JP5298961B2 - 有機光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は有機光電変換素子の製造方法に関するものであり、特に優れた発電効率を有する有機光電変換素子の製造方法に関するものである。
有機光電変換素子からなる有機薄膜太陽電池は、塗布法でも形成できることから大量生産に適した太陽電池として注目され、多くの研究機関で盛んに研究がなされている。有機薄膜太陽電池は電子ドナー材料と電子アクセプター材料を混合した、所謂バルクヘテロジャンクション構造によって、課題だった電荷分離効率を向上させている(例えば、特許文献1)。
近年では、光電変換効率は5〜6%台まで向上してきており、実用化に向けた研究がより活発化してきた分野と言える。しかしながら、今後の実用化に向けた有機光電変換素子においては、より高い効率で発電する有機光電変換素子の開発が望まれている。
有機光電変換素子の動作原理について説明すると、まず光励起により発生した励起子が、p型半導体とn型半導体の接触界面に拡散移動し、この励起子がp型半導体とn型半導体の接触界面でフリーキャリアへの電荷分離が起こる。そして、電荷分離により生じたキャリアのうち、電子はn型半導体層を通って電極へ運ばれ、正孔はp型半導体層を通り、もう一方の電極へ運ばれる。この結果、光電流が観測される。
バルクへテロジャンクション構造においては、p型半導体とn型半導体がミクロ的に海島構造を取ったミクロ相分離構造を有していると考えられている。例えば、p型半導体として導電性高分子であるP3HT、n型半導体としてフラーレン誘導体であるPCBMのブレンド溶液を透明性基板上に塗設した後、140〜200℃程度の温度で10〜60分程度の加熱によるアニールを行うと、ミクロ相分離と同時に導電性高分子P3HTの結晶化が促進される。その結果、電荷分離サイトとなるP3HTとPCBMの接触界面が多いドメイン構造を形成することで光電荷分離の促進、キャリア(電子、正孔)の輸送経路となる伝導パスが形成され、光電変換効率が向上すると考えられている。
発電層に用いられる有機半導体の加熱処理に関しては、ホットプレートやオーブンを用いて、加熱処理時の温度に関する提案や加熱処理時に溶媒蒸気に暴露する提案など、これまでに多くの提案がなされている(例えば、特許文献2)が、いずれも変換効率の観点からは十分満足できるものではなかった。
一方、有機光電変換素子の課題である更なる高効率化に関して、長波化材料の提案が数多くなされている。p型高分子半導体材料における長波化材料としては、低エネルギーバンドギャップ特性を有するPCPDTBTなどの新規半導体材料に関する提案がなされている。
また、PCPDTBTを用いた有機光電変換素子の形成方法に関連しては、PCPDTBTとC71−PCBMを含む光電変換発電層用塗布液にオクタンジオールやオクタンジアイオダイドなどの添加材料を添加することで、バルクへテロジャンクション構造のモフォロジーを制御するとともに吸収も長波化でき、高効率化できることが報告されている(例えば、特許文献3)が、未だ十分なものではなかった。
米国特許第5,331,183号明細書 米国特許第7,306,968号明細書 国際公開第08/66933号パンフレット
本発明の課題は、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子の製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.基板上に設けられた陽極、陰極、p型半導体材料とn型半導体材料を含む光電変換層を備える有機光電変換素子の製造方法において、p型半導体材料もしくはn型半導体材料のいずれか一方に対する貧溶媒単独からなる層又は貧溶媒を主成分とする層を塗布により形成した後、光電変換層を塗布法により形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
2.前記貧溶媒を主成分とする層が、貧溶媒と良溶媒からなる層であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子の製造方法。
.前記貧溶媒の沸点が100℃以上であることを特徴とする前記1又は前記2に記載の有機光電変換素子の製造方法。
3.前記1または2に記載の有機光電変換素子の製造方法によって製造されたことを特徴とする有機光電変換素子。
本発明の製造方法により、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子を提供することができた。
本発明のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子の断面図である。 本発明の光電変換層が3層構成のバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子の断面図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明は、p型半導体材料とn型半導体材料を用いたバルクへテロジャンクジャンクション構造を有する有機光電変換素子において、モルフォロジーを更に最適に制御し、高効率化を図る有機光電変換素子の製造方法、並びにその方法で作製された有機光電変換素子を提案するものである。
本発明者は、塗布法で形成し得る有機光電変換素子の効率向上の課題に関して鋭意検討を行った結果、基板上に設けられた陽極、陰極、及び光電変換層を備える有機光電変換素子の製造方法において、光電変換層に用いられるp型半導体材料またはn型半導体材料の貧溶媒を含む層を塗布した後、光電変換層を塗布することを特徴とする湿式法による簡易的なプロセスによって、高い光電変換効率を有する有機光電変換素子を作製できることを見出し、本発明に至った次第である。
(有機光電変換素子)
