JP2011135705A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
外部機器と接続される制御配線を伝搬して装置内に混入するノイズ電流または電圧を安価且つ小型に抑制する電力変換装置を提供する。
【解決手段】
筐体と、前記筐体に設けられた接続端子と、前記筐体の内部に設けられた制御回路部と、前記接続端子と前記制御回路部とを接続する配線と、前記配線と前記筐体の接地電位との間に接続された第1のノイズ除去手段と、前記配線と前記筐体の接地電位との間に、前記第1のノイズ除去手段と並列に接続された第2のノイズ除去手段と、を有する電力変換装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、外部機器と接続される制御配線を伝搬して装置内に混入する雑音電流または電圧を安価且つ小型に抑制する電力変換装置に関する。
バッテリ等の直流電源から交流電圧を生成するインバータ等の電力変換装置は、スイッチング素子等を有して成る主回路(パワーモジュール)と、該スイッチング素子を駆動する信号を生成する駆動回路(ゲートドライバ)と、平滑化コンデンサと、該駆動回路等へ送る動作信号を生成する制御回路(モーターコントローラ)等を備えて構成される。
この種の電力変換装置は、装置内部の制御回路と複数の外部機器やセンサとを制御配線で接続して信号の送受信を行うが、同制御配線を伝搬して装置内に混入する雑音電流や電圧によって、装置内の制御回路やセンサ回路が誤動作するという課題を有する。そこで、装置内に混入するノイズ電流および電圧を低減するための回路的または構造的工夫が求められている。
制御配線を介して装置内の制御回路等へ混入される電磁ノイズを低減するために、制御配線と装置内の基板等との接続部にロス成分またはノイズフィルタ(コンデンサ)を挿入する方法がある。
例えば、「所要の基板と直交して基板を貫通する導線にリアクタンス素子を結合させた貫通型ノイズフィルタを、細長い短冊状基板に一定間隔で多数設けるとともに、その貫通型ノイズフィルタの各導線の一端を、印刷配線基板上に設けられた複数の印刷配線の各接続端に接続し、さらに貫通型ノイズフィルタにおける各導線の他端を、他の印刷配線基板上に設けられた複数の印刷配線の各接続端に接続したことを特徴とする印刷配線基板用ノイズフィルタ」があり、特許文献1(特開平7‐307637号公報)が知られている。
特開平7‐307637号公報
しかし、特許文献1(特開平7‐307637号公報)記載の構成では、リアクタンス素子が高価であるために装置が高コストとなる等の問題がある。また基板上にノイズフィルタ(コンデンサ)を配置した場合、ノイズ電流は同コンデンサを介して基板GNDに注入されてしまうため、装置内のセンサや同基板上の回路が誤動作してしまうという問題がある。また、制御配線と装置内の基板等との接続部にノイズフィルタ(コンデンサ)を挿入した場合には、ノイズフィルタ通過後の基板内配線長によって、電磁ノイズ低減効果が大きく劣化するといった問題点がある。
そこで本発明では、外部機器と接続される制御配線を伝搬して装置内に混入するノイズ電流または電圧を安価且つ小型に抑制することのできる電力変換装置を提供することを目的とする。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば次の通りである。
(1)筐体と、前記筐体に設けられた接続端子と、前記筐体の内部に設けられた制御回路部と、前記接続端子と前記制御回路部とを接続する配線と、前記配線と前記筐体の接地電位との間に接続された第1のノイズ除去手段と、前記配線と前記筐体の接地電位との間に、前記第1のノイズ除去手段と並列に接続された第2のノイズ除去手段と、を有する電力変換装置である。
(2)(1)記載の電力変換装置であって、前記第1のノイズ除去手段が接続された前記配線位置と前記第2のノイズ除去手段が接続された前記配線位置との距離は、除去すべきノイズの最大周波数の1/2波長よりも小さい距離であることを特徴とする電力変換装置である。
(3)(1)または(2)に記載の電力変換装置であって、前記第1のノイズ除去手段が接続された前記配線位置と前記第2のノイズ除去手段が接続された前記配線位置との距離は、除去すべきノイズの最大周波数の1/4波長であることを特徴とする電力変換装置である。
本発明によれば、外部機器と接続される制御配線を伝搬して装置内に混入するノイズ電流または電圧を安価且つ小型に抑制することのできる電力変換装置を提供することができる。
