JP4498305B2 - シールド筐体 - Google Patents

シールド筐体 Download PDF

Info

Publication number
JP4498305B2
JP4498305B2 JP2006113425A JP2006113425A JP4498305B2 JP 4498305 B2 JP4498305 B2 JP 4498305B2 JP 2006113425 A JP2006113425 A JP 2006113425A JP 2006113425 A JP2006113425 A JP 2006113425A JP 4498305 B2 JP4498305 B2 JP 4498305B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
opening
conductive member
shield
cylindrical conductive
noise
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006113425A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006344933A5 (ja
JP2006344933A (ja
Inventor
宏治 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006113425A priority Critical patent/JP4498305B2/ja
Priority to US11/418,664 priority patent/US7249973B2/en
Publication of JP2006344933A publication Critical patent/JP2006344933A/ja
Priority to US11/769,053 priority patent/US7374456B2/en
Publication of JP2006344933A5 publication Critical patent/JP2006344933A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4498305B2 publication Critical patent/JP4498305B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • H05K9/0007Casings
    • H05K9/0049Casings being metallic containers
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • H05K9/0007Casings
    • H05K9/0018Casings with provisions to reduce aperture leakages in walls, e.g. terminals, connectors, cables
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K9/00Screening of apparatus or components against electric or magnetic fields
    • H05K9/0007Casings
    • H05K9/0052Shielding other than Faraday cages

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)

