JP5297369B2 - 路面状態判定装置及び車両の制御方法 - Google Patents

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本発明は、車両が走行している路面の状態を判定するための路面状態判定装置、及び車両の制御方法に関する。
駆動源より駆動輪に伝達される動力が車両のグリップ性能を上回ると、駆動輪の空転が生じる。空転の程度が大きくなると安定した走行が困難となるため、従来、駆動輪の空転の程度を表すスリップ値が所定値を超えると駆動輪に伝達される動力を低下させる制御を実行し、これにより駆動輪の空転を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−111430号公報
ところで、車両は駆動輪に少々空転が生じても走行可能であるが、駆動輪と路面との摩擦係数が低くなるような路面状態での走行中には、空転の程度が大きくなりやすい。このように、走行中の路面状態は空転の発生に影響を与える。
運転者は、高い摩擦係数を確保可能な路面状態を走行しているときには、少々の空転を許容する運転操作の可能性があるのに対し、摩擦係数が低い路面状態においては、空転が生じないように、また空転の程度が大きくなりそうであればそれを抑えるように慎重な運転操作を心がける可能性がある。よって、従来提案されている空転の程度を表すスリップ値を単純に参照しても、走行中の路面状態を精度良く判定することが難しい。
そこで本発明は、路面状態を好適に判定可能とすることを目的としている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係る路面状態判定装置は、駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を測定するスリップ値測定手段と、前記スリップ値測定手段により測定されたスリップ値の単位時間当たり変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算手段と、前記変化率演算手段により演算された前記スリップ値の変化率に応じて路面状態を判定する判定手段と、を備え、前記変化率演算手段は、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定手段は、前記スリップ値変化率の前記累積値に基づいて前記路面状態を判定することを特徴としている。
路面の摩擦係数が低くなるほど、空転が開始してからのスリップ値の上昇が速く、スリップ値の変化率が大きくなる。よって、前記構成によれば、このような特性を持つスリップ値の変化率を参照することで、路面状態を好適に判定することができるようになる。また、駆動輪に伝達される動力の急変や、マンホール蓋など路面上の局所的に摩擦係数が異なる箇所を走行したことなどによってスリップ値の変化率が路面状態と関係なく急変するようなことがあっても、このようなノイズの影響を小さくすることができる。
また、前記変化率演算手段は、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ変化率の瞬時値を用いて前記スリップ変化率の累積値を演算し、前記路面状態判定手段は、前記スリップ変化率の瞬時値と累積値とに応じて前記路面状態を判定してもよい。
これにより、前述同様にして、路面状態の判定に際してスリップ値の変化率のノイズ値の影響を小さくすることができる。
前記判定手段は、前記スリップ変化率が予め規定される複数の数値範囲のうちいずれの範囲内にあるのかに応じて、前記路面状態を判定してもよい。
これにより、複数の路面状態のうちいずれの路面状態であるのかを好適に判定することができるようになる。
本発明に係る車両の制御方法は、駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を検出するスリップ値測定工程と、前記スリップ値測定工程において検出されたスリップ値の単位時間当たりの変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算工程と、前記変化率演算工程において演算された前記スリップ変化率に応じて路面状態を判断する路面状態判断工程と、前記路面状態判断工程において判断された路面状態に応じて車両を制御する制御工程と、を有し、前記変化率演算工程において、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定工程において、前記累積値に基づいて前記路面状態を判定し、前記判定工程において、現在から所定期間前までに取得された複数の路面状態から当該所定期間内で最大値のスリップ値変化率に応じて取得された路面状態を出力値とし、前記車両制御工程において、当該出力値に応じて車両を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る車両の制御方法は、駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を