JPH08232697A - 自動二輪車のトラクション制御方法 - Google Patents
自動二輪車のトラクション制御方法Info
- Publication number
- JPH08232697A JPH08232697A JP4088795A JP4088795A JPH08232697A JP H08232697 A JPH08232697 A JP H08232697A JP 4088795 A JP4088795 A JP 4088795A JP 4088795 A JP4088795 A JP 4088795A JP H08232697 A JPH08232697 A JP H08232697A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ignition timing
- engine
- bank angle
- motorcycle
- engine speed
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
- Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】バンク時の駆動輪のスリップを防止する自動二
輪車のトラクション制御方法を提供するにある。 【構成】エンジンの回転数の変化幅を計測し、この変化
幅により加速スリップの程度を判定して上記エンジンの
点火時期を遅角させて上記エンジンの出力を制御するよ
うにした自動二輪車のトラクション制御方法において、
上記自動二輪車に車体のバンク角を検出するバンク角セ
ンサを設け、このバンク角センサより得た情報を元に、
上記バンク角が大きくなるに従って上記エンジンの点火
時期の遅角量を大きくすると共に、バンク時に上記エン
ジンの回転数の変化幅が大きくなるに従って上記エンジ
ンの点火時期の遅角量をさらに大きくするように構成し
たものである。
輪車のトラクション制御方法を提供するにある。 【構成】エンジンの回転数の変化幅を計測し、この変化
幅により加速スリップの程度を判定して上記エンジンの
点火時期を遅角させて上記エンジンの出力を制御するよ
うにした自動二輪車のトラクション制御方法において、
上記自動二輪車に車体のバンク角を検出するバンク角セ
ンサを設け、このバンク角センサより得た情報を元に、
上記バンク角が大きくなるに従って上記エンジンの点火
時期の遅角量を大きくすると共に、バンク時に上記エン
ジンの回転数の変化幅が大きくなるに従って上記エンジ
ンの点火時期の遅角量をさらに大きくするように構成し
たものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車のトラクショ
ン制御方法に関する。
ン制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車等の車両は、発進時や走行時
にスロットルを急開して急加速を行うと、トランスミッ
ションのギヤポジションによっては駆動輪である後輪が
トラクションを失いスリップを起こしてしまう。スリッ
プは、路面抵抗が低い時や後輪のタイヤが古くなりグリ
ップが低下してきたときに顕著である。
にスロットルを急開して急加速を行うと、トランスミッ
ションのギヤポジションによっては駆動輪である後輪が
トラクションを失いスリップを起こしてしまう。スリッ
プは、路面抵抗が低い時や後輪のタイヤが古くなりグリ
ップが低下してきたときに顕著である。
【0003】そこで近年、このような加速スリップを自
動的に防止するトラクションの制御方法および装置が研
究されており、その一つの例として、車両の駆動輪およ
び従動輪の車輪速度をセンサ等で検出し、各車輪の速度
差から加速スリップを検知して、例えばエンジンの点火
時期を遅角させるといった電子制御式のトラクション制
御装置を用いて加速スリップが生じないようにエンジン
出力を制御する方法が考えられている。
動的に防止するトラクションの制御方法および装置が研
究されており、その一つの例として、車両の駆動輪およ
び従動輪の車輪速度をセンサ等で検出し、各車輪の速度
差から加速スリップを検知して、例えばエンジンの点火
時期を遅角させるといった電子制御式のトラクション制
御装置を用いて加速スリップが生じないようにエンジン
出力を制御する方法が考えられている。
【0004】また、他の例としては、例えば特開昭60
−107429号公報に開示されているように、エンジ
ン回転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速スリ
ップの程度を判定し、やはりエンジンの点火時期を遅角
させて加速スリップが生じないようにエンジン出力を制
御する方法も考えられている。
−107429号公報に開示されているように、エンジ
ン回転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速スリ
