JPWO2013137274A1 - 有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法、及び有機薄膜太陽電池モジュール - Google Patents

有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法、及び有機薄膜太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

太陽電池素子の製造後でも、取り出す電位を調整することが可能な太陽電池モジュールを提供することを課題とする。太陽電池セルの光電変換層と積層する上部電極において、当該太陽電池セルの起電力が失われるおそれがあるにもかかわらず、あえて集電線を設置し得る構成とすることで課題を解決する。

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法、および有機薄膜太陽電池モジュールに関する。特に、取り出す電位を任意に設定しやすい有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法、および太陽電池モジュールに関する。
薄膜太陽電池モジュールは、上部電極、光電変換層、および下部電極を含む薄膜太陽電池素子を製造し、該薄膜太陽電池素子の各電極と集電線とを接続して、封止することで製造される。そして、薄膜太陽電池素子は、必要となる電位の調整と製造の効率化のために、複数の太陽電池セルを直列に接続したモノリシック構造を有することが一般的である。
有機薄膜太陽電池素子から電気を取り出すためには、通常、有機薄膜太陽電池素子を形成する各太陽電池セルの、光電変換層と重ならない領域、特に有機薄膜太陽電池素子の両端に電気取り出し用の電極を設置し、該電極と集電線とを接続する方法が知られている(例えば特許文献1、2参照)。
特開2011−124582号公報 特開2011−171707号公報
従来の方法でモノリシック構造の有機薄膜太陽電池素子から電気を取り出すには、所定の数の太陽電池セルを直列に接続したセル列の両端に、電気取り出し用の電極を設けた太陽電池素子を製造し、該電気取出し用の電極に集電線を設置することになる。そして、集電線を設置した有機薄膜太陽電池素子を封止することで有機薄膜太陽電池モジュールを製造する。このような太陽電池モジュールを製造するためには、太陽電池素子を製造する際に、あらかじめセル列を構成するセルの数や電気取出し用の電極を設ける位置を決める必要がある。
すなわち、従来の方法によれば、電気取出し用の電極からはあらかじめ決められた特定の電位しか得られず、有機薄膜太陽電池素子を製造した後に電位を変更したいという要望への対応は不可能であった。そのため、有機薄膜太陽電池モジュールの製造を一旦設計して製造を始めた後に、電位の変更要求があった場合には、再度有機薄膜太陽電池素子の設計を行うことから製造を始める必要があり、非常に生産効率が悪かった。また、ロール・トゥ・ロール方式で有機薄膜太陽電池素子を製造する場合、同一の太陽電池素子を一度に大量に製造することは可能であっても、少量で多種類の有機薄膜太陽電池素子を効率よく製造することが困難であった。
本発明は、このような要求に対応し得る、有機薄膜太陽電池素子の製造後でも有機薄膜太陽電池モジュールから取り出す電位を任意に設定することが可能な、有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法及び有機薄膜太陽電池モジュールを提供することを課題とする。
有機薄膜太陽電池は、光電変換層が有機材料を用いた薄膜であるため、光電変換層にアモルファスシリコン等の無機材料を用いた薄膜太陽電池と比較して、光電変換層の物理的強度が低い。従って、該太陽電池素子を構成する各太陽電池セルの電極、すなわち光電変換層と積層された電極に集電線を直接設置すると、設置の際の物理的な力により太陽電池セルの層構成が破壊され、または短絡を起こし、当該集電線を設置した太陽電池セルの起電能力が失われるおそれがある。特に、ロール・トゥ・ロール方式などにより、大規模な装置を用いて工業的に実施する際には、集電線を設置する際に電極の下に位置する光電変換層に物理的な力がかかりやすい。
また、集電線には一般に光を透過しない材料が用いられるため、太陽電池の受光面積を少しでも増やすには、光電変換層の受光面側上方に集電線を設置しない方が好ましい。
従って、当業者であれば、太陽電池セルの電極上に直接集電線を設置することはせず、セルを構成する電極と電気的に接続された電気取り出し用の電極を形成し、その電気取り出し用の電極に集電線を設置するのが常識であった。
本発明者らは、上記課題を解決するために、このような常識にとらわれずに鋭意研究を重ねた結果、有機薄膜太陽電池セルの光電変換層に積層された上部電極において、当該有機薄膜太陽電池セルの起電能力が失われるおそれがあるにもかかわらず、あえて集電線を設置し得る構成とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明の要旨は、以下に存する。
[1]下記工程を有する、有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
工程1:少なくとも下部電極、光電変換層および上部電極が順次積層された有機薄膜太陽電池セルが、直列に複数個接続された有機薄膜太陽電池素子を、基板上に形成する工程
工程2:有機薄膜太陽電池素子に含まれる2以上の該有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程
工程3:該集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止する工程
[2]前記工程1を、ロール・トゥ・ロール方式で行う、[1]に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[3]前記基板の長さが10m以上である、[2]に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[4]前記有機薄膜太陽電池素子が10m以上連続して形成されている、[3]に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[5]前記有機薄膜太陽電池素子において、前記有機薄膜太陽電池セルが、基板の長手方向に10m以上直列に接続されたことを特徴とする、[4]に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[6]前記有機薄膜太陽電池素子において、前記有機薄膜太陽電池セルが、基板の幅手方向に直列に接続されてセル列を形成し、複数のセル列が基板の長手方向に10m以上隣接して形成された、
[4]に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[7]前記有機薄膜太陽電池素子は、前記有機薄膜太陽電池セルが直列に3個以上接続された有機薄膜太陽電池素子である、[1]〜[5]のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[8]前記工程1と工程2との間に、
工程A−1:有機薄膜太陽電池素子を、セルが直列に3個以上接続されるように切断する工程を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[9]前記工程2と工程3との間に、
工程A−2:有機薄膜太陽電池素子を、2以上の集電線を含むように切断する工程を有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[10]前記工程3の後に、
工程A−3:有機薄膜太陽電池モジュールを、2以上の集電線を含むように切断する工程を有する[1]〜[7]のいずれかに記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
[11]前記工程1と工程2との間に、
工程B:前記有機薄膜太陽電池素子を封止する工程、を有し、該封止する工程は、少なくとも2以上の前記太陽電池セルの上部電極が露出するように封止することを特徴とする、[1]〜[10]のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
[12]基板上に有機薄膜太陽電池セルが直列に複数接続された構造を有する有機薄膜太陽電池素子を含む太陽電池モジュールであって、前記有機薄膜太陽電池セルは、少なくとも下部電極、光電変換層、および上部電極を備え、前記有機薄膜太陽電池素子における2以上の太陽電池セルにおいて、上部電極上に集電線が設けられていることを特徴とする、太陽電池モジュール。
[13]前記有機薄膜太陽電池素子における4以上の太陽電池セルにおいて、上部電極上に集電線が設けられている、[12]に記載の太陽電池モジュール。
本発明により、太陽電池素子の製造後でも電位を調整することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することができる。多様な必要電位の要求に対しても生産効率を下げることなく、有機薄膜太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の有機薄膜太陽電池素子の製造方法の一例を示した概念図である。 ロール・トゥ・ロール方式による有機薄膜太陽電池素子の製造方法を表す模式図である。 有機薄膜太陽電池セルが基板の長手方向に直列に接続された、有機薄膜太陽電池素子を示す概念図である。 有機薄膜太陽電池セルが基板の幅手方向に直列に接続された、有機薄膜太陽電池素子を示す概念図である。 本発明の有機薄膜太陽電池素子の上部電極と集電線の設置について示した概念図である。 本発明の有機薄膜太陽電池素子の上部電極と集電線の設置について示した概念図である。 本発明の有機薄膜太陽電池素子の一態様を示した概念図である。 ロール・トゥ・ロール方式による集電線設置工程を表す模式図である。 集電線を設置した有機薄膜太陽電池素子(有機薄膜太陽電池セルが基板の長手方向に直列に接続)を示す概念図である。 集電線を設置した有機薄膜太陽電池素子(有機薄膜太陽電池セルが基板の幅手方向に直列に接続)を示す概念図である。 ロール・トゥ・ロール方式による封止工程を表す模式図である。 有機薄膜太陽電池素子を1個設けた有機薄膜太陽電池モジュールの層構成を示す概念図である。 2個以上の有機薄膜太陽電池素子を設けた有機薄膜太陽電池モジュールの層構成を示す概念図である。 ロール・トゥ・ロール方式による切断工程を表す模式図である。 複数の前記有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように封止した有機薄膜太陽電池素子の概念図である。 本発明に係る有機薄膜太陽電池素子を用いた太陽電池パネルの層構成を表す模式図である。
以下、本発明について、具体的な態様を示しながら詳細に説明するが、本発明は例示する具体的態様に限定されないことはいうまでもない。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、以下の工程を有する。
工程1:工程下部電極、光電変換層および上部電極が順次積層された有機薄膜太陽電池セルが、直列に複数個接続された有機薄膜太陽電池素子を、基板上に形成する工程
工程2:有機薄膜太陽電池素子に含まれる2以上の該有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程
工程3:該集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止する工程
本発明においては、工程1〜3を順次有すれば、各工程の間に更に別の工程を含んでも良い。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法における各工程の製造方式は、枚葉方式でも、ロール・トゥ・ロール方式でも良いが、少なくとも工程1をロール・トゥ・ロール方式で行うことが好ましく、全ての工程をロール・トゥ・ロール方式で行うことがより好ましい。太陽電池素子を大量に製造しても、その後の工程において任意に電位を調整することが可能なためである。
ロール・トゥ・ロール方式とは、ロール状に巻かれたフィルム状の基板を繰り出して、間欠的、或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間に加工を行う方式である。kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、簡易に量産が可能である。
該フィルム状の材料または部材は、ロール状に巻ける限り特に限定されないが、通常、可とう性を有する。フィルム状の材料の厚さは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、通常1cm以下、好ましくは5mm以下、より好ましくは1mm以下である。上記下限よりも厚いことで材料の強度を保持でき、ロール・トゥ・ロール方式によるプロセスの条件設定の自由度が高くなる。また、上記上限よりも薄いことで、ロール状に巻く際の取り扱い性が高くなる。
ロールの大きさは、ロール・トゥ・ロール方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、外径は、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは1m以下であり、通常10cm以上、好ましくは20cm以上、より好ましくは30cm以上である。ロール芯の外径は、通常4m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは0.5m以下であり、通常1cm以上、好ましくは3cm以上、より好ましくは5cm以上、更に好ましくは10cm以上、特に好ましくは20cm以上である。これらの径が上記上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であると、以下の各工程で形成される層が、曲げ応力により破壊される可能性が低くなる点で好ましい。
幅は、通常5cm以上、好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上であり、通常5m以下、好ましくは3m以下、より好ましくは2m以下である。幅が上限以下であるとロールの取り扱い性が高い点で好ましく、下限以上であると太陽電池素子の大きさの自由度が高くなるため好ましい。
以下、各工程を説明する。
1. 工程1:下部電極、光電変換層および上部電極が順次積層された有機薄膜太陽電池セルが、直列に複数個接続された有機薄膜太陽電池素子を、基板上に形成する工程
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、有機薄膜太陽電池セルが直列に複数個接続された構造(以下、モノリシック構造ともいう)を有する有機薄膜太陽電池素子を含む。通常、有機薄膜太陽電池モジュールに要求される電位や大きさにより、有機薄膜太陽電池素子が含む有機薄膜太陽電池セルの数や配置方法を決める。
複数の有機薄膜太陽電池セルが直列に接続されているかぎり、その配置方法、数は特段制限されないが、直列に接続された有機薄膜太陽電池セルの個数は、通常3個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは15個以上、更に好ましくは30個以上、特に好ましくは100個以上である。上限は本発明の効果を得られれば限定されず、通常50万個以下、好ましくは10万個以下、より好ましくは1万個以下、更に好ましくは1000個以下、特に好ましくは600個以下である。
