JP2011187852A - 有機薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率の高い有機薄膜太陽電池およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、複数の傾斜面を有する基板10と、前記基板10の傾斜面上に形成された太陽電池セル100であって、互いに離間して配置された一対の電極(11および12)と、前記電極間に設けられたp型有機半導体とn型有機半導体とを含むバルクヘテロ接合型の光電変換層13とを含む太陽電池セル100とを具備し、前記基板10の傾斜面は光の入射方向と垂直な面に対して60〜89°傾斜しており、前記光電変換層13は可視光波長域における光透過率が3%以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本開示は、有機薄膜太陽電池およびその製造方法に関する。
有機薄膜太陽電池は、導電性ポリマーやフラーレン等を組み合わせた有機薄膜半導体を用いた太陽電池である。有機薄膜太陽電池は、シリコンやCIGS、CdTeなどの無機系材料をベースとした太陽電池に比べて簡便な方法で生産でき、低コストであるというメリットがある。その反面、有機薄膜太陽電池の光電変換効率や寿命は、従来の無機系太陽電池と比較して低いという問題を有する。有機薄膜太陽電池に用いられる有機半導体には、半導体材料の純度、分子量分布、配向性等、制御が困難なパラメータが多いためである。
そのため、有機薄膜太陽電池の光電変換効率を向上させるための種々の工夫がなされている。例えば、特許文献1には、積層型の有機薄膜太陽電池を傾斜させて設置する方式が提案されている。
また、特許文献2には、光電変換層において、電気伝導体を突起状に形成したことを特徴とする有機薄膜太陽電池が提案されている。これは、光照射により突起体側面から発生する電子およびホールを効率よく外部に取り出すことを目的としている。
さらに、特許文献3には、基板または電極が微細な凹凸構造を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池が提案されている。
特開平7−66439号公報 特開2008−218702号公報 特開2007−5620号公報
本発明の目的は、光電変換効率が高く、低コストな有機薄膜太陽電池およびその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、複数の傾斜面を有する基板と、前記基板の傾斜面上に形成された太陽電池セルであって、互いに離間して配置された一対の電極と、前記電極間に設けられたp型有機半導体とn型有機半導体とを含むバルクヘテロ接合型の光電変換層とを含む太陽電池セルとを具備し、前記基板の傾斜面は光の入射方向と垂直な面に対して60〜89°傾斜しており、前記光電変換層は可視光波長域における光透過率が3%以上であることを特徴とする有機薄膜太陽電池が提供される。
本発明の第2の態様によれば、フレキシブルな材質からなる基板上に、互いに離間して配置された一対の電極と、前記電極間に設けられた、p型有機半導体およびn型有機半導体を含有するバルクヘテロ接合型の光電変換層とを含む太陽電池セルを形成する工程と、前記基板を指定されたパターンに従い折り曲げる工程と、を具備することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法が提供される。
本発明によると、光電変換効率が高く、低コストな有機薄膜太陽電池およびその製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図2は、本発明の第1の実施形態の変形例の断面図である。 図3は、本発明の第2の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図4は、本発明の第3の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図5は、本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。 図6は、本発明の第4の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図および斜視図である。 図7は、本発明の第4の実施形態の変形例を示す図である。 図8は、本発明の第5の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図9は、第5の実施形態の変形例を示す図である。 図10は、本発明の第6の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図11は、本発明の第7の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。 図12は、有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図13は、塗布工程について説明する図である。 図14は、モジュール製造プロセスの一例を示した図である。 図15は、バルクへテロ接合型の太陽電池の動作メカニズムを説明する図である。 図16は、傾斜セルと水平セルの電流−電圧特性を示す図である。 図17は、セル角度θと光電変換効率との関係を示す図である。 図18は、V字セル内の光路を示す図である。 図19は、V字セルにおける光電変換効率分布の計算結果を示す図である。 図20は、太陽光の1日の入射角変化を示す図である。 図21は、夏季における1日の日射強度の測定結果を示す図である。 図22は、セル角度による1日の発電量の変化を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。
有機薄膜太陽電池は、互いに離間して配置された一対の電極(陽極11および陰極12)と、前記電極11および12の間に配置された光電変換層13を具備し、これらが基板10上に配置された構成を有する。また任意に、陽極11と光電変換層13との間に正孔輸送層14を具備し、陰極12と光電変換層13との間に電子輸送層15を具備する。
本発明の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、太陽電池セルを光の入射方向と垂直な面に対して角度θだけ傾斜させて設置したことを特徴とする。セルの固定方法は図示していないが、支持台で固定したり、空間部を充填剤で埋めるなどして固定することができる。太陽電池セルを傾斜させることにより、光電変換層を光が通過する際の光路が長くなり、光子の吸収効率が増加する。しかも、光路を長くするために光電変換層の厚みを増大させる必要がない。従って、光路が長くなったことにより発生するエキシトンの量が増加するため電流が増加し、かつ、膜厚は薄いままであるため膜抵抗は増加せず、発生したキャリアは失活することなく効率よく電極に輸送することができる。その結果として、光電変換効率が向上した太陽電池を得ることができる。
さらに、本発明の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、バルクへテロ接合型である。バルクへテロ接合型の光電変換層の特徴は、p型半導体とn型半導体がブレンドされ、ナノオーダーのpn接合が光電変換層全体に広がっていることである。そのため、従来の積層型有機薄膜太陽電池よりもpn接合領域が広く、実際に発電に寄与する領域も光電変換層全体に広がっている。従って、バルクへテロ接合型有機薄膜太陽電池における発電に寄与する領域は、積層型有機薄膜太陽電池と比べ圧倒的に厚くなり、それに伴い光子の吸収効率も向上し、取り出せる電流も増加する。