Description

本発明は、電子機器のプリント回路板やケーブルから放射される、放射ノイズを抑制するためのシールド筐体および電子機器に関するものである。
近年、電子機器の高速化、高性能化により、電子機器から放射される放射ノイズによる他の電子機器への影響が問題になっている。この放射ノイズによる他の電子機器への影響はEMI(Electro Magnetic Interference)と呼ばれ、主に無線機器、通信機器の受信障害や、電子機器の誤動作を引き起こす。そのため、各国では30MHz〜1GHz、あるいは30MHz〜2GHzの周波数帯域において、電子機器からの放射ノイズの規制を行っており、電子機器製造メーカはこの規制に適合するように製品を設計製造する必要がある。
そこで、この放射ノイズや、外部からの電磁波による誤動作を抑制するために、電子機器内のプリント回路板、ケーブル、モジュールなどのノイズ源を、金属、導電性樹脂、メッキされた樹脂などのシールド筐体で覆う方法がよく用いられる。
しかしながら、シールド筐体の内部に配置されたプリント回路板、ケーブル、モジュールを、シールド筐体の外部と接続するためには、図10に示すように、シールド筐体に開口部を設けなければならない。すなわち複写機やプリンターなどの事務機においては、画像情報から変換された光信号を、CCDやCMOSセンサなどの光センサに送るための光路となる開口部が必要となる。また、半導体レーザで変換された光信号を、感光ドラムまで送るための光路となる開口部も必要となる。また紙を搬送する経路として紙を通す開口部が必要となる場合もある。これらの開口部は、光や紙が通らなければならないという制約から、ある一定の大きさ以上の開口部としなければならない。
図10において1201はシールド筐体であり、1202は光や紙を通すために形成された、2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状の開口部である。開口部1202の長辺の長さはD1、短辺の長さをD2である。開口部1202により、シールド筐体の内部に配置されたプリント回路板等のノイズ源から放射される放射ノイズ(電磁波)は、シールド筐体の外部に漏れ出てしまう。この開口部1202から漏れ出る放射ノイズ(電磁波)は、すべての周波数に対して発生するものであるが、各周波数における放射レベルは比較的低く大きな問題とはならない。
しかしながらシールド筐体1201に開口部1202を設けた場合、開口部1202の形状に応じて特定の周波数の信号が共振し、開口部1202自体がスロットアンテナとして機能してしまう。すなわち、特定の周波数の放射ノイズが、開口部1202からシールド筐体1201の外部に放出される。このスロットアンテナとして開口部1202から放出される放射ノイズは、特定の周波数に対してのみ発生するものであるが、その放射レベルは非常に高く、放射ノイズの規制を満たすための大きな課題となっていた。
この開口部1202がスロットアンテナとなり、特定の周波数の放射ノイズを放出する原理を、図11を用いて説明する。図11(a)は、図10に示したシールド筐体1202を矢印Z−Z方向に切断した際の断面図である。図11(b)は、シールド筐体1202の外側表面において、開口部1202の周辺を電流の流れる様子を示した模式図である。
図11(a)に示すように、プリント回路板等のノイズ源1210から放射ノイズ1211が放出される。この放射ノイズ1211は、シールド筐体1201内側表面を流れるグラウンド電流C2に入り込み、グラウンド電流C2はノイズ成分を持った電流となる。このノイズ成分を持ったグラウンド電流C2は、シールド開口1202を介してシールド筐体1201の外側表面に回り込む。このシールド筐体1201の外側表面に回り込んだグラウンド電流C2は、図11(b)に示すように開口部1202を迂回するように、R11→R12→R13の経路でシールド筐体1201の外側表面を流れる。
この時グラウンド電流C2は、シールド筐体1201の長辺の長さ(D1)を1/2波長とする周波数の定在波を発生させる。シールド開口1202上辺には+の位相を有する定在波を発生し、シールド開口1202の下辺には−の位相を有する定在波を発生する。すなわち、シールド開口1202の上辺と下辺との間に、位相差がπの定在波が近接して発生することとなり、上辺と下辺に対して垂直方向の大きな電界が発生する。これにより、D1を1/2波長とする周波数の信号が共振し放射ノイズとなり、シールド筐体1201の外部に放射される。
この時、問題となる特定の周波数のノイズ成分とは、開口部1201の各辺の長さ(D1)が1/2波長となる周波数のノイズ成分である。そこで従来から、開口部1202の長辺の長さ(D1)を、規制が必要となる最高周波数の1/2波長以下にすることで、開口部1202がスロットアンテナとした放射ノイズの発生を防いでいる。
