JP2011137416A - 車両の制御システム、ウィリー判定方法及び出力抑制方法 - Google Patents

車両の制御システム、ウィリー判定方法及び出力抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウィリーが生じたときに実行される駆動出力の制御の信頼性を向上させることができる。
【解決手段】従動輪である前輪2と駆動輪である後輪3とを有する車両1の制御システム40が、車両1の運転状態に応じて駆動源12の駆動出力を制御する制御装置60と、前輪2の回転速度を検出する前輪速センサ55と、を備え、制御装置60が、前輪速センサ55により検出された値に基づいて、所定のウィリー開始条件が成立したか否かを判定するウィリー判定部64と、ウィリー判定部64によりウィリー開始条件が成立したと判定されると、駆動出力を抑制する出力制御部65と、を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、後輪駆動式の車両の制御システム、後輪駆動式の車両におけるウィリーを判定する方法及び車両の駆動源が発生する駆動出力を抑制する方法に関する。
例えば自動二輪車といった後輪駆動式の車両においては、駆動輪である後輪に伝達されるエンジンの出力が大きくなったときに、従動輪である前輪が路面から浮き上がる現象である、ウィリーを生じる場合がある。従来、ウィリーが生じているときに、ウィリーを速やかに終了させるべく、エンジンの出力を低下させる制御を実行する自動二輪車の制御システムがある(例えば、特許文献1参照)。
従来の制御システムは、加速度センサを備えている。ウィリーが生じると、前輪の浮き上がりにより車体が前後方向に傾くため、加速度センサにより検出される加速度の重力成分が通常の走行状態と比べて増加する。この現象を利用して、従来の制御システムは、加速度センサにより検出される加速度が所定値以上であるときに、ウィリーが生じていると判断する。ウィリーが生じていると判断している間には、加速度センサの出力に基づいてエンジンの出力を抑制し、加速度が所定値未満となるとウィリーが生じていないと判断する。
特開2002−70709号公報
走行中の車体には、エンジンの動作及び路面の凹凸に起因して振動が生じる。振動が生じると加速度センサの重力成分が変動する。また、路面の傾斜によっても加速度センサの重力成分は変動する。つまり、加速度センサの検出値には、振動及び路面の傾斜に起因するノイズが含まれる。
このため、制御システムは、このようにノイズを含んだ検出値に基づいて、ウィリーが生じているか否かを正確に判断することが困難となる。また、かかる検出値に基づいて、本来意図するようにエンジンの出力を適切に抑制することも困難となる。
そこで本発明は、ウィリーが生じたときに実行される駆動出力の制御の信頼性を向上させることを目的としている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る車両の制御システムは、従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両の制御システムであって、前記車両の運転状態に応じて駆動源が発生する駆動出力を制御する制御装置と、前記前輪の回転速度を検出する前輪速センサと、を備え、前記制御装置が、前記前輪速センサにより検出された値に基づいて、所定のウィリー開始条件が成立したか否かを判定するウィリー判定部と、前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定されると、前記駆動出力を抑制する出力制御部と、を有していることを特徴としている。
前記構成によれば、前輪の回転速度を検出する前輪速センサの検出値に基づいて、ウィリーの開始を判定する。このため、加速度センサを備えた制御システムと比べ、振動及び路面の傾斜に起因するノイズが検出値に表れにくく、ウィリーの開始の判定を正確に行える。
前記ウィリー開始条件は、前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量が所定値未満であるとの条件を含んでいてもよい。
前記構成によれば、ウィリーが開始すると前輪が慣性で略等速で回転するという現象を利用して、ウィリーの開始の判定を好適に行うことができる。
前記後輪の回転速度を検出する後輪速センサ、を備え、前記ウィリー開始条件は、前記後輪速センサにより検出された前記後輪の回転速度から前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を減算した値に相当する値が所定値以上であるとの条件を含んでいてもよい。
前記構成によれば、ウィリーの開始前は駆動出力が大きくなりがちであるためウィリーの開始後においても後輪の回転速度は上昇する傾向にある一方、前輪は慣性で略等速で回転する。よって、ウィリーの開始後は前後輪間の速度差が拡大するという現象を利用して、ウィリーの開始の判定を好適に行うことができる。
前記出力制御部は、前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量に応じて、前記駆動出力の抑制量を決定してもよい。
前記構成によれば、駆動出力の抑制量が従動輪の回転速度の変化量に基づいて決定される。このため、加速度センサの検出値を利用する場合と比べ、振動及び路面の傾斜に起因するノイズを排除した値を利用することができ、駆動出力の抑制量をより適切なものに決定することができる。
前記出力制御部は、前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定された時点又はその近傍の期間に前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量に応じて前記抑制量を決定してもよい。
前記構成によれば、ウィリー開始条件が成立した時点又はその近傍の期間の前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量を参照することにより、ウィリーの開始の要因の一つとなる大きな駆動出力がどの程度大きいものであったのかを把握することができる。よって、当該変化量に応じて駆動出力の抑制量を決定することにより、駆動出力を適切に抑制することができる。
前記出力制御部は、前記変化量の絶対値が大きくなるほど前記抑制量が大きくなるように、前記抑制量を決定してもよい。
前記構成によれば、ウィリーの開始時点の駆動出力が大きいときほど、抑制量が大きくなるため、駆動源が発生する駆動出力が大きいときであっても、ウィリーを速やかに終了させることができる。
前記出力制御部は、前記ウィリー開始条件が成立したと判断した時点またはその近傍の期間に、前記駆動出力を抑制してもよい。
ウィリーの開始直後においては、後輪に伝達される駆動出力が過大であると、車体が後輪の車軸を中心に後方に回転するようにして後傾する。前記構成によれば、このウィリーの開始直後の駆動出力を良好に抑制することができ、ウィリー開始直後の車体の後傾を良好に防ぐことができる。
前記ウィリー判定部は、前記ウィリー開始条件が成立したと判定した後に、前記前輪速センサにより検出された値に基づいて所定のウィリー終了条件が成立したか否かを判定し、前記出力制御部は、前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定されてから前記ウィリー終了条件が成立したと判定されるまでの間、前記駆動出力を抑制してもよい。
前記構成によれば、ウィリーが終了するまで駆動出力を抑制し続けるため、ウィリーが長引きそうなときでもできるだけ速やかにそのウィリーを終了させることができる。
また、本発明に係るウィリー判定方法は、従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両のウィリーを判定する方法であって、前記前輪の回転速度を検出する前輪速検出工程と、前記前輪速検出工程によって検出された前記前輪の回転速度の変化量を算出する変化量算出工程と、前記変化量算出行程によって算出された変化量に基づいて、ウィリーが開始したか否かを判定するウィリー判定工程と、を含むことを特徴としている。
前記方法によれば、前輪の回転速度を検出し、当該回転速度の変化量を算出し、算出された前輪の回転速度の変化量に基づいて、ウィリーの有無を判定する。このため、加速度センサの検出値を利用する場合と比べ、振動及び路面の傾斜に起因するノイズを排除した値を利用することができ、ウィリーの有無をより正確に判定することができる。
