JP2011134775A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機薄膜起電力層を有した太陽電池セルを液状又はゲル状封止材料で封止した太陽電池を提供する。
【解決手段】金属箔1上に絶縁層2が設けられ、この絶縁層2の上に薄膜よりなる複数の下部電極3が相互間に間隔をあけて設けられている。下部電極3の上に有機薄膜起電力層4が設けられ、その上に薄膜よりなる上部電極5が設けられている。この上部電極5は、隣接する下部電極3の一端に接続されている。上部電極5の上に補助電極6が設けられている。金属箔1の周縁に端面封止材7が囲枠状に配置されている。端面封止材7の内側領域に液状又はゲル状の封止材料8が存在している。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池に係り、特に基材上に薄膜状の太陽電池素子(セル)を形成し、このセルを封止材料で封止した太陽電池に関する。
基材上に薄膜状の太陽電池素子(以下、「セル」ということがある。)を形成し、このセルを封止材料で封止した太陽電池モジュールは既に広く用いられている。
従来、このような太陽電池モジュールは、シリコンウェファ等の剛性のある材料からなる光電変換素子を有する太陽電池素子(セル)を、ガラス基板等の剛性のある基材によって封止することにより作製される。また封止方法としては、EVAなどの固体樹脂状の封止材料(充填材)を用いて、熱ラミネートすることによっている(下記特許文献1、特許文献2)。
また、上記のセルを封止する封止材料として、赤外線又は熱で硬化する液体封止材料を用いることも公知である。例えば特許文献3には、剛性または可撓性の基板により太陽電池素子(セル)を硬化性の液体シリコーンで充填封止し、硬化させることにより、太陽電池モジュールを製造する方法が開示されている。
さらに、上記のセルと封止材料との間に、該セルとは接着しない液体状の被膜層を介在させることも公知である。すなわち特許文献4には、セルの回収・再利用を容易にするために、セルと封止材料との間に該セルとは接着しない液体状被覆層を介在させることが開示されている。
上記特許文献1〜4のような基板上に太陽電池素子(セル)を形成してなる太陽電池モジュールとは異なり、特許文献5には、透光性フィルムよりなる袋状収納体にセル及び液体状絶縁性封止材を収納してなる太陽電池モジュールが開示されている。
特開2000−332284 特開2006−278740 特表2007−527109 特開2006−278702 特許3939117
上記特許文献1〜5の太陽電池は、光電変換素子が金属半導体よりなるものであり、有機薄膜よりなるものではない。
特許文献1及び特許文献2の方法によって、有機薄膜からなる光電変換素子を有する太陽電池素子(セル)を封止する場合、以下に記すような問題が生じる。
(1) まずラミネート時に真空引きを併用したとしても、固体状の封止材料と素子の周囲に隙間が発生するのを完全に防止することは困難であり、素子特性や信頼性が低下するという問題点がある。
(2) また固体状の封止材料では、セルの厚みを該封止材料が吸収して表面を完全に平坦化することは困難であり、太陽電池モジュールの表面に凹凸が生じ、外観品質や素子特性が劣化する問題がある。
(3) さらに真空引きや熱ラミネートに使用する装置は高価であり、またラミネート工程に投入するエネルギーが大きいためプロセス費用が高くなり、太陽電池モジュールが安価に製造できないという問題がある。
(4) ラミネート時に作用する熱や応力で、有機薄膜系素子はダメージを受け易く、素子特性や信頼性が低下するという問題がある。そこで、当該問題を解決するためにラミネート時の熱又は応力を小さくすることが考えられるが、ラミネート温度を下げると素子と封止材料との密着性が低下し、一方、応力を小さくすると素子と封止材料の間に隙間が発生してしまうなど、十分な封止性を得ることができない。この密着性の低下は、温度変化などの外部環境による剥離の要因となる。また、この封止材料と素子との間の隙間は剥離の起点となるだけではなく、透過率の低下による素子特性の低下、局所的な素子の温度むらによる特性の不安定化や劣化促進の原因ともなる。
(5) 完成した太陽電池モジュールを曲げるなど外力が作用した際に、有機薄膜系素子はダメージを受け易く、素子特性や信頼性が低下するという問題もある。
(6) 太陽電池モジュールを分解してリサイクルする際に、固体状の封止材料とセルとを分離することは困難であり、太陽電池モジュールからセルを回収することができず、環境負荷が増大するという問題がある。
特許文献3の方法にあっても、製造時に硬化性の液体シリコーン封止材料を硬化させるため、製造後の封止材料は硬化している。このため、上記(4)〜(6)と同様の問題がある。
特許文献4の方法では、液体状被覆層と共に封止材料を用いており、ラミネート時に真空引きを併用しているため(第0057段落)、上記(3)の問題がある。また、この液体状被覆層は厚みが極めて薄いため(第0019段落)、特許文献4の方法を有機薄膜系の素子に適用した場合、製造時及び使用時に有機薄膜系の素子はダメージを受け易く、上記(4)及び(5)の問題が生じる。
なお特許文献5の方法では、太陽電池セル及び液体状絶縁性封止材料が袋状収納体内に収納されているため、この袋状収納体が外力や温度変化等によって変形することが避けられず、平坦な太陽電池モジュールを得ることが困難である。また、この方法では大面積化する際に生産性が悪い。さらに、太陽電池セルは収納体内に浮遊しているので、収納体内で移動して位置が定まらないおそれがある。