図2に示すように、角度θだけ傾けた一対の前記太陽電池セルを互いに対面させて、V字型に配置してもよい。このようにセル同士を対面させることにより、セル表面で反射した光を集光効果によりセル内に閉じ込めることができる。その結果、利用できる光の量が増大し、光電変換効率が向上する。
太陽電池セルの傾斜角度θは、60〜89°、好ましくは65〜75°である。角度θが60°以上であると、光路長が十分長くなり、光電変換効率の改善が見られる。一方、角度θを89°より大きくすると、太陽電池全体の面積が大きくなりすぎ、コストアップにつながってしまう。
また、光電変換層13の光透過率は、3%以上、好ましくは10%以上である。透過率が3%未満の場合、傾斜角度を上げても光電変換効率の改善は見られない。透過率が3%以上であると、傾斜角度の上昇に従い光電変換効率が向上する。これは、吸収効率が100%の材質では水平においても、傾斜に設置したとしても、十分な光子を吸収することが出来るため本発明の効果は無い。しかし現存する有機半導体の光吸収効率は数十%程度(膜厚が100nm程度の場合)であり、水平設置では透過してしまった光子を、傾斜して設置することで光路を長くすることにより吸収することが可能になる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。この第2の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、予め複数の傾斜面が平行に設けられ、傾斜面に対向して垂直面が設けられた基板10の傾斜面上に、太陽電池セル100を形成したものである。太陽電池セルは、アルミを蒸着した陰極12上に、光電変換層13を設け、さらに透明性を有する陽極11をスパッタまたは塗布で成膜した。図には省略しているが、PEDOT/PSSなどの正孔輸送材料や、TiOxなどの電子輸送材料を中間層として設けても良い。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。図4に示す有機薄膜太陽電池は、上記第2の実施形態で説明した有機薄膜太陽電池において、傾斜面に対向する垂直面に反射板20を配置したものである。この実施形態では、反射板20は、光の入射方向に対して平行に配置される。反射板20で光が反射することにより光が閉じ込められ、利用できる光の量が増大する。その結果として、光電変換効率が向上する。
反射板20は、反射率の高い表面を有する材質で、例えば表面が良く研磨されたアルミやクロムなどの金属、ガラスまたは樹脂などの表面に銀メッキなどで反射膜を設けた鏡状の反射板、ガラスや樹脂などの表面にアルミを蒸着した反射板、各種金属箔などを用いることが出来る。具体的には、例えば3M社製の反射フィルム ビキュイティESRなどを垂直面に設置することで98%以上の反射率を有する反射板を作製できる。
図5は、本発明の第3の実施形態の変形例を示す図である。図5に示すように、基板10をガラスや、樹脂などの透明な材料で作製し、基板側から光を当ててもよい。太陽電池セルは、ノコギリ歯上の傾斜面に対して、透明性を有する陽極11をスパッタまたは塗布で成膜した後、光電変換層13を設け、その上にアルミを蒸着した陰極12を設けた。図には省略しているが、PEDOT/PSSなどの正孔輸送材料や、TiOxなどの電子輸送材料を中間層として設けても良い。
図6(a)は、本発明の第4の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。図6(b)は、本発明の第4の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の斜視図である。図6に示す有機薄膜太陽電池は、基板10が交互に反対方向に傾斜した複数の傾斜面(傾斜角度θ)を有し、基板10の傾斜面上に太陽電池セル100を形成したものである。
この第4の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、後で説明するように、フレキシブルな基板を蛇腹状に折り曲げて、その傾斜面上に太陽電池セルを形成したものでもよい。
このような構造にすると、前記第2の実施形態と比較して太陽電池セル面積が大きくなるため、より高い光電変換効率が得られる。
この実施形態においても、図7に示すように、基板10を透明な材料で作製し、基板側から光を当ててもよい。
前記第4の実施形態に係る有機薄膜太陽電池において、複数の傾斜面で形成される蛇腹構造の溝部から頂部までの高さは、1mm〜20cm、好ましくは3mm〜10cmである。高さが過大な場合は、素子が厚くなりすぎて、取り扱いが非常に不便になり、設置場所が制限されてしまう不具合が発生する。一方、高さが過小の時には、溝部および頂部に相当する位置に必要となる折りしろ及び塗りしろを考慮すると、実質的に太陽電池セルとして動作する領域が狭くなり、変換効率の低下を招く。これは、あらかじめ蛇腹構造が形成された基板に塗布等によって太陽電池セルを形成する場合にも当てはまる。有機薄膜太陽電池のように光電変換層を陽極と陰極の2つの電極で挟む構成の太陽電池では、折り曲げによる変形のため2つの電極がショートしてしまう場合があるため、折り曲げ線の両側0.2〜0.5mm程度の範囲では少なくとも一方の電極を形成しないようにする必要がある。また、光電変換層を塗布する場合、溝部には液だまりが出来やすく、また頂部周辺では光電変換層の膜厚が薄くなってしまう傾向がある。従って、溝部および頂部の両側0.2〜0.5mm程度の範囲では良好な光電変換が行われなくなる。
上記で説明した複数の三角波からなる蛇腹構造のセルを含め、任意の形状の複数のスロープからなる構造をマルチスロープ構造と称する。例えば、サイン波形状のマルチスロープセルとしても同様の効果が得られる。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。図8に示す有機薄膜太陽電池は、上記第4の実施形態で説明した有機薄膜太陽電池において、2つの傾斜面が合わさる溝部に反射板20を鉛直に立設したものである。反射板20は、光の入射方向に対して平行に配置される。反射板で光が反射することにより光が閉じ込められ、利用できる光の量が増大する結果として、光電変換効率が向上する。
図9は、第5の実施形態の変形例を示す図である。図9に示すように、第5の実施形態において、反射板と太陽電池セルの位置を入れ替えてもよい。このような配置とすると、平板状の太陽電池セルを切断して使用することができるので、作製が容易になり、コストも抑えられるという利点がある。
図10は、本発明の第6の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。図10に示す有機薄膜太陽電池は、反射防止膜30を設置したものである。太陽電池の支持部材において光が反射してしまうと、素子内部まで光を有効取り込めないという不具合が生じる。そこで、反射防止膜30を設けることにより、太陽電池セルの支持部材における光の反射を防止することができる。基板10側から光を入射させる場合、図10(a)に示すように基板10の光入射面および基板10と太陽電池セル100との界面の両方に反射防止膜30を設けると効果的である。また、図10(b)または図10(c)のように、どちらか一方に反射防止膜を設けてもよい。
反射防止膜30としては、汎用の反射防止コーティングを施した膜や、反射防止膜のシートなどを利用することが可能である。これらを所定の厚み、形状にして設置することができる。反射防止機能を有する材料としては、酸化チタンなどの無機系材料や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの有機系材料が挙げられる。