また、本発明に係る出力抑制方法は、従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両のウィリー時に駆動源の駆動出力を抑制する方法であって、前記前輪の回転速度を検出する前輪速検出工程と、前記前輪速検出工程によって検出された前記前輪の回転速度の変化量を算出する変化量算出工程と、前記変化量算出工程により算出された前記前輪の回転速度の変化量に基づいて、前記駆動出力の抑制状態を決定する抑制状態決定工程と、を含むことを特徴としている。
前記方法によれば、ウィリー時における駆動出力の抑制状態が、前輪の回転速度の変化量に基づいて決定される。このため、加速度センサの検出値を利用する場合と比べ、振動及び路面の傾斜に起因するノイズを排除した値を利用することができ、駆動出力の抑制状態をより適切なものに決定することができる。
以上の本発明によれば、ウィリーが生じたときに実行される駆動出力の制御の信頼性を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る制御システムを搭載した車両の一例として示す自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車に搭載される駆動系及び制御システムの構成を示す概念図である。 図2に示す制御システムの構成を示すブロック図である。 図3に示す変化量算出部により実行される前輪の回転速度の変化量を算出する処理の説明図であって、図4(a)が前輪の回転加速度を算出する処理を説明するためのグラフ、図4(b)が前輪の回転加加速度を算出する処理を説明するためのグラフである。 図3に示す電子制御ユニットにより実行される制御のメインの処理フローを示すフローチャートである。 図1に示す自動二輪車にウィリーが生じている期間前後における運転状態の経時変化の一例を示すタイミングチャートである。 図5に示すウィリー開始判定の処理フローを示すフローチャートである。 図5に示す出力抑制モードの処理フローを示すフローチャートである。 図8に示す出力抑制状態を決定する処理を説明するためのグラフである。 図8に示す処理フローを実行した場合における、駆動出力の経時変化の一例を示すグラフである。 出力抑制モードによる出力制御を実行する場合における、抑制量についての変形例を示すグラフである。 出力抑制モードによる出力制御を実行する場合における、抑制量の時間変動についての変形例を示すグラフである。 図5に示すウィリー終了判定の処理フローを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御ユニットの電子制御ユニットにより実行される制御のメインの処理フローを示すフローチャートである。 図14に示す復帰判定の処理フローを示すフローチャートである。 図14に示す処理フローを実行した場合における、モード及び抑制量の経時変化の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第3実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック図である。 図17に示す電子制御ユニットにより実行される制御のメインの処理フローを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明の実施形態に係る制御システムを搭載した車両として自動二輪車を例示し、方向の概念は自動二輪車に騎乗した運転者が見る方向を基準とする。
第1実施形態
[自動二輪車]
図1は、本発明の第1実施形態に係る制御システムを搭載した車両の一例として示す自動二輪車1の左側面図である。図1に示す自動二輪車1は、前方に従動輪である前輪2を有し、後方に駆動輪である後輪3を有している。前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク4の下端部に回転可能に支持され、フロントフォーク4の上端部は、ヘッドパイプ5に回転可能に支持されたステアリングシャフト(図示せず)に接続され、ステアリングシャフトの上端部は、左右一対のグリップを有したハンドル6と連結されている。
フロントフォーク4には伸縮可能なフロントサスペンション8が設けられている。路面から前輪2を介して車体側に荷重が作用すると、フロントサスペンション8が収縮してその荷重が緩衝される。
ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム9が後下方へ延び、メインフレーム9の後部には左右一対のピボットフレーム10が接続され、ピボットフレーム10には略前後方向に延びるスイングアーム11の前端部が枢支され、スイングアーム11の後端部には後輪3が回転可能に支持されている。
メインフレーム9及びピボットフレーム10には、自動二輪車1の駆動源として、ガソリンを燃料とするレシプロ型の4ストローク並列4気筒のエンジン12が設けられている。エンジン12にはスロットル装置13及びエアクリーナ14が接続され、外部の新気がエアクリーナ14及びスロットル装置13を介してエンジン12に取り入れられる。また、エンジン12の上方且つハンドル6の後方には、エンジン12に供給される燃料を溜める燃料タンク15が設けられている。エンジン12が発生する駆動出力は動力伝達経路30を介して後輪3に伝達され、これにより後輪3が回転駆動される。後輪3が路面上で回転すると、後輪3と共に接地している前輪2が路面上で回転し、自動二輪車1が路面上で推進する。
燃料タンク15の後方には運転者騎乗用のシート16が設けられている。運転者は、シート16に着座してハンドル6のグリップを把持して、自動二輪車1を操縦することができる。グリップを把持した運転者によりハンドル6が回動操作されると、ステアリングシャフトを回転軸として前輪2が転向する。右側のグリップはスロットルグリップ7(図2参照)であり、運転者はスロットルグリップ7を回転することでスロットル装置13を操作することができる。
[駆動系]
図2は、図1に示す自動二輪車1に搭載された駆動系及び制御システム40の構成を示す模式図である。図2に示すエンジン12は、4つの気筒20を有する。各気筒20では吸気、圧縮、燃焼及び排気の4行程からなる一連の動作を繰り返しながらピストン(図示せず)が往復動し、各ピストンの往復動がクランク軸21の回転運動に変換される。このように、エンジン12が発生する駆動出力はクランク軸21の回転となって出力される。
エンジン12に接続されたスロットル装置13は、内部に吸気通路を形成する吸気管22と、吸気通路を開度可変に開閉するメインスロットル弁23及びサブスロットル弁24と、サブスロットル弁24を駆動する弁アクチュエータ25とを備える。メインスロットル弁23の開度は、スロットルグリップ7とメインスロットル弁23の間を接続するワイヤ(図示せず)により、スロットルグリップ7の操作位置に応じて変更される。弁アクチュエータ25は例えば電気モータから成る。弁アクチュエータ25が動作することによりサブスロットル弁24の開度が変更される。開度が変更されることにより、なお、本実施形態では、スロットル装置13が機械駆動式のスロットル弁と電気駆動式のスロットル弁との2つの弁を備える場合を例示したが、これら2つの弁のうち1つのみを備えていてもよい。
エンジン12は、燃料を供給するための燃料供給装置26と、混合気を適宜タイミングで点火するための点火装置27とを、気筒20ごとに備えている。概してスロットル弁23,24の開度が大きく、燃料供給装置26より供給される燃料量が多く、混合気の点火タイミングが進角しているときほど、エンジン12が発生する駆動出力は大きくなる。
エンジン12が発生する駆動出力、すなわちクランク軸21の回転は、動力伝達経路30を介して後輪3に伝達される。本実施形態の動力伝達機構30は、減速機構31、クラッチ機構32、変速機入力軸33、変速機34、変速機出力軸35、及びチェーン伝動機構36から成る。クラッチ機構32が解放状態であるとき、及び変速機34が中立段を設定しているときには、動力伝達経路30が切断される。
[制御系]