測定するスリップ値測定工程と、前記スリップ値測定工程において測定されたスリップ値の単位時間当たりの変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算工程と、前記変化率演算工程において演算された前記スリップ値変化率に応じて路面状態を判定する判定工程と、を有し、前記変化率演算工程において、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定工程において、前記累積値に基づいて前記路面状態を判定し、前記判定工程において、前記スリップ値変化率が予め定められている複数の数値範囲のうち何れの範囲内にあるのかに応じて前記路面状態を判定し、前記複数の数値範囲を規定する閾値は前記スリップ値変化率に応じて補正され、前記スリップ値変化率が大きいほど前記閾値を小さい値に補正し、前記スリップ値変化率が急上昇したときに前記閾値を大きい値に補正する。
前記方法によれば、前述同様にして路面状態を好適に判定することができる。また、車両制御工程を含む場合において、判断した路面状態に応じて車両を好適に制御することができる。
本発明によれば、路面状態を好適に判定することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両の一例として示す自動二輪車の左側面図である。 図1に示す自動二輪車の駆動系の構成を示す模式図である。 自動二輪車の走行試験より得られた、路面状態、スリップ値、及びスリップ値変化率の関係を示す図である。 自動二輪車の走行試験より得られた、スロットル開度に対するスリップ値の変化率を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック線図である。 スリップ値変化率、及び判断部により判断される路面状態の変動の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係る制御システムの構成を示すブロック線図である。 本発明の第3実施形態に係るスリップ値測定部の構成を示すブロック線図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。ここでは、本発明に係る路面状態判定装置を搭載した車両の一例として自動二輪車を例示し、方向の概念は自動二輪車の運転者が見る方向を基準としている。
[第1実施形態]
[自動二輪車]
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両の一例として示す自動二輪車1の左側面図である。図1に示す自動二輪車1は、前方に従動輪である前輪2を有し、後方に駆動輪である後輪3を有している。前輪2及び後輪3は、ゴム製のタイヤ2a,3aを装着しており、これらタイヤ2a,3aが路面上を転動する。
前輪2は略上下方向に延びるフロントフォーク4の下端部に回転可能に支持され、フロントフォーク4の上端部は、ヘッドパイプ5に回転可能に支持されたステアリングシャフト(図示せず)に接続され、ステアリングシャフトの上端部は、左右一対のグリップを有したハンドル6と連結されている。
ヘッドパイプ5からは左右一対のメインフレーム7が後下方へ延び、メインフレーム7の後部には左右一対のピボットフレーム8が接続され、ピボットフレーム8には略前後方向に延びるスイングアーム9の前端部が枢支され、スイングアーム9の後端部には後輪3が回転可能に支持されている。
メインフレーム7及びピボットフレーム8には、自動二輪車1の駆動源として、ガソリンを燃料とするレシプロ型の4ストローク並列4気筒のエンジン10が設けられている。エンジン10の上方且つハンドル6の後方には、エンジン10に供給される燃料を溜めるための燃料タンク13が設けられている。外部の新気は、エアクリーナ11及びスロットル装置11を介してエンジン10に取り入れられ、エンジン10内で燃料と混合される。
燃料タンク13の後方には、運転者及び同乗者を騎乗させるシート14が設けられている。なお、シート14の下方空間には、後述する電子制御装置31(ECU)が設けられている。運転者は、シート14の前部に着座してハンドル6のグリップを把持し、自動二輪車1を操縦することができる。グリップを把持した運転者がハンドル6を回動操作すると、前輪2がステアリングシャフトを回転軸として転向する。
図2は、図1に示す自動二輪車1の駆動系の構成を示す模式図である。スロットル装置12は、内部に吸気通路を形成する吸気管16、吸気通路を開度可変に開閉するメインスロットル弁17及びサブスロットル弁18、及びサブスロットル弁18を駆動する弁アクチュエータ19を備える。
