JP2011138623A - 非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極/電解質界面の抵抗が少なく、伝導性、充電特性が良好な電池を提供する。
【解決手段】非水電解質中にニトリル基含有化合物を電解質の総量に対して0.05質量%以上含有し、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μm、比表面積が0.13〜0.80m/gであり、正極合剤層がシランカップリング剤又は下記(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種を正極活物質に対して0.003〜5質量%含有させる。
Figure 2011138623

(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とする非水系二次電池に関する。さらに詳しくは、本発明は、ニトリル基含有化合物を含む非水電解質を使用した際に、正極/電解質界面の被膜抵抗の増加が少なく、イオン伝導性が良好で、高温充電保存時のガス発生量が少なく、容量効率が良好であり、しかも、低温環境下における充電負荷特性が良好な非水系二次電池に関する。
今日の携帯電話機、携帯型パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型電子機器の駆動電源として、さらには、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)用の電源として、高エネルギー密度を有し、高容量であるリチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池が広く利用されている。
これらの非水系二次電池の正極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することが可能なLiMO(但し、MはCo、Ni、Mnの少なくとも1種である)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物、すなわち、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiMn、LiCoMnNi(x+y+z=1)、又はLiFePOなどが一種単独もしくは複数種を混合して用いられている。
このうち、特に各種電池特性が他のものに対して優れていることから、リチウムコバルト複合酸化物や異種金属元素添加リチウムコバルト複合酸化物が多く使用されている。しかしながら、コバルトは高価であると共に資源としての存在量が少ない。そのため、これらのリチウムコバルト複合酸化物や異種金属元素添加リチウムコバルト複合酸化物を非水系二次電池の正極活物質として使用し続けるには非水系二次電池のさらなる高性能化が望まれている。
一方、非水系二次電池は充電状態で高温環境下に保存すると、正極劣化を起こし易い。これは非水系二次電池を充電状態で保存すると、正極活物質上での非水電解質の酸化分解や正極活物質の遷移金属イオン溶出が起こるためであり、しかも、高温環境下では常温環境下より非水電解質の分解や金属イオン溶出が加速するためと考えられている。
これに対し、下記特許文献1には、非水系二次電池の高温充電保存時のガスの発生を抑制し、サイクル特性を改善する目的で、構造式中に2以上4以下のニトリル基含有化合物と、2以上のフッ素原子を有するフッ素化環状カーボネート、モノフルオロリン酸塩及びジフルオロリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する非水系電解液を用いた例が示されている。同じく、下記特許文献2には、Si、Sn、Pbの少なくとも1種を含有する負極活物質を用いた非水系二次電池において、高温充電保存時のガス発生を抑制し、サイクル特性を改善する目的で、構造式中に2以上4以下のニトリル基含有化合物を含有する非水系電解液を用いた例が記載されている。
なお、下記特許文献3には、非水系二次電池の高電圧かつ重充放電条件下でのサイクル特性の向上を目的として、正極合剤中にアルミニウム系カップリング剤を混合した例が示されている。また、下記特許文献4には、非水系二次電池の低温における正極と電解液との濡れ性を改善し、低温での出力特性が良好となるようにすることを目的として、正極合剤中にエポキシ基、アミノ基等の有機反応基と、メトキシ基、エトキシ基等の結合基と、を有するシランカップリング剤を分散させた例が示されている。
また、下記特許文献5には、非水系二次電池の間欠サイクルを繰り返す場合のサイクル特性の向上を目的として、正極活物質を複数の結合基を有するシランカップリング剤で処理した例が示されている。さらに、下記特許文献6には、非水系二次電池のサイクル特性の向上を目的として、正極合剤層の圧縮時に生じる正極活物質の破断面近傍にシランカップリング剤を存在させた例が示されている。
特開2009− 32653号公報 特開2009−158464号公報 特開平09−199112号公報 特開2002−319405号公報 特開2007−242303号公報 特開2007−280830号公報
上述の特許文献1及び2に開示されている発明によれば、一応、構造式中に2以上4以下のニトリル基を含有する化合物は、充電状態の正極上に吸着されるため、正極表面を保護し、非水電解質と正極との間の副反応を低減することができ、高温保存時の各種電池特性を向上する効果を有していると認められる。