図2に示すように、自動二輪車1の制御システム40は、運転状態に応じてエンジン12が発生する駆動出力を制御する電子制御ユニット60を備えている。電子制御ユニット60には、エンジン12が発生する駆動出力を制御するため、前述したスロットル装置13の弁アクチュエータ25、燃料供給装置26、及び点火装置27が接続されている。また、電子制御ユニット60には、自動二輪車1の運転状態を検知するための複数のセンサが接続されている。
図2は、これらセンサとして、スロットルグリップ7の操作位置(以下、グリップ位置)φを検出するグリップ位置センサ51、メインスロットル弁23の開度θmを検出するメインスロットル位置センサ52、サブスロットル弁24の開度θsを検出するサブスロットル位置センサ53、エンジン回転数Nを検出するエンジン回転数センサ54、前輪2の回転速度Vfを検出する前輪速センサ55、後輪3の回転速度Vrを検出する後輪速センサ56、及びフロントサスペンション8のストロークLを検出するストロークセンサ57を例示している。前輪速センサ55及び後輪速センサ56は、振動等の外力が車輪及び車体に作用しても、その検出信号にノイズが現れるおそれが低い。このような前輪速センサ55及び後輪速センサ56は例えば電磁ピックアップ式のセンサから成る。
なお、後輪速センサ56は、後輪3の回転速度Vrを直接的に検出するものに限られず、電子制御ユニット60が後輪3の回転速度Vrを演算で測定可能な回転速度を検出するものであればよい。すなわち、後輪速センサ56は、動力伝達経路30を成す部材のうち、動力伝達経路30を切断し得る機構のうち後輪3の直近に配置された機構(図示例では変速機34)から後輪3までを構成するいずれかの部材の回転速度を検出するセンサであってもよい。また、エンジン回転数に減速比を掛算することによって後輪3の回転速度Vrを演算してもよい。このように、後輪3の回転速度Vrを求めるには、駆動源から後輪までの回転動力伝達要素のいずれかの回転数を検出する任意のセンサを用いることができる。
図3は、図2に示す制御システム40の構成を示すブロック図である。図3に示す電子制御ユニット60は、センサ51〜57の検出値を入力する入力部61を有する。入力部61は、予め定められた微少のサンプリング周期(例えば5msec)毎に各センサ51〜57の検出値を入力する。入力された検出値は、速度差相当値算出部62、変化量算出部63、ウィリー判定部64、及び出力制御部65により実行される処理で用いられる。
速度差相当値算出部62は、後輪速センサ56の検出値Vrと前輪速センサ55の検出値Vfとに基づき、前後輪2,3間の速度差に相当する値である速度差相当値δを算出する。この速度差相当値δは、同時点に検出された後輪速センサ56の検出値Vrから前輪速センサ55の検出値Vfを減算することにより算出されてもよい(δ=Vr−Vf)。また、速度差相当値δは、当該減算値を後輪速センサ56の検出値Vrで除算することによって算出されてもよい(δ=(Vr−Vf)/Vr)。
変化量算出部63は、前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて、前輪2の回転速度Vfを時間で1回以上微分して得られる変化量を算出する。この変化量は、前輪2の回転速度Vfを時間で1回微分して得られる前輪2の回転加速度Afでもよいし、前輪2の回転速度Vfを時間で2回微分して得られる前輪2の回転加加速度Jfでもよい。
図4(a)及び図4(b)は、非ウィリー状態において加速時における図3に示す変化量算出部63により実行される前輪2の回転速度Vfの変化量を算出する処理を説明するためのグラフである。図4(a)の縦軸は前輪速センサ55の検出値Vf、図4(b)の縦軸は前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて得られる前輪2の回転加速度Afを示す。
ある時点tnにおける回転加速度Af_nは、前輪2の回転速度の差分ΔVf_nを上記サンプリング周期Δtで除算することにより算出される(A_n=ΔVf_n/Δt)。回転速度の差分ΔVf_nは、当該時点tnで入力された前輪速センサ55の検出値Vf_nから、当該時点tnの1周期前の時点tn−1に入力された前輪速センサ55の検出値Vf_n−1を減算することにより算出される(ΔVf_n=Vf_n−Vf_n−1)。このように回転加速度Af_nは、前輪速センサ55の2つの検出値Vf_n,Vf_n−1に基づいて得られる(Af_n=(Vf_n−Vf_n−1)/Δt)。
ある時点tnにおける回転加加速度Jf_nは、前輪2の回転加速度の差分ΔAf_nを上記サンプリング周期Δtで除算することにより算出される(Jf_n=ΔAf_n/Δt)。回転加速度の差分ΔAf_nは、当該時点tnに算出された回転加速度Af_nから、当該時点tnの1周期前の時点tn−1に算出された回転加速度Af_n−1を減算することにより算出される(ΔAf_n=Af_n−Af_n−1)。このように回転加加速度Jf_nは、前輪速センサ55の3つの検出値Vf_n,Vf_n−1,Vf_n−2に基づいて得られる(Jf_n=(Af_n−Af_n−1)/Δt={(Vf_n−Vf_n−1)−(Vf_n−1−Vf_n−2)}/Δt2)。
図3に戻り、ウィリー判定部64は、前輪速センサ55及び後輪速センサ56の検出値Vf,VRに基づいて速度差相当値算出部62及び変化量算出部63により算出された値に応じて、所定のウィリー開始条件が成立したか否かを判定する。
出力制御部65は、スロットル装置13の弁アクチュエータ25、燃料供給装置26及び点火装置27を制御し、これら装置の制御を通じてエンジン12が発生する駆動出力が制御される。出力制御部65は、ウィリー判定部64によりウィリー開始条件が成立したと判定されると、エンジン12により発生される駆動出力を抑制する。以下、このウィリーに応じて実行される駆動出力の制御について説明する。なお、図1乃至図3に示した構成については、適宜対応する図面に示した参照符号を付している。
[メインフロー]
図5は、図3に示す電子制御ユニット60により実行される制御のメインのフローを示すフローチャートである。図5に示すフローは、自動二輪車1の走行中に前記サンプリング周期(例えば5msec)毎に繰り返し実行される。
まず、以前の判定結果に基づいてフラグ値が0であるか否か(すなわちウィリー状態であるか否か)を判断する(S1)。フラグ値が0であれば(すなわち非ウィリー状態でああれば)(S1:Y)、ウィリー判定部64が、所定のウィリー開始条件が成立したか否かの判定(以下、「ウィリー開始判定」)を実行する(S2)。ウィリー開始判定の結果、ウィリー開始条件が非成立であるときには(S3:N)、フラグ値が0のままとなり(S4)、出力制御部65が通常モードにより駆動出力を制御し(S5)、今回の処理フローが終了する。
通常モード(S5)において、出力制御部65は、記憶部66に記憶される開度マップを参照し、入力部61に入力されたグリップ位置センサ51の検出値φに応じてサブスロットル弁24の目標開度を決定し、サブスロットル弁24の実開度θsを該目標開度にするために必要な弁アクチュエータ25の動作量を決定し、該動作量だけ動作させるよう弁アクチュエータ25を制御する。
出力制御部65は、記憶部66に記憶される燃料量マップを参照し、入力部61に入力されたグリップ位置センサ51及びエンジン回転数センサ54の検出値φ,N等に応じて目標燃料量を決定し、該目標燃料量の燃料が各気筒20に適宜タイミングで供給されるよう各燃料供給装置26を制御する。また、出力制御部65は、記憶部66に記憶されるタイミングマップを参照し、入力部61に入力されたグリップ位置センサ51及びエンジン回転数センサ54の検出値φ,N等に応じて目標タイミングを決定し、該目標タイミングで混合気が点火されるよう各点火装置27を制御する。
出力制御部65は、記憶部66に記憶される複数の点火パターンから一つを選択し、選択した点火パターンに従って混合気を点火燃焼するよう各点火装置27を制御する。この点火パターンによって、クランク軸21が所定のクランク角だけ回転する間における点火燃焼の対象気筒と失火の対象気筒とが定められ、これにより点火頻度が決定される。例えば点火頻度が80%の点火パターンを参照した場合、クランク軸21が900度回転する間に本来実行されるべき混合気の点火燃焼は5回であるところ、4回の点火燃焼と1回の失火とが行われる。通常モード(S5)では、点火頻度が100%の点火パターンを参照し、失火させないようにしている。
