタンエマルションとする。また、エマルション状態のカチオン性ポリウレタン、即ち、分散質をカチオン性ポリウレタンエマルション粒子とする。カチオン性ポリウレタンエマルション粒子に代えてアニオン性のポリウレタンエマルション粒子を添加すると、発色性が低下し、水溶性のポリウレタンを添加すると、光沢性を十分に向上させることができない。カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を最表層用塗工液に含ませる方法としては特に限定されないが、カチオン性ポリウレタンがエマルションの状態で分散媒に分散した、カチオン性ポリウレタンエマルションを最表層用塗工液に添加することが好ましい。
以下にカチオン性ポリウレタンを製造する際に用いるポリウレタンについて説明する。
カチオン性ポリウレタンエマルションに使用するカチオン性基含有ポリウレタン(カチオン性ポリウレタン)は、例えば、上記ポリウレタンの合成時に、カチオン性基を有するジオールを使用することによって得ることができる。この場合、カチオン性基はポリマー主鎖の置換基としてポリウレタンに導入することで、カチオン性ポリウレタンを合成できる。上記カチオン性ポリウレタンのカチオン性基は、種々の方法でポリウレタンに導入することができる。ポリウレタンを重付加反応により製造後、ポリウレタンの末端に残存する−OH基またはアミノ基等の反応性基に対し、カチオン性基含有化合物等を反応させることによってカチオン性基を導入し、カチオン性ポリウレタンを合成することもできる。なお、前記カチオン性基含有化合物としては、1〜3級アミン、4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
カチオン性ポリウレタンエマルションの分散媒としては、水が好ましく用いられる。分散媒に水を用いたカチオン性ポリウレタンの水分散物(エマルション)の調整方法について以下に説明する。上記カチオン性ポリウレタンを分散媒である水と混合し、必要に応じて分散化剤などの添加剤を混合して、その混合液を分散機を用いて細粒化することで、平均粒子径100nm以下のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子を含む水分散液、即ちカチオン性ポリウレタンエマルションを得ることができる。この水分散液を得るために用いる分散機としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミル、ビーズミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機が挙げられる。しかし、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の分散を効率的に行うという観点から、媒体撹拌型分散機、コロイドミル分散機または高圧分散機(ホモジナイザー)を用いることが好ましい。
<支持体の作製>
下記条件にて支持体を作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
・パルプ 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standarad Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)80質量部、
及び濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)20質量部)。
・カチオン化澱粉 0.60質量部。
・重質炭酸カルシウム 10質量部。
・軽質炭酸カルシウム 15質量部。
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部。
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030質量部。
純水中に、無機アルミナ水和物の微粒子としてアルミナ水和物DisperalHP14(商品名、サソール社製)を添加し、固形分濃度が30質量%のアルミナ水和物分散液を得た。次に、このアルミナ水和物分散液中のアルミナ水和物に対して、質量割合{(メタンスルホン酸の質量/アルミナ水和物の質量)×100}が1.7質量%となる量のメタンスルホン酸を加えて、攪拌し、コロイダルゾルAを得た。得られたコロイダルゾルAに界面活性剤として、サーフィノール465(商品名、日信化学工業社製)を、コロイダルゾルAに対して0.10質量%となる量添加した。更に、アルミナ水和物が21質量%となるように適宜、純水で希釈してコロイダルゾルBを得た。
前記非透気性支持体1上に、前記インク受容層用塗工液を絶乾塗工量が40g/m2となるように塗工した。なお、インク受容層の塗工液の塗布には、スライドダイを用いて40℃で行った。次に、これを40℃で乾燥して、一層のインク受容層を有するインク受容層シート1を作成した。
単分散性で球状のカチオン性コロイダルシリカ粒子の20質量%水分散スラリー(商品名:スノーテックスAK−L、日産化学工業社製)と、ポリビニルアルコールの8質量%水溶液(商品名:PVA420、クラレ社製)と、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の30質量%エマルション(商品名:スーパーフレックス620、第一工業製薬社製)を混合した。このとき、混合液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子が90質量部、ポリビニルアルコールが5質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子が5質量部となるように、各液を混合した。得られた溶液中の固形分の濃度は0.5質量%であった。また、カチオン性コロイダルシリカ粒子のBET法から求めた比表面積は、61m2/gであり、JIS K0061に記載の方法で求めた真比重は2.2g/cm3であった。得られた比表面積S、真比重ρ及び下記式(A)を用いて平均粒径を算出したところ、45nmであった。
平均粒径(D)nm=6000/(S×ρ)・・・・(A)
また、ポリビニルアルコールはケン化度80モル%、かつ粘度平均重合度が2000であり、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の平均粒径は30nmであった。