たとえば、開口部1202の長辺の長さ(D1)が30cmの場合、30cmが1/2波長となる周波数である500MHzの放射ノイズが発生する。従って500MHz以下の周波数の放射ノイズを抑止するためには、開口部1202の長辺の長さを30cm以下とすることが必要となる。
尚、長辺と同様に短辺に関してもその長さ(D2)に応じて同様の定在波が発生し、放射ノイズを放出する。しかしながら、短辺に関して発生する放射ノイズの周波数は、長辺に関して発生する放射ノイズよりもはるかに高いため、長辺に関して発生する放射ノイズが問題となる。
また、特許文献1(特開平8−32762号公報)には、光学系のノイズ遮断構造が開示されている。図12はその時の構造を示す斜視図である。図12において1301はシールド筐体であり、1302は光や紙を通すための2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状形状からなる開口部である。開口部1302の長辺の長さはD1、短辺の長さをD2としている。また、開口部1302の内側には、開口部1302とほぼ同じ断面形状を有する、長さD3の筒状導電性部材1303が取り付けてられている。この筒の導電性部材1303は、導波管の低周波数域遮断特性を利用することで、シールド筐体1301の内部から開口部1302を介して漏れ出る放射ノイズを抑制することができる。すなわち、開口部1302を介して漏れ出る放射ノイズ(電磁波)を、筒状導電性部材1303の内側表面で反射させることにより、ノイズフィルターとして機能している。
図12に示したシールド筐体1301における放射ノイズを放出する原理を、図13を用いて説明する。図13(a)は、図12に示したシールド筐体1301を矢印W−W方向に切断した際の断面図である。図13(b)は、図12に示したシールド筐体1301の筒状導電性部材1303の、開口部1302と反対側の筒状端部1303aにおいて電流の流れる様子を示した模式図である。
図13(a)に示すように、プリント回路板等のノイズ源1310から放射ノイズ1311が放出される。この放射ノイズ1311は、シールド筐体1301内側表面を流れるグラウンド電流C3に入り込み、グラウンド電流C3はノイズ成分を持った電流となる。このノイズ成分を持ったグラウンド電流C3は、筒状導電性部材1303の外側表面に流れ込み、筒状端部1303aに到達する。
図13(b)に示すように、グラウンド電流C3は筒状端部1303aをR21→R22→R23の経路で流れる。この時グラウンド電流C3の持つノイズ成分の内、シールド筐体1201の長辺の長さ(D1)を1/2波長とする周波数のノイズ成分は、筒状端部1303aの形状に応じて定在波を発生する。筒状端部1303aの上辺には+の位相を有する定在波を発生し、筒状端部1303aの下辺には−の位相を有する定在波を発生する。すなわち、筒状端部1303aの上辺と下辺との間に、位相差がπの定在波が近接して発生することとなり、上辺と下辺に対して垂直方向の大きな電界が発生する。これにより、D1を1/2波長とする周波数の信号が共振し放射ノイズとなる。この時、筒状導電性部材1303には、500MHz以上の周波数の電磁波の通過を抑制する効果はほとんどないため、この放射ノイズは、筒状導電性部材1303および開口部1302を通過してシールド筐体1201の外部に放射される。
また、筒状端部1304に到達したグラウンド電流C3の一部は、筒状導電性部材1303の内側表面およびシールド筐体1201の外側表面に回り込む。このシールド筐体1201の外側表面に回り込んだグラウンド電流C3’は、図12(b)と同様に、開口部1302を迂回するように、R11→R12→R13の順にシールド筐体1301の外側表面を流れる。これにより、D1を1/2波長とする周波数の信号が共振し放射ノイズとなり、シールド筐体1201の外部に放出される。
特開平8−32762号公報
しかしながら近年、ノイズ規制値の上限周波数は年々高くなっている。たとえば2GHzを遮断必要最高周波数とすると、その波長は15cmとなる。従って図10に示したシールド筐体の場合、開口部の長辺の長さ(D1)をノイズの遮断必要最高周波数の1/2波長である7.5cm以下にしなければならない。これでは、前述の事務機における光や紙を通す開口部に適用するには小さすぎて現実的ではない。
