JP2010182720A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、光電変換効率及び耐久性の高い有機光電変換素子を提供することにある。
【解決手段】第1の電極層と第2の電極層との間にバルクヘテロジャンクション構造を有する光電変換層を有し、該光電変換層と第1の電極間、もしくは光電変換層と第2の電極間に、正孔または電子のいずれかの電荷を主に輸送する電荷輸送層を有して成るバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子において、該電荷輸送層が少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なることを特徴とする有機光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子に関する。
バルクヘテロジャンクション型の有機太陽電池(有機光電変換素子)は、光吸収によって形成した励起子を失活する前に効率よく電荷分離できることが特徴だが、発生したフリーキャリアは、有機ドナー材料または有機アクセプター材料がそれぞれ相分離した形で存在するパーコレーション構造中を拡散によって移動するため、両極性のフリーキャリア同士が電極上で再結合してしまい、エネルギー変換効率の低下を起こしやすいといった課題があった。
それに対し、発電層と電極間に励起子ブロック層を設けることで電極上でのキャリア再結合を抑制する技術が紹介されており(例えば、特許文献1参照)、高効率化に向けて重要な知見と言える。同じような技術として、パルスレーザー製膜法を用いて発電層と電極の間に酸化ニッケルからなる層を形成し、高いキャリア分離能を得る技術が紹介されている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、これらの製法では、真空下で均一性の高い層を形成する必要があり、有機太陽電池の高い生産性をスポイルしていた。
更に、この様なブロック能を有する層(電荷輸送層)を塗布法で形成する方法として、光電変換層と電極の間にバンドギャップ1.8eV以上の共役ポリマー層を形成する方法(例えば、特許文献2)や、熱変換型のベンゾポルフィリン層を形成する方法(例えば、特許文献3)、金属アルコキシドの溶液を塗布し、大気中で加水分解させることで金属酸化物層とする方法(例えば、特許文献4または特許文献5)等が紹介させている。
しかし、この様な塗布型の電荷輸送層では、未だキャリアの分離能が低く、電極上でのフリーキャリア同士の再結合を十分に抑制できていない結果、フィルファクターを高めることが出来なかった。一方で、蒸着型で形成した電荷輸送層は、キャリアの分離能が比較的高くても、その層自体が抵抗となってしまう課題があり、出力の電流密度とキャリア分離能に起因する十分なフィルファクターを両立する技術が望まれていた。
米国特許第7,026,041号明細書 WO2004/017422号パンフレット 特開2008−135622号公報 WO2007/011741号パンフレット 特開2007−273939号公報
Michael D. Irwin et. al., PNAS, vol.105, no.8, 2783−2787
本発明は上述した課題を解決するためのもので、その目的は、光電変換効率及び耐久性の高い有機光電変換素子を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.第1の電極層と第2の電極層との間にバルクヘテロジャンクション構造を有する光電変換層を有し、該光電変換層と第1の電極間、もしくは該光電変換層と第2の電極間に、正孔または電子のいずれかの電荷を主に輸送する電荷輸送層を有して成るバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子において、該電荷輸送層が少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なることを特徴とする有機光電変換素子。
2.前記電荷輸送層において、それぞれの導電率が隣接する電極に近いほど高くなることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
3.前記電荷輸送層において、それぞれの導電率が光電変換層側に対して電極側が少なくとも相対的に1×10S/cm以上高いことを特徴とする前記1、2のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
4.前記電荷輸送層が正孔輸送層であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
5.前記電荷輸送層が電子輸送層であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
6.前記電荷輸送層が、少なくとも3層以上積層されて成ることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
本発明により、光電変換効率及び耐久性の高い有機光電変換素子を提供することができた。
本発明における好ましい有機光電変換素子の断層構造を示した図。
本発明者らは、鋭意検討の結果、第1の電極層と第2の電極層との間にバルクヘテロジャンクション構造を有する光電変換層を有し、該光電変換層と第1の電極間、もしくは該光電変換層と該第2の電極間に、正孔または電子のいずれかの電荷を主に輸送する電荷輸送層を有して成るバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子において、該電荷輸送層が少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なる該電荷輸送層を有する有機光電変換素子により、光電変換効率及び耐久性の高い有機光電変換素子が得られることを見出した。
ここで電荷輸送層とは正孔または電子のいずれかを主に輸送する輸送層であり、正孔を主に輸送する層を正孔輸送層(HTL)、電子を主に輸送する層を電子輸送層(ETL)と呼ぶ。本発明においては、該正孔輸送層または電子輸送層のいずれかが、少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なる該電荷輸送層を有することを特徴とする有機光電変換素子である。好ましくは、2〜5層であり、更に好ましくは2〜4層であり、最も好ましくは3層程度である。2層以上であれば、本発明の効果を発揮でき、5層以下であれば、塗布による積層製膜が容易になり好ましい。
更に本発明の好ましい形態として、上述する導電率が異なる電荷輸送層が、電極に近いほどその導電率が高くなる構成であることが好ましい。これは、逆の電荷(正孔輸送層であれば電子、電子輸送層であれば正孔を示す)のブロック能に段階的、若しくは連続的な変化を形成させることで、光電変換層で発生した正孔および電子が、電極上で再結合するのを効果的に抑制しているためと推察される。