ップの程度を判定し、やはりエンジンの点火時期を遅角
させて加速スリップが生じないようにエンジン出力を制
御する方法も考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動二
輪車はコーナリング時に傾く(バンク)特性があり、バ
ンク時に前後輪の車輪径が変化するため、前後輪の速度
差から加速スリップを検知するトラクション制御方法で
は充分な効果が期待できない。
輪車はコーナリング時に傾く(バンク)特性があり、バ
ンク時に前後輪の車輪径が変化するため、前後輪の速度
差から加速スリップを検知するトラクション制御方法で
は充分な効果が期待できない。
【0006】また、バンク時の後輪のグリップは直進時
に比べて低下する傾向があるため、単にエンジン回転数
の変化幅だけを計測し、この変化幅により加速スリップ
の程度を判定するトラクション制御方法でも充分な効果
は期待できない。
に比べて低下する傾向があるため、単にエンジン回転数
の変化幅だけを計測し、この変化幅により加速スリップ
の程度を判定するトラクション制御方法でも充分な効果
は期待できない。
【0007】そして、バンク時に後輪がトラクションを
失ってスリップするとコーナリング時の操縦安定性が著
しく低下してしまう。
失ってスリップするとコーナリング時の操縦安定性が著
しく低下してしまう。
【0008】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、バンク時の駆動輪のスリップを防止する自動二
輪車のトラクション制御方法を提供することを目的とす
る。
もので、バンク時の駆動輪のスリップを防止する自動二
輪車のトラクション制御方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
のトラクション制御方法は、上述した課題を解決するた
めに、請求項1に記載したように、エンジンの回転数の
変化幅を計測し、この変化幅により加速スリップの程度
を判定して上記エンジンの点火時期を遅角させて上記エ
ンジンの出力を制御するようにした自動二輪車のトラク
ション制御方法において、上記自動二輪車に車体のバン
ク角を検出するバンク角センサを設け、このバンク角セ
ンサより得た情報を元に、上記バンク角が大きくなるに
従って上記エンジンの点火時期の遅角量を大きくすると
共に、バンク時に上記エンジンの回転数の変化幅が大き
くなるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量をさら
に大きくするように構成したものである。
のトラクション制御方法は、上述した課題を解決するた
めに、請求項1に記載したように、エンジンの回転数の
変化幅を計測し、この変化幅により加速スリップの程度
を判定して上記エンジンの点火時期を遅角させて上記エ
ンジンの出力を制御するようにした自動二輪車のトラク
ション制御方法において、上記自動二輪車に車体のバン
ク角を検出するバンク角センサを設け、このバンク角セ
ンサより得た情報を元に、上記バンク角が大きくなるに
従って上記エンジンの点火時期の遅角量を大きくすると
共に、バンク時に上記エンジンの回転数の変化幅が大き
くなるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量をさら
に大きくするように構成したものである。
【0010】
【作用】上記の構成を有する本発明においては、エンジ
ンの回転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速ス
リップの程度を判定して上記エンジンの点火時期を遅角
させて上記エンジンの出力を制御するようにした自動二
輪車に車体のバンク角を検出するバンク角センサを設
け、このバンク角センサより得た情報を元に、上記バン
ク角が大きくなるに従って上記エンジンの点火時期の遅
角量を大きくすると共に、バンク時に上記エンジンの回
転数の変化幅が大きくなるに従って上記エンジンの点火
時期の遅角量をさらに大きくするように構成したため、
バンク時には上記エンジンの出力が抑えられ、バンク時
の駆動輪のスリップが防止され、コーナリング時の操縦
安定性が向上する。
ンの回転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速ス
リップの程度を判定して上記エンジンの点火時期を遅角
させて上記エンジンの出力を制御するようにした自動二
輪車に車体のバンク角を検出するバンク角センサを設
け、このバンク角センサより得た情報を元に、上記バン
ク角が大きくなるに従って上記エンジンの点火時期の遅
角量を大きくすると共に、バンク時に上記エンジンの回
転数の変化幅が大きくなるに従って上記エンジンの点火
時期の遅角量をさらに大きくするように構成したため、
バンク時には上記エンジンの出力が抑えられ、バンク時
の駆動輪のスリップが防止され、コーナリング時の操縦