また、特許文献1におけるシールド筐体は、シールド筐体の内側から開口部に筒状の導電部材1303を取り付け、導波管の低周波数域遮断特性を利用することにより、開口部1302から放射ノイズ(電磁波)が漏れ出るのを抑制するものである。しかしながらこの低周波数域遮断特性により抑制可能な周波数は、500MH以下の比較的波長の長い放射ノイズを遮断するものであり、周波数が高くなればなるほど、その抑制効果は著しく後退してしまう。そのため、スロットアンテナから放射される1GHzや2GHzの放射ノイズに対しては、抑制効果はほとんどなくなってしまう。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、電子機器から発生する500MHz以上の高周波の放射ノイズを、極めて簡単な構成によって効果的に抑制できるシールド筐体および電子機器を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するため本発明では、上壁部材と、底壁部材と、複数の側壁部材とにより形成され、少なくとも1つの側壁部材に2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状の開口部が形成された、電子部品を内蔵するシールド筐体であって、前記少なくとも1つの側壁部材の内側表面には、前記開口部に沿った4つの面から成る筒状導電性部材が、前記シールド筐体の内側に取り付けられており、前記筒状導電性部材の前記2つの短辺に取り付けられた2つの面には、前記開口部と逆側の端部から前記筒状導電性部材の軸方向に延在し、対向して配置された2つのスリットが設けられているシールド筐体を提供している。
このような構成とすることにより、シールド筐体に形成された開口部がスロットアンテナとなり放出される500MHz以上の高周波の放射ノイズを、極めて簡単な構成によって効果的に抑制することができる。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1乃至3は本発明におけるシールド筐体を示した図であり、図1はシールド筐体1の斜視図であり、図2は図1のX−X断面図である。図3は図2は図1のY−Y断面図である。シールド筐体1の内部には、放射ノイズ源10となるにプリント回路板等が配置されている。シールド筐体1は、直方体であり、導電性の側壁部材1a〜1dおよび上壁部材1e、底壁部材1fから形成されている。側壁部材1aには、2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状の開口部2が形成されている。開口部2の長辺の長さはD1、短辺の長さをD2である。開口部2には、シールド筐体1の内側から、筒状導電部材3が取り付けられている。筒状導電部材3は、コの字形の断面を有する2つの導電部材3a、3bからなり、各々のコの字を対向させることで、開口部2の周縁を取り囲むように配設されている。すなわち、筒状導電部材3の両側面に、2つのスリット3cを形成することで導電部材3a、3bの2つの導電部材に分割した構成となっている。
図1に示した2分割した導電性部材3の放射ノイズの抑制原理について、図3(a)及び図3(b)を用いて説明する。図3(b)は、図1に示したコの字型導電部材3a、3bからなる導電性部材3の側壁部材1aと逆側のコの字型端部3a’、3b’における、電流の流れる様子を示した模式図である。図4において導電性部材3は、2つのスリット3cによってコの字形の2つの導電部材3a、3bに分割されており、コの字型端部4a、4bも図4に示すように、スリット3cによって分断されている。
図3に示すように、プリント回路板等のノイズ源10から放射ノイズ11が放出される。この放射ノイズ11は、シールド筐体1内側表面を流れるグラウンド電流C1に入り込み、グラウンド電流C1はノイズ成分を持った電流となる。このノイズ成分を持ったグラウンド電流C1は、コの字型導電部材3aの外側表面(上面)に流れ込み、コの字型端部3a’に到達する。
図3(b)に示すように、グラウンド電流C1はコの字型端部3a’をR1の経路で流れるが、スリット3cがあるため、コの字型端部3b’を有するコの字型の導電部材3bには流れ込むことはない。従ってコの字型端部3a’、3b’において、その長辺の長さ(D1)を1/2波長とする周波数のノイズ成分が共振し、放射ノイズとして放射することはない。
また。グラウンド電流C1の極一部は、コの字型端部3a’もしくは導電部材3aのスリット3cを形成する端部を介して、コの字型導電部材3aの内側表面(下面)に回り込む。この回り込んだグラウンド電流C1’は開口部2を介してシールド筐体1の外側表面に流れ込み、図11(b)に示すように開口部2の形状に応じて共振し、放射ノイズを放射する。しかしながら、シールド筐体1の外側表面に流れ込むグラウンド電流C1’は、図10の場合と比べるとはるかに少ないため、放射ノイズの量も規制値に対して問題とはならない。