メインスロットル弁17の開度は、スロットルグリップ15の回転に応じて機械的に変更される。スロットルグリップ15はハンドル6(図1参照)の右側のグリップであり、運転者により操作される。弁アクチュエータ19の動作は車両制御部32(図5参照)により制御され、弁アクチュエータ19の動作に応じてサブスロットル弁18の開度が変更される。スロットル弁17,18の開度が変更されると、エンジン10の吸気量が増減し、これによりエンジン10の出力を増減させることができる。よって、スロットルグリップ15は、運転者がエンジン10の出力増減に対する要求、又は自動二輪車1の加減速に対する要求を入力するための操作部材として機能する。以降、メインスロットル弁17の開度を単に「スロットル開度θ」として説明する。なお、本実施形態では、スロットル装置12が機械駆動式と電気駆動式の2つの弁を備えた場合を例示しているが、これら2つの弁のうち1つのみを備えていてもよい。
エンジン10は、適宜量の燃料を適宜タイミングで供給するための燃料供給装置20と、混合気を適宜タイミングで点火するための点火装置21とを備えている。混合気の燃焼によりエンジン10が発生する出力はクランク軸22の回転となり、クランク軸22の回転は動力伝達経路23を介して後輪3に伝達される。本実施形態の動力伝達経路23は、減速機構24、クラッチ機構25、変速機入力軸26a、変速機26、変速機出力軸26b、及びチェーン伝動機構27から成る。
後輪3が回転駆動されると、後輪3のタイヤ3aと路面との間に摩擦力が生じ、後輪3が路面上を転動する。後輪3と共に接地している前輪2も同様にして路面上を転動し、これにより自動二輪車1が路面上を推進する。前輪2及び後輪3にはそれぞれブレーキ装置28,29が設けられており、各ブレーキ装置28,29の動作によって前輪2及び後輪3の回転をそれぞれ制動することができる。
[路面状態とスリップとの関係]
エンジン10から後輪3に伝達される動力が後輪3のタイヤ3aと路面との間に生ずる摩擦力を上回ると、後輪3が空転する。よって、後輪3のタイヤ3aと路面との摩擦係数、タイヤ3aに与えられる垂直抗力が小さく、大きな摩擦力を確保しにくいときほど、後輪3が空転しやすく、その空転の程度も大きくなりやすい。
後輪3が空転すると、駆動輪である後輪3の回転速度が従動輪である前輪2の回転速度に比して大きくなる。よって、後輪3の回転速度と前輪2の回転速度との差に相当する値を、後輪3の空転の程度を表すスリップ値Sとすることができる。このスリップ値Sは、後輪3の回転速度VRから前輪2の回転速度VFを減算することにより求められてもよく(VR−VF)、当該減算値を更に前輪2の回転速度で除算することにより求められてもよい((VR−VF)/VF)。また、後輪3の回転速度VRと車速Vとの差をとることにより求められてもよい(VR−V)。
エンジン10の出力が、これを吸収可能な摩擦力を上回ると空転が生じることから、エンジン10の出力がこの摩擦力の限界値をどの程度上回るかによって、空転の程度を表すことも可能である。ここで、エンジン10の発生トルクは、クランク軸22の角加速度と慣性モーメントとの積であり、クランク軸22の角加速度は、後輪3から路面に動力を伝えるべく回転する回転部材、すなわち動力伝達経路23を構成する回転部材の角加速度及び後輪3自体の角加速度と比例する。よって、スリップ値Sとして、クランク軸22の角加速度(すなわち、エンジン回転数の変化率)、又は上記回転部材の角加速度を採用することもできる。
図3は、自動二輪車の走行試験から得られた、路面状態と、スリップ値Sの平均値と、単位時間当たりのスリップ値の変化量ΔS(以下、スリップ値変化率という)の平均値との関係を示している。図3の左欄において、路面状態に付した数字が若いほど路面とタイヤとの摩擦係数が高い。スリップ値S及びスリップ変化率ΔSは「路面状態1」での当該値を1とする比で表している。
図3に示すように、走行試験の結果から、摩擦係数の変化とスリップ値Sの変化との間に相関性を認めることはできなかった。これに対して、摩擦係数が小さいほどスリップ値変化率ΔSは大きくなることがわかり、摩擦係数とスリップ値変化率ΔSとの間には強い相関性を認めることができた。また、スリップ値変化率ΔSは空転の程度が変化する速度を表す値であることから、摩擦係数が小さいほど、空転開始後における空転の程度の上昇速度も高くなることがわかった。
図4は、自動二輪車の走行試験から得られた、スロットル開度θに対するスリップ値変化率ΔSの最大値を示すグラフである。図4に示すように、互いに摩擦係数が異なる複数の路面状態のうち何れの路面状態においても、スリップ値変化率ΔSの最大値は、スロットル開度θの大小に関わらず大きく変化しないことがわかった。
なお、図示を省略するが、スリップ値Sとして、例えばクランク軸22の角加速度を採用したときにおいても、図3及び図4と同様の結果を示すことがわかった。
[路面状態の判定]
図5は、本発明の第1実施形態に係る制御システム30の構成を示すブロック図である。図5に示すように、自動二輪車1の制御システム30は、電子制御装置(ECU)31を有している。ECU31は、車両制御部32と、路面状態判定部33(路面状態判定装置)とを有している。路面状態判定部33は、センサ34,35によって検出される運転状態に応じて、路面状態を判定する。路面状態判定部33により実行される路面状態の判定は、前述した路面状態とスリップ値変化率との相関性に着眼したものとなっている。