太陽電池用としては、モスアイ型の微細な突起構造を有する反射防止膜が望ましい。突起構造を持ったフィルムは、厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、フィルムに当たる光をほとんど反射せず、大部分の光を透過させることが可能である。モスアイ形状は、ナノインプリント法にて微細な凹凸を有する金型を作り、この金型の模様を樹脂シート、無機SOG、有機SOG膜などに転写することで作製できる。また、酸化チタンの自己組織化制御技術等を用いて、モスアイ構造と同様な原理の反射防止機能を有する塗料など作製し、これを塗布してもよい。
他の実施形態として、太陽光の短波長成分を長波長に波長変換する層を設けて光電変換効率をさらに向上させてもよい。例えば、ユーロピウム錯体を基板表面にコーティングすることで光電変換効率を向上させることができる。
図11は、本発明の第7の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面図である。
図11に示すように、本発明のマルチスロープセル2枚を貼り合わせて使用することも可能である。具体的には、新たな基板40を用意してマルチスロープセルを、その表裏に貼り付けるなどの方法で可能である。また、電極を両極とも透明材料とすることで、1枚の基板の裏表に素子を作製することも可能である。
このように基板の表裏に作成された表裏型マルチスロープセルは、複数方向から光が入射するような状況において効果を発揮する。例えば地面に立てて使用する構造(つい立、柵)などや、窓ガラス、カーテンなどに設置することで、光を受ける確率が増加し、結果的に発電効率が向上する。
次に、上記で説明した有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す。
図12は、有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示すフローチャートである。前記製造方法は、フレキシブルフィルム上に素子を形成するセル製造プロセス(S1〜S5)と、製造したセルを蛇腹構造に加工してモジュールに組み立てるモジュール製造プロセス(S6〜S10)とに大きく分けられる。まず、有機層および電極を形成するための基板となるフィルムの巻き出しを行う(S1)。ここでは、予め一方の電極が形成されたフィルムを使用してもよい。巻き出されたフィルムの上に、有機層および電極を塗布により順次形成する(S2およびS3)。さらに電極の上に、膜封止材を塗布する(S4)。膜封止材は、素子を酸素および水分から保護する機能を有する。具体的には、熱硬化型やUV硬化型のエポキシ樹脂などを固定剤として、ガラスや金属板、無機物や金属(シリカ、チタニア、ジルコニア、窒化珪素、窒化ホウ素、Alなど)を表面に成膜した樹脂フィルム(PET、PEN、PI、EVOH、CO、EVA、PC、PESなど)で表面を保護する。さらに封止空間に乾燥剤や酸素吸収剤を入れることで、素子寿命の向上が期待できる。その後、目的に応じた大きさのセルにカットする(S5)。
続いて、モジュール製造プロセスに移る。まず初めに、前記セル製造プロセスにおいて得られたセルを加工する(S6)。この加工は、上述した本発明の第4の実施形態のようにセルを蛇腹構造に配置する場合等、必要に応じて行う。例えば、第4の実施形態の場合、セルを蛇腹構造になるように折り曲げ、セルを固定するための支持基板にセルを固定する固定溝を形成する等の加工を行う(S6およびS7)。加工後のセルに配線を行い(S8)、フレーム等の枠で各部材を固定し(S9)、最後に保護部材の取り付けを行う(S10)。
上記製造方法について、さらに具体的に説明する。
図13は、セル製造プロセスにおける塗布工程について説明する図である。塗布法により基板となるフレキシブルフィルム上に有機薄膜太陽電池材料を塗布する工程を説明している。特に、グラビア・オフセット法を用いる場合について説明するが、ダイコート法やメニスカスコート法、グラビア印刷法など一般的な塗布方法でも作製可能である。
フィルムは巻出機にロール状に設置されており、巻出機の回転により連続的に印刷部へと供給される。フィルムは、圧胴51とブランケット胴53との間を通過する。図示していないが、塗布前に、フィルム表面を洗浄するUV洗浄機で表面を洗浄した後、印刷部へと送られる。印刷部では、正孔輸送層、光電変換層、および電子輸送層を塗布する。塗布する液体を版胴52に供給し、版胴52の下側に位置するブランケット胴53を介してフィルム上に塗布する。なお、各材料の塗布後には乾燥が必要であるが、図示は省略している。その後、電極層を塗布する。最後に、目的に応じた大きさにカットする。カットしたセルは、図12で説明したモジュール製造プロセスに供される。
本発明の実施形態に係る有機薄膜太陽電池は、このように簡便な方法で製造できるため、低コストで製造でき、量産性にも優れている。なお、電極層は、塗布ではなく蒸着やスパッタ法にてアルミなどを成膜しても良い。
図14は、モジュール製造プロセスの一例を示した図である。特に、太陽電池セルを蛇腹構造に配置する場合について説明する。まず、目的に応じてカットされた基板10および基板上に形成されたセル100に、セルの長手方向に対して平行に、複数の折り目をつける(図14(a))。基板10に形成する太陽電池セル100は、図14(a)に示すように複数に分割されている(以下、分割セルとも称する)。分割セルと分割セル隙間に折り目をつけることになる。折り目の部分にセルがあると、折り曲げた時にセルがショートしてしまうため、折り目の部分にはセルが形成されないよう設計することが必要である。言い換えるとマルチスロープセルの頂点と谷の稜線部にはセルを配置しない構造とすることで、素子のショートを防ぐことが可能となり、歩留まりが向上して、結果的に低コストで信頼性の高い太陽電池セルを提供することが可能となる。
その後、折り目をつけた基板10およびセル100を、表面に蛇腹形状を有する金型60ではさみ、両側から圧力を加えることによりセルを折り曲げる(図14(b))。この際、必要に応じて加熱してもよい。なお、折り目をつける工程は必須ではなく、加熱によりフレキシブル基板を変形させて折り曲げたり、折り目なしで機械的に折り曲げることも可能である。また、別の折り曲げ方法として、あらかじめマルチスロープ状に成型された支持体表面にフレキシブル基板を設置しても良い。
このようにして得られる太陽電池セルは、図14(c)に示すような形状になる。最後に、得られた蛇腹構造の太陽電池セル100を固定し、他の部材と組み合わせることにより、モジュール化を行う(図14(d))。具体的には、複数のセルをインターコネクタ61で連結し、セル固定溝62を形成した支持基板63にセルを固定する。これを透明保護板64とフレーム65からなるモジュールユニット内に収め、端子ボックス66などの配線を行う。透明保護板64の材料としては、ガラス基板や、ポリカーボネートなどの透明樹脂等を使用することができる。
太陽電池のモジュール表面の汚れ除去のための処理をさらに行ってもよい。長期間にわたり有機薄膜太陽電池への汚れの付着を防止することが可能となり、光電変換効率の低下を防止することができる。例えば、以下の方法により行うことができる。