このようにウィリー開始条件が非成立であると判定されて処理フローが終了すると、フラグ値が0の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS2,S3へと進む。
ウィリー開始条件が成立したときには(S3:Y)、フラグ値が1となり(S6)、出力制御部65が出力抑制モードにより駆動出力を抑制する制御を実行し(S7)、今回の処理フローが終了する。後述するように、出力抑制モードにより駆動出力を制御しているときには、通常モードによる制御時と比べ、駆動出力が低下する。ウィリー判定後の出力低下方法としては、スロットル開度を減少させるほか、点火遅角、点火休筒、燃料噴射量減少など、既知のエンジン制御技術を用いることができる。
ウィリー開始条件が成立して処理フローが終了すると、フラグ値が1の状態で次回の処理フローが開始する。よって、ステップS1で否と判定され(S1:N)、ウィリー判定部64が、所定のウィリー終了条件が成立したか否かの判定(以下、「ウィリー終了判定」)を実行する(S8)。
ウィリー終了判定(S8)の結果、ウィリー終了条件が非成立であるときには(S9:N)、フラグ値が1のままとなり(S6)、出力制御部65が、出力抑制モードにより駆動出力を制御する状態を継続し(S7)、今回の処理フローが終了する。ウィリー終了条件が非成立であると判定されて処理が終了すると、フラグ値が1の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS8,S9へ進む。
ウィリー終了条件が成立したときには(S9:Y)、フラグ値が0となり(S4)、出力制御部65が通常モードにより駆動出力を制御する状態に復帰し(S5)、今回の処理フローが終了する。ウィリー終了条件が成立したと判定されて処理が終了すると、フラグ値が0の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS2,S3へと進む。
自動二輪車1の走行中に後輪3に伝達される駆動出力が大きくなると、ウィリーが生じる可能性が高くなる。走行中に上記処理フローが繰り返し実行されることにより、ウィリーが開始したか否かが逐次判定され、且つウィリーが開始したと判定されると駆動出力が即座に抑制される。これにより、ウィリーが開始した後に、車両全体が後輪3を支点として後傾するのを良好に防ぐことができ、前輪2を速やかに接地させることができる。
以下、ウィリー開始判定(S2)、出力抑制モード(S7)及びウィリー終了判定(S8)について詳細に説明する。
[ウィリー開始判定]
図6は、ウィリーが生じている期間前後における運転状態の経時変化の一例を示すタイミングチャートである。図6の縦軸には上側から順に、前後輪2,3の各回転速度Vf,Vr、前後輪2,3間の速度差相当値δ、前輪2の回転加速度Af、前輪2の回転加加速度Jfをそれぞれ示している。横軸は時間tを示し、時点tSでウィリーが開始し、時点tEでウィリーが終了したものとする。図6を参照してウィリーの開始前後の自動二輪車1の挙動について説明する。なお、ここでは、前後輪2,3の間に径差がないものとする。径差が存在する場合には、径差を考慮した補正値が設定されることで、径差がない場合と同様に対応することができる。
ウィリーの開始前においては、前後輪2,3がともに接地しているため、前後輪2,3間の速度差相当値δは略0となる。また、ウィリーの開始前には、後輪3に伝達される駆動出力が大きくなっている可能性が高く、前後輪2,3の回転速度Vf,Vrはともに上昇している。よって、前輪2の回転加速度Afは後輪3の回転加速度とともに正の値をとる(図4参照)。
この状況下でウィリーが開始すると、後輪3の回転速度Vrは上昇し続ける。他方、前輪2は路面から浮いているため、前輪2の回転速度Vfは、慣性によって略等速で回転し始める。厳密には、空気抵抗や前輪2の慣性モーメントの影響を受けて回転速度Vfは緩やかに低下していく。したがって、ウィリーの開始後は、前後輪2,3間の速度差相当値δが拡大していく。また、前輪2の回転加速度Afは、ウィリーの開始時点tSを跨いだごく短期間のうちに正の値から0付近へ急低下し、低下後に0付近で安定的に推移する。本実施形態のウィリー開始条件は、このウィリーの開始前後における前後輪2,3間の速度差相当値δ及び前輪2の回転加速度Afの推移に着目して設定されている。
図7は、図5に示すウィリー開始判定(S2)の処理フローを示すフローチャートである。まず、速度差相当値算出部62が、前輪速センサ55及び後輪速センサ56の各検出値Vf,Vrに基づいて前後輪2,3間の速度差相当値δを算出し(S21)、変化量算出部63が、前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて前輪2の回転加速度Afを算出する(S22)。
次に、ウィリー判定部64は、算出された速度差相当値δ(例えばVr−Vf)が、記憶部66に予め記憶されている所定値δTh以上であるか否かを判定する(S23)。速度差相当値δが所定値δTh未満であれば(S23:N)、ウィリー判定部64により、ウィリー開始条件が非成立であると判定され(S26)、メインの処理フローにリターンする。
速度差相当値δが所定値δTh以上であれば(S23:Y)、ウィリー判定部64は、算出された前輪2の回転加速度Afが、記憶部66に予め記憶されている所定値ATh未満であるか否かを判定する(S24)。この所定値AThは、0付近の値、より好ましくは0付近の正の値(例えば0.5m/sec2)に設定されている。
回転加速度Afが所定値ATh未満であれば(S24:Y)、ウィリー判定部64によりウィリー開始条件が成立したと判定され(S25)、メインの処理フローにリターンする。回転加速度Afが所定値ATh以上であれば(S24:N)、ウィリー判定部64によりウィリー開始条件が非成立であると判定され(ステップS26)、メインの処理フローにリターンする。なお、本実施例では、所定値AThが正の値に設定される。
この処理フローによると、ウィリー開始条件に、前輪の回転加速度Afが所定値ATh未満であるとの条件、及び前後輪2,3間の速度差相当値δが所定値δTh以上であるとの条件の2つの条件が含まれる。ウィリー判定部64は、これら2つの条件が両方とも満たしているときに、ウィリー開始条件が成立したと判定する。図6に示すようにウィリーの開始前後では速度差相当値δが増加し且つ前輪2の回転加速度Afが急低下するため、上記2つの条件を含むウィリー開始条件が成立したか否かに基づき、ウィリーが開始したか否かを好適に判定することができる。特に、所定値AThを0付近の正の値としたことにより、ウィリーの開始により慣性で略等速で回転する直前の回転加速度Afが推移しても、その直前においてウィリーが開始したと好適に判定することができる。
なお、速度差相当値δが所定値δTh以上となる他の運転状態として、例えば後輪3がスリップしている状態を挙げることができる。また、前輪2の回転加速度Afが所定値ATh未満の値をとる他の運転状態として、例えば自動二輪車1が定速走行又は減速走行している状態を挙げることができる。上記2つの条件を両方とも満たしたときにウィリー開始条件が成立したと判定することにより、ウィリーの開始と、これら他の運転状態とを良好に峻別可能となる。
また、前輪2の回転加速度Afは、前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて得られ、前後輪2,3間の速度差相当値δは、前輪速センサ55及び後輪速センサ56の各検出値Vf,Vrに基づいて得られる。前輪速センサ55及び後輪速センサ56の各検出値Vf,Vrは、加速度センサと比べて振動等に起因したノイズが現れにくく、実際の運転状態を良く反映した値となる。このため、これら検出値Vf,Vrに基づいて得られた値δ,Afも、実際の運転状態を良く反映したものとなる。かかる値δ,Afを用いることにより、ウィリーが開始したか否かを、実際の運転状態に即して好適に判定することができる。また、前輪速センサ55及び後輪速センサ56自体は、例えば電磁ピックアップ式といった従前汎用されているセンサを適用可能であることから、ウィリーの開始を正確に判定可能な制御システムを安価で提供することができる。なお、他の実施例として速度差相当値δと、前輪2の回転加速度Afとのいずれか一方を用いてウィリーの開始を判定してもよい。