本発明に係る電力変換装置の第一の実施例の説明図である。 本発明に係る電力変換装置の第二の実施例の説明図である。 本発明に係る電力変換装置の第三の実施例の説明図である 従来の電力変換装置におけるシミュレーションモデルを示す図である 本発明に係る電力変換装置におけるシミュレーションモデルを示す図である。 本発明に係る電力変換装置におけるシミュレーションモデルを示す図である。 本発明に係る電力変換装置におけるシミュレーション結果を示す図である。 本発明に係る電力変換装置の第四の実施例の説明図である。 本発明に係る電力変換装置の第五の実施例の説明図である。 本発明に係る電力変換装置の第五の実施例の説明図である。 本発明に係る電力変換装置の第六の実施例の説明図である。 本発明に係る車載電力変換装置の構造を示す図である。 本発明に係る車載電力変換装置の構成を示す図である。
以下、本発明に係る電力変換装置の実施形態の一例について、図面に基づき詳細に説明する。なお、実施例を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下に説明する実施例では、本発明が適用される電力変換装置として、特に外来ノイズに対する耐性(イミュニティ)が厳しい車載用インバータ装置を例に挙げて説明する。車載用インバータ装置は、車載電動機(モータ)の駆動を制御する制御装置として車載電機システムに備えられており、車載電源を構成する車載バッテリから供給された直流電力を所定の交流電力に変換し、得られた交流電力を車載電動機に供給することにより、車載電動機の駆動を制御するものである。ここで車載用インバータ装置は、安全性および信頼性確保のため、各カーメーカは、ISO‐11452などの規格に基づき、独自にノイズ耐性基準を定めており、一般的な電子機器よりも厳しいものとなっている。例えば、バイコニカルアンテナやホーンアンテナを用いて強電界を被試験対象に照射し、エラーの有無を確認する放射イミュニティ試験では、一般電子機器に照射する電界強度は約3〜10V/mであるのに対し、車載用インバータ装置に照射する電界強度は約70〜150V/mと10倍以上である。例えば、試験の一例として、200MHzから1GHzまでの電界照射を制御配線に向けて行う場合がある。この照射により周波数と同一の電流ノイズが制御配線を介して車載用インバータ装置に混入されることになり、これにより装置内回路の誤動作を引き起こすことが多い。この場合に、誤動作が生じる周波数としては400MHz〜1GHzが多い。これは車載用インバータ装置のケースサイズによる空洞共振が一要因であると考えられる。
尚、以下では車載用インバータ装置を例に説明を行うが、これに限らずDC/DCコンバータや直流チョッパなどの直流−直流電力変換装置、交流−直流電力変換装置等にも適用可能である。また、以下に説明する構成は、工場の設備を駆動する電動機の制御装置として用いられる産業用電力変換装置、家庭の太陽光発電システムに用いられる、または家庭の電化製品を駆動する電動機の制御装置に用いられる家庭電力変換装置等に対しても適用可能である。特に、低コスト化及び小型化を狙った電力変換装置への適用が好ましい。
まず、図12および図13を用いて電力変換装置の構成を説明する。図12は本発明に係る車載電力変換装置の構造を示す図であり、図13は本発明に係る車載電力変換装置および周辺装置の電気的な接続を表した等価回路図である。
図12の電力変換装置は、パワーモジュール209、スイッチング時の電荷供給を高速且つ低雑音にて行う平滑化コンデンサ207、パワーモジュール209に搭載されるスイッチング素子のゲートを駆動するゲートドライバ211、パワーモジュール209や平滑化コンデンサ207等を冷却する冷却機構210、外部機器接続用コネクタ208、電力変換器外部に接続される高電圧のバッテリを接続するDCターミナル204とDCコネクタ206、パワーモジュール209及び平滑化コンデンサ207等に高電圧を供給する配線として用いるバスバー214、交流に変換された電流をモータへ接続するACターミナル若しくはACコネクタ212、放熱用シート203、ゲートドライバ211へモータ制御信号を伝えるための制御回路が実装された制御回路基板202、制御回路基板202を実装する回路基板用ベース205、各コンポーネントを一つの筐体に収納するケース213、筐体を封止するカバー201とを有して構成される。
尚、同電力変換装置は、駆動するモータを二機とした場合を想定しており、パワーモジュール209及びゲートドライバ211が二組搭載できるような構造としているが、これらの数は駆動するモータまたはこれに相当する負荷の数量に依存するため、二組に限られない。