有機薄膜太陽電池セルを基板の長手方向に直列に接続する場合には、直列に接続するセルの個数は、基板の長さと一つの有機薄膜太陽電池セルの直列接続方向の長さとを設定することにより任意に決めることができる。一つの基板に、多くの有機薄膜太陽電池セルが直接に接続された太陽電池素子を形成してもよいし、所定の個数の有機薄膜太陽電池セルが直列に接続された太陽電池素子を複数個形成してもよい。
一方、有機薄膜太陽電池セルを基板の幅手方向に直列に接続する場合には、基板の幅手方向の長さと1個の有機薄膜太陽電池セルの直列接続方向の長さにより、一列で直列に接続できる個数が限定される。一列に直列に接続される有機太陽電池セルの個数は、通常3個以上、好ましくは5個以上、より好ましくは10個以上、更に好ましくは15個以上であり、上限は特に限定されないが、通常600個以下、好ましくは500個以下、より好ましくは300個以下、更に好ましくは200個以下である。一方、隣接するセル列を上部電極または下部電極により直列に接続すれば、直列に接続される有機太陽電池セルの個数は任意に設定でき、この場合の通常6個以上、好ましくは10個以上、より好ましくは20個以上、更に好ましくは30個以上であり、上限は特に限定されないが、通常50万個以下、好ましくは10万個以下、より好ましくは1万個以下、更に好ましくは1000個以下、特に好ましくは600個以下である。
これらの中でも、有機薄膜太陽電池セルを基板の長手方向に直列に接続すると、所望の電位のセルを切り出しやすくなる点で好ましい。
また、有機薄膜太陽電池セルは、下部電極、光電変換層、および上部電極を少なくとも備える。なお、本発明において、図1に示すように、通常有機薄膜太陽電池セルの基板に積層される電極を下部電極と称し、下部電極に光電変換層を積層した後に積層される電極を上部電極と称する。下部電極は基板に直接積層されても、間接的に積層されてもよい。
1−1. 下部電極及び上部電極
有機薄膜太陽電池素子は、下部電極および上部電極を有する。これらの電極は、光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有する。したがって、これらの電極として、一方に正孔の捕集に適した電極(以下、アノードと記載する場合もある)を、他方に電子の捕集に適した電極(以下、カソードと記載する場合もある)を用いることが好ましい。下部電極がアノードであり、上部電極がカソードであってもよいし、下部電極がカソードであり、上部電極がアノードであってもよい。下部電極および上部電極は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であっても構わない。
本発明において透光性があるとは、太陽光線透過率、すなわち太陽光のうち波長360〜830nmの波長の光が透過する割合が、40%以上であることを指す。該太陽光線透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。
また、透明電極の太陽光線透過率が通常70%以上であることが、透明電極を透過させて光電変換層に光を到達させるために好ましい。
これらの光線透過率は、JIS7375:2008に準拠して測定した値である。
下部電極及び上部電極は導電性を有する材料により形成することが可能である。導電性を有する限り特に制限されないが、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化タングステン、酸化錫等の金属酸化物、あるいはその複合酸化物(ITO、IWO、IZOなど);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;前記導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などが挙げられる。
なかでも、正孔を捕集する電極には、Au、ITO等の深い仕事関数を有する材料が好ましい。一方、電子を捕集する電極には、Alのような浅い仕事関数を有する材料が好ましい。仕事関数を最適化することにより、光吸収により生じた正孔及び電子を良好に捕集する利点がある。
少なくとも受光面側の電極は、透光性を有しており、好ましくは透明である。但し、電極は、発電性能に著しく悪影響を与えない場合は必ずしも透明でなくてもよい。透明な電極の材料を挙げると、例えば、ITO、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の酸化物;金属薄膜などが挙げられる。また、受光面側の電極の太陽光線透過率は、有機薄膜太陽電池素子の発電効率を考慮すると、光学界面での部分反射によるロスを除き、80%以上が好ましい。
下部電極及び上部電極の形成方法に制限はなく、公知の方法を用いることができる。具体的には、蒸着法若しくはスパッタ法等の真空成膜方法、又は金属ナノ粒子等の金属粒子、導電性高分子、導電性高分子前駆体等を含有するインクを塗布して成膜する湿式塗布法等がある。また上記金属を用いた金属ペーストにより金属電極を形成することもできる。導電性ペーストとは、導電性フィラーを流動性の樹脂に分散したものである。導電性フィラーとしては、上記アノード又はカソードの材料として記載した金属の粒子が好適に用いられる。また、これらの2種以上を複層化した微粒子や、混合物等も用いることが可能である。流動性の樹脂としては、エポキシ、ポリエステル、フェノール、ポリイミド、ポリアミド及びこれらの混合物等を用いることができる。金属ペーストを用いて電極を形成する方法としては、特に制限されないが、塗布による方法が挙げられ、湿式塗布法が好ましい。湿式塗布法としては、スピンコート法やインクジェット法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等を用いることができる。
さらに、下部電極及び上部電極は、2層以上の積層構造を有していてもよい。下部電極及び上部電極の材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、下部電極及び上部電極に対して表面処理を行うことにより、特性(電気特性やぬれ特性等)を改良してもよい。
本発明の方法においては、上部電極が光電変換層に対して非受光面側であるのが好ましい。上部電極が非受光面側であることで、後の工程で上部電極に集電線を設置した際に、集電線が有機薄膜太陽電池モジュールの受光面積に及ぼす影響を抑止できる。すなわち、上部電極が受光面側である場合に対して、有機薄膜太陽電池モジュールの受光面積を広くすることができる。
1−2. 光電変換層
光電変換層は、有機半導体により形成される。有機半導体は半導体特性により、p型、n型に分けられる。p型、n型は、電気伝導に寄与するのが、正孔、電子いずれであるかを示しており、材料の電子状態、ドーピング状態、トラップ状態に依存する。したがって、p型、n型は必ずしも明確に分類できない場合があり、同一物質でp型、n型両方の特性を示すものもある。
p型半導体の例として、高分子有機半導体化合物や低分子有機半導体化合物等が挙げられる。
高分子有機半導体化合物として、特に限定はなく、ポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリアセチレン又はポリアニリン等の共役ポリマー半導体;アルキル基やその他の置換基が置換されたオリゴチオフェン等のポリマー半導体;等が挙げられる。また、二種以上のモノマー単位を共重合させた半導体ポリマーも挙げられる。共役ポリマーとしては、例えば、Handbook of Conducting Polymers,3rd Ed.(全2巻),2007、Materials Science and Engineering,2001,32,1−40、Pure Appl.Chem.2002,74,2031−3044、Handbook of THIOPHENE−BASED MATERIALS(全2巻),2009等の公知文献に記載されたポリマーやその誘導体、及び記載されているモノマーの組み合わせによって合成し得るポリマーを用いることができる。p型半導体化合物として用いられる高分子有機半導体化合物は、一種の化合物でも複数種の化合物の混合物でもよい。
低分子有機半導体化合物としては、p型半導体材料として働きうるのであれば特段の制限はないが、具体的には、ナフタセン、ペンタセン又はピレン等の縮合芳香族炭化水素;α−セキシチオフェン等のチオフェン環を4個以上含むオリゴチオフェン類;チオフェン環、ベンゼン環、フルオレン環、ナフタレン環、アントラセン環、チアゾール環、チアジアゾール環及びベンゾチアゾール環のうち少なくとも一つ以上を含み、かつ合計4個以上連結したもの;フタロシアニン化合物及びその金属錯体、又はテトラベンゾポルフィリン等のポルフィリン化合物及びその金属錯体、等の大環状化合物等が挙げられる。好ましくは、フタロシアニン化合物及びその金属錯体又はポルフィリン化合物及びその金属錯体である。低分子有機半導体化合物の分子量は、上限、下限ともに特に制限されないが、通常5000以下、好ましくは2000以下であり、一方、通常100以上、好ましくは200以上である。なお、p型半導体層の形成を塗布により行う場合、低分子有機半導体化合物前駆体を塗布後に低分子有機半導体化合物に変換することができる。塗布成膜がより容易である点で、低分子有機半導体化合物前駆体を用いる方法がより好ましい。低分子有機半導体化合物前駆体とは、例えば加熱や光照射等の外的刺激を与えることにより、その化学構造が変化し、低分子有機半導体化合物に変換される化合物である。低分子有機半導体化合物前駆体は成膜性に優れる点で好ましい。
n型半導体としては、特段の制限はないが、具体的にはフラーレン化合物、8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド又はペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ペリレンジイミド誘導体、ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体、ボラン誘導体、アントラセン、ピレン、ナフタセン又はペンタセン等の縮合多環芳香族炭化水素の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ等が挙げられる。
そのなかでも、フラーレン化合物、ボラン誘導体、チアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾチアジアゾール誘導体、N−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド及びN−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体が好ましく、フラーレン化合物、N−アルキル置換されたペリレンジイミド誘導体及びN−アルキル置換されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミドがより好ましい。上記のうち一種の化合物を用いてもよいし、複数種の化合物の混合物を用いてもよい。また、n型半導体としては、n型高分子半導体も挙げられる。
少なくともp型の半導体およびn型の半導体が含有されていれば、光電変換層の具体的な構成は任意である。光電変換層は単層の膜のみによって構成されていてもよく、2以上の積層膜によって構成されていてもよい。例えば、n型の半導体とp型の半導体とを別々の膜に含有させるようにしても良く、n型の半導体とp型の半導体とを同じ膜に含有させても良い。また、n型の半導体及びp型の半導体は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
光電変換層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体化合物を含む層(n層)が界面を有する積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組合せが挙げられる。これらの中でもバルクへテロ接合型およびバルクへテロ接合型と積層型を組み合わせた(p−i−n接合型)が高い性能を示すことから好ましい。
光電変換層の厚さは特に限定されないが、通常10nm以上、好ましくは50nm以上である。一方、上限は、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下、より好ましくは300nm以下である。
光電変換層がpin構造の場合、p層、i層、n層各層の厚みは、通常3nm以上、中でも10nm以上、また、通常500nm以下、中でも50〜300nmとすることが好ましい。層を厚くすることで光電流が増大する傾向にあり、薄くすることで直列抵抗が低下する傾向にある。
光電変換層の厚さが10nm以上であれば、ニップロール機構による搬送の際に傷を受けても、影響を小さく抑えることができる。また、膜の均一性が保たれ、短絡を起こしにくくなるため、好ましい。また、光電変換層の厚さが1000nm以下であることは、内部抵抗が小さくなる点、及び電極間が離れすぎず電荷の拡散が良好となる点で、好ましい。
光電変換層の作成方法としては、特に制限はないが、塗布法、中でも湿式塗布法が好ましい。塗布法としては、任意の方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等が挙げられる。光電変換層をロール・トゥ・ロール方式で形成する場合、装置が簡便であり、コストが低く、大量に速く形成できるため、湿式塗布法を適用するのが好ましい。湿式塗布法を行う際には、被塗装層を溶解しない溶媒を選定するのが好ましい。
1−3. バッファ層(電子取り出し層、正孔取り出し層)
本発明に係る有機薄膜太陽電池素子は、下部電極および/または上部電極と光電変換層との間にバッファ層を含むのが好ましい。バッファ層とは、電子取り出し層および/または正孔取り出し層を指す。バッファ層は、本発明に係る有機薄膜太陽電池素子において必須ではなく、電子取り出し層と正孔取り出し層のいずれか一方のみを含んでも良い。電子取り出し層はカソードと光電変換層との間に存在するのが好ましく、正孔取り出し層はアノードと光電変換層との間に存在するのが好ましい。
すなわち、電子取り出し層と正孔取り出し層とは、一対の電極間に、光電変換層を挟むように配置されることが好ましい。電子取り出し層および正孔取り出し層の積層順は、上部電極と下部電極の機能、すなわちそれぞれの電極がアノードとカソードのどちらかに応じて、前記説明の通り、適切に選択すればよい。
具体的には、上部電極がアノード、下部電極がカソードであり、バッファ層として電子取り出し層と正孔取り出し層をいずれも含むときは、有機薄膜太陽電池素子は、下部電極、電子取り出し層、光電変換層、正孔取り出し層、及び上部電極をこの順に有するのが好ましい。電子取り出し層を含み、正孔取り出し層を含まない場合は、有機薄膜太陽電池素子が下部電極、電子取り出し層、光電変換層、上部電極をこの順に有するのが好ましい。同様に、正孔取り出し層を含み、電子取り出し層を含まない場合は、有機薄膜太陽電池素子が下部電極、光電変換層、正孔取り出し層、及び上部電極をこの順に有するのが好ましい。
また電子取り出し層と正孔取り出し層の少なくとも一方が異なる複数の層により構成されていてもよい。
1−3−1. 電子取り出し層
電子取り出し層の材料は、光電変換層からカソードへ電子の取り出し効率を向上させる材料であれば特段の制限はないが、無機化合物又は有機化合物が挙げられる。
無機化合物の材料の例としては、Li、Na、K又はCs等のアルカリ金属の塩;酸化チタン(TiOx)や酸化亜鉛(ZnO)のようなn型半導体酸化物等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属の塩としては、LiF、NaF、KF又はCsFのようなフッ化物塩が好ましく、n型半導体酸化物としては、酸化亜鉛(ZnO)が好ましい。このような材料の動作機構は不明であるが、Al等で構成されるカソードと組み合わされれた際にカソードの仕事関数を小さくし、有機薄膜太陽電池素子内部に印加される電圧を上げる事が考えられる。