路面状態判定部33は、スリップ値測定部41と、スリップ値変化率演算部42と、判定部43と、記憶部44とを有している。ここで、各センサ34,35は所定周期毎にECU31に検出値を出力し、路面状態判定部33を構成する部分も当該所定周期毎に演算値を出力する。以下の説明における添え字(n)は、特段説明しない限り、ある時点にて検出又は演算された瞬時値であることを表し、(n−1)は(n)に対応する時点から1周期だけ過去に遡った時点にて検出又は演算された過去の瞬時値であることを表す。
スリップ値測定部41は、前輪回転速度センサ34により検出される前輪2の回転速度VF(n)と、後輪回転速度センサ35により検出される後輪3の回転速度VR(n)とに基づいて、スリップ値S(n)を測定する。本実施形態では、スリップ値S(n)は次式(1)より求められる。スリップ値測定部41により測定されたスリップ値S(n)は、記憶部44に一時的に記憶され、且つスリップ値変化率演算部42に入力される。
(n)=(VR(n)−VF(n))/VF(n) ……(1)
スリップ値変化率演算部42は、スリップ値測定部41から入力したスリップ値S(n)と、記憶部44に記憶されている1周期過去のスリップ値S(n−1)とに基づいて、単位時間(本例では前記所定周期)当たりのスリップ値変化量ΔS(n)(すなわち、スリップ値変化率)を演算する。スリップ値変化率ΔS(n)は、次式(2)より求められる。
ΔS(n)=S(n)−S(n−1) ……(2)
判定部43は、スリップ値変化率演算部42から入力したスリップ値変化率ΔS(n)に応じて路面状態r(n)を判断する。この判断のため、記憶部44には、判定部43においてスリップ値変化率ΔS(n)と比較される複数の閾値ΔSTH(ΔSTH_1,ΔSTH_2,…)が記憶されている。
図4に戻り、記憶部44に記憶される閾値ΔSTH_1,ΔSTH_2,ΔSTH_3,ΔSTH_4は、路面状態1〜4のスリップ値変化率ΔSの最大値付近の値にそれぞれ設定されている。例えば第1の閾値ΔSTH_1は、「路面状態1」におけるスリップ値変化率ΔSの最大値付近の値に設定されている。
前述したように、スリップ値変化率ΔSの最大値は路面状態に応じて異なるため、各閾値ΔSTHも互いに異なる値に設定される。このため、記憶部44に記憶される複数の閾値ΔSTHにより、記憶されている閾値の個数より1だけ多い数の数値範囲R1〜R5を規定することができる。例えば、第1の数値範囲R1は、「路面状態1」に対応してする第1の閾値ΔSTH_1未満の数値範囲であって下限値がなく、「路面状態1」の走行中には、スリップ値変化率ΔSがこの第1の数値範囲R1内に収まる傾向にある。第2路面状態R2は、第1の閾値ΔSTH_1以上であって「路面状態2」に対応する第2の閾値ΔSTH_2未満の数値範囲であり、「路面状態2」の走行中にはスリップ値変化率ΔSが第1の数値範囲R1内に収まる傾向にある。第3及び第4の数値範囲R3,R4も、第2の数値範囲R2と同様にして、第2の閾値ΔSTH_2、「路面状態3」に対応する第3の閾値ΔSTH_3、及び「路面状態4」に対応する第4の閾値ΔSTH_4により規定される。第5の数値範囲R5は、第4の閾値ΔSTH_4以上の数値範囲であり上限値がない。
図5に戻り、判定部43は、スリップ値変化率演算部42から入力したスリップ値変化率ΔS(n)と、記憶部44から入力した複数の閾値ΔSTH(ΔSTH_1,ΔSTH_2,…)とを比較する。そして、スリップ値変化率ΔS(n)が、これら閾値ΔSTH(ΔSTH_1,ΔSTH_2,…)により規定される複数の数値範囲R1〜R5のうち何れの範囲内に収まるのかに応じて、路面状態r(n)を判断する。例えばスリップ値変化率ΔS(n)が第1の数値範囲R1内に収まっていれば、路面状態r(n)が「路面状態1」であると判断される。判定部43により求められた路面状態r(n)は記憶部44に記憶される。本実施形態では、4つの路面状態に分類したが、これに限定せず、2つ以上の領域に分けてもよく、単純に2つの領域にわけてもよい。また、スリップ値の変化率自体が、路面状態を表すので、スリップ値の変化率自体を出力したり、制御パラメータとして車体制御に利用したりしてもよい。
ここで、r(n)を路面状態の最新値とする。判定部43は、路面状態の最新値r(n)と、記憶部44に記憶されている複数の路面状態の過去の瞬時値r(n−1),r(n−2),…r(n−M)(M:自然数)とに基づいて路面状態の出力値r′(n)を決定し、決定した出力値r′(n)を車両制御部32に出力する。車両制御部32は、この出力値r′(n)により表される路面状態に応じて、自動二輪車1を制御する。
図5は、出力値r′の決定に際し、M個の過去値r(n−1),r(n−2),…r(n−M)が参照される場合を例示している。この場合、出力値r′(n)は、路面状態の最新値r(n)を得た時点から、参照する過去値の個数Mに上記所定周期を掛け算して得た所定期間T(図6参照)だけ過去に遡って路面状態のデータを考慮することとなる。本実施形態では、当該期間T内のスリップ値変化率の最大値に応じて判断された路面状態が、出力値r′(nとして決定される。