また、コの字型導電部材3a、3bの開口部2に対して垂直方向の長さである奥行きD3を、開口部2の長辺の長さ(D1)の1/2に設定することにより、シールド筐体1の外側表面に流れ込むグラウンド電流C3’を最小とすることができる。これは、コの字型導電部材3aはポイントAにおいて、開口面2を形成する側壁部材1aと導電接続されており、電気的にショートされている。これに対して、コの字型導電性部材3a、3bのコの字型端部3a’、3b’はオープン端となる。また、コの字型端部3a’におけるインピーダンスは、点線Bで示すようにショート端であるポイントAから1/4波長の長さの時に最大となる。このインピーダンスが高ければ高いほど、ポイントAから、コの字型端部3a’に向かって流れるグラウンド電流C1’は小さくなる。従って、コの字型端部3a’からシールド筐体1の外側表面に流れ込む電流も小さくなり、放射ノイズを抑制することができる。
すなわち、開口部2におきて共振するのは、開口部2の長辺の長さ(D1)を1/2波長とする周波数のノイズ成分を有するグラウンド電流である。このグラウンド電流に対して、シールド筐体1の外側表面に流れ込む電流量を最も少なくするには、導電部材3aの奥行きD3を、このノイズ成分の1/4波長とすれば良い。すなわち、開口部2の長辺の長さ(D1)の1/2の長さとした時に最も効果的である。
なお本発明は、図1に示すようなコの字型導電部材3a、3bに分割したものに限らず、図4の(a)に示すように、導電性部材13の対向する角部に2つのスリット13cを設けて、L字型導電部材13a、13bに分割したものでもよい。また、図4(b)に示すように、開口部2の一方の長辺側に導電性部材23の2つのスリット23cを設けて、コの字型導電部材23aと平面導電部材23bを組み合わせたものでもよい。また参考例としては、図4(c)に示すように、スリット33cの幅が開口部2の短辺の長さと等しい形状としても良い。すなわち、平面導電部材33a、33bとしても良い。
(実験例1)
上記の作用を確認するために、2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状の開口部をもつシールド筐体に対して、電磁界シミュレーションにより放射ノイズの放出量の計算を行った。シミュレーションモデルを図5に示す。図5においてシールド筐体101は各辺が30cmの立方体形状としている。シールド筐体101の1つの面101aには、水平方向に20cm(D1)、縦1cm(D2)の開口部102が設けられている。開口部102には、シールド筐体101の内側から、筒状導電部材103が取り付けられている。筒状導電部材103の開口部102に対して垂直方向の長さである奥行き(D3)は10cmとしている。筒状の導電部材103の側面は、幅4mmのスリット103cが設けられており、スリット103cにより筒状の導電部材103は、コの字形の断面を有する2つの導電部材103a、103bに分割されている。導電部材103a、103bは、各々のコの字を対向させることで、開口部102の周縁を取り囲むように配設されている。シールド筐体101の内部には20MHz基本波を持つノイズ源(不図示)を設置している。
計算は、シールド筐体101から10mにおける垂直成分の電界を計算している。この計算結果を図6に示す。図6において横軸に周波数、縦軸に電磁波ノイズ量している。比較のために、図10に示した開口部102に何も設置していない場合(比較例1)と、図12に示した開口部と同じサイズで長さ10cmの筒状の導電部材を配置した場合の計算結果(比較例2)も示す。
●は長さ10cmの筒状の導電部材が2つのスリットにより分離されている実験例1の計算結果である。×は図10に示した開口部に何も設置しなかった比較例1の計算結果である。□は図12に示した開口部に長さ10cmの筒状の導電部材を設置した比較例2の計算結果である。
図6において×で示した比較例1は、600MHz〜800MHzの広い範囲にわたって強いピークが見られる。これは開口部の長辺(D1)の長さ20cmが1/2波長となる周波数は720MHzであり、この720MHzを中心に放射ノイズが放出すると考えられる。また、□で示した比較例2は、比較例1に比べて各周波数において大幅にノイズは低減されている。しかしながら共振により発生する720MHzにおけるノイズ成分は、ほとんど低減されることなく強いピークを示している。
これに対して、●で示した実験例1では、比較例2と比べても各周波数において大幅にノイズは低減されている。更に共振により発生する720MHzにおけるノイズ成分も大幅低減されている。一般に電子機器における放射ノイズは、60dbuV/m以下とすることが好ましいとされている。従って、実施例1においては、すべての周波数において、60dbuV/m以下となっており、電子機器に使用するのに充分な値であると言える。