このような効果は、以下のような原理によって生じるものであると考えられている。すなわち、ニトリル基含有化合物が非水電解質に含有されている場合、ニトリル基含有化合物が正極から溶出した微量の金属イオンに配位して正極表面に堆積したり、酸化分解による反応生成物が正極表面に堆積したりする。このような正極表面に形成された被膜は、非水電解質あるいはセパレータと正極との直接接触が避けられるように機能するため、非水電解質やセパレータの酸化分解が抑制されるので、高温充電保存時のガス発生を抑制することができるようになるわけである。
しかしながら、正極表面に形成された被膜は、正極と非水電解質との界面の被膜抵抗を上昇させるため、イオン伝導が阻害され、作動電圧が低下すると共に充電状態での高温環境下での保存時の容量効率が低下し、さらに低温環境下における充電負荷特性が大幅に低下するという課題を有している。
また、上記特許文献3〜6に開示されている発明によれば、正極合剤中にシラン系ないしアルミニウム系カップリング剤を混合すると、一応サイクル特性の向上と低温環境下での出力特性の向上が達成し得ることが示唆されていると認められる。しかしながら、上記特許文献3〜6に開示されている発明においては、高温充電保存時のガス発生量が大きく、しかも、容量効率が低下するという課題が存在する。
発明者は、上述のような非水電解質中にニトリル基含有化合物を添加した際の非水系二次電池の低温環境下における充電負荷特性及び高温充電保存時の容量効率の低下を改善すべく種々実験を重ねた結果、正極合剤中にシラン系又はアルミニウム系カップリング剤を所定量含有させると共に、正極活物質の平均粒径及び比表面積を所定範囲に維持すると解決できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、リチウム複合酸化物を正極活物質とする非水系二次電池において、高温充電保存時のガス発生量が少なく、容量効率が良好であり、しかも、低温環境下における充電負荷特性が良好な非水系二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の非水系二次電池は、リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極合剤層が形成された正極極板と、負極極板と、セパレータと、非水電解質とを備える非水系二次電池において、前記非水電解質中にニトリル基含有化合物を前記非水電解質の総量に対して0.05質量%以上含有し、前記正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μm、比表面積が0.13〜0.80m/gであり、前記正極合剤層がシランカップリング剤もしくは下記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種を前記正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有していることを特徴とする
Figure 2011138623
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
本発明の非水系二次電池において、非水電解質中にニトリル基含有化合物を非水電解質の総量に対して0.05質量%以上含有させると、非水電解質やセパレータの酸化分解が抑制されるため、高温充電保存時のガス発生を抑制することができるようになる。非水電解質中のニトリル基含有化合物の含有量が非水電解質の総量に対して0.05質量%未満であると、ニトリル基含有化合物添加の効果が現れなくなる。ニトリル基含有化合物の添加量は、添加量が増大するに従って高温充電保存時のガス発生を抑制する効果が大きくなるが、多すぎると低温充電特性や高温充電保存時の容量効率が低下しだすので、7.00質量%を超えないことが望ましい。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μm、比表面積は0.13〜0.80m/gであることが必要である。正極活物質の平均粒径が4.5μm未満であると、比表面積は0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し、しかも、高温充電保存時のガス発生量が多くなる。また、正極活物質の平均粒径が15.5μmを超えると、比表面積は0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、正極活物質の平均粒径が15.5μm以下の場合よりも低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し出す。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極活物質の比表面積が0.13m/g未満であると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下する。また、正極活物質の比表面積が0.80m/gを超えると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し、しかも、高温充電保存時のガス発生量が多くなる。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極合剤層はシランカップリング剤もしくは下記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種からなるカップリング剤を含有していることが必要である。
Figure 2011138623
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
正極合剤層がこのようなカップリング剤を含有していない場合、或いは他の種類のカップリング剤を含有している場合には、非水電解質中のニトリル基含有量、正極活物質の平均粒径及び比表面積が所定範囲内であっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し、しかも、しかも、高温充電保存時のガス発生量が多くなる。