図6は、スリップ値変化率ΔS、及び判定部43により決定される路面状態の出力値r′の変動の一例を示すタイミングチャートである。図6に示すように、当初、スリップ値変化率ΔSは第1の数値範囲R1内にあるため、出力値r′が「路面状態1」に決定される。その後、スリップ値変化率ΔSが第1の閾値ΔSTH_1を上回って第2の数値範囲R2内に収まるように変化すると、第1の閾値ΔSTH_1を上回った時点t1でのスリップ値変化率ΔSは当該時点t1から過去に遡っても最大値となっているため、当該時点t1で出力値r′が「路面状態2」に変更される。その後、スリップ値変化率ΔSが第2及び第3の閾値ΔSTH_2,ΔSTH_3をそれぞれ上回ったときにも、これに応じて出力値r′が変更される(時点t2,t3参照)。
第4の数値範囲R4内にあるスリップ値変化率ΔSが、第3の閾値ΔSTH_3を下回って第3の数値範囲R3内に収まるように変化したときを想定する。このとき、スリップ値変化率ΔSが減少傾向にあるため、第3の閾値ΔSTH_3を下回った時点t4でのスリップ値変化率ΔSは、当該時点t4から過去に遡ると最大値とはならない。このため、スリップ値変化率ΔSの減少によってそのスリップ値変化率ΔSが属する数値範囲が変更したときには、路面状態の出力値r′は変更されない。
その後、スリップ値変化率ΔSが第4の数値範囲R4内に再び収まることがなければ、第3の閾値STH_3を下回った時点t4から上記所定期間Tが経過した時点t6にて、路面状態の出力値r′が「路面状態3」に変更される。時点t6から所定期間Tだけ過去に遡っての最大値が第3の閾値STH_3となるからである。スリップ値変化率ΔSが第2の閾値ΔSTH_2を下回る時点t5と、路面状態の出力値r′が「路面状態3」から「路面状態2」に変更される時点t7との関係も、これと同様となる。スリップ値変化率ΔSが第1の閾値ΔSTH_1を下回る時点と、路面状態の出力値r′が「路面状態2」から「路面状態1」に変更された時点との関係も、これと同様となる。
ここで、スリップ値変化率ΔSが第2の閾値STH_2を下回ってから所定期間Tが経過する前に車両が停止し、その後走行が再開されたときを想定する。なお、時点t8は、スリップ値変化率ΔSが第2の閾値STH_2を下回った時点、時点t9は車両が停止した時点であり、期間T1はこれら時点t8から時点t9になるまでに経過した期間である。時点t10は車両の走行が再開した時点であり、期間T2は時点t9から時点t10になるまでに経過した車両の停止期間である。時点t11は走行再開時点t10以降に経過した所要の期間T3である。
この場合、期間T2におけるスリップ値変化率は路面状態の出力値の決定に際して考慮されない。すなわち、期間T1と走行開始時点t10以降の期間T3との和が所定期間Tに達した時点t11になるまでは、時点t8以前のスリップ値変化率ΔSが出力値r′の決定に考慮され、時点t11において第1の閾値ΔSTH_1を下回ったことが出力値r′に反映されることとなる。
このように本実施形態に係る路面状態判定部33は、スリップ値変化率ΔSを参照して路面状態を判断するよう構成されている。スリップ値変化率ΔSは、路面と後輪3のタイヤ3aとの摩擦係数が小さくなるときほど、空転が開始してからのスリップ値Sの上昇が速くスリップ値変化率ΔSが大きくなることから、当該構成により路面状態を好適に判断することができる。
また、上昇傾向にあるスリップ値変化率ΔSが閾値ΔSTHを跨ぐように変化したとき、すなわち路面と後輪3のタイヤ3aとの摩擦係数が小さくなるような変化があったと想定されるときには、当該変化に応じて路面状態の出力値r′が変化する。このように空転が発生しやすくなる路面状態の変化があったと思われるときにはこれに即座に対応させることができる。
逆に、減少傾向にあるスリップ値変化率ΔSが閾値ΔSTHを跨ぐように変化したとき、すなわち路面と後輪3のタイヤ3aとの摩擦係数が大きくなるような変化があったと想定されるときには、路面状態の出力値r′の変更が所定期間経過するまで待機する。これにより、単純に運転者がスリップを抑えるべくスロットルグリップ15を操作して路面状態が変化していないにも関わらず、エンジンが発生する出力が急低下したような場合において、路面状態が変化したと誤判定するのを抑えることができる。
また、車速がゼロであるときのスリップ値変化率が路面状態の判断に参照されないようにしているため、空転が発生し得ないような運転状態において得られた検出値及び演算値に基づいて路面状態が誤判定されるという不具合を避けることができる。
車両制御部32は、運転状態に応じて、且つ路面状態判定部33から入力した路面状態の出力値r′に応じて自動二輪車1を制御する。例えば車両制御部32は、スロットルグリップ15の操作量φ、スロットル開度θ、エンジン回転数ω、後輪の回転速度VR(すなわち車速)に応じて、スロットル装置12(図2参照)の弁アクチュエータ19、燃料供給装置20、点火装置21、前後のブレーキ装置28,29を制御する。車両制御部32は、これら装置の制御を通じて、路面状態に応じてトラクション制御、出力規制制御、発進制御、加減速制御、ステアリングダンパ制御、車重判断によるサスペンションアブソーバ制御、ABS制御、CBS制御を実行することができる。