安定性が向上する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0012】図1は、この発明を適用した自動二輪車の
一例を示す左側面図である。
一例を示す左側面図である。
【0013】図1において、この自動二輪車1は車体フ
レーム2を有し、この車体フレーム2の前方下部にエン
ジン3が搭載される。このエンジン3の上方に燃料タン
ク4が、燃料タンク4の後方に運転シート5がそれぞれ
設置される。この自動二輪車1は、車体前部が流線形の
カウリング6で覆われており、走行中の空気抵抗低減
と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。
レーム2を有し、この車体フレーム2の前方下部にエン
ジン3が搭載される。このエンジン3の上方に燃料タン
ク4が、燃料タンク4の後方に運転シート5がそれぞれ
設置される。この自動二輪車1は、車体前部が流線形の
カウリング6で覆われており、走行中の空気抵抗低減
と、走行風圧からのライダの保護とが図られている。
【0014】エンジン3は、主にシリンダ3aとクラン
クケース3bとから構成され、クランクケース3bの後
部はミッション室7となっている。このミッション室7
内部には図示しないトランスミッションが配置され、シ
フトペダル8によりトランスミッションのギヤポジショ
ンが選択されるようになっている。
クケース3bとから構成され、クランクケース3bの後
部はミッション室7となっている。このミッション室7
内部には図示しないトランスミッションが配置され、シ
フトペダル8によりトランスミッションのギヤポジショ
ンが選択されるようになっている。
【0015】エンジン3の回転数は、例えばクランクケ
ース3bに設けられたエンジン回転数センサ9により検
出され、例えば車体の後部に設置されたコントロールボ
ックス10に出力される。また、トランスミッションの
ギヤポジションも、例えばミッション室7に設けられた
ギヤポジションセンサ11により検出され、コントロー
ルボックス10に出力される。
ース3bに設けられたエンジン回転数センサ9により検
出され、例えば車体の後部に設置されたコントロールボ
ックス10に出力される。また、トランスミッションの
ギヤポジションも、例えばミッション室7に設けられた
ギヤポジションセンサ11により検出され、コントロー
ルボックス10に出力される。
【0016】エンジン3のシリンダ3a前側にはエンジ
ン排気系12を構成するエキゾーストパイプ12aが接
続され、このエキゾーストパイプ12aの下流側にマフ
ラ12bが接続される。また、燃料タンク4の下方には
エンジン吸気系13を構成するキャブレタ13aが配置
される。キャブレタ13aの下流側はシリンダ3aの後
側に接続され、また、キャブレタ13aの上流側にはエ
アクリーナ13bが配置される。さらに、エンジン3前
方にはエンジン冷却系14を構成するラジエター14a
が配置される。
ン排気系12を構成するエキゾーストパイプ12aが接
続され、このエキゾーストパイプ12aの下流側にマフ
ラ12bが接続される。また、燃料タンク4の下方には
エンジン吸気系13を構成するキャブレタ13aが配置
される。キャブレタ13aの下流側はシリンダ3aの後
側に接続され、また、キャブレタ13aの上流側にはエ
アクリーナ13bが配置される。さらに、エンジン3前
方にはエンジン冷却系14を構成するラジエター14a
が配置される。
【0017】車体フレーム2の中央下部に架設されたピ
ボット軸15にはスイングアーム16がピボット軸15
廻りにスイング自在に枢着され、このスイングアーム1
6の後端に駆動輪である後輪17がリヤアクスル18に
より回動自在に軸支される。スイングアーム16の基端
部側には、リヤショックアブソーバ19ならびに複数の
リンク20が設けられ、これらのスイングアーム16、
リヤショックアブソーバ19およびリンク20からリヤ
サスペンション機構21が構成される。
ボット軸15にはスイングアーム16がピボット軸15
廻りにスイング自在に枢着され、このスイングアーム1
6の後端に駆動輪である後輪17がリヤアクスル18に
より回動自在に軸支される。スイングアーム16の基端
部側には、リヤショックアブソーバ19ならびに複数の
リンク20が設けられ、これらのスイングアーム16、
リヤショックアブソーバ19およびリンク20からリヤ
サスペンション機構21が構成される。
【0018】一方、車体フレーム2の前方にはヘッドパ
イプ22が設けられ、このヘッドパイプ22にはステア
リング機構23が設けられる。このステアリング機構2
3には、従動輪である前輪24を回動自在に支持する左
右一対のフロントフォーク25が備えられる。
イプ22が設けられ、このヘッドパイプ22にはステア
リング機構23が設けられる。このステアリング機構2
3には、従動輪である前輪24を回動自在に支持する左
右一対のフロントフォーク25が備えられる。