上記最表層用塗工液を、絶乾塗工量が0.1g/m2となるように上記インク受容層シート1のインク受容層上にスライドダイにて塗布し、更に60℃で乾燥を行いインクジェット記録媒体1を得た。
最表層用塗工液の絶乾塗工量を0.2g/m2とした以外は実施例1と同様の操作を行いインクジェット記録媒体2を得た。
最表層用塗工液の絶乾塗工量を0.4g/m2とした以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体3を得た。
最表層用塗工液中の、カチオン性コロイダルシリカ粒子を92質量部、ポリビニルアルコールを4質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を4質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体4を得た。得られた最表層用塗工液中のポリビニルアルコールの含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、4.3質量部であった。また、最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子の含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、4.3質量部であった。
最表層用塗工液中の、カチオン性コロイダルシリカ粒子を86質量部、ポリビニルアルコールを7質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を7質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体5を得た。得られた最表層用塗工液中のポリビニルアルコールの含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、8.1質量部であった。また、最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子の含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、8.1質量部であった。
最表層用塗工液中の、カチオン性コロイダルシリカ粒子を83質量部、ポリビニルアルコールを7質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を10質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体6を得た。得られた最表層用塗工液中のポリビニルアルコールの含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、8.4質量部であった。また、最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子の含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、12質量部であった。
最表層用塗工液中のポリビニルアルコールを、ケン化度80モル%、粘度平均重合度1700のポリビニルアルコールに変更した。具体的には、ポリビニルアルコールの水溶液(商品名:PVA417、クラレ社製)を、PVA420(商品名、クラレ社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体7を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子を、平均粒径が10nmのカチオン性ポリウレタンエマルション粒子に変更した。具体的には、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の26質量%エマルション(商品名:スーパーフレックス650、第一工業製薬社製)を、スーパーフレックス620(商品名、第一工業製薬社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体8を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子を、平均粒径が70nmのカチオン性ポリウレタンエマルション粒子に変更した。具体的には、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の21質量%エマルション(商品名:ハイドランCP−7060、DIC社製)をスーパーフレックス620(商品名、第一工業製薬社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体9を得た。
最表層用塗工液中の、カチオン性コロイダルシリカ粒子を94質量部、ポリビニルアルコールを3質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を3質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体10を得た。得られた最表層用塗工液中のポリビニルアルコールの含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、3.2質量部であった。また、最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子の含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、3.2質量部であった。
最表層用塗工液の絶乾塗工量を0.05g/m2とした以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体11を得た。
最表層用塗工液の絶乾塗工量を0.5g/m2とした以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体12を得た。
最表層用塗工液中の、カチオン性コロイダルシリカ粒子を80質量部、ポリビニルアルコールを10質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を10質量部とした以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体13を得た。得られた最表層用塗工液中のポリビニルアルコールの含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、12.5質量部であった。また、最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子の含有量は、カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、12.5質量部であった。