図6に戻り、ウィリーの開始前後の短期間において、前輪2の回転加速度Afは増加傾向から減少傾向に転じ、その後0付近で安定的に推移する。このとき、前輪2の回転加加速度Jfは、回転加速度Afが0付近まで急低下して0付近で安定し始める間に、負の値に急低下して再び0付近まで急上昇する。このように前輪2の回転加加速度Jfは、ウィリーの開始前後の短期間で急低下及び急上昇する。
よって、ウィリー開始条件は、この前輪2の回転加加速度Jfの推移に着目して設定されてもよい。つまり、ウィリー開始条件に、前輪2の回転加加速度Jfが所定値JTh1未満であるとの条件が含まれていてもよい。このとき、所定値JTh1を0付近の正の値に設定することができる。また、この所定値JTH1だけでなく、0付近の負の値JTH2も用いてウィリーの開始を判定してもよい。なお、前輪2の回転加加速度Jfを急変させる他の運転状態として、クラッチ操作が良好でない状態を挙げることができる。このため、ウィリー開始条件に前輪2の回転加加速度Jfに係る条件を含めるときには、前述した速度差相当値δに係る条件を併せて含めておき、当該2つの条件の両方を満たしたときにウィリー開始条件が成立したと判定してもよい。これにより、ウィリーの開始と、他の運転状態とを良好に峻別可能となる。前輪2の回転加加速度Jfも、回転加速度Afと同様にして、前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて得られる値であり、実際の運転状態を良く反映したものとなる。このため、ウィリー開始条件が成立したか否かを、実際の運転状態に即して正確に判定することができる。
更に、ウィリーが開始すると、前輪2の回転加速度Afが急低下する一方、後輪3の回転速度Vrは、後述する出力抑制モードによる出力抑制が開始されるまでの期間内においては、ウィリーの開始前後でその傾向に大きな変化がなく、後輪3の回転加速度は正の値を維持する。よって、ウィリーが開始すると、速度差相当値δだけでなく、前後輪2,3間の加速度差が拡大する。この現象に着目し、ウィリー開始条件には、前後輪2,3間の加速度差が所定値以上であるとの条件が含まれていてもよい。この場合、後輪3の回転加速度は、前輪2と同様にして、後輪速センサ56の検出値Vrを時間で1回微分することにより算出され得る。
また、ウィリーの開始前には、前輪2が接地しているため、フロントサスペンション8が車重に基づく路面からの反力の作用で収縮し、フロントサスペンション8のストロークLは最大ストロークよりも短くなる。他方、ウィリーの開始後においては、前輪2が路面から浮くことによりフロントサスペンション8が無負荷となり、フロントサスペンション8のストロークLが最大ストロークとなる。このため、ウィリー開始条件に、ストロークセンサ57の検出値Lが所定値以上であるとの条件が含まれていてもよい。但し、このストロークLは路面の凹凸に応じて走行中に変化し得る。よって、ウィリー開始条件にストロークLに係る条件を含めるときには、前述した速度差相当値δに係る条件も併せて含めておき、当該2つの条件を両方とも満たしたときにウィリー開始条件が成立したと判定してもよい。これにより、ウィリーの開始と、凹凸のある路面を走行している状態とを良好に峻別可能となる。
以上、ウィリー開始条件に含み得る複数の条件を例示したが、ウィリー開始条件はこれら条件のうち少なくとも1つを含んでいればよい。2以上の条件を含む場合は、当該2以上の条件のうち少なくとも1つを満たしたときにウィリー開始条件が成立したと判定してもよい。
[出力抑制モード]
図8は、図5に示す出力抑制モード(S7)の処理フローを示すフローチャートである。図8に示すように、まず、出力制御部65は、ウィリーの開始時点であるか否かを判断する(S71)。つまり、今回の処理フローの実行時においてウィリー開始条件が成立したと判定されたのか、前回以前の処理フローの実行時においてウィリー開始条件が成立したと判定されたのかを判断する。この場合、今回の処理フローの実行時においてウィリー開始条件が成立したと判定されたことを、ウィリーの開始時点であるとしている。
ウィリーの開始時点であるときには(S71:Y)、ウィリーが開始した時点又はその付近における前輪2の回転加速度Af_Sを導出する(S72)。この回転加速度Af_Sを説明便宜のため「開始時加速度」という。ウィリーが開始することにより、前述したように前輪2の回転加速度Afは増加傾向から減少傾向に転じるが、開始時加速度Af_Sはこの減少傾向に転じた時点付近の回転加速度である。このステップS72の処理においては、本処理を実行している時点から予め定められた短い時間だけ遡った時点に算出した回転加速度Afを開始時加速度Af_Sとして導出してもよいし、回転加加速度Jfが0となった時点又はその直前時点に対応する回転加速度Afを開始時加速度Af_Sとして導出してもよい。開始時加速度Af_Sは、ウィリーの開始要因の一つである大きな駆動出力がどの程度大きかったのかを示す値となり、開始時加速度Af_Sが大きいときほど、ウィリーの開始時点でエンジン12により発生されていた駆動出力が大きいとわかる。
次に、出力制御部65は、開始時加速度Af_Sに応じて抑制状態を決定する(S73)。「抑制状態」は、通常モードによる制御時に発生されるべき駆動出力に対する抑制量、出力抑制を実際に開始する時点、出力抑制を終了する時点、及び抑制傾向(抑制量の時間変動)を含む概念である。
本実施形態では、出力抑制の開始時点が、ウィリー開始条件が成立したと判定されて通常モードから出力抑制モードに移行した時点となっている。これにより、エンジン12が発生する駆動出力をなるべく速やかに抑制することができるため、ウィリーを速やかに終了させることができる。また、出力抑制の終了時点が、ウィリー終了条件が成立した判定された時点となっている(図5参照)。抑制量の時間変動はないものとしている(図8参照)。
図9は、抑制量ΔPhと開始時加速度Af_Sとの関係を示すグラフである。図9に示すように、出力制御部65は、開始時加速度Af_Sが大きいときほど抑制量ΔPhが大きくなるようにして抑制量ΔPhを決定する。このように抑制量ΔPhを決定すると、ウィリーの開始時点でエンジン12により発生されていた駆動出力が大きいときほど、駆動出力が大きく抑制される。これにより、ウィリーにより車体が後傾するおそれが高い状況においても、これを効果的に防ぐことができ、ウィリーを速やかに終了させることができる。
抑制量ΔPhは、通常モードにおいて決定されるべき目標開度、目標燃料量、目標点火タイミング及び/又は点火頻度を開始時加速度Af_Sに応じて補正する場合における補正量とすることができる。この補正量を加味して弁アクチュエータ、燃料供給装置及び点火装置を制御すると、エンジン12が発生する駆動出力を、通常モードにおいて発生されるべき駆動出力に対し、開始時加速度Af_Sに応じた抑制量ΔPhだけ抑制することができる。
例えば目標開度に関しては、通常モードと同様にして目標開度を求め、求めた目標開度に1未満の開度係数Kθを掛算することにより目標開度が小さくなるよう補正される。また、目標燃料量に1未満の燃料量係数KFを掛算することによって目標燃料量が少なくなるよう補正され、目標点火タイミングにタイミング係数Kignを掛算することにより目標タイミングが遅角するよう補正される。
補正量を決める各係数Kθ,KF,Kign及び点火頻度fignは、開始時加速度Af_Sが大きくなるほど、小さくなるように設定されてもよい。本実施形態のようにスロットル装置13、燃料供給装置26及び点火装置27を複合的に制御する場合、結果として抑制量ΔPhを開始時加速度Af_Sに応じて異らせることができればよい。よって、これら各補正量のうち一つが開始時加速度Af_Sの変化に関わらず一定で推移してもよく(図9中Kθ,KF参照)、開始時加速度Af_Sの上昇に伴って増減を繰り返すよう推移してもよく(図9中Kign参照)、開始時加速度Af_Sの上昇に伴って段階的に小さくなるよう推移してもよい(図9中fign参照)。
図8に戻り、出力制御部65は、このようにして決定される抑制量ΔPh(すなわち、係数Kθ,KF,Kign及び点火頻度fign)に応じてスロットル装置13、燃料供給装置26及び点火装置27を制御し(S74)、これにより駆動出力が抑制される。