図1は、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子を示す断面図である。図1において、バルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10は、基板11の一方面上に陽極12、正孔輸送層15、光電変換層14、電子輸送層16及び陰極13が順次積層されている。
基板11は、順次積層された陽極12、光電変換層14及び陰極13を保持する部材である。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射するので、基板11は、この光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材である。基板11は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が用いられる。この基板11は必須ではなく、例えば、光電変換層14の両面に陽極12及び陰極13を形成することでバルクヘテロジャンクション型の有機光電変換素子10が構成されてもよい。
光電変換層14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、p型半導体材料とn型半導体材料とを有して構成される。p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。
図1において、基板11を介して陽極12から入射された光は、光電変換層14のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は内部電界、例えば、陽極12と陰極13の仕事関数が異なる場合では陽極12と陰極13との電位差によって、電子は電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ光電流が検出される。例えば、陽極12の仕事関数が陰極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は陽極12へ、正孔は陰極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば電子と正孔はこれとは逆方向に輸送される。また、陽極12と陰極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
なお、図1には記載していないが、正孔ブロック層、電子ブロック層、電子注入層、正孔注入層、あるいは平滑化層等の他の層を有していてもよい。
更に好ましい構成としては、前記14が所謂p−i−nの三層構成となっている構成(図2)である。通常の光電変換層はp型半導体材料とn型半導体層が混合したバルクヘテロジャンクション層からなるi層単体であるが、p型半導体材料単体からなるp層、及びn型半導体材料単体からなるn層で挟むことにより、正孔及び電子の整流性がより高くなり、電荷分離した正孔、電子の再結合等によるロスが低減され、一層高い光電変換効率を得ることができる。
(貧溶媒)
本発明の光電変換素子においては、p型半導体材料もしくはn型半導体材料のいずれか一方に対する貧溶媒単独からなる層又は貧溶媒を主成分とする層を塗布した後、光電変換層を塗布法により形成することが特徴である。
本発明で規定する構成を採ることにより、本発明の目的効果が得られる理由については、本発明者らは以下のように推測している。
有機光電変素子においては、光照射により発生した励起子がp型半導体とn型半導体の界面で電荷分離することでキャリアである電子と正孔に分離する。光電変換層としてp型半導体とn型半導体を共存させたバルクへテロジャンクション構造を形成させ、p型半導体とn型半導体の界面が増えることにより電荷分離が促進される。しかしながら、p型とn型の分子が共存するため、例えば、正孔輸送層の上にバルクへテロジャンクション構造を有す光電変換層を塗布法で形成した場合、正孔輸送層とn型半導体材料のドメインが接触した状態を形成し、正孔輸送層と該ドメインとの界面に電子が拡散し、正孔輸送層中の正孔と再結合することで、電極まで取り出せるキャリア密度の一部が低減してしまうのが実情である。
即ち、p型半導体材料とn型半導体材料を含むバルクヘテロジャンクション構造を有す光電変換層を形成する場合、発電素過程から考えるとバルクへテロジャンクション構造におけるp型半導体、n型半導体からなるぞれぞれのドメインサイズが高効率化における重要な制御因子のひとつとなるが、光電変換層に接する下層としてp型半導体材料もしくはn型半導体材料の貧溶媒を含有する層を設け、その後に光電変換層形成用の塗布液を塗布法で形成させてやることで、光電変換層に接する下層と光電変換層の界面におけるドメインサイズを制御し、より整流性を向上できるためと考えられる。
例えば、正孔輸送層上にp型半導体材料とn型半導体材料の混合物からなる光電変換層形成用の塗布液を塗布する前に、p型半導体材料の貧溶媒を含む層を塗布した後、光電変換層を塗布プロセスで形成することで、正孔輸送層と光電変換層の間の界面にp型半導体材料のドメインが優先的に形成され、上記キャリアが再結合してしまう確率をより小さくすることができ、強いては電極に到達するキャリアの量が増えて、光電変換効率が向上するものと考えられる。また、本願の貧溶媒は、発電層が塗布、乾燥された際に貧溶媒を含む層から光電変換層塗布液に拡散し、乾燥プロセスを経ることによって蒸発し、正孔輸送層と光電変換層の間にはキャリア移動の阻害となる中間層は存在しないよう、溶媒の選択が重要である。
本願の貧溶媒を含む層は、貧溶媒単独を主成分とする層であってもよいし、貧溶媒を含むキャリア輸送層などの機能層であってもよい。貧溶媒単独を主成分とする層の場合には、膜厚が厚くなると、光電変換層を塗布した場合に界面での凝集が粗大化しすぎてしまわない程度に膜厚を制御することが必要である。好ましくは30nm以下であり、10nm以下であることがより好ましい。また、本発明の効果が得られる範囲で、貧溶媒と良溶媒を混合してもよい。
貧溶媒の構造としては、C1〜C20のアルカンがアルデヒド基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、チオール基、カルボン酸基、エステル基、アミノ基で置換された化合物、もしくはハロゲン化合物が挙げられる。