本発明は、基材上に形成された薄膜セルの光起電力層が有機薄膜よりなり、この薄膜セルが非硬化性の液状又はゲル状の封止材料で封止されている太陽電池を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の太陽電池は、基材上に下部電極、起電力層及び上部電極を有する薄膜太陽電池素子が成膜され、該太陽電池素子が封止材料で封止された太陽電池において、該起電力層が有機薄膜起電力層であり、封止材料が液状又はゲル状であることを特徴とするものである。
請求項2の太陽電池は、請求項1において、該封止材料が有機フッ化物であることを特徴とするものである。
請求項3の太陽電池は、請求項1又は2において、前記封止材料よりなる封止材料層の厚みを規定するためのスペーサが、前記基材の上面から該封止材料層の厚さ方向に起立していることを特徴とするものである。
本発明の太陽電池は、基材上に成膜された有機薄膜起電力層を有するセルを非硬化性の液状又はゲル状の封止材料で封止したものである。
(1) 本発明では、このように封止材料が液状又はゲル状であるため、封止材料とセルの周囲に隙間が発生することが防止され、素子特性や信頼性が良好なものとなる。
すなわち、セルの周囲に隙間がないので、光の散乱損失が低減し、光電変換効率が向上する。また、温度変化時の気体の膨張収縮による素子破壊が生じ難く、寿命又は電池特性が向上する。
(2) また、セルの厚みをこの液体状又はゲル状の封止材料が吸収して表面を平坦化することが可能となる。これにより、太陽電池モジュールの表面に凹凸が生じて外観品質や素子特性が劣化することが防止される。
(3) さらに、封止材料は液状又はゲル状のままであり、硬化させる必要がない。これにより、封止材料を真空引きや熱ラミネートに使用するための高価な装置が不要となり、またラミネート工程に投入するエネルギーが不要となり、太陽電池モジュールを安価に製造することができる。
(4) ラミネート時に作用する熱や応力によって有機薄膜系素子がダメージを受けることが無くなり、素子特性や信頼性が良好なものとなる。
(5) セルは、液状又はゲル状の封止材料で封止されており、固体状の封止材料に接着されてはいない。これにより、太陽電池モジュールを曲げるなど外力が作用した際に、有機薄膜系素子はダメージを受け難く、素子特性や信頼性が向上する。
(6) また太陽電池モジュールを分解してリサイクルする際に、液状又はゲル状の封止材料とセルとを分離するのは容易であるため、太陽電池モジュールからセルを容易に回収することができると共に環境負荷が小さい。
(7) 封止材料と有機光電変換材料との屈折率のマッチングが良好な(例えば、「封止材と有機光電変換材料との屈折率差を調整しやすい」)ため、素子と封止材の界面フレネル反射が低減し、光電変換効率が上がる。
(8) 封止材料が振動の減衰作用を持つため、風力などの外力が作用した際の自励振動によるモジュール破壊を防止できる。また封止材料が外力の緩和効果を持つため、ゆっくりとした外力作用に対しては変形することによりモジュールの施工性が向上し、逆に急激な外力作用に対しては変形しないため平坦性が良好となる。
(9) 封止材が流動性を持つことでモジュール温度の均一化効果があり、有機薄膜系太陽電池の出力温度特性の問題を緩和できる。またモジュールに影がかかった際の局所的な温度上昇(ホットスポット現象)を同様に緩和することで、出力および寿命が向上する。
なお、本発明において、封止材料よりなる封止材料層の厚みを規定するためのスペーサが基材の上面から該封止材料層の厚さ方向に起立していてもよい。これにより、太陽電池モジュールを厚み方向に押しても凹み難くなり、機械的強度が向上すると共に意匠性が向上する。
実施の形態に係る太陽電池の断面図である。 別の実施の形態に係る太陽電池の断面図である。 実施例に係る太陽電池の断面図である。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。なお、この実施の形態では基材として金属箔を用いているが、ガラスや合成樹脂フィルムを用いてもよく、この場合には絶縁層2は省略されてもよい。
第1図において、金属箔1上に絶縁層2が設けられ、この絶縁層2の上に薄膜よりなる複数の下部電極3が相互間に間隔をあけて設けられている。
下部電極3の上に有機薄膜起電力層4が設けられ、その上に薄膜よりなる上部電極5が設けられている。この上部電極5は、隣接する下部電極3の一端に接続されている。上部電極5の上に補助電極6が設けられている。
金属箔1の周縁に端面封止材7が囲枠状に配置されている。端面封止材7の内側領域に液状又はゲル状の封止材料8が存在している。端面封止材7の上側に封止フィルム9が被着している。
図示の通り、単位セルは、下部電極3、有機薄膜起電力層4、上部電極5及び補助電極6により構成される。図の左側の単位セルの上部電極5が右側の単位セルの下部電極3に接続されており、双方の単位セルが直列に接続されている。なお、単位セルの数は図示の2個に限定されるものではなく、単独であっても複数であっても良く、通常は2〜100個の単位セルが直列及び/又は並列に接続される。
太陽電池の発電電力は、左側の単位セルの下部電極3と、右側の単位セルの上部電極5に導通する下部補助電極3Aとから取り出される。
このように構成された太陽電池にあっては、金属箔1上のセルの起電力層が有機薄膜よりなり、このセルが液状又はゲル状の封止材料8で封止されている。この封止材料8は、熱や光によって硬化処理されないので、この熱又は光による有機薄膜起電力層4の特性低下が防止される。
