JP2011138625A - 電極基板及び光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明導電性の基板上に設けられた集電電極と、集電電極の表面を被覆する被覆層と、を備える光電変換素子用の電極基板において、被覆層は、集電電極の表面に塗布されたガラスペースト組成物を焼成した結果物からなるものとし、かつ、ガラスペースト組成物に、基板のガラス転移温度または相転移温度以下で溶融しない材料からなるフィラーを含有させた。
【選択図】図4A
Description
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る光電変換素子の全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る光電変換素子1の全体構成を示す説明図である。図2は、本実施形態に係る光電変換素子1の作動原理を模式的に示す説明図である。なお、以下では、光電変換素子1として、図1に示したようなグレッツェル・セルを有する色素増感型太陽電池を例に挙げて説明する。
2つの基板2(2A,2B)は、所定の間隔を空けて互いに対向して配置される。この基板2の材質としては、光電変換素子1の外部からの光(太陽光など)の可視から近赤外領域に対して光吸収が少ない透明な材料であれば特に限定はされない。基板2の材質としては、例えば、石英、並ガラス、BK7、鉛ガラス等のガラス基材や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラート、ポリプロピレン、テトラアセチルセルロース、シンジオクタチックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ、塩化ビニル等の樹脂基材などが挙げられる。
本実施形態に係る電極基板は、本実施形態に係る透明導電性の基板の一例としての透明電極10(10A,10B)と、集電電極11と、被覆層12とを主に有し、2つの基板2のうち、少なくとも、外部からの光が入射する側の基板2Aの表面に設けられている。また、光電変換効率向上の観点から、電極基板のシート抵抗(表面抵抗)はできるだけ低い方が好ましく、具体的には20Ω/cm2(Ω/sq.)以下であることが好ましい。
光電極3は、光電変換素子1において、光電変換機能を有する無機金属酸化物半導体膜として使用されるものであり、多孔質の膜状に形成されている。より詳細には、図1に示すように、光電極3は、電極基板10の表面に、複数のTiO2等の無機金属酸化物半導体の微粒子31(以下、単に「金属酸化物微粒子31」と称する。)を積層して形成され、この積層された金属酸化物微粒子31の層の中にナノメートルオーダーの細孔を有する多孔質体(ナノポーラスな膜)となっている。この光電極3は、このように、多数の細孔を有する多孔質体となっていることにより、光電極3の表面積を増加させることができ、多量の増感色素33を金属酸化物微粒子31の表面に連結させることができ(図2参照)、これにより、光電変換素子1が高い光電変換効率を有することができる。
一般に、無機金属酸化物半導体は、一部の波長域の光について光電変換機能を有しているが、金属酸化物微粒子31の表面に増感色素33を連結することにより、可視光から近赤外光までの領域の光に対する光電変換が可能となる。このような金属酸化物微粒子31として使用できる化合物としては、増感色素33を連結することで光電変換機能が増感されるものであれば特に制限はされないが、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化ストロンチウム、酸化タンタル、酸化アンチモン、酸化ランタノイド、酸化イットリウム、酸化バナジウム等が挙げられる。ここで、金属酸化物微粒子31の表面が増感色素33によって増感されるためには、無機金属酸化物の伝導帯が増感色素33の光励起準位から電子を受け取りやすい位置に存在していることが好ましい。このような観点から、金属酸化物微粒子31として使用する化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ニオブ等が特に好ましい。さらに、価格や環境衛生等の観点から、酸化チタンがさらに好ましい。なお、本実施形態では、金属酸化物微粒子31として、上述した無機金属酸化物のうちの一種を単独で用いてもよく、あるいは、複数種を組み合わせて用いてもよい。
