JP5333017B2 - 電子機器とそのプリント配線板 - Google Patents

電子機器とそのプリント配線板 Download PDF

Info

Publication number
JP5333017B2
JP5333017B2 JP2009181203A JP2009181203A JP5333017B2 JP 5333017 B2 JP5333017 B2 JP 5333017B2 JP 2009181203 A JP2009181203 A JP 2009181203A JP 2009181203 A JP2009181203 A JP 2009181203A JP 5333017 B2 JP5333017 B2 JP 5333017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plane
power supply
power
wiring
open stub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009181203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011035222A (ja
Inventor
慎矢 西
正人 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2009181203A priority Critical patent/JP5333017B2/ja
Publication of JP2011035222A publication Critical patent/JP2011035222A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5333017B2 publication Critical patent/JP5333017B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、例えば不要電磁波ノイズ規制の規格に対応するようなノイズ対策を考慮した情報処理装置、通信装置などの電子機器、及びこれに用いられるプリント配線板に関する。
従来から、電子機器の内部で発生する不要電磁波ノイズや、外部から伝搬して電子機器の内部に侵入する外来ノイズが、電子機器の内外に与える影響の面で大きな問題となっている。そのため、電子機器の内部で発生する不要電磁波ノイズの発生を防止したり、外来ノイズ耐力を確保したりするEMC(Electromagnetic Compatibility;電磁波両立性)設計が重要である。
特に近年、不要電磁波ノイズの発生源として問題となっているのは、プリント配線板に実装された電子部品がスイッチングする際に、電子部品の電源からプリント配線板の内部に設けられた電源プレーンに流れ込む高周波ノイズである。通常、プリント配線板は内部に電源プレーンとグランドプレーンが対向した構造をもち、この電源プレーンとグランドプレーン間の前記高周波ノイズを励振源とした平行平板共振の発生により、非常に大きな不要電磁波ノイズを周囲に放射することがある。
不要電磁波ノイズの対策としては、デカップリングキャパシタと呼ばれる電子部品を電源端子とプリント配線板の電源プレーン間に配置する従来技術がある。しかし、この技術は電子部品内の電源に発生する1GHz程度を境にした低周波側のノイズ低減には有効であるが、高周波側のノイズ放射については、低減することができないばかりか、場合によってはノイズが大きくなるという問題があることが明らかとなっている。
前記不要電磁波ノイズは、EMI(Electromagnetic Interference;電磁波妨害)と称され、他の電子装置に影響を及ぼさないように、日本ではVCCI(Voluntary Control Council for Interference by Data Processing Equipment Office Machines:情報処理装置等電波障害自主規制協議会)、米国ではFCC、欧州ではENが定めた各種規格により規制されている。2009年3月現在、前記VCCIにおいて家庭環境で使用される製品はClass B情報技術装置と定義され、放射EMIの電界強度が30MHz〜1GHzの周波数帯域で規制されているが、この規制は2010年10月に1GHz〜6GHzへさらに拡張される予定であり、電子機器を設計する上でこの拡張周波数帯域における不要電磁波ノイズの対策が急務となっている。
このような放射EMIの問題において、その低減対策としては、基幹電源から電子部品へ電源を供給する電源経路の電源配線の電気長(実際の配線長に基板素材の波長短縮率を掛けた値)を、放射EMIの上限周波数の1/4波長とし、その電源経路の両端にキャパシタを各1個接続したプリント配線板の技術が開示されている(たとえば、特許文献1参照)。また、実装基板中の電気長が、電子部品の動作周波数の整数倍の1/4波長となるように形成されたスタブ配線を配置することにより、給電系に逆位相の電流を励起し、ノイズ電流を低減するプリント配線板の技術が開示されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2001−119110号公報 特開2004−140210号公報
