JP6040702B2 - 車重推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車重を推定する技術に関するものである。
従来から、特許文献1に示されるような車重推定装置が提案されている。変速の前後では、車両に作用する駆動力が異なる。そこで、特許文献1に示される車重推定装置では、変速の前後の駆動力及び前後加速度から、2つの運動方程式を導出し、当該2つの運動方程式に基づき、車重を推定している。
車両に作用する路面抵抗や空気抵抗等の走行抵抗は、車重、路面抵抗、車速等により刻々と変化するが、変速の前後のごく短い時間では、車重、路面抵抗、車速は変化しないか又は極小さいので、2つの運動方程式に基づき車重を演算することにより、走行抵抗の影響を排除している。
一方で、近年、貨物車両や旅客輸送車両等の大型車両にも、特許文献2に示されるような横滑り防止装置が搭載されている。このような横滑り防止装置は、車両の旋回挙動が乱れた際に、車両の各車輪に設けられたブレーキの制動力を調整することにより、車両の旋回挙動を可能な限り安定させるものである。
上記のような大型車両は、貨客によって、車重が大きく変化する。そして、車重が重い場合には車重が軽い場合と比較して、車両が横滑りし易い。このため、車重を加味して、横滑り防止制御の開始精度を向上させることが、車両の横滑りを未然に防止するとともに、不要な横滑り制御の開始に伴う運転者の違和感を防ぐ点で重要である。
また、車重が重い場合には車重が軽い場合と比較して、車輪がスリップし易い。このため、アンチロック・ブレーキシステム(ABS)においても、車重を加味することにより、ABS制御の開始精度を向上させることが、車輪のスリップを未然に防止するとともに、不要なABS制御の開始に伴う運転者の違和感を防ぐ点で重要である。
特開2000−74727号公報 特開平9−142273号公報
ところで、車両が悪路を走行した場合には、加速度センサが検出する検出信号には、車両の悪路走行に伴うノイズが混入し、走行抵抗の影響を排除したとしても、車重の推定誤差が大きくなってしまう。そこで、悪路走行時に検出した加速度により車重を推定しないことにすると、車両が悪路を走行し続けると、全く車重の推定ができないという問題が発生してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、悪路走行時であっても精度高く車重を推定することができる車重推定装置を提供する。
上述した課題を解決するためになされた、請求項1に係る発明によると、出力軸に原動機駆動力を出力する原動機と、車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、前記原動機駆動力による前記車両に作用する車両駆動力を演算する駆動力演算手段と、前記車両の走行する路面の凹凸度合を数値化した悪路指数を取得する悪路指数取得手段と、規定条件成立時の前記前後加速度及び前記車両駆動力に基づき、条件成立時推定車重を演算する条件成立時推定車重演算手段と、前記条件成立時推定車重が演算される度に、前回までの前記条件成立時推定車重に基づき推定車重を演算する推定車重演算手段と、を有し、前記推定車重演算手段は、前記条件成立時推定車重が演算された際の前記悪路指数が大きいほど、前記条件成立時推定車重が前記推定車重に及ぼす影響を小さく制限して演算する。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記推定車重演算手段は、前記車両が走行可能な状態となってから、前記規定条件成立時の回数が規定回数以下である場合には、前記悪路指数の大小に関わらず、前記条件成立時推定車重が前記推定車重に及ぼす影響を小さく制限しない。
請求項1に係る発明によると、推定車重演算手段は、条件成立時推定車重が演算された際の悪路指数が大きいほど、条件成立時推定車重が推定車重に及ぼす影響が小さくなるように演算する。
これにより、悪路走行時には条件成立時推定車重が推定車重に及ぼす影響が小さい。このため、悪路走行時に検出されたノイズを含有する前後加速度に基づき演算される条件成立時推定車重による、推定車重算出への悪影響を低減することができる。一方で、良路走行時には、条件成立時推定車重が推定車重に及ぼす影響が大きいので、精度高く車重を推定することができる。