例えば車両制御部32は、路面と後輪3のタイヤ3aとの摩擦係数が低いことを示す出力値r′を入力したときに、エンジン10が発生する出力を抑制するよう弁アクチュエータ19、燃料供給装置20、及び/又は点火装置21を制御してもよい。これにより、路面状態に応じて後輪3の空転を未然に防ぐことが可能となる。また、弁アクチュエータ19、燃料供給装置20及び点火装置21の制御に加えて又は当該制御に替えて、前後のブレーキ装置28,29を動作させ、後輪3から路面に伝えられる動力を低減させるようにしてもよい。このときにも、路面状態に応じて後輪3の空転を未然に抑制することができるようになる。このように、本実施形態に係る車両制御部32は、路面状態に応じて自動二輪車1を好適に制御することができるようになる。
なお、路面状態判定部33は、路面状態の出力値r′を、車両制御部32以外の機器又は制御部に出力するよう構成されていてもよい。例えば、計器パネルに設けられた表示装置に路面状態の出力値r′を出力し、当該表示装置において路面状態の出力値r′を示す表示を行わせ、運転者がこの表示を視認可能にしてもよい。これによって運転者は、路面状態を判断することができ、利便性を向上することができる。また路面状態判定結果を、走行状態・エンジン状態に関連させて記憶することで、車両設計や操作技術の向上に利用することができる。また路面状態判定結果を車両外に無線通信することで、車両外で路面状態を把握することができ、他の運転者の運転に役立たせることができる。
なお、同じ路面状態であっても、スリップ値変化率ΔSは、後輪への動力伝達が開始される発進時に大きい値をとる傾向にある。よって、判定処理を発進時に行うようにすると、路面状態をより精度よく判定することができる。
また、この路面状態判定部33は、路面状態の判定を行うとしたが、タイヤ3aに作用する荷重が大きくなれば摩擦力が大きくなって空転が生じにくくなり、また、タイヤ3aの摩擦係数が大きければ大きい摩擦力を確保可能となって空転が生じにくくなる。よって、路面状態判定部33と同様の構成において、タイヤ3aの変化、又は自動二輪車1に騎乗している人数の変化を検知することも可能となる。このように本発明における路面判定とは、路面と駆動輪との間に発生する摩擦力Fを判定することであって、路面状態と駆動輪との間の摩擦係数μと、駆動輪に係る垂直効力Nとを掛け合わせた値F(=μ×N)を判定できる。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る制御システム130の構成を示すブロック線図である。この制御システム130の路面状態判定部133においては、スリップ値変化率演算部142、判定部143及び記憶部144が変更されている。また、開度変化率演算部145及び閾値補正部146が追加されている。上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態のスリップ値変化率演算部142は、前述した式(2)よりスリップ値変化率の瞬時値ΔS(n)を演算し、更に一次遅れ演算によりスリップ値変化率ΔS(n)の累積値ΔS′(n)を演算する。この累積値ΔS′(n)は、例えば次式(3)より求められる。累積値ΔS′(n)は、記憶部144に一時的に記憶され、且つ判定部143に入力される。
ΔS′(n)=ΔS′(n−1)+{ΔS(n)−ΔS′(n−1)}×K ……(3)
ここで、ΔS′(n−1)は、ΔS′(n)が演算された時点より1周期過去にスリップ値変化率演算部142により演算された累積値であり、記憶部144に記憶されている値である。例えばKは、一次遅れ演算係数であり、1未満の正の値に適宜設定される(0<K<1)。
判定部143は、スリップ値変化率演算部142から入力したスリップ値変化率の累積値ΔS′(n)に応じて路面状態r(n)を判断する。本実施形態においては、記憶部144に記憶される閾値ΔSTH(ΔSTH_1,ΔSTH_2,…)が閾値補正部146により補正され、補正値ΔSTH′(ΔSTH_1′,ΔSTH_2′,…)と累積値ΔS′(n)との比較結果に応じて路面状態r(n)が判断される。
閾値補正部146は運転状態に応じて閾値ΔSTHを補正する。図6では、スリップ値変化率演算部142により演算されたスリップ値変化率ΔS(n)、及びスロットル開度の変化率Δθ(n)に応じて補正する場合を例示する。
開度変化率Δθ(n)も、スリップ値変化率ΔSと同様に演算される。つまり、開度変化率演算部145は、スロットル位置センサ136により検出されるスロットル開度θ(n)と、当該スロットル開度θ(n)の1周期前に得た過去値θ(n−1)とに基づいて、次式(4)に基づいて開度変化率Δθ(n)を求める。
Δθ(n)=θ(n)−θ(n−1) ……(4)