なお、この実施の形態では、絶縁層2の図の上面側の面の算術平均表面粗さ(Ra)が100nm以下例えば0.1〜100nm特に1〜30nmとされている。このように絶縁層2の表面粗さが小さいため、その上に形成される下部電極層3の上面の表面粗さが小さくなり、その結果、有機薄膜起電力層4が下部電極層3の平坦な表面上に形成されることになる。この結果、有機薄膜起電力層4にピンホール等の欠陥が生じることが防止され、有機薄膜起電力層4を介して下部電極3と上部電極5とが短絡することが防止される。
絶縁層2の表面粗さを小さくするには、金属箔1の表面粗さを小さくするのが好ましい。
なお、ベース基材として採用した金属箔は、酸素および水分透過性が低いので、電極材料や有機半導体材料の酸素および水分耐性の要求が緩和され、有機光電変換素子の特性や寿命が向上する。また、バリア材やゲッター材の付与が削減できるので、太陽電池モジュールの厚みおよび剛性が低減され、軽量でフレキシブルな太陽電池モジュールが実現可能となる。
金属箔は導電性があるので、太陽電池モジュールの帯電が防止され、静電気破壊などの故障が回避され、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
また、金属箔は耐貫通性が高いので、外力の作用に対して弱い有機光電変換素子を運搬や施工時の傷つきから保護することができ、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
次に、この太陽電池の主な構成部分の好適な構成材料、厚さ等について説明する。
[基材]
基材は、金属、ガラス、合成樹脂のいずれでもよい。基材を可撓性基材とするときには、基材は樹脂フィルムまたは金属箔が好ましく、このうち特に樹脂フィルムが光透過性を有することで好ましい。基材として合成樹脂を用いる場合、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、等が好ましく、このうち特に安価で機械特性が良いことからPET、PEN、PIが望ましい。SiOx等の蒸着膜が付与されていても良い。基材の厚みは5〜500μmが好ましい。弾性率は0.1〜10GPaが好ましい。水蒸気透過率(40℃、90%RH、100μm厚)は10−2g/m・day以下が好ましい。
基材として金属を用いる場合、鉄、銅、アルミ、亜鉛、錫、クローム、ニッケルやそれらの合金が好適であり、特にアルミ合金やステンレス鋼が好適である。厚さは10μm〜300μmが好適である。表面粗さは通常は算術平均表面粗さ(Ra)が0.8μm〜3.2μm程度が好適である。線熱膨張係数は通常5〜40ppm/℃程度が好適である。
この基材の表面の凹凸の高さの最大値は、太陽電池モジュールの平均厚みの1/5以下、特に1〜100nmであるのが好ましい。
[絶縁層]
絶縁層は、金属酸化物被膜(例えば金属箔の表面を酸化することによって形成した酸化被膜)であってもよく、合成樹脂被膜であってもよく、その他の材料よりなる被膜であってもよい。その他の材料としては、有機無機ハイブリッド材料が例示される。
なお、上記の基材がガラスや合成樹脂などのように絶縁性である場合には、この絶縁層は省略してもよい。以下、これらの被膜についてさらに詳細に説明する。
i) 金属酸化物被膜
金属箔自体を陽極酸化した被膜としては、特に絶縁性に優れるアルマイト膜が好適である。また金属箔上に他種金属の酸化物(Si0、Ti0、ZrO、Ta)を析出させたものも好適である。厚みは0.1μm〜5μmが好適であり、特に0.2μm〜0.5μmが好適である。線熱膨張係数は通常5〜20ppm/℃程度が好適である。
ii) 合成樹脂皮膜
合成樹脂の種類としてはPC、PS、PE、PP、PET、PEN、PAI、PPS、PFA、ETFEなどの熱可塑性樹脂やPI、PF、UF、MF、UP、EP、PDAPなどの熱硬化性樹脂が好適であり、またアクリレートや不飽和ポリエステルなどのラジカル重合系やエポキシ、オキセタンやビニルエーテルなどのカチオン重合系の光硬化性樹脂が好適である。この中で特に金属箔上への被覆形成が連続的に容易に可能であることから
光硬化性樹脂もしくは熱可塑性樹脂が好適である。
合成樹脂皮膜の厚みは0.1μm〜5μmが好適であり、特に0.5μm〜3μmが好適である。線熱膨張係数は通常20〜200ppm/℃程度が好適である。
iii) 有機無機ハイブリッド材料
シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどの無機粒子をポリマーにナノ分散させたナノコンポジット材料が好適であり、特にシリカゲルのナノコンポジットが好適である。またポリシロキサンやポリフォスファゼン等の有機無機ハイブリッド材料も好適であり、特に耐熱性に優れるシロキサンに有機官能基を導入したハイブリッドポリマーが好適である。これらはゾルゲル法により良好に製膜できる。
有機無機ハイブリッド皮膜の厚みは0.1μm〜5μmが好適であり、特に0.5μm〜3μmが好適である。線熱膨張係数は通常10〜100ppm/℃程度が好適である。
本発明では、絶縁層の厚みは、金属箔の厚みの1/3以下例えば0.01〜20%とし、かつ有機薄膜起電力層の厚みの5倍以上例えば5〜100倍が好適である。このように絶縁層の厚さを設定した場合、太陽電池モジュールを外力により湾曲させた際の、金属箔と絶縁層と有機薄膜起電力層との間、および絶縁層と有機薄膜起電力層との間の、歪による剥離が生じにくくなるため、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
また、絶縁層と前記金属箔の線熱膨張係数の差が100ppm/℃以下とすることが好ましい。このようにした場合、環境温度が変化した際の金属箔と絶縁層との熱膨張の差が小さくなるため、絶縁層の破壊が防止され、反り変形が抑えられるので、太陽電池モジュールの信頼性が向上する。