増感色素33としては、金属酸化物微粒子31が光電変換機能を有していない領域(例えば、可視から近赤外の領域)の光に対して光電変換機能を有しているものであれば特に限定はされないが、例えば、アゾ系色素、キナクリドン系色素、ジケトピロロピロール系色素、スクワリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、クロロフィル系色素、ルテニウム錯体系色素、インジゴ系色素、ペリレン系色素、ジオキサジン系色素、アントラキノン系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素、及びこれらの誘導体などを用いることができる。
<対極>
さらに、透明電極10Aと対極4との間の空間には、スペーサ6により電解質溶液5が封入されている。電解質溶液5は、例えば、電解質、媒体、及び添加物を含んでいる。
次に、図2(必要に応じて図1)を参照しながら、前述した光電変換素子1の作動原理について詳細に説明する。
続いて、図3を参照しながら、本実施形態に係る被覆層12の構成について詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る電極基板に設けられた被覆層12の構成の一例を示す説明図である。
本実施形態のガラスペースト組成物に用いるガラスフリットとしては、基本的には、SiO2骨格、B2O3骨格、P2O5骨格に、融点の制御及び化学的な安定性のために他の金属酸化物が含有されたものを使用でき、例えば、SiO2−Bi2O3−MOX系、B2O3−Bi2O3−MOX系、SiO2−CaO−Na(K)2O−MO系、P2O5−MgO−MOX系(Mは一種以上の金属元素とする)等の低融点ガラスを1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態のガラスペースト組成物に用いるバインダ樹脂としては、基板2が溶融する温度、言い換えると、基板2の形状が物理的及び化学的に保持されない状態となる温度以下で完全に燃焼され、残物が残らないものを使用できる。この「基板2の形状が物理的及び化学的に保持されない状態となる温度」とは、具体的には、基板2のガラス転移温度または相転移温度(例えば、基板2の材質がTCOである場合には、そのガラス転移温度である600℃程度)等のことを意味する。このようなバインダ樹脂の具体例としては、主に、エチルセルロース(EC)樹脂が挙げられる。また、ガラスペースト組成物に用いるバインダ樹脂の他の例としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、アクリル(メタクリル)樹脂等が挙げられる。
本実施形態のガラスペースト組成物に用いる溶剤としては、特に限定されない。ただし、光電変換素子1の製造工程を考慮した場合には、乾燥速度が早すぎる場合には、製造中に乾燥してしまい、固形分の析出などが起こるので好ましくない。このような観点から、本実施形態のガラスペースト組成物に用いる溶剤としては、沸点が150℃以上、より好ましくは180℃以上の溶剤が好ましく、このような溶剤として、例えば、テルペン系の溶剤(テルピネオールなど)やカルビトール系溶剤(ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート)等を使用することができる。
本実施形態のガラスペースト組成物には、必要に応じてガラスフリットや樹脂の分散性の向上やレオロジーの調整等を目的とした添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、スクリーン印刷などの工程に適正な粘度の調整や、ガラスフリットの分散性の向上を目的として添加されるポリマー、レオロジー調整の目的で添加される増粘剤、分散性の良いガラスペースト組成物の調製を目的として添加される分散剤等が挙げられる。ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチルセルロース(EC)、アクリル(メタクリル)樹脂等が挙げられる。また、増粘剤としては、例えば、エチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレングリコール等のポリオキシアルキレン樹脂などが挙げられる。また、分散剤としては、例えば、硝酸等の酸や、アセチルアセトン、ポリエチレングリコール、トリトンX−100などが挙げられる。
引き続き図3を参照しながら、被覆層12におけるクラックの発生原因について説明する。
次に、図4A及び図4Bを参照しながら、被覆層12中において、大きなサイズの空孔が発生する原因について、本発明者らが検討した結果を説明する。図4Aは、ガラスペースト組成物中にダストが存在する場合の空孔の発生状況を示す説明図であり、図4Bは、ガラスペースト組成物を過焼成した場合の空孔の発生状況を示す説明図である。
