JP5525256B2 - トラクション制御装置、及び駆動力抑制方法 - Google Patents

トラクション制御装置、及び駆動力抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、駆動輪の空転量に応じて駆動輪の駆動力を制御するトラクション制御装置に関するものである。
従来、車両の駆動輪が路面に対するスリップ量が所定値を超えたときに、エンジンの駆動力を減少させて駆動輪の路面に対するグリップ力を回復させるトラクション制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置によれば、監視値(例えば、エンジン回転数の上昇率)が所定値を超えた場合に、エンジンの点火時期を最適時期よりも遅角して駆動力を減少させるトラクション制御が実行される。
特開平7−103009号公報
監視値が所定値を超えるようなときでも、トラクション制御を実行して駆動輪の駆動力を維持又は増加させることが好ましい場合がある。しかし、従来のトラクション制御装置では、監視値が所定値を超えると、駆動輪のグリップ状態に係わらず一義的にトラクション制御を実行して駆動輪の駆動力を制限してしまう。それ故、不所望なトラクション制御が実行されている場合がある。
そこで本発明は、不所望なトラクション制御の実行を防ぐことができるトラクション制御装置を提供することを目的としている。
本発明のトラクション制御装置は、車両の前後の車輪のうちの少なくとも一方の車輪である駆動輪の空転量に応じて変化する監視値を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記監視値が駆動力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定手段と、前記条件判定手段の判定に基づいて前記駆動輪の駆動力を減少させるトラクション制御を実行する制御手段とを備え、前記条件判定手段は、空転時における前記前後の車輪の回転数の差の変動率に応じて変化する回転数差に関する変動パラメータ、及び空転時における前記駆動輪を駆動する駆動系統の回転数の変動率に応じて変化する駆動系統の回転に関する変動パラメータのうち少なくとも1つの変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を可変的に設定するようになっているものである。
本発明に従えば、駆動力抑制条件が、空転時における前後輪の回転数の差の変動率に応じて変化する変動パラメータ、及び空転時における駆動系統の回転変動率に応じて変化する変動パラメータのうち少なくとも1つの変動パラメータに基づいて可変的に設定される。つまり、変動パラメータを参照し、予測されるグリップ状態に応じた条件に駆動力抑制条件をフレキシブルに設定することができる。これにより、駆動輪のグリップ状態を予想してトラクション制御を実行することができる。例えば、変動率が大きい場合、駆動輪のグリップ状態が悪化する傾向にあるので、トラクション制御がより可及的速やかに実行されるように駆動力抑制条件を変更する。逆に、変動率が小さい場合、駆動輪のグリップ状態が改善する傾向にあるので、トラクション制御が直ぐに実行されないように駆動力抑制条件を変更する。これにより、駆動輪のグリップ状態が悪くなりそうなときにトラクション制御が可及的速やかに実行され、また駆動輪のグリップ状態が改善していくときにトラクション制御が不所望に実行されないようにすることができ、トラクション制御が必要なときに実行され、また不要な時に実行されることを抑えることができる。
上記発明において、前記条件判定手段は、前記変動率が大きくなると前記トラクション制御が実行されやすくなるように駆動力抑制条件を変更し、前記変動率が小さくなると前記トラクション制御が実行されやすくなるように駆動力抑制条件を変更するようになっていることが好ましい。
上記発明において、前記条件判定手段は、更にスロットルバルブの開度の変動率に応じて変化する開度に関する変動パラメータ、又は更に車速の変動率に応じて変化する車速に関する変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を設定するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、開度に関する変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を設定すると、運転者が駆動輪に駆動力をかけようとしていること予測し、その運転者の駆動力を増減させる意思が駆動力抑制条件に加味される。これにより、運転者の意思にも応じてトラクション制御を実行することができ、不所望なときにトラクション制御が実行されることをさらに抑制できる。例えば、スロットルバルブの開度の変動率が大きい場合、運転者が敢えて駆動輪に大きな駆動力をかけて駆動輪を滑らすこともあるので、トラクション制御が直ぐに実行されないように駆動力抑制条件を変更する。逆に、スロットルバルブの開度の変動率が小さい場合、前後輪の回転数の差又は駆動系統の回転変動率が急上昇すると、不所望な駆動輪の滑りである。このような場合、トラクション制御を可及的速やかに実行する必要があるので、トラクション制御が可及的速やかに実行されるように駆動力抑制条件を変更する。また、車速に関する変動パラメータに基づいて駆動力抑制条件を設定すると、駆動力抑制条件の設定に車速の変動率、即ち加速度も加味される。例えば、加速度が大きい場合、車両が直立していることが多く、駆動輪への駆動力を制限することが好ましくなく、トラクション制御が直ぐに実行されないように駆動力抑制条件を設定する。逆に、加速度が小さい場合、車両をバンクさせていることがあり、監視値が変動したときに可及的速やかにトラクション制御が実行されることが好ましく、監視値が変動したときに可及的速やかにトラクション制御実行されるように駆動力抑制条件を変更する。このように加速度に応じてトラクション制御を実行することで、車両の姿勢に応じてトラクション制御の実行の切替えが可能になる。これにより、不所望なときにトラクション制御が実行されることをさらに抑制できる。
上記発明において、前記条件判定手段は、前記複数の変動パラメータのうち2つ以上の変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を設定し、前記変動パラメータの各々に重み付けするようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、各変動パラメータに重み付けをすることで、車両特性等に応じてトラクション制御の実行条件を調整することができる。
上記発明において、前記条件判定手段は、前記変動パラメータの各々に重み付けする際、前記車両の運転状態に基づいて前記各変動パラメータの重み付けの関係を変更するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、各変動パラメータに基づいて重み付けを変えることで、車両の走行状態に応じてトラクション制御を実行することができる。
