JP3941590B2 - 電磁波シールド層を備えるプリント配線板 - Google Patents

電磁波シールド層を備えるプリント配線板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁波シールド層を備えるプリント配線板に係り、特に、高周波の信号を信号配線パターンを介して伝送する場合に用いて好適な電磁波シールド層を備えるプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル回路の動作が高速化され、これに伴って電子機器から放射される電磁波(すなわち、放射雑音)が増強されている。この放射雑音は、無線機器の動作の障害(たとえば、受信品質の低下など)や、他の電子機器の異常動作を招く原因となっている。特に、コンピュータなどでは、内部のクロックの周期に対応した電磁波の放射雑音が大きくなってきている。この放射雑音が発生する主な原因は、コンピュータの内部のプリント配線板によるものである。プリント配線板に実装された電子部品のうちでアクティブに動作するものは、LSI(大規模集積回路)のみである。このため、放射雑音の発生源は、LSIである。
【0003】
LSIを原因とする放射雑音には、三つの種類がある。すなわち、▲1▼LSIチップ上の配線やパッケージのリードフレームに信号が伝搬することによって生じる放射雑音、▲2▼LSIから出力される信号がプリント配線板上の信号配線パターンを伝搬することによって生じる放射雑音、及び▲3▼LSIに供給される電源電流が電源層及び接地層に流れることによって生じる放射雑音である。これらの放射雑音のうちの▲1▼及び▲3▼の放射雑音に対しては、LSIメーカからLSIチップ上の配線に関する情報や電源電流の周波数スペクトルなどの情報が公開されていないため、電子機器メーカのみでは対処が困難であり、対策が殆ど進んでいないが、▲2▼の放射雑音に対する対策として、多層のプリント配線板の内層に信号配線パターンを形成し、同信号配線パターンの上下を接地層で挟み込んだものが製作されている。
【0004】
この種のプリント配線板は、従来では例えば図9に示すように、誘電体基板11を有している。誘電体基板11上には、LSI12,…,12が実装され、同LSI12,…,12のリードに信号配線パターン13,…,13が接続されている。これらの信号配線パターン13,…,13は、誘電体基板11の内層に形成されているため、ビアホール(via、中継スルーホール)14,…,14を介してLSI12,…,12のリードに接続されている。
【0005】
図10は、図9に示すプリント配線板のA方向透視図である。
同図10に示すように、誘電体基板11の底面には、グラウンド・プレーン(接地層)15が形成され、信号配線パターン13,…,13の上には表面層16が形成され、同表面層16の上にグラウンド・プレーン(接地層)17が形成されている。
【0006】
このプリント配線板では、信号配線パターン13,…,13がグラウンド・プレーン15,17で挟み込まれているので、LSI12,…,12から出力される信号が信号配線パターン13,…,13を伝搬することによって生じる放射雑音は、同グラウンド・プレーン15,17によってシールドされる。このため、他の電子機器に対する悪影響が低減される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のプリント配線板では、次のような問題点があった。
すなわち、信号配線パターン13,…,13とビアホール14,…,14とによって静電容量が形成されるため、LSI12,…,12から出力される信号がたとえばクロックのような高速の信号の場合、同信号が容量性の反射によるノイズの影響を受けてしまい、正確な位相で伝送されないという問題点がある。この場合、クロックの位相に誤差が発生すれば、LSI12,…,12が誤動作することがある。また、容量性の反射によるノイズの影響を避けるために、図11に示すように、信号配線パターン13,…,13を誘電体基板11の最外層(表面層)に形成した場合、同信号配線パターン13,…,13がアンテナとして作用し、同信号配線パターン13,…,13に流れる電流によって発生する電磁波Mによる放射雑音が空間に伝搬するので、EMI(Electro Magnetic Interference 、電磁妨害)が発生し、他の電子機器に異常動作が発生するという問題点がある。
【0008】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、容量性の反射によるノイズの影響を受けることなく、信号を高速に伝送し、かつ、電磁波による放射雑音が外部へ伝搬することのない電磁波シールド層を備えるプリント配線板を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、該パッケージの両側に設けられた前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記パッケージの両側の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための、互いに分離した複数の電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、該パッケージの両側に設けられた前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記パッケージの両側の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための、互いに分離した複数の電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リード、前記信号配線パターン及びこれらの近傍を覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リード、前記信号配線パターン及びこれらの近傍を覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、前記信号配線パターンの幅は、該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板に係り、前記電磁波シールド層が、前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための導体板と、該導体板と前記各信号配線パターンとの間を絶縁するための絶縁膜とを備えてなることを特徴としている。