ACクリーニング法:マルチスロープセルにおいては、特に谷底部分に粉塵などのごみが堆積しやすいので、対策を行うことが望ましい。特に粉塵のような微粒子の堆積に対しては、電界による微粒子の剥離・搬送が効果的である。セル表面の絶縁性保護膜の表面に、1mm〜10mm程度の間隔でライン状の電極線を配置し、これらの間に電界の向きが時間的に変化するような電圧を印加すると、帯電した微粒子が電界の変動に応じて振動し、セル表面から剥離される。さらに、電極間の電界を空間的に進行する進行波とすれば、剥離された微粒子を特定の方向に搬送し、セル表面から除去することも可能になる。隣り合う電極間の電界は、20V/mm〜500V/mmの範囲が好適で、特に100〜200V/mm前後がより好ましい。隣り合う電極間に位相が90度〜180度程度ずれた交流電圧を印加し、これが進行波として電極間を伝わるようにしても良い。また、セルの補助配線間に定期的に上記の電界を印加するように設定すれば、新たに電極を設けることなくクリーニングが行える。
酸化チタンを用いた表面自己洗浄層:光酸化性を有する酸化チタン層を太陽電池モジュールの最表面に設けることで、付着した有機物の分解を促進して、クリーニングを行い、表面の汚れを除去することが可能である。
その他:谷底に、幅0.5mmから2mm程度のスリットを谷線に沿って設け、mm単位のサイズの比較的大きなごみはこのスリットからセル外へ落下するように構成することも、ごみ対策として有効である。
上記製造方法は、上記のような複数の三角波からなる蛇腹構造のセル以外にも、任意の形状の複数のスロープからなる構造(マルチスロープ構造)のセルを作製する場合にも使用できる。
素子をフレキシブルな平面基板に形成した後、マルチスロープ状に折り曲げることで、効率的にマルチスロープセルを作製することが可能である。例えば素子を形成したフレキシブル基板に折り目をつけ、加圧、加熱などにより変形させて、マルチスロープを作製できる。
また、素子を作製したフレキシブル基板両端を横方向に縮め、あらかじめ設置された凹み部に折り曲げた頂点が配置するように調整すれば、より容易にマルチスロープセルを作製することができる。
付属機器として、追尾装置または光強度検知装置を設置することも可能である。住宅の屋根などに本発明のマルチスロープセルを用いた有機薄膜太陽電池を設置する場合、太陽方向にセルを向ける太陽追尾装置を設けることで、最大限の効果を得ることが出来る。
モバイル機器などに使用する場合には、ユーザが自由に光源との角度を調整できる。光源の強度が強い方向を表示するための回路を設置することで、発電効率を向上させることが出来る。例えば、光強度が表示される液晶レベルメータなどが有効である。
次に、本発明の有機薄膜太陽電池の発電原理について説明する。
図15は、バルクへテロ接合型の太陽電池の動作メカニズムを説明する図である。有機薄膜太陽電池の光電変換プロセスは、a)有機分子が光を吸収して励起子を発生する過程、b)励起子の移動および拡散の過程、c)励起子の電荷分離の過程、d)両極への電荷輸送の過程に大きく分けられる。
ステップa)では、p型有機半導体またはn型有機半導体が光を吸収することにより励起子が発生する。この発生効率をη1とする。次に、ステップb)では、発生した励起子がp/n接合面へ拡散により移動する。この拡散効率をη2とする。励起子には寿命があるため、拡散長程度しか移動できない。ステップc)では、p/n接合面に到達した励起子がエレクトロンとホールに分離される。この励起子の分離の効率をη3とする。最後にステップd)にて、それぞれの光キャリアはp/n材料中を通じて電極へと輸送され、外部回路に取り出される。この輸送効率をη4とする。
照射された光子に対する発生したキャリアの外部取り出し効率は、次の式で表すことが出来る。この値が太陽電池の量子効率に相当する。
ηEQE=η1・η2・η3・η4。
光電変換効率を向上させるには、前記a)〜d)の特性を鑑みて有機薄膜太陽電池素子を作製すればよい。すなわち、ステップa)においては、光電変換層が入射してくる光子を100%吸収すること;ステップb)およびc)においては、有機半導体材料の移動度か高く、p/n接合が確実に行われていること;ステップd)においては、両極へのキャリアパスが形成され、電極までの距離が短く、トラップになるような欠陥が無いことに留意すればよい。
このような前提に基づいて有機薄膜太陽電池の作製を行えば、高効率な素子を実現できるのであるが、現状の材料や成膜法ではこの理想の形には程遠い。有機薄膜太陽電池は、従来の無機系太陽電池に比べ、エキシトンの解離確率が低く、エキシトンの拡散長が短く、さらにキャリアの移動度が低いという問題がある。有機半導体には、純度や分子量分布、配向性など、制御が困難なパラメータが多いためである。
前記ステップa)を改善するために、光電変換層を厚くして光子の吸収率を向上させる手段が考えられる。光電変換層を厚くすることにより光路長が長くなるため、光子の吸収率は高まるが、光電変換層の厚さの増加に伴い電気抵抗が増大し、キャリアがトラップされやすくなる。そのため、発生したキャリアは電極へ到達することが出来ず、光電変換効率が低下してしまう。
また、前記ステップd)を改善するために、光電変換層を薄くして電極間の距離を短くする手段が考えられる。電極間の距離を短くすることにより、発生したキャリアは電極に到達しやすくなり、膜の電気抵抗も低下する。そのため、光電変換効率が向上するようにも思われる。しかし、光電変換層の膜厚が薄いと、前記ステップa)において発生するエキシトンの量が低下してしまう。光電変換層に用いられる材料は光吸収性があまり高くないため、膜厚が薄いと光子は光電変換層に全て吸収されず外部へ逃げてしまうからである。このため、キャリア数が少なくなり、電流が減少する。その結果として、光電変換効率が低下してしまう。
このように光電変換層の膜厚が厚くなると、発生するエキシトンの数は増加するが、キャリアの電極への輸送能力が劣化してしまう。一方、光電変換層の膜厚が薄くなると、キャリアの電極への輸送性には優れるのであるが、発生するエキシトンが少なくなってしまう。従って、どちらの条件においても最終的には光電変換効率が低下してしまう。
それに対して本発明では、太陽電池セルを傾斜させることにより、光電変換層の膜厚を最適な範囲に維持したまま光電変換層の光路長を長くすることができる。従って、上記のような問題を生じることなく、光電変換効率が向上した太陽電池を提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る有機薄膜太陽電池の各構成部材について説明する。
(基板)
基板10は、他の構成部材を支持するためのものである。この基板10は、電極を形成し、熱や有機溶剤によって変質しないものが好ましい。基板10の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム、ステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属基板等が挙げられる。基板10は、光が入射する側に配置される場合、透明なものを使用する。基板とは反対側の電極が透明または半透明である場合、不透明な基板を使用してもよい。基板の厚さは、その他の構成部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されない。
(陽極)