【0019】フロントフォーク25は、ステアリング機
構23のアッパーブラケット26aとロアーブラケット
26bとによって前輪24を挟み込むように平行に固定
される一方、ハンドルバー27やフロントフェンダ28
などが取付けられる。そして、ステアリング機構23は
ヘッドパイプ22に左右回動自在に枢着され、ハンドル
バー27により前輪24が左右に回動自在に操舵される
ようになっている。
構23のアッパーブラケット26aとロアーブラケット
26bとによって前輪24を挟み込むように平行に固定
される一方、ハンドルバー27やフロントフェンダ28
などが取付けられる。そして、ステアリング機構23は
ヘッドパイプ22に左右回動自在に枢着され、ハンドル
バー27により前輪24が左右に回動自在に操舵される
ようになっている。
【0020】また、ヘッドパイプ22前部にはフレーム
状に構成されたカウリング6固定用のカウリングブレー
ス29が設けられ、このカウリングブレース29に取付
けられたメータブラケット29aにタコメータ30等の
メータ類が取付けられる。また、カウリングブレース2
9の前部には図示しないヘッドライトを内装したヘッド
ライトアッセンブリ31が設けられる。
状に構成されたカウリング6固定用のカウリングブレー
ス29が設けられ、このカウリングブレース29に取付
けられたメータブラケット29aにタコメータ30等の
メータ類が取付けられる。また、カウリングブレース2
9の前部には図示しないヘッドライトを内装したヘッド
ライトアッセンブリ31が設けられる。
【0021】ハンドルバー27の右端部には図示しない
スロットルが設けられ、スロットルケーブル32を介し
て前記キャブレタ13aに接続される。スロットルの開
度は、例えばスロットルケーブル32の途中に設けられ
たスロットル開度センサ33により検出され、コントロ
ールボックス10に出力される。
スロットルが設けられ、スロットルケーブル32を介し
て前記キャブレタ13aに接続される。スロットルの開
度は、例えばスロットルケーブル32の途中に設けられ
たスロットル開度センサ33により検出され、コントロ
ールボックス10に出力される。
【0022】ところで、自動二輪車1はコーナリング時
に傾く(バンク)特性があり、本実施例の自動二輪車1
にはこのバンク角を検出するバンク角センサ34が設け
られる。このバンク角センサ34は、例えば車体フレー
ム2に設けられ、検出したバンク角をコントロールボッ
クス10に出力する。
に傾く(バンク)特性があり、本実施例の自動二輪車1
にはこのバンク角を検出するバンク角センサ34が設け
られる。このバンク角センサ34は、例えば車体フレー
ム2に設けられ、検出したバンク角をコントロールボッ
クス10に出力する。
【0023】本実施例のトラクション制御方法は、図2
に示すように、まずコントロールボックス10に入力さ
れたエンジン回転数、スロットル開度およびギヤポジシ
ョンの3次元マップにより基本点火時期(Tp)を算出
する。この時、スロットル開度が小さく、かつギヤポジ
ションが低い場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を
大きくする一方、スロットル開度が大きく、かつギヤポ
ジションが高い場合にはエンジン3の点火時期の遅角量
を小さくする。
に示すように、まずコントロールボックス10に入力さ
れたエンジン回転数、スロットル開度およびギヤポジシ
ョンの3次元マップにより基本点火時期(Tp)を算出
する。この時、スロットル開度が小さく、かつギヤポジ
ションが低い場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を
大きくする一方、スロットル開度が大きく、かつギヤポ
ジションが高い場合にはエンジン3の点火時期の遅角量
を小さくする。
【0024】次に、エンジン回転数、ギヤポジションお
よびバンク角の3次元マップにより補正点火時期1(T
a1)を算出する。この時、バンク角が大きい場合には
エンジン3の点火時期の遅角量を大きくする一方、バン
ク角が小さい場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を
小さくする。
よびバンク角の3次元マップにより補正点火時期1(T
a1)を算出する。この時、バンク角が大きい場合には
エンジン3の点火時期の遅角量を大きくする一方、バン
ク角が小さい場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を
小さくする。
【0025】さらに、エンジン回転数、ギヤポジション
およびエンジン3の回転変化幅の3次元マップにより補
正点火時期2(Ta2)を算出する。この時、エンジン
3の回転変化幅が大きい場合にはエンジン3の点火時期
の遅角量を大きくする一方、エンジン3の回転変化幅が
小さい場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を小さく