本発明で用いられる貧溶媒は、p型半導体材料またはn型半導体材料に対する溶解度が3mg/1ml(0.3%)以下であることが好ましく、1mg/1ml(0.1%)以下がより好ましく、更には0.5mg/1ml(0.05%)以下であることが好ましい。また、その沸点は100℃以上が好ましく、本発明の効果を得るためには光電変換層用塗布液に用いる溶媒と相溶性が高いことが好ましい。
本発明で用いられる貧溶媒としては、本発明の効果、及び環境安全性の点から、ポリチオール化合物を好ましく用いることができる。
ポリチオール化合物としては、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,8−オクタンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8オクタンジチオール、トリグリコールジメチルカプタン、α,ω−ジメルカプトポリエチレンオキサイド、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、1,2,6−ヘキサントリオールトリチオグリコレート等が挙げられる。これらの化合物を2種類以上併用してもよい。
(p型半導体材料)
本発明に係る光電変換層に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族低分子化合物や共役系ポリマー、オリゴマーが挙げられる。
縮合多環芳香族低分子化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、へプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、ポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
また、上記の縮合多環を有する誘導体の例としては、国際公開第03/16599号パンフレット、国際公開第03/28125号パンフレット、米国特許第6,690,029号明細書、特開2004−107216号公報等に記載の置換基をもったペンタセン誘導体、米国特許出願公開第2003/136964号明細書等に記載のペンタセンプレカーサ、J.Amer.Chem.Soc.,vol.127.No14.4986、J.Amer.Chem.Soc.,vol.123、p9482、J.Amer.Chem.Soc.,vol.130(2008)、No.9、2706等に記載のトリアルキルシリルエチニル基で置換されたアセン系化合物等が挙げられる。
共役系ポリマーとしては、例えば、ポリ3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン及びそのオリゴマー、またはTechnical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェン、Nature Material,(2006)vol.5,p328に記載のポリチオフェン−チエノチオフェン共重合体、国際公開第08/664号パンフレットに記載のポリチオフェン−ジケトピロロピロール共重合体、Adv.Mater.,2007,p4160に記載のポリチオフェン−チアゾロチアゾール共重合体、Nature Mat.vol.6(2007),p497に記載のPCPDTBT等のようなポリチオフェン共重合体、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマー、等のポリマー材料が挙げられる。
また、ポリマー材料ではなくオリゴマー材料としては、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーが好適に用いることができる。
これらの化合物の中でも、溶液プロセスが可能な程度に有機溶剤への溶解性が高く、且つ乾燥後は結晶性薄膜を形成し、高い移動度を達成することが可能な化合物が好ましい。
また、光電変換層上に電子輸送層を塗布で製膜する場合、電子輸送層溶液が光電変換層を溶かしてしまうという課題があるため、溶液プロセスで塗布した後に不溶化できるような材料を用いてもよい。
このような材料としては、Technical Digest of the International PVSEC−17,Fukuoka,Japan,2007,P1225に記載の重合性基を有するようなポリチオフェンのような、塗布後に塗布膜を重合架橋して不溶化できる材料、または米国特許出願公開第2003/136964号明細書、及び特開2008−16834号公報等に記載されているような、熱等のエネルギーを加えることによって可溶性置換基が反応して不溶化する(顔料化する)材料等を挙げることができる。
(n型半導体材料)
本発明に係る光電変換層に用いられるn型半導体材料としては特に限定されないが、例えば、フラーレン、オクタアザポルフィリン等、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む高分子化合物等を挙げることができる。
しかし、各種のp型半導体材料と高速(〜50fs)、且つ効率的に電荷分離を行うことができるフラーレン誘導体が好ましい。フラーレン誘導体としては、フラーレンC60、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC84、フラーレンC240、フラーレンC540、ミックスドフラーレン、フラーレンナノチューブ、多層ナノチューブ、単層ナノチューブ、ナノホーン(円錐型)等、及びこれらの一部が水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、シリル基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、シリル基等によって置換されたフラーレン誘導体を挙げることができる。