最表層用塗工液を塗工しなかった以外は実施例1と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体14を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子を90質量部、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を10質量部とし、ポリビニルアルコール水溶液を加えなかった。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体15を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子を90質量部、ポリビニルアルコールを10質量部とし、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子を加えなかった。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体16を得た。
最表層用塗工液中のポリビニルアルコールをケン化度が88モル%であるポリビニルアルコールに変更した。具体的には、ポリビニルアルコールの水溶液(商品名:PVA220、クラレ社製)をPVA420(商品名、クラレ社製)の代わりに用いた。それ以外は実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体17を得た。
最表層用塗工液中のポリビニルアルコールを粘度平均重合度が2400であるポリビニルアルコールに変更した。具体的には、ポリビニルアルコールの水溶液(商品名:PVA424、クラレ社製)を、PVA420(商品名、クラレ社製)の代わりに用いた。それ以外は実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体18を得た。
最表層用塗工液中のポリビニルアルコールを、粘度平均重合度が500であるポリビニルアルコールに変更した。具体的には、ポリビニルアルコールの水溶液(商品名:PVA405、クラレ社製)を、PVA420(商品名、クラレ社製)の代わりに用いた。それ以外は実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体19を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子(平均粒径45nm)を、平均粒径が15nmのカチオン性コロイダルシリカ粒子に変更した、具体的には、カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK、日産化学工業社製)を、スノーテックスAK−L(商品名、日産化学工業社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体20を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子(平均粒径45nm)を、平均粒径が70nmのカチオン性コロイダルシリカ粒子に変更した。具体的には、カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスAK−YL、日産化学工業社製)を、スノーテックスAK−L(商品名、日産化学工業社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体21を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子を、単分散性でなく、数珠状に会合したカチオン性コロイダルシリカ粒子に変更した。具体的には、カチオン性コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスPS−S−AK、日産化学工業社製)を、スノーテックスAK−L(商品名、日産化学工業社製)の代わりに用いた。また、数珠状のコロイダルシリカを構成する粒子1つ当たりの平均粒径を上記式(A)を用いて求めたところ、10nmであった。それ以外は、実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体22を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子をアニオン性ポリウレタンエマルション粒子に変更した。具体的には、アニオン性ポリウレタンエマルション粒子の20質量%エマルション(粒径が30nm)(商品名:スーパーフレックス840、第一工業製薬社製)を、スーパーフレックス620(商品名、第一工業製薬社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体23を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子を、平均粒子径が220nmのカチオン性ポリウレタンエマルション粒子に変更した。具体的には、カチオン性ポリウレタンエマルション粒子の30質量%エマルション(商品名:ハイドランCP−7040、DIC社製)をスーパーフレックス620(商品名、第一工業製薬社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体24を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子をSBRラテックスエマルション粒子に変更した。具体的には、SBRラテックスエマルション粒子の20質量%エマルション(商品名:スマーテックスPA−3232、日本エイアンドエル社製)を、スーパーフレックス620(商品名、第一工業製薬社製)の代わりに用いた。それ以外は、実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体25を得た。
最表層用塗工液中のカチオン性コロイダルシリカ粒子をアニオン性コロイダルシリカ粒子に変更した。具体的には、アニオン性コロイダルシリカ粒子の20質量%分散スラリー(商品名:スノーテックス20L、日産化学工業製)を、スノーテックスAK−L(商品名、日産化学工業社製)の代わりに用いた。それ以外は実施例2と同様の操作を行い、インクジェット記録媒体26を得た。