(実験例2)
次に図5に示したシミュレーションモデルにおいて、筒状導電部材103の開口部102に対して垂直方向の長さである奥行き(D3)の長さを5cm、7.5cm、10cm、12.5cm、15cmとした場合における、放射ノイズの放出量の計算を行った。
計算は、実験例1と同様に、シールド筐体101から10mにおける垂直成分の電界を計算している。この計算結果を図7に示す。図7において横軸に周波数、縦軸に電磁波ノイズ量している。D3が5cmの時を□、7.5cmの時を△、10cmの時を●、12.5cmの時を×、15cmの時を◇で示している。比較のために、前述の比較例1を×で示している。
図7から分かるように、D3が10cmの時、周波数全域に渡って、もっともノイズ低減効果が高くなっている。D3が10cmから短く、もしくは長くなるにつれ、ノイズ低減効果は低くなっていることがわかる。10cmは開口部102の長辺の長さD1の1/2である。すなわち10cmは、開口部がスロットアンテナとなる、開口部の長辺(D1)の長さが波長の1/2となる周波数のノイズ成分に対して、1/4波長の長さである。このときノイズ低減効果は最も高いといえる。
図8は本発明の第2実施例を示すシールド筐体31の斜視図である。図1に示した第1実施例と同じ部分に関してはその説明を省略する。図1において筒状導電性部材3は、スリット3cにより2つの導電性部材3a、3bに分離されていた。これに対して本実施例で図1と異なるのは、筒状導電性部材33に設けられた2つのスリット33cは、導電性部材33を2つに分離せず、開口部2と逆側の端部から切り欠いた形状となっている。すなわち円筒導電性部材33の両側面33’は、スリット33cによりコの字形状となっている。
このような形状とすることにより、筒状導電性部材33のシールド筐体33と逆側の端部33’は、スリット33cにより分断され、スロットアンテナとなることはない。また、この筒状導電性部材33の長さは実施例1と同様に、シールド筐体の開口部の長辺D1の長さの半分に設定することにより、最もノイズ低減効果をあげることができる。
図9は本発明の第3実施例を示すシールド筐体である。図9において、筒状導電性部材43はスリット43cにより、2つのコの字型導電性部材43a、43bに分離されている。コの字型導電性部材43aの内側上面及び、コの字型導電性部材43bの内側下面には、誘電性部材45a内側に誘電性部材45bが配置されている。これにより、誘電性部材45a、45bによる電磁波の波長は短縮される。従って、コの字型導電性部材43a、43bの長さD3は、開口部42の長辺の1/2よりも短い長さで、同等の効果をあげることが可能である。
この誘電性部材45a、45bが配置されたのコの字型導電性部材43a、43bの長さとしては、この2つの誘電性部材45a、45bの周囲の空間からなる実効比誘電率から計算される電気長が、開口部の長辺の長さD1の1/2になるように設定すればよい。例えば、誘電性部材45a、45bと誘電性部材45a、45bの周囲の空間からなる実効比誘電率が4であれば、開口部42に取り付ける誘電性部材45a、45bが配置されたコの字型導電性部材43の長さd3は開口部の長辺の長さの1/4でよい。
本発明の実施例1を示すシールド筐体の斜視図 図1のシールド筐体のA−A断面図 (a)は図1のシールド筐体のX−X断面図、(b)図1のシールド筐体の開口部周辺の電流の流れる様子を示した模式図 実施例1における他の形態を示す断面図。 実験例1におけるシールド筐体のシミュレーションモデルを示す斜視図 実験例1の計算結果を示すグラフ。 実験例2の計算結果を示すグラフ。 本発明の実施例2を示すシールド筐体の斜視図 本発明の実施例3を示すシールド筐体の斜視図 本発明の従来例を示すシールド筐体の斜視図 (a)は図10のシールド筐体のY−Y断面図、(b)は図10のシールド筐体の開口部周辺の電流の流れる様子を示した模式図 本発明の従来例を示すシールド筐体の斜視図 (a)は図12のシールド筐体のY−Y断面図、(b)は図12のシールド筐体の開口部周辺の電流の流れる様子を示した模式図
符号の説明
1、31、41、101、1201、1301 シールド筐体
2、32、42、102、1202、1302 開口部
3、33、43、103、203、1303 筒状導電性部材
3a、3b、13a、13b、23a、23b、43a、43b、103a、103b コの字型導電性部材
3c、13c、23c、33c、43c、103c スリット
45a、45b 誘電性部材