ここで、スイッチング動作を行うパワー系回路は雑音を発生させやすいので、雑音の影響を受けやすい弱電系のハーネス・ケーブルや基板等から離す配置とすることが好ましい。つまり、パワーモジュール209、ゲートドライバ211、冷却機構210、平滑化コンデンサ207、バスバー214、ACターミナル212、DCターミナル204は、全て制御回路基板202を実装する回路基板用ベース205によって仕切られたケース213下方の空間に組みつけられることが望ましく、制御回路基板202は回路基板用ベース205よりも上方の空間に実装され、前後左右は電力変換器のケース213、上部は電力変換器のカバー201によって閉じた空間の中に配置される。同様に、制御回路基板202と電力変換器外部の機器を接続するための外部接続用コネクタ208は、制御回路基板202又はコネクタ専用の基板上に実装され、制御回路基板202同様に回路基板用ベース205より上方の空間に実装される。このような構成により、パワー系回路による雑音の影響を受けにくくなるという効果を得ることができる。
図13の本発明に係る電力変換装置および周辺装置の電気的な接続を表した等価回路図では、負荷であるモータ232および高電圧バッテリ227と電力変換装置100はシールドケーブル231を用いて接続されており、同ケーブル231GND及びモータ232の筐体はシャーシGND228に接続されている。高圧バッテリ227の筐体及び高圧DCケーブル226のGNDも同様に同GND228に接続されている。
ここで、制御回路基板10は車載の12V(または24V)バッテリ224から電源配線223を介して供給される12V(または24V)電源を基に動作しており、制御回路基板10上には、モータ232の回転角度を検知するための角度検知回路、電力変換器外部の機器と通信を行うためのトランシーバ、これらを制御するためのマイクロコントローラ等が搭載される。またケース11内には、モータ232に流れている電流を検知するための電流検知回路がある。これらの回路は5V以下の低い電源電圧で動作しているため、外来ノイズにより誤動作を起こす可能性がある。特に、モータ角度検知回路(レゾルバ回路)やモータ電流検知回路は電圧若しくは電流のアナログ値をデジタル値へ変換しマイクロコントローラへ信号線を介して伝える機能を有しており、これらアナログ値は雑音の重畳による性能劣化・誤動作を引き起こし易い。
ここで、制御回路基板10はエンジンコントローラなどの外部装置221と制御配線222を介して接続されているため、車輌内のノイズが同制御配線222を介して基板回路10まで伝播することが知られており、車輌の安全性のために、これらのノイズによる誤動作を阻止することが求められている。
ここで、パワーモジュール230(図12の209に相当)は、図13に示すようにIGBT等の半導体パワースイッチング素子やフライホイールダイオード等を複数個有している。ゲートドライバ211は、基板接続線225を介して制御回路基板10からスイッチング素子のON/OFF制御信号を受け取り、パワーモジュール230のスイッチング制御を行う。尚、パワースイッチング素子としてMOSFETを用いる場合等はフライホイールダイオードを用いないことも可能である。
また、ベース205は金属など制御回路基板10(図12の202に相当)よりも高い導電性を有する材料とし、ケース213、カバー201、ベース205及び冷却機構210は全て物理的且つ電気的に接続されており、ケース213、11は車両等のシャーシGND228(図1の12に相当)と例えば接続点229で接続されることによってベース205もGND電位となることが望ましい。
本発明の実施例1について、図1を用いて説明する。図1は本発明に係る電力変換装置の第一の実施例の説明図であり、図12の電力変換装置のカバー201を外した場合の上面図である。
電力変換装置のケース11(図12における213に相当)は、図13のシャーシGND228と接点12(図13における229に相当)においてGND接続されており、制御回路基板10(図12の202に相当)のケースGND13a〜13fは前述のように回路基板用ベース(図12の205に相当)を介してケース11から供給されている。電力変換装置外部の機器を接続するための制御配線1および外部接続用コネクタ2と基板コネクタ7とは、ケース11内の信号配線(18または)6を介して接続されており、基板コネクタ7とアンプ9とは、制御回路基板10内の信号配線8を通して接続されている。ここで制御配線1と繋がる制御回路基板10上の回路例としてアンプ9を記載したが、アンプに限られず、他にもマイコンやトランシーバ、コンパレータなども適用可能である。
ここで、本実施例1では、信号配線6と接続点3との間に並列になるようにノイズ除去成分4、5を備える。図1ではノイズ除去成分4、5としてコンデンサが示されているが、ノイズ除去成分はコンデンサに限られず、寄生キャパシタンスを持つ他の構成であってもよい。信号配線6と接続点3との間に並列になるようにノイズ除去成分4、5を備えることにより、従来技術におけるノイズフィルタ通過後の基板内配線長によって電磁ノイズ低減効果が大きく劣化するといった問題点を解消し、ノイズ低減効果の劣化を抑制することができる。その結果、インバータのイミュニティ性能の向上を実現する電力変換装置を提供することができる。