する。但し、後述する補正点火時期2(Ta2)の制御
条件を満たしていない場合は、この補正は行われないも
のとする。
およびエンジン3の回転変化幅の3次元マップにより補
正点火時期2(Ta2)を算出する。この時、エンジン
3の回転変化幅が大きい場合にはエンジン3の点火時期
の遅角量を大きくする一方、エンジン3の回転変化幅が
小さい場合にはエンジン3の点火時期の遅角量を小さく
する。但し、後述する補正点火時期2(Ta2)の制御
条件を満たしていない場合は、この補正は行われないも
のとする。
【0026】そして、基本点火時期(Tp)と、補正点
火時期1(Ta1)と、補正点火時期2(Ta2)とを
加算することにより点火時期出力(T)を得、この点火
時期出力(T)でエンジン3の点火時期を制御する。
火時期1(Ta1)と、補正点火時期2(Ta2)とを
加算することにより点火時期出力(T)を得、この点火
時期出力(T)でエンジン3の点火時期を制御する。
【0027】なお、エンジン3の回転変化幅の演算方法
は、例えばまず微小時間毎または一回転毎の回転数デー
タより現在の値から所定点前までの移動平均を行い、そ
の結果を記憶しておく。そして、その移動平均のデータ
を現在の値と所定時間または所定回転分前のデータと比
較することにより行う。
は、例えばまず微小時間毎または一回転毎の回転数デー
タより現在の値から所定点前までの移動平均を行い、そ
の結果を記憶しておく。そして、その移動平均のデータ
を現在の値と所定時間または所定回転分前のデータと比
較することにより行う。
【0028】ところで、補正点火時期2(Ta2)の制
御条件は、図3に示すように、エンジン回転数が制御開
始回転数より大きいか等しい場合、スロットル開度が設
定値より大きいか等しい場合、ギヤポジションが設定値
より小さいか等しい場合、エンジン3が加速状態でその
回転数変化幅が設定値より大きいか等しい場合、そし
て、上記回転数変化幅の連続検出回数が設定値より大き
いか等しい場合のすべてを満たした場合に点火時期の補
正が行われるものとする。なお、エンジン3が減速状態
でその回転数変化幅が設定値より大きいか等しい場合、
検出時の回転数変化幅が減速時の設定値より大きくかつ
加速時の設定値より小さい場合、または上記回転数変化
幅の連続検出回数が設定値より大きいか等しい場合のい
ずれかを満たした場合は点火時期の補正は行われない。
御条件は、図3に示すように、エンジン回転数が制御開
始回転数より大きいか等しい場合、スロットル開度が設
定値より大きいか等しい場合、ギヤポジションが設定値
より小さいか等しい場合、エンジン3が加速状態でその
回転数変化幅が設定値より大きいか等しい場合、そし
て、上記回転数変化幅の連続検出回数が設定値より大き
いか等しい場合のすべてを満たした場合に点火時期の補
正が行われるものとする。なお、エンジン3が減速状態
でその回転数変化幅が設定値より大きいか等しい場合、
検出時の回転数変化幅が減速時の設定値より大きくかつ
加速時の設定値より小さい場合、または上記回転数変化
幅の連続検出回数が設定値より大きいか等しい場合のい
ずれかを満たした場合は点火時期の補正は行われない。
【0029】ところで、補正点火時期2(Ta2)の補
正が途中で解除される場合、その補正は一定時間毎また
は一回転毎に徐々に小さくなるように設定され、急激な
出力の変化が起こらないように設定される。
正が途中で解除される場合、その補正は一定時間毎また
は一回転毎に徐々に小さくなるように設定され、急激な
出力の変化が起こらないように設定される。
【0030】次に、本実施例の作用について説明する。
【0031】図4は、上記実施例におけるエンジン回転
数とエンジン3の点火時期との関係を現すグラフであ
り、図5は、エンジン回転数とエンジン3の出力との関
係を現すグラフである。図中、実線は通常の走行状態
(直進中)、破線はバンク時(コーナリング中)、そし
て一点鎖線はバンク時にエンジン3の回転変化幅が大き
くなった場合をそれぞれ示す。
数とエンジン3の点火時期との関係を現すグラフであ
り、図5は、エンジン回転数とエンジン3の出力との関
係を現すグラフである。図中、実線は通常の走行状態
(直進中)、破線はバンク時(コーナリング中)、そし
て一点鎖線はバンク時にエンジン3の回転変化幅が大き
くなった場合をそれぞれ示す。
【0032】図4および図5に示すように、通常走行中
よりバンク時においては、点火時期が遅角され、よって
出力も抑えられる。さらに、バンク時にエンジン3の回
転変化幅が大きくなると、さらに点火時期が遅角され、
よって出力もさらに抑えられる。
よりバンク時においては、点火時期が遅角され、よって
出力も抑えられる。さらに、バンク時にエンジン3の回
転変化幅が大きくなると、さらに点火時期が遅角され、
よって出力もさらに抑えられる。
【0033】自動二輪車1のバンク時の駆動輪である後
輪17のグリップは直進時に比べて低下する傾向がある