【0016】
また、請求項記載の発明は、請求項記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板に係り、前記絶縁膜の厚みが、前記各信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量に基づいて求められる前記各信号配線パターンの特性インピーダンスの値に影響を与えない値に設定されていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板に係り、前記電磁波シールド層が、前記誘電体基板を貫通するビアホールを介して前記接地層に接続されていることを特徴としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板に係り、前記電子部品が、LSIからなることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
第1の実施形態
図1は、この発明の第1の実施形態であるプリント配線板を示す平面図である。
この形態のプリント配線板20は、同図に示すように、誘電体基板21と、グラウンド・プレーン22と、LSI23,…,23と、信号配線パターン24,…,24と、電磁波シールド板25と、ビアホール26,…,26とから構成されている。誘電体基板21は、たとえばガラス・エポキシなどで形成され、所定の厚み及び比誘電率を有している。グラウンド・プレーン22は、誘電体基板21の裏面に形成された平面導体板である。
【0022】
LSI23,…,23は、SOP(Small Outline Package )型の外部接続用のリードを有し、誘電体基板21の表面に実装されている。信号配線パターン24,…,24は、誘電体基板21の表面に所定の幅で形成され、LSI23,…,23のリードに接続されて各種の信号(たとえばクロックのような高速の信号)を伝送する。特に、この実施形態では、信号配線パターン24,…,24は、ビアホール26,…,26との間の容量性の反射によるノイズの影響を避けるために、誘電体基板21の表面のみに形成され、同ビアホール26,…,26を通過しない。電磁波シールド板25は、信号配線パターン24,…,24を覆うように形成され、誘電体基板21を貫通するビアホール26,…,26を介してグラウンド・プレーン22と接続されて同信号配線パターン24,…,24から発生した電磁波をシールドする。
【0023】
図2は、図1に示すプリント配線板20のA方向透視図である。
同図2に示すように、誘電体基板21の底面には、グラウンド・プレーン(接地層)22が形成され、信号配線パターン24,…,24の上には電磁波シールド板25が形成されている。電磁波シールド板25は、導体板25aと、絶縁膜25bと、保護膜25cとから構成されている。導体板25aは、たとえば銅箔などで形成され、信号配線パターン24,…,24から発生した電磁波をシールドする。絶縁膜25bは、たとえばポリイミドなどで形成され、導体板25aと信号配線パターン24,…,24との間を絶縁する。保護膜25cは、たとえばポリイミドなどで形成され、導体板25aの表面を保護する。
【0024】
図3は、図2中の信号配線パターン24及び電磁波シールド板25を含む部分の拡大断面図である。
同図3中の信号配線パターン24,…,24は、上方に導体板25aが形成された場合、同導体板25aが形成される前に比較して特性インピーダンスが減少する。このため、信号配線パターン24,…,24の幅は、導体板25aが形成された場合に特性インピーダンスがLSI23,…,23の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値(たとえば、50Ω)に設定されている。この特性インピーダンス(Z)は、信号配線パターン24,…,24のインダクタンス(L)と、同信号配線パターン24,…,24とグラウンド・プレーン22との間の静電容量(Cg)と、同信号配線パターン24,…,24と電磁波シールド板25との間の静電容量(Cs)とに基づいて次式で概略の値が求められる。
Z=√{L/(Cg+Cs)}
このため、たとえば、特性インピーダンスが50Ωに設定される場合、信号配線パターン24,…,24の幅はたとえば30μm、及び電磁波シールド板25の絶縁膜25bの膜厚がたとえば60μmに設定される。なお、電磁波シールド板25が設けられない場合では、信号配線パターン24,…,24の幅がたとえば35μmとなる。
【0025】
図4は、放射雑音が電磁波シールド板25によってシールドされる様子を示す図である。
この図4を参照して、この形態の電磁波シールド方法について説明する。
このプリント配線板20では、信号配線パターン24,…,24はビアホール26を通過しないので、同信号配線パターン24,…,24の特性インピーダンスがLSI23,…,23の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値(50Ω)となる。このため、信号配線パターン24,…,24を伝搬する信号がたとえばクロックのような高速の信号の場合でも、同信号が容量性の反射によるノイズの影響を受けることがなく、正確な位相で伝送される。そして、LSI23,…,23に誤動作が発生せず、正確に動作する。また、グラウンド・プレーン22と接続された電磁波シールド板25が信号配線パターン24,…,24を覆うように形成されているので、図4に示すように、同信号配線パターン24,…,24に流れる電流によって発生する電磁波Mによる放射雑音は、電磁波シールド板25からビアホール26,…,26を介してグラウンド・プレーン22に吸収される。このため、他の電子機器に対するEMIの影響が低減される。
【0026】