上記発明において、前記条件判定手段は、前記検出手段により検出された前記監視値が第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を充足するか否かを判定するようになっており、前記制御手段は、前記条件判定手段が前記第1駆動力抑制条件を充足すると判定した場合に比べて、前記条件判定手段が前記第2駆動力抑制条件を充足すると判定した場合の方が前記駆動輪の駆動力を大きく減少させるようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、検出される監視値が充足する駆動力抑制条件に応じてトラクション制御によって減少させる駆動力が変わるので、監視値の値に応じて減少させる駆動力を変更することができる。これにより、トラクション制御を段階的に実行することができる。
上記発明において、前記条件判定手段は、前記検出手段により検出された前記監視値が切換え判定条件を充足するか否かを判定するようになっており、前記制御手段は、前記条件判定手段が前記切換え判定条件を充足せず、且つ前記駆動力抑制条件を充足すると判定した場合、第1減少手段を制御して前記駆動輪の駆動力を減少するトラクション制御を実行し、前記切換え判定条件及び前記駆動力抑制条件を共に充足すると判定した場合、前記第1減少手段と減少変化が異なる第2減少手段を制御することで前記駆動輪の駆動力を減少するトラクション制御を実行するようになっていることが好ましい。
上記構成に従えば、切換え判定条件の充足の有無に応じて第1減少手段と第2減少手段とを切換えることで、駆動力の減少変化を異ならせることができる。例えば、第1減少手段がエンジンの点火遅角及び点火間引き等の点火系を制御する手段であり、迅速に駆動力を減少させることができる。また、第2減少手段が空気量調整や燃料量調整などの点火系を制御する手段以外のものであり、駆動力の減少幅を大きくすることができる。これら第1減少手段と第2減少手段を切換えることで、状況に応じた駆動力の減少を実現することができる。
本発明の駆動力抑制方法は、車両状態が予め定められる駆動力抑制条件を充足すると、駆動輪に与える駆動力を抑制する駆動力抑制方法であって、駆動輪の空転量に応じて変化する監視値を求める監視値導出工程と、前記車両状態に関連する状態関連値を求める状態関連値導出工程と、空転時における前記状態関連値の単位時間当たりの変動率に応じて変化する変動パラメータに基づいて、前記駆動力抑制条件を可変的に設定する条件設定工程と、前記監視値が前記駆動力抑制条件を充足すると、前記駆動輪に与える駆動力を抑制する駆動力抑制工程とを有する方法である。
本発明に従えば、空転時における状態関連値の変動率に応じて変化する変動パラメータに基づいて駆動力抑制条件が設定される。したがって、車両状態の変化が大きい場合と小さい場合とで、駆動力抑制の要否を切換えることができ、利便性を向上することができる。例えば、状態関連値として速度が設定される場合、加速時と定速走行時とで駆動力抑制を開始する閾値を変更することができる。また、例えば、状態関連値として空転量が設定される場合、空転量が減少傾向である場合と増大傾向である場合とで、駆動力抑制を開始する閾値を変更することができる。このように車両状態の変化及び傾向に基づくことで、不所望に駆動力の抑制が低減されることを防ぐことができる。
本発明によれば、不所望なトラクション制御の実行を防ぐことができる。
本発明の実施形態に係るトラクション制御装置を備える自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車に搭載されたトラクション制御装置の全体を示すブロック図である。 図2に示すトクラクション制御装置のうち、主な構成を示した要部ブロック図である。 トラクション制御装置が用いる第1駆動力抑制条件と第2駆動力抑制条件の経時変化を示すグラフである。 エンジンECUが実行するメイン処理を説明するフローチャートである。 エンジンECUが実行する第1トラクション制御処理を説明するフローチャートである。 エンジンECUが実行する第2トラクション制御処理を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る実施形態のトラクション制御装置18を備える自動二輪車1について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、自動二輪車に騎乗した運転者から見た方向を基準とする。また、以下に説明するトラクション制御装置は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明は実施の形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除、変更が可能である。
[自動二輪車]
図1は、本発明に係る第1実施形態のトラクション制御装置18を自動二輪車1の左側面図である。図1に示すように、自動二輪車1(車両)は、路面R上を転動する前輪2及び後輪3を備えており、後輪3は駆動輪であり、前輪2は従動輪である。前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク4の下端部にて回転自在に支持され、該フロントフォーク4は、その上端部に設けられたアッパーブラケット(図示せず)と該アッパーブラケットの下方に設けられたアンダーブラケット(図示せず)とを介してステアリングシャフト(図示せず)に支持されている。該ステアリングシャフトはヘッドパイプ5によって回転自在に支持されている。該アッパーブラケットには左右へ延びるバー型のハンドル6が取り付けられている。
ハンドル6の運転者の右手により把持されるスロットルグリップ7(図2参照)は、回転させることで後述するスロットル装置16を操作するためのスロットル入力手段である。ハンドル6の運転者の左手により把持されるグリップの前方にはクラッチレバー8(クラッチ入力手段)が設けられている。運転者はハンドル6を回動操作することにより、前記ステアリングシャフトを回転軸として前輪2を所望の方向へ転向させることができる。
ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム9が若干下方に傾斜しながら後方へ延びており、このメインフレーム9の後部に左右一対のピボットフレーム10が接続されている。このピボットフレーム10には略前後方向に延びるスイングアーム11の前端部が枢支されており、このスイングアーム11の後端部に後輪3が回転自在に軸支されている。ハンドル6の後方には燃料タンク12が設けられており、この燃料タンク12の後方に運転者騎乗用のシート13が設けられている。
前輪2と後輪3の間では、並列四気筒のエンジンEがメインフレーム9及びピボットフレーム10に支持された状態で搭載されている。エンジンEには変速装置14が接続されており、この変速装置14から出力される駆動力がチェーン15を介して後輪3に伝達される。エンジンEの吸気ポート(図示せず)にはメインフレーム9の内側に配置されたスロットル装置16が接続されている。スロットル装置16の上流側には、燃料タンク12の下方に配置されたエアクリーナ19が接続されており、前方からの走行風圧を利用して外気を取り込む構成となっている。また、シート13の下方の内部空間には、スロットル装置16、点火装置26(図2参照)やインジェクタ31などを制御するエンジン制御装置であるエンジンECU17(電子制御ユニット)が収容されている。