また、本発明の非水系二次電池においては、正極合剤層はシランカップリング剤もしくは上記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種からなるカップリング剤を正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有していることが必要である。これらのカップリング剤の含有量が正極活物質の質量に対して0.003質量%未満であると、少なすぎてカップリング剤添加の効果が表れなくなる。これらのカップリング剤の含有量が正極活物質の質量に対して5質量%を超えると、正極抵抗が大きくなるため、初期容量が小さくなってしまう。
なお、本発明の非水系二次電池で使用する正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、LiNi1−xMn(0<x<1)、LiNi1−xCo(0<x<1)、LiNiMnCo(0<x、y、z<1、x+y+z=1)などのリチウム複合酸化物又はLiFePOなどのオリビン構造を有するリン酸化合物が好ましい。
また、本発明の非水系二次電池の正極合剤層中に含有させるカップリング剤の含有方法については、正極極板に直接塗布あるいは正極合剤スラリーに混合してもよい。このカップリング剤は、特に限定されないが、適当な有機溶媒、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)などのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、シリコーンオイル等を用いて希釈して使用してもよい。
また、本発明の非水系二次電池で使用し得る負極活物質としては、黒鉛、難黒鉛化性炭素及び易黒鉛化性炭素などの炭素原料、LiTiO及びTiOなどのチタン酸化物、ケイ素及びスズなどの半金属元素、またはSn−Co合金等が挙げられる。
また、本発明の非水系二次電池で使用し得る非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状炭酸エステル、フッ素化された環状炭酸エステル、γ−ブチルラクトン(BL)、γ−バレロラクトン(VL)などの環状カルボン酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、ジブチルカーボネート(DNBC)などの鎖状炭酸エステル、ピバリン酸メチル、ピバリン酸エチル、メチルイソブチレート、メチルプロピオネートなどの鎖状カルボン酸エステル、N、N'−ジメチルホルムアミド、N−メチルオキサゾリジノンなどのアミド化合物、スルホランなどの硫黄化合物、テトラフルオロ硼酸1−エチル−3−メチルイミダゾリウムなどの常温溶融塩などが例示できる。これらは2種以上混合して用いることが望ましい。この中でもEC、PC、鎖状炭酸エステル、3級カルボン酸エステルが特に好ましい。
また、本発明の非水系二次電池で使用するセパレータとしては、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン材料から形成された微多孔膜からなるセパレータが選択できる。セパレータのシャットダウン応答性を確保するために、融点の低い樹脂を混合したり、耐熱性を得るために高融点樹脂との積層体や無機粒子を担持させた樹脂としてもよい。
なお、本発明の非水系二次電池で使用する非水電解質中には、電極の安定化用化合物として、さらに、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチルカーボネート(VEC)、無水コハク酸(SUCAH)、無水マイレン酸(MAAH)、グリコール酸無水物、エチレンサルファイト(ES)、ジビニルスルホン(VS)、ビニルアセテート(VA)、ビニルピバレート(VP)、カテコールカーボネート、ビフェニル(BP)などを添加してもよい。これらの化合物は、2種以上を適宜に混合して用いることができる。
また、本発明の非水系二次電池で使用する非水溶媒中に溶解させる電解質塩としては、非水系二次電池において一般に電解質塩として用いられるリチウム塩を用いることができる。このようなリチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiAsF、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12など及びそれらの混合物が例示される。これらの中でも、LiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)が特に好ましい。前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は、0.5〜2.0mol/Lとするのが好ましい。
また、本発明の非水系二次電池で採用し得るシランカップリング剤としては、分子内に少なくとも1つの有機官能基と、複数の結合基とを有するものを使用し得る。有機官能基は、様々な炭化水素骨格を有するものであればよい。この有機官能基としては、例えばアルキル基、メルカプトプロピル基、トリフルオロプロピル基などが挙げられる。また、結合基としては、加水分解性のアルコキシ基などが挙げられる。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤におけるMとしては、Al、Ti、Zrから選択される1種とすることができるが、特にMをAlとすることが好ましい。MをAlとすると、安価に合成でき、しかも、MをTi又はZrとした場合よりも良好な結果が得られる。