有機化合物の材料の例としては、例えば、トリアリールホスフィンオキシド化合物のようなリン原子と第16族元素との二重結合を有するホスフィン化合物;バソキュプロイン(BCP)又はバソフェナントレン(Bphen)のような、置換基を有してもよく、1位及び10位がヘテロ原子で置き換えられていてもよいフェナントレン化合物;トリアリールホウ素のようなホウ素化合物;(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq3)のような有機金属酸化物;オキサジアゾール化合物又はベンゾイミダゾール化合物のような、置換基を有していてもよい1又は2の環構造を有する化合物;ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)又はペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)のような、ジカルボン酸無水物のような縮合ジカルボン酸構造を有する芳香族化合物等が挙げられる。
電子取り出し層の厚さは特に限定はないが、通常0.01nm以上、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは0.5nm以上である。一方、通常400nm以下、好ましくは200nm以下である。電子取り出し層の厚さが0.01nm以上であることで、ニップロール機構による搬送の際に傷を受けても、影響を小さく抑えることができ、また、バッファ材料としての機能を果たすことになる。電子取り出し層の厚さが40nm以下であることで、電子が取り出しやすくなり、光電変換効率が向上しうる。
電子取り出し層の形成方法に制限はない。例えば、昇華性を有する材料を用いる場合は真空蒸着法等により形成することができる。具体的には、例えばアルカリ金属塩を電子取り出し層の材料として用いる場合、真空蒸着、スパッタ等の真空成膜方法を用いて電子取り出し層を成膜することが可能である。なかでも、抵抗加熱による真空蒸着によって、電子取り出し層を形成するのが望ましい。真空蒸着を用いることにより、光電変換層等の他の層へのダメージを小さくすることができる。
また、例えば、溶媒に可溶な材料を用いる場合は、前述の光電変換層の作成方法と同様に、ピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等の湿式塗布法等により形成することができる。
一方、n型半導体の金属酸化物については、例えば、酸化亜鉛ZnOを電子取り出し層の材料として用いる場合には、スパッタ法等の真空成膜方法を用いることもできるが、塗布法を用いて電子取り出し層を成膜することが望ましい。例えば、Sol−Gel Science、C.J.Brinker,G.W.Scherer著、Academic Press(1990)に記載のゾルゲル法に従って、酸化亜鉛で構成される電子取り出し層を形成できる。この場合の厚さは、通常0.1nm以上、好ましくは2nm以上、より好ましくは5nm以上であり、通常1μm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下である。電子取り出し層が薄すぎると、電子の取り出し効率を向上させる効果が十分でなくなり、厚すぎると、電子取り出し層が直列抵抗成分として作用することにより素子の特性を損なう傾向がある。
電子取り出し層をロール・トゥ・ロール方式で形成する場合、装置が簡便であり、コストが低く、大量に速く形成できるため、湿式塗布法を適用するのが好ましい。湿式塗布法を行う際には、被塗装層を溶解しない溶媒を選定するのが好ましい。
1−3−2. 正孔取り出し層
正孔取り出し層の材料に特に限定は無く、光電変換層からアノードへの正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミン又はポリアニリン等に、スルホン酸及び/又はヨウ素等がドーピングされた導電性ポリマー;スルホニル基を置換基に有するポリチオフェン誘導体、アリールアミン等の導電性有機化合物;酸化銅、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化バナジウム又は酸化タングステン等の金属酸化物;ナフィオン、後述のp型半導体等が挙げられる。その中でも好ましくは、スルホン酸をドーピングした導電性ポリマーであり、より好ましくは、ポリチオフェン誘導体にポリスチレンスルホン酸をドーピングした(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)である。また、金、インジウム、銀又はパラジウム等の金属等の薄膜も使用することができる。金属等の薄膜は、単独で形成してもよいし、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
正孔取り出し層の厚さは特に限定はないが、通常0.2nm以上である。一方、通常400nm以下、好ましくは200nm以下である。正孔取り出し層の厚さが0.2nm以上であることでニップロール機構による搬送の際に傷を受けても、影響を小さく抑えることができ、また、バッファ材料としての機能を果たすことになる。正孔取り出し層の厚さが400nm以下であることで、正孔が取り出し易くなり、光電変換効率が向上しうる。
正孔取り出し層の形成方法に制限はない。例えば、昇華性を有する材料を用いる場合は真空蒸着法等により形成することができる。また、例えば、溶媒に可溶な材料を用いる場合は、ピンコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法、カーテンコート法等の湿式塗布法等により形成することができる。正孔取り出し層は塗布により形成することが好ましい。正孔取り出し層に半導体材料を用いる場合は、後述の有機光電変換層の低分子有機半導体化合物と同様に、前駆体を用いて層を形成した後に前駆体を半導体化合物に変換してもよい。
なかでも、正孔取り出し層の材料としてPEDOT:PSSを用いる場合、分散液を塗布する方法によって正孔取り出し層を形成することが好ましい。PEDOT:PSSの分散液としては、ヘレウス社製のCLEVIOSTMシリーズや、アグファ社製のORGACONTMシリーズ等が挙げられる。
正孔取り出し層をロール・トゥ・ロール方式で形成する場合、装置が簡便であり、コストが低く、大量に速く形成できるため、湿式塗布法を適用するのが好ましい。湿式塗布法を行う際には、被塗装層を溶解しない溶媒を選定するのが好ましい。
1−4. 有機薄膜太陽電池素子の製造方法
以下、下部電極、光電変換層、および上部電極を備えた有機薄膜太陽電池セル(以下、太陽電池セルともいう)が直列に接続されたモノリシック構造を有する有機薄膜太陽電池素子(以下、太陽電池素子ともいう)の製造方法について図1を用いて説明する。図1により、光電変換層がp−i−n接合型である場合を例にして説明するが、バルクヘテロ接合型、ヘテロpn接合型、ショットキー型、等、公知の有機光電変換層も同様の方法で製造できる。
太陽電池素子は、通常基板上に複数の太陽電池セルを形成させることで製造される。
1−4−1. 基板
基板1は太陽電池セルを支持する部材である。基板の材料としては、本発明を適用できる限り特に限定されず、無機材料、有機材料、紙材料および複合材料等の公知の材料が使用できる。具体的には、石英、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル又はポリエチレン等のポリオレフィン;セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン又はエポキシ樹脂等の有機材料;紙又は合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属に、絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料等が挙げられる。これらのうち有機材料を用いた樹脂基板が好ましい。
有機薄膜太陽電池素子の少なくとも一層をロール・トゥ・ロール方式により製造する場合は、可とう性を有する基板が好ましい。基板の材料としては、有機材料、紙材料および複合材料が好ましく、中でも有機材料及び複合材料が好ましく、特に有機材料が好ましい。
基板の厚さに制限はないが、通常5μm以上、好ましくは20μm以上であり、通常20mm以下、好ましくは10mm以下である。基板の厚さが5μm以上であることは、有機薄膜太陽電池素子の強度が不足する可能性が低くなるために好ましい。基板の厚さが20mm以下であることは、コストが抑えられ、かつ重量が重くならないために好ましい。基板の材料がガラスである場合の厚さは、通常0.01mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、一方、通常1cm以下、好ましくは0.5cm以下である。基板の厚さが0.01mm以上であることは、機械的強度が増加し、割れにくくなるために、好ましい。また、基板の厚さが0.5cm以下であることは、重量が重くならないために好ましい。
基板の長さに制限はないが、通常10cm以上、好ましくは1m以上、より好ましくは10m以上、更に好ましくは50m以上、特に好ましくは100m以上である。上限は、通常10km以下、好ましくは5km以下、より好ましくは1km以下、更に好ましくは500m以下である。
ロール・トゥ・ロール方式により製造する場合は、通常10m以上、好ましくは20m以上、より好ましくは50m以上、更に好ましくは100m以上、特に好ましくは200m以上である。上限は特に制限されないが、通常10km以下、好ましくは5km以下、より好ましくは1km以下である。この範囲の長さにすることで、ロール・トゥ・ロール方式による効率的な生産を行うことができる。ロール・トゥ・ロール方式では、ロールの切り替えに時間がかかるため、ロールの切り替えによる時間のロスを少なくするためには、製造装置が許容する範囲で1つのロールの基板は長い方がよい。一方、ロールが重くなるとハンドリングしづらくなる点にも留意する必要がある。
有機薄膜太陽電池モジュールの受光面が基板1側の場合には、透明な基板を用いるのが好ましい。受光面が上部電極8側の場合には、基板1は透明でも不透明でも良い。
1−4−2. 下部電極の形成
(a)図の通り、基板1の上に開溝11を持つ下部電極2を形成する。電極の形成はドライ法、ウェット法のいずれでもよい。ドライ法としては例えばスパッタ、蒸着、CVD等公知の方法が挙げられる。ウェット法としては、スクリーン印刷やダイコート等の公知の方法が挙げられ、塗布法が好ましい。第1の開溝11の幅は通常50μm以上、好ましくは100μm以上であり、通常1000μm以下、好ましくは500μm以下である。
開溝の形成方法は特に限定されず、公知の方法により形成することができる。具体的には、例えば、電極の形成と同時に開溝を形成する場合には、スパッタ、蒸着、CVDの際に、マスクを用いる方法などが挙げられる。電極を全面に形成した後に開溝を形成する場合には、エッチングやメカニカルスクライブ、レーザスクライブ等が挙げられる。
1−4−3. 光電変換層の形成
次に、(b)図の通り、下部電極2の上にp層3を形成する。p層3を下部電極2の全面に形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料で埋められる。また、p層3を下部電極2上にパターン形成する場合には、第1の開溝11はp層3の材料によって埋められないこともある。
次に、(c)図の通り、下部電極2およびp層3の上にi層4およびn層5を順次形成する。次いで、(d)図の通り、p層3の上に形成されたi層4、n層5に、第1の開溝11と重ならないように、その近傍に数10〜100μm程度離れて下部電極2に達する第2の開溝12をレーザスクライブにより形成する。第2の開溝の幅は50〜1000μm特に100〜500μm程度が好ましい。この第2の開溝12を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。これによりp層3、i層4およびn層5は短冊状の形状に分離される。
1−4−4. 上部電極の形成
次に、(e)図の通り、上部電極6を形成する。第2の開溝12は上部電極6の材料で埋められる。第2の開溝12は、単位セルの上部電極を隣接する単位セルの受光面の下部電極2と接続するためのものであるから、下部電極2に達していなければならない。
その後、(f)図の通り、上部電極6、n層5、i層4及びp層3をレーザスクライブして第3の開溝13を形成し、単位セルに分割する。開溝13は隣接する単位セルの上部電極6を分割するものであるから、i層4を突き抜けずにi層4の途中で止まってもよく、i層4からさらにp層3を突き抜けて下部電極2に入り込んでもよい。この第3の開溝13を形成するレーザの波長は200〜1200nmであり、中でも250〜900nm特に250〜600nm程度が好ましい。各単位セルの上部電極6は、開溝12内を埋める上部電極6の材料によって隣接する単位セルの下部電極2と導通しているので、各単位セルが直列に接続された有機薄膜太陽電池素子が得られる。
光電変換層(この実施の形態では、p層3、i層4及びn層5)を構成する材料は、200〜1200nm特に250〜900nmとりわけ250〜600nmの波長の光の吸収性が良く、光電変換層は効率よく切断(スクライブ)される。上部電極6を構成する材料は、この波長の光を吸収するものであってもよく、吸収しなくてもよい。上部電極6の構成材料がこの波長の光を吸収しない場合であっても、その下の光電変換層がレーザスクライブにより除去されるときに、その上側の上部電極構成材料が併せて除去されて第3の開溝13が形成されるようになる。上部電極6の構成材料が光吸収材料に限定されないところから、上部電極の構成材料の選択肢が広がる。
本工程をロール・トゥ・ロール方式で行う場合には、例えば図2に示した方法で行うことができる。
図2では、巻出し工程により、基板(又は基板と電極等の積層体)が巻きだされ、巻き取り工程により巻き取られるまでの間に、塗布装置による塗布工程が行われ、加熱・乾燥装置により加熱・乾燥工程が行われる。この工程を繰り返すことで、基板上に電極および光電変換層を積層することができる。塗布工程を、蒸着、スパッタ等の真空成膜工程に変えることで、真空成膜による積層体の製造にも用いることができる。また、一度の巻出しと巻き取りの間に、全ての層を連続して形成してもよい。
本工程により、例えば、図3に示すように、有機薄膜太陽電池セルが、基板の長手方向に直列に接続された有機薄膜太陽電池素子を形成することができる。また、図4に示すように、有機薄膜太陽電池セルが、基板の幅手方向に直列に接続された有機薄膜太陽電池素子を形成することもできる。本発明において、有機薄膜太陽電池素子は、形成できる範囲でなるべく長く連続して形成する方が好ましい。有機薄膜太陽電池素子を連続して形成できる長さは基板の長さに依存し、通常10cm以上、好ましくは1m以上、より好ましくは10m以上、更に好ましくは50m以上、特に好ましくは100m以上である。上限は、通常10km以下、好ましくは5km以下、より好ましくは1km以下、更に好ましくは500m以下である。
ロール・トゥ・ロール方式により製造する場合は、通常10m以上、好ましくは20m以上、より好ましくは50m以上、更に好ましくは100m以上、特に好ましくは200m以上である。上限は特に制限されないが、通常10km以下、好ましくは5km以下、より好ましくは1km以下である。この範囲の長さにすることで、ロール・トゥ・ロール方式による効率的な生産を行うことができる。