請求項2に係る発明によると、推定車重演算手段は、車両が走行可能な状態となってから、規定条件成立時の回数が規定回数以下である場合には、悪路指数の大小に関わらず、条件成立時推定車重が推定車重に及ぼす影響を小さく制限しない。
これにより、車両が悪路を走行し続けた場合であっても、車重を推定することができる。また、悪路指数が大きい場合に条件成立時推定車重が推定車重に及ぼす影響を小さく制限しない回数が制限されているので、悪路走行時に演算された条件成立時推定車重による推定車重算出への悪影響を制限することができる。
本実施形態の車重推定装置が搭載された車両の説明図である。 クラッチ切断前後での経過時間と前後加速度との関係を表したグラフである。 良路での推定車重Me、悪路指数Ro、及び重み付け指数Coと条件成立回数との関係を表したグラフである。 悪路から良路に変化した場合の、推定車重Me、悪路指数Ro、及び重み付け指数Coと条件成立回数との関係を表したグラフである。 「車重推定処理」のフローチャートである。 図5に示す「車重推定処理」のサブルーチンである「廃棄閾値演算処置」のフローチャートである。 図5に示す「車重推定処理」のサブルーチンである「推定車重演算処理」のフローチャートである。 (A)車輪速と経過時間との関係を表したグラフである。(B)ノイズと経過時間との関係を表したグラフである。 重み付け指数Coと悪路指数Roとの関係を表したマッピングデータである。
(車両の説明)
図1に基づき、本発明の実施形態による車重推定装置1について説明する。図1は、車重推定装置1が搭載された車両の概略を示している。図1において、太線は各装置間の機械的な接続を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示している。本実施形態の車両は、マニュアル式のクラッチ3及びトランスミッション4を搭載し、貨客の有無により車重が大きく変化するトラックや、トレーラ、バス等の大型車両である。
図1に示すように、車両には、エンジン2、クラッチ3、トランスミッション4、デファレンシャル5が、この順番に、直列に配設されている。また、デファレンシャル5には、ドライブシャフト6R、6Lを介して車両の駆動輪7R、7Lが接続されている。
車両は、アクセルペダル51、クラッチペダル53を有している。アクセルペダル51の近傍には、アクセルペダル51の操作量であるアクセル開度Acを検出するアクセルセンサ52が設けられている。
クラッチペダル53は、クラッチ3を切断状態又は接続状態とするためのものである。車両は、クラッチペダル53の操作量に応じた液圧を発生させるマスタシリンダ55を有している。マスタシリンダ55には、マスタシリンダ55のストロークを検出するクラッチセンサ54が設けられている。
エンジン2は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。エンジン2は、出力軸21、スロットルバルブ22、燃料噴射装置24を有している。出力軸21は、ピストンにより回転駆動されるクランクシャフトと一体的に回転する。なお、エンジン2がガソリンエンジンである場合には、エンジン2のシリンダヘッドには、シリンダ内の混合気を点火するための点火装置(不図示)が設けられている。
スロットルバルブ22は、エンジン2のシリンダに空気を取り込む経路の途中に設けられている。スロットルバルブ22は、エンジン2のシリンダに取り込まれる空気量を調整するものである。燃料噴射装置24は、エンジン2の内部に空気を取り込む経路の途中やエンジン2のシリンダヘッドに設けられている。燃料噴射装置24は、ガソリンや軽油等の燃料を噴射する装置である。
クラッチ3は、エンジン2の出力軸21と後述のトランスミッション4の変速機入力軸41との間に設けられている。クラッチ3は、運転者によるクラッチペダル53の操作により、出力軸21と変速機入力軸41とを接続又は切断するマニュアル式の湿式多板摩擦クラッチや乾式単板摩擦クラッチである。