[有機薄膜起電力層]
有機薄膜起電力層は、有機半導体により形成される。有機半導体は半導体特性により、p型、n型に分けられる。p型、n型は、電気伝導に寄与するのが、正孔、電子いずれであるかを示しており、材料の電子状態、ドーピング状態、トラップ状態に依存する。したがって、p型、n型は必ずしも明確に分類できない場合があり、同一物質でp型、n型両方の特性を示すものもある。
p型半導体の例として、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポルフィリン等のポルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;ナフタロシアニン化合物;キナクリドン系化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェンおよびこれら化合物を骨格として含む誘導体が挙げられる。さらに、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリシラン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン等の高分子等が例示される。
n型半導体の例として、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアザポルフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体などが挙げられる。
少なくともp型の半導体およびn型の半導体が含有されていれば、有機半導体層の具体的な構成は任意である。単層の膜のみによって構成されていてもよく、2以上の積層膜によって構成されていてもよい。例えば、n型の半導体とp型の半導体とを別々の膜に含有させるようにしても良く、n型の半導体とp型の半導体とを同じ膜に含有させても良い。また、n型の半導体及びp型の半導体は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
有機半導体層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(p層)が界面を有する積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組合せが挙げられる。これらの中でもバルクへテロ接合型およびバルクへテロ接合型と積層型を組み合わせた(p−i−n接合型)が高い性能を示すことから好ましい。
有機半導体層のp層、i層、n層各層の厚みに制限はないが、通常3nm以上、中でも10nm以上、また、通常200nm以下、中でも100nm以下とすることが好ましい。層厚を厚くすることで膜の均一性が高まる傾向にあり、薄くすることで透過率が向上する、直列抵抗が低下する傾向にある。
有機薄膜起電力層と、電極との間に正孔輸送層、電子輸送層を設けても良い。
正孔輸送層の構成材料としては、例えばフタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、トリフェニアルアミン、芳香族ジアミン化合物、ポリシラン、PEDTO−PSS(ポリ(エチレンジオキシチオフェン)―ポリ(スチレンスルフォン酸))などを挙げることができる。
電子輸送層の構成材料としては、例えばフェナントロリン誘導体、シロール誘導体等の有機化合物や、TiO等の無機半導体などが挙げられる。
[下部電極及び上部電極]
下部電極及び上部電極としては導電性を有する材料により形成することが可能であり、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の金属酸化物;ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、PEDOT−PSS(ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルフォン酸))等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。なかでも、正孔を捕集する導電性基材又は電極には、Au、ITO等の深い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する導電性基材又は電極には、Alのような浅い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集する利点がある。
少なくとも受光面側の上部電極は、発電のために光透過性を有していることが好ましい。但し、電極が透明でなくても発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極の材料を挙げると、例えば、ITO、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜;PEDOT-PSS(ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルフォン酸))、ポリアニリン、カーボンナノチューブ、グラフェン、酸化インジウム・スズなどのナノ粒子を分散させたものの塗布膜などが挙げられる。また、この際、光の透過率の具体的範囲に制限は無いが、太陽電池素子の発電効率を考慮すると、光学界面での部分反射によるロスを除き、80%以上が好ましい。
これらは透明性を求められるために膜厚を厚くすることができず、その結果抵抗値を必要な値まで低くすることが難しい。