陽極11は、基板10の上に積層する。陽極11の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。通常は、透明または半透明の導電性を有する材料を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、ITOまたはFTOが好ましい。また、電極材料として、有機系の導電性ポリマーであるポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等を用いてもよい。陽極11の膜厚は、ITOの場合、30〜300nmであることが好ましい。30nmより薄くすると、導電性が低下して抵抗が高くなり、光電変換効率低下の原因となる。300nmよりも厚くすると、ITOに可撓性がなくなり、応力が作用するとひび割れてしまう。陽極11のシート抵抗は可能な限り低いことが好ましく、10Ω/□以下であることが好ましい。陽極11は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層14は、任意に、陽極11と光電変換層13との間に配置される。正孔輸送層14の機能は、下部の電極の凹凸をレベリングして太陽電池素子の短絡を防ぐこと、正孔のみを効率的に輸送すること、光電変換層13の界面近傍で発生した励起子の消滅を防ぐこと等である。正孔輸送層14の材料としては、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート))等のポリチオフェン系ポリマー、ポリアニリン、ポリピロール等の有機導電性ポリマーを使用することができる。ポリチオフェン系ポリマーの代表的な製品としては、例えば、スタルク社のClevios PH500、CleviosPH、CleviosPV P Al 4083、CleviosHIL1.1が挙げられる。
正孔輸送層14の材料としてClevios PH500を使用する場合、膜厚は20〜100nmであることが好ましい。薄すぎる場合は、下部電極の短絡を防止する作用がなくなり、ショートが発生してしまう。厚すぎる場合は、膜抵抗が大きくなり、発生した電流を制限してしまうため、光変換効率が低下する。
正孔輸送層14の成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスピンコート法等で塗布することが可能である。正孔輸送層14の材料を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。140〜200℃で数分〜10分間程度加熱乾燥することが好ましい。塗布する溶液は、予めフィルターでろ過したものを使用することが望ましい。
(光電変換層)
光電変換層13は、陽極11と陰極12との間に配置される。本発明に係る太陽電池は、バルクへテロ接合型の太陽電池である。バルクヘテロ接合型の太陽電池は、p型半導体とn型半導体が光電変換層中で混合してミクロ層分離構造をとることが特徴である。バルクへテロ接合型は、混合されたp型半導体とn型半導体が光電変換層内でナノオーダーのサイズのpn接合を形成し、接合面において生じる光電荷分離を利用して電流を得る。p型半導体は、電子供与性の性質を有する材料で構成される。一方、n型半導体は、電子受容性の性質を有する材料で構成される。本発明の実施形態においては、p型半導体およびn型半導体の少なくとも一方が有機半導体であってよい。
p型有機半導体としては、例えば、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体等を使用することができ、これらを併用してもよい。また、これらの共重合体を使用してもよく、例えば、チオフェン−フルオレン共重合体、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体等が挙げられる。
好ましいp型有機半導体は、π共役を有する導電性高分子であるポリチオフェンおよびその誘導体である。ポリチオフェンおよびその誘導体は、優れた立体規則性を確保することができ、溶媒への溶解性が比較的高い。ポリチオフェンおよびその誘導体は、チオフェン骨格を有する化合物であれば特に限定されない。ポリチオフェンおよびその誘導体の具体例としては、ポリ3−メチルチオフェン、ポリ3−ブチルチオフェン、ポリ3−ヘキシルチオフェン、ポリ3−オクチルチオフェン、ポリ3−デシルチオフェン、ポリ3−ドデシルチオフェン等のポリアルキルチオフェン;ポリ3−フェニルチオフェン、ポリ3−(p−アルキルフェニルチオフェン)等のポリアリールチオフェン;ポリ3−ブチルイソチオナフテン、ポリ3−ヘキシルイソチオナフテン、ポリ3−オクチルイソチオナフテン、ポリ3−デシルイソチオナフテン等のポリアルキルイソチオナフテン;ポリエチレンジオキシチオフェン等が挙げられる。
また近年では、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンからなる共重合体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])などの誘導体が、優れた光電変換効率を得られる化合物として知られている。PCDTBTの構造を以下に示す。
Figure 2011187852
これらの導電性高分子は、溶媒に溶解させた溶液を塗布することにより成膜可能である。従って、大面積の有機薄膜太陽電池を、印刷法等により、安価な設備にて低コストで製造できるという利点がある。
n型有機半導体としては、フラーレンおよびその誘導体が好適に使用される。ここで使用されるフラーレン誘導体は、フラーレン骨格を有する誘導体であれば特に限定されない。具体的には、C60、C70、C76、C78、C84等を基本骨格として構成される誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格における炭素原子が任意の官能基で修飾されていてもよく、この官能基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。フラーレン誘導体には、フラーレン結合ポリマーも含まれる。溶剤に親和性の高い官能基を有し、溶媒への可溶性が高いフラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン誘導体における官能基としては、例えば、水素原子;水酸基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、C60H36、C70H36等の水素化フラーレン、C60、C70等のオキサイドフラーレン、フラーレン金属錯体等が挙げられる。
上述した中でも、フラーレン誘導体として、60PCBM([6,6]-フェニルC61酪酸メチルエステル)または70PCBM([6,6]-フェニルC71酪酸メチルエステル)を使用することが特に好ましい。
本発明に使用するフラーレン誘導体の具体的構造の例を、以下に示す。
Figure 2011187852
未修飾のフラーレンを使用する場合、C70を使用することが好ましい。フラーレンC70は、光キャリアの発生効率が高く、有機薄膜太陽電池に使用するのに適している。
光電変換層におけるn型有機半導体とp型有機半導体の混合比率は、p型半導体がP3AT系の場合、およそn:p=1:1とすることが好ましい。またp型半導体がPCDTBT系の場合およそn:p=4:1とすることが好ましい。
有機半導体を塗布するためには、溶媒に溶解する必要があるが、それに用いる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン、メシチレン、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類が挙げられる。特に、ハロゲン系の芳香族溶剤が好ましい。これらの溶剤を単独、もしくは混合して使用することが可能である。
溶液を塗布し成膜する方法としては、スピンコート法、ディップコート法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、スプレー法、スクリーン印刷、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷、ディスペンサー塗布、ノズルコート法、キャピラリーコート法、インクジェット法等が挙げられ、これらの塗布法を単独で、もしくは組み合わせて用いることができる。