クラッチ3は、駆動側部材31と従動側部材32とを有している。駆動側部材31は、出力軸21に連結されている。従動側部材32は、駆動側部材31と相対向して配設され、変速機入力軸41に連結されている。クラッチ3は、駆動側部材31に従動側部材32を押し付けるプレッシャースプリング(不図示)を有している。プレッシャースプリングによって従動側部材32が駆動側部材31に押し付けられると、駆動側部材31と従動側部材32の間の摩擦力により、エンジン2の駆動力が駆動側部材31から従動側部材32に伝達される。このように、本実施形態のクラッチ3は、ノーマルクローズ式である。
また、クラッチ3は、マスタシリンダ55のマスタ圧に応じて駆動側部材31への従動側部材32の押圧力を減少させて、従動側部材32を駆動側部材31から離間させるレリーズ機構(不図示)を有している。
トランスミッション4は、変速機入力軸41と変速機出力軸42との間において変速比がそれぞれ異なる複数の変速段を選択的に切り替える有段変速機である。変速機入力軸41と変速機出力軸42のいずれか一方には、軸に対して遊転可能な複数遊転ギヤと、遊転ギヤと噛合し軸に対して遊転不能な複数固定ギヤ(いずれも不図示)が取り付けられている。
また、トランスミッション4は、複数遊転ギヤのうち1の遊転ギヤを選択して、取り付けられている軸に遊転不能に嵌合する選択機構を備えている。更に、トランスミッション4は、運転者のシフトレバー(不図示)の操作を、選択機構を作動させる力に変換するシフト操作機構(不図示)を備えている。
トランスミッション4は、現在の変速段を検出し、検出信号を制御部10に出力するギヤポジションセンサ45を有している。
車輪8R、8Lの近傍には、それぞれの車輪8R、8Lの車輪速VWを検出し、検出信号を制御部10に出力する車輪速センサ15R、15Lが設けられている。なお、車輪速センサ15R、15Lは、エンジン2から出力されるエンジン駆動力に起因する振動をノイズとして検出してしまうことを防止するために、従動輪の車輪速を検出することが好ましい。
車両には、車両の前後方向(進行方向)の加速度(以下、前後加速度aと略す)を検出し、検出信号を制御部10に出力する前後加速度センサ16が設けられている。
制御部10は、車両を統括制御するものである。制御部10は、CPU11、RAM12、ROMや不揮発性メモリー等で構成された記憶部13を有している。CPU11は、図5〜図7に示すフローチャート対応したプログラムを実行する。RAM12は同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものである。記憶部13には、上記プログラムの他にプログラムである駆動力演算手段13a、悪路指数演算手段13b、条件成立時推定車重演算手段13c、推定車重演算手段13dや図9に示すマッピングデータが記憶されている。
制御部10は、ドライバのアクセルペダル51の操作に基づくアクセルセンサ52のアクセル開度Acに基づいて、運転者が要求しているエンジン2のトルクである「要求エンジン駆動力」を演算する。そして、制御部10は、「要求エンジン駆動力」となるように、スロットルバルブ22の開度Sを調整し、吸気量を調整するとともに、燃料噴射装置24の燃料噴射量を調整し、点火装置を制御する。また、制御部10は、エンジン2が実際に出力軸に出力している「エンジン駆動力」を演算する。
制御部10は、前後加速度センサ16からの検出信号に基づいて、車両の「前後方向加速度」を演算する。制御部10は、ギヤポジションセンサ45からの検出信号に基づき、変速機入力軸41と変速機出力軸42との間においての変速比を取得する。
駆動力演算手段13aは、後述の「エンジン駆動力」(原動機駆動力)、トランスミッション4の変速比に基づき、車両に作用する車両駆動力Fを演算する。
悪路指数演算手段13bは、車両の走行する路面の凹凸度合を数値化した悪路指数Roを演算する手段である。悪路指数演算手段13bは、車輪速センサ15R、15Lによって検出された車輪速VW(図8の(A))から低周波の変動成分を除去するフィルタリング処理を行い、「ノイズ」(図8の(B))を取得する。
次に、悪路指数演算手段13bは、「ノイズ」の分散値を演算する。「ノイズ」の分散値は、「ノイズ」を2乗した値を積算し、該積算値をサンプル数で除算した値である。そして、悪路指数演算手段13bは、「ノイズ」の分散値の大きさに応じて、悪路指数Roを演算する。なお、悪路指数Roが小さいほど、路面の凹凸度合が小さく、路面が平滑(良路)である。一方で、悪路指数Roが大きいほど、路面の凹凸度合が大きく、路面が悪路である。