また、上記一般式(I)の構造を有するカップリング剤としては、R1又はR2の少なくとも一つがアルコキシ基(エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基等)である場合、特性改善効果が大きい。また上記一般式(I)のM原子にアルコキシ基(iso−プロボキシ基、tert−プトキシ基等)が結合している場合、正極活物質に対する反応性が向上するため好ましい。なお、M原子に結合するアルコキシ基の数は、化合物の耐加水分解性を高めるために、二つまでが好ましい。
また、本発明の非水系二次電池で使用するニトリル基含有化合物としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、ヘキサンニトリル、オクタンニトリル、ウンデカンニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、ベンゾニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリル、2−メチルグルタロニトリル、アジポニトリル、ピメロニトリル、スベロニトリル、アゼラニトリル、セバコニトリル、ウンデカンジニトリル、ドデカンジニトリル、1,2,3−プロパントリカルボニトリル、1,2,3−トリス(2−シアノエトキシ)プロパン、1,3,5−シクロヘキサントリカルボニトリル、1,3,5−ベンタントリカルボニトリル、tert−ブチルマロノニトリル、マロノニトリル、3,3'−オキシジプロピオニトリル、3,3'−チオジプロピオニトリル、1,2−ジシアノベンゼン、1,3−ジシアノベンゼン、1,4−ジシアノベンゼンなどが挙げられる。特に、アジポニトリル、ピメロニトリル、スクシノニトリル、グルタロニトリルなどの、下記一般式(II)で表されるジニトリル化合物であることが好ましい。
NC−R−CN (II)
(ただし、Rは炭素原子数2〜8のアルキル鎖を示す。)
以下、本発明を実施するための形態を実施例及び比較例を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための非水系二次電池の一例を示すものであって、本発明をこの実施例に限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。
最初に、各種実施例及び比較例に共通する非水系二次電池の具体的製造方法について説明する。
[正極の作製]
各種正極活物質を95質量%、導電剤としての無定形炭素HS−100(商品名)2.5質量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)2.5質量%の割合で混合して正極合剤とし、これに正極合剤質量の50質量%のN−メチルピロリドン(NMP)を加えてスラリー状にした。得られたスラリーに各種カップリング剤を所定量添加し、十分に撹拌した後、ドクターブレード法により厚さ12μmのアルミ箔の両面に塗布(塗布量400g/m)した。その後、加熱乾燥(70〜140℃)及び加圧成型して充填密度3.70g/cc(LiMn、LiMn1/3Ni1/3Co1/3については3.12g/cc))となるようにし、所定の大きさに切り出して正極板を得た。
[負極の作製]
人造黒鉛(d=0.335nm)97質量%、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)2質量%、結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)1質量%の割合で混合し、これに水を加えてスラリー状にして厚さ8μmの銅箔の両面に塗布(塗布量210g/m)した。その後、これを乾燥させて圧縮ローラーを用いて圧縮し、所定の大きさに切り出して負極極板を作製した。
[注液前電池の作製]
所定の寸法にスリットした正極板と負極板に集電タブを溶接し、厚さ16μmのポリエチレン微多孔膜のセパレータを挟んで捲回し、巻回電極体を作製した。得られた巻回電極体をカップ成型したラミネート外装体内に収納し、注液口を除いて熱シールすることにより注液前電池を作製した。
[電池の作製]
非水電解質としては、EC/PC/EMC/ピバリン酸メチルをそれぞれ体積%で25/5/10/60となるように混合した非水溶媒を用い、これに電解質塩としてのLiPF濃度が1Mとなるように溶解したものを用いた。この非水電解質を19mlを注液口より注入した後に真空含浸処理を行い、その後注液口を熱シールして充放電を行い、設計容量3600mAh(1It=3600mA)の非水系二次電池を完成させた。
[電池特性の測定]
上述のようにして作製された各実施例及び比較例の電池のそれぞれに対し、以下の測定方法に従って、初期容量、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧、高温充電保存特性を求めた。
[初期容量の測定]
各実施例及び比較例の電池のそれぞれに対し、23℃の恒温槽中で、0.5It=1800mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。このときの充電容量を常温充電容量として求めた。その後、0.5It=1800mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を初期容量として求めた。
[低温充電特性の測定]
上述のようにして初期容量を測定した各実施例及び比較例の電池のそれぞれに対し、−5℃の恒温槽中で、1It=3600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。このときの充電容量を低温充電容量として求めた。そして、以下の計算式によって低温充電特性(%)を求めた。