ステップS74が処理されると、メインの処理フローにリターンして今回の処理フローが終了する。次回の処理フローの実行時において、ウィリー終了条件が非成立であると判定されたときには、出力抑制モード(S7)による駆動出力の制御が継続され、ステップS71に進む。この場合、前回以前の処理フローの実行時にウィリー開始条件が成立したと判定されているため、ステップS71ではウィリー開始時点でないと判断される。このとき(S71:N)、出力制御部65は、ステップS72をジャンプし、上記開始時加速度Af_Sに応じて出力抑制状態が決定される(S73)。そして、決定された出力抑制状態に応じてスロットル装置13、燃料供給装置26及び点火装置27を制御する(S74)。
図10は、ウィリーが生じている期間前後におけるエンジン12により発生される駆動出力の経時変化の一例を示すタイミングチャートである。図10の点線を参照すると、本実施形態では、出力抑制モードによる制御を継続している間、開始時加速度Af_Sに応じて決定された抑制量ΔPhが維持される。ここで、ウィリーが開始すると、前輪2の回転加速度Afは0付近で安定的に推移する。よって、出力抑制モードによる制御を継続している間に逐次算出される前輪の回転加速度Afに応じて抑制量ΔPhを逐次決定するとした場合には、ウィリーの開始直前にエンジン12が発生していた駆動出力の大小に関わらず、その抑制量ΔPhが即座に小さい値で安定的に推移することとなる。本実施形態では、開始時加速度Af_Sに応じて決定した抑制量ΔPhを維持するため、ウィリーが生じている間の前輪2の回転加速度Afの推移に関わらず、ウィリーの開始直前にエンジン12が発生していた駆動出力Phの大小に応じて、駆動出力Phを抑制し続けることができる。これにより、ウィリーの開始直前にエンジン12が発生していた駆動出力が大きかったときにおいても、ウィリーが生じている間に抑制量ΔPhが低下せず、ウィリーを速やかに終了させることができる。
図11は、抑制量ΔPhと開始時加速度Af_Sとの関係についての変形例を示すグラフである。図11に示すように、抑制量ΔPhは、開始時加速度Af_Sに対して線形に変化してもよく(実線参照)、非線形に変化してもよい。非線形に変化する場合、抑制量ΔPhは、開始時加速度Af_Sが増加するに伴って、段階的に増加するよう推移してもよく(点線参照)、増加率が大きくなるようにして推移してもよく(一点鎖線参照)、増加率が小さくなるようにして推移してもよい(二点鎖線参照)。
図12は、抑制量ΔPhの時間変動についての変形例を示すグラフであり、図12の点線は、図8に示す処理フローに沿って駆動出力を制御した場合におけるエンジン12が発生する駆動出力Phの傾向(傾向I)を示している。傾向Iにおいては、前述したとおり出力抑制の開始時点から終了時点まで抑制量ΔPhIが一定である。
図12に一点鎖線で示すように、出力抑制の開始時点から所定時間が経過する時点tintIIまでの抑制量ΔPhII1が、当該時点tintII以降の抑制量ΔPhII2よりも小さくなるような傾向(傾向II)であってもよい。傾向IIにおいては、出力抑制の開始時点での抑制量ΔPhII1が相対的に大きくなる。このように出力抑制の開始時点の抑制量ΔPhII1が大きくなることにより、ウィリーの開始直後の車体の後傾を良好に防ぐことができる。
逆に、図12に二点鎖線で示すように、出力抑制の開始時点から所定時間が経過する時点tintIIIまでの抑制量ΔPhIII1が、当該時点tintIII以降の抑制量ΔPhIII2よりも大きくなる傾向(傾向III)であってもよい。傾向IIIにおいては、時間が経つと抑制量ΔPhIII2が大きくなるため、ウィリーがなかなか終了しないような場合であっても、ウィリーをなるべく速やかに終了させることができる。
傾向II,IIIにおいては抑制量が段階的に変化しているが、図12に破線で示すように抑制量ΔPhIVが連続的に逐次変化する傾向(傾向IV)であってもよい。この傾向IVにおいては、図示するように時間経過に伴って抑制量ΔPhIVが増加してもよいし、逆に抑制量ΔPhIVが減少してもよい。これにより、ウィリーが生じているときの出力変動に起因するショックが車体に伝わりにくくなる。
[ウィリー終了判定]
図6に戻り、ウィリーの終了前後の自動二輪車1の挙動について説明する。ウィリーが生じている間には、前後輪2,3間の速度差相当値δが大きくなり、前輪2の回転加速度Afが0付近で安定的に推移する。
この状況下でウィリーが終了して前輪2が接地すると、前輪2の回転速度Vfが後輪3の回転速度Vrとの速度差相当値δを即座に埋めるようにして変化し、その後後輪3の回転速度Vrに追従する。よって、前輪2の回転加速度Afもこの変化に応じて0付近の値から後輪3の回転加速度と略等しい値となるまで変化する。
ここで、ウィリーが生じている間には、前述した出力抑制モードによる出力制御によって駆動出力が抑制されるため、ウィリー終了時点での速度差相当値δは完全に0とならないとしても、その拡大は抑制されることとなる。よって、ウィリーの終了後における前輪2の回転速度Vfの変化も抑制され、回転加速度Afの変化も急激とならない場合もあり得る。しかし、前輪2の回転加加速度Jfは、回転加速度Afに変化が見られると、これに敏感に反応して変化する。この前輪2の回転加加速度Jfの変化は、前輪2の回転速度Vfが後輪3の回転速度Vrとの速度差相当値δを埋めるまでのごく短期間に現れる。本実施形態のウィリー終了条件は、このウィリーの終了前後における前輪の回転加加速度Jfの推移に着目して設定されている。
図13は、図5に示すウィリー終了判定(S8)の処理フローを示すフローチャートである。まず、変化量算出部63が、前輪速センサ55の検出値Vrに基づいて、前輪2の回転加加速度Jfを算出する(S81)。
次に、ウィリー判定部64は、算出された前輪2の回転加加速度Jfが、記憶部66に予め記憶されている所定値JTh1以上であるか否かを判断する(S82)。この所定値JTh1は0付近の値であり、より好ましくは0付近の正の値である。
回転加加速度Jfが所定値JTh1以上であれば(S82:Y)、ウィリー判定部64によりウィリー終了条件が成立したと判定され(S83)、メインの処理フローにリターンする。回転加加速度Jfが所定値JTh1未満であれば(S82:N)、ウィリー判定部64によりウィリー終了条件が非成立であると判定され(S84)、メインの処理フローにリターンする。
この処理フローによると、ウィリー終了条件に、前輪2の回転加加速度Jfが所定値JTh1以上であるの条件が含まれ、当該条件を満たしたときにウィリー判定部64はウィリー終了条件が成立したと判定する。後輪3の回転速度Vrの上昇はウィリーが生じている間に抑制されるものの、ウィリーの終了時点では後輪の回転速度Vrが前輪2の回転速度Vfを上回っている可能性が高い。よって、当該条件を含むウィリー終了条件が成立したか否かに基づいて、ウィリーが終了したか否かを好適に判定可能となる。また、前輪2の回転加加速度Jfは前輪速センサ55の検出値Vfに基づいて算出されるため、ウィリー開始判定と同様、ウィリーの終了を実際の運転状態に即して正確に判定することができる。
なお、ウィリー終了条件に、前輪2の回転加加速度Jfが前述した0付近の正の値である所定値JTh1以上であるとの条件と、0付近の負の値である所定値JTh2未満であるとの条件とを含め、これら2つの条件のうちいずれかを満たしたときにウィリー終了条件が成立したと判定してもよい。言い換えれば、前輪2の回転加加速度Jfが0付近の正の値である所定値JTh1と0付近の負の値である所定値JTh2との間の範囲(図6参照)を逸脱したときに、ウィリー終了条件が成立したと判定してもよい。これにより、ウィリーが生じている間に運転者によって制動操作がなされたり、出力抑制モードによる駆動出力の制御により駆動出力が効果的に抑制されるなどして、ウィリーの終了時点での後輪3の回転速度Vrが、略等速で回転していた前輪2の回転速度Vfを下回るようなときにおいても、ウィリーの終了を好適に判定可能となる。
第2実施形態
図14は、本発明の第2実施形態に係る制御システムの電子制御ユニットにより実行されるメインの処理フローを示すフローチャートである。図14に示す処理フローは、図5に示したものに対し、ステップS9とステップS6との間にステップS10〜S12を追加した点、及びフラグ値を追加した点(S10,S13参照)で相違している。ステップS1からステップS3に進む場合(S1:Y)については、図5に示すものと同様であり、説明を省略する。また、ステップS2,S5,S7,S8の処理も、特に説明しない限り上記実施形態と同一である。図1乃至図3に示した構成も同一であり、これら各構成には適宜対応する参照符号を付している。