セルをV字型に配置する場合には、スピンコータを用いた塗布を行う際に、セルを中心からずらして配置して遠心力方向にV溝を設置することで、均一な塗布が可能になる。ディピング法を用いる場合には、V字型に配置したセルを2組重ね、同時に塗布することにより裏汚れを防止することができる。
(電子輸送層)
電子輸送層15は、任意に、陰極12と光電変換層13との間に配置される。電子輸送層15は、正孔をブロックして電子のみを効率的に輸送する機能、および光電変換層13と電子輸送層15との界面で生じたエキシトンの消滅を防ぐ機能を有する。
電子輸送層15の材料としては、金属酸化物、たとえばゾルゲル法にてチタンアルコキシドを加水分解して得たアモルファス性の酸化チタンなどが挙げられる。成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えば、スピンコート法が挙げられる。電子輸送層の材料として酸化チタンを使用する場合、膜厚は5〜20nmの厚さに成膜する事が望ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、ホールブロック効果が減少してしまうため、発生したエキシトンが電子とホールに解離する前に失活してしまい、効率的に電流を取り出すことができない。膜厚が厚すぎる場合は、膜抵抗が大きくなり、発生した電流を制限してしまうため光変換効率が低下する。塗布溶液は、あらかじめフィルターで濾過したものを使用することが望ましい。規定の膜厚に塗布した後、ホットプレートなどを用いて加熱乾燥する。50℃〜100℃で数分〜10分間程度、空気中にて加水分解を促進しながら加熱乾燥する。
(陰極)
陰極12は、光電変換層13(または電子輸送層15)の上に積層される。導電性を有する材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。電極材料としては、導電性の金属薄膜、金属酸化物膜等が挙げられる。陽極11を仕事関数の高い材料を用いて形成した場合、陰極12には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、Na、K、Rb、Cs、Ba、およびこれらの合金を挙げることができる。
陰極12は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。また、前記仕事関数の低い材料のうちの1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫などとの合金でもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
陰極12の膜厚は、1nm〜500nm、好ましくは10nm〜300nmである。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない。膜厚が厚い場合には、陰極12の成膜に長時間を要するため材料温度が上昇し、有機層にダメージを与えて性能が劣化してしまう。さらに、材料を大量に使用するため、成膜装置の占有時間が長くなり、コストアップに繋がってしまう。
<実施例1>
太陽電池セルが、光の入射方向と垂直な面に対して80°、70°、60°、および45°傾斜するように配置された有機薄膜太陽電池をそれぞれ作製し、比較を行った。比較例としては、傾斜させない太陽電池を同様に作製した。
先ず、光電変換層となる有機半導体の固形分の調整を行った。
p型有機半導体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])1-マティリアル社製 10重量部と、n型有機半導体である70PCBM([6,6]-フェニルC71酪酸メチルエステル)SOLENNE社製 40重量部を混合した。
次に、溶媒であるオルトジクロロベンゼン1mlに対して、前記固形分30mgをサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2)中で50℃、2時間超音波照射することにより溶解させ、光電変換層となる塗布溶液を得た。最後に、光電変換層となる塗布溶液を0.2μmのフィルターで濾過した。
基板は、20mm×20mm、厚さ0.7mmのガラス基板である。このガラス基板に、ITO透明導電層をスパッタ法で140nm堆積し、ITO部をフォトリソグラフィー法により3.2mm×20mmの長方形状にパターニングしたITO付ガラス基板を得た。
この基板を、界面活性剤(和光純薬製NCW1001)を1%含有した純水にて5分間超音波洗浄した後、純水の流水にて15分間洗浄した。さらに、アセトンで5分間超音波洗浄し、IPAで5分間超音波洗浄した後、120℃の恒温槽で60分間乾燥した。
その後、この基板を10分間UV処理し、表面を親水化した。
塗布による成膜は次の工程にて行った。
まず空気中でITO付ガラス基板上に、正孔輸送層となるPEDOT/PSS水溶液(スタルク社製 ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホネート)、商品名Clevios PH500をスピンコート法により54nmの厚さに成膜し、ホットプレート上で200℃/5分間加熱乾燥した。なお、PEDOT/PSS水溶液はあらかじめ0.1μmのフィルターで濾過したものを使用した。
次に、窒素置換グローブボックス中で、光電変換層となる前述の塗布溶液を正孔輸送層上に滴下し、スピンコート法により膜厚90nmの光電変換層となる有機半導体層を形成した。その後、同雰囲気中において、ホットプレート上で70℃/60分間加熱乾燥した。なお、塗布溶液はあらかじめ0.2μmのフィルターで濾過したものを使用した。
次に、電子輸送層としてアモルファス状酸化チタン層を得るため、ゾルゲル法による溶液にて成膜を行った。ゾルゲル法による酸化チタン溶液は次の工程で調製した。チタニウムイソプロポキシド5ml、2−メトキシエタノール 25ml、およびエタノールアミン2.5mlを、窒素置換した50mlの3口フラスコ(攪拌機構と還流装置、温度調整機構を備える)中で80℃にて2時間、さらに120℃で1時間還流処理を行った。得られた酸化チタンの前駆体溶液を、IPAで150倍に希釈した。本溶液をあらかじめ0.2μmのフィルターで濾過した。
この溶液を光電変換層上に滴下し、スピンコート法により膜厚15nmとなるように電子輸送層を形成した。その後、ホットプレート上で80℃/10分間加熱乾燥した。なお、電子輸送層の塗布、乾燥工程は、加水分解反応により酸化チタンを生成する反応を伴うため、空気中にて操作を行った。空気中には水分が含まれており、これを利用して反応を進めるためである。
次に、陰極を真空蒸着装置にて蒸着法により成膜した。基板ホルダーに光電変換層を塗布し終えたITO付ガラス基板をセットして、陰極パターンマスクを重ね、蒸着機内に設置した。陰極パターンマスクは3.2mm幅の長方形状の長方形状のスリットを有し、ITO層とスリットが交差するように配置されている。従って、有機薄膜太陽電池素子の面積はこの交差する部分の面積となり、0.1024cm(3.2mm×3.2mm)である。蒸着条件は、真空度が3×10−6torrになるまで排気し、Alの線材を抵抗加熱し、アルミニウム層を80nmの厚さに蒸着した。
次に、蒸着が終了した基板をホットプレート上で150℃/30分間アニーリングした。
アニーリング後の基板を、中央を切削した封止ガラスをエポキシ樹脂で接着して封止した。
最後に、正負の電極から引き出し電極を取り出し、有機薄膜太陽電池とした。
(試験1)
太陽電池セルを光の入射方向と垂直な面に対して80°傾斜させた場合(傾斜セル)と、傾斜させない場合(水平セル)について、電流−電圧特性を比較した。その結果を図16に示す。ただし、測定においては、より現実的なセル構成とするため、図2に示したように角度θだけ傾けた一対のセルをV字型に配置したものを使用した。従って、対向するセルからの反射光も測定結果に寄与している。