[トラクション制御装置]
図2は図1に示す自動二輪車1に搭載されたトラクション制御装置18を示す全体ブロック図である。図2に示すように、トラクション制御装置18は、エアクリーナ19とエンジンEとの間に設けられたスロットル装置16を有している。スロットル装置16は、吸気管20と、吸気管20の下流側に配置されたメインスロットルバルブ21と、吸気管20の上流側に配置されたサブスロットルバルブ22とを有している。メインスロットルバルブ21は、スロットルグリップ7とスロットルワイヤー23を介して接続されており、運転者によるスロットルグリップ7の操作に連動して開閉するよう構成されている。メインスロットルバルブ21には、メインスロットルバルブ21の開度を検出するスロットルポジションセンサ25(スロットル開度センサ)が設けられている。メインスロットルバルブ21はスロットルグリップ7に機械的に連動しているため、スロットルポジションセンサ25は、スロットルグリップ7の開度を間接的に検出可能なスロットル操作量検出手段の役目も果たす。
サブスロットルバルブ22は、エンジンECU17で制御されるモータからなるバルブアクチュエータ24に接続されており、そのバルブアクチュエータ24により駆動されて開閉するよう構成されている。また、スロットル装置16には、その吸気通路に燃料を噴射するためのインジェクタ31が設けられている。エンジンEには、その4つの気筒内の混合気にそれぞれ点火を行う点火装置26が設けられている。エンジンEには、その回転数を検出するエンジン回転数センサ30が設けられ、その動力を変速して後輪3に伝達する変速装置14が接続されている。変速装置14には、動力伝達を遮断/接続するためのクラッチ27が設けられている。
クラッチ27は、運転者によりクラッチレバー8が把持されることにより、動力伝達が遮断されるよう構成されている。クラッチレバー8には、運転者によりクラッチレバー8が把持されたか否かを検出可能なクラッチスイッチ28(クラッチ検出手段)が設けられている。また、変速装置14には、その変速段を検出するためのギヤポジションセンサ29が設けられている。
また、トラクション制御装置18は、公知のコンバインドブレーキシステムに用いられる制動用ECU33を有している。制動用ECUは、いわゆるCBS又はABSを制御するためのECUであり、制動用ECU33には、前輪2の回転数から車速を検出するための前輪車速センサ34と、後輪3の回転数から車速を検出するための後輪車速センサ35とが接続されている。また、制動用ECU33には、前輪ブレーキ36を作動させるための前輪ブレーキアクチュエータ37と、後輪ブレーキ38を作動させるための後輪ブレーキアクチュエータ39とが接続されている。また、トラクション制御装置18は、自動二輪車1の車体の左右の傾斜角を検出する傾斜角センサ32を有している。
スロットルポジションセンサ25、クラッチスイッチ28、ギヤポジションセンサ29、エンジン回転数センサ30、傾斜角センサ32、及び制動用ECU33、は、それぞれエンジンECU17に接続されている。エンジンECU17は、トラクション制御機能部41と、点火制御部42と、燃料制御部48と、スロットル制御部43と、ブレーキ制御部44とを有している。後述するように、トラクション制御機能部41は、各センサ25,29,30,32,33及びスイッチ28から入力される信号に基づいてトラクション制御に関する演算を行う。点火制御部42は、トラクション制御機能部41での演算結果に基づいて点火装置26を制御する。燃料制御部48は、トラクション制御機能部41での演算結果に基づいてインジェクタ31を制御する。スロットル制御部43は、トラクション制御機能部41での演算結果に基づいてバルブアクチュエータ24を駆動し、サブスロットルバルブ22の開度を制御する。ブレーキ制御部44は、トラクション制御機能部41での演算結果に基づいて制動用ECU33にブレーキ作動信号を送信する。
図3は図2に示すトラクション制御装置18の主にエンジンECU17を説明する要部ブロック図である。図3に示すように、エンジンECU17は、前述したように、トラクション制御機能部41、点火制御部42、燃料制御部48、スロットル制御部43及びブレーキ制御部44を備えている。トラクション制御機能部41は、監視値演算部45、条件判定部46及びトラクション制御部47を有している。監視値演算部45は、制動用ECU33から受信した情報に基づいて、駆動輪である後輪3の空転量に応じた監視値Mを逐次演算するようになっている。監視値Mは、例えば、以下の数式1で算出される。
M=(V−V)/V …(1)
ここで、Vは、前輪車速センサ34により前輪回転数から得られた前輪車速(周速度)であり、Vは、後輪車速センサ35により後輪回転数から得られた後輪車速(周速度)であり、数式1は、いわゆるスリップ率を演算する式である。このように、前輪車速センサ34、後輪車速センサ35、制動用ECU33及び監視値演算部45は、監視値Mを検出する検出手段を構成している。
なお、本実施形態では、前後輪2,3の回転数の差に対応する値であるスリップ率を監視値Mとして逐次演算しているが、監視値Mは、前記数式1に限定されるものではなく、駆動輪である後輪3の空転量に応じた値であればよい。例えば、監視値Mは、別の計算式で計算されるスリップ率、例えば、前後輪の車速差(V−V)、この車速差を前輪の車速Vで割った値(V−V)/V、前輪2の回転数Rと後輪3の回転数Rの差(R−R)、やそれに応じた値(R−R)/Rであってもよい。また、監視値Mは、車速差の変動率Δ(V−V)、回転数の差の変動率Δ(R−R)、後輪Rと車速Vとの差(R−V)、エンジン回転数Neの変動率ΔNe、駆動輪の回転数の変動率ΔR、及び駆動輪とエンジンEとを繋ぐ駆動系統(例えば、後述するドライブスプロケット、ドリブンスプロケットや減速機の中間シャフト)の回転数の変動率、更にスリップ率の変動率等であってもよい。ここで、変動率は、所定時間に計測される2つの値の差分をとり、その差分を前記所定時間で割った値である。
条件判定部46は、このようにして演算された監視値Mが第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を充足するか否かを判定し、監視値Mが第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を充足すると、後輪3が路面Rに対して不所望な空転を生じる可能性があり、駆動力を減少させるべきと判定するようになっている。このように判定基準として使用される第1駆動力抑制条件は、具体的には以下に示す数式2である。つまり、監視値Mが以下に示す数式2を充足するか否かが判定される。
M≧K1th×ΔTh+K1Ne×ΔNe
+K1sl×ΔSlip+K1Acc×Acc
+K1Ne+K1th+K1sl+α=第1可変閾値M…(2)