中でも、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッドメチルエステル(略称PCBM)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nブチルエステル(PCBnB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−イソブチルエステル(PCBiB)、[6,6]−フェニルC61−ブチリックアシッド−nヘキシルエステル(PCBH)、Adv.Mater.,vol.20(2008),p2116等に記載のbis−PCBM、特開2006−199674号公報等のアミノ化フラーレン、特開2008−130889号公報等のメタロセン化フラーレン、米国特許第7,329,709号明細書等の環状エーテル基を有するフラーレン等のような、置換基を有してより溶解性が向上したフラーレン誘導体を用いることが好ましい。
(機能層)
本発明の有機光電変換素子は、光電変換層と陽極との中間には正孔輸送層を、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため有していることが好ましい。
正孔輸送層を構成する材料としては、例えば、スタルクヴイテック製、商品名BaytronP等のPEDOT、ポリアニリン及びそのドープ材料、国際公開第06/19270号パンフレット等に記載のシアン化合物、等を用いることができる。
なお、光電変換層に用いられるn型半導体材料のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有する正孔輸送層には、光電変換層で生成した電子を陽極側には流さないような整流効果を有する電子ブロック機能が付与される。
このような正孔輸送層は電子ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する正孔輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、特開平5−271166号公報等に記載のトリアリールアミン系化合物、また酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン等の金属酸化物等を用いることができる。また、光電変換層に用いたp型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。光電変換層を形成する前に、下層に塗布膜を形成すると塗布面をレベリングする効果があり、リーク等の影響が低減するため好ましい。
本発明の有機光電変換素子は、光電変換層と陰極との中間には電子輸送層を形成することで、光電変換層で発生した電荷をより効率的に取り出すことが可能となるため有していることが好ましい。
電子輸送層を構成する材料としては、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)を用いることができるが、同様に光電変換層に用いられるp型半導体材料のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有する電子輸送層には、光電変換層で生成した正孔を陰極側には流さないような整流効果を有する正孔ブロック機能が付与される。
このような電子輸送層は正孔ブロック層とも呼ばれ、このような機能を有する電子輸送層を使用するほうが好ましい。このような材料としては、バソキュプロイン等のフェナントレン系化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等のn型半導体材料、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物及びフッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム等のアルカリ金属化合物等を用いることができる。
また、光電変換層に用いたn型半導体材料単体からなる層を用いることもできる。これらの層を形成する手段としては、真空蒸着法、溶液塗布法のいずれであってもよいが、好ましくは溶液塗布法である。
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層等を挙げることができる。
(透明電極(陽極))
本発明に係る透明電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができるが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ用いることができる。
また、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる導電性高分子等も用いることができる。また、これらの導電性化合物を複数組み合わせて透明電極とすることもできる。
(対向電極(陰極))
対向電極は導電材単独層であってもよいが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用してもよい。対向電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。
これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。
対向電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
対向電極の導電材として金属材料を用いれば、対向電極側に来た光は反射されて透明電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
また、対向電極は、金属(例えば、金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤ、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤの分散物であれば透明で導電性の高い対電極を塗布法により形成でき好ましい。