そこで、本発明者らは、このようなダスト125の存在や過焼成により発生する大きなサイズの空孔BLの発生を抑制する手段について鋭意検討を行った。その結果、図4Aの右上図や図4Bの右上図に示すように、ガラスペースト組成物中に、所定の微粒子状のフィラー127を添加して分散させた後に、ガラスペースト組成物を焼成することにより、図4Aの右下図や図4Bの右下図に示すように、小さな気泡が集中することなく、分散した状態で存在するフィラー125の周囲に小さな空孔BSを形成させることができる、ということがわかった。
続いて、本実施形態に係るガラスペースト組成物に使用可能なフィラーについて詳細に説明する。
本実施形態で使用するフィラーは、前述した基板2が溶融する温度、言い換えると、基板2の形状が物理的及び化学的に保持されない状態となる温度(具体的には、基板2のガラス転移温度または相転移温度)以下で溶融しない材料からなる。ここで、フィラーが「溶融しない」とは、基板2のガラス転移温度または相転移温度(例えば、基板2の材質がTCOである場合には、そのガラス転移温度である600℃程度)以下で、フィラーの形状が物理的及び化学的に保持されることを意味する。従って、フィラーが、例えば、金属酸化物である場合には、その相転移温度は、基板2のガラス転移温度または相転移温度よりも高く、フィラーが、例えば、ガラス材料である場合には、そのガラス転移温度は、基板2のガラス転移温度または相転移温度よりも高い。
前述したようなフィラーの材料、すなわち、基板2のガラス転移温度または相転移温度以下で溶融しない材料としては、Al2O3、SiO2、TiO2、ZnO2、SnO2、MgO及びCaOのうちの少なくとも1種以上の酸化物を含むことが好ましい。フィラーとして、前記の酸化物を含むことにより、被覆層12における大きな空孔の発生をより確実に抑制することができる。このような観点から、フィラーの材料としては、Al2O3及びSiO2が特に好ましい。
また、本実施形態で使用するフィラーは、ガラスペースト組成物中に、0.1質量%以上50質量%以下含有されることが好ましい。フィラーの含有量を0.1質量%以上50質量%以下とすることにより、被覆層12における大きな空孔の発生の抑制(ガラスペースト組成物の焼成時における気泡の集中の抑制)を効果的に実現することができる。一方、フィラーの添加量が0.1質量%未満であると、前記の大きな空孔の発生の抑制効果が不十分となる場合があり、フィラーの添加量が50質量%を超えると、フィラーの添加量が多いことから、一のフィラー粒子の近傍に他のフィラー粒子が存在することとなるが、フィラー粒子とガラス成分との界面が電解液の流路となり、さらに、電解液は、近傍に位置する他のフィラー粒子とガラス成分との界面を伝わり、集電電極まで達するおそれがある。また、複数のフィラー粒子が凝集して大きな塊となり、このフィラーの塊を起点として、被覆層12にクラックが生じる可能性もある。
また、本実施形態で使用するフィラーは、粒径が小さ過ぎると、ガラスペースト組成物中に分散し難くなり、フィラーの分散性を向上させるために、ガラスペースト組成物中に分散助剤等の添加剤をさらに含有させたり、分散時間が長く必要になったりして、量産性の低下が生じる場合がある。一方、フィラーの粒径が被覆層12の厚みに対して大き過ぎると、フィラーの周囲における被覆層12の厚みが相対的に減少して被覆層12の強度が低下するため、フィラーの周囲を起点として被覆層12のクラックが発生するおそれがある。このような観点から、フィラーの粒径は、0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。なお、フィラーの分散性向上のための分散助剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、ポリグリセリン酸脂肪エステル、特殊脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等を使用できる。
以上、本発明の一実施形態に係る光電変換素子1の構成について詳細に説明した。続いて、前述した構成を有する本実施形態に係る光電変換素子1の製造方法について詳細に説明する。
まず、前述した基板2(ガラス基板や透明樹脂基板等)の表面に、ITO(インジウムスズ酸化物)、SnO2(酸化スズ)、FTO(フッ素等がドープされた酸化スズ)、ITO/ATO(アンチモン含有酸化スズ)、ZnO2(酸化亜鉛)等のTCOをスパッタリング法等により塗布し、透明電極10を形成する。