条件成立時推定車重演算手段13cは、車両において「規定条件」が成立した時の前後加速度a及び車両駆動力Fに基づき条件成立時推定車重Mを演算する。本実施形態では、「規定条件」とは、接続状態にあるクラッチ3が切断状態となった(図のT1)後に切断状態にあるクラッチ3が接続状態となった時(図のT2)である。
ここで、走行状態の車両の運動方程式は下式(1)で表される。
F=Ma+μr・M+μw・V+α…(1)
F:車両駆動力
M:条件成立時推定車重
a:前後加速度
μr・M:転がり抵抗
μr:転がり抵抗係数
μw・V:空気抵抗
μw:空気抵抗係数
V:車速
α:回転部抵抗
なお、転がり抵抗μr・Mは、車輪7R、7L、8R、8Lと路面との間に生じる転がり抵抗である。また、空気抵抗μw・Vは、車両が受ける空気抵抗である。また、回転部抵抗αは、ドライブシャフト6R、6L、デファレンシャル5、トランスミッション4等車両の回転部材が回転する際に生じる抵抗である。
ここで、T1及びT2時それぞれの車両駆動力をF1、F2とし、前後加速度a1、a2とすると、F2−F1は下式(2)で表される。なお、T2はT1からの経過時間が短いので、空気抵抗μw・Vや回転部抵抗αは同一であるので、これらの項は、消滅する。
F2−F1=M(a2−a1)…(2)
F1:T1時(クラッチ3切断時)の車両駆動力
F2:T2時(クラッチ3接続時)の車両駆動力
M:車重(条件成立時推定車重)
a1:T1時(クラッチ3切断時)の前後加速度
a2:T2時(クラッチ3接続時)の前後加速度
なお、T1時(クラッチ3切断時)の車両駆動力F1は0である。
上式(2)を変形すると下式(3)を得る。
M=(F2−F1)/(a2−a1)
条件成立時推定車重演算手段13cは、上式(3)に、T1及びT2時それぞれの車両駆動力をF1、F2とし、前後加速度a1、a2を代入することにより、条件成立時推定車重Mを演算する。
推定車重演算手段13dは、条件成立時推定車重Mが演算される度に、前回までに演算された条件成立時推定車重Mに基づき推定車重Meを演算する。この方法については、後で詳細に説明する。
なお、エンジン2、クラッチ3、トランスミッション4、制御部10、車輪速センサ15R、15L、前後加速度センサ16を含めた構成が、車重推定装置1である。
(車重推定処理)
以下に、図5に示すフローチャートを用いて「車重推定処理」について説明する。車両のイグニッションキーがONとされ、車両が走行可能な状態となると、プログラムはS11に進む。
S11において、制御部10が、クラッチセンサ54の検出信号に基づき、クラッチ3が切断していると判断した場合には(S11:YES)、プログラムをS12に進め、クラッチ3が切断していないと判断した場合には(S11:NO)、プログラムをS11の処理を繰り返す。
S12において、制御部10は、T1(図2示)時の前後加速度センサ16からの検出信号に基づき、クラッチ3切断後の前後加速度a1を演算する。S12が終了すると、プログラムはS13に進む。
S13において、駆動力演算手段13aは、T1(図2示)時における車両駆動力F1を演算する。S13が終了すると、プログラムはS14に進む。
S14において、制御部10が、クラッチセンサ54の検出信号に基づき、クラッチ3が接続していると判断した場合には(S14:YES)、プログラムをS15に進め、クラッチ3が接続していないと判断した場合には(S14:NO)、プログラムをS11に戻す。
S15において、制御部10は、T2(図2示)時の前後加速度センサ16からの検出信号に基づき、クラッチ3接続後の前後加速度a2を演算する。S15が終了すると、プログラムはS16に進む。
S16において、駆動力演算手段13aは、T2(図2示)時における車両駆動力F2を演算する。S16が終了すると、プログラムはS1に進む。
S17において、悪路指数演算手段13bは、上述した方法により悪路指数Roを演算する。S17が終了すると、プログラムはS18に進む。
S18において、制御部10は、廃棄閾値を設定する。具体的には、図6に示す「廃棄閾値設定処理」のフローチャートを用いて説明する。「廃棄閾値設定処理」が開始すると、プログラムは、S18−1に進む。