上述した少なくとも2層以上の層における導電率の差は、光電変換層側に対して電極側が相対的に1×10S/cm以上高いことが本発明において好ましい。この導電率の差は、1×10S/cm以上〜1×10S/cm以下が好ましく、最も好ましくは1×10S/cm以上〜1×10S/cm以下が光電変換効率の観点で好ましい。
本発明の導電率は電気伝導度とも呼び、電気抵抗率の逆数として表される。この導電率は、例えば、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
以下、本発明の有機光電変換素子における好ましい態様について詳細に説明する。
(有機光電変換素子および太陽電池の構成)
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極と第2の電極と、両者に挟まれた光電変換層(p型半導体とn型半導体が混合された層であり、バルクヘテロジャンクション層、またはBHJ層、i層、発電層とも言う)が少なくとも1層以上あり、光を照射すると電流を発生する素子である。
本発明に係る有機光電変換素子の好ましい形態について図1を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
図1において、有機光電変換素子10は、図示しない基板の一方面上に、第1の電極11、第1の正孔輸送層12、第2の正孔輸送層13を積層し、更にバルクヘテロジャンクション構造(p型半導体層及びn型半導体層を含む混合により形成されたドメイン構造)を有する光電変換層14(以下「バルクヘテロジャンクション層」、または「発電層」ともいう。)、第1の電子輸送層15、第2の電子輸送層16及び第2の電極17が図1に示すように順次積層された構造であることが好ましい。
光電変換層14に外部光を入射させるためには、前記基板及び第1の電極11、もしくは第2の電極17が発電に寄与する光の波長域に対して実質透明であることが好ましい。基板と第1の電極11が透明で、且つ、第2の電極17が、第1の電極側から入射して光電変換層14を透過してきた光を反射させる構成であることがより好ましい。また、基板及び第1の電極11、第2の電極17が共に透明である構成も、本発明において好ましく用いることができる。
第1の電極が正極である場合は、正孔と電子からなるフリー電荷の内、正孔を主に取り出す構成のため、上述した様に、第1の電極と光電変換層の間に正孔輸送層を有することが好ましい。同様に、第2の電極が陰極である場合は電子を主に取り出す構成のため、第2の電極と光電変換層との間に電子輸送層を有することが好ましい。
更に本発明においては、上述した正孔を運ぶ正孔輸送層(HTL)、または電子を運ぶ電子輸送層(ETL)のいずれかが、少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なる電荷輸送層であることを特徴とする。
本発明の有機光電変換素子において好ましい層構成を以下に示す。
(a)第1の電極/HTL1/HTL2/光電変換層/第2の電極
(b)第1の電極/HTL1/HTL2/光電変換層/ETL/第2の電極
(c)第1の電極/HTL/光電変換層/ETL1/ETL2/第2の電極
(d)第1の電極/HTL1/ETL2/光電変換層/ETL1/ETL2/第2の電極
(e)第1の電極/HTL1/ETL2/ETL3/光電変換層/ETL/第2の電極
(f)第1の電極/HTL/光電変換層/ETL1/ETL2/ETL3/第2の電極
尚、HTL1〜3またはETL1〜3は、それぞれ導電率が異なる電荷輸送層を示す。
光電変換層14は正孔を輸送するp型半導体材料と、電子を輸送するn型半導体材料を含有する。光吸収によって発生した励起子を効率よく電荷分離させるために、これらp型半導体材料とn型半導体材料との、2層構造を有することが基本となる。更に、本発明においては、光電変換層の1層に該p型半導体材料とn型半導体材料とを混合した状態のバルクヘテロジャンクション構造を形成させることが好ましい。
p型半導体材料は、相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
なお図1には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
更には、p型半導体材料とn型半導体材料単体からなる層でバルクヘテロジャンクション構造の光電変換層を挟み込むような構成(p−i−n構成ともいう)であっても良い。
通常のバルクヘテロジャンクション層は、p型半導体材料とn型半導体層が混合した、i層単体であるが、p型半導体材料単体からなるp層、およびn型半導体材料単体からなるn層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔・電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
本発明においては、発電に寄与するp型半導体材料もしくはn型半導体材料を用いた場合、p−i−n構造を形成する材料は明確に光電変換層の一部として機能する層として用いられる。
さらに、太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、このような光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。積層されたそれぞれの光電変換層は、同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。
太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、図1に示す有機光電変換素子10におけるサンドイッチ構造に替わって、一対の櫛歯状電極上にそれぞれ正孔輸送層14、電子輸送層16を形成し、その上に光電変換部15を配置するといった、バックコンタクト型の有機光電変換素子が構成とすることもできる。
(p型半導体材料)
本発明の発電層(バルクヘテロジャンクション層)に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマー・オリゴマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、WO2008/000664号に記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv Mater,2007p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体,Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、かつ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、発電層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が発電層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いても良い。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17, Fukuoka, Japan, 2007, P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号、および特開2008−16834号等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料などを挙げることができる。
(n型半導体材料)
本発明のバルクヘテロジャンクション層に用いられるn型半導体材料としては、特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
上述したn型半導体材料の中で、特にp型半導体材料との相互作用において、高い電荷分離能(〜50fsの高速な電子注入)が期待できるフラーレン誘導体が最も好ましい。
フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、およびこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7329709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
(正孔輸送層・電子ブロック層)
本発明の有機光電変換素子は、第1の電極と光電変換層との間に正孔輸送層を有することが特徴である。これらの層を構成する材料としては、例えば、スタルクヴイテック社製、商品名BaytronP等のPEDOT−PSS、ポリアニリン及びそのドープ材料、WO2006/019270号パンフレット等に記載のシアン化合物などを用いることができる。
正孔輸送層に用いられる材料は、光電変換層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有することで、光電変換層で生成した電子を第1の電極に輸送せず、優れた整流特性を示す。このような整流特性を電子ブロック能とも呼ぶ。
高い電子ブロック能を有する材料の例としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、バルクヘテロジャンクション層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。バルクヘテロジャンクション層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
(電子輸送層・正孔ブロック層)
本発明の有機光電変換素子は、光電変換層と第2の電極との間に電子輸送層を有することが特徴である。これらの層を構成する材料としては、例えば、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができる。
電子輸送層に用いられる材料は、光電変換層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有することで、光電変換層で生成したホールを第2の電極に輸送せず、優れた整流特性を示す。このような整流特性を正孔ブロック能とも呼ぶ。
高い正孔ブロック能を有する材料の例としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
(その他の層)
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層などを挙げることができる。
(第1の電極(透明電極))
本発明の第1の電極(透明電極)は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができるが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることができる。
(第2の電極(対電極))
本発明の第2の電極(対電極)は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用しても良い。対電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。対電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
対電極の導電材として金属材料を用いれば対電極側に来た光は反射されて第1の電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
また、対電極は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤー、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤーの分散物であれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法により形成でき好ましい。
また、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対電極とすることができる。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(光学機能層)
本発明の有機光電変換素子は、太陽光のより効率的な受光を目的として、各種の光学機能層を有していて良い。光学機能層としては、たとえば、反射防止膜、マイクロレンズアレイ等の集光層、陰極で反射した光を散乱させて再度発電層に入射させることができるような光拡散層などを設けても良い。
反射防止層としては、各種公知の反射防止層を設けることができるが、例えば、透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。
集光層としては、例えば、支持基板の太陽光受光側にマイクロレンズアレイ上の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせたりすることにより特定方向からの受光量を高めたり、逆に太陽光の入射角度依存性を低減することができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付き、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
また光散乱層としては、各種のアンチグレア層、金属または各種無機酸化物などのナノ粒子・ナノワイヤー等を無色透明なポリマーに分散した層などを挙げることができる。
(製膜方法・表面処理方法)
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層、および輸送層・電極の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。このうち、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには、塗布法が好ましい。また塗布法は、製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限は無いが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらには、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上・吸収長波化を引き起こすために加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)14は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。
(パターニング)
本発明に係る電極、発電層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
光電変換層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取っても良いし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしても良い。
電極材料などの不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行ったり、エッチング又はリフトオフ等の公知の方法によってパターニングすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成しても良い。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しないために、有機光電変換素子だけでなく有機エレクトロルミネッセンス素子などで公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)または有機膜(パリレン等)を真空下で堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。
更に本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を2枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す各種半導体材料について、以下に示す製膜法によりテストピースを作製した。
(HTL−1〜HTL−4)
表1に示すHTL−1〜HTL−4の材料について、白板ガラス基板上にスピンコーターを用いて膜厚が100nmになるように製膜した。乾燥させてから、150℃のホットプレート上で30分間処理し、テストピースHTL−1〜HTL−4を作製した。
ここでHTL−3は、PEDOT−PSS分散液に対しDMSOを5質量%加えたものを使用した。
(HTL−5)
白板ガラス上に、化1に示す高分子型材料(poly−TPD、Mw:約4万)の1.0質量%トルエン溶液を、スピンコーターを用いて膜厚が100nmになるように製膜しHTL−5を作製した。
Figure 2010182720
(ETL−1)
エタノールにTi−イソプロポキシドを0.5mol/lになるように溶解した液を調製し、白板ガラス上に膜厚100nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置してETL−1を成膜した。
(ETL−2)
Alがアルミナ換算で3質量%添加されたAZO(アルミドープ酸化亜鉛)をターゲットに、RFスパッタリング装置を用いて、白板ガラス上に膜厚が100nmになる様に製膜し、ETL−2を得た。
《導電率の測定》
上記作製したテストピースについて、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)を参考に、膜面抵抗率計を用いて測定した抵抗率から導電率を見積もり、表1に示した。
Figure 2010182720
<光電変換素子SC−101の作製>
ガラス基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を110nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅にパターニングして、透明電極を形成した。
透明電極の上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)(HTL−1)を30nmの膜厚でスピンコートした後、150℃で大気中15分間加熱乾燥し、正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板をO及びHO濃度が1ppm以下の窒素グローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
クロロベンゼンにp型半導体材料として、プレクストロニクス社製プレックスコアOS2100を1.0質量%、n型半導体材料としてSolenne社製bis−PC61BMを1.0質量%混合して溶解させた液を作製し、0.2μmのシリンジフィルタでろ過をし、スピンコーターを用いて、膜厚が100nmになるように光電変換層を製膜した。
上記一連の有機層を成膜した後、基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動させ、1×10−4Pa以下にまで減圧した後、フッ化リチウムを0.6nm、ITOと直行する形に配置した2mm幅のシャドウマスクを通して、Al金属を100nm順次蒸着して第2の電極を形成した。
最後に素子をグローブボックス中に搬送し、150℃で10分間加熱処理した。得られた素子を、窒素雰囲気下で水分ゲッターを同胞させた形で、ガラスキャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行い、光電変換素子SC−101を得た。
<光電変換素子SC−102の作製>
上記のSC−101の作製において、正孔輸送層をHTL−1から、Baytron PH500(スタルクヴィテック社製)(HTL−2)に変更した以外は、SC−101の作製と同様にしてSC−102を得た。
<光電変換素子SC−103の作製>
上記のSC−101の作製において、正孔輸送層をHTL−1から、Baytron PH500(スタルクヴィテック社製)にDMSOを5質量%加えた塗布液(HTL−3)を準備し、30nmの膜厚に製膜し、正孔輸送層とした以外は、SC−101の作製と同様にしてSC−103を得た。
<光電変換素子SC−104の作製>
上記のSC−101の作製において、HTL−1の単独層に換えて、SC−102で用いたHTL−2を15nmの膜厚で形成した後、更にSC−103に用いたHTL−3を15nmの膜厚で積層させ正孔輸送層とした以外はSC−101と同様にしてSC−104を得た。