前記「連続して」とは、有機薄膜太陽電池セルが直列に切れ目なく接続されている態様や、下記有機薄膜太陽電池セルのセル列が隣接して形成される態様が含まれる。隣接したセル列は相互に電気的に接続されていても接続されていなくてもよい。セル列とセル列との間には、スクライブによる開溝や、セル列の間隙があってもよい。該開溝および/または該間隙の幅は通常100μm以上、好ましくは500μm以上、より好ましくは1mm以上であり、通常2cm以下、好ましくは1cm、より好ましくは5mm以下である。
有機薄膜太陽電池セルが、基板の長手方向に直列に接続される場合は、有機薄膜太陽電池セルが上記長さの範囲で直列に接続されることが好ましい。また、有機薄膜太陽電池セルが、基板の幅手方向に直列に接続されてセル列を形成する場合であれば、基板の幅手方向に直列に接続された複数のセル列が、基板の長手方向に上記長さ範囲で隣接して形成されることが好ましい。
直列の方向は、例えば、スクライブの方向や、電極等を形成の際のマスクのパターンを変えることで調節できる。
2. 工程2:有機薄膜太陽電池素子に含まれる2以上の該有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程を有する。
本発明において、有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設けるとは、有機薄膜太陽電池素子の上部電極のうち、光電変換層と積層した領域に集電線を設置することを意味する。光電変換層と積層した領域とは、例えば図6に表されるように、直列に接続された複数の有機薄膜太陽電池セルのうちの1つにおいて、点線ではさまれた領域(上部電極の光電変換層と積層している領域23)を指す。また、集電線を「設置」するとは、上部電極と集電線とが電気的に接続されるように設けること意味する。
有機薄膜太陽電池素子から電流を取り出すために電極と集電線を接続するが、従来の方法においては、光電変換層と積層しない箇所で集電線と電極とを接続する。該接続の際に光電変換層へ物理的な作用が加わると、有機薄膜太陽電池セルが起電能力を失う恐れがあるためである。
従来では、例えば図5に示すように、有機薄膜太陽電池セルの下部電極2に光電変換層7と積層する領域21と光電変換層7と積層しない領域22を設ける。上部電極6にも光電変換層7と積層する部分23と、光電変換層7と積層しない部分24を設ける。図5の22において一方の集電線8と下部電極とを接続し、24において他方の集電線とを接続することで、二本の集電線を有機薄膜太陽電池セルと接続する。
なお、図5において直列に接続された有機薄膜太陽電池セルの、両端のセル(22,24)において、例えば下部電極と集電線の間に導電性物質を積層したり、上部電極の下に集電に影響のない物質を積層するなどして、有機薄膜太陽電池セルの上下の面を平坦にすることで集電線の設置作業をしやすくしてもよい。
本発明では、このように従来集電線を設置しない、光電変換層と積層した電極にあえて集電線を設置する。そうすることで、有機薄膜太陽電池素子および/または有機薄膜太陽電池モジュールの製造後でも電位を調整することが可能な有機薄膜太陽電池モジュールを提供することができる。そして、多様な必要電位の要求に対しても生産効率を下げることなく、有機薄膜太陽電池モジュールの製造が可能となる。一方で、全ての集電線が有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に設けられている必要はなく、上部電極のうち、光電変換層と積層しない領域(例えば図5の24)に、一部の集電線が設けてあってもよい。
具体的には、図6、7に示すように、有機薄膜太陽電池セルがモノリシックに接続された有機薄膜太陽電池素子において、任意の上部電極6に集電線8を設置して電気を取り出すことで、必要に応じた電位を取り出すことが可能となる。
下部電極と接続した集電線を設置した場合には、上部電極6と集電線8とを1か所接続すれば電気を取り出すことが可能である。2か所で接続すれば、上部電極6と接続した2本の集電線から電気を取り出すことも、下部電極と接続した集電線と、上部電極6と接続した2本の集電線のうち任意の集電線を選択して、2種類の電位を選択して電気をとりだすこともできる。もちろん、上部電極と集電線とを3か所以上で接続することも可能である。例えば3か所で接続した場合には1つの有機薄膜太陽電池モジュールから2種類の電位を取り出すことができ、4か所で接続した場合には1つの有機薄膜太陽電池モジュールから3種類の電位を取り出せるだけでなく、同一の電位を2系統取り出すことや、異なる電位を2系統取り出すこともできる。
このように、本発明によれば集電線を任意の位置に設置することにより、一の有機薄膜太陽電池素子から、取り出す電気の電位を自在に設定することができる。
なお、一般的に有機薄膜太陽電池モジュールでは、集電線を有機薄膜太陽電池素子の上部電極および下部電極に設置することで電気を取り出すが、本発明の一態様にあるように、集電線を複数の上部電極のみに設置した場合であっても電気を取り出すことができる。これは、有機薄膜太陽電池素子を形成する有機薄膜太陽電池セルの上部電極と下部電極は光電変換層を挟んで電気が流れており、また、各セルが直列接続されていることから、上部電極と上部電極からであっても電気を取り出すことができるためである。
また、集電線を設置した上部電極を有する有機薄膜太陽電池セルは、集電線の設置により短絡していても、短絡していなくてもよいが、有機薄膜太陽電池素子において集電線を設置した有機薄膜太陽電池セルの全てが短絡しているか、全てが短絡していないのが好ましい。
当該太陽電池セルが短絡している場合には、確実に電気を流すことができるため、安定した電気取り出しが可能となる。一方、当該有機薄膜太陽電池セルが短絡していない場合には、当該集電線を設置した上部電極を有する有機薄膜太陽電池セルであっても発電が可能であり、有機薄膜太陽電池モジュールの面積当たりの発電量、すなわち発電効率を上げることができる点で好ましい。中でも、集電線を設置する上部電極を有機薄膜太陽電池セルの非受光面になるように有機薄膜太陽電池セルの層構成を設計すると、集電線が光電変換層に届く光を遮らないためより発電効率を上げることができる。
但し、所定の数のセルを直列に接続した有機薄膜太陽電池素子に、短絡する場合も短絡しない場合もある方法で集電線を設置すると、同様に製造した有機薄膜太陽電池モジュールであっても、集電線と集電線との間の発電できる有機薄膜太陽電池セルの個数が変わりうる。つまり、たとえ所定の数のセルを直列に接続した有機薄膜太陽電池素子に集電線を設置したとしても、有機薄膜太陽電池モジュールにより、集電線から取り出される電位が変わってしまう。従って、製品の品質を保つためには、集電線を設置したセルは確実に短絡させることが好ましい。
集電線を設置するセルを確実に短絡させる方法は限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)上部電極と接触する側の表面粗度を制御した集電線を用いてと、集電線と上部電極とを接触させる。
(2)集電線を、導電性フィラーを含む接着剤または粘着材を介して上部電極上に設置する。該導電性フィラーの最大径および/または平均粒径を有機薄膜太陽電池素子の厚さよりも大きくする。
(3)集電線を接着剤又は粘着材を介して上部電極上に設置する際に、集電線の上から有機薄膜太陽電池素子の厚さよりも大きい凹凸を有する部材で圧力を加える。
(4)太陽電池セルに対し、上部電極と下部電極とが接触するように物理的または化学的な処理を行った後、上部電極上に接着剤又は粘着材を介して集電線を設置する。
(5)上部電極上に設置した集電線と有機薄膜太陽電池セルとを金属鋲や金属ピアス端子等でかしめる。
これらの中でも、有機薄膜太陽電池素子の表面がより平滑である方が封止しやすく、ロールにしやすいため、上記(1)〜(4)から選ばれる少なくとも1つの方法が好ましく、集電線を設置する作業が簡便であることから、上記(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1つの方法が好ましい。
本発明における集電線は上部電極に設置されるものであるが、設置の方法としては、電気的に接続可能であれば特段限定されない。上記の様に、接着材を用いる方法、金属鋲や金属ピアス端子でかしめる方法、などが挙げられる。かしめる方法を用いる場合には、完全に有機薄膜太陽電池セルが短絡し、発電能力が失われることから、接着材を用いて設置することが好ましい。
2−1. 接着剤
接着材の材料としては、炭化水素系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、シリコーン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系接着剤等を用いることができる。その中でも好ましくは、炭化水素系接着剤又はエポキシ系接着剤であり、更に好ましくは炭化水素系粘着剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤であり、特に好ましくはブチルゴム系粘着剤又は熱硬化性エポキシ系接着剤である。
接着剤又は粘着剤には、上記の様に導電性フィラーを含むものを用いることができる。
導電性フィラーとしては、金、ニッケル、銅、銀、白金、半田、パラジウム、アルミニウム等、またはそれらの合金などの金属粒子や、カーボンブラック、カーボンチューブ、カーボンファイバー等のカーボン系粒子、金めっきニッケル粒子などの複合金属粒子、金/ニッケルめっき樹脂粒子、銅めっき樹脂粒子、ニッケルめっき樹脂粒子などの金属被覆樹脂粒子等を挙げることができる。導電性の観点から金属粒子、複合金属粒子、金属被覆樹脂粒子が好ましい。このような、フィラーを、上記の樹脂に、通常0.01体積%以上、好ましくは0.1体積%以上、通常50体積%以下、好ましくは20体積%以下、含有したものを用いることができる。
上記フィラーの最大径は、通常1μm以上、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。上限は、通常30μm以下、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下である。
平均粒子径は、通常0.2μm以上、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは5μm以上である、上限は、通常20μm以下、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。導電性フィラーの最大径および/または平均粒子径が上記下限以上であることにより、集電線を設置する際に、集電線を設置する上部電極を有する有機薄膜太陽電池セルを短絡させやすい点で好ましい。また、上記上限以下であることにより、接着剤又は粘着剤が接着性能を損ないづらい点で好ましい。前記最大粒子径および平均粒子径の測定は、JISZ8901に準拠して行い、顕微鏡法による円相当径で表した径である。
接着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、物体の間に介在することによって物体を結合することの出来る物質をいう。
粘着剤とは、例えばJISK6800に定義されているように、常温で粘着性を有し、軽い圧力で被着剤に接着する物質をいい、常温で圧力を加えるだけで接着する接着剤(感圧型接着剤)とほぼ同義である。
接着材の材料が炭化水素系粘着剤であることは、水蒸気透過率が低く、光線透過率が高い点及び接着する際に熱をかけずに接着できることから有機薄膜太陽電池セルへの熱によるダメージが避けることができることから好ましい。
また、接着材は、電気的な接続をより確実にする観点から、導電性を有することが好ましい。導電性を有する接着材としては、繊維系両面導電性テープ、金属箔系両面導電性テープ、ACF(Anisotropic Conductive Film、異方性導電フィルム)等が挙げられる。この中でも、接着工程に加熱が不要であり、プロセスが簡易であることから両面導電性テープが好ましく用いられる。
接着材の導電性が低い場合には、電極と集電線の一部を接着材で固定し、残りの部分で電極と集電線とが直接接するように設置するのが好ましい。
2−2. 集電線
集電線の材料としては、金属や合金などがよく用いられ、その中でも抵抗率の低い銅やアルミ、銀、金、ニッケルなどを用いることが好ましい。その中でも銅やアルミが安価であることから、特に好ましい。また、錆防止のため、集電線の周囲をスズや銀などでメッキしたり、表面を樹脂などでコートしてあったり、フィルムをラミネートしてあってもよい。集電線の形状としては、平角線、箔、平板、ワイヤー状のものがあるが、接着面積の確保などの理由から、平角線や、箔、平板状のものを用いることが好ましい。
なお、本明細書において「箔」は厚みが100μm未満のものをいい、「板」は厚みが100μm以上のものをいう。また「平角線」とは、断面が円形のワイヤーを圧延して、断面の形状を四角形にしたものをいう。
集電線は、導電性を有する限り特段の限定はされないが、設置する上部電極や下部電極よりも抵抗値が低いものが好ましい。特に、上部電極や下部電極より厚みを厚くすることによって、抵抗値を低減させることが好ましい。集電線の厚みとしては、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上である。また、2mm以下であることが好ましく、より好ましくは1mm以下、特に好ましくは300μm以下である。上記範囲より厚みが薄いと、集電線の抵抗値が上昇し、発電した電力を効率よく外部に取り出すことができない。また、上記範囲より厚みが厚いと、有機薄膜太陽電池モジュールの重量が増加するとともに可撓性が減少したり、モジュール表面に凹凸が発生しやすくなったり、生産コストが増加するなどの問題が生じる恐れがある。
また、集電線の幅は、0.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは1mm以上、特に好ましくは2mm以上である。また、集電線の幅は、50mm以下であることが好ましく、より好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下である。上記範囲より集電線の幅が狭いと、集電線の抵抗値が上昇し、発電した電力を効率よく取り出すことができない。また、集電線の機械強度が減少し、破断等の原因になる恐れがある。また、上記範囲より集電線の幅が広いと、モジュール全体における開口率が減少し、モジュールの発電量の低下に繋がる恐れがある。集電線の幅は、最大でも有機薄膜太陽電池セルの短辺の長さよりも短いことが好ましい。
ロール・トゥ・ロール方式で行う場合には、本工程は、例えば図8に示した方法で行うことができる。
図8では、巻出し工程により、工程1で製造した有機薄膜太陽電池素子が巻きだされ、巻き取り工程により巻き取られるまでの間に、集電線設置装置による集電線設置工程が行われる。集電線設置装置としては、上記方法により集電線を設置できる任意のものを用いればよい。これにより、有機薄膜太陽電池素子の任意の位置に集電線を設置することができる。
集電線の設置は、例えば図9、10に示すように行うことができる。
図9は、集電線を設置した有機薄膜太陽電池素子(有機薄膜太陽電池セルが基板の長手方向に直列に接続)の例である。図9(a)では、集電線8が、有機薄膜太陽電池素子の幅手方向に収まるように、有機薄膜太陽電池セルに設置されている。このように直列接続された有機薄膜太陽電池素子の任意の位置に(所望の電位で)集電線を設置することができる。また、図9(b)のように、集電線が基板の幅手方向を超える長さで(はみ出るように)設置してもよい。集電線を基板の幅手方向を充分に超える長さで設置すると、工程3による封止後に、封止材から集電線が露出するように封止でき、有機薄膜太陽電池モジュールから電流を取り出しやすい点で好ましい。図9では、2つのセル列を接続するように集電線が設置されているが、セル列ごとに集電線を分けて設置してもよい。
