JP4266840B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池モジュールに関し、特に太陽電池モジュールの歩留を向上させる技術に関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵のエネルギー源である太陽からの光を直接電気に変換できることから新しいエネルギー源として期待されている。
斯かる太陽電池を家屋或いはビル等の電源として用いるにあたっては、太陽電池1枚当たりの出力が精々数W程度と小さいことから、通常複数の太陽電池を電気的に直列或いは並列に接続することで出力を数100Wにまで高めた太陽電池モジュールとして使用される。
図8は斯かる従来の太陽電池モジュールの一部分を示す構造断面図であり、複数の太陽電池素子100が互いに銅箔等の導電材よりなるタブ102により電気的に接続され、そしてガラス、透光性プラスチックのような透光性を有する表面部材と、アルミニウム箔サンドイッチ型フッ化ビニルフィルムからなる裏面部材との間に、EVA等の透光性を有する封止材により封止されている。
図8は通常の太陽電池モジュールに使用される太陽電池素子の一例を示しており、同図(A)は断面構造図、また(B)は平面図である。
同図において、111はp型の導電性を有する単結晶シリコンの基板である。そして、基板111の表面には約5μm程度の深さにまでn層112が、n型不純物を熱拡散させることにより形成されており、このn層112上に櫛型状の集電極113が形成されている。また、基板111の裏面には前記集電極113と対をなす裏面電極114が形成されている。
また、同図(B)を参照して、集電極113は、光の入射により基板111内で生成された電子・正孔の光生成キャリアを収集するためのフィンガー部113Aと、フィンガー部113Aにより収集されたキャリアを集電するためのバスバー部113Bとから構成されている。
ここで、集電極113は太陽電池素子に入射する光を遮り、太陽電池素子の有効面積を減少させる一因となることから、その面積はできるだけ小さくすることが望ましい。このため通常は、フィンガー部113Aの幅は約100μm程度とされ、そして各フィンガー部13A間の間隔は約2mm程度とされている。また、バスバー部113Bは各フィンガー部13Aにより収集されたキャリアを集電することから抵抗成分をある程度減少させることが必要であり、このため幅は約1.5mm程度とフィンガー部113Aよりも幅広に設定されている。そして、これらフィンガー部13A及びバスバー部113Bを有する集電極113は、スクリーン印刷法により厚み約40μm程度に形成される。
そして、図に示すように、隣接する太陽電池素子100,100は、一方の太陽電池素子100の集電極113におけるバスバー部113Bと、他方の太陽電池100の裏面電極114とがタブ102により接続されることで、互いに電気的に接続されている。
ガラス、透光性プラスチックのような透光性を有する表面部材と、アルミニウム箔サンドイッチ型フッ化ビニルフィルムからなる裏面部材との間に、EVA等の透光性を有する封止材を介在させて、タブにより互いに電気的に接続された複数の太陽電池を挟み、減圧下で加熱することにより、一体化して太陽電池モジュールを形成している。
ところで、上記したような太陽電池モジュールにおいては、薄い結晶シリコン基板を用いた太陽電池において、基板の破損を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、太陽電池素子として、単結晶シリコン基板と非晶質シリコン層との間に実質的に真性な非晶質シリコン層を挟み、その界面での欠陥を低減し、ヘテロ接合界面の特性を改善した構造(以下、HIT構造という。)が注目されている。HIT構造の太陽電池素子においても、フィンガー部とバスバー部とからなる集電極が設けられている。HIT構造の太陽電池素子においては、集電極の下方部に位置する非晶質シリコン層の関係から集電極の材料として、樹脂硬化型の銀ペーストが用いられ、単結晶系太陽電池と同様に、フィンガー部(集電を担う細線部)とバスバー部(太線部)とからなる集電極が構成されている。このバスバー部においては、下地の例えばITOからなる透明電極との密着性が十分強いことに加え、半田コート銅箔で構成されるタブの半田との相性が良いなどの特性が求められている。
上記した樹脂硬化型銀ペーストの樹脂として、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などがある。これらの樹脂の配合は、ペーストの比抵抗や下地との密着力、半田との相性などにより決められている。比抵抗を低減させるために、一般的には、エポキシ樹脂とウレタン樹脂との混合樹脂が多く用いられている。