ここで、HTL−2を形成後、一度150℃で15分間乾燥させた後、更にHTL−3を積層形成し、150℃で更に15分間乾燥させることで正孔輸送層を製膜した。
<光電変換素子SC−105の作製>
上記のSC−104の作製において、まずHTL−3を15nmの膜厚になるように形成した後、更にHTL−1を15nmの膜厚で積層させ正孔輸送層とした以外はSC−104と同様にしてSC−105を得た。
<光電変換素子SC−106の作製>
上記のSC−104の作製において、まずHTL−3を15nmの膜厚になるように形成した後、更にHTL−2を15nmの膜厚で積層させ正孔輸送層とした以外はSC−104と同様にしてSC−106を得た。
<光電変換素子SC−107の作製>
上記のSC−104の作製において、まずHTL−2を15nmの膜厚になるように形成した後、更にBaytron P8000(スタルクヴィテック社製)(HTL−4)を15nmの膜厚で積層させ正孔輸送層とした以外はSC−104と同様にしてSC−107を得た。
<光電変換素子SC−108の作製>
上記のSC−104の作製において、まずHTL−4を15nmの膜厚になるように形成した後、更にHTL−2を15nmの膜厚で積層させ正孔輸送層とした以外はSC−104と同様にしてSC−108を得た。
<光電変換素子SC−109の作製>
上記のSC−104の作製において、まずHTL−2を10nmの膜厚になるように形成した後、次にHTL−1を10nmの膜厚になるように積層させ、更にHTL−4を10nmの膜厚になるように積層して正孔輸送層とした以外はSC−104と同様にしてSC−109を得た。
ここで、HTL積層は、各HTLを積層する度に150℃で15分間乾燥させる工程を入れることで正孔輸送層を製膜した。
<光電変換素子SC−110の作製>
上記のSC−109の作製において、HTL−4に換えて、化1で示されるポリマー材料(poly−TPD、Mw:約4万)(HTL−5)を10nmの膜厚になるように積層して正孔輸送層とした以外はSC−109と同様にしてSC−110を得た。
ここで、HTL−2およびHTL−1はSC−109と同様にして、150℃で15分間の乾燥工程を行った。更に、HTL−5は素子をグローブボックス内に搬送してから塗布を行い、そのまま室温で乾燥させ正孔輸送層を形成させた。
<光電変換素子SC−111の作製>
上記のSC−101の作製において、光電変換層を形成した後、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/lになるように溶解した液(ETL−1)を調製し、光電変換層上に膜厚が10nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置して電子輸送層を成膜した。
第2電極以降はSC−101と同様にしてSC−111を得た。
<光電変換素子SC−112の作製>
上記のSC−111の作製において、ETL−1を10nmの膜厚になるよう製膜した上に、RFスパッタ装置を用い、Alがアルミナ換算で3質量%添加されたAZO(アルミドープ酸化亜鉛)(ETL−2)をターゲットに、10nmの膜厚になるよう製膜し電子輸送層を形成させた以外は、SC−111と同様にしてSC−112を得た。
《エネルギー変換効率の評価》
上記作製した光電変換素子について、ソーラーシミュレーター(AM1.5Gフィルタ)の100mW/cmの強度の光を照射し、有効面積を4.0mmにしたマスクを受光部に重ね、IV特性を評価することで、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及びフィルファクターFFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、平均値を見積もった。JscおよびFFの値を表2に示す。
《耐久性の評価》
上記作製した素子を、100Wハロゲンランプの光に1000時間暴露した。続いて、暴露後の素子について、上述の方法と同様にして短絡電流密度Jscを見積もり、式1に従って保持率を求め、表2に示した。
(式1)保持率(%)=暴露後の短絡電流密度/暴露前の短絡電流密度×100
Figure 2010182720
表2から明らかなように、従来構成であるSC−101〜SC−103に対して、本願のSC−104〜SC−110では高い短絡電流密度とフィルファクター、更には光照射後の保持率においてより好ましい結果を示した。これは、導電率の異なる2層以上の正孔輸送層を積層したことで、電極表面での正孔と電子の再結合が抑制されると同時に、正孔輸送層と電極、若しくは正孔輸送層と光電変換層とのいずれかの界面が、光照射によって影響を受けないために高い耐久性が発揮されたものと推定される。
更には、SC−111の従来構成に対して、SC−112の電子輸送層においても同様な効果が得られることが分かる。
10 バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子
11 第1の電極(透明電極)
12 第1の正孔輸送層
13 第2の正孔輸送層
14 光電変換層(バルクヘテロジャンクション層)
15 第1の電子輸送層
16 第2の電子輸送層
17 第2の電極(対電極)

Claims (6)

  1. 第1の電極層と第2の電極層との間にバルクヘテロジャンクション構造を有する光電変換層を有し、該光電変換層と第1の電極間、もしくは該光電変換層と第2の電極間に、正孔または電子のいずれかの電荷を主に輸送する電荷輸送層を有して成るバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子において、該電荷輸送層が少なくとも2層以上の層からなり、それぞれの導電率が異なることを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 前記電荷輸送層において、それぞれの導電率が隣接する電極に近いほど高くなることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  3. 前記電荷輸送層において、それぞれの導電率が光電変換層側に対して電極側が少なくとも相対的に1×10S/cm以上高いことを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記電荷輸送層が正孔輸送層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  5. 前記電荷輸送層が電子輸送層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
  6. 前記電荷輸送層が、少なくとも3層以上積層されて成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機光電変換素子。
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