さらに、従来の電力変換装置では、アンプ9の入力インピーダンスがHiインピーダンスと仮定した場合、信号配線8の配線長がノイズの波長に対して1/4波長となる周波数にはGNDに短絡するためのコンデンサを節とする定在波が信号配線8にあわられて制御回路基板10に大きなノイズが混入することになるという課題があったが、本実施例1において両ノイズ除去成分4、5間の信号配線6の長さをノイズの最大周波数の1/2波長よりも短い線路電気長に設定することにより、この定在波を抑制することが可能となる。
これは、信号配線6の線路電気長が定在波の1/2波長より短くなるように設定すると、高周波数においてノイズ除去成分4、5がGNDへの接続点3に短絡されるため、信号配線8に伝播する定在波を抑制し、制御回路基板10に侵入するノイズを抑えることができるためである。具体的には、抑制対象のノイズが伝播する線路において、ノイズ除去成分4が対象ノイズの節の部分にあるときでも、ノイズ除去成分5が同時に節でない振幅点をGNDに短絡させるため、ノイズの伝播を抑制でき、ノイズ電流波形が14aから14bのように低減することを防ぐことが可能となる。
さらに、信号配線6の線路長を定在波の1/4波長とすることが望ましい。信号配線6の線路長を定在波の1/4波長とした場合には、さらに大きなノイズ伝播抑制効果を得ることができる。これは、ノイズ除去成分4が対象ノイズの節にあっても、ノイズ除去成分5が最大振幅点をGNDに短絡させるため、最もノイズ伝播の抑制効果が大きいためである。
ここで、信号配線6の線路電気長が問題となるノイズ周波数の1/2波長と等しい場合、ノイズ除去成分4および5は定在波の節の部分を同時にGNDに短絡することになるため、配線8の線路電気長によってはノイズ振幅を抑制できないことに注意する。
本発明の実施例2について、図2を用いて説明する。図2は本発明に係る電力変換装置の第二の実施例の説明図であり、図12の電力変換装置のカバー201を外した場合の上面図である。
図2の電力変換装置において図1と異なる点は、信号配線18と接続点3との間にノイズ除去成分16を備える点である。ノイズ除去成分16の一方を信号配線18に、もう一方を制御回路基板10上のGNDではなく、ケース11に接続点3において接続されている。これにより、ノイズ除去成分16からアンプ9の入力までの線路の電気長が、制御配線1を伝搬して電力変換装置内に混入するノイズ電流の1/4波長よりも十分に短い場合には、ノイズ電流はノイズ除去成分16を介して直接ケース11に流れるため、制御回路基板10のGNDにノイズ電流が混入して回路が誤動作することを低減することができる。
ここで、ノイズ除去成分16からアンプ9の入力までの線路の電気長をモノポールアンテナとして考えると、ノイズ電流の1/4波長と等しいときに定在波が立ち、ノイズ電流はノイズ除去成分16には流れなくなる。また、ノイズ電流の3/4波長、5/4波長・・・と等しいときも同様である。これはノイズ電流の周波数が高周波になる(波長としては短くなる)とノイズを低減できないことを示している。
本発明の実施例3について、図3を用いて説明する。図3は本発明に係る電力変換装置の第三の実施例の説明図であり、図12の電力変換装置のカバー201を外した場合の上面図である。
図3の電力変換装置において図1と異なる点は、ノイズ除去成分4、5と信号配線6を囲むように、電力変換装置のケース11内部にシールド17を備える点である。ノイズ除去成分4、5と配線6を囲むようにシールド17を追加することで、信号配線6からのノイズの再放射を防ぐことが可能になる。
次に、外部接続用コネクタ2からアンプ9までの電流伝達特性シミュレーション結果を、図4乃至図7を用いて説明する。図4は従来の電力変換装置におけるシミュレーションモデルを示す図であり、図5および図6は本発明に係る電力変換装置におけるシミュレーションモデルを示す図であり、図7は本発明に係る電力変換装置におけるシミュレーション結果を示す図である。
図4から図6において、電流源31と出力抵抗32はノイズ電流源を表し、外部接続用コネクタ2と基板コネクタ7の間の信号配線33(図1の信号配線6に相当)はノイズの最大周波数を1GHzの1/4波長である250psとし、特性インピーダンスを300Ωとした。
制御基板回路上の信号配線36は遅延時間300ps、特性インピーダンスは50Ωとし、アンプ9の入力抵抗を3kΩとしている。ノイズ除去成分34は制御回路基板上に搭載されているとし、ノイズ除去成分C38とC39、C40はそれぞれケースGNDに接続されたとする。ここで、ノイズ除去成分34、38は100pF、ノイズ除去成分39、40は50pFとした。インダクタ35、35a、35bはGND配線の寄生インダクタンスである。