また、対向電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対向電極に適した導電性材料を薄く1〜20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性対向電極とすることができる。
(基板)
基板側から光電変換される光が入射する場合、基板はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。
中でも、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
(製膜)
電子受容体と電子供与体とが混合された光電変換層、輸送層、電極の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。この内、光電変換層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができる。この内、前述の正孔と電子が電荷分離する界面の面積を増大させ、高い光電変換効率を有する素子を作製するためには塗布法が好ましい。また、塗布法は製造速度にも優れている。
この際に使用する塗布方法に制限はないが、例えば、スピンコート法、溶液からのキャスト法、ディップコート法、ブレードコート法、ワイヤバーコート法、グラビアコート法、スプレーコート法等が挙げられる。更には、インクジェット法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法でパターニングすることもできる。
塗布後は残留溶媒及び水分、ガスの除去、及び半導体材料の結晶化による移動度向上、吸収長波化を引き起こすために、加熱を行うことが好ましい。製造工程中において所定の温度でアニール処理されると、微視的に一部が凝集または結晶化が促進され、光電変換層を適切な相分離構造とすることができる。その結果、光電変換層のキャリア移動度が向上し、高い効率を得ることができるようになる。
光電変換層は、電子受容体と電子供与体とが均一に混在された単一層で構成してもよいが、電子受容体と電子供与体との混合比を変えた複数層で構成してもよい。この場合、前述したような塗布後に、不溶化できるような材料を用いることで形成することが可能となる。
(パターニング)
本発明に係る電極、光電変換層、正孔輸送層、電子輸送層等をパターニングする方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。
光電変換層、輸送層等の可溶性の材料であれば、ダイコート、ディップコート等の全面塗布後に不要部だけ拭き取ってもよいし、インクジェット法やスクリーン印刷等の方法を使用して塗布時に直接パターニングしてもよい。
電極材料等の不溶性の材料の場合は、電極を真空堆積時にマスク蒸着を行ったり、エッチングまたはリフトオフ等の公知の方法によってパターニングすることができる。また、別の基板上に形成したパターンを転写することによってパターンを形成してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《有機光電変換素子STC−1》
バリア層を有するPENフィルム(全光透過率90%)上にITOを平均膜厚150nmで蒸着し、透明電極TC−1を作製した。
透明電極TC−1上に、導電性高分子であるPEDOT/PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))(Baytron P4083、H.C.Starck製)を30nmの乾燥膜厚となるようにスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で3分間加熱処理した。
次に、光電変換層用塗布液として、P3HT(プレクストロニクス製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mw=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(Mw=911、低分子n型半導体材料)(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルターでろ過しながら膜厚150nmになるようにスピンコーターを用いて塗布を行い、室温で放置して光電変換層を成膜した。
上記光電変換層の上に、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、マスキングした後、膜厚20nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置して電子輸送層を製膜した。
次に、上記一連の光電変換層、電子輸送層を製膜した透明電極を真空蒸着装置内に設置した。10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、Alを80nm蒸着し、2mm角のサイズの有機光電変換素子STC−1を得た。
得られた有機光電変換素子STC−1は、陽極及び陰極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除き、陰極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
《有機光電変換素子STC−2》
有機光電変換素子STC−1において、正孔輸送層用塗布液を塗布した後、オクタンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−2を作製した。
《有機光電変換素子STC−3》
有機光電変換素子STC−2において、オクタンジチオールの代わりに1,6−ヘキサンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−3を作製した。
《有機光電変換素子STC−4》