従来の鉛(Pb)を含む半田、いわゆる共晶半田であれば、エポキシ樹脂とウレタン樹脂の配合比は、その体積割合が同等であっても問題なく、半田付けが可能であった。
しかしながら、自然環境への影響を考慮すると鉛(Pb)フリー半田を用いることが好ましい。
特開平11−312820号公報
上記したように、自然環境への影響を考慮して、鉛(Pb)フリー半田を用いる場合、融点の上昇や密着力の低下などの問題が発生する。即ち、鉛(Pb)フリー半田を用いた場合には、半田の融点の上昇に伴って半田付けする際の温度を上げる必要がある。特に、密着力がある程度強いとされるSn−Ag−Cu系のPbフリー半田を用いた場合、融点は、共晶半田の183℃から218℃へと上昇する。
このような半田を従来の銀ペーストを用いた集電極上に半田付けしようとすると、ウレタン樹脂の熱分解により銀ペーストが脆化し、タブと太陽電池素子との密着性が低下することになる。
この密着性の低下は、タブを半田付けした後の工程において、タブの剥がれなどの不良の原因となってしまう。また、上記のように銀ペーストが脆化した状態でモジュールを作製した場合には、集電極(銀ペースト)の脆化に伴う耐湿性の低下により、モジュールの耐湿性も低下するなどの問題があった。
また、上記した特許文献1においては、太陽電池素子として、単結晶シリコンを用いており、単結晶シリコンの場合には、銀ペーストとして、熱焼成硬化型のペーストを用いることができ、半田時の温度を上昇させた状態で接続することが可能であり、上記した問題が発生する懸念がない。
この発明は、上記した集電極に樹脂硬化型導電性ペーストを用いた太陽電池に鉛(Pb)フリー半田のタブで密着性を向上させることを目的とする。
本発明は、表面部材と裏面部材との間に、複数の太陽電池素子が配設され、太陽電池素子の電極同士をタブにより互いに電気的に接続してなる太陽電池モジュールにおいて、前記タブは、前記電極にSn−Ag−Cu半田によって半田付けされ、記電極は、熱硬化性樹脂と導電性の粉末を混合した導電性ペーストから形成されると共に、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂とウレタン樹脂が配合されてなり、且つTMA法で測定されたガラス転位点が80℃以上200℃以下のエポキシ樹脂を体積割合で70%〜90%含むことを特徴とする。
更に、前記導電性ペーストに混合される導電性粉末は、ほぼ粒状の導電性フィラーとフレーク状の導電性フィラーを含み、導電性フィラー全体に対するほぼ粒状の導電性フィラーの含有量が40wt.%以上80wt.%以下にするとよい。
熱硬化性樹脂と導電性の粉末を混合した導電性ペーストから形成されると共に、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂とウレタン樹脂が配合されてなり、且つTMA法で測定されたガラス転位点が80℃以上200℃以下のエポキシ樹脂を体積割合で70%〜90%含むことで、Sn−Ag−Cu半田をコーティングしたタブを半田付けした場合にも、太陽電池素子とタブの密着強度が向上し、後工程での不良発生率を低減させることが可能となる
以下、この発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態による太陽電池素子の構成を示した断面図、図2は、図1に示した実施形態による太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールの構成を示した断面図である。
まず、図1、図2を参照して、本実施形態による太陽電池素子およびそれを用いた太陽電池モジュール(太陽電池装置)の構成について説明する。
本実施形態による太陽電池素子1は、図1に示すように、約1Ω・cmの抵抗率と約300μmの厚みとを有するとともに、(100)面を有するn型単結晶シリコン基板2(以下、n型単結晶シリコン基板2という)を備えている。n型単結晶シリコン基板2の表面には、数μmから数十μmの高さを有するピラミッド状凹凸が形成されている。このn型単結晶シリコン基板2の上面上には、約5nmの厚みを有する実質的に真性のi型非晶質シリコン層3が形成されている。また、i型非晶質シリコン層3上には、約5nmの厚みを有するp型非晶質シリコン層4が形成されている。
また、p型非晶質シリコン層4上には、約100nmの厚みを有する透明導電膜としてのITO膜5が形成されている。このITO膜5は、SnO2を添加したIn23によって形成されている。なお、ITO膜5の光の透過率を向上させるために、ITO膜5中のSnの含有率は、好ましくは、約5質量%以下、より好ましくは、約2質量%以下に設定する。