図7は、異なる3つの周波数応答特性における電流量を示す。51は図4のノイズ除去成分34に流れる電流を、52は図5の入力抵抗37に流れる電流を、53は図6の入力抵抗37に流れる電流を示している。1MHz付近の周波数に関しては、同図の52および53に示すように信号はほとんど劣化しないことが分かる。ここで、イミュニティ試験で誤作動が起こりやすい400MHz〜1GHzに注目すると、53のノイズ電流値は他の構成よりも20dB以上も低減できている。よって本発明により、装置に混入するノイズを抑制できることを確認し、装置内回路の誤作動を低減できる見通しを得た。
本発明の実施例4について、図8を用いて説明する。図8は本発明に係る電力変換装置の第四の実施例の説明図であり、図12の外部接続用コネクタ101を制御回路基板106に直接実装したときに、電力変換装置のカバー201を外した場合の上面図である。
図8の電力変換装置において図1と異なる点は、制御回路基板10のGNDパターンがスリット107によって分離されている点である。本実施例4については、ノイズ除去成分103、105はそれぞれGNDに接続しており、外部接続用コネクタ101とアンプ9とを接続する信号配線104に対して並列に配置されている。
ここで、制御回路基板10はケースGND13a、13bに、外部接続用コネクタ101はケースGND102にそれぞれ接続されている。ノイズ除去成分103、105と信号配線104は外部接続用コネクタ101側に搭載されており、これにより図1と同様の構成をとることが可能となる。さらに、同制御回路基板10が4層以上の層構成の場合、信号配線104をストリップラインとすることで図3に示すシールド効果を備えることが可能である。
本発明の実施例5について、図9および図10を用いて説明する。図9および図10により、本発明に係る電力変換装置の第五の実施例を説明する。図9は、外部接続用コネクタ111と制御回路基板10をFPC(Flexible‐Printed‐Circuits:フレキシブルプリント基板)のような配線材113で接続する電力変換装置であり、図10は配線材113を横から見た図である。
図9の電力変換装置において図1と異なる点は、信号配線と接点との間にコンデンサなどのノイズ除去素子を有さず、外部接続用コネクタ111と基板コネクタ7とを接続する信号配線114の両端にグランドパターン115a、b、c、dと、信号配線114を覆うように配線材113とを備える点である。
ここで配線材113は2層以上の層構成を持っており、例えば図10に示す配線材113の断面図のように、信号配線114の上下にグランドパターン115a〜115dを配置することで、対GNDの寄生容量成分(ノイズ除去成分)を持たせることができ、図1と同様の構成を実現することができる。
本発明の実施例6について、図11を用いて説明する。図11は本発明に係る電力変換装置の第六の実施例の説明図であり、外部接続用コネクタ101をコネクタ基板121に直接実装したときの上面図である。
図11の電力変換装置において図1と異なる点は、外部接続用コネクタ101と基板コネクタ122とは信号配線104により、基板コネクタ122と基板コネクタ7とが信号配線123によりそれぞれ接続され、コネクタ基板121と制御回路基板10とは各々異なるGNDに接続されている点である。
ノイズ除去成分103、105と信号配線104とをコネクタ基板121上に配置することで、図1と同様の構成を実現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
また、本発明におけるノイズ除去手段として図面中ではコンデンサを記載したが、コンデンサに限定されるものではなく、他のノイズ成分を除去可能な手段であってもよい。
また、本発明の電力変換装置は、本実施例1乃至6のそれぞれの実施例を組み合わせた構成であってもよい。