従来は上記のとおりであり、特許文献1では、1/4波長の長さの電源配線の両端にデカップリングキャパシタを接続する必要があるが、特に基幹電源の近くに他の電子部品が実装される場合には、デカップリングキャパシタを前記部分に配置するのは困難であり、たとえ配置できた場合であっても1GHz以上の周波数では、プリント配線板の電源プレーンのインピーダンスと比較してデカップリングキャパシタのインピーダンスが同程度か高くなり、所望の効果を得られないという問題点が予想される。
例えば、1608サイズのキャパシタはキャパシタンス成分以外に抵抗成分と0.5nH程度のインダクタンス成分を直列に持ち、ビアのグランドプレーンまでのインダクタンスを0.5nHとすると、キャパシタとビアを合わせたインピーダンスは1GHzで6Ω程度となり、電源プレーンのインピーダンスに比べ無視できなくなる。また、具体的な電源配線の長さについては、放射EMIの起こる上限の周波数による対策が検討されているが、電子機器を設計する際に、規制値を超えてしまう放射EMIの周波数上限そのものが推定困難であることも問題点である。
特許文献2の従来技術では、オープンスタブ配線を使用することで、プリント配線板に実装した電子部品動作周波数の奇数倍のノイズを減衰させることはできるが、プリント配線板の電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数については特に対応ができず、この共振周波数における放射EMIを十分に抑制ができない可能性があるという問題点がある。また、電子部品の電源に接続されて半導体デバイスがPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)の場合、単一のクロック周波数を元にした逓倍または分周した周波数で動作するとは限らず、そのような周波数については対応できないという問題点がある。
さらに、電子機器における信号伝送では、全てが特性インピーダンスのマッチングが取れた回路とはなっていないことに起因する反射により、様々な周波数帯の高周波ノイズが発生する。実際に電子機器を動作させた状態で電子部品の電源端子を流れる電流の高周波スペクトルには、必ずしも電子部品の動作周波数の高調波成分のみではなく、それ以外のスペクトルも観測される。対して、プリント配線板の放射EMI特性において、電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数における放射電解強度は、共振していない周波数帯と比べ40dBμV/m以上(すなわち、0dBμV/mを基準として100倍以上)大きくなる場合もある。したがって、電源プレーンに起因する放射EMIを抑制するには、電子部品が動作することにより発生する高周波ノイズを、電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数において、電源プレーンとグランドプレーン間に与えないようにすることが重要である。
この放射EMIが大となる共振周波数は、電子部品の電源端子とグランド端子からプリント配線板をみたインプットインピーダンスの部分的なピークが発生する周波数とほぼ一致するため、近年多くのプリント配線板の電源端子用ランド−グランド端子用ランド間のインプットインピーダンスや、S−parameterを解析するシミュレータが市販されている。比較的低い周波数帯では、前記シミュレータによるシミュレーションを実施して、デカップリングキャパシタの追加や位置の変更によりインプットインピーダンスを改善したり、フェライトビーズや3端子キャパシタ等の使用により電子部品からの高周波ノイズを減衰させる放射EMI対策が行われている。しかし、キャパシタによる対策では前述のとおり1GHz以上ではインピーダンスが高くなり効果が低くなる問題や、フェライトビーズや3端子キャパシタを電源端子毎に使用する場合には、大幅に製造コストが増える問題がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、高周波における放射EMIを大幅に低減でき、かつ低製造コストのプリント配線板を用いる電子機器を得ることを目的とする。
この発明の電子機器は、電源端子、グランド端子、および信号端子を有した電子部品を実装するプリント配線板を備えた電子機器であって、前記プリント配線板が、前記グランド端子と電気的に接続されたグランドプレーンと、このグランドプレーンと略平行に対向して設けられ、前記電源端子と電源配線を介して電気的に接続された電源プレーンと、前記電源配線に接続され、前記電源プレーンより前記グランドプレーンに近い側に実装されたオープンスタブ配線を備え、このオープンスタブ配線が、前記電源プレーンと前記グランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数の1/4波長の電気長であることを特徴とするものである。