ここで、Th、Ne、Slip及びAccは、自動二輪車1の状態を示す状態関連値である。Thは、メインスロットルバルブ21の開度であり、ΔThは、メインスロットルバルブ21の開度の所定時間における変動率である。Neは、エンジンの回転数(駆動系統の回転数)であり、ΔNeは、エンジンの回転数の所定時間における変動率である。Slipは、スリップ率(前後輪の回転数の差であり、例えば、Slip=(V−V)/V)であり、ΔSlipは、所定時間におけるスリップ率の変動率である。また、Accは、所定時間における自動二輪車1の車速Vの変動率、つまり加速度である。αは、予め定められた定数である。なお、ΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccが、変動率に応じて変化する変動パラメータに相当する。これら変動パラメータは、必ずしも変動率である必要はなく、例えば単なる差分であってもよく、変動率に応じて変化するものであればよい。このことは、以下の関係式についても同様である。
そして、K1th、K1Ne、K1Acc及びK1slは、ΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccに対する重み付け係数であり、走行状態又はエンジンの運転状態、例えば各センサ類25,29,30,32,33から得られるTh、Ne、Slip、自動二輪車1の車速V、及びバンク角等の値のうち少なくとも1つの値に応じて設定される。条件判定部46は、各重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1slに関連するマップを記憶しており、センサ類25,29,30,32,33から得られる情報に基づいて前記マップから各重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1slを選択、又は演算するようになっている。お、重み付け係数K1th、K1Ne、K1Acc及びK1slは、他の走行状態又はエンジンの運転状態、例えば変速装置14の変速段、前輪2の速度V、後輪3の速度V、及びブレーキ圧等に応じて設定されるようになっていてもよい。
また、第2駆動力抑制条件は、具体的には以下に示す数式3である。つまり、監視値Mが以下に示す数式3を充足するか否かが判定される。
M≧K2th×ΔTh+K2Ne×ΔNe
+K2sl×ΔSlip+K2Acc×Acc
+K2Ne+K2th+K2sl+β=第2可変閾値M…(3)
ここで、βは、αと異なる予め定められた定数である。重み付け係数K2th、K2Ne、K2Acc及びK2slは、重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1slと異なるΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccに対する重み付け係数であり、各センサ類25,29,30,32,33から得られるTh、Ne、Slip、自動二輪車1の車速V、及びバンク角等の値のうち少なくとも1つの値に応じて設定される。条件判定部46は、各重み付け係数K2th,K2Ne,K2Acc,K2slに関連するマップを記憶しており、センサ類25,29,30,32,33から得られる情報に基づいて前記マップから各重み付け係数K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを選択、又は演算するようになっている。重み付け係数K2th、K2Ne、K2Acc及びK2slは、重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1slと異なるように夫々設定されている。なお、重み付け係数K2th、K2Ne、K2Acc及びK2slは、変速装置14の変速段、前輪2の速度V、後輪3の速度V、及びブレーキ圧等に応じて設定されるようになっていてもよい。本実施の形態では、各駆動力抑制条件に用いられる重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slは、走行状態またはエンジンの運転状態に応じて決定される値としたが、走行状態またはエンジン状態に拘わらずに、予め定められる固定値で設定されていてもよい。
このように、第1駆動力抑制条件は、監視値Mが第1可変閾値Mを超えていることを条件とし、第2駆動力抑制条件は、監視値Mが第2可変閾値Mを超えていることを条件としている。第1可変閾値M及び第2可変閾値Mは、ΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccに応じて可変的に設定される閾値であり、それらの大小関係は、各重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slに応じて変化するようになっている。これについて、図4を用いて、具体的に説明する。
図4は、縦軸が監視値M、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mの値であり、横軸が時間となっている。定常状態では、第1可変閾値Mが第2可変閾値Mよりも小さくなっており(例えば時刻t〜t)、運転者自身がスロットルグリップ7を急に回すなどしてThが急激に変動し、ΔThの変動率が大きくなると、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mが大きくなるように各重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slは、設定されている(例えば、時刻t)。しかし、エンジン回転数が急激に上昇する等して、エンジン回転数の変動率(又は、スリップ率の変動率)が大きくなった場合(時間t)、第2可変閾値Mが第1可変閾値Mよりも小さな値となることがある。その後、エンジン回転数の変動率(又は、スリップ率の変動率)が下降すると、第1可変閾値Mが第2可変閾値Mよりも小さくなる(例えば時刻t以降)。このように、各駆動力抑制条件は、互いに異なった導出式を有し、相互に干渉することなく互いに独立した条件に設定される。したがって、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mは、その大小関係が恒常的ではなく、状態によっては、2つの抑制条件の大小関係が入れ替わる場合がある。第1駆動力抑制条件を満足した場合と、第2駆動力抑制条件を満足した場合とで、抑制すべき駆動力を異ならせる。例えば、第1駆動力抑制条件と第2駆動力抑制条件との両方を満足した場合には、いずれか一方の条件を優先的に採用するようにしてもよい。たとえば抑制量が大きい条件を優先採用してもよく、また抑制量が小さい条件を優先採用してもよい。本実施例では、両方の条件を満足した場合、第2駆動力抑制条件を優先採用するよう設定される。
なお、第1駆動力抑制条件の関係式において、数式2は、一例に過ぎず、第1可変閾値Mを左辺へと移した関係式(例えば、監視値M−第1可変閾値M≧0)、左辺及び右辺を所定項で割り算した関係式(例えば、監視値M/(K1th×ΔTh)≧第1可変閾値M/(K1th×ΔTh))、及び監視値Mを第1可変閾値Mで割った関係式(例えば、監視値M/第1可変閾値M≧1)等のように数式2を変形したものであってもよい。第2駆動力抑制条件の数式3についても同様である。また、数式2及び3において、ΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccの項が全て含まれている必要はなく、例えば、ΔTh、ΔNe、ΔSlip及びAccの項のうち少なくとも1つの項があればよい。つまり、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件における関係式が、以下に示すような数式4及び数式5であってもよい。