1・・・制御配線、2、111・・・外部接続用コネクタ、3・・・接続点、13a〜13f、102、112・・・ケースGND、4、5、16、34、38、39、40、103、105・・・ノイズ除去成分、6、8、18、33、36、104、108、114、123・・・信号配線、7、122・・・基板コネクタ、9・・・アンプ、10、106、202・・・制御回路基板、11・・・ケース、12・・・シャーシGND、14a、14b・・・ノイズ電流波形、31・・・電流源、32・・・出力抵抗、35、35a、35b・・・寄生インダクタンス、51、52、53・・・電流、113・・・配線材、115a〜115d・・・グランドパターン(グランド)プレーン、121・・・コネクタ基板、201・・・カバー、203・・・放熱用シート、204・・・DCターミナル、205・・・回路基板用ベース、206・・・DCコネクタ、207・・・平滑化コンデンサ、208・・・外部機器接続用コネクタ、209、230・・・パワーモジュール、210・・・水冷機構、211・・・ゲートドライバ(基板)、212・・・ACコネクタ、213・・・ケース、214・・・DCバスバー(プラス側)、221・・・外部機器、222・・・信号配線、223・・・電源配線、224・・・12Vバッテリ、225・・・基板接続線、226・・・高圧DCケーブル、228・・・シャーシGND、229・・・電力変換器GND(接続点)、231・・・モーターケーブル(シールドケーブル)、232・・・モータ

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体に設けられた接続端子と、
    前記筐体の内部に設けられた制御回路部と、
    前記接続端子と前記制御回路部とを接続する配線と、
    前記配線と前記筐体の接地電位との間に接続された第1のノイズ除去手段と、
    前記配線と前記筐体の接地電位との間に、前記第1のノイズ除去手段と並列に接続された第2のノイズ除去手段と、
    を有する電力変換装置。
  2. 請求項1記載の電力変換装置であって、
    前記第1のノイズ除去手段が接続された前記配線の位置と前記第2のノイズ除去手段が接続された前記配線の位置との距離は、除去すべきノイズの最大周波数の1/2波長よりも小さい距離であることを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項1または2に記載の電力変換装置であって、
    前記第1のノイズ除去手段が接続された前記配線の位置と前記第2のノイズ除去手段が接続された前記配線の位置との距離は、除去すべきノイズの最大周波数の1/4波長であることを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記第1のノイズ除去手段と前記第2のノイズ除去手段と前記配線の少なくとも一部を囲むように、前記筐体の内部にシールドを備えたことを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記第1のノイズ除去手段と前記第2のノイズ除去手段と前記配線と前記制御回路部とを囲む制御回路基板にはGNDパターンが設けられており、前記GNDパターンはスリットによって複数に分離されていることを特徴とする電力変換装置。
  6. 請求項5記載の電力変換装置であって、
    前記スリットによって、前記第1のノイズ除去手段と前記第2のノイズ除去手段と前記配線の一部を囲む第1のGNDパターンと前記制御回路部を囲む第2のGNDパターンの少なくとも2つのGNDパターンに分離されていることを特徴とする電力変換装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    該電力変換装置と外部機器とを接続するために該電力変換装置に設けられているコネクタと前記接続端子との間に配線材を設けたことを特徴とする電力変換装置。
  8. 請求項7記載の電力変換装置であって、
    前記配線材は2層以上の層構成を有することを特徴とする電力変換装置。
  9. 請求項7または8に記載の電力変換装置であって、
    前記配線材はFPCであることを特徴とする電力変換装置。
  10. 請求項1記載の電力変換装置であって、
    前記接続端子は第1の接続端子および第2の接続端子の少なくとも2つあり、
    前記第1の接続端子と前記第2の接続端子とは信号配線で接続されており、
    前記第1の接続端子は前記第2の接続端子よりも前記コネクタに近い位置に配置されており、
    前記コネクタから前記第1の接続端子までを囲むように設けられた第1のGNDパターンと前記第2の接続端子から前記制御回路を囲むように設けられた第2のGNDパターンとを有することを特徴とする電力変換装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記制御回路部はマイコンまたはトランシーバまたはコンパレータのいずれかであることを特徴とする電力変換装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の電力変換装置であって、
    前記第1のノイズ除去手段および前記第2のノイズ除去手段はコンデンサであることを特徴とする電力変換装置。
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