水平セルの場合、効率6.19%を得た。80°の傾斜セルについては、効率が11.61%に上昇し、本発明の効果を確認できた。傾斜セルの変換効率は、水平セルの約1.9倍となった。傾斜セルの電流密度Jscは、水平セルの約2.2倍である30.87mA/cmに達した。
次に、傾斜角度を変化させて、光電変換効率を比較した。測定においては、上記と同様に、一対のセルをV字型に配置したものを使用した。測定は、電気出力測定装置(株式会社マキ製作所)にて行った。測定用光源は、AM1.5を再現するソーラシュミレータにより照射照度100mW/cmの出力を得て、疑似太陽光をシミュレートする標準光源とした。本装置にて電子負荷によるIV特性を測定し、光電変換効率を求めた。なお、変換効率の計算においては、有機薄膜太陽電池では入射光の強度と変換効率との関係が広範囲の光強度にわたってリニアであるという実験事実を援用した。
セル角度θと光電変換効率との関係を図17に示す。実線は、実際に実験を行って得た結果であり、破線は、シミュレーションにて得た結果である。シミュレーションは、入射光の吸収と反射を考慮したモデルによって行った。
θが45°の場合の光電変換効率の上昇率は小さいが、60°から急激に上昇し、70°および80°では高い変換効率を示した。
光電変換層の光透過率の最適値を調べるために、シミュレーションを行った。具体的には、実施例1で作製したセルの各層の吸光係数と屈折率、及び光透過率の実験データなどを元にして、光電変換層が吸収する光量を求め、変換効率に換算した。光電変換層の光透過率を78%とした場合、シミュレートした計算結果は、実際の測定結果を比較的良好に再現していることがグラフから分かる。一方、仮に光電変換層がすべての光を吸収するとした場合、すなわち光電変換層の光透過率が0%である場合は、セルを傾斜させるに従って変換効率が低下することが分かった。
(セル内における効率分布のシミュレーション)
対向セルが存在するV字型構造においては、上方から入射する光がセル表面で反射されてV字の谷底部分に集光される。従って、V字の谷底に近づくに従って光強度が強まり、結果的に見かけの変換効率が高まることが直感的に予想される。これを明らかにするため、V字における光路を計算し、セル内における効率分布をシミュレートした。シミュレートの対象として、実施例1で作製した太陽電池セルを80°傾斜させたものを対向させてV字型に配置したものを使用した。
図18は、V字セル内の光路を示す図である。図18の右側のセルに着目し、セルの最上部のA点に垂直上方から入射した光の光路を予測する。セルの傾斜角θが80°の場合、A点でセルに対して10°の角度で入射した光は、ここで反射されて1次反射光となり、左側のセルのB点に対向する位置でセルに対して30°の角度で入射し、ここで反射されて右側セルのC点へ向かって2次反射光として入射する。同様にして、左側のセルの最上部に入射した光はここで反射され、1次反射光として右側セルのB点にセルに対して30°の角度で入射する。この様に解析すると、右側セルのAからBに至る領域には入射光のみが照射され、領域B−Cには入射光と1次反射光が照射される。ここでは、反射および入射を繰り返すたびにセルに対する入射光の角度が変わるとともに、光束が絞り込まれ、谷底に近づくほどに集光が行われることも考慮して計算した。
V字セルにおける光電変換効率分布の計算結果を図19に示した。図19におけるA〜Fの記号は、図18における記号に対応する。領域A−Bにおける変換効率は、測定値として得られた8.7%を用いた。領域B−C以降は計算結果を示している。領域B−Cでは1次反射光の効果が大きく、効率は約2倍に上昇した。4次反射まで考慮した領域E−Fでは、変換効率が19.0%に達している。この結果により、V字セルでは予想通りセルの各領域において効率の分布が存在し、効率測定においては測定点に注意する必要があることがわかった。なお、図17および図19における効率測定では、V字の谷底と山頂の全体をカバーするセルを用いて測定しており、正しい値が得られていると考えられる。
(太陽電池セルの光指向性のシミュレーション)
次に、太陽電池セルの光指向性をシミュレーションにより検討した。すなわち、このマルチスロープセルに対して、朝日から夕日まで180°にわたる角度で光が入射したときの発電量の変化をシミュレートした。図20は、マルチスロープセルに対する太陽光の1日の入射角変化を示す図である。V字セル内における反射と集光をすべて予測する手法が確立されたため、入射光の強度と角度さえ初期条件として与えられれば、一日の発電量を計算できる。ただし、入射光の角度が浅い場合(すなわち朝日や夕日)には影が生じることを考慮する必要がある。
夏季における1日の日射強度の測定結果は、図21のようになることがわかっている。これを用いてセル角度θを45°、60°、70°、80°にしたときの1日の発電量を計算し、図22に示した。太陽光の入射角が浅い領域(太陽光入射角0〜45°、および135〜180°の領域)においてはセルを傾斜させたことが逆効果となり、水平セル(セル角度=0°)よりも発電量が小さくなる。しかし、太陽が高い位置に進むに従って傾斜セルの効果が発揮され、急激に効率が上昇し、いわゆる指向性の強い発電特性を示す。1日の発電量を積分した総発電量を、図22内の表に記載した。総発電量はセル角度が増すに従って上昇し、θ=80°では水平セル(θ=0°)の1.28倍に達することが判った。
<実施例2>
実施例2として、太陽電池セルが複数の帯状傾斜面からなる蛇腹構造であることを特徴とする有機薄膜太陽電池を作製した。セル用の基板として、150nmのITOを電極形状にエッチングしたパターンが形成された、150μmのPEN(ポリエチレンナフタレート)からなるフィルムをスパッタリング法とエッチングにより作製した。またITOには、モリブデン層2nmとアルミ層50nmからなる幅0.2mmの補助配線が蒸着法により形成されており、ITOの見かけ上の抵抗を低下させている。これにより電圧低下が防止される。これをロールに巻き取り巻出機にセッティングした。
巻出機の回転により基板を連続的に印刷部へ供給しながら、正孔輸送層、光電変換層、電子輸送層、を順次塗布し、陰極を蒸着法にて成膜した。正孔輸送層を塗布する直前に、UV洗浄機にて表面を予めUV洗浄して、表面の異物を除去して親水性向上させた。各層の塗布は、電極パターンに従って、グラビア・オフセット法により印刷した。
正孔輸送層となるPEDOT/PSS水溶液(スタルク社製 ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホネート)、商品名Clevios PHを、60nmの厚さに成膜(膜厚は乾燥後の厚み)した。乾燥は、110℃の温風を発生するブロアーで行った。
光電変換層となる有機半導体の固形分の調整は以下の通り行った。p型有機半導体であるPCDTBT(ポリ[N−9”−ヘプタ−デカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)])1-マティリアル社製 10重量部と、n型有機半導体である70PCBM([6,6]-フェニルC71酪酸メチルエステル)SOLENNE社製 40重量部を混合した。次に、溶媒であるオルトジクロロベンゼン1mlに対して、前記固形分35mgをサンプル瓶の中に加え、超音波洗浄機(井内盛栄堂(株)製US−2)中で50℃、2時間超音波照射することにより溶解させ、光電変換層となる塗布溶液を得た。これを膜厚89nmになるように正孔輸送層の上に印刷した。乾燥は70℃の温風を発生するブロアーで行った。