図14に示すように、ステップS1でフラグ値が0でない(すなわち1又は2である)と判断されると(S1:N)、ウィリー判定部64がウィリー終了判定を実行し(S8)、その結果ウィリー終了条件が成立したときには(S9:Y)、フラグ値が0となり(S4)、出力制御部65が通常モードにより駆動出力を制御する状態に復帰し(S5)、今回の処理フローが終了する。ウィリー終了条件が成立したと判定されて処理が終了すると、フラグ値が0の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS2,S3に進む。
ウィリー終了条件が非成立であるときには(S9:N)、フラグ値が2であるか否かが判断される(S10)。
フラグ値が2でない(すなわち1である)と判断されると(S10:N)、ウィリー判定部64は所定の復帰条件がしたか否かの判定(以下、「復帰判定」)を実行し(S12)、その結果復帰条件が非成立であるときには(S12:N)、フラグ値が1のままとなり(S6)、出力抑制モードによる駆動出力の制御が継続され(S7)、今回の処理フローが終了する。ウィリー終了条件及び復帰条件がともに非成立であると判定されて処理フローが終了した場合は、フラグ値が1の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS8,S9へと進む。当該処理フローの実行時においてもウィリー終了条件が非成立であると判定されると(S9:N)、ステップS10からステップS11,S12へと進む。
復帰条件が成立したときには(S12:Y)、フラグ値が2となり(S13)、出力制御部65が通常モードにより駆動出力を制御する状態に復帰し(S5)、今回の処理フローが終了する。ウィリー終了条件が非成立であり復帰条件が成立したと判定されて処理が終了すると、フラグ値が2の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS8,S9へと進む。
当該処理フローの実行時においてもウィリー終了条件が非成立であると判定されると(S9:N)、ステップS10において真と判断され(S10:Y)、通常モードにより駆動出力を制御する状態が継続される(S5)。このようにして処理フローが終了した場合も、フラグ値が2の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS8,S9へと進む。
図15は、図14に示す復帰判定の処理フローを示すフローチャートである。まず、ウィリー判定部64により復帰時間TRが読み出される(S111)。この復帰時間TRは、記憶部66に予め定められた一定値であってもよい。また、図9に示した抑制状態を決定する処理(S73)において、前輪2の回転加速度Afに応じて決定される値であってもよい。この場合、回転加速度Afが大きいときほど復帰時間TRを長くするようにしてもよい。
次に、ウィリー判定部64が、読み出された復帰時間TRが経過したか否かが判断する(ステップS112)。復帰時間TRが経過していれば(S112:Y)、ウィリー判定部64は、復帰条件が成立したと判定し(S114)、メインの処理フローにリターンする。復帰時間TRが経過していなければ(S112:N)、ウィリー判定部64は、グリップ位置φが所定値φTh未満であるか否かを判断する(S113)。この所定値φThは全閉位置付近に設定される。グリップ位置φが所定値φTh未満であれば(S113:Y)、ウィリー判定部64は復帰条件が成立したと判定し(S114)、メインの処理フローにリターンする。グリップ位置φが所定値φTh以上であれば(S113:N)、ウィリー判定部64は復帰条件が非成立であると判定し、メインの処理フローにリターンする。
このように復帰条件には、ウィリーの開始時点から復帰時間TRが経過したとの条件と、グリップ位置φが全閉位置付近の所定値φTh未満であるとの条件とが含まれている。グリップ位置φが全閉位置付近の所定値φTh未満であると、運転者による出力低下の要求に応じてメインスロットル弁23の開度も全閉付近の小さい値となる。開度はエンジン12の駆動出力の増減に大きい影響を与えるため、開度が全閉付近の小さい値となっていると駆動出力自体が大きく低下している。このような場合にエンジン12の駆動出力の抑制が終了して通常モードにより駆動出力を制御する状態に復帰するため、ウィリーが生じている間の車体の操縦性を確保することができる。
図16は、図14に示す処理フローが実行された場合における、ウィリーの開始から終了までのタイミングチャートである。図16に示すように、ウィリー開始条件が成立して通常モードから出力抑制モードに移行した後には、ウィリー終了条件が非成立であってもウィリーの開始時点から復帰時間TRが経過すると、復帰条件が成立したと判定され、それ以降は通常モードに復帰して抑制量ΔPhが0となり、エンジン12の駆動出力の抑制が解除される。一方、復帰条件が成立してフラグ値が2となった後も、ウィリー終了条件が成立するか否かの判定は継続して逐次実行され、ウィリー終了条件が成立するまではウィリー開始判定が行われないようになっている。これにより、ウィリーが生じている間の運転状態を参照することによってウィリーが開始したと誤判定されるような不都合が生じない。
なお、前述したように復帰条件の未成立時にウィリー終了条件が成立したときには、通常モードにより駆動出力を制御する状態に復帰する。また、図16に二点鎖線で示すように、復帰条件が成立したときには、即座に通常モードに復帰させるのではなく、所定の遷移時間Ttをかけて抑制量ΔPhを徐々に0へ減らす遷移モードを設定し、当該モードにより駆動出力を制御するようにしてもよい。これによりウィリーが生じている間の出力変動を緩和することができる。
第3実施形態
図17は、本発明の第3実施形態に係る制御システム140の構成を示すブロック図である。図17に示す制御システム140の電子制御ユニット160は、図3に示す第1実施形態に係る電子制御ユニット60に対し、スリップ判定部167を追加した点で相違する。他の構成は第1実施形態と同一であり、該同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図17に示すスリップ判定部167は、速度差相当値算出部62により算出された前後輪2,3間の速度差相当値δが記憶部66に予め記憶されているスリップ閾値以上であるか否かを判断することにより、後輪3がスリップしているか否かを判定する。スリップ判定部167は、速度差相当値δがスリップ閾値以上であるときには後輪3がスリップしていると判定する。出力制御部65は、スリップ判定部167により後輪3がスリップしていると判定されると、エンジン12により発生される駆動出力を低下させるトラクション制御を実行する。このトラクション制御の実行により、エンジン12から後輪3に伝達される駆動出力が低下し、後輪3が路面にグリップする状態に戻すことが可能となる。
図18は、図17に示す電子制御ユニット160により実行されるメインの処理フローを示すフローチャートである。図18に示す処理フローは、図5に示すものに対し、ステップS3とステップS4との間に判断処理(S14)を追加した点、及び当該判断処理の結果に応じて実行されるステップS15を追加した点で相違する。ステップS1からステップS8を経てステップS4又はS5に進む場合は、図5に示すものと同一であるため、重複説明を省略する。
図18に示すように、ステップS1でフラグ値が0であると判断されると(S1:Y)、ウィリー判定部64がウィリー開始判定を実行し(S2)、その結果ウィリー開始条件が成立したときには(S3:Y)、フラグ値が1となり(S6)、出力抑制部65は出力抑制モードによりエンジン12の駆動出力を抑制する制御を実行し(S7)、今回の処理フローが終了する。このようにウィリー開始条件が成立して処理フローが終了した場合には、フラグ値が1の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS8,S9へと進む。
ウィリー開始条件が非成立であるときには(S3:N)、スリップ判定部167により後輪3がスリップしているか否かが判定される(S13)。