Claims (6)

  1. 上壁部材と、底壁部材と、複数の側壁部材とにより形成され、少なくとも1つの側壁部材に2つの短辺と2つの長辺からなる矩形状の開口部が形成された、電子部品を内蔵するシールド筐体であって、前記少なくとも1つの側壁部材の内側表面には、前記開口部に沿った4つの面から成る筒状導電性部材が、前記シールド筐体の内側に取り付けられており、前記筒状導電性部材の前記2つの短辺に取り付けられた2つの面には、前記開口部と逆側の端部から前記筒状導電性部材の軸方向に延在し、対向して配置された2つのスリットが設けられていることを特徴とするシールド筐体。
  2. 前記スリットは前記開口部と逆側の端部から前記開口部側の端部まで延在しており、前記スリットによって前記筒状導電性部材が2部品に分割されていることを特徴とする請求項1に記載のシールド筐体。
  3. 前記2部品に分割された筒状導電性部材は、コの字形導電性部材と平面導電性部材であることを特徴とする請求項2に記載のシールド筐体。
  4. 前記2部品に分割された筒状導電性部材は、ともにL字形導電性部材であることを特徴とする請求項2に記載のシールド筐体。
  5. 前記スリットの長さは、前記開口部の長辺の半分であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシールド筐体。
  6. 前記筒状導電性部材の内側表面には、誘電性部材が取り付けられており、前記筒状導電性部材の電気長が、前記開口部の長辺の半分の長さであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシールド筐体。
JP2006113425A 2005-05-11 2006-04-17 シールド筐体 Expired - Fee Related JP4498305B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006113425A JP4498305B2 (ja) 2005-05-11 2006-04-17 シールド筐体
US11/418,664 US7249973B2 (en) 2005-05-11 2006-05-05 Radiation noise minimizing shielding casing
US11/769,053 US7374456B2 (en) 2005-05-11 2007-06-27 Radiation noise minimizing shielding casing