低温充電特性(%)=(低温充電容量/常温充電容量)×100
[サイクル特性比容量の測定]
各実施例及び比較例のそれぞれのの電池について、23℃の恒温槽中で、1It=3600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。その後、1It=3600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を1サイクル時の放電容量として求めた。同様の充放電を800回繰り返し、800回目の放電容量を800サイクル時の放電容量として求め、以下の計算式に基いてサイクル特性(%)を求めた。
サイクル特性(%)=(800サイクル時の放電容量/1サイクル時の放電容量)×100
[作動電圧の測定]
作動電圧の測定は、上記1サイクル時の放電容量の測定時の平均電圧として求めた。
[高温充電保存特性]
高温充電保存特性は以下のようにして測定した。各実施例及び比較例のそれぞれのの電池について、23℃の恒温槽中で、1It=3600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。その後、1It=3600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を高温保存前放電容量として求めた。次いで、各実施例及び比較例のそれぞれのの電池について、23℃の恒温槽中で、1It=3600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。この満充電となった電池を80℃の恒温槽中に10日間放置した。
その後、各実施例及び比較例のそれぞれのの電池について、23℃の恒温槽内に放置して冷却し、保存後の電池外装体を一部開封し、発生したガスの量をシリンジで測定した。次いで、1It=3600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。
さらに、高温保存時に放電した各実施例及び比較例のそれぞれのの電池について、23℃の恒温槽中で、1It=3600mAの定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電し、さらに電池電圧が4.2Vに達した後は、4.2Vの定電圧で電流値が(1/50)It=180mAになるまで充電した。その後、1It=3600mAの定電流で電池電圧が2.75Vになるまで放電した。このときの放電容量を高温保存後放電容量として求めた。そして、以下の計算式に基いて容量効率(%)を求めた。
容量効率(%)=(高温保存後放電容量/高温保存前放電容量)×100
[実施例1〜18、比較例1〜10]
実施例1〜18、比較例1〜10の非水系二次電池としては、正極活物質として平均粒径が13.1μmであり、比表面積が0.25m/gのLiCoOを用いた。
比較例1は、非水電解質中にニトリル基含有化合物を含まず、正極合剤層中にカップリング剤も添加しなかったものである。また、比較例2〜7は、非水電解質中にニトリル基含有化合物としてアジポニトリル(NC−(CH−CN)を0.03〜2.00質量%まで変化させて添加し、正極合剤層中にカップリング剤を添加しなかったものである。
また、比較例8及び9は、非水電解質中にニトリル基含有化合物を添加せず、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート(比較例8)ないしメチルトリエトキシシラン(比較例9)を添加したものである。さらに、比較例11は非水電解質中にニトリル基含有化合物としてアジポニトリルを0.03質量%添加し、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを0.20質量%添加したものである。
さらに、実施例1〜12は、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.20質量%添加し、非水電解質中に各種のニトリル基含有化合物を1.00質量%添加したものである。なお、実施例1〜12で使用した各種のニトリル化合物名は表1に纏めて示してある。
また、実施例13〜18は、正極合剤層中にカップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.20質量%添加し、非水電解質中にニトリル基含有化合物としてアジポニトリルを0.05〜7.00質量%まで変化させて添加したものである。これらの実施例1〜18、比較例1〜10の測定結果を纏めて表1に示す。
Figure 2011138623
表1に示した結果から、以下のことが分かる。すなわち、正極合剤層中にカップリング剤が添加されていない比較例1〜7の結果は、非水電解質中にニトリル基含有化合物を添加すると、その添加量が増大するに従って高温充電保存後のガス発生量が低下するが、それに伴って低温保存特性、サイクル特性比容量が大幅に低下し、作動電圧も徐々に低下することを示している。ただし、初期容量及び高温充電保存後の容量効率共に、非水電解質中のニトリル基含有化合物量によってあまり変化しないが、高温充電保存後の容量効率は実施例1〜18の電池と比すると大幅に小さくなっている。
また、非水電解質中にニトリル基含有化合物が添加されていない比較例8及び9の測定結果は、初期容量、作動電圧、発生ガス量、高温充電保存後のガス発生量及び保存特性は共にカップリング剤が無添加の比較例1の電池とほぼ同等の結果が得られているが、低温充電保存特性及びサイクル特性は共にカップリング剤が無添加の比較例1の電池よりも僅かに劣っている。