ため、バンク時にエンジン3の出力を抑えることにより
後輪17がトラクションを失ってスリップすることが防
止され、コーナリング時の操縦安定性が向上する。さら
に、バンク時に急なエンジン回転数の変化が起こって
も、エンジン3の出力はさらに抑えられるため、後輪1
7のスリップが防止される。
輪17のグリップは直進時に比べて低下する傾向がある
ため、バンク時にエンジン3の出力を抑えることにより
後輪17がトラクションを失ってスリップすることが防
止され、コーナリング時の操縦安定性が向上する。さら
に、バンク時に急なエンジン回転数の変化が起こって
も、エンジン3の出力はさらに抑えられるため、後輪1
7のスリップが防止される。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る自動
二輪車のトラクション制御方法によれば、エンジンの回
転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速スリップ
の程度を判定して上記エンジンの点火時期を遅角させて
上記エンジンの出力を制御するようにした自動二輪車の
トラクション制御方法において、上記自動二輪車に車体
のバンク角を検出するバンク角センサを設け、このバン
ク角センサより得た情報を元に、上記バンク角が大きく
なるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量を大きく
すると共に、バンク時に上記エンジンの回転数の変化幅
が大きくなるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量
をさらに大きくするように構成したため、バンク時には
上記エンジンの出力が抑えられ、バンク時の駆動輪のス
リップが防止され、コーナリング時の操縦安定性が向上
する。
二輪車のトラクション制御方法によれば、エンジンの回
転数の変化幅を計測し、この変化幅により加速スリップ
の程度を判定して上記エンジンの点火時期を遅角させて
上記エンジンの出力を制御するようにした自動二輪車の
トラクション制御方法において、上記自動二輪車に車体
のバンク角を検出するバンク角センサを設け、このバン
ク角センサより得た情報を元に、上記バンク角が大きく
なるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量を大きく
すると共に、バンク時に上記エンジンの回転数の変化幅
が大きくなるに従って上記エンジンの点火時期の遅角量
をさらに大きくするように構成したため、バンク時には
上記エンジンの出力が抑えられ、バンク時の駆動輪のス
リップが防止され、コーナリング時の操縦安定性が向上
する。
【図1】本発明に係る自動二輪車のトラクション制御方
法の一実施例が適用された自動二輪車の左側面図。
法の一実施例が適用された自動二輪車の左側面図。
【図2】基本点火時期、補正点火時期1および補正点火
時期2の算出方法を示す図。
時期2の算出方法を示す図。
【図3】補正点火時期2の制御条件を示す図。
【図4】エンジン回転数とエンジンの点火時期との関係
を現す図。
を現す図。
【図5】エンジン回転数とエンジンの出力との関係を現
す図。
す図。
1 自動二輪車 3 エンジン 7 ミッション室 8 シフトペダル 9 エンジン回転数センサ 10 コントロールボックス 11 ギヤポジションセンサ 17 後輪(駆動輪) 24 前輪(従動輪) 33 スロットル開度センサ 34 バンク角センサ
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンの回転数の変化幅を計測し、こ
の変化幅により加速スリップの程度を判定して上記エン
ジンの点火時期を遅角させて上記エンジンの出力を制御
するようにした自動二輪車のトラクション制御方法にお
いて、上記自動二輪車に車体のバンク角を検出するバン
ク角センサを設け、このバンク角センサより得た情報を
元に、上記バンク角が大きくなるに従って上記エンジン
の点火時期の遅角量を大きくすると共に、バンク時に上
記エンジンの回転数の変化幅が大きくなるに従って上記
エンジンの点火時期の遅角量をさらに大きくするように
構成したことを特徴とする自動二輪車のトラクション制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4088795A JPH08232697A (ja) | 1995-02-28 | 1995-02-28 | 自動二輪車のトラクション制御方法 |
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- 1995-02-28 JP JP4088795A patent/JPH08232697A/ja active Pending
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