グリップしていると判定されると(S13:N)、フラグ値が0のままとなり(S4)、出力制御部65が通常モードにより駆動出力を制御する状態が継続され(S5)、今回の処理フローが終了する。ウィリー開始条件が非成立でありグリップしていると判定されて処理フローが終了すると、フラグ値が0の状態で次回の処理フローが開始し、ステップS1からステップS2,S3へと進む。
スリップしていると判定されると(S13:Y)、出力制御部65がトラクション制御を実行し(S15)、今回の処理フローが終了する。ウィリー開始条件が非成立でありグリップしていると判定されて処理フローが終了すると、次回の処理フローの実行時ではステップS1からステップS2,S3へと進む。
ここで、図7に示したように、ウィリー開始判定(S2)のウィリー開始条件には、速度差相当値δが所定値δTh以上であるとの条件が含まれ得る。すると、ウィリー開始判定とスリップ判定の両方において速度差相当値δを利用した処理が行われる。よって、ウィリー開始判定において速度差相当値δと比較される所定値δThは、スリップ判定において速度差相当値δと比較されるスリップ閾値よりも小さい正の値であることが好ましい。これにより、グリップ走行しておりウィリーの開始直前において、後輪3がスリップしていると誤判断されるのを防ぐことができる。
また、ウィリー開始条件には、速度差相当値δが所定値δTh以上であるとの条件のほか、前輪2の回転速度Vfの変化量Af,Jfに係る条件、又はフロントサスペンション8のストロークLに係る条件を含めておき、これら複数の条件を全て満たしたときにウィリー開始条件が成立したと判定されるようにすることが好ましい(図7参照)。これにより、後輪3がスリップしているにも関わらず、ウィリーが開始したと誤判断されるのを防ぐことができる。
また、ウィリー開始条件が成立してフラグ値が1となった後においては、ウィリー終了条件が成立してフラグ値が0に戻るまでの間、スリップ判定(S14)、及び当該判定の結果に応じたトラクション制御(S15)が実行されないようにしている。これにより、ウィリーが生じているために速度差相当値δが拡大している状況下において、後輪3がスリップしていると誤判断されることを防ぐことができる。また、ウィリーの開始後におけるエンジン12の出力抑制の制御が、前後輪2,3が接地している状態でスリップが発生したときのトラクション制御と干渉するのを避けることができる。
これまで本発明に係る実施形態を説明したが、上記の構成及び処理フローは本発明の範囲内で適宜変更可能である。例えば前輪回転数を用いてウィリー開始判定を行ってもよく、前輪回転数に拘らずに出力抑制の制御を実行してもよい。例えば、ウィリー開始判定後においては、エンジン回転数、車速、ギヤ比(変速比)などに基づいて出力を規制してもよい。また逆に、ウィリー判定においては、前輪回転数を用いなくても、ウィリー開始判定後の出力抑制の制御において、前輪回転数の変化量に相当する値を用いて、出力抑制量を設定することで、ウィリー開始判定時の出力抑制を好適に行うことができる。
本発明に係る車両の制御システムは、ウィリーが生じる可能性のある後輪駆動の車両であれば、自動二輪車だけでなく、自動三輪車及び自動四輪車にも適用可能である。また、車両の駆動源は、内燃機関だけでなく、電気モータであってもよいし、内燃機関と電気モータとを組み合わせた所謂ハイブリッド型であってもよい。
本発明は、ウィリーが生じているときの駆動出力の制御の信頼性を向上させることができ、後輪駆動の車両に適用すると有益となる。
1 自動二輪車(車両)
2 前輪
3 後輪
8 フロントサスペンション
12 エンジン(駆動源)
13 スロットル装置
20 気筒
21 クランク軸
26 燃料供給装置
27 点火装置
30 動力伝達経路
40,140 制御システム
55 前輪速センサ
56 後輪速センサ
57 ストロークセンサ
60 電子制御ユニット(制御装置)
62 速度差相当値算出部
63 変化量算出部
64 ウィリー判定部
65 出力制御部
167 スリップ判定部

Claims (10)

  1. 従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両の制御システムであって、
    前記車両の運転状態に応じて駆動源が発生する駆動出力を制御する制御装置と、
    前記前輪の回転速度を検出する前輪速センサとを備え、
    前記制御装置が、
    前記前輪速センサにより検出された値に基づいて、所定のウィリー開始条件が成立したか否かを判定するウィリー判定部と、
    前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定されると、前記駆動出力を抑制する出力制御部とを有していることを特徴とする車両の制御システム。
  2. 前記ウィリー開始条件は、前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量が所定値未満であるとの条件を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御システム。
  3. 前記後輪の回転速度を検出する後輪速センサ、を備え、
    前記ウィリー開始条件は、前記後輪速センサにより検出された前記後輪の回転速度から前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を減算した値に相当する値が所定値以上であるとの条件を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御システム。
  4. 前記出力制御部は、前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量に応じて、前記駆動出力の抑制量を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の制御システム。
  5. 前記出力制御部は、前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定された時点又はその近傍の期間に前記前輪速センサにより検出された前記前輪の回転速度を1回以上微分して得られる変化量に応じて前記抑制量を決定することを特徴とする請求項4に記載の車両の制御システム。
  6. 前記出力制御部は、前記変化量の絶対値が大きくなるほど前記抑制量が大きくなるように、前記抑制量を決定することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の制御システム。
  7. 前記出力制御部は、前記ウィリー開始条件が成立したと判断した時点またはその近傍の期間に、前記駆動出力を抑制することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両の制御システム。
  8. 前記ウィリー判定部は、前記ウィリー開始条件が成立したと判定した後に、前記前輪速センサにより検出された値に基づいて所定のウィリー終了条件が成立したか否かを判定し、
    前記出力制御部は、前記ウィリー判定部により前記ウィリー開始条件が成立したと判定されてから前記ウィリー終了条件が成立したと判定されるまでの間、前記駆動出力を抑制することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両の制御システム。
  9. 従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両のウィリーを判定する方法であって、
    前記前輪の回転速度を検出する前輪速検出工程と、
    前記前輪速検出工程によって検出された前記前輪の回転速度の変化量を算出する変化量算出工程と、
    前記変化量算出行程によって算出された変化量に基づいて、ウィリーが開始したか否かを判定するウィリー判定工程とを含むことを特徴とするウィリー判定方法。
  10. 従動輪である前輪と駆動輪である後輪とを有する車両のウィリー時に駆動源が発生する駆動出力を抑制する方法であって、
    前記前輪の回転速度を検出する前輪速検出工程と、
    前記前輪速検出工程によって検出された前記前輪の回転速度の変化量を算出する変化量算出工程と、
    前記変化量算出工程により算出された前記前輪の回転速度の変化量に基づいて、前記駆動出力の抑制状態を決定する抑制状態決定工程とを含むことを特徴とする出力抑制方法。
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