この発明によれば、電子機器に備えるプリント配線板において、電子部品の電源端子と電源プレーンを介する電源配線に、電源プレーンとグランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数の1/4波長の電気長であるオープンスタブ配線を接続するように構成したので、高周波における共振周波数の高周波ノイズを有効に減衰させることができ、電子機器からの放射EMIを抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の概略上面図である。 この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の電子部品およびキャパシタを実装した概略上面図である。 この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の概略断面図である。 この発明の実施の形態1に係る電子機器のフィルタ特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係るプリント配線板の概略上面図である。 この発明の実施の形態2に係るプリント配線板の概略上面図である。 この発明の実施の形態2に係るプリント配線板の概略上面図である。 この発明の実施の形態2に係る電子機器のフィルタ特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係るプリント配線板の概略上面図である。 この発明の実施の形態4に係るプリント配線板の概略断面図である。 この発明の実施の形態4に係るプリント配線板の概略断面図である。 この発明の実施例1に係る電源プレーンの辺の長さと共振周波数との関係を示すグラフである。 この発明の実施例2に係る電源プレーンの直径と共振周波数との関係を示すグラフである。
以下、本発明の各実施の形態に係る電子機器の備えるプリント配線板について、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1に係るプリント配線板1の概略上面図を示し、図2は、前記プリント配線板1に電子部品2およびキャパシタ3を実装した概略上面図、図3は、図2の線I−Iにおける概略断面図を示している。このプリント配線板1を供える電子機器については、図示を省略する。
図1乃至図3において、プリント配線板1の実装面には、電源端子、グランド端子、信号端子を有する電子部品2およびチップキャパシタ3を実装するための電子部品信号端子用ランド8a、電子部品電源端子用ランド8b、電子部品グランド端子用ランド8c、およびキャパシタ用ランド9が設けられている。前記電子部品電源端子用ランド8bは、電源スルーホール10aと電源配線5で接続され、この電源配線5には、さらに他端が開放されたオープンスタブ配線7が接続される。電源スルーホール10aはプリント配線板の内層に配置された電源プレーン4と電気的に接続された導体であり、グランドスルーホール10bはプリント配線板の内層に配置されたグランドプレーン6に電気的に接続された導体である。すなわち、前記電子部品電源端子用ランド8bは、電源配線5と電源スルーホール10aを介して電源プレーン4に接続され、前記電子部品グランド端子用ランド8cは、グランドスルーホール10bを介してグランドプレーン6に接続される。プリント配線板1は、信号層、電源層、およびグランド層からなる多層プリント配線板であり、図3では、構成の理解を容易にするため、プリント配線板1の表面である信号層、グランドプレーン6を含むグランド層、電源プレーン4を含む電源層、プリント配線板1の裏面である信号層の4層構成としている。
図2に示すとおり、電源プレーン4が、長辺の長さがa、短辺の長さがbの方形形状である場合、後述の実施例1の記載のとおり、電源プレーン4とグランドプレーン6間で発生する平行平板共振の最も低い共振周波数は、長辺aの2倍の電気長が1波長となる周波数となる。そこで、電子部品が実装されたプリント配線板1において、電源プレーン4−電源プレーン6間の最も低い共振周波数の高周波ノイズを減らし、電子機器からの放射EMIを抑制するために、電子部品電源端子用ランド8bと方形電源プレーン4との間に設けられる電源配線5に、電源プレーン2の長辺aの1/2の長さの電気長としたオープンスタブ配線7を設ける。
図4は、電源プレーン4の長辺の1/2の長さの電気長とした前記オープンスタブ配線7を電源配線5に設けることにより得られるフィルタ特性を示す。図4において、11a、11b、11c、11dは、それぞれオープンスタブ配線7の配線幅を異ならせた場合の特性を示し、配線幅は、11a<11b<11c<11dの関係にある。図4に示すように、オープンスタブ配線7の配線幅が電源配線5に比べ大きい方がより良い減衰特性を与え、逆にオープンスタブ配線7が電源配線5よりも幅が細いとノイズの減衰効果が薄れる。図5は、この特性を考慮して、オープンスタブ配線7の配線幅Wを電源配線5の配線幅Wより大きくした構成を示す。
ここで、オープンスタブ配線7による作用を説明する。電子機器において、電子部品の電源端子から漏れ出た高周波ノイズは、電源配線5を通り電源プレーン4に向かって進行する。このとき、電源配線5に接続されるオープンスタブ配線7に高周波ノイズが進行すると、オープンスタブ配線7が開放端であるためにその先端で全反射して、電源配線5の分岐部分へ戻る。オープンスタブ配線7の先端で全反射する高周波ノイズは、オープンスタブ配線7の往復が1/2波長となり、180度位相がシフトして戻るため、電源配線5の分岐部分から電源プレーン4方向に進行する電圧がキャンセルされる。したがって、電源プレーン4へ伝達する高周波ノイズが抑制でき、電源プレーン4とグランドプレーン6間の共振により発生する高周波ノイズを削減できる。
上記のことから、オープンスタブ配線7は電気長、すなわちその電気長となる配線長が重要となるため、形状は直線に限らず曲がっていても良い。但し、オープンスタブ配線の開放端では、わずかに容量成分が存在することから、1/2波長よりもわずかに短い電気長とするほうが良い。このオープンスタブ配線7により、1/2波長がその電気長と等しい周波数だけでなく、より高周波である2n+1倍(nは整数)の周波数の放射EMIについても、抑制が可能である。
一方、上記構成によれば、電源配線5とオープンスタブ配線7の分岐部分で電圧極小、電流最大となるため、前記分岐部分が電源プレーン4に物理的に近い場合には、その漏れ電流が電源プレーン4とグランドプレーン6間に高周波ノイズを与え、オープンスタブ配線7による放射EMI抑制の効果が薄れてしまう可能性がある。これを避けるためには、電源配線2の分岐部分から、電源プレーン4までの距離を離す方法が有効である。また、オープンスタブ配線7が電源プレーン4を参照面とすることも、直接電源プレーン4に高周波ノイズを与えることになるため、放射EMI抑制の効果が見込めなくなる。したがって、オープンスタブ配線7は、電源プレーン4ではなくグランドプレーン6を参照面とする必要がある。
また、層数の多いプリント配線板の場合には、グランドプレーン6とグランドプレーン6の間にオープンスタブ配線7を配置すると、表層に配置するオープンスタブ配線7とグランドプレーン6の構成によるよりも放射EMIが減少する。その際には、グランドプレーン同士の共振を避けるため、グランドプレーン同士を接続するグランドスルーホールを、その周波数におけるプリント配線板1内の波長よりも十分に小さい間隔で設ける必要がある。したがって、高周波ノイズを引き起こす電子部品については、オープンスタブ配線7を効果的な位置に設けるために、プリント配線板表面において、電源プレーン4ではなくグランドプレーン6に近い側に実装するのが好ましい。
以上のように、電子部品が実装されたプリント配線板1において、電子部品電源端子用ランド8bと方形電源プレーン4との間に設けられる電源配線5に、電源プレーン4の長辺の1/2の長さの電気長としたオープンスタブ配線7を設けることによって、電源プレーン4へ伝達する高周波ノイズを抑制し、電源プレーン4とグランドプレーン6間の最も低い共振周波数の高周波ノイズを減らして、電子機器の放射EMIを抑制することができる。
本発明のプリント配線板における電源プレーンの形状と、電源プレーン−グランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数との関係、算出方法、およびその共振周波数のノイズを抑制するオープンスタブ配線長の算出方法の具体例を以下に示す。
電源プレーンを方形形状にした場合、直交座標系の等方向媒質中のMaxwell方程式をその構造に基づく境界条件を適用し解くことにより、高周波における共振周波数fmnは次式のように求まる。
Figure 0005333017
但し、cは光速、εは電源プレーンとグランドプレーン間にあるプリント配線板材料の比誘電率、m=0、1、2、…、n=0、1、2、…である。このとき、最も低い共振周波数f10は、m=1、n=0の場合であり次式となる。
Figure 0005333017
また、数式1に示した共振周波数における高周波ノイズをキャンセルするオープンスタブ配線長Lmnは、次式にて求められる。
Figure 0005333017
但し、εreffはオープンスタブ配線や、その周囲の構造や材料定数によって決定される実効比誘電率である。
上記数式2および数3より、最も低い共振周波数f10における高周波ノイズをキャンセルするオープンスタブ配線長L10は、次式にて求められる。
Figure 0005333017
したがって、電源配線5に電源プレーン2の長辺aの1/2の長さの電気長としたオープンスタブ配線7を設けることにより、電源プレーン6の最も低い共振周波数の高周波ノイズを減らすことができ、電子機器の放射EMIを抑制することができる。
次に、共振周波数fmnの具体例を表1に示す。ここでは簡単のために電源プレーン4をa=b=60mmの正方形とした場合を記載する。また、比誘電率εを4.3とする。
Figure 0005333017
また、電源プレーン4を正方形a=bとした場合、高周波ノイズをキャンセルするオープンスタブ配線Lmnは、数式3から次式となる。
Figure 0005333017
したがって、表1の共振周波数に対応したオープンスタブ配線の長さLmnは、表2のとおりとなる。
Figure 0005333017
上記によれば、想定される電子部品の高周波ノイズが2GHz以下であれば、約30mmと約21.1mmの電気長のオープンスタブ配線を電源配線に接続することで、これらがm=1、n=0およびm=1、n=1の共振周波数におけるフィルタとして働くため、電源プレーンへのノイズを減少させ、電子機器の放射EMIを抑制することができる。
尚、本発明において、電源プレーンが正方形の場合の電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数に対する検討を図12に示す。図において、縦軸が共振周波数、横軸が一辺の長さであり、f10、f11、f21、・・・で共振が発生する。a=b=60mmとした場合、2GHzまでf10とf11のラインを跨ぐので、f10とf11の共振周波数にてフィルタとなるオープンスタブ配線が2本必要であることがこの図からも判断できる。f10は、電源プレーンの形状が正方形でない場合(a≠b)も、その長辺を横軸上にとることで同様に共振周波数が求まる。
電源プレーンを円形にした場合については、円柱座標系の等方向媒質中のMaxwell方程式を解き、その構造に基づく境界条件を適用し解くことによって、高周波における共振周波数fmnが次のように求まる。
Figure 0005333017
但し、cは光速、rは円形電源プレーンの半径、εは電源プレーンとグランドプレーン間にあるプリント配線板材料の比誘電率、χmnはm次Bessel関数(m=0、1、2、…)のn番目の零点(Jm(ζ)=0の根ζの小さい方からn番目のもの)である。
また、円形電源プレーンの直径をdとすると、この共振周波数における高周波ノイズをキャンセルするオープンスタブ配線長Lmnは、次式にて求められる。
Figure 0005333017
次に、m次Bessel関数のn番目の零点χmnを表3に示す。
Figure 0005333017
直径をd=2r=60mmとした場合の共振周波数fmnは、比誘電率を4.3とすると、数式6より表4のとおりとなる。
Figure 0005333017
数式7より、表4の共振周波数に対応したオープンスタブ配線の長さLmnは、表5のとおりとなる。
Figure 0005333017
表4に示すとおり、電源プレーンが円形の場合、一番低い共振モードはm=0、n=1ではなくm=1、n=1である。想定される電子部品の高周波ノイズが2GHzまでであれば、m=1、n=1に対応する約25.6mm、すなわち円形電源プレーンの直径60mmの約0.43倍の電気長のオープンスタブ配線を電源配線に接続することで、電源プレーンへの電源配線の接続個所に関わらず、共振周波数における電子機器の放射EMIを抑制することができる。
尚、本発明において、電源プレーンが円形の場合の電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数に対する検討を図13に示す。図において、縦軸が共振周波数、横軸が直径であり、f11、f21、f01・・・で共振が発生する。d=2r=60mmとした場合、2GHzまでf11のラインを跨ぐので、f11の共振周波数にてフィルタとなるオープンスタブ配線が1本必要であることがこの図からも判断できる。
以上の実施例のように、電源プレーンを方形や円形など任意の形状・サイズとすることにより、高周波における共振周波数がプリント配線板の設計段階で予測できる。そして、本発明の実施の形態1のとおり、この共振周波数に対応するオープンスタブ配線を設けることによって放射EMIを抑制することができる。なお、本発明は信号伝送のフィルタとして、ショートスタブ配線ではなく、その1/2の長さのオープンスタブ配線によって実現したので、電源に関するノイズにも対応が可能である。
尚、上記実施例は、電子機器のプリント配線板に限らず、電子部品内で構成される電源プレーンとグランドプレーンの共振による高周波ノイズの減衰についても適用できる。例えば、25mm角の電源プレーンをもつ電子部品については、電子部品の基板に搭載される半導体チップの電源と電源プレーン間に12.5mmの電気長をもつオープンスタブ配線を設けることにより、例えば比誘電率を4.3とした場合に、最も低い共振周波数となる2.893GHzにおける放射EMIを抑制できる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るプリント配線板の概略上面図を図6および図7に示す。図1と同じ符号の付されたものは同じ構成を示す。図6の電源プレーン24の形状は円形であり、図7の電源プレーン4の形状は、実施の形態1と同様の方形である。このように電源プレーンの形状が決定された場合、実施の形態1の実施例1および実施例2で述べた電源プレーンの形状と共振周波数の関係のとおり、電源プレーンとグランドプレーン間の共振周波数のモードは一意的に決定される。したがって、この共振周波数の低い方から順に、その共振周波数に対応したオープンスタブ配線を2つ以上電源配線に接続させることにより、オープンスタブ配線の電気長に対応した共振周波数における放射EMIを抑制する効果が得られる。図6、図7では、それぞれ電源配線の両側に、第1のオープンスタブ配線7aと第2のオープンスタブ配線7bを接続している。これにより、共振周波数の低い方から2つの共振周波数における放射EMIを抑制することができる。
図8は、図6、図7に示すオープンスタブ配線7a、7bを電源配線5に設けることにより得られるフィルタ特性を示す。図8において、11a、11b、11c、11dは、それぞれオープンスタブ配線7の配線幅を異ならせた場合の特性を示し、配線幅は、11a<11b<11c<11dの関係にある。実施の形態1と同様、図8に示すように、オープンスタブ配線7aおよび7bの配線幅が電源配線5に比べ大きい方がより良い減衰特性を与える。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るプリント配線板の概略上面図を図9に示す。このプリント配線板は、実施の形態1の電源プレーン4に加え、この電源プレーン4と当該プリント配線板における同じ層、または他の層に方形形状の基幹電源プレーン12を備え、電源プレーン4を基幹電源プレーン12に対し低域通過フィルタ13を介して接続したことを特徴とする。
ここで、前記低域通過フィルタ13は、実施例1において説明した図12に示す共振の発生しない条件を満たすものにする。例えば、300MHz以下の低域通過フィルタであり、基幹電源プレーン12は長辺が200mm以下であれば、電源プレーン4から300MHzの高周波ノイズが基幹電源プレーン12に漏洩した場合でも、基幹電源プレーン12とグランドプレーン間で共振を起こさないため、放射EMIが抑制される。基幹電源プレーンを円形にした場合も、接続する低域通過フィルタを、実施例2において説明した図13に示す共振の発生しない条件を満たすものにすることによって、同様に放射EMIを抑制できる。但し、1GHz以下の周波数においては、電源プレーンとグランドプレーン間の共振を抑えるためのチップキャパシタも有効に働く。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係るプリント配線板の概略断面図を図10、図11に示す。図において、図1と同じ符号を付したものは同じ構成を示す。
図10に示すように、ビルドアップのプリント配線板において、表層から電源のレーザビア14によって2層目に引き込み、レーザビア14と電源スルーホール10aの間に電源配線5を設け、その部分に実施の形態1で説明した所定長のオープンスタブ配線7を接続することにより、実施の形態1と同様に高周波ノイズの放射EMIを抑制することができる。ビルドアップのプリント配線板では、一旦内層に配線を引き込むことができるため、BGA(Ball Grid Array)などの電子部品に対して有利である。
また、図11は、プリント配線板同士を貼り合わせて製造されるプリント配線板を示す。ビルドアップ仕様のプリント配線板と同様、表層から電源のブラインドビア15によってプリント配線板の内層に引き込み、ブラインドビア15と電源スルーホール10aの間に電源配線5を設け、その部分に実施の形態1で説明した所定長のオープンスタブ配線7を接続することにより、同様に高周波ノイズの放射EMIを抑制することができる。
1 プリント配線板
2 電子部品
3 チップキャパシタ
4 電源プレーン(方形)
5 電源配線
6 グランドプレーン
7 オープンスタブ配線
7a 第1のオープンスタブ配線
7b 第2のオープンスタブ配線
8a 電子部品信号端子用ランド
8b 電子部品電源端子用ランド
8c 電子部品グランド端子用ランド
9 キャパシタ用ランド
10a 電源スルーホール
10b グランドスルーホール
11a オープンスタブ配線幅を電源配線と同じ幅にした場合の挿入損失
11b オープンスタブ配線幅を電源配線の2倍の幅にした場合の挿入損失
11c オープンスタブ配線幅を電源配線の3倍の幅にした場合の挿入損失
11d オープンスタブ配線幅を電源配線の4倍の幅にした場合の挿入損失
12 基幹電源プレーン
13 低域通過フィルタ
14 1−2層間を接続したレーザビア(Laser Via Hole)
15 ブラインドビア(Blind Via Hole)
24 電源プレーン(円形)