以上のように、この第1の実施形態では、信号配線パターン24,…,24は、ビアホールを通過せず、かつ所定の特性インピーダンスが設定されているので、同信号配線パターン24,…,24を伝搬する信号が正確な位相で伝送され、LSI23,…,23に誤動作が発生せず、正確に動作する。さらに、信号配線パターン24,…,24の上方に電磁波シールド板25が設けられているので、同信号配線パターン24,…,24に流れる電流によって発生する電磁波Mによる放射雑音は、電磁波シールド板25からビアホール26,…,26を介してグラウンド・プレーン22に吸収される。このため、他の電子機器に対するEMIの影響が低減できる。
【0027】
第2の実施形態
図5は、この発明の第2の実施形態であるプリント配線板を示す平面図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この形態のプリント配線板20Aでは、図5に示すように、図1中の信号配線パターン24,…,24及び電磁波シールド板25に代えて、幅の異なる信号配線パターン24A,…,24A及び異なる構成の電磁波シールド板25Aが設けられている。電磁波シールド板25Aは、信号配線パターン24A,…,24Aの特性インピーダンスの値に影響を与えない位置に設けられている。信号配線パターン24A,…,24Aの幅は、その特性インピーダンスの値が電磁波シールド板25Aの影響を受けないので、たとえば35μmに設定されている。他は、図1と同様の構成である。
【0028】
図6は、図5に示すプリント配線板のA方向透視図であり、第1の実施形態を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図6に示すように、信号配線パターン24A,…,24Aの上には電磁波シールド板25Aが形成されている。電磁波シールド板25Aでは、図2中の絶縁膜25bに代えて、膜厚の異なる絶縁膜25dが設けられている。絶縁膜25dの厚みは、信号配線パターン24A,…,24Aのインダクタンスと、信号配線パターン24A,…,24Aとグラウンド・プレーン22との間の静電容量とに基づいて求められる同信号配線パターン24A,…,24Aの特性インピーダンスの値(50Ω)に対して電磁波シールド板25Aが影響を与えない値に設定され、信号配線パターン24A,…,24Aの幅が35μmの場合、たとえば150μm以上に設定されている。
【0029】
このプリント配線板20Aでは、第1の実施形態と同様の電磁波シールド方法が行われ、同様の利点がある。さらに、信号配線パターン24A,…,24Aの特性インピーダンスの値に対して電磁波シールド板25Aが影響を与えないので、同信号配線パターン24A,…,24Aの幅は、同電磁波シールド板25Aがない場合の値に設定でき、同電磁波シールド板25Aの影響を考慮する必要がない。
【0030】
第3の実施形態
図7は、この発明の第3の実施形態であるプリント配線板を示す平面図であり、第2の実施形態を示す図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この形態のプリント配線板20Bでは、図7に示すように、図5中の電磁波シールド板25Aに代えて、異なる構成の電磁波シールド板25Bが設けられている。電磁波シールド板25Bは、信号配線パターン24A,…,24Aの特性インピーダンスの値に影響を与えない位置に設けられると共に、同信号配線パターン24A,…,24A及びLSI23,…,23のリードを覆うように形成されている。他は、図5と同様の構成である。
【0031】
図8は、図7に示すプリント配線板のA方向透視図であり、第2の実施形態を示す図6中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
図8に示すように、信号配線パターン24A,…,24Aの上には電磁波シールド板25Bが形成されている。電磁波シールド板25Bでは、図6中の導体板25a、絶縁膜25d及び保護膜25cに代えて、それぞれ同様の厚みを有し、信号配線パターン24A,…,24A及びLSI23,…,23のリードを覆う形状の導体板25e、絶縁膜25f及び保護膜25gが設けられている。
【0032】
このプリント配線板20Bでは、電磁波シールド板25Bが信号配線パターン24A,…,24A及びLSI23,…,23のリードを覆うように形成されているので、同信号配線パターン24,…,24及びLSI23,…,23のリードに流れる電流によって発生する電磁波による放射雑音は、電磁波シールド板25Bからビアホール26,…,26を介してグラウンド・プレーン22に吸収される。このため、他の電子機器に対するEMIの影響が低減される。
【0033】
以上のように、この第3の実施形態では、信号配線パターン24,…,24及びLSI23,…,23のリードに流れる電流によって発生する電磁波による放射雑音は、電磁波シールド板25Bからビアホール26,…,26を介してグラウンド・プレーン22に吸収される。このため、第1の実施形態の利点に加え、他の電子機器に対するEMIの影響がさらに低減できる。
【0034】
以上、この発明の実施形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあってもこの発明に含まれる。
例えば、プリント配線板20,20A,20Bに実装される電子部品は、LSI22,…,22に限らず、たとえば抵抗やコンデンサなどの個別部品でも良い。また、信号配線パターン24,24Aの特性インピーダンスの値は、50Ωに限らず、たとえば75Ωや150Ωなどでも良い。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の構成によれば、信号配線パターンはビアホールに接続されず、かつ電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する特性インピーダンスが設定されているので、同信号配線パターンを伝搬する信号が正確な位相で伝送され、電子部品に誤動作が発生せず、正確に動作する。さらに、信号配線パターンの上方に電磁波シールド層が設けられているので、同信号配線パターンに流れる電流によって発生する電磁波による放射雑音は、電磁波シールド層からビアホールを介してグラウンド・プレーンに吸収される。このため、他の電子機器に対するEMIの悪影響を低減できる。
【0036】