M≧K1Ne×ΔNe+α=第1可変閾値M …(4)
M≧K2Ne×ΔNe+β=第2可変閾値M …(5)
更に、関係式は、必ずしも同じ変数を用いる必要はなく、例えば、数式6及び数式7であってもよい。
M≧K1th×ΔTh+K1Ne×ΔNe+K1sl×ΔSlip+K1Acc+α
=第1可変閾値M…(6)
M≧K2th×ΔTh+K2Ne×ΔNe+K2Acc×Acc+K2sl+β
=第2可変閾値M…(7)
また、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mは、前述するようなTh、Ne、Slip及びAcc等の状態関連値に限らず、ブレーキ操作の有無や、クラッチ操作の有無、スロットルグリップ7の回動量、ステアリング角度、及びバンク角度等の他の状態関連値に基づいて可変的に設定されてもよく、自動二輪車1の状態に関連する値に基づいて設定されればよい。
条件判定部46は、スリップ率が予め記憶される判定開始値より大きいか否かを判定している。本実施形態では、監視値Mがスリップ率に相当するため、監視値演算部45にて演算される監視値Mを用いて判定する。また、判定開始値は、変速装置14の変速段に応じて設定されており、条件判定部46は、ギヤポジションセンサ29から得られる変速段に基づいて判定開始値を設定し、この判定開始値と演算されたスリップ率とを比較するようになっている。
更に、条件判定部46は、切換え条件及び制御停止判定条件を充足しているか否かを判定している。条件判定部46は、切換え条件を充足していると判定すると、後輪3が路面Rに対して大きく空転する可能性があり、駆動力をより大きく減少させるべきと判定し、制御停止判定条件を充足していると判定すると、センサ類25,29,30,32,33の故障等により監視値Mが想定外の値を示していると判定するようになっている。切換え条件は、監視値Mが予め定められる定数γを超えることである。制御停止判定条件は、例えば監視値Mが予め定められる定数δを超えることである。定数γ及び定数δは、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mとして取り得る値よりも大きい値であり、且つγ<δを満たすようになっている。なお、切換え条件は、定数γに代えて、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件のように関係式としてもよい。
トラクション制御部47は、後述するように、条件判定部46における判定結果に基づいて、後輪3の駆動力を減少させるトラクション制御を実行する。このトラクション制御では、判定結果に応じて減少させる駆動力を変えるようになっており、減少させる駆動力に応じて第1トラクション制御、第2トラクション制御、及び第3トラクション制御の3つのトラクション制御に分けることができる。第1トラクション制御は、第1駆動力抑制条件を充足したときに実行されるトラクション制御であり、第2トラクション制御は、第2駆動力抑制条件を充足したときに実行されるトラクション制御である。第2トラクション制御は、第1トラクション制御よりも減少させる駆動力が大きくなっている。これら第1トラクション制御及び第2トラクション制御よりも大きく駆動力を減少させる第3トラクション制御は、切換え条件を充足したときに実行される。
トラクション制御では、トラクション制御部47が条件判定部46における判定結果に基づいて点火時期の遅角量、燃料噴射量、吸気の減少量及び後輪ブレーキアクチュエータ39の作動量等の値を決定し、その値を指令として点火制御部42、トラクション制御部47、燃料制御部48、スロットル制御部43、及びブレーキ制御部44のうちの対応する制御部44,43,47,48に与える。点火制御部42は、トラクション制御部47からの指令に応じて点火装置26を制御し、燃料制御部48は、トラクション制御部47からの指令に応じてインジェクタ31を制御し、スロットル制御部43は、トラクション制御部47からの指令に応じてバルブアクチュエータ24を制御し、ブレーキ制御部44は、トラクション制御部47からの指令に応じて後輪ブレーキ38を制御するようになっている。以下では、トラクション制御等について、図5に示すフローチャートを参照しながら更に具体的に説明する。
[トラクション制御について]
図5に示すように、自動二輪車1の主電源(図示せず)がオンされると、エンジンECU17は、トラクション制御を実行しない通常制御を実施する(ステップS1)。次いで、エンジンECU17は、スリップ率と判定開始値との大小関係を条件判定部46が判定する(ステップS2)。スリップ率が判定開始値よりも小さい場合、トラクション制御を実行する必要がないと判定し、スリップ率が判定開始値よりも大きくなるまで、スリップ率と判定開始値との大小関係を逐次判定し続ける。
スリップ率が判定開始値よりも大きくなると、条件判定部46は、次に制御停止判定条件を充足しているか否かを判定し(ステップS3)、センサ類25,29,30,32,33の故障等により監視値Mが想定外の値になっていないかを判定する。制御停止判定条件を充足している場合、トラクション制御の実行を不許可にし、通常制御が継続される(ステップS1)。逆に、制御停止判定条件を充足していない場合、条件判定部46は、次に第2駆動力抑制条件を充足しているか否かを判定し(ステップS4)、後輪3が大きく空転する可能性があるか否かを判定する。第2駆動力抑制条件を充足している場合、エンジンECU17は、第2トラクション制御を実施すべく、第2トラクション制御処理を実施する(ステップS5)。第2トラクション制御処理については、後述する。
第2駆動力抑制条件を充足していない場合、条件判定部46は、次に、第1駆動力抑制条件を充足するか否かを判定し(ステップS6)、後輪3が空転する可能性があるか否かを判定する。第1駆動力抑制条件を充足している場合、エンジンECU17は、第1トラクション制御を実施すべく、第1トラクション制御処理を実施する(ステップS7)。第1駆動力抑制条件を充足していない場合、トラクション制御を実施する必要がないと判定し、通常制御が継続される(ステップS1)。
以下では、第1トラクション制御及び第2トラクション制御について、図6及び図7を参照しながら詳しく説明する。なお、第1トラクション制御及び第2トラクション制御は、制御の内容が類似している。そこで、第1トラクション制御について詳しく説明し、第2トラクション制御については、異なる点についてだけ説明する。図6に示すように、第1トラクション制御処理が実施されると、まず、トラクション制御部47が点火制御部42を介して点火装置26に指令し、間引き制御を実施する(ステップS11)。
間引き制御は、4つの気筒のうち少なくとも1つの気筒の点火を止める、即ち少なくとも1つの気筒を休筒させてエンジン出力を低下させる制御である。間引き制御では、例えば、以下の表1に示すような予め定められたパターン1,2に基づいて休筒させる気筒を決定するようになっている。
Figure 0005525256
表1に示すパターンは、間引き制御を開始してから何番目に点火される気筒を休筒させるかを示したものである。減少させる駆動力に応じて休筒させる気筒数が異なっており、第1トラクション制御では、パターン1に基づいて間引き制御を実施する。