S18−1において、制御部10が、S17で演算した悪路指数Roが規定値以上であると判断した場合には(S18−1:YES)、プログラムをS18−2に進め、悪路指数Roが規定値より小さいと判断した場合には(S18−1:NO)、プログラムをS18−3に進める。
S18−において、制御部10は、第一廃棄閾値TH1を設定し、プログラムを図5のS19に進める。
S18−において、制御部10は、第二廃棄閾値TH2を設定し、プログラムを図5のS19に進める。なお、第二廃棄閾値TH2は、第一廃棄閾値TH1よりも小さい値である。
S19において、制御部10は、前後加速度a1及び前後加速度a2のいずれかが、S18で設定された第一廃棄閾値TH1又は第二廃棄閾値TH2より小さいと判断した場合には(S19:YES)、プログラムをS20に進める。一方で、制御部10は、上記前後加速度a1及び前後加速度a2のいずれかが上記第一廃棄閾値TH1又は第二廃棄閾値TH2以上であると判断した場合には(S19:NO)、S12、S13、S15、S16、S17で演算された演算値を廃棄して、プログラムをS11に戻す。
S20において、推定車重演算手段13dは、推定車重Meを演算する。具体的には、図7に示す「推定車重演算処理」のフローチャートを用いて説明する。「推定車重演算処理」が開始すると、プログラムはS20−1に進む。
S20−1において、条件成立時推定車重演算手段13cは、上式(3)に、S12、S13、S15、S16で演算された演算値を代入することにより、条件成立時推定車重Mを演算する。S20−1が終了すると、プログラムはS20−2に進む。
S20−2において、推定車重演算手段13dは、「車重推定処理」が開始されてからの条件成立時推定車重Mが演算された回数である「条件成立回数」を1インクリメントする。S20−2が終了すると、プログラムはS20−3に進む。
S20−3において、推定車重演算手段13dは、「条件成立回数」が規定回数(例えば、5回)以下であると判断した場合には(S20−3:YES)、プログラムをS20−4に進め、「条件成立回数」が規定回数より多いと判断した場合には(S20−3:NO)、プログラムをS20−5に進める。
S20−4において、推定車重演算手段13dは、重み付け指数Coを1と設定する。S20−4が終了するとプログラムは、S20−6に進む。
S20−5において、推定車重演算手段13dは、悪路指数Roを図9に示す重み付け指数Coと悪路指数Roとの関係を表したマッピングデータに参照させることにより、重み付け指数Coを演算し、当該重み付け指数Coを設定する。なお、悪路指数Roが0である場合には、重み付け指数Coは1と演算され、悪路指数Roが大きくなるに従って、重み付け指数Coは小さく演算される。S20−5が終了すると、プログラムはS20−6に進む。
S20−6において、推定車重演算手段13dは、下式(4)に基づき、推定車重Me(n)を演算する。
Me(n)=(Me(n−1)+M×Co)/(1+Co)…(4)
Me(n):推定車重
Me(n−1):前回までに演算された推定車重
M:条件成立時推定車重
Co:重み付け指数
なお、「推定車重演算処理」が開始されて、S20−6が最初に実行される場合には、前回までに演算された推定車重Me(n−1)は、車両の最大積載車重を用いる。S20−6が終了すると、プログラムは図5のS11に戻る。
(具体的な走行状態の説明)
以下に、車両が良路を走行した場合と悪路を走行した場合のそれぞれの推定車重Meの推移について説明する。
<良路走行>
以下に、図3を用いて、車両が舗装路等の良路を走行した場合の、推定車重Meの推移を説明する。車両が走行可能な状態となり、まだ1度も図5のS20の「推定車重演算」の処理が実行されていない状態では、推定車重Meは、車両の最大積載車重(図3に示す例では7500kg)に設定される(図3の(1))。これは、車重が不明な状態で、横滑り防止制御やABS制御が実行され易くして、車両の横滑りや車輪のスリップを確実に防ぐためである。
路面が良路の場合には、図5のS17において、悪路指数Roが小さく(図の例では0)演算される(図3の(2))。そして、図7のS20−5において、重み付け指数Coが大きく(図の例では1)と演算される(図3の(3))。このため、図7のS20−6において、条件成立時推定車重Mが大きく推定車重Meに影響し、この結果、少ない条件成立回数で、即ち短時間で、推定車重Meが実際の車重(図3に示す例では、3500kg)に収束する(図3の(4))。