また、信号配線パターンの特性インピーダンスの値に対して電磁波シールド層が影響を与えないので、同信号配線パターンの幅は、同電磁波シールド層がない場合の値に設定でき、同電磁波シールド層の影響を考慮する必要がない。また、信号配線パターン及び電子部品のリードに流れる電流によって発生する電磁波による放射雑音は、電磁波シールド層からビアホールを介してグラウンド・プレーンに吸収される。このため、他の電子機器に対するEMIの悪影響をさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態であるプリント配線板を示す平面図である。
【図2】図1に示すプリント配線板のA方向透視図である。
【図3】図2中の信号配線パターン24及び電磁波シールド板25を含む部分の拡大断面図である。
【図4】放射雑音が電磁波シールド板25によってシールドされる様子を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施形態であるプリント配線板を示す平面図である。
【図6】図5に示すプリント配線板のA方向透視図である。
【図7】この発明の第3の実施形態であるプリント配線板を示す平面図である。
【図8】図7に示すプリント配線板のA方向透視図である。
【図9】従来のプリント配線板を示す平面図である。
【図10】図9に示すプリント配線板のA方向透視図である。
【図11】放射雑音が空間に伝搬する様子を示す図である。
【符号の説明】
20,20A,20B プリント配線板
21 誘電体基板
22 グラウンド・プレーン(接地層)
23 LSI(電子部品)
24,24A 信号配線パターン
25,25A,25B 電磁波シールド板(電磁波シールド層)
25a,25e 導体板
25b,25d,25f 絶縁膜
26 ビアホール

Claims (10)

  1. 誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  2. 所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  3. 誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、該パッケージの両側に設けられた前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記パッケージの両側の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための、互いに分離した複数の電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  4. 所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、該パッケージの両側に設けられた前記リードと前記信号配線パターンを覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記パッケージの両側の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための、互いに分離した複数の電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  5. 誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リード、前記信号配線パターン及びこれらの近傍を覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  6. 所定の厚み及び比誘電率を有する誘電体基板と、該誘電体基板の一方の面に形成された接地層と、外部接続用のリードを有し、前記誘電体基板の他方の面に実装された電子部品と、前記誘電体基板の前記他方の面に所定の幅で形成され、前記電子部品の前記リードに接続されて各種の信号を伝送するための信号配線パターンとを備えてなるプリント配線板であって、
    前記電子部品のパッケージを除いて、前記電子部品の前記リード、前記信号配線パターン及びこれらの近傍を覆う態様で、前記接地層と接続されて、前記電子部品の前記リード及び前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための電磁波シールド層が設けられ、かつ、
    前記信号配線パターンの幅は、
    該信号配線パターンのインダクタンスと、該信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量と、該信号配線パターンと前記電磁波シールド層との間の静電容量とに基づいて求められる該信号配線パターンの特性インピーダンスが前記電子部品の入力インピーダンス及び出力インピーダンスと整合する値に設定されていることを特徴とする電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  7. 前記電磁波シールド層は、
    前記信号配線パターンから発生した電磁波をシールドするための導体板と、
    該導体板と前記各信号配線パターンとの間を絶縁するための絶縁膜とを備えてなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  8. 前記絶縁膜の厚みは、
    前記各信号配線パターンと前記接地層との間の静電容量に基づいて求められる前記各信号配線パターンの特性インピーダンスの値に影響を与えない値に設定されていることを特徴とする請求項記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  9. 前記電磁波シールド層は、
    前記誘電体基板を貫通するビアホールを介して前記接地層に接続されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
  10. 前記電子部品は、LSIからなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1に記載の電磁波シールド層を備えるプリント配線板。
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