それに対し、正極合剤層中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートが0.20質量%添加されていると、非水電解質中に各種のニトリル基含有化合物が1.00質量%添加(実施例1〜12)されていれば、初期容量は比較例1〜9のものとほぼ同等であり、低温充電特性、サイクル特性比容量及び作動電圧は比較例1〜9の中で最も優れている比較例1のものとほぼ同等ないしわずかであるが優れており、しかも、高温充電保存後の発生ガス量は比較例1〜9のものよりも優れており、さらに、高温充電保存後の容量効率は比較例1〜9のものよりも大幅に優れている。
また、比較例10及び実施例13〜18の結果から、正極合剤層中にカップリング剤としてのアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートが0.20質量%添加されている場合、非水電解質中のニトリル基含有化合物の添加量が非水電解質の総量に対して0.05質量%未満であると、高温充電保存後のガス発生量及が大きくなり、ニトリル基含有化合物添加の効果が現れなくなることが分かる。したがって、非水電解質中のニトリル基含有化合物の添加量は0.05質量%以上とすればよい。
なお、比較例10及び実施例13〜18の結果から、非水電解質中のニトリル基含有化合物の添加量は、添加量が増大するに従って高温充電保存時のガス発生を抑制する効果が大きくなるが、多すぎると低温充電特性や高温充電保存時の容量効率が低下しだすので、7.00質量%を超えない方がよい。
[実施例19〜36、比較例11〜12]
実施例19〜36、比較例11〜12の非水系二次電池としては、正極活物質として平均粒径が13.1μmであり、比表面積が0.25m/gのLiCoOを用い、さらに非水電解質中に添加するニトリル基含有化合物としてはアジポニトリルを1.0質量%となるように添加したものを用いた。
比較例11としては、カップリング剤として鉄トリスアセチルアセテートを用いた。実施例19〜24はカップリング剤として各種の下記一般式(I)で表される各種化合物を用いたものであり、実施例25〜29は各種のシランカップリング剤を用いたものである。なお、実施例19〜24で使用したカップリング剤のうち、実施例21で使用したアルミニウムトリスアセチルアセトネート及び実施例24で使用したジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート以外は、全てアルコキシ基を有する化合物である。また、実施例19〜29で用いた各種カップリング剤名は表2に纏めて示してある。
Figure 2011138623
(ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
また、実施例30〜36及び比較例12は、カップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.003〜5.00質量%(実施例30〜36)及び7.00質量%(比較例12)まで変化させて用いたものである。実施例19〜36、比較例11〜12までの結果を、実施例6及び比較例6の結果と共に、纏めて表2に示す。
Figure 2011138623
表2に示した結果から以下のことが分かる。すなわち、非水電解質中にニトリル基含有化合物が添加されている場合、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いた実施例6、19〜24及びシランカップリング剤を用いた実施例25〜29の結果は、カップリング剤として鉄トリスアセチルアセトネートを用いた比較例11の結果よりも非常に優れた結果が得られている。そのため、カップリング剤としては、上記化学式(I)で表される化合物又はシランカップリング剤が好ましいことが分かる。
また、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いた実施例6、19〜24のうち、MがAlである実施例6、19〜21の結果は、MがTiである実施例22及び23、MがZrである実施例24のものよりもサイクル特性比容量、高温充電保存後の発生ガス量及び容量効率において優れている。そのため、カップリング剤として上記化学式(I)で表される化合物を用いる場合、MがAlの方が好ましいことが分かる。
さらに、MがAlである実施例6、19〜21の結果を対比すると、R1又はR2がアルコキシ基である実施例19、20及び6の結果は、R1及びR2が共にアルコキシ基ではない実施例21のものよりも僅かに特性が優れていることがわかる。
また、カップリング剤としてアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートをそれぞれ0.003〜7.00質量%まで変化させた実施例30〜36及び比較例6及び12の結果によれば、カップリング剤の添加量は0.003質量%の添加で、カップリング剤の無添加の場合(比較例1)の場合に比して充分に良好な結果が得られており、カップリング剤の添加量が多くなって7.00質量%(比較例12)となると初期容量が大きく低下してしまう。そのため、非水電解質中にニトリル基含有化合物が添加されている場合、カップリング剤としての上記化学式(I)で表される化合物ないしシランカップリング剤の添加量は正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下とすることが好ましいことが分かる。
[実施例37〜50及び比較例13〜31]
実施例37〜50及び比較例13〜31のの非水系二次電池としては、非水電解質中に添加するニトリル基含有化合物としてはアジポニトリルを用い、正極合剤層中に添加するカップリング剤としてはアルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネートを用いた。