最表層用塗工液中のポリビニルアルコールを粘度平均重合度が500でケン化度が74%であるポリビニルアルコールに変更した。具体的にはポリビニルアルコールの水溶液(商品名:PVA505、クラレ社製)を、PVA420(商品名、クラレ社製)の代わりに用いた。それ以外は実施例2と同様の操作を行いインクジェット記録媒体27を得た。
次に、上記した方法によって得られた記録媒体のそれぞれに対して以下の評価を行った。評価方法、及び評価結果について説明する。評価結果の一覧を表1に示す。
各記録媒体の記録面(インク受容層(及び最表層)を作製した面)の20°光沢度をJIS−Z8741に記載の方法で、それぞれ測定し、以下の評価基準に基づき評価した。装置は、日本電色工業(株)製VG2000(商品名)を用いた。表1に評価結果を示す。
5:50以上、
4:40以上50未満、
3:30以上40未満、
2:20以上30未満、
1:20未満。
各記録媒体の記録面(インク受容層(及び最表層)を有する面)のインク吸収性をそれぞれ評価した。印字はiP4600(商品名、キヤノン(株)製)の印字処理方法を改造した装置を使用した。印字パターンは、Green色の64階調のベタ(6.25%Duty刻みで64階調、0〜400%Duty)を使用した。具体的には、0%Dutyから400%Dutyまで、6.25%ずつDutyを変更した、Dutyの異なる64種類の1平方インチのベタ画像を形成した。各ベタ画像は、キャリッジ速度が25インチ/秒で、往復2回のパスで印字が完了する双方向印字で形成した。なお、上記したベタ画像を形成する際における、400%Dutyとは、解像度が600dpiのインクジェットヘッドを用いて、1/600平方インチあたりに44ngのインクを付与することを意味する。インク吸収性とビーディングはほぼ相関性があるため、ビーディングを評価することによって、記録媒体のインク吸収性を評価した。評価は目視で行い、下記の評価基準に基づきランクを決定した。表1からわかるように、本発明の記録媒体は、次世代の高速印字プリンターの印字速度であっても、十分使用可能なインク吸収性を有する。
A:300%Dutyでビーディングが観察されない。
B:300%Dutyではビーディングがやや観察されるものの、200%Dutyではビーディングが観察されない。
C:200%Dutyでもビーディングが観察される。
各記録媒体をそれぞれJIS−L0849に定めた学振型摩擦試験機II型(テスター産業社製)を用いて、以下のようにそれぞれ耐傷性を評価した。振動台に試料片として前記記録媒体を記録面(インク受容層(及び最表層)の面)側が上になるようにセットして、100gの重りをのせた試験機の摩擦子にキムタオル(商品名)を装着し、前記記録媒体と5回こすり合わせた。この後、記録媒体の記録面のキムタオルとこすり合わせた部分と、それ以外の部分との75°光沢の差を測定した。
A:5未満、
B:5以上10未満、
C:10以上。
各記録媒体をそれぞれJIS−L0849に定めた学振型摩擦試験機II型(テスター産業社製)を用いて、以下のように耐粉落ちを評価した。振動台に試料片として、前記記録媒体を記録面(インク受容層(及び最表層)の面)側が上になるようにセットして、300gの重りをのせた試験機の摩擦子に黒のラシャ紙を装着し、前記記録媒体と20回こすり合わせた。この後、記録媒体の記録面のラシャ紙とこすり合わせた部分(試験部)と、それ以外の部分との黒の反射濃度をそれぞれX−Rite社製310TR(商品名)で測定し、この濃度差から、黒の濃度残存率を下記式に従って求め、下記評価基準に基づいて評価した。
A:残存率が98%以上、
B:残存率が95%以上98%未満、
C:残存率が95%未満。
残存率(%)=[(試験部の濃度)/(試験部以外の濃度)]×100。
各記録媒体それぞれの記録面にインクジェット記録装置(商品名:iP4500、キヤノン(株)製)を用い、スーパーフォトペーパー、色補正なしモードにてブラックのパッチをベタ印字した。これらの光学濃度を光学反射濃度計(X−Rite社製、商品名:530分光濃度計)を用いてそれぞれ測定した。
5:2.35以上、
4:2.25以上2.35未満、
3:2.15以上2.25未満、
2:2.05以上2.15未満、
1:2.05未満。
Claims (7)
- 支持体の少なくとも一方の面に設けられた1層以上のインク受容層に、最表層用塗工液を塗工して最表層を形成する工程を有し、前記1層以上のインク受容層のうち前記最表層に最も近いインク受容層がアルミナ水和物及びバインダーを含む記録媒体の製造方法であって、
前記最表層用塗工液は、
単分散性で平均粒径が30nm以上60nm以下の球状のカチオン性コロイダルシリカ粒子と、
ケン化度が75モル%以上85モル%以下、かつ粘度平均重合度が1500以上2200以下のポリビニルアルコールと、
平均粒径が10nm以上100nm以下のカチオン性ポリウレタンエマルション粒子と
を含むことを特徴とする記録媒体の製造方法。 - 前記最表層に最も近いインク受容層は、アルミナ水和物及びバインダーを含むインク受容層用塗工液を塗工することで形成される請求項1に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記最表層用塗工液中の前記ポリビニルアルコールの含有量が、前記カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、4質量部以上9質量部以下である請求項1または2に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記最表層用塗工液中の前記ポリウレタンエマルション粒子の含有量が、前記カチオン性コロイダルシリカ粒子100質量部に対し、4質量部以上9質量部以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記最表層用塗工液の絶乾塗工量が0.2g/m2以上0.4g/m2未満である請求項1から4のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
- 前記支持体が非透気性の支持体である請求項1から5のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の記録媒体の製造方法によって得られることを特徴とする記録媒体。
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