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005137971 2005-05-11
JP2006113425A JP4498305B2 (ja) 2005-05-11 2006-04-17 シールド筐体

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006344933A JP2006344933A (ja) 2006-12-21
JP2006344933A5 JP2006344933A5 (ja) 2007-08-09
JP4498305B2 true JP4498305B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=37419731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006113425A Expired - Fee Related JP4498305B2 (ja) 2005-05-11 2006-04-17 シールド筐体

Country Status (2)

Country Link
US (2) US7249973B2 (ja)
JP (1) JP4498305B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090275375A1 (en) * 2008-04-30 2009-11-05 Acres-Fiore, Inc. Multiple outcome display for gaming devices
JP5500973B2 (ja) 2009-12-25 2014-05-21 日立オートモティブシステムズ株式会社 電力変換装置
JP5862163B2 (ja) 2011-09-28 2016-02-16 日産自動車株式会社 電力変換装置
JP6472049B2 (ja) * 2015-03-24 2019-02-20 株式会社豊田中央研究所 電子装置収納ケース

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH062787U (ja) * 1992-06-09 1994-01-14 沖電気工業株式会社 電子装置キャビネットのケーブルホール構造
JP2000174478A (ja) * 1998-12-02 2000-06-23 Harness Syst Tech Res Ltd シールド装置
JP2001251082A (ja) * 2000-03-06 2001-09-14 Canon Inc シールドケースおよび電子機器
JP2001358507A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Mitsubishi Electric Corp 方向性結合器
JP2003262818A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Canon Inc 画像形成装置
JP2003332834A (ja) * 2002-05-14 2003-11-21 Nippon Antenna Co Ltd 偏波ダイバーシチアンテナ
JP2004007345A (ja) * 2002-05-31 2004-01-08 Samsung Electro Mech Co Ltd 広帯域チップアンテナ
JP2004214534A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Canon Inc シールドボックスおよび電子機器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0486001A (ja) * 1990-07-27 1992-03-18 Ojima Shisaku Kenkyusho:Kk 矩形導波管型可変短絡器
JPH0832762A (ja) * 1994-07-20 1996-02-02 Fuji Xerox Co Ltd 光学系のノイズ遮蔽構造
JPH08316679A (ja) * 1995-05-22 1996-11-29 Hitachi Ltd 電磁シールド筐体とこの筐体を備える電気機器
US5934940A (en) * 1997-07-23 1999-08-10 Molex Incorporated Shielded electrical connector
TW420409U (en) * 1998-08-05 2001-01-21 Hon Hai Prec Ind Co Ltd Socket connector
JP3405961B2 (ja) * 2000-05-24 2003-05-12 日本圧着端子製造株式会社 リセプタクルタイプの中継用コネクタ
JP2002231391A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Tyco Electronics Amp Kk シールドコネクタ組立体
TW575253U (en) * 2003-06-20 2004-02-01 Hon Hai Prec Ind Co Ltd Cable connector assembly
CN2737017Y (zh) * 2004-09-23 2005-10-26 富士康(昆山)电脑接插件有限公司 电连接器
US7175465B1 (en) * 2005-08-26 2007-02-13 Advanced Connectex Inc. Electrical connector with a spring push button for disengagement with jack

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH062787U (ja) * 1992-06-09 1994-01-14 沖電気工業株式会社 電子装置キャビネットのケーブルホール構造
JP2000174478A (ja) * 1998-12-02 2000-06-23 Harness Syst Tech Res Ltd シールド装置
JP2001251082A (ja) * 2000-03-06 2001-09-14 Canon Inc シールドケースおよび電子機器
JP2001358507A (ja) * 2000-06-12 2001-12-26 Mitsubishi Electric Corp 方向性結合器
JP2003262818A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Canon Inc 画像形成装置
JP2003332834A (ja) * 2002-05-14 2003-11-21 Nippon Antenna Co Ltd 偏波ダイバーシチアンテナ
JP2004007345A (ja) * 2002-05-31 2004-01-08 Samsung Electro Mech Co Ltd 広帯域チップアンテナ
JP2004214534A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Canon Inc シールドボックスおよび電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
US20060258217A1 (en) 2006-11-16
US20070249229A1 (en) 2007-10-25
US7249973B2 (en) 2007-07-31
US7374456B2 (en) 2008-05-20
JP2006344933A (ja) 2006-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10516200B2 (en) Antenna, wireless communication device, and electronic device
US7703994B2 (en) Optical transceiver module
US6965072B2 (en) Shielding arrangement
JP2009290377A (ja) 車載用ノイズフィルタ
JP4498305B2 (ja) シールド筐体
US20130027255A1 (en) Radio apparatus
EP2733962B1 (en) A hearing aid having a near field resonant parasitic element
JP5333017B2 (ja) 電子機器とそのプリント配線板
JP4735670B2 (ja) プリント基板および画像処理装置
JP2005101172A (ja) 電子機器のケーシング構造
JP2004303752A (ja) 半導体装置、および光送受信器
JP2006210742A (ja) 電子機器用シールドケースおよび電子機器
WO2020255790A1 (ja) 電子機器
JP2005294528A (ja) 回路基板及び該回路基板におけるノイズの低減方法
JP6812402B2 (ja) 電子機器及び収納ユニット
JP7382750B2 (ja) 電子回路モジュール
US10863615B2 (en) Electronic apparatus
JP2004214534A (ja) シールドボックスおよび電子機器
WO2022215713A1 (ja) アンテナ装置
JP2006339539A (ja) シールド筐体
JP2004022735A (ja) 部品実装基板
JP2023059434A (ja) 電子機器
KR20200114709A (ko) 기판 구조체 및 그 제어 방법
JP2011044623A (ja) 低輻射構造を備えた電子機器
JP2007281179A (ja) 電子機器用シールドケース

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080901

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100413

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees