JP2004022735A - 部品実装基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】使われていないスペースを利用して、比較的簡単な構造のもので、不要輻射を効率よく抑えることができる部品実装基板を提供する。
【解決手段】複数の基板A〜Eと、複数の電子部品72とを有する部品実装基板10であって、表面上または複数の基板間に、両端を抵抗72で閉じたループ回路LP1を設けた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を実装する部品実装基板に係り、特に基板からの不要輻射を可及的に抑えることができる部品実装基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、各種の電子機器などには、種々の電子部品が多数個設けられており、それらの電子部品の多くは電子機器の筐体内部に設けたプリント基板上に実装されている。
【0003】
ところで、このプリント基板には、それぞれ所要パターンを有するパターン配線を設けており、例えばこのプリント基板の両面などにこのパターン配線が設けてあると、パターン配線に流れる電流が作用して、別言すれば、これがアンテナを構成して電磁波(電波)、つまり不要輻射を発生することがある。そこで、この発生する電磁波を導体で形成したシールド手段で囲い込んで遮蔽する、といったことがしばしば行われている。
【0004】
【解決しようとする課題】
しかしながら、この不要輻射発生部分をシールド手段で完全に導体で囲い込み、遮蔽することは難しく、このシールド手段において遮蔽の一番脆弱な部分から電磁波が漏れ出すことが多い。
また、仮に、例えば金属製の箱などのシールド手段で完全にプリント基板全体や電磁波の発生する部分を囲い込むことができたとしても、この金属製の箱の内部では、その電磁波が反射するだけで吸収されているわけではないから、その電磁波が箱内部にある各種の電子部品などに悪影響をもたらす虞がある。
例えば、反射する電磁波が金属製の箱の内部でパターン配線部分に共振電流(誘導電流)を生じ、その結果、プリント基板上の各部に設けた電子部品などに誤作動をもたらす、といった問題を生じることがある。
【0005】
このように、不要輻射をシールド手段で完全に囲い込んだとしてもこれが吸収されたわけではないから、その内部で電磁波が反射を繰り返すだけである。その結果、シールド手段の内部にある電子部品に悪影響をもたらす一方、不完全なシールド手段で囲い込むと、電磁波が漏れ出す虞もあり、実効性の高い不要輻射対策の開発が望まれている。
【0006】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑み、基板上や基板間で使われていないスペースを利用して、比較的簡単な構造のもので、不要輻射を効率よく抑えることができる部品実装基板を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の部品実装基板は、複数の基板と、複数の電子部品とを有する部品実装基板であって、
表面上または前記複数の基板間に、両端を抵抗で閉じたループ回路を設けた構成を有している。
【0008】
この構成により、部品実装基板において、使われていないデッドスペースを利用して、比較的簡単な構造のもので、不要輻射を効率よく抑えることができる。
【0009】
また、本発明の部品実装基板は、前記ループ回路が、貫通スルーホールを有する構成である。
【0010】
この構成により、全層の基板内のいずれかから基板の厚さ方向に発生する不要輻射を効果的に吸収させることができる。
【0011】
さらに、本発明の部品実装基板は、前記ループ回路が、層間スルーホールを有する構成である。
【0012】
この構成により、所望の不要輻射の発生する一部の基板と上下で隣接した基板を経由するループ回路で取り囲むようにループパターンを形成することにより、不要輻射を吸収させることができる。
【0013】
さらに、本発明の部品実装基板は、前記ループ回路を、前記複数の基板の少なくとも一つの基板の面上に設けた構成を有している。
【0014】
この構成により、この基板面を貫くように発生する不要輻射をこのループパターンで吸収させることもできる。
【0015】
さらに、本発明の部品実装基板は、前記抵抗に、表面搭載型を用いた構成を有している。
【0016】
この構成により、ループの長さが一定長に固定されて変更できないような場合でも、コンデンサの方を各種容量のものに変更することで、発生する電磁波の周波数と容易に共振させて吸収させることができる。
【0017】
さらに、本発明の部品実装基板は、前記ループ回路が、コンデンサを有する構成である。
【0018】
この構成により、内部基板の面上に抵抗を実装させることが物理的に可能になるので、ループパターンの回路を外部基板に露出させることなく、内部基板のみで形成することができる。
【0019】
さらに、本発明の部品実装基板は、前記コンデンサには、表面実装型を用いた構成を有している。
【0020】
この構成により、内部基板の面上にコンデンサを実装させることが物理的に可能になるので、ループパターンの回路を外部基板に露出させることなく、内部基板のみで形成することができる。特に、ループの長さが一定長に固定されて変更できないような場合でも、コンデンサの方を各種容量のものから適宜選択して使用することで、発生する電磁波の周波数と容易に共振させて吸収させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態に係る部品実装基板10を示すものである。この部品実装基板10は、多層基板で構成されており、外側パターン層1と、内側パターン層2と、グランド層3と、電源層4と、内側パターン層5と、外側パターン層6とを備えており、これらの層間には第1基板A〜第5基板Eが配設されている。さらに、この部品実装基板1には、ループパターンLP1を備えている。なお、この第1の実施の形態では、この部品実装基板1を図示外の電子機器、例えばハードディスクレコーダに適用しているが、特にこれに限定されるものではない。
【0022】
外側パターン層1及び外側パターン層6は、第1基板A及び第5基板Eの表面において、銅箔(銅薄膜)により所要のパターニングに形成されたパターン配線で構成されており、各種電子部品(図略)が実装されている。また、この外側パターン層1に実装する電子部品として半導体、抵抗、コンデンサなどを使用する場合、近年のSMT(Surface Mounting Technology)化の流れに伴い、例えばQFP(Quad Flat Package)、チップ抵抗、チップコンデンサなどの表面実装部品をできるだけ用いることにより、リード部分のL(インダクタンス)やZ(インピーダンス)を可及的に抑えることができるので好ましい。
なお、この外側パターン層1と外側パターン層6は、ループパターンLP1のための専用の貫通スルーホール712とは別に形成した貫通スルーホール8を介して、電気的に接続されている。
【0023】
一方、内側パターン層2及び内側パターン層5には、図示外の層間スルーホールなどで層間接続された内部パターン配線をそれぞれ設けており、この内部パターン配線から発生する不要輻射はループパターンLP1で吸収させるようになっている。
【0024】
グランド層3には、第3基板Cの上面のほぼ全面に亙ってグランドプレーン又はグランドラインが形成されているが、不要ノイズが入り込むのを避けるため、ループパターンLP1の一部を構成する貫通スルーホール712とは接続させないように構成されている。なお、このグランド層3は、回路ブロックごとに切り分けて接続を図るようにしてもよい。
【0025】
電源層4には、第3基板Cの下面に電源プレーン又は電源ラインが形成されているが、グランド層3と同様に不要ノイズが入り込むのを防止するため、ループパターンLP1の一部を構成する貫通スルーホール712と接続させないように構成している。
【0026】
ループパターンLP1は、電子機器、例えばこの実施の形態では、ハードディスクレコーダの作動に必要な電子部品を搭載したパターン層1〜パターン層6を避けた領域、つまり、現在何も使用されていない開放された部分を利用して設置されている。この実施の形態のループパターンLP1には、ループアンテナ(コイル)71と抵抗72とを備えており、このうち、ループアンテナ(コイル)71ではこれに鎖交する電磁波による磁界の変化を捉えて誘導電流(共振電流)Iを発生させるとともに、抵抗72ではその誘導電流(共振電流)Iを熱エネルギーに変換して吸収させるように構成されている。
【0027】
このループアンテナ(コイル)71部分は、第1基板Aの外面に設けた通常のパターン配線とは別に、EMC(Electro−Magnetic Compatibility)対策を配慮して細幅状に形成した外部パターン711と、この細幅状の外部パターン部711の両端部に形成したランド711Aと、このランド711Aに接続して第1基板Aから第5基板Eまで貫通する貫通スルーホール712の内周面に形成しためっき層712Aと、このめっき層712Aに接続して第5基板Eの外面に設けたランド713Aと、このランド713Aと両端部で接続する細幅状に形成した外部パターン713とを備えている。
【0028】
抵抗72には、前述したように、SMT化に沿い、リード端子を持たないチップ抵抗(表面実装部品)で構成している。
【0029】
従って、例えば図1において、第2パターン層2に設けたパターン配線(或いは第5パターン層5)に設けた内部パターン配線を流れる電流I1の変化のために発生する電磁波による磁界の変化は、ループアンテナ(コイル)71部分に誘導電流(共振電流)I2を誘起する。
そして、この誘導電流(共振電流)I2は、ループパターンLP1を構成する回路を流れるが、この回路に設けた抵抗72を通過するときにジュール熱として放熱させることでそのエネルギーを消費させることができる。これにより、不要に発生する電磁波はこのループパターンLP1によって吸収されるので、この電磁波(電波)が部品実装基板10に実装された各種の電子部品に悪影響をもたらすのを防止することができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る部品実装基板20について、図3を参照しながら説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
この第2の実施の形態に係る部品実装基板20では、図3に示すように、外側基板(例えば、第1基板A)上で、パターン層を避けたエリアにおいて、第1ループパターンLP1と、第2ループパターンLP2と、第3ループパターンLP3と、第4ループパターンLP4とを備えている。
【0031】
第1ループパターンLP1は、Y方向に輻射される電磁波を吸収させるためのものであって、X−Z面に平行方向に形成している。一方、第2ループパターンLP2は、X方向に輻射される電磁波を吸収させるためのものであって、Y−Z面に平行方向に形成している。また、第3ループパターンLP3は、Z方向に輻射される電磁波を吸収させるためのものであって、X−Y面に平行方向に形成している。
【0032】
また、さらに、第4ループパターンLP4は、これらの3方向以外の任意の方向、例えばX−Y面に平行方向で、X−Y方向のいずれに対しても45度交差する方向(特にこれに限定されない)に輻射される電磁波を吸収させるためのものである。
なお、ここで用いるループパターンLPは、いずれの場合にも、外側基板(例えば、第1基板A又は第5基板E)上で、電子部品などを接続するための通常の配線パターン層を避けたエリアにおいて、不要な電磁波の輻射する方向に対して鎖交する方向であればよいが、内部基板(例えば、第2基板B、第4基板D)の面上のみでループ状に設置することも可能である。
【0033】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る部品実装基板30について、図4を参照しながら説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
この第3の実施の形態では、ループパターンLP5を、第1の実施の形態のようなループアンテナ(コイル)71と抵抗72とだけで構成するのではなく、例えば図4に示すように、ループアンテナ(コイル)71と、抵抗72と、この抵抗72に並列接続させたコンデンサ73とを備え、共振回路を構成している。
【0034】
このような構成とするループパターンLP5にあっては、初めに、例えばトリマーコンデンサを用いて、個々の基板によって異なった固有の周波数で発生している不要電磁波と共振・同調させることにより、このとき不要電磁波と共振・同調させるための最適な容量を検出する。そして、今度は、そのトリマーコンデンサの替わりに、先ほど検出した容量と一致するコンデンサを用いて、これを実際に第1基板A上で外側パターン層1を避けた領域に実装させるようになっている。
【0035】
これにより、輻射される不要な電磁波をループパターンLP5の共振回路で共振させ、このとき発生する共振電流を抵抗72で熱エネルギーに変換させることができる。
【0036】
また、例えば図4に示すように、ループパターンLP6には、複数のループ長を有するループパターンを重ねることで、複数種類の周波数の電磁波を吸収させるように構成してもよい。
【0037】
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態について、図5を参照しながら説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
この第4の実施の形態の部品実装基板40が第1の実施の形態の部品実装基板10と異なるのは、ループパターンLP7の回路の一部に、第1基板A及び第2基板Bを貫通する層間スルーホール714の内周面に形成しためっき層714Aを用いている点である。
【0038】
ループパターンLP7は、第2パターン層2に設けた内部パターン配線から発生する不要な電磁波(電波)を吸収させるようになっており、この電磁波の輻射方向と鎖交する方向にループ回路を設けてある。
【0039】
[第5の実施の形態]
次に、本発明に係る第5の実施の形態について、図6を参照しながら説明する。なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
この第4の実施の形態の部品実装基板50が第1の実施の形態の部品実装基板10と異なるのは、ループパターンLP8の回路の一部に、第1基板A及び第2基板Bを貫通する層間スルーホール715と第3基板C及び第4基板Dを貫通する層間スルーホール716との各内周面にそれぞれ形成しためっき層715A、716Aを用いている点である。
また、このループパターンLP8では、ループアンテナ(コイル)71部分は、外部パターン711及びめっき層715A、716A以外の部分が、内部基板B及び内部基板Dの面上に形成された内部パターン717、718で構成されている。
【0040】
ループパターンLP8は、第2パターン層2及び第4パターン層4にそれぞれ設けた内部パターン配線2、4から発生する不要な電磁波(電波)を吸収させるようになっており、この電磁波の輻射方向と鎖交する方向に設けてある。
【0041】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明では、パターン配線を介して各種の電子部品を実装した部品実装基板であって、パターン配線を設けた配線層内に、両端を抵抗で閉じた回路を構成するループパターンを設けることにより、基板上や基板間で使われていないデッドスペースを利用して、簡単な構造にて不要輻射を効率よく抑えることができる、という効果を有する部品実装基板を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る部品実装基板の破断平面図である。
【図2】図1に示された本発明の第1の実施の形態に係る部品実装基板のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る部品実装基板の各種ループパターンの設置態様を示す平面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る部品実装基板を示す平面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る部品実装基板を示す概略断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る部品実装基板を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1    外側パターン層
2    内側パターン層
3    グランド層
4    電源層
5    内側パターン層
6    外側パターン層
8    貫通スルーホール
10〜50
部品実装基板
A〜E  第1基板〜第5基板
LP1〜LP8
ループパターン
71   ループアンテナ(コイル)
711  パターン
711A ランド
712  貫通スルーホール
712A めっき層
713A ランド
713  パターン
72   抵抗
73   コンデンサ
714  層間スルーホール
714A めっき層
715  層間スルーホール
716  層間スルーホール
715A めっき層
716A めっき層
717  内部パターン
718  内部パターン

Claims (7)

  1. 複数の基板と、複数の電子部品とを有する部品実装基板であって、
    表面上または前記複数の基板間に、両端を抵抗で閉じたループ回路を設けたことを特徴とする部品実装基板。
  2. 前記ループ回路は、貫通スルーホールを有することを特徴とする請求項1に記載の部品実装基板。
  3. 前記ループ回路は、層間スルーホールを有することを特徴とする請求項1に記載の部品実装基板。
  4. 前記ループ回路は、前記複数の基板の少なくとも一つの基板の面上に設けたことを特徴とする請求項1に記載の部品実装基板。
  5. 前記抵抗には、表面搭載型を用いたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の部品実装基板。
  6. 前記ループ回路は、コンデンサを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の部品実装基板。
  7. 前記コンデンサには、表面搭載型を用いたことを特徴とする請求項6に記載の部品実装基板。
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JPWO2007046271A1 (ja) * 2005-10-18 2009-04-23 日本電気株式会社 垂直信号経路、それを有するプリント基板及びそのプリント基板と半導体素子とを有する半導体パッケージ
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