そこで、補助電極として金属材料からなる電極を、上部電極のさらに上に形成し、上部電極の抵抗値を下げる構成が用いられる。補助電極の材料としては、銀ペースト、アルミ蒸着膜等の金属材料が用いられるのが一般的である。銀ペーストとは、銀粒子を樹脂中に混合した導電性のペーストのことである。
補助電極は、補助電極で集められた電流を一つにまとめる集電部を有してもよい。補助電極集電部は補助電極で集められた電流を一つにまとめる電極であり、電流量が大きいことから、幅を広くすることが必要である。補助電極部は発電に寄与しないので、その面積が大きいと発電効率の低下につながる。特に集電部はその影響が大きい。従って、補助電極集電部を他セルの導電性基材と接続する部分とすれば、集電部による発電面積の減少がなくなり、発電効率の低下を防ぐことができる。
なお、下部電極及び上部電極の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、下部電極及び上部電極の形成方法に制限はない。例えば、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することができる。また、例えば、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。この際、導電性インクとしては任意のものを使用することができ、例えば、導電性高分子、金属粒子分散液等を用いることができる。
さらに、電極は2層以上積層してもよく、表面処理による特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
[封止材料]
封止材料は、常温(5〜35℃)で液状又はゲル状の不活性物質が用いられる。ここでゲル状とは、5〜35℃においてその形態が変化しないものをいう。また、高分子鎖の網目構造中に、大量の液体を含んでいる構造で、液体としての性質を示しつつ、固体としての構造を持つものである。
この封止材料は、モノマー、オリゴマー、ポリマーなどの有機物である。この封止材料は、炭化水素系(直鎖、脂環式、芳香族など)の高沸溶媒、シリコーンオイル、パーフルオロカーボン等の有機フッ化物のような化学的に不活性な物質であるのが特に好ましい。この場合、封止材料と接する周辺材料に対して、ダメージを与えることが防止される。有機フッ化物としては、重量平均分子量が200以上が好ましい。また、2000以下が好ましく、さらに好ましくは1000以下である。
太陽電池モジュール内での封止材料の体積安定性(寸法精度など)の観点から、封止材料の沸点は90℃以上特に200℃以上であるのが好ましく、融点は−50℃以下であるのが好ましい。外部温度変化における封止材料の形状安定性の観点から、封止材料の流動点は−30℃以下が好ましい。
封止材料は、水分の透過性の観点からは有機フッ化物であるのが好ましく、耐熱性の観点からはシリコーンオイルであるのが好ましい。ポリマーゲルは適度な流動性を持つので特に好ましい。また、増粘材を添加して粘弾性を調整してもよい。増粘材としては、モンモリロナイトなどの板状無機化合物、エアロゲル、モノエタノールアミドなどが挙げられる。
封止材料の粘度は常温で10cP以上100P以下であることが好ましく、表面張力は10〜60mN/mが好ましい。比重は0.8〜2.0が好ましい。比抵抗が1Ω・cm以上であることが好ましい。封止材料は、可視光領域(400〜800nm)で実質的に透明であることが好ましい。可視光線透過率は60%以上が好ましく、全光線透過率は70%以上が好ましい。
封止材料は酸素および水の透過性が低いことが好ましく、また酸素および水の吸収性は高いこと(ゲッター機能を有すること)が好ましく、フロリナート等の不活性液体にエアロゾル等の粘度調整剤や酸化カルシウム粉等の脱水剤を混合することで調製できる。封止する前に、酸素および水の除去処理をすることが好ましい。脱酸素処理としては不活性ガスのバブリング法などが好ましく、脱水処理としては加熱やモレキュラーシーブ法などが好ましい。酸素および水の濃度は1000ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下である。
封止材料の形成方法に制限はない。例えば、スピン方式、スプレー方式、ダイ方式、カーテン方式、ロール方式、バー方式、ディスペンサ方式、有版印刷方式等により形成することができる。このうちディスペンサ方式及び有版印刷方式が、所定の領域に所望の量を塗布できるという点で好ましい。ディスペンサ方式としては、ノズル方式及びインクジェット方式が特に好ましく、有版印刷方式としてはスクリーン印刷方式及びフレキソ印刷方式が特に好ましい。封止材料8の層の厚さは5〜5000μm特に10〜3000μm程度が好適である。形成時期も、端面封止材及び封止フィルム設置前に封止材料形成してもよいし、端面封止材設置後に封止材料形成して封止フィルムを設置してもよいし、端面封止材と封止フィルムを設置しその空間に封止材料を注入した後に密閉してもよい。また、形成時の環境雰囲気は、クリーンエア、ドライエア、窒素やアルゴン等の不活性ガス、真空等が好ましいが、プロセスコストを低減するために、クリーンエアまたはドライエアが好ましい。
[端面封止材]
太陽電池の周縁部をシールする端面封止材7としては、粘着性のシールテープ及び光硬化接着剤が好適である。光硬化接着剤としては、具体的にはアクリル系、エポキシ系などの光硬化接着剤を用いることができる。このうち特に工程が簡便であるためシールテープを用いるのが特に好ましい。なお、端面封止材7として熱可塑性樹脂を用い、加熱溶着又は超音波溶着してもよい。
[封止フィルム]
封止フィルム9の構成として好ましいものは2例が挙げられる。
一つ目の例は、プラスチックフィルム基材に無機バリア層を配置したフィルムである。この際、無機バリア層は、プラスチックフィルム基材の片面のみに形成してもよいし、プラスチックフィルム基材の両面に形成してもよい。両面に形成するときは、両面に形成する無機バリア層の数が、それぞれ一致していていもよく、異なっていてもよい。
二つ目の例は、プラスチックフィルム基材に、無機バリア層とポリマー層とが互いに隣接して配置された2層からなるユニット層が形成されたフィルムである。この際、無機バリア層とポリマー層とが互いに隣接して配置された2層からなるユニット層を1単位として、このユニット層が1単位(無機バリア層1層とポリマー層1層を合わせて1単位の意味)のみを形成しても良いが、2単位以上形成しても良い。例えば2〜5単位、積層してもよい。
ユニット層は、プラスチックフィルム基材の片面のみに形成してもよいし、プラスチックフィルム基材の両面に形成してもよい。両面に形成するときは、両面に形成する無機バリア層及びポリマー層の数が、それぞれ一致していていもよく、異なっていてもよい。また、プラスチックフィルム基材上にユニット層を形成する場合、無機バリア層を形成してからその上にポリマー層を形成してもよいし、ポリマー層を形成してから無機バリア層を形成してもよい。
プラスチックフィルム基材の材料の例を挙げると、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、アクリロイル化合物等の熱可塑性樹脂などが挙げられる。
なおプラスチックフィルム基材の材料は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
無機バリア層は通常は金属酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物により形成される層である。なお、無機バリア層を形成する金属酸化物、窒化物及び酸化窒化物は、1種でもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
金属酸化物としては、例えば、Si、Al、Mg、In、Ni、Sn、Zn、Ti、Cu、Ce、Ta等の酸化物、窒化物もしくは酸化窒化物などが挙げられる。
無機バリア層の厚さは5〜1000nm特に10〜200nm程度が好適である。
ポリマー層にはいずれのポリマーでも使用することができ、例えば真空チャンバー内で成膜できるものも用いることができる。
ポリマー層の厚みは、10〜5000nm特に10〜1000nm程度が好適である。封止フィルムの厚さは1〜500μm特に30〜200μm程度が好適である。
封止フィルム9を端面封止材7の上側に被着した後に、太陽電池モジュールを平坦とするために、気体や液体の圧力、ロールまたは平板プレス等で加圧することが好ましい。特に生産性が良い点で、ロールプレスするのが好ましい。
[その他の層]
本発明の太陽電池は、バッファ層など、上記以外の層を備えてもよい。水分や酸素などを捕集するゲッター材を備えてもよい。
以下、本発明の太陽電池を容易に製造することができる方法の一例を説明する。
まず、金属箔1に絶縁層2をゾルゲル法により形成する。金属箔1は厚さ50μm程度のステンレス箔が好適であり、その表面粗さRaが0.8〜3.2μm程度のものを用いる。絶縁性被覆としては、ポリシロキサン系のハイブリッド材料が好適であり、厚み5μm程度に成膜する。次いで絶縁性被覆上に下部電極3をオフセット印刷法にてパターン印刷する。下部電極材料としては銀のナノメタルインクが好適であり、厚み0.5μm程度に成膜し、約200℃で焼成する。次いで、下部電極3上に有機薄膜起電力層(有機半導体層)4をフレキソ印刷でパターン印刷する。有機半導体としてはポリチオフェン(P3HT;ポリ3−ヘキシルチオフェン)とフラーレン(PCBM;1−(3−メトキシカルボニル)−プロピル−1−フェニル(6.6)−C61)の重量比1:1混合物が好適であり、これを1.0wt%程度のクロロベンゼン溶液とすれば良好に塗布でき、厚みは50〜100nm程度が好適である。
次いで、上部電極5をITO(酸化インジウム・スズ)のスパッタ法により形成する。ITOの厚みは100〜200nm程度が好適である。上部電極5のパターニングはマスクスパッタ法やレーザーアブレーション法によることが可能である。また、上部電極5をITOナノ粒子、導電性ポリマー(PEDOT/PSS等)、グラフェン、CNTなどの透明導電性インクを使用して、湿式塗布によりパターン製膜することも可能である。
次いで、上部電極5上に補助電極6を形成する。補助電極材料としては銀ペーストが好適であり、スクリーン印刷法によって良好に印刷でき、線幅20〜100μm程度、厚みが20〜100μm程度が好適である。
次いで、封止領域に封止材料8をディスペンサ方式や有版印刷方式等によって塗布する。このとき、封止に必要な量の2倍以下特に1.0〜1.5倍の量の封止材料8を計量し、該封止領域にパターン塗布するのが好ましい。
次いで端面封止材7を形成するために、封止領域を取り囲むように光硬化性シール材をディスペンサ等によって塗布し、その後、透明な封止フィルム9をラミネートした後、UV照射によって硬化させ、封止を完了する。
封止フィルム9としては例えば厚さ100μm程度のバリア膜付きPETフィルムが好適である。シール材としては例えばアクリル系UV接着剤が好適である。
なお、その後、封止フィルム9を平坦とするために平板プレスやローラー掛け等の処理を施してもよい。
以上のようにして、有機薄膜起電力層を有した単位セルが面内直列接続され、液状又はゲル状封止材料で封止された、モノリシック構造の太陽電池モジュールが作製される。
第2図は別の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。
第2図の太陽電池モジュールでは、第1図の太陽電池モジュールにおいて、金属箔1及び絶縁層2に代えて絶縁性の基材11を用いている。また、封止材料8よりなる封止材料層の厚みを規定するためのスペーサ12を、該基材11の上面から該封止材料層の厚さ方向に立設させている。第2図のその他の構成は第1図と同様であり、同一符号は同一部分を示している。
この基材11はガラス及び合成樹脂のいずれでもよく、合成樹脂としては上記第1図の基材の材質として挙げたものが好適である。
このスペーサ12は、基材11の上面のうち単位セル(すなわち、下部電極3、有機薄膜起電力層4、上部電極5及び補助電極6により構成される単位セル。)が形成されていない箇所から立設し、その上端がフィルム9の下面に被着している。このスペーサ12の高さは封止材料8よりなる封止材料層の厚さ及び封止材7の高さと同一である。
本実施の形態では、スペーサ12は単位セルの周囲を覆うように複数本設けられているがこれに限定されるものではなく、該単位セルを貫通するように設けられていてもよい。また、このスペーサ12の形状に限定は無く、例えば円柱、角柱などの柱状であってもよい。
このスペーサ12の材質としては合成樹脂が好ましい。合成樹脂としては、ETFE、PFA、FEP、PCTFE、PC、PI、PS、PE、PP、PET、PEN、PA、PMMA等が好ましく、このうち特に安価で機械特性が良いことからPET、PENが望ましい。
第2図の通りスペーサ12が設けられていると、太陽電池モジュールに厚み方向(第2図の上下方向)の力が加わっても、厚み方向に変形することが防止される。
次に、第2図の太陽電池モジュールの製造方法の一例を説明する。
先ず基材11の上面に柱状のスペーサ12を形成する。このスペーサ12は、フォトリソグラフィや印刷法等によって形成することができる。
次いで、基材11の上面に、下部電極3、有機薄膜起電力層4、上部電極5及び補助電極6をこの順に形成する。
下部電極3は、ITOナノ粒子を湿式塗布することにより好適に形成される。有機半導体起電力層4としてはP3HT/PCBMが好適に用いられ、上部電極5としてはPEDOT/PSS等の高分子導電体が好適に用いられ、これらをフレキソ印刷方式等によってパターン印刷することにより、複数個の太陽電池素子の直列接続が形成される。補助電極6は、銀ペーストをスクリーン印刷することにより良好に形成される。
その後、上記基材11の上面の周縁に端面封止材7を囲枠状に配置し、この端面封止材7の上にフィルム9を被着し、該端面封止材7の内側領域を液状又はゲル状の封止材料8で封止する。この端面封止材7としては両面粘着テープ(例えば綜研化学社製、商品名JETテープ)などの粘着性のシールテープが好適に用いられる。この封止材料8による封止は、スクリーン印刷方式によって行うのが好ましい。この封止材料8は、酸素及び水のゲッタ材を兼ねるのが好適である。
本実施の形態に係る太陽電池モジュールによると、封止材料8よりなる封止材料層の厚みを規定するためのスペーサ12が基材11の上面から該封止材料層の厚さ方向に起立していている。これにより、太陽電池モジュールを厚み方向に押しても凹み難くなり、機械的強度が向上すると共に意匠性が向上する。
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の手順により、第3図に示す太陽電池モジュールを製造した。
<有機光電変換素子22の作製工程>
厚さ約0.7mmのガラス基板21上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を堆積したもの(シート抵抗15Ω/□以下)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて2mm幅のストライプにパターニングして、透明電極を形成した。パターン形成した透明電極を、界面活性剤による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローし、120℃で10分間加熱乾燥させた。
この透明基板上に、導電性高分子であるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS、スタルクヴィテック社製、品名Baytron PH)を40nmの膜厚でスピンコートした後、120℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を180℃で3分間加熱処理した。
クロロホルム/クロロベンゼンの1:2混合溶媒(重量)に下記化合物(A)を0.5重量%溶解した液をろ過後、1500rpmで上記PEDOT:PSSの膜上にスピンコートし、180℃で20分加熱し、下記化合物(B)の膜を得た。
Figure 2011134775
クロロホルム/クロロベンゼンの1:1混合溶媒(重量)に化合物(A)を0.6重量%溶解した液と、フロンティアカーボン社製PCBNB(下記化合物(C))を1.4重量%溶解した液を調製し、それを重量比1:1で混合し、ろ過後、1500rpmで上記化合物(B)の膜上にスピンコートし、180℃で20分加熱し(B)と(C)の混合膜を得た。
Figure 2011134775
トルエンに化合物(C)を1.2重量%溶解した液をろ過後、3000rpmで上記化合物(B)と(C)混合膜上にスピンコートし、65℃で10分加熱し、化合物(C)の膜を得た。
次に、上記一連の有機層を成膜した基板を、透明電極ストライプに対して直交するように2mm幅のシャドーマスクと密着させて、真空蒸着装置内に設置した。そして、フッ化リチウム(LiF)を蒸着速度約0.01nm/秒で、膜厚0.5nmになるよう有機層上に蒸着した。引き続き、アルミニウムを蒸着速度0.2nm/秒でLiF層上に膜厚80nmとなるよう蒸着し、金属電極を形成した。
以上のようにして、2mm×2mmのサイズの受光面積部分を有する有機光電変換素子22を得た。
<モジュール化工程>
上記ガラス基板21に、ロの字型ガラススペーサー(厚さ1.6mm)よりなる端面封止材23と封止フィルムであるバリアフィルム26(三菱樹脂社製テックバリア)をUV硬化樹脂24(スリーボンド社製TB3017B)で接着することで、上記素子を基板21、封止材23、バリアフィルム26によって形成された空間領域に密閉した。なお、このバリアフィルム26には注入穴及び空気抜き穴が設けられている。
さらにフッ素系不活性液体(住友スリーエム社製フロリナートFC−40、沸点155℃、流動点―57℃)をバリアフィルム26側からシリンジで素子を密閉した空間領域に注入することにより、液状封止材25を得た。同密閉空間領域に気体(気泡)が存在しないことを確認の上、シリンジを抜き、注入穴と空気抜き穴をUV硬化樹脂27で埋めた。
フッ素系不活性液体25は加熱処理やモリキュラーシーブス添加などによる事前脱水処理することが好ましい。
以上のようにして、液状封止材により素子周囲が隙間なく充填され、基板対面にバリアフィルムが配置された太陽電池モジュールを得た。
同モジュールはバリアフィルム26を用いているにもかかわらず、封止材23によりモジュール全体に荷重をかけても容易につぶれず、素子を破壊する恐れもない。
[実施例2]
<有機光電変換素子の作製工程>
実施例1と同様にして有機光電変換素子を製造する。
<モジュール化工程>(ゲル状)
事前脱水処理したフッ素系不活性液体(住友スリーエム社製フロリナート FC−75、沸点102℃、流動点―88℃)にエアロゲルを添加し、自転公転式ミキサーで攪拌することで、ゲル状の不活性封止材が得られる。
実施例1で得た有機光電変換素子の周辺にUV硬化樹脂(スリーボンド社製TB3017B)よりなる端面封止材を口の字型に形成し、その中に前記ジェル状の不活性封止材を展開後、その上からバリアフィルム(三菱樹脂社製テックバリア)を積層し、周囲をUV照射して、UV硬化樹脂を硬化する。このようにして太陽電池モジュールを製造する。
[実施例3]
<有機光電変換素子の作製工程>
実施例1と同様にして有機光電変換素子を製造する。
<モジュール化工程>(ビーズスペーサー)
事前脱水処理したフッ素系不活性液体(住友スリーエム社製フロリナート FC−3283、沸点130℃、流動点―53℃)にモンモリロナイトを添加し、超音波、自転公転式ミキサーで攪拌したものに、粒径500μmの酸化ジルコニウム粒子を添加し、さらに超音波、自転公転式ミキサーで攪拌することで、スペーサー機能を有するジェル状の不活性封止材が得られる。
この不活性封止材を用いること以外は実施例2と同様にして太陽電池モジュールを製造する。
[実施例4]
<有機光電変換素子の作製工程>
実施例1と同様にして有機光電変換素子を製造する。
<モジュール化工程>(ゲッター)
事前脱水処理したフッ素系不活性液体(住友スリーエム社製フロリナート FC−43、沸点174℃、流動点―50℃)にF系増粘剤を添加し、自転公転式ミキサーで攪拌したものに、酸化カルシウム粉を添加し、再び、超音波、自転公転式ミキサーで攪拌することで、水分ゲッター機能を有するジェル状の不活性封止材が得られる。
この不活性封止材を用いること以外は実施例2と同様にして太陽電池モジュールを製造する。
[比較例1]
<有機光電変換素子の作製>
実施例1と同様にして、有機光電変換素子を作製した。
<モジュール化工程>
シリンジによりフッ素系不活性液体を注入することに代えて窒素を充填したこと以外は、実施例1と同様にしてモジュール化した。素子を密閉した空間領域に気体(窒素)が充填され、基板対面にバリアフィルムが配置された太陽電池モジュールが得られた。
[評価]
実施例1および比較例1で作製した太陽電池モジュールについて、次のように性能評価を行った。
室温保管した太陽電池モジュールについて、作製後1日および16日経過時の光電変換特性の変化を比較した。光電変換特性測定として、太陽電池モジュールにソーラシュミレーター(分光計器社製)でAM1.5G条件の光を照射強度100mW/cm照射した時の電流・電圧曲線を測定して、エネルギー変換効率(PCE)を求めた。
実施例および比較例の性能評価結果を表1に示す。ここでPCE変化率は、次のように定義する。
PCE変化率=(作製後16日のPCE)/(作製後1日のPCE)
Figure 2011134775
表1に示す結果の通り、比較例1に比べて、実施例1のPCE変化率は小さく、劣化の小さい、優良な有機薄膜太陽電池であることが明らかになった。液状封止材の充填により、大気浸透が防止され、素子劣化が抑制されたと考えられる。
1 金属箔
2 絶縁層
3 下部電極
4 有機薄膜起電力層
5 上部電極
6 補助電極
7 端面封止材
8 封止材料
9 フィルム

Claims (3)

  1. 基材上に下部電極、起電力層及び上部電極を有する薄膜太陽電池素子が成膜され、該太陽電池素子が封止材料で封止された太陽電池において、該起電力層が有機薄膜起電力層であり、封止材料が液状又はゲル状であることを特徴とする太陽電池。
  2. 請求項1において、該封止材料が有機フッ化物であることを特徴とする太陽電池。
  3. 請求項1又は2において、前記封止材料よりなる封止材料層の厚みを規定するためのスペーサが、前記基材の上面から該封止材料層の厚さ方向に起立していることを特徴とする太陽電池。
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