<悪路走行→良路走行>
以下に、図4を用いて、車両が砂利道等の悪路を走行し、次に、良路を走行した場合の、推定車重Meの推移を説明する。車両が走行可能な状態となり、まだ1度も図5のS20の「推定車重演算」の処理が実行されていない状態では、推定車重Meは、車両の最大積載車重に設定される(図4の(1))。
路面が悪路の場合には、図5のS17において、悪路指数Roが大きくと演算される(図4の(2))。そして、「条件成立回数」が規定回数以下(図の例では5回)の場合には、図7のS20−4において、重み付け指数Coが大きく(図の例では1)と設定される。(図4の(3))。すると、図4の(4)に示すように、条件成立時推定車重Mが大きく推定車重Meに影響し、この結果、少ない条件成立回数で、即ち短時間で、推定車重Meが実際の車重に近づく。
「条件成立回数」が規定回数より多くなると、図7のS20−5において、重み付け指数Coが1以下の小さい値に演算される(図4の(5))。すると、図7のS20−6において、条件成立時推定車重Mが小さく推定車重Meに影響し、この結果、推定車重Meが実際の車重から大きくずれない(図4の(6))。
路面が良路になると、図5のS17において、悪路指数Roが小さく(図の例では0)演算される(図3の(7))。そして、図7のS20−5において、重み付け指数Coが大きく(図の例では1)演算される(図4の(8))。このため、図7のS20−6において、条件成立時推定車重Mが大きく推定車重Meに影響し、この結果、少ない条件成立回数で、即ち短時間で、推定車重Meが実際の車重に収束する(図4の(9))。
図4の一点鎖線で示すように、条件成立回数によらず、最初から重み付け指数Coを小さく設定した場合には、条件成立時推定車重Mが小さくしか推定車重Meに影響しないので、条件成立回数が増えても推定車重Meが少しずつしか実際の車重に近づかない。このため、横滑り防止制御やABS制御が実行され易い状態が継続し、不必要にこれらの制御が実行されると、運転者が違和感を覚える。
また、図4の点線で示すように、重み付け指数Coが大きい値を継続した場合には、実際の車重に対して、推定車重Meの誤差が大きくなってしまう。もし、推定車重Meが実際の車重に対して小さく演算されると、横滑り防止制御やABS制御が実行されるべき状況であっても、これらの制御が実行されないおそれがある。また、推定車重Meが実際の車重に対して大きく演算されると、不必要な横滑り防止制御やABS制御が実行され、運転者が違和感を覚える。
(本実施形態の効果)
上述した説明から明らかなように、図7の20−6において、上式(4)に基づくことにより、推定車重演算手段13dは、条件成立時推定車重Mが演算された際の悪路指数Roが大きいほど条件成立時推定車重Mが推定車重Meに及ぼす影響が小さくなるように演算する。
このため、悪路走行時に検出されたノイズを含有する前後加速度a1、a2に基づき演算される条件成立時推定車重Mによる、推定車重Meの算出への悪影響を低減することができる。一方で、良路走行時には、条件成立時推定車重Mが推定車重Meに及ぼす影響が大きいので、精度高く車重を推定することができる。
また、推定車重演算手段13dは、車両が走行可能な状態となってから、規定条件成立時の回数が規定回数以下である場合には(図7のS20−3でYESと判断)、悪路指数Roの大小に関わらず、S20−6において、重み付け指数Coを大きく設定し、条件成立時推定車重Mが推定車重Meに及ぼす影響を小さく制限しない。
これにより、車両が悪路を走行し続けた場合であっても、車重を推定することができる。また、悪路指数Roが大きい場合に条件成立時推定車重Mが推定車重Meに及ぼす影響を小さく制限しない回数が制限されているので、悪路走行時に演算された条件成立時推定車重Mによる推定車重Meの算出への悪影響を制限することができる。
また、図5のS19において、制御部10は、前後加速度a1及び前後加速度a2のいずれかの大きさが上記第一廃棄閾値TH1又は第二廃棄閾値TH2以上であると判断した場合には(S19:NO)、S12、S13、S15、S16、S17で演算された演算値を廃棄する。このため、車両が悪路を走行して激しく振動した場合に、車両の振動に伴うノイズを含有する前後加速度a1及び前後加速度a2による車重推定への悪影響を排除することができる。