有機光電変換素子STC−2において、オクタンジチオールの代わりに3,6−ジオキサ−1,8オクタンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−4を作製した。
〔有機光電変換素子の評価〕
《光電変換効率》
ガラス製の封止キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った有機光電変換素子に、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの強度で照射して、電圧−電流特性を測定し、光電変換効率を求めた。即ち、各有機光電変換素子について、I−Vテスターを用いて室温にて電流−電圧特性を測定し、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び形状因子(F.F.)を求め、これらから光電変換効率(η(%))を求めた。なお、太陽電池の光電変換効率(η(%))は、下記式(A)に基づいて算出した。
η=100×(Voc×Jsc×F.F.)/P・・・(A)
ここで、Pは入射光強度[mW/cm]、Vocは開放電圧[V]、Jscは短絡電流密度[mA・cm−2]、F.F.は形状因子を示す。
Figure 0005298961
表1から、本発明の有機光電変換素子では短絡電流密度、形状因子に改善が見られ、高い光電変換効率を有していることが分かる。
実施例2
《有機光電変換素子STC−21》
バリア層を有するPENフィルム(全光透過率90%)上にITOを平均膜厚150nmで蒸着し、透明電極TC−1を作製した。
透明電極TC−1上に、導電性高分子であるPEDOT/PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))(Baytron P4083、H.C.Starck製)を30nmの乾燥膜厚となるようにスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、基板をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で3分間加熱処理した。
次に、光電変換層用塗布液として、クロロベンゼンにp型半導体材料PCPDTBT(2,6−(4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−4H−シクロペンタ[2,1−b;3,4−b’]−ジチオフェン)−オルト−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)を10mg/ml、n型半導体材料C71−PCBMを20mg/ml及びオクタンジチオール20mg/mlを溶解した液を調製して、フィルターでろ過しながら膜厚150nmになるようにスピンコーターを用いて塗布を行い、室温で放置して光電変換層を成膜した。
上記光電変換層の上に、エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、マスキングした後、膜厚20nmになるように塗布を行い、水蒸気量を調節した窒素中放置して電子輸送層を成膜した。
次に、上記一連の有機発電層、電子輸送層を成膜した第一電極を真空蒸着装置内に設置した。10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、Alを80nm蒸着し、2mm角のサイズの有機光電変換素子STC−1を得た。
得られた有機光電変換素子STC−1は、陰極及び陽極の外部取り出し端子が形成できるように、端部を除き陽極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基材とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
《有機光電変換素子STC−22》
有機光電変換素子STC−21において、正孔輸送層用塗布液を塗布した後、オクタンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−22を作製した。
《有機光電変換素子STC−23》
有機光電変換素子STC−22において、オクタンジチオールの代わりに1,6−ヘキサンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−23を作製した。
《有機光電変換素子STC−24》
有機光電変換素子STC−22において、オクタンジチオールの代わりに3,6−ジオキサ−1,8オクタンジチオールを乾燥膜厚が3nmとなるように塗布した以外は同様にして、有機光電変換素子STC−24を作製した。
得られた有機光電変換素子STC21〜24について、実施例1と同様に評価した。
Figure 0005298961
表2から、実施例1と同様に本発明の有機光電変換素子は、短絡電流密度、形状因子に改善が見られ、高い光電変換効率を有していることが分かる。
11 基板
12 陽極
13 陰極
14 光電変換層
14p p層
14i i層
14n n層
15 正孔輸送層
16 電子輸送層

Claims (3)

  1. 基板上に設けられた陽極、陰極、p型半導体材料とn型半導体材料を含む光電変換層を備える有機光電変換素子の製造方法において、p型半導体材料もしくはn型半導体材料のいずれか一方に対する貧溶媒単独からなる層又は貧溶媒を主成分とする層を塗布により形成した後、光電変換層を塗布法により形成することを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
  2. 前記貧溶媒を主成分とする層が、貧溶媒と良溶媒からなる層であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子の製造方法。
  3. 前記貧溶媒の沸点が100℃以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機光電変換素子の製造方法。
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