パターン1に基づく間引き制御について更に詳細に説明すると、間引き制御開始後、次に点火される予定の気筒を休筒させ、その後2番目〜5番目に点火される気筒を4回連続して点火する。パターン1の5番目まで実行されると1番目に戻り、6番目に点火予定の気筒を休筒させる。つまり、1,6,11,16,・・・5n+1番目に点火する気筒を休筒させる。このようなパターン1で間引き制御を行うと、休筒する気筒が1つずつずらされ、同じ気筒で連続して休筒されることをなくしている。なお、パターン2では、1番目と2番目の気筒が休筒するようになっている。つまり、1,2,6,7,11,12,・・・5n+1,5n+2番目に点火する気筒を休筒させるようになっている。
このように間引き制御を実行している間、条件判定部46は、第2駆動力抑制条件を新たに充足するようになっていないかを判定する(ステップS12)。第2駆動力抑制条件を充足している場合、後述する第2トラクション制御処理を実行する(ステップS13)。第2駆動力抑制条件を充足していない場合、及びステップS13にて第2トラクション制御処理が終了すると、条件判定部46は、第1駆動力抑制条件を充足しているか否かを判定している(ステップS14)。第1駆動力抑制条件を充足している場合、そのまま間引き制御を継続する(ステップS11)。第1駆動力抑制条件を充足していない場合、第1トラクション制御処理を終了し、再び通常制御に戻る(ステップS1)(図5参照)。
なお、第1トラクション制御では、間引き制御に代えて遅角制御を実施させて、駆動力を減少させるようにしてもよい。遅角制御は、所定の角度だけ点火時期を遅角させて、駆動力を減少させる制御である。遅角制御も、間引き制御の場合と同様、予め定められたパターンに基づいて決められた気筒を遅角するようになっている。遅角制御及び間引き制御は、点火を制御するものであるので、点火系制御ともいう。このような点火系制御に代えて、後輪ブレーキ38の動作を制御する後輪ブレーキ制御や、インジェクタ31から噴射する燃料量を減少させる燃料系制御を実施して、駆動力を減少させるようにしてよい。
第2トラクション制御では、第1トラクション制御と同様、トラクション制御部47が点火制御部42を介して点火装置26に指令し、間引き制御が実施される(ステップS21)。第2トラクション制御では、パターン1よりも休筒させる気筒数が多いパターン2(表1のパターン2参照)に基づいて間引き制御が実施される。このように休筒数を変えることにより、より駆動力の減少量をより大きくして駆動輪の空転量を迅速に減少させている。このような間引き制御がされている間、条件判定部46は、切換え条件を充足しているか否かを判定する(ステップS22)。切換え条件を充足していない場合、条件判定部46は、次に第2駆動力抑制条件を充足しているか否かを判定する(ステップS23)。第2駆動力抑制条件を充足している場合、間引き制御を継続(ステップS21)し、第2駆動力抑制条件も充足していない場合、第2トラクション制御処理を終了し、再びステップS14に戻る(図6参照)。
ステップS22にて切換え条件を充足している場合、第3トラクション制御を実行すべく、第3トラクション制御処理を実施する(ステップS24)。第3トラクション制御処理は、点火制御とは異なる方法によって出力抑制を図る。具体的には、トラクション制御部47がスロットル制御部43を介してバルブアクチュエータ24に指令してサブスロットルバルブ22の開度を減少させて駆動力を減少させるような流量制御を実行する。このように流量制御を実行することで、点火系制御に比べてエンジン出力を大きく減少させることができ、駆動力を大きく減少させることができる。第3トラクション制御処理では、切換え条件を充足していないと条件判定部46が判定するまで流量制御が実行され、切換え条件が充足しなくなると、ステップS23に進む。
このようにトラクション制御装置18は、例えば、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件がエンジン回転数の変動率、やスリップ率の変動率に基づいて可変的に設定される。エンジン回転数の変動率やスリップ率の変動率が大きければ、その後の駆動輪のグリップ状態が悪化する可能性が高く、逆に前記2つの変動率が小さければ、前記グリップ状態が維持又は改善する傾向にある。従って、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件は、エンジン回転数の変動率やスリップ率の変動率に基づくことにより、予測されるグリップ状態に応じた条件にフレキシブルに設定される。つまり、予測される駆動輪のグリップ状態に応じたトラクション制御を実行することができる。
このようにトラクション制御の実行の有無が決定されるので、例えば、2つの変動率が大きくなった場合、駆動輪のグリップ状態が悪化する傾向にあるので、トラクション制御がより可及的速やかに実行されるように駆動力抑制条件を変更する。逆に、2つの変動率が小さくなった場合、駆動輪のグリップ状態が維持又は改善する傾向にあるので、トラクション制御が直ぐに実行されないように駆動力抑制条件を変更する。これにより、駆動輪のグリップ状態が悪くなりそうなときにトラクション制御が可及的速やかに実行され、また駆動輪のグリップ状態が改善していくときにトラクション制御が不所望に実行されないようにすることができ、トラクション制御が必要なときに実行され、また不要な時に実行されることを抑えることができる。
また、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件がメインスロットルバルブ21の開度の変動率に基づいて可変的に設定できる。第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件がメインスロットルバルブ21の開度の変動率に基づくことで、運転者が駆動輪に与える駆動力を予測することができ、運転者の駆動力を増減させる意思を第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件に加味させることができる。このような運転者の意思を第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件に加味させることで、例えば、メインスロットルバルブ21の開度の変動率が大きい場合、運転者が敢えて駆動輪に大きな駆動力をかけて駆動輪を滑らすこともあるので、トラクション制御が直ぐに実行されないように第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を変更する(例えば、図4の時刻t6)。逆に、メインスロットルバルブ21の開度の変動率が小さい場合、回転数の差又は駆動系統の回転変動率が急上昇すると、不所望な駆動輪の滑りである。このような場合、トラクション制御を可及的速やかに実行する必要があるので、トラクション制御が可及的速やかに実行されるように第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を変更する。これにより、運転者の意思にも応じてトラクション制御を実行することができ、不所望なときにトラクション制御が実行されることをさらに抑制できる。