次に、負極については、まず、正極の場合と同様にして、基板2の表面に、透明電極10、集電電極11及び被覆層12を含む電極基板を形成する。
以上のようにして作製した正極と負極とを対面させ、それぞれの基板2の周縁部にスペーサ6(例えば、三井デュポン・ポリケミカル製のハイミラン(商品名)等のアイオノマー樹脂)を配置し、120℃程度の温度で正極と負極とを熱融着させる。次いで、電解質溶液5(例えば、LiIとI2とを溶解したアセトニトリル電解質溶液)を電解液の注入口から注入し、セル全体に行き渡らせ、光電変換素子1を得ることができる。
まず、被覆層の電解質溶液に対する耐久性の評価を行った。
フッ素ドープ型酸化スズ層(透明電極層)付きのガラス基板(旭ガラス社製、タイプU−TCO、112mm×106mm×1mm厚)上にAgペースト(田中貴金属社製MH1085)を厚み10μm、幅0.5mm×長さ100mmの16本のラインを有するストライプ状となるようにスクリーン印刷法を用いてパターニングし、集電電極を形成した。
エチルセルロース樹脂(消失温度400℃、)を5g、ガラスフリット(B2O3−SiO2−Bi2O3系、ガラス軟化点Ts:475℃)を60g、テルピネオール(関東化学製)を30g、ブチルカルビトールアセテート(関東化学社製)5g、さらに、表1に示す種類のフィラーを表1に示す量だけ混合した後、3本ロールミキサーで十分に分散してガラスペースト組成物を得た。なお、表1に示したフィラーの添加量は、エチルセルロース樹脂、ガラスフリット、テルピネオール及びブチルカルビトールアセテートの合計の質量を100質量部とした場合の、フィラーの質量部で表されている。
得られたガラスペースト組成物を用いて、集電電極が完全に被覆されるように幅1mmのストライプ状となるようにスクリーン印刷法によりパターン形成した。次いで、150℃のオーブンでガラスペースト組成物中の溶剤を乾燥除去した後、空気雰囲気下、500℃の焼成温度で30分間焼成してバインダ樹脂成分を消失させ、被覆層を形成した。なお、本実施例において、焼成温度とは、焼成時におけるガラスペースト組成物の最高到達温度をいう。
上述のようにして得られた集電電極が形成された各ガラス基板と、FTOガラス基板とをホットメルト樹脂「ハイミラン(厚み120μm)を用いて熱圧着し、予め開けておいた電解液注入口から電解質溶液を注入し、その後、注入口をHimilan及びガラスカバーを用いて封止し、評価用のセルを作製した。
作製した評価用セルを、85℃で864時間放置し、その後の集電電極と被覆層の様子を観察した。実施例1〜16及び比較例1のセルについて顕微鏡観察を行い、エラー箇所の数を調査した結果を表1に示す。なお、「エラー箇所の数」とは、被覆層に発生したクラックにより集電電極がダメージを受けた箇所の数のことを意味している。
次に、フィラーの粒径を変えたときの被覆層におけるフィラーの分散状況及び空孔の発生状況を調査した。具体的には、粒径の異なる複数のフィラーのサンプルを用意し、それぞれを同量ずつ添加したガラスペースト組成物を用いて、前述した方法と同様にして被覆層を形成し、形成された被覆層の表面を金属顕微鏡またはレーザ顕微鏡で観察した。その結果を図5及び図6に示す。図5は、被覆層の表面を金属顕微鏡により観察した写真であり、図6は、被覆層の表面をレーザ顕微鏡により観察した写真である。なお、図5及び図6には、使用したフィラーの種類、50%粒径及び添加量(%は質量基準)を順に示してある。また、図7には、参考までに、フィラー自体の表面を電子顕微鏡により観察した写真を示している。
次に、被覆層の機械的強度の評価を行った。本実施例では、被覆層の機械的強度を、P/L強度試験により評価した。以下、詳細を説明する。
まず、図8を参照しながら、本実施例におけるP/L強度試験の方法について説明する。図8は、本実施例におけるP/L強度試験装置を用いた試験方法の概要を示す説明図であり、図8(b)は、図8(a)の破線で囲んだA部の拡大図である。
以上のP/L強度試験の結果を図9に示す。図9は、本実施例におけるP/L強度試験の結果を示すグラフである。
次に、実施例3、実施例8及び比較例1の被覆層が形成された電極基板を用いて色素増感型太陽電池セルを作成し、このセルの光電変換効率ηを評価した。
実施例3、実施例8及び比較例1の被覆層が形成された電極基板に、スパッタリング法により白金層(白金電極層)(厚み150nm)を積層したものを用いた。