Claims (8)

  1. 電源端子、グランド端子、および信号端子を有した電子部品を実装するプリント配線板を備えた電子機器において、前記プリント配線板は、
    前記グランド端子と電気的に接続されたグランドプレーン、
    このグランドプレーンと略平行に対向して設けられ、前記電源端子と電源配線を介して電気的に接続された電源プレーン、
    前記電源配線に接続され、前記電源プレーンより前記グランドプレーンに近い側に実装されたオープンスタブ配線を備え、
    このオープンスタブ配線が、前記電源プレーンと前記グランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数の1/4波長の電気長であることを特徴とする電子機器。
  2. 前記オープンスタブ配線を、前記電源プレーンとグランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数のうち、最も低い共振周波数の1/4波長の電気長とすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記電源プレーンが方形形状であり、
    前記オープンスタブ配線を、前記電源プレーンの長辺の電気長の略1/2の電気長とすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記電源プレーンが円形形状であり、
    前記オープンスタブ配線を、前記電源プレーンの直径の電気長の略0.43倍の電気長とすることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記オープンスタブ配線は、前記電源プレーンとグランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数のうち、低い方から順に複数の共振周波数それぞれの1/4波長の電気長となる複数のオープンスタブ配線からなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記オープンスタブ配線の配線幅が、前記電源配線の配線幅より大きいことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  7. 前記プリント配線板は、さらに基幹電源プレーン、低域通過フィルタを備え、
    前記電源プレーンが前記低域通過フィルタを介して前記基幹電源プレーンに接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
  8. 電源端子、グランド端子、および信号端子を有した電子部品を実装する実装面を含むプリント配線板において、
    前記グランド端子と電気的に接続されたグランドプレーン、
    このグランドプレーンと略平行に対向して設けられ、前記電源端子と電源配線を介して電気的に接続された電源プレーン、
    前記電源配線に接続され、前記電源プレーンより前記グランドプレーンに近い側に実装されたオープンスタブ配線を備え、
    このオープンスタブ配線が、前記電源プレーンと前記グランドプレーン間で発生する平行平板共振の共振周波数の1/4波長の電気長であることを特徴とするプリント配線板。
JP2009181203A 2009-08-04 2009-08-04 電子機器とそのプリント配線板 Expired - Fee Related JP5333017B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009181203A JP5333017B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 電子機器とそのプリント配線板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009181203A JP5333017B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 電子機器とそのプリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011035222A JP2011035222A (ja) 2011-02-17
JP5333017B2 true JP5333017B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=43763989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009181203A Expired - Fee Related JP5333017B2 (ja) 2009-08-04 2009-08-04 電子機器とそのプリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5333017B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012176933A1 (ja) * 2011-06-22 2012-12-27 日本電気株式会社 ノイズ抑制装置及びそれを搭載した多層プリント基板