そして、実施例37〜45及び比較例13〜26では、正極活物質としてLiCoOの平均粒径を3.3〜16.4μmまで、比表面積を0.11〜0.90m/gまで種々変化させて用い、かつ、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤の添加の有無の場合について測定したものである。また、実施例46〜50及び比較例27〜31は、LiCoO以外の各種の正極活物質について、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤の添加の有無の場合について測定したものである。
なお、実施例37〜50及び比較例13〜31では、ニトリル基含有化合物を非水電解質に添加する場合には1.00質量%となるように添加し、カップリング剤を添加する場合には0.20質量%となるように添加した。実施例37〜50及び比較例13〜31の測定結果を、実施例6、比較例1及び6の結果と共に、纏めて表3に示した。
Figure 2011138623
表3に示した結果から以下のことが分かる。すなわち、正極活物質としてLiCoOを用い、その平均粒径を3.3μm、比表面積を0.85m/gとした比較例13では、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤を添加しているが、高温充電保存後のガス発生量が極めて多く、容量効率も非常に小さくなっている。ただし、比較例13では初期容量及び低温充電特性は良好な結果が得られており、サイクル特性比容量及び作動電圧は実施例のものに比すると僅かに劣る結果となっている。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を3.5μm、比表面積を0.63m/gとした比較例14〜16では、ニトリル基含有化合物のみ添加(比較例15)及びニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加(比較例16)した場合、両者共に無添加(比較例14)の場合よりも、初期容量、高温充電保存時の発生ガス量及び容量効率ともに僅かに良好となるが、低温充電特性、サイクル特性及び作動電圧が大きく低下する。また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を5.2μm、比表面積を0.90m/gとした比較例17〜19では、ニトリル基含有化合物のみ添加(比較例18)及びニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加(比較例19)、両者共に無添加(比較例14)の場合ともに、高温充電保存時の発生ガス量が極めて多くなり、また、容量効率とも極めて悪化している。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を14.3μm、比表面積を0.11m/gとした比較例20〜22では、ニトリル基含有化合物のみ添加(比較例21)及びニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加(比較例22)した場合、両者共に無添加(比較例20)の場合よりも、初期容量、高温充電保存時の発生ガス量及び容量効率ともに僅かに良好となるが、低温充電特性、サイクル特性及び作動電圧が大きく低下する。なお、比較例21及び22においては、高温充電保存時の発生ガス量は非常に良好な結果が得られている。
また、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を16.4μm、比表面積を0.16m/gとした比較例23〜25では、ニトリル基含有化合物のみ添加(比較例24)及びニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加(比較例25)した場合、両者共に無添加(比較例23)の場合よりも、初期容量、高温充電保存時の発生ガス量及び容量効率ともに僅かに良好となるが、低温充電特性、サイクル特性及び作動電圧が大きく低下する。なお、比較例24及び25では、高温充電保存時の発生ガス量は非常に良好な結果が得られている。さらに、正極活物質としてLiCoOを用い、平均粒径を16.6μm、比表面積を0.12m/gとし、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加(比較例26)した場合では、比較例23の場合と比すると、初期容量、高温充電保存時の発生ガス量及び容量効率は良好な結果が得られ、低温充電保存特性及び作動電圧はほぼ同等との結果が得られているが、サイクル特性は僅かに劣る結果となっている。なお、比較例26では、高温充電保存時の発生ガス量は非常に良好な結果が得られている。
それに対し、正極活物質としてLiCoOを用い、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加しており、平均粒径を4.5μm〜15.5μm、比表面積を0.13〜0.80m/gとした実施例37〜45では、何れも初期容量が3601mAh以上、低温充電特性が87%以上、サイクル特性比容量が78%以上、作動電圧が3.63V以上、高温充電保存時の発生ガス量が6.3ml以下、容量効率が66%以上という優れた効果が得られている。
これらの各比較例の内、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に添加した比較例16、19、22、25及び26の結果を実施例37〜43の結果と対比すると、正極活物質がLiCoOの場合の結果であるが、以下のことが分かる。すなわち、正極活物質の平均粒径が4.5μm未満であると、比表面積が0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し、しかも、高温充電保存時のガス発生量が多くなる。また、正極活物質の平均粒径が15.5μmを超えると、正極活物質の平均粒径が15.5μm以下の場合よりも、比表面積が0.13〜0.80m/gの範囲内であっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し出す。
さらに、正極活物質の比表面積が0.13m/g未満であると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下する。また、正極活物質の比表面積が0.80m/gを超えると、正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μmであっても、サイクル特性比容量、作動電圧及び高温充電保存時の容量効率が低下し、しかも、高温充電保存時のガス発生量が多くなる。
したがって、本発明の非水系二次電池においては、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に含有されており、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μm、比表面積は0.13〜0.80m/gであることが好ましいことが分かる。
次に、実施例46〜50及び比較例27〜31の測定結果について検討する。実施例46〜50及び比較例27〜31は、正極活物質としてLi1/3Ni1/3Co1/3、LiMn、LiNiO、LiNi0.85Co0.15、及び、LiCo0.99Al0.01をそれぞれ用い、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に含有しない場合(比較例27〜31)及びニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に含有する場合(実施例46〜50)について測定した結果を示している。ただし、実施例46〜50及び比較例27〜31のいずれにおいても、正極活物質の平均粒径は4.5〜15.5μmの範囲内及び比表面積は0.13〜0.80m/gの範囲内とされている。
表3に示した結果によれば、正極活物質としてLi1/3Ni1/3Co1/3、LiMn、LiNiO、LiNi0.85Co0.15、及び、LiCo0.99Al0.01の何れを用いた場合であっても、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に含有する場合(実施例46〜50)は、ニトリル基含有化合物及びカップリング剤共に含有しない場合(比較例27〜31)に比して、初期容量は僅かに低下しているが、低温充電特性、サイクル特性比容量、作動電圧、高温充電保存後の発生ガス量及び容量効率共、良好な結果が得られている。そのため、正極活物質としてLiCoOを用いた場合の検討結果は、非水系二次電池で普通に採用されている正極活物質に対して均しく適用できることは明らかである。

Claims (4)

  1. リチウム複合酸化物を正極活物質とする正極合剤層が形成された正極極板と、負極極板と、セパレータと、非水電解質とを備える非水系二次電池において、
    前記非水電解質中にニトリル基含有化合物を前記非水電解質の総量に対して0.05質量%以上含有し、
    前記正極活物質の平均粒径が4.5〜15.5μm、比表面積が0.13〜0.80m/gであり、
    前記正極合剤層がシランカップリング剤もしくは下記一般式(I)で表されるカップリング剤の少なくとも1種を前記正極活物質の質量に対して0.003質量%以上5質量%以下含有していることを特徴とする非水系二次電池。
    Figure 2011138623
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
  2. 前記正極合剤層が下記一般式(I)で表されるカップリング剤を含有し、前記MがAlであることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
    Figure 2011138623
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
  3. 前記正極合剤層が下記一般式(I)で表されるカップリング剤を含有し、前記R1及びR2は、少なくとも一方がアルコキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池。
    Figure 2011138623
    (ただし、MはAl、Ti、Zrから選択される1種であり、R1及びR2は炭素原子数1〜18のアルキル基又はアルコキシ基であり、nは1〜4の整数を表す。)
  4. 前記ニトリル基含有化合物は、下記一般式(II)で表されるジニトリル化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池。
    NC−R−CN (II)
    (ただし、Rは炭素原子数2〜8のアルキル鎖を示す。)
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JP2017045673A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 株式会社Gsユアサ 非水電解質電池用正極及び非水電解質電池

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