閾値補正部146は、スリップ値変化率(の瞬時値)ΔS(n)が大きいときほど閾値ΔSTHを小さい値に補正し、開度変化率Δθ(n)が正であってその値が大きいときほど閾値ΔSTHを大きい値に補正する。つまり、閾値補正部146は、次式(5)に基づいて補正値ΔSTH(n)(ΔSTH_1(n),ΔSTH_2(n),…)を演算する。
ΔSTH(n)=ΔSTH+f1{ΔS(n)}+f2{Δθ(n)} ……(5)
判定部143は、スリップ値変化率演算部142により演算されたスリップ値変化率の累積値ΔS′(n)と、補正値ΔSTH(n)(ΔSTH_1(n),ΔSTH_2(n),…)とを比較する。そして、累積値ΔS′(n)が、これら補正値ΔSTH(n)により規定される数値範囲のうち何れの範囲内に収まるのかに基づいて、路面状態r(n)を判断する。
本実施形態では、スリップ値変化率の累積値ΔS′(n)を参照して路面状態が判断される。このため、後輪3に伝達される動力の急変や、マンホール蓋など路面上の局所的に摩擦係数が異なる箇所を走行したことなどによってスリップ値変化率ΔSが実際の路面状態とは関係なく急変するようなことがあっても、このようなスリップ値変化率のノイズ値の影響を小さくし、路面状態を誤判定するのを抑えることができるようになる。
また、本実施形態では、閾値補正部146により閾値を走行状態及びエンジンの運転状態に応じて補正している。このため運転状態の変化に起因するスリップ値変化率の変動があっても、この変動に反応して路面状態が誤判定されるのを抑えることができるようになる。
特に、本実施形態においては、スロットル開度の変化率が正であってその値が大きいときほど、閾値が高くなるように補正される。スロットル開度の変化率が正であるとは、運転者の加速要求が大きく、エンジン10の出力が増大傾向にあることを示唆する。このような状況で後輪に伝達される動力が急上昇してスリップ値変化率が大きくなっても、閾値がこれに応じて高くなるため、路面状態が誤判定されるのを抑えることができる。
なお、開度変化率Δθの他にも、運転者の加速に対する要求が大きいこと、及びエンジン10の出力が増大傾向にあることを検知することが可能である。例えば、開度変化率Δθに替えて、開度要求値(本実施形態では、スロットルグリップの操作位置又はスロットル開度θ)、エンジン回転数の変化率、減速比、走行加速度などが閾値補正部146に入力されてもよい。この場合においても、スリップ値変化率ΔSのノイズ値の影響を小さくすることができる。
また車両走行状態における、スリップ値とスロットル開度(開度要求値)との関係を求めることで車両のグリップ特性を判断することができる。たとえばスリップ値とスロットル開度から求められる車両のグリップ特性に応じて、スリップ値変化率に基づいて求めた路面状態を補正してもよい。たとえばグリップ特性が低い場合には、スリップ値変化率から求められる路面状態に比べて、実際の路面の摩擦係数が高くなるように判断してもよい。このように車両のグリップ特性と併せて路面状態を判断することで、さらに精度よく路面状態を判断することができる。
また、スリップ値変化率の瞬時値ΔS(n)が急上昇したときには、閾値がこれに合わせて高くなるよう補正され、不意のスリップ値変化率の変化に対して路面状態が変化したと誤判定されるおそれを小さくすることができる。
本実施形態では、累積値に応じて路面状態を判断するための構成と、路面状態の判断に用いる閾値を運転状態に応じて補正するための構成との両方を備える場合を例示しているが、いずれか1つのみを備えていてもよい。図7に示す構成から、開度変化率演算部145及び閾値補正部146は適宜省略可能である。また、式(4)は、複数の過去の瞬時値を用いて累積値を演算されるように変更してもよく、式(5)における補正項は、適宜省略、変更及び追加可能である。
ここでΔS(n)を最新値とした場合、第1実施形態ではこの最新値に基づいて路面状態r(n)が判断され、上記実施形態では累積値に基づいて路面状態r(n)が判断されているが、図7に点線矢印で示すように、判定部143は最新値ΔS(n)と累積値ΔS′(n)との両方に基づいて路面状態r(n)を判断してもよい。
また累積値として一次遅れ演算以外を用いてもよい。たとえば累積値として、過去複数周期でのスリップ値変化率の平均値や積分値を用いてもよい。瞬時値と累積値との両方を用いる場合、瞬時値と累積値とで、重みづけを異ならせてもよい。たとえば運転者の好み、または走行状態、エンジン運転状態または運転者の好みに応じて、重みづけを異ならせる。ノイズの影響が少ないほうが好ましい場合には、瞬時値よりも累積値の重み付けを大きくし、瞬間応答性を向上するほうが好ましい場合には、累積値よりも瞬時値の重み付けを大きくする。一例として、4対6で、累積値の重みを大きくする設定としてもよい。
[第3実施形態]
図8は、本発明の第3実施形態に係るスリップ値測定部241の構成を示すブロック線図である。本実施形態のスリップ値測定部241は、エンジン回転数センサ237により検出されるクランク軸22の回転速度と、記憶部244に記憶されている1周期前に検出されたクランク軸22の回転速度とに基づいて、次式(6)よりクランク軸22の角加速度Δω(n)をスリップ値S(n)として演算する。