更に、このITO膜5の上面上の所定領域には、集電極(ペースト電極)6が形成されている。この集電極6は、銀(Ag)からなる導電性フィラーと熱硬化性樹脂とによって構成されている。集電極6を構成する熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含むとともに、熱硬化性樹脂樹脂中のエポキシ樹脂は、体積割合で70%以上約100%以下である。なお、樹脂バインダ中のエポキシ樹脂が100%未満の場合、樹脂バインダ中のエポキシ樹脂以外の樹脂成分は、すべてウレタン樹脂によって構成されている。この集電極6は、図5に示すように、フィンガー部6Aとバスバー部6Bで構成されている。
また、n型単結晶シリコン基板2の下面上には、約5nmの厚みを有する実質的に真性のi型非晶質シリコン層7が形成されている。i型非晶質シリコン層7上には、約20nmの厚みを有するn型非晶質シリコン層8が形成されている。このようにn型単結晶シリコン基板2の下面上に、i型非晶質シリコン層7およびn型非晶質シリコン層8が順番に形成されることにより、いわゆるBSF(Back Surface Field)構造が形成されている。また、n型非晶質シリコン層8上には、約100nmの厚みを有するITO膜9が形成されている。ITO膜9上の所定領域には、集電極(ペースト電極)10が形成されている。また、n型単結晶シリコン基板2の下面上に形成されたi型非晶質シリコン層7,n型非晶質シリコン層8,ITO膜9および集電極10の上記以外の構成は、それぞれ、n型単結晶シリコン基板2の上面上に形成されたi型非晶質シリコン層3,p型非晶質シリコン層4,ITO膜5および集電極6の構成と同様である。
尚、上記実施形態としては、透明導電膜としてITO膜を用いているが、他の透明導電膜、例えばZnO膜を用いることも出来る。
また、本実施形態による太陽電池素子1を用いた太陽電池モジュール11は、図2に示すように、複数の太陽電池素子1を備えている。この複数の太陽電池素子1の各々は、互いに隣接する他の太陽電池素子1と扁平形状の銅箔の表面に鉛(Pb)フリーの半田がコーティングされたタブ12を介して直列に接続されている。また、タブ12の一方端側は、所定の太陽電池素子1の上面側の集電極6(図1参照)に接続されるとともに、他方端側は、その所定の太陽電池素子1に隣接する別の太陽電池素子1の下面側の集電極10(図1参照)に接続されている。
そして、タブ12によって接続された複数の太陽電池素子1は、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)からなる充填剤13によって覆われている。また、充填剤13の上面上には、ガラス基板からなる表面保護材14が設けられている。また、充填材13の下面上には、PET(Poly Ethylene Terephtalate)/アルミニウム箔/PETの3層構造からなる裏面保護材15が設けられている。
図3および図4は、本実施形態による太陽電池素子の製造プロセスを説明するための断面図である。次に、図1および図3、図4を参照して、本実施形態による太陽電池素子およびそれを用いた太陽電池モジュールの製造プロセスについて説明する。
まず、図3に示すように、洗浄することにより不純物が除去された約1Ω・cmの抵抗率と約300μmの厚みとを有するn型単結晶シリコン基板2を準備する。次に、RFプラズマCVD法を用いて、n型単結晶シリコン基板2の上面上に約5nmの厚みを有するi型非晶質シリコン層3と、約5nmの厚みを有するp型非晶質シリコン層4とをこの順番で形成する。なお、RFプラズマCVD法によるi型非晶質シリコン層3およびp型非晶質シリコン層4の具体的な形成条件は、周波数:約13.56MHz、形成温度:約100℃〜約250℃、反応圧力:約26.6Pa〜約80.0Pa、RFパワー:約10W〜約100Wである。
次に、n型単結晶シリコン基板2の下面上に約5nmの厚みを有するi型非晶質シリコン層7と、約20nmの厚みを有するn型非晶質シリコン層8とをこの順番で形成する。なお、このi型非晶質シリコン層7およびn型非晶質シリコン層8は、それぞれ上記したi型非晶質シリコン層3およびp型非晶質シリコン層4と同様のプロセスにより形成する。
続いて、図4に示すように、マグネトロンスパッタ法を用いて、p型非晶質シリコン層4およびn型非晶質シリコン層8の各々の上に、約100nmの厚みを有するITO膜5および9をそれぞれ形成する。このITO膜5および9の具体的な形成条件は、形成温度:約50℃〜約250℃、Arガス流量:約200sccm、O2ガス流量:約50sccm、パワー:約0.5kW〜約3kW、磁場強度:約500Gauss〜約3000Gaussである。