WO2013018257A1 (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 日本電気株式会社 配線基板
JP6998826B2 (ja) 2018-04-27 2022-01-18 ルネサスエレクトロニクス株式会社 電子装置
KR102669395B1 (ko) * 2018-10-04 2024-05-29 삼성디스플레이 주식회사 커넥터 어셈블리 및 이를 포함하는 표시 장치

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH058693Y2 (ja) * 1986-12-27 1993-03-04
JP4260243B2 (ja) * 1998-05-25 2009-04-30 三菱電機株式会社 積層構造のプリント配線板
JP4260456B2 (ja) * 2002-10-18 2009-04-30 株式会社ルネサステクノロジ システム
JP2006314046A (ja) * 2005-05-09 2006-11-16 Mitsubishi Electric Corp プリント配線板
JP4678381B2 (ja) * 2007-03-15 2011-04-27 日本電気株式会社 電源供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011035222A (ja) 2011-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8004369B2 (en) Arrangement structure of electromagnetic band-gap for suppressing noise and improving signal integrity
KR100294957B1 (ko) 프린트배선판
US20050104678A1 (en) System and method for noise mitigation in high speed printed circuit boards using electromagnetic bandgap structures
US6624536B1 (en) Electromagnetic noise reducing device, noise reducing electronic component and electronic appliance manufacturing method
WO2002091515A1 (en) Transmission line type components
JP2008028218A (ja) 多層プリント基板
US20150173256A1 (en) Emi suppression technique using a transmission line grating
JP2010123640A (ja) プリント基板及び光伝送装置
JP5863801B2 (ja) 高周波に使用するための多平面印刷配線板
JP5333017B2 (ja) 電子機器とそのプリント配線板
JP2008060435A (ja) 不要電磁輻射抑制回路及び実装構造及びそれを実装した電子機器
JP2013539218A5 (ja)
JPWO2011099083A1 (ja) 無線装置
JP4830539B2 (ja) 多層プリント回路基板
WO2012039120A2 (en) Printed circuit board
US20080053689A1 (en) Substrate for high-speed circuit
US10573951B2 (en) Split resonator and printed circuit board including the same
Lun Designing for board level electromagnetic compatibility
KR102166882B1 (ko) 노이즈 필터
JP2006261479A (ja) 多層プリント回路基板と電子機器
JP6867036B2 (ja) 無線通信装置およびノイズ抑制方法
JP6395638B2 (ja) 無線装置
KR20120019634A (ko) 광대역 노이즈를 억제하는 전자기 밴드갭 구조
JP2011103399A (ja) 半導体装置
JP5264700B2 (ja) 電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130715

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees