JP2014090114A - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、折り曲げ処理を施す前において高光電変換特性および低暗電流特性を示すと共に、折り曲げ処理前後での光電変換性能の劣化が抑制されている有機薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】プラスチック支持体上に、少なくとも、透明電極層と、光電変換層と、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、対向電極層とをこの順で有する有機薄膜太陽電池であって、光電変換層が電子供与性化合物および電子受容性化合物を少なくとも含有し、第1正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが、第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、電子供与性化合物のイオン化ポテンシャルが、第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、第1正孔輸送層の厚みT1と第2正孔輸送層の厚みT2との比(T1/T2)が0.6以下である、有機薄膜太陽電池。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池に係り、特に、所定のイオン化ポテンシャルの関係を満たす正孔輸送層を少なくとも2層有する有機薄膜太陽電池に関する。
近年、ソフトマターとしてのフレキシブル電子デバイスが注目されている。なかでも軽量、低コスト化が期待できるフレキシブル有機電子デバイス、特に有機薄膜太陽電池への期待が高まっている。
有機薄膜太陽電池の構成としては、少なくとも一方が透明な2つの異種電極間に、電子伝導性および/またはホール伝導性の有機薄膜を配置してなるものが一般的である。このような有機薄膜太陽電池は、シリコン等を用いてなる無機デバイスに比べて製造が容易であり、低コストに製造しうるという利点があり、実用化が望まれている。
例えば、特許文献1では、少なくとも一方の電極と電荷輸送層との間に、導電率が1〜107S/cmである高導電性層を有することを特徴とする有機光電変換素子が開示されている。より具体的には、特開文献1の実施例では、PEDOT−PSS(導電率1×10-3S/cm)を含む正孔輸送層(層厚100nm)と、より導電性が高いPEDOT−PSS(導電率率3×102S/cm)を含む高い導電性層(層厚100nm)とを有する有機光電変換素子が開示されている。
特開2012−23126号公報
一方、近年、有機薄膜太陽電池に対しては、自動車のボディや建物の屋根など平面以外の曲面や複雑な形状へ貼り付けて使用するために、折り曲げられた後にも優れた光電変換効率を示すことが求められている。
本発明者らは、特許文献1の実施例欄の記載を参照して、2層の正孔輸送層(特許文献1では正孔輸送層および高導電性層に該当)を有する有機薄膜太陽電池を用いて、所定の屈曲試験(折り曲げ試験)後の光電変換効率の測定を行ったところ、屈曲試験前と比較して、光電変換効率が大きく低下することを見出した。
また、そもそも特許文献1に記載される有機薄膜太陽電池では、折り曲げる前の状態での光電変換効率および暗電流特性も昨今求められるレベルに達しておらず、更なる改良が必要であった。
本発明は、上記実情に鑑みて、折り曲げ処理を施す前において高光電変換特性および低暗電流特性を示すと共に、折り曲げ処理前後での光電変換性能の劣化が抑制されている有機薄膜太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討を行った結果、所定のイオン化ポテンシャルの関係を示す2層の正孔輸送層を使用することにより、所望の効果が得られることを見出した。
即ち、本発明者らは、以下の構成により課題が解決できることを見出した。
(1) プラスチック支持体上に、少なくとも、透明電極層と、光電変換層と、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、対向電極層とをこの順で有する有機薄膜太陽電池であって、
光電変換層が電子供与性化合物および電子受容性化合物を少なくとも含有し、
第1正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが、第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、
電子供与性化合物のイオン化ポテンシャルが、第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、
第1正孔輸送層の厚みT1と第2正孔輸送層の厚みT2との比(T1/T2)が0.6以下である、有機薄膜太陽電池。
(2) 第1正孔輸送層が、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を含む、(1)に記載の有機薄膜太陽電池。
(3) 第1正孔輸送層が、光電変換層に対する接触角が20°以下を示す第1正孔輸送層形成用組成物を用いて形成される、(1)または(2)に記載の有機薄膜太陽電池。
(4) 第2正孔輸送層が、共役系高分子を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
(5) 透明電極層が、金属パターン層および透明導電性樹脂層を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
(6) 透明電極層と光電変換層との間に電子輸送層をさらに有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
(7) 電子輸送層が、亜鉛、チタン、スズ、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも一つの金属原子を有する金属酸化物粒子を含む、(6)に記載の有機薄膜太陽電池。
(8) 電子輸送層が、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子より形成される第1金属酸化物層と、平均粒子径20〜100nmの金属酸化物粒子より形成される第2金属酸化物層との少なくとも2層を含む、(6)または(7)に記載の有機薄膜太陽電池。
本発明によれば、折り曲げ処理を施す前において高光電変換特性および低暗電流特性を示すと共に、折り曲げ処理前後での光電変換性能の劣化が抑制されている有機薄膜太陽電池を提供することができる。
本発明の有機薄膜太陽電池の第1の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の第2の実施形態を示す概略断面図である。 図2中のA−A線に沿った矢視平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の第2の実施形態中の金属パターン層の他の実施形態の概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の第3の実施形態を示す概略断面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池の第3の実施形態の変形例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の有機薄膜太陽電池の好適形態について詳述する。
まず、従来技術と比較した本発明の特徴点の一つとしては、所定のイオン化ポテンシャルの関係を満たす正孔輸送層を少なくとも2層有する点が挙げられる。より具体的には、第1正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、光電変換層中の電子供与性化合物のイオン化ポテンシャルが第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さいことにより、光電変換特性および暗電流特性がより改善される。また、第1正孔輸送層および第2正孔輸送層の厚み関係を調整することにより、フレキシブル性の改善も達成される。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の有機薄膜太陽電池の第1の実施形態の層構成を模式的に示す断面図である。有機薄膜太陽電池10は、プラスチック支持体12、透明電極層14、光電変換層16、第1正孔輸送層18、第2正孔輸送層20、対向電極層22をこの順で有する。なお、有機薄膜太陽電池10は、いわゆる逆型有機薄膜太陽電池であり、プラスチック支持体12側の表面が受光面であって、プラスチック支持体12に近い側の透明電極層14が負極に該当する。つまり、プラスチック支持体12側から光が照射され、プラスチック支持体12および透明電極層14を通って、光電変換層16に光が到達する。
以下では、まず、第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20について詳述し、その後、他の構成(プラスチック支持体12、透明電極層14、光電変換層16、対向電極層22)について詳述する。
なお、本願明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
(第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20)
第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20は、光電変換層16から対向電極層22への正孔の輸送が容易に行われるように、光電変換層16と対向電極層22との間に設けられる層である。なお、第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20は、光電変換層16から対向電極層22へ電子が移動するのをブロックする機能も有する。
第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)は、第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)よりも小さい。つまり、Ip1<Ip2の関係を満たす。言い換えると、第1正孔輸送層18の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値は、第2正孔輸送層20の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値よりも小さい。上記関係を満たすことにより、有機薄膜太陽電池の高光電変換特性および低暗電流特性が達成される。
第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)と第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)とは上記の関係を満たしていれば特に制限されないが、Ip1とIp2との差(Ip2−Ip1)が0超1.0eV以下であることが好ましく、0.1〜0.5eVであることがより好ましい。
第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)と第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)とが上記関係を満たさない場合、有機薄膜太陽電池の光電変換特性および暗電流特性が劣る。
第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャルIpは、大気中光電子分光装置(理研計器製AC−2)を用いて測定する(測定光量:20nW、ステップ:0.1eV)。なお、測定される第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20は石英基板上に成膜し、厚みは50nmである。
後述する光電変換層16中の電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)は、第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)よりも小さい。つまり、Ip3<Ip2の関係を満たす。言い換えると、電子供与性化合物の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値は、第2正孔輸送層20の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値よりも小さい。上記関係を満たすことにより、有機薄膜太陽電池の高光電変換特性および低暗電流特性が達成される。
電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)と第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)とは上記の関係を満たしていれば特に制限されないが、Ip3とIp2との差(Ip2−Ip3)が0超1eV以下であることが好ましく、0.1〜0.5eVであることがより好ましい。
電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)と第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip2)とが上記関係を満たさない場合、有機薄膜太陽電池の光電変換特性および暗電流特性が劣る。
イオン化ポテンシャルの測定方法は、上述の通りである。
後述する光電変換層16中の電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)と第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)との関係は特に制限されないが、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)がより優れる点で、電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)が第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)よりも大きいことが好ましい。つまり、Ip3>Ip1の関係を満たす。言い換えると、電子供与性化合物の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値は、第1正孔輸送層18の最高被占分子軌道(HOMO)のエネルギーレベルの絶対値よりも大きい。
電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(Ip3)と第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)とは上記の関係を満たしていれば特に制限されないが、Ip3とIp1との差(Ip3−Ip1)が0超1eV以下であることが好ましく、0.1〜0.3eVであることがより好ましい。
第1正孔輸送層18のイオン化ポテンシャル(Ip1)は、上記関係を満たしていれば特に制限されないが、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)がより優れる点で、4.2〜5.2eVが好ましく、4.7〜5.2eVがより好ましい。
第2正孔輸送層20のイオン化ポテンシャル(Ip1)は、上記関係を満たしていれば特に制限されないが、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)がより優れる点で、5.0〜5.5eVが好ましく、5.2〜5.5eVがより好ましい。
第1正孔輸送層18の厚みT1と第2正孔輸送層20の厚みT2との比(T1/T2)は0.6以下であり、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)がより優れる点で、0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、通常、0.1以上が好ましい。
比(T1/T2)が0.6超の場合、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)に劣る。
第1正孔輸送層18の厚みは上記関係を満たしていれば特に制限されないが、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性、暗電流特性およびフレキシブル性)がより優れる点で、10〜100nmが好ましく、20〜60nmがより好ましい。
第2正孔輸送層20の厚みは上記関係を満たしていれば特に制限されないが、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性、暗電流特性およびフレキシブル性)がより優れる点で、20〜170nmが好ましく、30〜100nmがより好ましい。
第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20で使用される材料は上記関係を満たしていれば特に制限されず、公知の材料を用いることができる。例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの共役系高分子、芳香族アミン誘導体、チオフェン誘導体、縮合芳香環化合物、カルバゾール誘導体などが挙げられる。このほか、Chem.Rev.2007年,第107巻,953−1010頁にHole Transport materialとして記載されている化合物群も適用可能である。
第1正孔輸送層18に含まれる材料としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とからなる導電性ポリマー(以後、PEDOT−PSSと略す)が好ましい。
また、第2正孔輸送層20に含まれる材料としては、置換基を有していてもよい共役系高分子(例えば、ポリチオフェン類、ポリピロール類、ポリインドール類、ポリカルバゾール類、ポリアニリン類、ポリアセチレン類、ポリフラン類、ポリパラフェニレンビニレン類、ポリアズレン類、ポリパラフェニレン類、ポリパラフェニレンサルファイド類、ポリイソチアナフテン類、ポリチアジル類)が好ましく、有機薄膜太陽電池の諸特性(光電変換特性および暗電流特性)がより優れる点で、スルホン化ポリチオフェン(スルホン酸基を有するポリチオフェン)が好ましい。
第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層の製造方法は特に制限されず、各種の湿式製膜法、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。
なかでも、第1正孔輸送層18の製造方法としては、第1正孔輸送層18の成膜性に優れ、有機薄膜太陽電池のフレキシブル性がより優れる点で、後述する光電変換層14に対する接触角が30°以下を示す第1正孔輸送層形成用組成物を用いて形成されることが好ましい。より具体的には、第1正孔輸送層形成用組成物を光電変換層14上に塗布し、必要に応じて加熱処理を施して、第1正孔輸送層18を形成することが好ましい。
組成物の接触角が上記範囲であれば、光電変換層14上での濡れ広がりに優れ、均一な厚みを有する第1正孔輸送層を形成することができる。なかでも、第1正孔輸送層18の成膜性に優れ、有機薄膜太陽電池のフレキシブル性がより優れる点で、接触角は20°以下が好ましい。下限は特に制限されないが、通常、0°以上の場合が多い。
第1正孔輸送層形成用組成物に含まれる材料は上述した第1正孔輸送層を形成する材料が含まれていればよく、塗布性に優れる点で、溶媒が含まれていることが好ましい。使用される溶媒の種類は特に制限されないが、上記接触角の関係を満たしやすい点で、アルコール溶媒が好ましく、イソプロピルアルコールがより好ましい。
第1正孔輸送層形成用組成物としては、例えば、H.C.Starck社のCPP 105Dなどが挙げられる。
(プラスチック支持体)
プラスチック支持体12は、上記第1正孔輸送層18および第2正孔輸送層20を含む各種層を保持し、有機薄膜太陽電池10に可撓性を付与する支持体であり、材質、厚みなどに特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
プラスチック支持体12の素材としては、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
プラスチック支持体12は、耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上、および、線熱膨張係数が40ppm/℃以下のうち、少なくともいずれかの物性を満たす耐熱性を有し、さらに、露光波長に対し高い透明性を有する素材により成形された支持体であることが好ましい。
なお、プラスチック支持体12のTgおよび線膨張係数は、JIS K 7121に記載のプラスチックの転移温度測定方法、および、JIS K 7197に記載のプラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法により測定され、本発明においては、プラスチック支持体12のTgおよび線膨張係数は、この方法により測定した値を用いている。
耐熱性に優れる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:65℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン(株)製 ゼオノア1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報の化合物:162℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報の化合物:300℃以上)、ポリイミド等が挙げられる(以上、括弧内において、略称などと併記した数値は、当該樹脂のTgをそれぞれ示す)。なかでも、特に透明性が求められる用途には、脂環式ポリオレフィン等を使用するのが好ましい。
なお、プラスチック支持体12のTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。
プラスチック支持体12は、光に対して透明であることが好ましい。言い換えると、透明プラスチック支持体であることが好ましい。より具体的には、400〜1000nmの波長範囲の光に対する光透過率は、通常、80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。なお、光透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光透過率測定装置を用いて全光透過率および散乱光量を測定し、全光透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。本明細書においては、光透過率は、この方法を用いた値を採用している。
プラスチック支持体12の厚みに関して特に制限はないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜300μmである。
プラスチック支持体12の裏面(透明電極層14を設置しない側の面)には、公知の機能性層を設けてもよい。機能性層の例としては、後述するガスバリア層、マット剤層、反射防止層、ハードコート層、防曇層、防汚層等が挙げられる。このほか、機能性層に関しては特開2006−289627号公報の段落番号〔0036〕〜〔0038〕に詳しく記載されている。
(透明電極層)
透明電極層14は、プラスチック支持体12上に配置される電極層であり、有機薄膜太陽電池10においては負極の役割を果たす。
透明電極層14は、少なくとも透明導電材料を含む層である。透明電極層14は、通常、可視光から近赤外光の光透過性に優れることを要する。具体的には、透明導電材料により膜厚0.1μmの層を形成したとき、波長400nm〜800nm領域における形成された層の平均光透過率が50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
透明電極層14に用いる透明導電材料は、導電性が高いことが要求され、成膜後の比抵抗が8×10-3Ω・cm以下であることが好ましい。このような比抵抗を実現する透明導電材料としては、例えば、透明導電材料は金属酸化物(インジウム−スズ酸化物、アンチモンースズ酸化物、アルミニウム−亜鉛酸化物、ホウ素−亜鉛酸化物、スズフッ化酸化物など)、導電性ナノ材料(例えば、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)のアクリルポリマー等への分散物、導電性ポリマー(例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数種有するポリマー等)が挙げられる。
透明電極層14の厚みは特に制限されないが、導電特性および透明性のバランスに優れる点で、50nm〜1μmであることが好ましく、100nm〜300nmであることがより好ましい。
(光電変換層)
光電変換層16は、有機薄膜太陽電池10の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する層である。
光電変換層16は、有機材料である電子供与性化合物(正孔輸送材料)と電子受容性化合物(電子輸送材料)とを混合したバルクヘテロ構造を有する。
使用される電子供与性化合物の種類は特に制限されず、上述した第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルと所定の関係を満たしていればよく、例えば、各種のアレーン(例えば、チオフェン、カルバゾール、フルオレン、シラフルオレン、チエノピラジン、チエノベンゾチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェンなど)をカップリングさせた共役ポリマー、フェニレンビニレン系ポリマー、ポルフィリン類、フタロシアニン類等が例示される。このほか、Chem.Rev.2007,107,953−1010にHole Transport materialとして記載されている化合物群やジャーナル オブジ アメリカン ケミカル ソサエティー第131巻、16048頁(2009年)に記載のポルフィリン誘導体も適用可能である。
これらの中では、チオフェン、カルバゾール、フルオレン、シラフルオレン、チエノピラジン、チエノベンゾチオフェン、ジチエノシロール、キノキサリン、ベンゾチアジアゾール、およびチエノチオフェンからなる群より選ばれた構成単位をカップリングさせた共役ポリマーが特に好ましい。具体例としては、ポリ3−ヘキシルチオフェン、ポリ3−オクチルチオフェン、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー第130巻、3020頁(2008年)に記載の各種ポリチオフェン誘導体、アドバンスト マテリアルズ第19巻、2295頁(2007年)に記載のPCDTBT、ジャーナル オブ ジアメリカン ケミカル ソサエティー第130巻、732頁(2008年)に記載のPCDTQx、PCDTPP、PCDTPT、PCDTBX、PCDTPX、ネイチャー フォトニクス第3巻、649頁(2009年)に記載のPBDTTT−E、PBDTTTC、PBDTTT−CF、アドバンスト マテリアルズ第22巻1−4頁(2010年)に記載のPTB7等が挙げられる。
電子供与性化合物のイオン化ポテンシャル(言い換えると、HOMO準位の絶対値)は、4.5〜5.4eVが好ましく、5.0〜5.4eVがより好ましい。
使用される電子受容性化合物の種類は特に制限されないが、LUMO準位が−3.5eV〜−4.5eVのπ電子共役化合物が好ましく、具体的には、フラーレンおよびその誘導体、フェニレンビニレン系ポリマー、ナフタレンテトラカルボン酸イミド誘導体、ペリレンテトラカルボン酸イミド誘導体などが挙げられる。これらの中では、フラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体の具体例としてはC60、フェニル−C61−酪酸メチル(文献等でPCBM、[60]PCBM、あるいはPC61BMと称されるフラーレン誘導体)、C70、フェニル−C71−酪酸メチル(多くの文献等でPCBM、[70]PCBM、あるいはPC71BMと称されるフラーレン誘導体)、およびアドバンスト ファンクショナル マテリアルズ第19巻、779−788頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティー第131巻、16048頁(2009年)に記載のフラーレン誘導体SIMEF等が挙げられる。
光電変換層16に含まれる電子供与性化合物と電子受容性化合物との混合比は、変換効率が最も高くなるように調整される。電子供与性化合物と電子受容性化合物との混合比は、通常は、質量比で、10:90〜90:10の範囲から選ばれる。このような混合有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着による共蒸着方法が挙げられる。または、電子供与性化合物と電子受容性化合物、両方の有機材料が溶解する溶媒を用いて溶剤塗布することによって混合有機層を作製することも可能である。
光電変換層16の層厚は10nm〜500nmが好ましく、20nm〜300nmが特に好ましい。
バルクヘテロ型の光電変換層16においては、電子供与性化合物と電子受容性化合物とは完全に均一に混合していてもよいし、1nm〜1μmのドメインサイズとなるように相分離していてもよい。相分離構造は、不規則構造でも規則構造でもよい。規則構造を形成する場合、ナノインプリント法等のトップダウンによる規則構造でもよいし、自己組織化等のボトムアップによるものでもよい。
なお、図1においては、光電変換層16はバルクヘテロ型の場合について詳述したが、この形態には限定されない。
光電変換層は、電子供与性化合物を含む電子供与性層(ホール輸送層)と電子受容性化合物を含む電子受容性層(電子輸送層)からなる平面ヘテロ構造でもよい。平面ヘテロ構造をとる場合、正極側に電子供与性層が負極側も電子受容性層が配置される。また、平面ヘテロ構造の中間層としてバルクヘテロ層を有するハイブリッド構造であってもよい。
なお、平面ヘテロ構造の場合に、電子供与性層および電子受容性層において、使用される電子供与性化合物および電子受容性化合物は、上述の通りである。
光電変換層16が平面ヘテロ構造を有する場合、電子供与性層の層厚は特に制限されないが、光電変換性能の点から、5〜500nmが好ましく、10〜200nmが特に好ましい。
光電変換層16が平面ヘテロ構造を有する場合、電子受容性層の層厚は特に制限されないが、光電変換性能の点から、5〜500nmが好ましく、10〜200nmが特に好ましい。
(対向電極層22)
対向電極層22は、第2正孔輸送層20上に配置される電極層であり、有機薄膜太陽電池10においては正極の役割を果たす。
対向電極層22は、通常、金属電極層である場合が多く、仕事関数の比較的小さい金属で構成されることが好ましく、例えば、アルミニウム、マグネシウム、銀、銀−マグネシウム合金等が例示される。
対向電極層22の層厚は特に制限されないが、光電変換性能の点から、10〜500nmが好ましく、50〜300nmがより好ましい。
対向電極層22は、各種の湿式製膜法、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても形成することができる。これらの中で、印刷法、インクジェット法、蒸着法が好ましい。
対向電極層22を形成するに際してのパターニングは、印刷、インクジェット等の方法が例示される。フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等を行ってもよい。
なお、本発明において、対向電極層22の形成位置は特に制限はなく、第2正孔輸送層20上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
(任意の構成層)
図1に示す有機薄膜太陽電池10は、上述したプラスチック支持体12、透明導電層14、光電変換層16、第1正孔輸送層18、第2正孔輸送層20、対向電極層22を有するが、該形態には限定されず、必要に応じて上記以外の層を有していてもよい。
以下に、その例を示す。
(上部封止部材)
有機薄膜太陽電池は、対向電極層22上にさらに上部封止部材を有していてもよい。上部封止部材が配置されることにより、外界の雰囲気から有機薄膜太陽電池が隔離され、光電変換性能がより向上する。
上部封止部材は、保護層、ガスバリア層、接触材層、または、プラスチック支持体を含んでもよい。上部封止部材の好ましい構成例としては、対向電極層22側から、保護層、接着剤層、ガスバリア層、プラスチック支持体の順で積層された積層体が挙げられる。以下に、各層の構成について詳述する。
保護層は、通常、MgO、SiO、SiO2、Al23、Y23、TiO2等の金属酸化物、SiNx等の金属窒化物、SiNxy等の金属窒化酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリパラキシリレンなどのポリマー等が挙げられる。これらのうち、金属の酸化物、窒化物、窒化酸化物が好ましく、珪素、アルミニウムの酸化物、窒化物、窒化酸化物が特に好ましい。保護層は、単層でも上記から選ばれる異なる材料の多層構成であってもよい。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、真空紫外CVD法、コーティング法、印刷法、転写法などを適用できる。
ガスバリア層は、ガスバリア性を有する層であれば、特に制限はない。通常、ガスバリア層は無機物の層(無機層と称することがある)である。無機層に含まれる無機物としては、典型的には、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、珪素、チタン、亜鉛、スズの酸化物、窒化物、酸窒化物、炭化物、水素化物などが挙げられる。これらは純物質でもよいし、複数組成からなる混合物や傾斜材料層でもよい。これらのうち、アルミニウムの酸化物、窒化物若しくは酸窒化物、または、珪素の酸化物、窒化物若しくは酸窒化物が好ましい。
ガスバリア層としては有機層を使用することもでき、低コストかつ製造が用意で、透明性が高いことから、(メタ)アクリレートの重合体が好ましい。
ガスバリア層としての無機層は単層でも、複数層の積層でもよい。ガスバリア層が積層構造を有する場合、無機層と有機層との積層でもよく、複数の無機層と複数の有機層の交互積層でもよい。有機層、無機層の具体的な例や積層方法については、特開2010−87339号公報に記載されている。なお、同公報における「有機ポリマー層」の用語が本発明における有機層の用語に該当する。
ガスバリア層としての無機層の厚みに関しては特に限定はないが、1層に付き、通常、5〜500nmの範囲内であり、好ましくは10〜200nmである。無機層は複数のサブレイヤーから成る積層構造であってもよい。この場合、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
ガスバリア層としての有機層の厚みに関しては特に限定はないが、1層に付き、300〜3000nmが好ましい。
また、米国公開特許2004−46497号明細書に開示してあるように、無機層とそれに隣接する有機層との界面が明確で無く、組成が層厚方向で連続的に変化する層であってもよい。
接着剤としては、特に制限はないが、例えば、エマルジョンタイプの接着剤、ワックスホットメルトラミネーション用接着剤、およびドライラミネーション用接着剤などが好ましい。
エマルジョンタイプの接着剤の例としては、熱可塑性エラストマー、LDPE、IO(アイオノマー)、PVDC、PE(ポリエチレン)ワックスなどを分散したコーティング剤等が挙げられる。
ワックスホットメルトラミネーション用接着剤の例としては、PVDC(ポリ塩化ビニリデン樹脂をコートしたOPP(二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロンフィルム、PETフィルム、PVAフィルム)などが挙げられる。
ドライラミネーション用接着剤の例としては、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、アイオノマー共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ニトロセルロース、酢酸セルロース、およびシリコーンなどが挙げられる。
プラスチック支持体の定義はすでに述べたものと同様である。
上述した上部封止部材の設置方法は特に制限されず、例えば、まず、対向電極層22上に保護層を設ける。その後、プラスチック支持体上にガスバリア層を設置した封止フィルム(プラスチック支持体)を作製し、上記保護層上に接着剤を介して封止フィルムを接着する。上部に透明性が必要とされない場合、保護層上に金属箔をラミネートしたガスバリア性フィルムを接着する方法をとってもよい。
また、プラスチック支持体12の対向電極層22側の表面には、上述したガスバリア層が配置されていてよい。言い換えると、プラスチック支持体12と対向電極層22との間に、ガスバリア層が配置されていてもよい。ガスバリア層の形態は、上述の通りである。
[第2の実施形態]
図2は、本発明の有機薄膜太陽電池の第2の実施形態の層構成を模式的に示す断面図である。
有機薄膜太陽電池100は、プラスチック支持体12、透明導電層140、光電変換層16、第1正孔輸送層18、第2正孔輸送層20、対向電極層22をこの順で有する。透明電極層140は、金属パターン層24と透明導電性樹脂層26とを有する。なお、有機薄膜太陽電池100は、有機薄膜太陽電池10と同様に、いわゆる逆型有機薄膜太陽電池であり、プラスチック支持体12側の表面が受光面であって、プラスチック支持体12に近い側の透明導電層140が負極に該当する。
図2に示す有機薄膜太陽電池100は、透明導電層140を備える点を除いて、図1に示す有機薄膜太陽電池10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では透明導電層140について詳述する。
(透明電極層)
透明電極層140は、プラスチック支持体12上に配置される電極層であり、金属パターン層24と透明導電性樹脂層26とを有する。金属パターン層24は、複数の金属配線層28から構成される。透明電極層140が延性に優れる金属パターン層24および透明導電性樹脂層26を備えることにより、より可撓性に優れる有機薄膜太陽電池10が得られる。
透明電極層140は、透明性および導電性が双方高いものであることが好ましい。高い透明性のためには、金属パターン層24の開口部の面積が大きい(開口率が大きい)ことが好ましい。一方、高い導電性のためには、同じ金属で比較した場合は金属配線層28の断面積が大きいことが好ましい
図3は図2のA−A線に沿った矢視平面図であり、金属パターン層24は複数の細線状の金属配線層28から構成され、金属配線層28はストライプ状に配置されている。なお、金属パターン層24のパターン形状は図3の形態に限定されず、メッシュ、ハニカム、菱形など任意に設計できる。
なお、金属パターン層24によって規定される開口部の開口率は、透明性の点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。光透過率と導電性はトレードオフの関係にあるため、開口率は大きいほど好ましいが、現実的には95%以下となる。なお、開口部とは金属パターン層24が形成されていない開口領域30を意味し、より詳しくは、金属パターン層24が形成されておらず、後述する透明導電性樹脂層26がある透明電極層14上の領域を意図する。なお、開口率は、開口領域30の面積率[開口領域30の面積/(開口領域30の面積+金属パターン層24の面積)]を意味する。
金属パターン層24の金属配線層28の材料としては、導電性が高い金属または合金であれば特に制限されないが、比抵抗が1×10-5Ω・cm以下の金属または合金からなることが好ましい。このような金属または合金としては、より具体的には、金、白金、鉄、銅、銀、ニッケル、アルミニウム、およびこれら金属を含む合金などが挙げられる。より好ましい例としては、銅、銀、またはこれらを含む合金が挙げられる。金属材料自体の低コスト化の観点や耐マイグレーションの観点では、銅が好ましい。
金属配線層28の平面視による線幅Wは、透明性の観点から、0.1〜1mm以下が好ましく、金属配線層28の間隔Dは、透明性の観点から、3〜30mmが好ましい。
金属配線層28の抵抗値としては、50Ω/cm以下が好ましく、20Ω/cm以下がより好ましく、10Ω/cm以下がさらに好ましい。このような導電性(低抵抗であること)を実現するには、金属配線層28の断面積を大きくする方法がある。また、開口率を大きくするには、断面の形状として、フィルム平面方向の長さ(線幅)が短く層厚方向の長さ(層厚)が大きいことが有利である。
ところが、このような断面を有する金属配線層28を設置すると大きな段差が生じやすい。有機薄膜太陽電池10では光電変換層16の層厚が比較的薄い場合が多く、金属配線層28により生じた段差が大きいと、金属配線層28の凸部の角で短絡(故障)しやすい。このため、金属配線層28起因の段差を小さくし、金属配線層28凸部の角を鈍角化することは、開口率を高めるよりも重要な課題であり、開口率をある程度犠牲にした設計を採らざるを得ない場合もある。すなわち、金属配線層28断面の形状として、線幅が長く層厚が薄い設計が選択される。好ましい線幅と層厚の比率は、20000:1〜200:1の範囲である。ここで、層厚とは線幅の中で最も厚い部分の値を用いる。
金属配線層28の断面形状は、図2においては長方形である。
ただし、金属配線層28の断面形状はこの形態に限定されず、等脚台形、鈍角二等辺三角形、半円形、円弧と弦で囲まれる図形、これらを変形した図形などが可能である。このとき、長方形のように凸部の角が直角である断面よりも、テーパのある等脚台形や鈍角二等辺三角形の方が、短絡が起きにくく好ましい。また、明確に角がある断面よりも、曲線やスロープによって段差を滑らかにしたような断面形状の方が、短絡が起きにくく好ましい。
金属パターン層24の設置方法は特に制限されず、例えば、蒸着法、スパッタ法、印刷法、インクジェット法などがあり、適宜選択される。金属パターン層24を印刷法やインクジェット法で形成する場合、所望の導電性を損なわない範囲で、バインダーが添加されてもよい。バインダーの例としては、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂や、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾールなどの親水性ポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは膜強度を高めるために架橋構造を形成したものであってもよい。
なお、金属パターン層24の構成は図3の形態に限定されず、図4に示すように、金属配線層28と交差するバスライン32を有していてもよい。
バスライン32は、動作面全体にとって必要な導電性を確保するといった観点から、形成される配線である。バスライン32の好ましい線幅は、線幅1〜5mmが好ましく、1〜3mmがより好ましい。
バスライン32の線幅は、必ずしも均一である必要はない。バスライン32と金属配線層28とは同一材料であっても、異なる材料であってもよい。バスライン32は通常、金属配線層28と直交するように設置されるが、90度以外の角度で交差するものであってもよい。バスライン32の厚み、断面形状、材質については、金属配線層28と同様の定義が適用される。
バスライン32の間隔(ピッチ)は金属配線層28と同様に、大面積の導電性と光透過率の妥協点としての最適条件が選ばれる。具体的には、隣り合うバスライン32を接続する金属配線層28の導電性で決定される。典型的には、隣り合う2本のバスライン32を接続する金属配線層28の抵抗値が、一本につき50Ω以下となる間隔が選ばれることが好ましい。抵抗値は20Ω以下が好ましく、10Ω以下が特に好ましい。
バスライン32のピッチは、好ましくは40〜200mmである。
バスライン32は蒸着法で形成してもよいし、印刷法、インクジェット法などの方法で形成してもよい。金属配線層28とバスライン32とを同一の組成の材料を用いて同時に形成することが、コストの観点で有利である。金属配線層28とバスライン32とをマスク蒸着法を用いてロール・トゥ・ロールで同時に作製する場合、一般的に、金属配線層28を作製するための固定マスクと、バスライン32を作製するための可動式マスクを有する設備が必要となる。
透明導電性樹脂層26は、金属パターン層24を覆うと共に、金属パターン層24の開口領域30に充填される層である。透明導電性樹脂層26は、有機薄膜太陽電池の発光スペクトルまたは作用スペクトル範囲において透明であることが要し、通常、可視光から近赤外光の光透過性に優れることを要する。具体的には、層厚0.1μmとしたとき、波長400nm〜800nm領域における平均光透過率が50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
透明導電性樹脂層26の厚みは特に制限されないが、20〜500nmが好ましく、30〜300nmがより好ましく、50〜200nmがさらに好ましい。
透明導電性樹脂層26としては、上記透明性を有し、導電性を有するものであれば特に制限されないが、成膜後の比抵抗が8×10-3Ω・cm以下である透明導電性樹脂を主成分とすることが好ましい。ここで主成分とは、透明導電性樹脂層26全量に対する、含量80%以上の成分を意味する。
このような比抵抗を実現する透明導電性樹脂としては、導電性ナノ材料のアクリルポリマー等への分散物(例えば、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェンなど)、導電性ポリマー(例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアジアゾール等や、これら導電骨格を複数種有するポリマー等)が挙げられる。
これらのなかではポリチオフェンが好ましく、ポリエチレンジオキシチオフェンが特に好ましい。これらのポリチオフェンは導電性を得るために、通常、部分酸化されている。導電性ポリマーの導電性は部分酸化の程度(ドープ量)で調節することができ、ドープ量が多いほど導電性が高くなる。部分酸化によりポリチオフェンはカチオン性となるので、電荷を中和するための対アニオンを有する。そのようなポリチオフェンの例としては、ポリスチレンスルホン酸を対イオンとするポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOTPSS)が挙げられる。
PEDOT−PSSは導電性を高める目的で高沸点の有機溶媒を含有してもよい。高沸点有機溶媒の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
上記比抵抗を実現する具体的な商品例としては、アグファ社製、Orgacon(オルガコン)S−305、H.C.シュタルク社製、Clevios(クレビオス)PH−1000などが挙げられる。
透明導電性樹脂層26には、所望の導電性を損なわない範囲であれば、他のポリマーが添加されてもよい。他のポリマーは塗布性を向上させる目的や膜強度を高める目的で添加される。
他のポリマーの例としては、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂や、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾールなどの親水性ポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは膜強度を高めるために架橋構造を形成したものであってもよい。
透明導電性樹脂層26は、上述した金属パターン層24が形成した後、公知の手段で成膜することが、金属パターン層24により生じた段差を透明導電性樹脂で平滑化されるため、好ましい。
なお、透明導電性樹脂層26の成膜方法の好適形態としては、透明導電性樹脂を含む組成物を金属パターン層24が配置されたプラスチック支持体12上に塗布して、必要に応じて加熱処理を行い、透明導電性樹脂層26を形成する方法などが挙げられる。
[第3の実施形態]
図5は、本発明の有機薄膜太陽電池の第2の実施形態の層構成を模式的に示す断面図である。
有機薄膜太陽電池200は、プラスチック支持体12、透明導電層14、電子輸送層34、光電変換層16、第1正孔輸送層18、第2正孔輸送層20、対向電極層22をこの順で有する。なお、有機薄膜太陽電池200は、有機薄膜太陽電池10と同様に、いわゆる逆型有機薄膜太陽電池であり、プラスチック支持体12側の表面が受光面であって、プラスチック支持体12に近い側の透明導電層14が負極に該当する。
図5に示す有機薄膜太陽電池200は、電子輸送層34を備える点を除いて、図1に示す有機薄膜太陽電池10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、以下では電子輸送層34について詳述する。
(電子輸送層)
電子輸送層34は、光電変換層16から透明電極層14への電子の輸送が容易に行われるように、透明電極層14と光電変換層16との間に設けられる層である。なお、電子輸送層16は、光電変換層16から透明電極層14へ正孔が移動するのをブロックする機能も有する。
電子輸送層34に用いることのできる電子輸送材料としては、上記の材料および、Chem.Rev.2007,107,953−1010にElectron Transport Materialsとして記載されているものや、電子輸送性を有するn型無機酸化物半導体(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン等)が挙げられる。これらの中では、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
電子輸送層34の膜厚は特に制限されないが、20〜1000nmが好ましく、20〜200nmがより好ましい。
電子輸送層34は、各種の湿式製膜法、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法など、いずれによっても好適に形成することができる。とりわけ、ジャーナル オブフィジカル ケミストリー C 第114巻、6849〜6853頁(2010年)に記載の酸化亜鉛層の形成方法や、シン ソリッド フィルム 第517巻、3766〜3769頁(2007)、アドバンスト マテリアルズ第19巻、2445〜2449頁(2007年)に記載の酸化チタン層の形成方法が特に好適である。
電子輸送層34の好適形態としては、図6に示すように、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子より形成される第1金属酸化物層34aと、平均粒子径20〜100nmの金属酸化物粒子より形成される第2金属酸化物層34bとの少なくとも2層を含む電子輸送層340が挙げられる。電子輸送層340を含む有機薄膜太陽電池300は、光電変換特性およびフレキシブル性により優れる。
以下では、第1金属酸化物層34aおよび第2金属酸化物層34bについて詳述する。
第1金属酸化物層34aは、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子(以後、適宜金属酸化物粒子Aとも称する)より形成される層である。つまり、第1金属酸化物層34aは、主に金属酸化物粒子より構成され、通常、いわゆる多孔質層である。
使用される金属酸化物粒子Aの種類は限定されず、例えば、n型半導体の性質を有する金属酸化物粒子を好適に使用できる。例えば、亜鉛、チタン、スズ、およびタングステンからなる群から選択される少なくとも一つの金属原子を有する金属酸化物粒子が挙げられる。なかでも、折り曲げ前の初期の光電変換性能がより優れる点で、亜鉛およびチタンからなる群から選択される少なくとも一つの金属原子を有する金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子Aの平均粒子径は、1〜10nmである。なかでも、折り曲げ後の光電変換性能がより優れる点で、2〜8nmが好ましく、3〜6nmがより好ましい。
なお、金属酸化物粒子Aの平均粒子径の測定方法は、第1金属酸化物層34aの断面を電子顕微鏡で観察し、少なくとも100個以上の金属酸化物粒子の直径を測定し、それらを算術平均して求める。なお、金属酸化物粒子Aが球状でない場合、その長径を直径として取り扱う。なお、簡易的には原子間力顕微鏡(AFM)を用いて表面の凹凸周期から直径を求めてもよい。
第1金属酸化物層34aの層厚は特に制限されないが、折り曲げ後の光電変換性能がより優れる点で、5〜200nmが好ましく、10〜100nmがより好ましい。
第2金属酸化物層34bは、平均粒子径20〜100nmの金属酸化物粒子(以後、適宜金属酸化物粒子Bとも称する)より形成される層である。つまり、第2金属酸化物層34bは、主に金属酸化物粒子より構成され、通常、いわゆる多孔質層である。
金属酸化物粒子Bの種類は、上述した金属酸化物粒子Aの種類と同義である。
金属酸化物粒子Bの平均粒子径は、20〜100nmである。平均粒子径がこの範囲であることにより、優れた光電変換性能が得られる。なかでも、光電変換性能がより優れる点で、20〜80nmが好ましく、30〜60nmがより好ましい。
なお、金属酸化物粒子Bの平均粒子径の測定方法は、第2金属酸化物層34bの断面を電子顕微鏡で観察し、少なくとも100個以上の金属酸化物粒子の直径を測定し、それらを算術平均して求める。なお、金属酸化物粒子Bが球状でない場合、その長径を直径として取り扱う。
第2金属酸化物層34bの層厚は特に制限されないが、折り曲げ前の初期の光電変換性能がより優れる点で、10〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。
第1金属酸化物層34aおよび第2金属酸化物層34bの製造方法は、上述した金属酸化物粒子より形成される層が製造できれば特に制限されない。
例えば、金属酸化物粒子を含む塗膜形成用組成物を使用する方法が挙げられる。例えば、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子を含む塗膜形成用組成物を透明電極層14上に塗布して、必要に応じて、加熱処理を施して、第1金属酸化物層34aを作製する方法が挙げられる。なお、第2金属酸化物層34bを作製する場合、第1金属酸化物層34a上に平均粒子径20〜100nmの金属酸化物粒子を含む塗膜形成用組成物を塗布して、上記と同様の手順で、第2金属酸化物層34bを作製する。
塗膜形成用組成物には金属酸化物粒子以外に、必要に応じて、各種溶媒が含まれていてもよい。溶媒が含まれることにより、第1金属酸化物層34aまたは第2金属酸化物層34bの層厚の調整がより容易となる。
使用される溶媒の種類は特に制限されず、水または有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、)、ケトン系溶媒(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、トルエン、キシレン)、アミド系溶媒(例えば、ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、エステル系溶媒(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル)、カーボネート系溶媒(例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート)、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒などが挙げられる。これらの溶媒を、2種以上混合して使用してもよい。
塗膜形成用組成物を透明電極層14上に塗布した後に実施される任意工程である加熱処理によって、形成された塗膜から溶媒などが容易に除去されると共に、金属酸化物粒子間の結合がより強化される。加熱処理の条件は特に制限されず、使用される金属酸化物粒子の種類などに応じて、最適な条件が選択される。なかでも、50〜250℃(より好ましくは80〜180℃)で5分〜4時間(より好ましくは10分〜2時間)の加熱処理を実施するのが好ましい。
第1金属酸化物層34aおよび第2金属酸化物層34bの他の製造方法としては、上述した金属酸化物粒子を含む塗膜形成用組成物以外に、金属酸化物前駆体を含む塗膜形成用組成物を使用する方法も挙げられる。例えば、所定の大きさの金属酸化物粒子を形成し得る金属酸化物前駆体を含む塗膜形成用組成物を透明電極層14上に塗布して、必要に応じて加熱処理を施し、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子を形成させ、第1金属酸化物層34aを作製する方法が挙げられる。
なお、第2金属酸化物層34bを作製する場合、第1金属酸化物層34a上に金属酸化物前駆体を含む塗膜形成用組成物を塗布して、上記と同様の手順で、第2金属酸化物層34bを作製する。
使用される金属酸化物前駆体の種類は、所定の条件で上述した所定の大きさの金属酸化物粒子を調製できる化合物であれば、特に制限されない。例えば、β−ジケトナート錯体、および金属キレートなどの金属錯体が挙げられる。
β−ジケトナート錯体としては、例えば、金属原子(例えば、上述した金属酸化物粒子に含まれる金属原子)と、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ベンゾイルトリフルオロアセトン、ベンゾイルジフルオロアセトンまたはベンゾイルフルオロアセトンとの錯体が挙げられる。より具体的には、Zn(acac)2などが挙げられる。
より具体的には、Zn(acac)2を含む塗膜形成用組成物を透明電極層14上に塗布して、加熱処理を施すと、上述した所定の平均粒子径を有する金属酸化物粒子(ZnO)が形成され、所望の第1金属酸化物層34aまたは第2金属酸化物層34bが得られる。
なお、金属酸化物前駆体として金属アルコキシドを使用する場合は、その種類によっては所望の第1金属酸化物層34aと第2金属酸化物層34bを製造することが困難である。例えば、チタンアルコキシドなどを使用すると、加水分解速度の制御が難しく、所望の第1金属酸化物層34aや第2金属酸化物層34bが得られない。
なお、図6においては、透明電極層14上に第1金属酸化物層34aが配置され、さらに第1金属酸化物層34a上に第2金属酸化物層34bが配置されているが、第1金属酸化物層34aと第2金属酸化物層34bとの積層順番が逆であってもよい。つまり、透明電極層14上に第2金属酸化物層34bが配置され、さらに第2金属酸化物層34b上に第1金属酸化物層34aが配置されていてもよい。
以下、実施例により、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
プラスチック支持体である厚み100μmのポリエチレンナフタレートフィルム(以下PENフィルムと略す)の一面上にガスバリア層を形成し、ガスバリア層上に透明導電層、電子輸送層、光電変換層、第1正孔輸送層、第2正孔輸送層、対向電極層を積層することにより、実施例1の有機薄膜太陽電池を作製した。
以下に、詳細な手順を示す。
〔ガスバリア層の形成〕
PENフィルム上に、ワイヤーバーを用いて、重合性組成物(ダイセルサイテック社製EB−3702(13g)、共栄社化学製ライトアクリレートTMP−A(6g)、日本化薬製KAYAMER PM−21(1g)、Lamberti社製紫外線重合開始剤ESACURE KTO−46(0.5g)、2−ブタノン190gの混合溶液)を塗布した。乾燥後、窒素置換法により酸素濃度が0.1%となったチャンバー内にて高圧水銀ランプの紫外線を照射(積算照射量1J/cm2)して有機層を硬化させ、層厚が1.5μmの有機層を形成した。
スパッタリング装置を用いて、有機層の上に無機層(酸化アルミニウム層)を形成した。ターゲットとしてアルミニウムを、放電ガスとしてアルゴンを、反応ガスとして酸素を用いた。製膜圧力は0.1Pa、到達層厚は40nmであった。
得られた積層体上に上記重合性組成物を上記と同様の方法で塗布、硬化させ、層厚が1.5μmの有機層を形成した。
このようにしてPENフィルム上に有機層、無機層、有機層の3層からなるガスバリア層を形成した。このガスバリア層を有するPETフィルムの40℃・相対湿度90%における水蒸気透過率を、水蒸気透過率測定器(MOCON社製、PERMATRAN−W3/31)を用いて測定したところ、この測定の検出限界値(0.005g/m2/day)以下であった。
[金属パターン層の形成]
ガスバリア層が成膜されたPENフィルムをそれぞれ25mm角に裁断し、25mm角基板用のマスクを真空蒸着装置にセットし、ガスバリア層上に抵抗加熱法によって銀の金属配線層を100nm蒸着して金属パターン層を形成した。蒸着はデポアップで、蒸着パターンは、線幅0.3mm、線の長さ20mm、線の間隔4mmの平行ストライプである。このパターンを形成するために、厚さ0.1mmのステンレスマスクを、PENフィルムの下方に1mmのクリアランスでセットした。
次に、金属パターン層中の金属配線層の末端同士を、銀ペーストを使って互いに接触させた。
〔透明導電性樹脂層の形成〕
次に、金属パターン層が形成された面の上面から、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸(略称:PEDOT−PSS)の水分散物(アグファ社製、オルガコンS−305)をスピンコートした。次に、このフィルムを110℃で20分間加熱乾燥して、透明導電性樹脂からなる透明導電性樹脂層を形成した。このとき、透明導電性樹脂層の層厚は100nmであった。
[電子輸送層の形成]
ZnO粒子を含む溶液(アルドリッチ社製、721085−100G)を純水で80倍に希釈した溶液を、透明導電性樹脂層上にスピンコーター(500rpm、120秒)で回転塗布し、成膜して、電子輸送層を形成した。
〔光電変換層の形成〕
光電変換層として、バルクヘテロ層を形成した。P3HT(ポリ−3−ヘキシルチオフェン、Lisicon SP−001(商品名)、メルク社製)20mg、および、ICBA(インデンC60ビスアダクト、アルドリッチ社製)14mgをクロロベンゼン1mlに溶解させ、バルクヘテロ層塗布液とした。これを上記電子輸送層上にスピンコートし、バルクヘテロ層を形成した。スピンコーターの回転速度は500rpm、乾燥層厚は180nmであった。
その後、ホットプレートを用いて130℃で15分間加熱した。
[第1正孔輸送層の形成]
上記光電変換層上に、ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホン酸(略称:PEDOT−PSS)の有機溶剤分散物(H.C.Starck社製、CPP 105D)をスピンコートした。次に、これを140℃で15分間加熱乾燥して、第1正孔輸送層を形成した。第1正孔輸送層の厚みは40nmであった。
なお、光電変換層表面に対する有機溶剤分散物(CPP 105D)の接触角は20°未満であった。
[第2正孔輸送層の形成]