次に、ITO膜5および9の各々の上の所定領域にスクリーン印刷法を用いて、この発明の特徴である導電性粉末、例えば、銀(Ag)と熱硬化型樹脂(エポキシ樹脂とウレタン樹脂が所定の体積割合で配合されている)とからなる導電性ペースト(銀ペースト(低温焼成ペースト))を塗布した後、約180℃で約1時間焼成して導電性ペースト(銀ペースト)を硬化させる。これにより、集電極6および10を形成する。このようにして、図1に示した本実施形態により太陽電池素子1が形成される。
上記のようにして作成した太陽電池素子1を複数準備する。そして、この複数の太陽電池素子1の上面側の集電極6に銅箔からなるタブ12(図2参照)の一方端側を接続する。このタブ12は、銅箔の表面にSn−Ag−Cu系の鉛(Pb)フリー半田をコーティングされている。
このタブ12の集電極6への接続は、タブ12の表面にコーティングされた鉛(Pb)フリー半田を加熱することにより、集電極6にタブ12を半田付けすることによって行なう。そして、タブ12の他方端側を、同様のプロセスにより、隣接する別の太陽電池素子1の下面側の集電極10(図1参照)に接続する。このようにして、複数の太陽電池素子1を直列に接続する。
次に、ガラス基板からなる表面保護材14の上にEVAシートからなる充填材13を載せた後、タブ12により接続した複数の太陽電池素子1を載せる。そして、その上にさらにEVAシートからなる充填材13を載せた後、PET/アルミニウム箔/PETの3層構造を有する裏面保護材15を載せる。その後、減圧下において加熱しながら加圧することによって、表面保護材14、充填材13、タブ12により接続した複数の太陽電池素子1および裏面保護材15を一体化させる。このようにして、図2に示した本実施形態による太陽電池モジュール11が形成される。
上記したように、鉛(Pb)フリー半田を用いたタブを使用する際には、導電性ペースト(銀ペースト)の耐熱性を向上させる必要がある。本発明者等は、この耐熱性に着目したところ、熱硬化性樹脂に含まれる樹脂のうち、ガラス転移点が80℃〜200℃の範囲内である樹脂の体積割合が、樹脂全体の耐熱性に寄与していることが判った。
更に、Sn−Ag−Cu系の鉛(Pb)フリー半田をタブに用い、集電極に半田付けしようとすると、ガラス転移点が80℃〜200℃の範囲内である樹脂の配合比を体積割合で50%以上にすることが必要であり、更に70%以上であればタブを半田付けした後のタブとセルの密着強度は高くなり、モジュール化工程でのタブハガレなどによる不良発生率も大きく低下することが分かった。
ガラス転移点が80℃を下回る場合は、鉛(Pb)フリー半田をコーティングしたタブを半田付けした際には、銀ペーストの脆化などによるタブ剥がれなどの不良の発生やモジュールの耐湿性の低下などの問題が発生し、ガラス転移点が200℃を越える樹脂を体積割合で50%以上にした場合には、鉛(Pb)フリータブが半田付けできない。
ガラス転移点が80℃〜200℃の範囲内の樹脂としては、エポキシ基を有する樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂を用いることができる。以下、エポキシ樹脂とウレタン樹脂を配合した場合を例に採り、本発明の実施形態につき、更に説明する。
次のようにして、サンプルを作成した。この実施形態では、104mm角の単結晶シリコンウェハーを用いたHIT構造の太陽電池素子を用い、光入射側のバスバー部6Bの幅(開口部)を1.5mm、フィンガー部7Aの幅(開口幅)を80μmとした集電極パターン(スクリーン版の設計)を採用している(図5参照)。
この実施形態におけるテストでは、エポキシ樹脂とウレタン樹脂を配合した熱硬化性樹脂を用い、エポキシ樹脂の体積割合を30vol.%、50vol.%、70vol.%、80vol.%、90vol.%、100vol.%、と変化させた銀ペーストを用いた。
この時に用いたエポキシ樹脂のガラス転移点は、TMA法で測定したところ90℃であり、ウレタン樹脂のガラス転移点は、同様に測定したところ40℃であった。
また、これらのペーストには、銀粒が85wt.%以上配合されており、比抵抗は3×10-5Ωcm以下である。そのために、図6に示すように、銀粒は、φ5μm以下のほぼ粒状のフィラー60と、最大長さ(図中AまたはA’で示す)が20μm以下のフレーク状のフィラー61が混合されており、ほぼ粒状のフィラー60の粉体が40wt.%混合されている。
上記した銀ペーストを用いて集電極を形成したHIT構造の太陽電池素子を作成し、共晶半田、鉛(Pb)フリー半田(今回はSn−Ag−Cu半田を使用)を半田付けし、太陽電池素子とタブの密着強度とそれらの太陽電池素子を用いたモジュールの耐湿試験を行なった。