電子輸送層としてアモルファス状酸化チタン層を得るため、ゾルゲル法により作製した溶液にて成膜を行った。ゾルゲル法による酸化チタン溶液は、次の工程で調製した。チタニウムイソプロポキシド5ml、2−メトキシエタノール 25ml、およびエタノールアミン2.5mlを、窒素置換した50mlの3口フラスコ(攪拌機構と還流装置、温度調整機構を備える)中で80℃にて2時間、さらに120℃で1時間還流処理を行った。得られた酸化チタンの前駆体溶液を、IPAで150倍に希釈した。この溶液を光電変換層上に膜厚20nmとなるように塗布し、電子輸送層を形成した。乾燥は80℃の温風を発生するブロアーで行った。
印刷終了後、30cmに切り出した後、陰極を、真空蒸着装置にて蒸着法により成膜した。Alの線材を抵抗加熱し、アルミニウム層を、マスクを介して電極形状に80nmの厚さに蒸着した。
さらに、パシベーション膜として酸化ケイ素をスパッタ法にて膜厚82nmに成膜した。また、図14には図示していないが、分割セル間は並列接続されるよう配線を設計した。
折り曲げ工程:
セル100は傾斜辺ごとに分割された短冊状の構造(分割セル)をしている。折り曲げを容易にするため、前記工程にて作製されたセル(図14(a))の折り目部分に、カッターで薄く切り込みを裏表交互にいれた。折り曲げた後に山、谷の稜線のとなる部分はセルが形成されていない。これは折り曲げてしまうと、その部分の素子構造が破壊されてしまうからで、あらかじめ素子を形成しないよう設計されている。
その後、図14(b)に示す三角波形状の金型60の先端と、先ず切込みを入れた部分を合致させ、上下から圧力をかけることで、基板を切り込みの部分から折り曲げ、図14(c)のような蛇腹形状のマルチスロープセルとした。折り曲げ角度が70°となるような金型60を用いて、角度θは70°とした。折り曲げた後の溝部から頂部までの高さは5mmとした。
モジュールの作成:
図14(d)は前述のセルを用いてモジュール化にした構造を示している。
ポリカーボネート製の樹脂基板63の上に、アクリル製の基板にセル固定溝62を設けた基板を配置した。これに蛇腹状に加工されたセル(図14(c))を2つ並べて、セル固定溝62とセルの谷部が合致するように配置して固定した。
次に、セルの電極間をインターコネクタ62によってセル間を直列接続した。インターコネクタ62は、ディスペンサーで銀ペーストを塗布することで配線としている。銀ペーストは、藤倉化成製のD500を用いた。図示していないが、さらに外部に電極を取り出すためセルと端子ボックス間66の配線を銅線にて行った。セルと銅線の結合は、前記の銀ペーストを用いている。最後に、ポリカーボネート製の透明保護板64でセルを挟み込み、アルミ製のフレームを用いて固定して、モジュールとした。
印刷法と折りたたみ法を用いて太陽電池セルを製造する方法により、実用的なマルチスロープセルを低価格で大量に生産できる。
<実施例3>
基板となるフィルムの表面に反射防止膜を設けたこと以外は、上記実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
反射防止膜としては、サスティナブルテクノロジー社の酸化チタン系反射防止膜を使用した。
上記のようにして得られた有機薄膜太陽電池について、光電変換効率を測定したところ、実施例1の場合よりも5%程度向上した。なお、測定は、実施例1の試験1と同様に行った。
1…p型半導体、2…n型半導体、10…基板、11…陽極、12…陰極、13…光電変換層、14…正孔輸送層、15…電子輸送層、20…反射板、30…反射防止膜、40…基板、51…圧胴、52…版胴、53…ブランケット胴、61…インターコネクタ、62…セル固定溝、63…支持基板、64…透明保護板、65…フレーム、66…端子ボックス、100…太陽電池セル。

Claims (14)

  1. 複数の傾斜面を有する基板と、
    前記基板の傾斜面上に形成された太陽電池セルであって、互いに離間して配置された一対の電極と、前記電極間に設けられたp型有機半導体とn型有機半導体とを含むバルクヘテロ接合型の光電変換層とを含む太陽電池セルと、
    を具備し、前記基板の傾斜面は光の入射方向と垂直な面に対して60〜89°傾斜しており、前記光電変換層は可視光波長域における光透過率が3%以上であることを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 前記基板は複数の傾斜面と前記傾斜面に隣接する垂直面とを有し、前記複数の傾斜面の少なくとも一部に太陽電池セルが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  3. 前記基板は交互に反対方向に傾斜する複数の傾斜面を有し、前記複数の傾斜面の少なくとも一部に太陽電池セルが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記基板の隣接する傾斜面によって形成される溝部から頂部までの高さが1mm〜20cmであることを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 前記基板の傾斜面に隣接する垂直面上に反射板を配置したことを特徴とする請求項2に記載の有機薄膜太陽電池。
  6. 前記基板の隣接する傾斜面によって形成される溝部に、反射板を鉛直に立設したことを特徴とする請求項3に記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 前記太陽電池セルの光入射面に反射防止膜を配置したことを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  8. 前記基板がフレキシブルな材質からなり、前記基板が折り曲げられて交互に反対方向に傾斜する複数の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池。
  9. フレキシブルな材質からなる基板上に、互いに離間して配置された一対の電極と、前記電極間に設けられた、p型有機半導体およびn型有機半導体を含有するバルクヘテロ接合型の光電変換層とを含む太陽電池セルを形成する工程と、
    前記基板を指定されたパターンに従い折り曲げる工程と、
    を具備することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記パターンは、前記基板の長手方向に対して平行に複数の折り目を付けることにより形成されることを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 前記基板を折り曲げる工程は、前記基板を機械的に折り曲げることにより行うことを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  12. 前記基板を折り曲げる工程は、前記基板を熱的に折り曲げることにより行うことを特徴とする請求項10に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  13. 前記基板を折り曲げる工程は、前記基板を熱的な補助を受けた機械的な変形装置を用いて折り曲げることにより行うことを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  14. 前記基板を折り曲げる工程は、交互に反対方向に傾斜する複数の傾斜面を有する支持体上に、前記基板を前記支持体の傾斜面に沿って配置することにより行うことを特徴とする請求項9に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
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