上記第1正孔輸送層上に、スルフォン化ポリチオフェン(OC1200)(Sigma-Aldrich製、699799−25ML、Poly(thiophene-3-[2-(2-methoxyethoxy)ethoxy]-2,5-diyl), sulfonated solution, electronic grade)をスピンコートし、これを130℃で15分間加熱乾燥して、第2正孔輸送層を形成した。第2正孔輸送層の厚みは100nmであった。
[対向電極層の形成]
第2正孔輸送層の上にアルミニウムを100nmの厚さとなるように蒸着し、対向電極層を形成した。このとき、光電変換の有効面積が1cm2となるようにマスク蒸着した。
〔光電変換効率および暗電流の測定〕
上記で得られた有機薄膜太陽電池に、ペクセルテクノロジーズ社L12型ソーラシミュレーターを用いて、AM1.5G、80mW/cm2の模擬太陽光を照射しながら、ソースメジャーユニット(SMU2400型、KEITHLEY社製)を用いて電圧範囲−0.1Vから1.0Vにて、発生する電流値を測定した。得られた電流電圧特性をペクセルテクノロジーズ社I−Vカーブアナライザーを用いて評価し、特性パラメーターとして初期電池特性である変換効率(%)を算出した。測定結果を下記表1に示す。
また、光を遮断した状態で上記と同様の測定を行い、暗電流を測定した。暗電流値は−0.5Vでの暗電流値を採用した。
[イオン化ポテンシャル(Ip)の測定]
光電変換層におけるP3HTと、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルを、理研計器製AC−2装置により測定した。
P3HT、第1正孔輸送層、および第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、それぞれ4.9eV、4.7eVおよび5.2eVであった。つまり、第1正孔輸送層のイオン化ポテンシャルIp1は第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルIp2より小さく、電子供与性化合物であるP3HTのイオン化ポテンシャルIp3は第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルIp2より小さかった。
[フレキシブル性の評価]
上記有機薄膜太陽電池を10サンプル用意し、各サンプルを20mmφの円筒状のステンレスに180°分巻きつけ、戻すという操作を100回繰り返した後、サンプルが短絡したか否かを評価し、短絡しなかった有機薄膜太陽電池の割合を算出した。
[割合(%)]=(短絡しなかった有機薄膜太陽電池の数/10サンプル)×100
<実施例2>
第1正孔輸送層の厚みを40nmから60nmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、有機薄膜太陽電池を製造し、各種測定を行った。
<実施例3>
電子輸送層の製造方法を以下の手順に変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、有機薄膜太陽電池を製造し、各種測定を行った。
[電子輸送層の形成]
次に、Zn(acac)2(和光純薬社製)を含むエタノール溶液を透明導電性樹脂層上に塗布して、160℃で20分間加熱処理を施し、第1金属酸化物層を形成した。なお、エタノール溶液中におけるZn(acac)2の含有量は、エタノール100質量部に対して、0.5質量部であった。
得られた第1金属酸化物層の表面を原子間力顕微鏡で観察したところ、第1金属酸化物層は、平均粒子径5nmのZnO粒子で形成された層であることが確認された。また、第1金属酸化物層の層厚は、80nmであった。
次に、ZnO粒子を含むエタノール溶液(アルドリッチ社製)をエタノールで8倍に希釈した溶液を、第1金属酸化物層上に塗布してそのまま乾燥し、第2金属酸化物層を形成した。なお、溶液中のZnO粒子の平均粒子径は40nmであり、その含有量はエタノール溶媒100質量部に対して、5質量部であった。
得られた第2金属酸化物層を電子顕微鏡で観察したところ、第2金属酸化物層は、出発物質である平均粒子径40nmのZnO粒子で形成された多孔質層であることが確認された。また、第2金属酸化物層の層厚は、100nmであった。
<実施例4>
対向電極層の製造方法を以下の手順に変更した以外は、実施例3と同様の手順に従って、有機薄膜太陽電池を製造し、各種測定を行った。
[対向電極層の形成]
ハリマ化成製NPS−JLインク(Agナノ粒子分散溶液)を用いて、インクジェット法によりAg電極を形成した。
<比較例1>
第1正孔輸送層の厚みを40nmから100nmに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、有機薄膜太陽電池を製造し、各種測定を行った。
<比較例2>
第1正孔輸送層の厚みを40nmから200nmに変更し、第2正孔輸送層を形成しなかった以外は、実施例1と同様の手順に従って、有機薄膜太陽電池を製造し、各種測定を行った。
表1中、「電子輸送層」欄において、「ZnO−np」はZnO粒子により形成された単層の電子輸送層を表し、「Zn(acea)2/ZnO−np」はZn(acea)2より形成された層とZnO粒子により形成された層とを有する電子輸送層を表す。
「対向電極」欄においては、蒸着により作製した場合を「蒸着Ag」として表し、インクジェット法により作製した場合を「IJ−Ag」として表す。
Figure 2014090114
表1から分かるように、本発明の有機薄膜体太陽電池では、暗電流特性および光電変換効率に優れると共に、フレキシブル性も優れていた。特に、電子輸送層が2層である実施例3および4の場合、暗電流特性がより抑制される共に、フレキシブル性により優れることが確認された。
一方、特許文献1で具体的に開示されている層厚関係の比較例1においては、実施例と比較して、暗電流特性、光電変換効率、およびフレキシブル性のすべてにおいて劣ることが確認された。また、第2正孔輸送層を形成しなかった比較例2においても、すべての項目で実施例より劣り、特に、暗電流特性およびフレキシブル性が劣ることが確認された。
10,100,200,300 有機薄膜太陽電池
12 プラスチック支持体
14,140 透明電極層
16 光電変換層
18 第1正孔輸送層
20 第2正孔輸送層
22 対向電極層
24 金属パターン層
26 透明導電性樹脂層
28 金属配線層
30 開口領域
32 バスライン
34,340 電子輸送層
34a 第1金属酸化物層
34b 第2金属酸化物層

Claims (8)

  1. プラスチック支持体上に、少なくとも、透明電極層と、光電変換層と、第1正孔輸送層と、第2正孔輸送層と、対向電極層とをこの順で有する有機薄膜太陽電池であって、
    前記光電変換層が電子供与性化合物および電子受容性化合物を少なくとも含有し、
    前記第1正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが、前記第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、
    前記電子供与性化合物のイオン化ポテンシャルが、前記第2正孔輸送層のイオン化ポテンシャルよりも小さく、
    前記第1正孔輸送層の厚みT1と前記第2正孔輸送層の厚みT2との比(T1/T2)が0.6以下である、有機薄膜太陽電池。
  2. 前記第1正孔輸送層が、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS)を含む、請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記第1正孔輸送層が、前記光電変換層に対する接触角が20°以下を示す第1正孔輸送層形成用組成物を用いて形成される、請求項1または2に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記第2正孔輸送層が、共役系高分子を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 前記透明電極層が、金属パターン層および透明導電性樹脂層を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
  6. 前記透明電極層と前記光電変換層との間に電子輸送層をさらに有する、請求項1〜5のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 前記電子輸送層が、亜鉛、チタン、スズ、および、タングステンからなる群から選択される少なくとも一つの金属原子を有する金属酸化物粒子を含む、請求項6に記載の有機薄膜太陽電池。
  8. 前記電子輸送層が、平均粒子径1〜10nmの金属酸化物粒子より形成される第1金属酸化物層と、平均粒子径20〜100nmの金属酸化物粒子より形成される第2金属酸化物層との少なくとも2層を含む、請求項6または7に記載の有機薄膜太陽電池。
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