次に、光電極用ペースト組成物を作製した。具体的には、酸化チタン微粒子(日本アエロジル社製P−25)3g、アセチルアセトン0.2g、界面活性剤(和光純薬製ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)0.3gをテルピネオール7.0gと共にビーズミル処理により12時間分散を施した。さらに、バインダ樹脂としてエチルセルロース樹脂1.0gを加えてペースト組成物を作製した。ペースト組成物のShear rate 10sec−1での粘度は、例えばスクリーン印刷を行うことが可能な程度に十分な粘度を有するものであった。
次に、酸化チタン微粒子を含む酸化チタン電極を作製した。具体的には、実施例3、実施例8及び比較例1の被覆層が形成された電極基板の導電面に、前述したようにして作製したペースト組成物をスクリーン印刷により製膜し、450℃のオーブンで1時間焼結して、膜厚10μm、有効面積100cm2の酸化チタン多孔質膜を有する酸化チタン電極を得た。
次に、前述したようにして得られた酸化チタン電極に、以下のようにして増感色素を吸着させた。光電変換用増感色素N719(Solaronix社製)をエタノール(濃度0.6mmol/L)に溶解させて色素溶液を調製し、この色素溶液に、上記酸化チタン電極を浸漬させた後に、室温で24時間放置した。着色した酸化チタン電極の表面をエタノールで洗浄した後、4−t−ブチルピリジンの2mol%アルコール溶液に30分間浸漬させ、室温で乾燥させて、増感色素の吸着した酸化チタン多孔質膜を有する光電極を得た。
次に、下記処方の電解質溶液を調製した。電解質を溶解させる溶媒としては、メトキシアセトニトリルを用いた。
LiI : 0.1M
I2 : 0.05M
4−t−ブチルピリジン : 0.5M
1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド : 0.6M
次に、上述したようにして作製した光電極及び対極を用いて、図1に示したような光電変換セル(光電変換素子)の試験サンプルを組み立てた。すなわち、上記のようにして作製した光電極と、上記のようにして作製した対極とを、樹脂フィルム製スペーサ(三井・デュポンポリケミカル社製「ハイミラン」フィルム(120μm厚))を挟んで固定し、その空隙に上記電解質溶液を注入して電解質溶液層を形成した。ガラス基板には、それぞれ変換効率測定用の導線を接続した。
以上のようにして作製した実施例及び比較例における光電変換セルについて、以下の方法により変換効率を測定した。すなわち、ORIEL社製ソーラーシュミレータをエアマスフィルタと組み合わせ、光量計で100mW/cm2の光量に調整して測定用光源とし、光電変換セルの試験サンプルに光照射をしながら、KEITHLEY MODEL2400ソースメーターを使用してI‐Vカーブ特性を測定した。変換効率η(%)は、I‐Vカーブ特性測定から得られたVoc(開放電圧値)、Isc(短絡電流値)、ff(フィルファクター値)を用いて、下記変換効率式(1)により算出した。得られた変換効率の値の経時変化の様子を図10に示す。図10は、本発明の実施例3、実施例8及び比較例1による光電変換セルの変換効率ηと時間との関係を示すグラフである。
2 基板
3 光電極
4 対極
5 電解質溶液
6 スペーサ
7 取り出し導線
10 透明電極
11 集電電極
12 被覆層
31 金属酸化物微粒子
33 増感色素
51 電解質
60 強度試験装置
61 測定基板
63 圧子
121 ガラスフリット
123 バインダ樹脂
125 ダスト
127 フィラー
BS,BL,BC 空孔
Claims (5)
- 透明導電性の基板上に設けられた集電電極と、前記集電電極の表面を被覆する被覆層と、を備える光電変換素子用の電極基板であって、
前記被覆層は、前記集電電極の表面に塗布されたガラスペースト組成物を焼成した結果物からなり、
前記ガラスペースト組成物は、前記基板のガラス転移温度または相転移温度以下で溶融しない材料からなるフィラーを含有することを特徴とする、電極基板。 - 前記フィラーは、前記ガラスペースト組成物中に0.1質量%以上50質量%以下含有されることを特徴とする、請求項1に記載の電極基板。
- 前記フィラーは、Al2O3、SiO2、TiO2及びZnO2からなる群より選択される少なくとも1種以上の酸化物を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の電極基板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極基板を有する、光電変換素子。
- 前記光電変換素子は、色素増感型太陽電池であることを特徴とする、請求項4に記載の光電変換素子。
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