また、悪路指数Roが規定値以上である場合には(図6のS18−1でYESと判断)、S18−2において、大きな値の第一廃棄閾値TH1が設定される。これにより、車両が悪路を走行した場合には、大きな値の第一廃棄閾値TH1が設定されるので、S19において、S12、S13、S15、S16、S17で演算された演算値が廃棄され難くなる。このため、悪路走行時に、全く条件成立時推定車重Mが演算されないということが防がれ、推定車重Meが実際の車重にいつまで経っても近づかないことが防止される。
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、クラッチ3の切断時T1及びクラッチ3の接続時T2に、規定条件が成立したと判断され、当該T1及びT2のそれぞれの車両駆動力F1、F2及び前後加速度a1、a2から条件成立時推定車重Mを演算している。しかし、変速後に規定条件が成立したと判断され、クラッチ3の切断前つまり変速前T0の時及びクラッチ3接続時T2それぞれの車両駆動力F0、F2及び前後加速度a0、a2から条件成立時推定車重Mを演算する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、マニュアル式のトランスミッション4やクラッチ3を搭載した車両について本発明を説明した。しかし、オートマチック式のトランスミッション4やクラッチ3を搭載し、車両駆動力Fが変化する車両にも本発明の技術的思想が適用可能なことは言うまでもない。
以上説明した実施形態では、車両が悪路を走行している状態では、図4の(5)に示すように、条件成立回数が規定回数を超えると、直ちに重み付け指数Coが大きい値から小さい値に変化している。しかし、条件成立回数が規定回数を超えた場合に、重み付け指数Coが大きい値から小さい値に徐変する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、車輪速センサ15R、15L(悪路指数取得手段)によって検出された車輪速VWに基づいて、悪路指数Roを演算している。しかし、悪路指数Roを取得するための、例えば振動センサ(悪路指数取得手段)を車両に設けても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、出力軸21に駆動力を出力する原動機は、エンジン2である。しかし、原動機はエンジン2に限定されず、例えば、電動モータであっても差し支え無い。
1…車重推定装置、2…エンジン(原動機)、10…制御部、13a…駆動力演算手段、13b…悪路指数演算手段(悪路指数取得手段)、13c…条件成立時推定車重演算手段、13d…推定車重演算手段、15R、15L…車輪速センサ(悪路指数取得手段)、16…前後加速度センサ(前後加速度取得手段)
a…前後加速度
F…車両駆動力
M…条件成立時推定車重
Me…推定車重
Ro…悪路指数
Co…重み付け指数

Claims (2)

  1. 出力軸に原動機駆動力を出力する原動機と、
    車両の前後加速度を検出する前後加速度検出手段と、
    前記原動機駆動力による前記車両に作用する車両駆動力を演算する駆動力演算手段と、
    前記車両の走行する路面の凹凸度合を数値化した悪路指数を取得する悪路指数取得手段と、
    規定条件成立時の前記前後加速度及び前記車両駆動力に基づき、条件成立時推定車重を演算する条件成立時推定車重演算手段と、
    前記条件成立時推定車重が演算される度に、前回までの前記条件成立時推定車重に基づき推定車重を演算する推定車重演算手段と、を有し、
    前記推定車重演算手段は、前記条件成立時推定車重が演算された際の前記悪路指数が大きいほど、前記条件成立時推定車重が前記推定車重に及ぼす影響を小さく制限して演算する車重推定装置。
  2. 請求項1において、
    前記推定車重演算手段は、前記車両が走行可能な状態となってから、前記規定条件成立時の回数が規定回数以下である場合には、前記悪路指数の大小に関わらず、前記条件成立時推定車重が前記推定車重に及ぼす影響を小さく制限しない車重推定装置。
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