(n)=Δω(n)=ω(n)−ω(n−1) ……(6)
前述したように、クランク軸22の角加速度も空転の程度を表すスリップ値として扱うことができるため、このようにして求めたスリップ値の変化率ΔSに応じて、路面状態を好適に判定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記構成を本発明の範囲内において適宜変更可能である。本発明に係る路面状態判定装置は、自動二輪車に限らずその他の車両にも好適に適用することができる。
本発明は、路面状態を好適に判断することができ、車両に広く適用することができる。
1 自動二輪車(車両)
2 前輪(従動輪)
3 後輪(駆動輪)
10 エンジン
12 スロットル装置
15 スロットルグリップ
20 燃料供給装置
21 点火装置
28,29 ブレーキ装置
30 制御システム
31 電子制御装置(ECU)
32 車両制御部
33,133 路面状態判定部(路面状態判定装置)
34 前輪回転速度センサ
35 後輪回転速度センサ
136 スロットル位置センサ
237 エンジン回転数センサ
41,241 スリップ値測定部(スリップ値測定手段)
42 スリップ値変化率演算部(変化率演算手段)
43,143 判定部(判定手段)
44,144,244 記憶部
145 開度変化率演算部
146 閾値補正部

Claims (5)

  1. 駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を測定するスリップ値測定手段と、
    前記スリップ値測定手段により測定されたスリップ値の単位時間当たり変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算手段と、
    前記変化率演算手段により演算された前記スリップ変化率に応じて路面状態を判定する判定手段と、を備え
    前記変化率演算手段は、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定手段は、前記スリップ値変化率の前記累積値に基づいて前記路面状態を判定することを特徴とする路面状態判定装置。
  2. 前記変化率演算手段は、予め定める時点ごとに順次前記スリップ変化率の瞬時値を求め、求めた複数の前記瞬時値を用いて前記スリップ変化率の累積値を演算し、
    前記判定手段は、前記スリップ変化率の前記瞬時値と前記累積値とに応じて、前記路面状態を判定することを特徴とする請求項1に記載の路面状態判定装置。
  3. 前記判定手段は、前記スリップ変化率が予め規定される複数の数値範囲のうち何れの範囲内にあるのかに応じて、前記路面状態を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の路面状態判定装置。
  4. 駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を測定するスリップ値測定工程と、
    前記スリップ値測定工程において測定されたスリップ値の単位時間当たりの変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算工程と、
    前記変化率演算工程において演算された前記スリップ変化率に応じて路面状態を判定する判定工程と、
    前記判定工程において判定された路面状態に応じて車両を制御する車両制御工程と、
    を有し、
    前記変化率演算工程において、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定工程において、前記累積値に基づいて前記路面状態を判定し、
    前記判定工程において、現在から所定期間前までに取得された複数の路面状態から当該所定期間内で最大値のスリップ値変化率に応じて取得された路面状態を出力値とし、前記車両制御工程において、当該出力値に応じて車両を制御することを特徴とする車両の制御方法。
  5. 駆動輪の空転の程度を表すスリップ値を測定するスリップ値測定工程と、
    前記スリップ値測定工程において測定されたスリップ値の単位時間当たりの変化量をスリップ値変化率として演算する変化率演算工程と、
    前記変化率演算工程において演算された前記スリップ値変化率に応じて路面状態を判定する判定工程と、を有し、
    前記変化率演算工程において、予め定める時点ごとに順次求められる複数の前記スリップ値変化率の累積値を演算し、前記判定工程において、前記累積値に基づいて前記路面状態を判定し、
    前記判定工程において、前記スリップ値変化率が予め定められている複数の数値範囲のうち何れの範囲内にあるのかに応じて前記路面状態を判定し、前記複数の数値範囲を規定する閾値は前記スリップ値変化率に応じて補正され、前記スリップ値変化率が大きいほど前記閾値を小さい値に補正し、前記スリップ値変化率が急上昇したときに前記閾値を大きい値に補正する、車両の制御方法。
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