今回のサンプルでの、太陽電池素子とタブの密着強度のデータを下表1に、後工程での密着強度不足による不良発生確率を表2に示す。なお、エポキシ樹脂の配合比が30vol.%のセルに対しては、不良多発のため、後工程での不良発生確率は評価していない。
ここで、タブ強度とは、太陽電池素子の集電極に銅箔からなるタブを半田付けした後、その半田付けしたタブを引き剥がす際の引き剥がし強度を意味する。このタブ強度は集電極のITO膜に対する密着性の指標となる。タブ強度の測定には、アイコーエンジニアリング製、CPUゲージ9500を用いている。
測定は、図7に示すように、太陽電池素子1を引き剥がし強度測定器20に固定すると共に、引き剥がし強度測定器20のクリップ21により、太陽電池素子1の集電極(図1参照)6上に半田付けしたタブ12を挟む。その後、引き剥がし強度測定器20のハンドル22を回すことにより、タブ12及び集電極6が太陽電池素子1から剥離するまでクリップ21を引っ張る。そして、引き剥がし強度測定器20のゲージ23に表示される引き剥がし強度の最大値を測定することにより、タブ強度を測定している。
なお、不良発生率はタブを半田付けし直列接続されたセルを、ガラス/EVAシート上に並べた際に、目視にてハガレの有無を確認してカウントしている。即ち、この後工程では、24個の太陽電池素子を直列に接続したものを1列にし、4列を並列に接続した後、ガラス/EVAシート上に並べる。この時に、目視にて1箇所でもハガレがあった場合に不良としてカウントしている。
Figure 0004266840
Figure 0004266840
表1、表2から、鉛(Pb)フリー半田をコーティングしたタブを用いる際に、エポキシ配合比は50vol.%を越え、70vol.%以上であることが望ましいことが判る。また、エポキシ配合比が100vol.%の銀ペーストを用いた場合に、タブ強度は良好であるにもかかわらず、後工程での不良発生率が増加している。これは、銀ペーストの樹脂がエポキシ樹脂のみから構成されているため、その硬度が上昇し、タブ剥がれが起きたものと考えられる。すなわち、エポキシ配合比は70vol.%を超えて高い方が好ましいものの、若干のウレタン樹脂を配合した方が、より好ましいと考えられる。このことから、エポキシ樹脂の配合比は70vol.%〜90vol.%が最も好ましいと考えられる。
次に、モジュールの耐湿性につき測定した結果につき説明する。上記実施形態にかかる太陽電池素子を用いたモジュールを作製し、その耐湿性を評価した結果(対初期出力比)を下表3に示す。耐湿試験の条件はJIS C 8917に従い、恒温恒湿漕を85℃、85%の条件とし、その恒温恒湿漕中に1000時間、2000時間保管した後に、それぞれのモジュールの出力を測定した。前記のJISでは1000時間と規定され、初期の出力比で95%以上を合格としている。しかし、今回は、さらに長期の耐湿性をも評価することとし、2000時間まで時間を延ばすこととした。参考のため、表3中の括弧内に1000時間後のモジュールの出力(対初期比)も記入している。
なお、エポキシ配合比が30%の太陽電池素子に対してはタブ付け後に剥離が生じたために評価を行なっていない。
Figure 0004266840
上記のように、エポキシ樹脂の配合比が高い方が半田の種類に依らず耐湿後の出力低下が少ないことが判る。また、鉛(Pb)フリー半田とエポキシ樹脂が50%のペーストの組み合わせにおいても、JIS基準(Pmaxの初期比で95%以上)は満たしているものの、基準の下限に近いため生産上の揺らぎを考慮すると量産には向かないと考えられる。
特に、エポキシ樹脂の体積配合比を70vol.%以上にした場合には、さらに長期(2000時間後)の耐湿試験においてもモジュールの出力低下は小さく、鉛(Pb)フリー半田を半田付けした際の銀ペーストの脆化が抑えられている。
上記したサンプルにおいては、エポキシ樹脂の配合比が70vol.%の熱硬化性樹脂を用い粒状フィラー60(図6参照)を40wt.%としているが、エポキシ樹脂の配合比が70vol.%の熱硬化性樹脂を用い、粒状のフィラー60の配合比を0、20、40,60,80、100wt.%とそれぞれ変えてサンプルを作成して評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0004266840
表4において、カスレの×は50枚連続印刷後にカスレが発生、カスレの三角は50枚連続印刷後にわずかなカスレが発生、比抵抗×は5×10-5Ωcm以上、○は良好の場合を示している。
上記の表4から、粒状のフィラー60が30wt.%以下の場合は、印刷カスレの発生により、太陽電池用のペーストには適さない。また、粒状のフィラー60が90wt.%を越えた場合も比抵抗が上昇してしまい、太陽電池ペーストには適さない。従って、粒状のフィラー60の配合比は、40wt.%以上80wt.%が適している。
この粒状のフィラー60の配合比による印刷性については、エポキシの配合比に依存せず、50vol.%〜100vol.%の間で同様であった。
次に、ガラス転移点が70℃、80℃、150℃、200℃、210℃のエポキシ樹脂をそれぞれ70vol.%配合した樹脂を用いて銀ペーストを作成し、表3の時と同様のテストをした結果を表5に示す。参考のため、表5中の括弧内に1000時間後のモジュールの出力(対初期比)も記入している。
Figure 0004266840
表5において、70℃のサンプルでは不良発生率、耐湿試験は評価していない。また、210℃のペーストを用いたセルでは、タブが半田付け出来なかった。
表5に示すように、ガラス転移点が80℃〜200℃の間であれば、鉛(Pb)フリー半田をコーティングしたタブの半田付けが可能であり、更に、90℃〜200℃の間であれば、モジュールの耐湿性も良好であるから、実用上はこの範囲が好ましい。
上記のテストにおいて、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を用いていた。しかし、その他のエポキシ樹脂の種類としては、スチルべン系、ビフェニル系などの2官能化合物を原料とする樹脂、ポリフェノール系、フェノールノボラック系などの多官能フェノール化合物を原料とする樹脂や、ジシクロペンタジエン系/フェノール系重付加物を原料とする樹脂などがあるが、いずれの樹脂を用いても効果は同等である。また、ガラス転移点が90℃を越える樹脂としては、フェノール樹脂やポリイミド樹脂などがある。
また、上記のテストにおいて導電性フィラーとして銀を用いた。しかし導電性フィラーとしては、銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属や、炭素などの導電性を有するもので有れば種類も問わない。
また、上記した実施形態では、HIT構造の太陽電池素子を用いてテストを行なったが、太陽電池の種類としても、薄膜シリコン系、化合物半導体系、色素増感系、有機系の太陽電池においても同様であり、透明電極の下に位置する半導体層が、非晶質半導体や微結晶半導体の太陽電池装置にこの発明は適用すると好適である。
本発明の実施形態による太陽電池素子の構成を示した断面図である。 図1に示した実施形態による太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールの構成を示した断面図である。 本発明の実施形態による太陽電池素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の実施形態による太陽電池素子の製造プロセスを説明するための断面図である。 本発明の実施形態による太陽電池素子の集電極を示す模式図である。 本発明の実施形態による導電性ペーストを示す模式図である。 タブ強度の測定を行う装置を説明する模式図である。 通常の太陽電池モジュールに使用される太陽電池の一例を示すており、同図(A)は断面構造図、また(B)は平面図である。
符号の説明
1 太陽電池素子
2 n型単結晶シリコン基板
3 i型非晶質シリコン層
4 p型非晶質シリコン層
5 ITO膜
6 集電極
7 i型非晶質シリコン層
8 n型非晶質シリコン層
9 ITO膜
10 集電極
11 太陽電池モジュール
12 タブ12

Claims (2)

  1. 表面部材と裏面部材との間に、複数の太陽電池素子が配設され、太陽電池素子の電極同士をタブにより互いに電気的に接続してなる太陽電池モジュールにおいて、
    前記タブは、前記電極にSn−Ag−Cu半田によって半田付けされ、
    記電極は、熱硬化性樹脂と導電性の粉末を混合した導電性ペーストから形成されると共に
    前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂とウレタン樹脂が配合されてなり、且つTMA法で測定されたガラス転位点が80℃以上200℃以下のエポキシ樹脂を体積割合で70%〜90%含むことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記導電性ペーストに混合される導電性粉末は、ほぼ粒状の導電性フィラーとフレーク状の導電性フィラーを含み、導電性フィラー全体に対するほぼ粒状の導電性フィラーの含有率が40wt.%以上80wt.%以下であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
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