更に、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件が車速の変動率、即ち加速度に基づいて可変的に設定することもできる。加速度により自動二輪車1の姿勢を予測することができ、例えば、加速度が大きい場合、自動二輪車1が直立している可能性が高く、逆に加速度が小さい場合、自動二輪車1がバンクしている可能性が高い。自動二輪車1が直立している際、速やかに加速できるようにするべく駆動輪への駆動力を制限することが好ましくない。それ故、加速度が大きい場合、トラクション制御が直ぐに実行されないように第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を設定する。逆に、車両をバンクさせている際、大きな駆動力が駆動輪に与えられないように駆動力を制限することが好ましい。それ故、加速度が小さい場合、可及的速やかにトラクション制御実行されるように第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を変更する。このように加速度に応じてトラクション制御を実行することで、自動二輪車1の姿勢に応じてトラクション制御の実行の切替えが可能になる。これにより、不所望なときにトラクション制御が実行されることをさらに抑制できる。
更に、トラクション制御装置18では、第1可変閾値M及び第1可変閾値Mを設定する数式2乃至7の各変動パラメータ(即ち、各項)に対して重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slにより重み付けすることで、重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを車両特性等に応じてトラクション制御の実行条件を調整することができる。例えば、エンジン回転数の変動率が元々大きいエンジンEでは、重み付け係数K1Ne,K2Neを小さく設定したり、また、許容できるスリップ率が小さい自動二輪車1では、重み付け係数K1sl,K2slを大きく設定したりすることができる。このように設定することで車両特性等に応じた条件へと第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件に調整することができる。
また、これらの重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slが走行状態に応じて変更されるので、走行状態に応じてトラクション制御の実行条件を調整することができる。例えば、メインスロットルバルブ21の開度の変動率が小さいにも係わらずスリップ率が大きく、滑りやすい路面を走行している可能性が高い場合、重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを小さくし、監視値Mが小さくても迅速にトラクション制御が実行されるようにする。逆に、メインスロットルバルブ21の開度の変動率が大きいにも係わらずスリップ率が小さく、滑りにくい路面を走行している可能性が高い場合、重み付け係数K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを大きくし、監視値Mが大きくてもトラクション制御が実行されないようにする。このように走行状態に応じて第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を設定することができる。
更に、トラクション制御装置18は、第1可変閾値Mよりも第2可変閾値Mが小さくなることがあり(図4の時刻t4)、第1駆動力抑制条件よりも先に第2駆動力抑制条件の充足の有無を判定するようになっている。それ故、第1トラクション制御を実行することなく、いきなり第2トラクション制御を実行し、駆動力を大きく減少させることができるようになっている。例えば、空転量が急激に上昇した場合、駆動力を迅速且つ大きく減少させることが必要である。トラクション制御装置18は、前述のような空転量の急激な上昇を予想することができ、そのような場合に、第1トラクション制御を実行することなく、駆動力を大きく減少させる第2トラクション制御をいきなり実行する。このように、トラクション制御装置18は、空転量を予想し、その予想に応じて減少させる駆動力を的確に判断することができる。
また、トラクション制御装置18は、切換え条件の充足の有無に応じて駆動力を減少させる手段を点火装置26及びスロットル装置16の何れかに切換えて駆動力の減少変化を異ならせることができる。点火装置26でエンジンの遅角制御又は間引き制御することで、迅速に駆動力を減少させることができる。また、スロットル装置16で流量制御することで、駆動力の減少幅を大きくすることができる。これらの点火装置26による制御とスロットル装置16による制御の2つを切換えることで状況に応じた駆動力の減少を実現することができる。
更に、トラクション制御装置18では、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件の関係式にて、重み付け係数(変動値)K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slをそのまま加算している。車両の運転状態が所定の状態にあるとき、例えば高速走行時等の各変動率が小さいときに重み付け係数(変動値)K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを大きく設定することで、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mが極端に小さくなってしまい不所望にトラクション制御が実施されることを防ぐことができる。また、例えば、運転者が敢えて駆動輪に大きな駆動力をかけて後輪3を滑らすような車両の運転状態にあるとき、重み付け係数(変動値)K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slを大きく設定することで、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mが極端に小さくなってしまい不所望にトラクション制御が実施されることを防ぐことができる。なお、重み付け係数(変動値)K1th,K1Ne,K1Acc,K1sl,K2th,K2Ne,K2Acc,K2slに代えて所定値α,βを車両の運転状態が所定の状態に応じて変動させるようにしても、同様の作用効果が得られる。
[その他の実施形態について]
本実施形態では、エンジンEを備える自動二輪車1に適用したが、モータにより駆動輪を駆動する自動二輪車1であっても適用することができる。この場合、第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件では、エンジン回転数Neに代えてモータの回転数が用いられる。また、第1乃至第3トラクション制御では、間引き制御、遅角制御及び流量制御に代えてブレーキ制御により駆動力が減少するようになっている。
また、本実施形態では、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mを設定するために駆動系統の回転数としてエンジン回転数Neを用いているが、エンジン回転数Neに代えてエンジンEに繋がるドライブスプロケットや、ドリブンスプロケット等の駆動系統の回転数を用いてもよい。また、変速装置14と後輪3とを繋ぐチェーン15に代えてドライブシャフトを用い、エンジン回転数Neに代えてドライブシャフトの回転数を用いてもよい。これらの何れの回転数も後輪3が空転すると急激に変化する値である、つまり駆動輪3の空転量に応じて変化する値である。
また、本実施形態では、流量制御の際、サブスロットルバルブ22の開度を調整しているが、メインスロットルバルブ21にバルブアクチュエータ24を設けてその開度を調整できるようにし、メインスロットルバルブ21の開度を調整して流量を制御するようにしてもよい。この場合、サブスロットルバルブ22を設けなくてもよい。
更に、自動二輪車1に備わる図示しないリアダンパーにストロークセンサを設けて、リアダンパーのストローク量(状態関連値)を検出し、このストローク量に応じて第1可変閾値M及び第2可変閾値Mを設定されるようにしてもよい。例えば、ストローク量が大きい場合、後輪3側の荷重が大きく後輪3が空転しにくくなっているので、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mを小さくし、逆にストローク量が小さい場合、後輪3側の荷重が小さく後輪3が空転しやすくなっているので、第1可変閾値M及び第2可変閾値Mを大きくするように設定する。これにより、自動二輪車2の分布荷重(車両状態)の変化に基づいて第1可変閾値M及び第2可変閾値Mが設定され、不所望なトラクション制御が実行されることを防ぐことができる。
また、本実施形態では、2つの駆動力抑制条件が設定されるが、2つ以外に設定されてもよい。たとえば駆動力抑制条件が1つだけ設定されていてもよい。また3つ以上の駆動力抑制条件が設定されていてもよい。
更に、本実施形態では、第1及び第2駆動力抑制条件は、Th、Ne、SLIP、加速度、加速要求値(アクセルグリップ変位量)等の状態関連値のうち少なくとも1つに関して単位時間当たりの変動率に応じて変化する変動パラメータに基づいて設定される。制約条件は、状態関連値の変動率に基づいて変化可能であればよく、上述した演算式は一例であって、適宜設定可能である。たとえば、条件として、スロットルバルブ21の開度の変動率のみ、または車速の変動率のみに基づいて設定されていてもよい。
本発明は、駆動輪の空転量に応じて駆動輪の駆動力を制御するトラクション制御装置に適用することができる。
1 自動二輪車
2 前輪
3 後輪
16 スロットル装置
17 エンジンECU
18 トラクション制御装置
21 メインスロットルバルブ
26 点火装置
30 エンジン回転数センサ
41 トラクション制御機能部
42 点火制御部
43 スロットル制御部
45 監視値演算部
46 条件判定部
47 トラクション制御部

Claims (8)

  1. 車両の前後の車輪のうちの少なくとも一方の車輪である駆動輪の空転量に応じて変化する監視値を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記監視値が駆動力抑制条件を充足するか否かを判定する条件判定手段と、
    前記条件判定手段の判定に基づいて前記駆動輪の駆動力を減少させるトラクション制御を実行する制御手段とを備え、
    前記条件判定手段は、空転時における前記前後の車輪の回転数の差の変動率に応じて変化する回転数差に関する変動パラメータ、及び空転時における前記駆動輪を駆動する駆動系統の回転数の変動率に応じて変化する駆動系統の回転に関する変動パラメータのうち少なくとも1つの変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を可変的に設定するようになっていることを特徴とするトラクション制御装置。
  2. 前記条件判定手段は、前記変動率が大きくなると前記トラクション制御が実行されやすく駆動力抑制条件を変更し、前記変動率が小さくなると前記トラクション制御が実行されにくく駆動力抑制条件を変更するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のトラクション制御装置。
  3. 前記条件判定手段は、更にスロットルバルブの開度の変動率に応じて変化する開度に関する変動パラメータ、又は車速の変動率に応じて変化する車速に関する変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を設定するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトラクション制御装置。
  4. 前記条件判定手段は、前記複数の変動パラメータのうち2つ以上の変動パラメータに基づいて前記駆動力抑制条件を設定し、前記変動パラメータの各々に重み付けするようになっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のトラクション制御装置。
  5. 前記条件判定手段は、前記変動パラメータの各々に重み付けする際、前記車両の運転状態に基づいて前記各変動パラメータの重み付けの関係を変更するようになっていることを特徴とする請求項4に記載のトラクション制御装置。
  6. 前記条件判定手段は、前記検出手段により検出された前記監視値が第1駆動力抑制条件及び第2駆動力抑制条件を充足するか否かを判定するようになっており、
    前記制御手段は、前記条件判定手段が前記第1駆動力抑制条件を充足したと判定した場合に比べて、前記条件判定手段が前記第2駆動力抑制条件を充足したと判定した場合の方が前記駆動輪の駆動力を大きく減少させるようになっていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載のトラクション制御装置。
  7. 前記条件判定手段は、前記検出手段により検出された前記監視値が切換え判定条件を充足するか否かを判定するようになっており、
    前記制御手段は、前記条件判定手段が前記切換え判定条件を充足せず、且つ前記駆動力抑制条件を充足すると判定した場合、第1減少手段を制御して前記駆動輪の駆動力を減少するトラクション制御を実行し、前記切換え判定条件及び前記駆動力抑制条件を共に充足すると判定した場合、前記第1減少手段と減少変化が異なる第2減少手段を制御することで前記駆動輪の駆動力を減少するトラクション制御を実行するようになっていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載のトラクション制御装置。
  8. 車両状態が予め定められる駆動力抑制条件を充足すると、駆動輪に与える駆動力を抑制する駆動力抑制方法であって、
    駆動輪の空転量に応じて変化する監視値を求める監視値導出工程と、
    前記車両状態に関連する状態関連値を求める状態関連値導出工程と、
    空転時における前記状態関連値の単位時間当たりの変動率に応じて変化する変動パラメータに基づいて、前記駆動力抑制条件を可変的に設定する条件設定工程と、
    前記監視値が前記駆動力抑制条件を充足すると、前記駆動輪に与える駆動力を抑制する駆動力抑制工程とを有することを特徴とする駆動力抑制方法。
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