図10は、集電線を設置した有機薄膜太陽電池素子(有機薄膜太陽電池セルが基板の幅手方向に直列に接続)の例である。図10では、各セル列の両端に集電線が設けられている。図10(a)の様にセル列ごとに集電線を設けてもよいし、図10(b)の様に、複数のセル列を接続するように集電線を設けてもよい。
ロール・トゥ・ロール方式で集電線を設ける場合には、図10の様に長手方向に設置する。更には図10(b)の様に複数のセル列を接続するように設置する方が連続的に設置しやすいため、生産性の効率が良い点で好ましい。
3. 工程3:該集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止する工程
本発明の製造方法においては、有機薄膜太陽電池素子に集電線を設置して有機薄膜太陽電池モジュールを製造するが、少なくとも有機薄膜太陽電池素子を封止する工程を有する。
封止工程は、有機薄膜太陽電池素子の補強や、耐衝撃性を上げるために、有機薄膜太陽電池セル全体を封止する工程である。
封止工程に使用する封止材は、有機薄膜太陽電池モジュールの強度保持の観点から強度が高いことが好ましい。封止材は下記封止材35と同様である。具体的強度については、封止材以外の層の強度とも関係することになり一概には規定しにくいが、有機薄膜太陽電池モジュール全体が良好な曲げ加工性を有し、折り曲げ部分の剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。封止材の物性等については後述する。
封止材は、通常有機薄膜太陽電池素子を挟み込むように設ける。工程3:封止工程は、少なくとも封止材により有機薄膜太陽電池素子を封止する。
また、封止材に、紫外線遮断、熱線遮断、導電性、反射防止、防眩性、光拡散、光散乱、波長変換、ガスバリア性等の機能を付与してもよい。特に、有機薄膜太陽電池の場合は、太陽光からの強い紫外線にさらされることから、紫外線遮断機能を持つことが好ましい。
このような機能を付与する方法としては、機能を有する層を塗布成膜等により封止材上に積層してもよいし、機能を発現する材料を溶解・分散させるなどして封止材に含有させてもよい。
工程3:封止工程までロール・トゥ・ロールで行う場合は、例えば図11のように行うことができる。図11の封止工程では、巻出し工程により、工程2で製造した、集電線が設けられた有機薄膜太陽電池素子が巻きだされ、巻き取り工程により巻き取られるまでの間に、封止材等107で挟まれて封止ロール106により封止される。図では、上下の封止材を別々に封止しているが、上下の封止材等をまとめて封止してもよい。封止ロールによるラミネート条件などは、後述の[製造方法]の項に記載するように行えばよい。
封止材等には、少なくとも後述の封止材35が含まれる。必要に応じて、下記、耐候性保護フィルム、紫外線カットフィルム、ガスバリアフィルム、ゲッター材フィルム等を用いてもよい。これらは封止材と同時に積層しても、封止材と別に積層しても、一部を封止材と同時に積層した後残りを積層してもよい。
以下、図12を用いて、工程3により得られる有機薄膜太陽電池モジュールの層構成の一例を説明するが、本発明有機薄膜太陽電池モジュールの層構成は図12の態様に限定されない。
図12は本発明の一実施形態としての有機薄膜太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。図12に示すように、本実施形態の有機薄膜太陽電池モジュール44は、耐候性保護フィルム31と、紫外線カットフィルム32と、ガスバリアフィルム33と、ゲッター材フィルム34と、封止材35と、有機薄膜太陽電池素子36と、封止材37と、ゲッター材フィルム38と、ガスバリアフィルム39と、バックシート40とをこの順に備える。そして、耐候性保護フィルム31が形成された側(図中下方)から光が照射されて、有機薄膜太陽電池素子36が発電するようになっている。なお、後述するバックシート40としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシート等の防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム38及び/又はガスバリアフィルム39を用いなくてもよい。
3−1. 耐候性保護フィルム31
耐候性保護フィルム31は天候変化から有機薄膜太陽電池素子36を保護するフィルムである。
有機薄膜太陽電池素子36の構成部品のなかには、温度変化、湿度変化、自然光及び/又は風雨による侵食等により劣化するものがある。そこで、耐候性保護フィルム31で有機薄膜太陽電池素子36を覆うことにより、有機薄膜太陽電池素子36等を天候変化等から保護し、発電能力を高く維持するようにしている。
耐候性保護フィルム31は、有機薄膜太陽電池モジュール44の最表層に位置するため、耐候性、耐熱性、透明性、撥水性、耐汚染性及び/又は機械強度等の、有機薄膜太陽電池モジュール44の表面被覆材として好適な性能を備え、しかもそれを屋外暴露において長期間維持する性質を有することが好ましい。
また、耐候性保護フィルム31は、有機薄膜太陽電池素子36の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、特に好ましくは95%である。
さらに、有機薄膜太陽電池モジュール44は光を受けて熱せられることが多いため、耐候性保護フィルム31も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、耐候性保護フィルム31の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで有機薄膜太陽電池モジュール44の使用時に耐候性保護フィルム31が融解・劣化する可能性を低減できる。
耐候性保護フィルム31を構成する材料は、天候変化から有機薄膜太陽電池素子36を保護することができるものであれば任意である。その材料の例を挙げると、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、AS(アクリロニトリル−スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド−イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
中でも好ましくはフッ素系樹脂が挙げられ、その具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
なお、耐候性保護フィルム31は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていてもよい。また、耐候性保護フィルム31は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
耐候性保護フィルム31の厚みは特に規定されないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。
また耐候性保護フィルム31には、他のフィルムとの接着性の改良のために、コロナ処理及び/又はプラズマ処理等の表面処理を行なってもよい。
耐候性保護フィルム31は、有機薄膜太陽電池モジュール44においてできるだけ外側に設けることが好ましい。有機薄膜太陽電池モジュール44の構成部材のうちより多くのものを保護できるようにするためである。
3−2. 紫外線カットフィルム32
紫外線カットフィルム32は紫外線の透過を防止するフィルムである。
有機薄膜太陽電池モジュール44の構成部品のなかには紫外線により劣化するものがある。また、ガスバリアフィルム33、39等は種類によっては紫外線により劣化するものがある。そこで、紫外線カットフィルム32を有機薄膜太陽電池モジュール44の受光部分に設け、紫外線カットフィルム32で有機薄膜太陽電池素子36の受光面を覆うことにより、有機薄膜太陽電池素子36及び必要に応じてガスバリアフィルム33、39等を紫外線から保護し、発電能力を高く維持することができるようになっている。
紫外線カットフィルム32に要求される紫外線の透過抑制能力の程度は、紫外線(例えば、波長300nm)の透過率が50%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、特に好ましくは10%以下である。
また、紫外線カットフィルム32は、有機薄膜太陽電池素子36の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、特に好ましくは95%以上である。
さらに、有機薄膜太陽電池モジュール44は光を受けて熱せられることが多いため、紫外線カットフィルム32も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、紫外線カットフィルム32の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上である。また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点が低すぎると有機薄膜太陽電池モジュール44の使用時に紫外線カットフィルム32が融解する可能性がある。
また、紫外線カットフィルム32は、柔軟性が高く、隣接するフィルムとの接着性が良好であり、水蒸気や酸素をカットしうるものが好ましい。
紫外線カットフィルム32を構成する材料は、紫外線の強度を弱めることができるものであれば任意である。その材料の例として、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系又はエステル系の樹脂に紫外線吸収剤を配合して成膜したフィルム等が挙げられる。また、紫外線吸収剤を樹脂中に分散あるいは溶解させたものの層(以下、適宜「紫外線吸収層」という)を基材フィルム上に形成したフィルムを用いてもよい。
紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系のものを用いることができる。中でもベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系が好ましい。この例としては、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の種々の芳香族系有機化合物等が挙げられる。なお、紫外線吸収剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
紫外線カットフィルム32の具体的な商品の例として、カットエース(MKVプラスティック株式会社)等が挙げられる。
なお、紫外線カットフィルム32は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていてもよい。また、紫外線カットフィルム32は単層フィルムにより形成されていてもよいが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
紫外線カットフィルム32の厚みは特に規定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで紫外線の吸収が高まる傾向にあり、薄くすることで可視光の透過率を増加させられる傾向にある。
紫外線カットフィルム32は、有機薄膜太陽電池素子36の受光面の少なくとも一部を覆う位置に設ければよい。好ましくは有機薄膜太陽電池素子36の受光面の全てを覆う位置に設ける。
ただし、有機薄膜太陽電池素子36の受光面を覆う位置以外の位置にも紫外線カットフィルム32が設けられていてもよい。
3−3. ガスバリアフィルム33
ガスバリアフィルム33は水及び酸素の透過を防止するフィルムである。
有機薄膜太陽電池素子36は湿気及び酸素に弱い傾向があり、特に、ZnO:Al等の透明電極や、化合物半導体系太陽電池素子及び有機太陽電池素子が水分及び酸素により劣化することがある。そこで、ガスバリアフィルム33で有機薄膜太陽電池素子36を被覆することにより、太陽電池素子36を水及び酸素から保護し、発電能力を高く維持することができる。
ガスバリアフィルム33に要求される防湿能力の程度は、単位面積(1m)の1日あたりの水蒸気透過率が、1×10−1g/m/day以下であることが好ましく、1×10−2g/m/day以下であることがより好ましく、1×10−3g/m/day以下であることが更に好ましく、1×10−4g/m/day以下であることが中でも好ましく、1×10−5g/m/day以下であることがとりわけ好ましく、1×10−6g/m/day以下であることが特に好ましい。水蒸気が透過しなければしないほど、太陽電池素子36及び当該素子36のZnO:Al等の透明電極の水分との反応に起因する劣化が抑えられるので、発電効率が上がると共に寿命が延びる。
ガスバリアフィルム33に要求される酸素透過性の程度は、単位面積(1m)の1日あたりの酸素透過率が、1×10−1cc/m/day/atm以下であることが好ましく、1×10−2cc/m/day/atm以下であることがより好ましく、1×10−3cc/m/day/atm以下であることが更に好ましく、1×10−4cc/m/day/atm以下であることが中でも好ましく、1×10−5cc/m/day/atm以下であることがとりわけ好ましく、1×10−6cc/m/day/atm以下であることが特に好ましい。酸素が透過しなければしないほど、有機薄膜太陽電池素子36及び当該素子36のZnO:Al等の透明電極の酸化による劣化が抑えられる。
従来はこのように高い防湿及び酸素遮断能力を有するガスバリアフィルム33の実装が困難であったため、有機太陽電池素子のように優れた太陽電池素子を備えた太陽電池を実現することが困難であった。しかし、このようなガスバリアフィルム33を適用することにより有機太陽電池素子の優れた性質を活かした有機薄膜太陽電池モジュール44の実施が容易となる。
また、ガスバリアフィルム33は、有機薄膜太陽電池素子36の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、中でも好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、その中でも特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
さらに、有機薄膜太陽電池モジュール44は光を受けて熱せられることが多いため、ガスバリアフィルム33も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、ガスバリアフィルム33の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで有機薄膜太陽電池モジュール44の使用時にガスバリアフィルム33が融解・劣化する可能性を低減できる。
ガスバリアフィルム33の具体的な構成は、有機薄膜太陽電池素子36を水から保護できる限り任意である。ただし、ガスバリアフィルム33を透過しうる水蒸気や酸素の量を少なくできるフィルムほど製造コストが高くなるため、これらの点を総合的に勘案して適切なものを使用することが好ましい。
中でも好適なガスバリアフィルム33としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)或いはポリエチレンナフタレート(PEN)等の基材フィルムにSiOxを真空蒸着したフィルム等が挙げられる。
なお、ガスバリアフィルム33は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていてもよい。また、ガスバリアフィルム33は単層フィルムにより形成されていてもよいが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
ガスバリアフィルム33の厚みは特に規定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることでガスバリア性が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まりまた可視光の透過率が向上する傾向にある。
ガスバリアフィルム33は、有機薄膜太陽電池素子36を被覆して湿気及び酸素から保護できればその形成位置に制限は無いが、有機薄膜太陽電池素子36の正面(受光面側の面。図12では下側の面)及び背面(受光面とは反対側の面。図12では上側の面)を覆うことが好ましい。薄膜太陽電池モジュール44においてはその正面及び背面が他の面よりも大面積に形成されることが多いためである。本実施形態ではガスバリアフィルム33が有機薄膜太陽電池素子36の正面を覆い、後述するガスバリアフィルム39が有機薄膜太陽電池素子36の背面を覆うようになっている。なお、後述するバックシート40としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシート等の防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム38及び/又はガスバリアフィルム39を用いなくてもよい。
3−4. ゲッター材フィルム34
ゲッター材フィルム34は水分及び/又は酸素を吸収するフィルムである。有機薄膜太陽電池素子36の構成部品のなかには前記のように水分で劣化するものがあり、また、酸素によって劣化するものもある。そこで、ゲッター材フィルム34で有機薄膜太陽電池素子36を覆うことにより、有機薄膜太陽電池素子36等を水分及び/又は酸素から保護し、発電能力を高く維持するようにしている。
ここで、ゲッター材フィルム34は前記のようなガスバリアフィルム33とは異なり、水分の透過を妨げるものではなく、水分を吸収するものである。水分を吸収するフィルムを用いることにより、ガスバリアフィルム33等で有機薄膜太陽電池素子36を被覆した場合に、ガスバリアフィルム33及び9で形成される空間に僅かに浸入する水分をゲッター材フィルム34が捕捉して水分による有機薄膜太陽電池素子36への影響を排除できる。
ゲッター材フィルム34の水分吸収能力の程度は、通常0.1mg/cm以上、好ましくは0.5mg/cm以上、より好ましくは1mg/cm以上である。この数値が高いほど水分吸収能力が高く有機薄膜太陽電池素子36の劣化を抑制しうる。また、上限に制限は無いが、通常10mg/cm以下である。
また、ゲッター材フィルム34が酸素を吸収することにより、ガスバリアフィルム33及び39等で有機薄膜太陽電池素子36を被覆した場合に、ガスバリアフィルム33及び39で形成される空間に僅かに浸入する酸素をゲッター材フィルム34が捕捉して酸素による有機薄膜太陽電池素子36への影響を排除できる。
さらに、ゲッター材フィルム34は、有機薄膜太陽電池素子36の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、中でも好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、その中でも特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
さらに、有機薄膜太陽電池モジュール44は光を受けて熱せされることが多いため、ゲッター材フィルム34も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、ゲッター材フィルム34の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで有機薄膜太陽電池モジュール44の使用時にゲッター材フィルム34が融解・劣化する可能性を低減できる。
ゲッター材フィルム34を構成する材料は、水分及び/又は酸素を吸収することができるものであれば任意である。その材料の例を挙げると、水分を吸収する物質としてアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアルカリ土類金属の酸化物;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;シリカゲル、ゼオライト系化合物、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム又は硫酸ニッケル等の硫酸塩;アルミニウム金属錯体又はアルミニウムオキサイドオクチレート等の有機金属化合物等が挙げられる。具体的には、アルカリ土類金属としては、Ca、Sr又はBa等が挙げられる。アルカリ土類金属の酸化物としては、CaO、SrO又はBaO等が挙げられる。その他にZr−Al−BaOやアルミニウム金属錯体等も挙げられる。具体的な商品名を挙げると、例えば、OleDry(双葉電子社製)等が挙げられる。
酸素を吸収する物質としては、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、酸化マグネシウム又は酸化鉄等が挙げられる。またFe、Mn、Zn、及びこれら金属の硫酸塩・塩化物塩・硝酸塩等の無機塩も挙げられる。
なお、ゲッター材フィルム34は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていてもよい。また、ゲッター材フィルム34は単層フィルムにより形成されていてもよいが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
ゲッター材フィルム34の厚みは特に規定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上であり、また、通常200μm以下、好ましくは180μm以下、より好ましくは150μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。
ゲッター材フィルム34は、ガスバリアフィルム33及び39で形成される空間内であればその形成位置に制限は無いが、有機薄膜太陽電池素子36の正面(受光面側の面。図12では下側の面)及び背面(受光面とは反対側の面。図12では上側の面)を覆うことが好ましい。有機薄膜太陽電池モジュール44においてはその正面及び背面が他の面よりも大面積に形成されることが多いため、これらの面を介して水分及び酸素が浸入する傾向があるからである。この観点から、ゲッター材フィルム34はガスバリアフィルム33と有機薄膜太陽電池素子36との間に設けることが好ましい。本実施形態ではゲッター材フィルム34が有機薄膜太陽電池素子36の正面を覆い、後述するゲッター材フィルム38が有機薄膜太陽電池素子36の背面を覆い、ゲッター材フィルム34、38がそれぞれ有機薄膜太陽電池素子36とガスバリアフィルム33、39との間に位置するようになっている。なお、後述するバックシート40としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシート等防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム38及び/又はガスバリアフィルム39を用いなくてもよい。
ゲッター材フィルム34は吸水剤又は乾燥剤の種類に応じて任意の方法で形成することができるが、例えば、吸水剤又は乾燥剤を分散したフィルムを粘着剤で添付する方法、吸水剤又は乾燥剤の溶液をスピンコート法、インクジェット法又はディスペンサー法等で塗布する方法等を用いることができる。また真空蒸着法やスパッタリング法等の成膜法を使用してもよい。
吸水剤又は乾燥剤のためのフィルムとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂等を用いることができる。中でも、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂又はポリカーボネート系樹脂のフィルムが好ましい。なお、前記樹脂は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
3−5. 封止材35
封止材35は、有機薄膜太陽電池素子36を補強するフィルムである。有機薄膜太陽電池モジュールは、封止工程(工程3)により、有機薄膜太陽電池素子を少なくとも封止材35で封止することで製造される。有機薄膜太陽電池素子36は薄いため通常は強度が弱く、ひいては有機薄膜太陽電池の強度が弱くなる傾向があるが、封止材35により強度を高く維持することが可能である。
また、封止材35は、有機薄膜太陽電池モジュール44の強度保持の観点から強度が高いことが好ましい。
具体的強度については、封止材35以外の耐候性保護フィルム31やバックシート40の強度とも関係することになり一概には規定しにくいが、有機薄膜太陽電池モジュール44全体が良好な曲げ加工性を有し、折り曲げ部分の剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。
また、封止材35は、有機薄膜太陽電池素子36の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、中でも好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、その中でも特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
一方、有機薄膜太陽電池素子の受光面と反対側に封止材を用いる場合は、必ずしも可視光を透過させる必要がなく、不透明でもよい。
さらに、有機薄膜太陽電池モジュール44は光を受けて熱せられることが多いため、封止材35も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、封止材35の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで有機薄膜太陽電池モジュール44の使用時に封止材35が融解・劣化する可能性を低減できる。
封止材35の厚みは特に規定されないが、通常5μm以上、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上であり、また、通常1000μm以下、好ましくは800μm以下、より好ましくは600μm以下、更に好ましくは500μm以下である。厚くすることで有機薄膜太陽電池モジュール44全体の強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まり、また可視光の透過率が向上する傾向にある。このため、両方の利点を兼ね備える範囲として、上記範囲とするのが望ましい。
封止材35を構成する材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂組成物をフィルムにしたもの(EVAフィルム)等を用いることができる。EVAフィルムには通常は耐候性の向上のために架橋剤を配合して架橋構造を構成させる。この架橋剤としては、一般に、100℃以上でラジカルを発生する有機過酸化物が用いられる。このような有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン、2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン又は3−ジ−t−ブチルパーオキサイド等を用いることができる。これらの有機過酸化物の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下であり、通常1重量部以上である。なお、架橋剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
このEVA樹脂組成物には、接着力向上の目的で、シランカップリング剤を含有させてもよい。この目的に供されるシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン又はβ−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは2重量部以下であり、通常0.1重量部以上である。なお、シランカップリング剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
更に、EVA樹脂のゲル分率を向上させ、耐久性を向上するために、EVA樹脂組成物に架橋助剤を含有させてもよい。この目的に供される架橋助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート又はトリアリルイソシアネート等の3官能の架橋助剤等の単官能の架橋助剤等が挙げられる。これらの架橋助剤の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下であり、また、通常1重量部以上である。なお、架橋助剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
更に、EVA樹脂の安定性を向上する目的で、EVA樹脂組成物に、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン又はメチルハイドロキノンなどを含有させてもよい。これらの配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下である。
しかし、EVA樹脂の架橋処理には1〜2時間程度の比較的長時間を要するため、有機薄膜太陽電池モジュール44の生産速度及び生産効率を低下させる原因となる場合がある。また、長期間使用の際には、EVA樹脂組成物の分解ガス(酢酸ガス)又はEVA樹脂自体が有する酢酸ビニル基が、有機薄膜太陽電池素子36に悪影響を与えて発電効率が低下させる場合がある。
そこで、封止材35としては、EVAフィルムの他に、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体のフィルムを用いることもできる。
なお、封止材35は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていてもよい。また、封止材35は単層フィルムにより形成されていてもよいが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
封止材35の厚みは、通常2μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上であり、また、通常500μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは100μm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まりまた光線透過率が高まる傾向にある。
封止材35を設ける位置に制限は無いが、通常は有機薄膜太陽電池素子36を挟み込むように設ける。有機薄膜太陽電池素子36を確実に保護するためである。本実施形態では、有機薄膜太陽電池素子36の正面及び背面にそれぞれ封止材35及び封止材37を設けるようにしている。
3−6. 有機薄膜太陽電池素子36
有機薄膜太陽電池素子36は、前述の有機薄膜太陽電池素子と同様である。
・太陽電池素子同士の接続
有機薄膜太陽電池素子36は、有機薄膜太陽電池モジュール44の1個あたり1個だけを設けてもよいが(例えば図12)、通常は、図13に示すように、2個以上の有機薄膜太陽電池素子36を設ける。具体的な太有機薄膜陽電池素子36の個数は任意に設定すればよい。有機薄膜太陽電池素子36を複数設ける場合、有機薄膜太陽電池素子36はアレイ状に並べて設けられていることが多い。
有機薄膜太陽電池素子36を複数設ける場合、既に各有機薄膜太陽電池素子には集電線が設けられているため、通常は、有機薄膜太陽電池素子36同士は、各有機薄膜太陽電池素子が有する集電線を、必要に応じて他の導電性部材を用いて電気的に接続する。そして、接続された一群の有機薄膜太陽電池素子36から生じた電気を端子(図示せず)から取り出す。この際、電圧を高めるため通常は、有機薄膜太陽電池素子は直列に接続される。
このように有機薄膜太陽電池素子36同士を接続する場合には、有機薄膜太陽電池素子36間の距離は小さいことが好ましい。ひいては、有機薄膜太陽電池素子36と有機薄膜太陽電池素子36との間の隙間は狭いことが好ましい。有機薄膜太陽電池素子36の受光面積を広くして受光量を増加させ、有機薄膜太陽電池モジュール44の発電量を増加させるためである。
3−7. 封止材37
封止材37は、上述した封止材35と同様のフィルムであり、配設位置が異なる他は封止材37と同様のものを同様に用いることができる。
また、有機薄膜太陽電池素子36よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、可視光を透過させないものを用いることもできる。
3−8. ゲッター材フィルム38
ゲッター材フィルム38は、上述したゲッター材フィルム34と同様のフィルムであり、配設位置が異なる他はゲッター材フィルム34と同様のものを同様に必要に応じて用いることができる。
また、有機薄膜太陽電池素子36よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、可視光を透過させないものを用いることもできる。また使用する水分あるいは酸素吸収剤をゲッター材フィルム34よりも多く含有するフィルムを用いることも可能となる。このような吸収剤としては、水分吸収剤としてCaO、BaO又はZr−Al−BaO等が挙げられ、酸素の吸収剤として活性炭やモレキュラーシーブ等が挙げられる。
3−9. ガスバリアフィルム39
ガスバリアフィルム39は、上述したガスバリアフィルム33と同様のフィルムであり、配設位置が異なる他はガスバリアフィルム39と同様のものを同様に必要に応じて用いることができる。
また、有機薄膜太陽電池素子36よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、可視光を透過させないものを用いることもできる。
3−10. バックシート40
バックシート40は、上述した耐候性保護フィルム31と同様のフィルムであり、配設位置が異なる他は耐候性保護フィルム31と同様のものを同様に用いることができる。また、このバックシート40が水及び酸素を透過させ難いものであれば、バックシート40をガスバリア層として機能させることも可能である。
また、有機薄膜太陽電池素子36よりも背面側の構成部材は必ずしも可視光を透過させる必要が無いため、可視光を透過させないものを用いることもできる。このため、バックシート40としては、以下に説明するもの(i)〜(iv)を用いることが特に好ましい。
(i)バックシート40としては、強度に優れ、耐候性、耐熱性、耐水性及び/又は耐光性に優れた各種の樹脂のフィルム又はシートを使用することができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリルースチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂又はその他等の各種の樹脂のシートを使用することができる。これらの樹脂のシートの中でも、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂のシートを使用することが好ましい。なお、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(ii)バックシート40としては、金属薄膜を用いることもできる。例えば、腐蝕防止したアルミニウム金属箔、ステンレス製薄膜等が挙げられる。なお、前記の金属は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
(iii)バックシート40としては、例えばアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着した防水性の高いシートを用いてもよい。フッ素系樹脂としては、例えば、一弗化エチレン(商品名:テドラー、デュポン社製)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとエチレン若しくはプロピレンとのコポリマー(ETFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)又はフッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。なお、フッ素系樹脂は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
(iv)バックシート40としては、例えば、基材フィルムの片面又は両面に、無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、上記の無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムの両面に、耐熱性のポリプロピレン系樹脂フィルムを積層したものを用いてもよい。なお、通常は、基材フィルムにポリプロピレン系樹脂フィルムを積層する場合には、ラミネート用接着剤で張り合わせることで積層する。無機酸化物の蒸着膜を設けることで、水分及び/又は酸素等の侵入を防止する防湿性に優れたバックシート40として使用できる。
・基材フィルム
基材フィルムとしては、基本的には、無機酸化物の蒸着膜等との密接着性に優れ、強度に優れ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性に優れた各種の樹脂のフィルムを使用することができる。例えば、上記(i)に記載した樹脂を使用することができる。中でも、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリエステル系樹脂のフィルムを使用することが好ましい。
基材フィルムの厚さとしては、通常12μm以上、好ましくは20μm以上であり、また、通常300μm以下、好ましくは200μm以下である。
・無機酸化物の蒸着膜
無機酸化物の蒸着膜としては、基本的に金属の酸化物を蒸着した薄膜であれば使用可能である。例えば、ケイ素(Si)やアルミニウム(Al)の酸化物の蒸着膜を使用することができる。この際、酸化ケイ素としては例えばSiOx(x=1.0〜2.0)を用いることができ、酸化アルミニウムとしては例えばAlOx(x=0.5〜1.5)を用いることができる。
なお、使用する金属及び無機酸化物の種類は1種でもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
無機酸化物の蒸着膜の厚さとしては、通常50Å以上、好ましくは100Å以上であり、また、通常4000Å以下、好ましくは1000Å以下である。
蒸着膜の作製方法としては、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いることができる。
・ポリプロピレン系樹脂フィルム
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体又はプロピレンと他のモノマー(例えばα−オレフィン等)との共重合体を使用することができる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、アイソタクチック重合体を用いることもできる。
ポリプロピレン系樹脂は、その結晶性により性質が大きく支配されるが、アイソタクチックの高いポリマーは、引っ張り強さ、衝撃強度に優れ、耐熱性、耐屈曲疲労強度を良好であり、かつ、加工性は極めて良好なものである。
・接着剤
基材フィルムにポリプロピレン系樹脂フィルムを積層する場合には、通常はラミネート用接着剤を用いる。これにより、基材フィルムとポリプロピレン系樹脂フィルムとはラミネート用接着剤層を介して積層されることになる。
ラミネート用接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤又はシリコーン系接着剤等が挙げられる。なお、接着剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
3−11. 寸法等
本発明の有機薄膜太陽電池モジュール44は、通常、膜状の薄い部材である。このように膜状の部材として有機薄膜太陽電池モジュール44を形成することにより、有機薄膜太陽電池モジュール44を建材、自動車又はインテリア等に容易に設置できるようになっている。有機薄膜太陽電池モジュール44は、軽く、割れにくく、従って安全性の高い太陽電池が得られ、また曲面にも適用可能であるため更に多くの用途に使用しうる。薄くて軽いため輸送や保管等流通面でも好ましい。更に、膜状であるためロール・トゥ・ロール式の製造が可能であり大幅なコストカットが可能である。
有機薄膜太陽電池モジュール44の具体的な寸法に制限は無いが、その厚みは、通常300μm以上、好ましくは500μm以上、より好ましくは700μm以上であり、また、通常3000μm以下、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1500μm以下である。
3−12. 製造方法
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、上記説明以外の製造方法については特段限定されず、公知の方法を適用すればよい。ロール・トゥ・ロール方式であれば図11に記載の様に行うこともできる。具体的には、必要となる層を積層させ、真空ラミネーターやロールラミネーターを用いた熱ラミネート法などによることができる。
例えば、耐候性保護フィルム31とバックシート40との間に、1個又は2個以上の有機薄膜太陽電池素子36を直列又は並列接続したものを、紫外線カットフィルム32、ガスバリアフィルム33、39、ゲッター材フィルム34、38及び封止材35、37と共に一般的な真空ラミネート装置でラミネートすることで製造できる。
熱ラミネートによる場合には、真空条件下で行うことが好ましく、通常真空度が10Pa以上、好ましくは20Pa以上、より好ましくは30Pa以上である。一方上限は、通常150Pa以下、好ましくは120Pa以下、より好ましくは100Pa以下である。上記範囲とすることで、モジュール内の各層において気泡の発生を抑制することができ、生産性も向上するため好ましい。
真空時間としては、通常1分以上、好ましくは2分以上、より好ましくは3分以上である。一方上限は、通常20分以下、好ましくは18分以下、より好ましくは15分以下である。真空時間を上記範囲とすることで、熱ラミネート後の有機薄膜太陽電池モジュールの外観が良好となり、またモジュール内の各層において熱ラミネート条件による気泡の発生を抑制することができるため好ましい。
熱ラミネートの加圧条件は、通常圧力が50kPa以上、好ましくは70kPa以上、より好ましくは90kPa以上である。一方上限値は、101kPa以下であることが好ましい。上記範囲の加圧条件とすることで、有機薄膜太陽電池モジュールを損傷することなく、また適度な接着性を得ることができるため、耐久性の観点からも好ましい。
上記圧力の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は、通常50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材のゲル化率を適正とすることができるため、十分な接着強度を得ることができる。
熱ラミネートの温度条件は、通常115℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは125℃以上である。一方上限値は、通常180℃以下、好ましくは165℃以下、より好ましくは155℃以下である。上記温度範囲とすることで、十分な接着強度を得ることができる。
また、上記温度の保持時間は、通常1分以上、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上である。一方上限は50分以下、好ましくは40分以下、より好ましくは30分以下である。上記保持時間とすることで、封止材の架橋が適度に行われるため耐久性能が向上し、適度な柔軟性を有することができるため、好ましい。
4.その他工程
また、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、以下の工程を含んでも良い。
4−1. 工程A:有機薄膜太陽電池素子を切断する工程
上記工程1において、最終的に1枚の有機薄膜太陽電池モジュールに含まれるよりも多くの有機薄膜太陽電池セルを基板上に形成した場合、必要に応じて有機薄膜太陽電池素子を切断してもよい。切断する工程は、有機薄膜太陽電池素子の切断は、上記工程1、2および/または3のいずれかの工程の間に行われ、目的に応じていずれの工程の後に行っても良い。
有機薄膜太陽電池素子または有機薄膜太陽電池モジュールの切断の方法は限定されず、裁断機などの公知の装置を用いて長手方向と直交する幅方向に切断することも、スリッタなどの公知の装置を用いて長手方向に切断することもできる。
工程1をロール・トゥ・ロール方式で行った場合には、通常、幅方向の切断が必要である。
幅方向と長手方向のいずれの方向の切断も行うときは、幅方向に切断した後長手方向に切断しても、長手方向に切断した後、幅方向に切断してもよい。スリッタなどを用いてロール・トゥ・ロール方式で長手方向の切断を行った後、幅方向に切断すると、切断速度を上げやすく生産性を向上しやすい点で好ましい。
工程A−1:工程1(前記有機薄膜太陽電池素子を基板上に形成する工程)の後、工程2(有機太陽電池素子に含まれる2以上の有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程)の前に、有機薄膜太陽電池素子を切断する工程
工程2において、2以上の有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設けるため、通常、有機薄膜太陽電池素子を有機薄膜太陽電池セルが直列に3個以上接続されるように切断する。
集電線の設置を枚葉で行う場合には、本工程を適用することができる。
本工程によれば、有機薄膜太陽電池素子に集電線を設置する前に切断するため、有機薄膜太陽電池素子の上部電極側の表面に集電線の設置による凹凸がない。従って、切断時に有機薄膜太陽電池素子を保持しやすくなるなど、切断する部材の取り扱い性が高いため、切断速度を上げやすく生産性を向上しやすい点で好ましい。
工程A−2:工程2の後、工程3(集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止する工程3)の前に有機薄膜太陽電池素子を切断する工程。
工程2において、4以上の有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設けた場合には、切断することで2以上の集電線を含む有機薄膜太陽電池素子を複数得ることができる。
最終的に得られる有機薄膜太陽電池モジュールから電気を取り出すためには、有機薄膜太陽電池モジュールが2以上の集電線を含む必要があるため、通常は、直列に接続された有機薄膜太陽電池セルが2以上の集電線を含むように切断する。
工程3により有機薄膜太陽電池素子を封止した後に、有機薄膜太陽電池モジュールとして切断すると、切断した断面に有機薄膜太陽電池素子を構成する層が露出する恐れがある。断面に露出した有機光電変換層やバッファ層は、酸素や水により劣化するおそれがあるため、断面の封止処理が必要な場合がある。従って、工程A−1および/または工程A−2で切断することにより、有機薄膜太陽電池モジュールの断面の封止が不要になる点で、有機薄膜太陽電池モジュールを効率的に製造することができる。
工程A−3:工程3の後に、有機薄膜太陽電池モジュールを切断する工程
工程3において、4以上の該有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止した有機薄膜太陽電池モジュールを製造した場合には、有機薄膜太陽電池素子を切断することで2以上の集電線を含む有機薄膜太陽電池モジュールを複数得ることができる。
工程A−3は、大規模な工業的生産に適した有機薄膜太陽電池モジュールを製造するのに適した工程であり、工程3までロール・トゥ・ロールで行うことにより、効率的に大量の太陽電池モジュールを製造できる。
工程A:切断工程は、例えば図14に示されるように行うことができる。切断工程では、巻出し工程により、有機薄膜太陽電池素子又は有機薄膜太陽電池モジュールを繰り出して、切断装置108により切断する。必要な電位や集電線の位置などを考慮して、任意の位置で切断すればよい。
また、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法は、以下の工程を含んでも良い。
4−2. 工程B:工程1の後、工程2の前に、複数の前記有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように前記有機薄膜太陽電池素子を封止する工程
封止材により有機薄膜太陽電池素子を封止する工程(工程3)は、上部電極に集電線を設置する工程(工程2)の後に行うが、更に上部電極に集電線を設置する工程(工程2)の前に複数の前記有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように前記有機薄膜太陽電池素子を封止する工程(工程B)を行っても良い。工程Bは、少なくとも2以上の前記太陽電池セルの上部電極が露出するように封止する工程である。
本工程は、目的に応じて任意に行える。有機薄膜太陽電池素子を形成する全ての有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように封止しても、所定の有機薄膜太陽電池セルのみ上部電極が露出するように封止してもよい。
工程Bと共に、工程A−1を行う場合であれば、工程A−1の後に工程Bを行ってもよいし、工程A−1の前に工程Bを行ってもよい。工程A−1の前に工程Bを行うと、ロール・トゥ・ロール方式で工程Bの封止が行えるため、生産性を向上しやすい点で好ましい。工程A−1の後に工程Bを行うと、工程Bに用いる封止材が、柔軟な場合や穴が大きいおよび/または穴の数が多い場合など、剛性が低い場合にも工程Bを行いやすい点で好ましい。
図15は、複数の前記有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように封止した有機薄膜太陽電池素子の概念図である。図15(a)は、有機薄膜太陽電池素子の各セルに上部電極が露出した部分202が設けられている。このような態様とすることで、所望の電位に合わせて、2か所又は3か所以上で、集電線を設置することができる。
また、図15(b)では、数セルおきに上部電極露出部分202が設けられている。(b)の中央部の連続した露出部分の間で有機薄膜太陽電池素子を切断することで、両端に集電線を設置できる露出部分202を有する太陽電池素子が得られる。
また、数セルおきに3つの上部電極露出部分202を設けた有機薄膜太陽電池素子とすることで、異なる2系統の電位を得ることもできる。
複数の前記有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように前記有機薄膜太陽電池素子を封止する方法は特に限定されない。例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)全面封止した後、集電線を設置する位置の封止材を剥離してスリットを形成することで、有機薄膜太陽電池モジュールの表面に上部電極が露出した状態とする。特別な封止材を準備する必要がない点で好ましい。
(2)封止を行う前の封止材に、あらかじめ特定の位置にスリットを設け、該スリットが設けられた封止材を用いて封止する。封止後は封止材が有機薄膜太陽電池素子と密着した状態になるため、あらかじめスリットを形成しておく方が、上部電極が露出する領域を簡便に形成できる点で好ましい。また、このようにあらかじめスリットを設けることで、封止後にスリットを形成する際に生じる有機薄膜太陽電池セルへのダメージの可能性を排除することが可能となる。
(3)更に、封止を行う前の封止材に、あらかじめ特定の位置にスリット状の切れ目を設け、封止後に当該切れ目の箇所を剥離することでスリットを設ける。封止後にスリットを形成する際の加工が容易になる点で好ましい。また、この方法によれば、切れ目の箇所を剥離しなければ、当該剥離しない箇所では有機薄膜太陽電池素子を封止する効果が期待される点でも好ましい。
上部電極が露出する領域の幅および長さ大きさは、上部電極上に集電線が設置できれば特に限定されないが、集電線の幅に対して露出の幅が大きい方が好ましい。
集電線の厚みと同程度の厚みの封止材を用いて、所定の有機薄膜太陽電池セルの上部電極が露出するように封止すると、工程3を経て製造した有機薄膜太陽電池モジュールは、集電線を設置した側の表面が平滑になり、ロール状にしやすいため好ましい。
本工程をロール・トゥ・ロール方式で行う場合には、例えば、工程3で述べた方法と同様に、図11に示した方法で行うことができる。上記のように上部電極を露出可能にした封止材を用いて、工程3:封止工程と同様に行えば良い。
また、工程A−3:工程3の後に有機薄膜太陽電池モジュールを切断する工程、を有する場合、切断後の有機薄膜太陽電池モジュールの切断面を、少なくとも前述の封止剤および耐候性保護フィルム、好ましくは更に前述のガスバリアフィルムで覆うのが好ましい。切断後の有機薄膜太陽電池モジュールは、切断面に有機薄膜太陽電池素子が露出しているため、有機薄膜太陽電池素子を水、酸素、物理的な力から保護するためである。
以上の工程1〜3、および必要に応じて含まれる工程A,Bを経て、本発明の有機薄膜太陽電池が得られる。本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、集電線全体が封止構造の内部に含まれる場合と、集電線の一部が封止構造の外に露出している場合がある。集電線全体が封止構造の内部に含まれる場合には、集電線の上に積層された層を適宜切断して露出した集電線に導電性の部材を接続することで電気を取り出すことができる。集電線の一部が封止構造の外に露出している場合には、該露出した集電線に導電性の部材を接続することで電気を取り出すことができる。該接続により集電線の一部が露出する場合には、該露出した場所を封止することが好ましい。
5. 用途
上述した有機薄膜太陽電池モジュール44の用途に制限はなく任意である。例えば、図16に模式的に示すように、何らかの基材42上に有機薄膜太陽電池モジュール44を設けた有機薄膜太陽電池パネル43を用意し、これを使用場所に設置して用いればよい。具定例を挙げると、基材42として建材用板材を使用した場合、この板材の表面に有機薄膜太陽電池モジュール44を設けて有機薄膜太陽電池パネル43として太陽電池パネルを作製し、この太陽電池パネルを建物の外壁等に設置して使用すればよい。
また、用途に応じて、有機薄膜太陽電池モジュールに対して任意の層を更に積層してもよい(図示せず)。
基材42は有機薄膜太陽電池素子36を支持する支持部材である。基材42を形成する材料としては、例えば、ガラス、サファイア又はチタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン等の有機材料;紙又は合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウム等の金属に絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたもの等の複合材料等が挙げられる。なお、基材の材料は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、これら有機材料あるいは紙材料に炭素繊維を含ませ、機械的強度を補強させても良い。
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールを適用する分野の例を挙げると、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池等に用いて好適である。具体例として以下のようなものを挙げることができる。
5−1. 建築用途
5−1−1. ハウス屋根材としての太陽電池
基材42として屋根用板材等を使用した場合、この板材の表面に有機薄膜太陽電池モジュールを設けて太陽電池ユニットとして太陽電池パネルを作製し、この太陽電池パネルをハウスの屋根の上に設置して使用すればよい。また、基材として瓦を直接用いることもできる。本発明の太陽電池が柔軟性を有するという特性を生かし、瓦の曲線に密着させることができるので好適である。
5−1−2. 屋上
ビルの屋上に取り付けることもできる。基材42上に有機薄膜太陽電池モジュールを設けた太陽電池ユニットを用意し、これをビルの屋上に設置することもできる。この時基材とともに防水シートを併用し、防水作用を有するのが望ましい。さらに、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールが柔軟性を有するという特性を生かし、平面ではない屋根、例えば折半屋根に密着させることもできる。この場合も防水シートを併用するのが望ましい。
5−1−3. トップライト
エントランスや吹き抜け部分に外装として本発明の有機薄膜太陽電池モジュールを用いることもできる。何らかのデザイン処理を施されたエントランス等は曲線が用いられている場合が多く、そのような場合において本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの柔軟性が生かされる。またエントランス等ではシースルーである場合があり、このような場合には、有機薄膜太陽電池モジュールの緑色系の色合いが、環境対策が重要視される時代において意匠的な美観も得られるので好適である。
5−1−4. 壁
基材42として建材用板材を使用した場合、この板材の表面に有機薄膜太陽電池モジュールを設けて太陽電池ユニットとして太陽電池パネルを作製し、この太陽電池パネルを建物の外壁等に設置して使用すればよい。また、カーテンウオールに設置することもできる。その他、スパンドレルや方立等への取り付けも可能である。
5−1−5. 窓
また、シースルーの窓に使用することもできる。有機薄膜太陽電池モジュールの緑色系の色合いが、環境対策が重要視される時代において意匠的な美観も得られるので好適である。
5−1−6. その他
その他建築の外装としてひさし、ルーバー、手摺等にも使用できる。このような場合においても、本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの柔軟性が、これら用途にとり好適である。
5−2. 内装
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールはブラインドのスラットに取り付けることもできる。本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは軽量であり、柔軟性に富むことから、このような用途が可能となる。また、内装用窓についても有機薄膜太陽電池モジュールがシースルーである特性を生かし使用することができる。
5−3. 野菜工場
蛍光灯等の照明光を活用する植物工場の設置件数は増えているが、照明に掛かる電気代や光源の交換費用等によって栽培コストを引き下げにくいというのが現状である。そこで本発明の有機薄膜太陽電池モジュールを野菜工場に設置し、LED又は蛍光灯と組み合わせた照明システムを作製することができる。
このとき蛍光灯よりも寿命が長いLEDと本発明の太陽電池を組み合わせた照明システムを用いることで、照明に要するコストを現状に比べて30%程度減らせることができるので好適である。
また、野菜等を一定温度で輸送するリーファー・コンテナ (reefer container)の屋根や側壁に本発明の太陽電池を用いることもできる。
5−4. 道路資材・土木
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、駐車場の外壁や高速道路の遮音壁や浄水場の外壁等にも用いることができる。
5−5. 自動車
本発明の有機薄膜太陽電池モジュールは、自動車のボンネット、ルーフ、トランクリッド、ドア、フロントフェンダー、リアフェンダー、ピラー、バンパー又はバックミラー等の表面に用いることができる。なおルーフとしてはトラック車輌の荷台のルーフも含まれる。得られた電力は走行用モータ、モータ駆動用バッテリー、電装品及び電装品用バッテリーのいずれに供給することができる。太陽電池パネルにおける発電状況と該走行用モータ、該モータ駆動用バッテリー、該電装品及び該電装品用バッテリーにおける電力使用状況とに合わせて選択する制御手段とを備えることで、得られた電力が適正にかつ効率的に使用することができる。
基材42の形状に制限はないが、通常は板材を使用する。また、基材42の材料、寸法等は、その使用環境に応じて任意に設定すればよい。このような基材42の例を挙げると、アルポリック(登録商標;三菱樹脂製)等が挙げられる。
本発明は以上の実施の形態に限定されず、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものである。本出願は2012年3月12日付で出願された日本特許出願(特願2012−054724)に基づいており、その全体がここに参照として取り込まれる。
1 基板
2 下部電極
3 p層
4 i層
5 n層
6 上部電極
7 光電変換層
8 集電線
11 第1の開溝
12 第2の開溝
13 第3の開溝
21 下部電極:光電変換層と積層している領域
22 下部電極:光電変換層と積層していない領域
23 上部電極:光電変換層と積層している領域
24 上部電極:光電変換層と積層していない領域
31 耐候性保護フィルム
32 紫外線カットフィルム
33,39 ガスバリアフィルム
34,38 ゲッター材フィルム
35,37 封止材
36 有機薄膜太陽電池素子
40 バックシート
42 基材
43 有機薄膜太陽電池パネル
44 有機薄膜太陽電池モジュール
101 巻出し工程
102 塗布装置
103 加熱・乾燥装置
104 巻き取り工程
105 集電線設置装置
106 封止ロール
107 封止材等
108 切断装置
201 有機薄膜太陽電池セル
202 上部電極露出部分

Claims (13)

  1. 下記工程を有する、有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
    工程1:少なくとも下部電極、光電変換層および上部電極が順次積層された有機薄膜太陽電池セルが、直列に複数個接続された有機薄膜太陽電池素子を、基板上に形成する工程
    工程2:有機薄膜太陽電池素子に含まれる2以上の該有機薄膜太陽電池セルの上部電極上に集電線を設ける工程
    工程3:該集電線を設けた有機薄膜太陽電池素子を封止する工程
  2. 前記工程1を、ロール・トゥ・ロール方式で行う、請求項1に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記基板の長さが10m以上である、請求項2に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 前記有機薄膜太陽電池素子が10m以上連続して形成されている、請求項3に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記有機薄膜太陽電池素子において、前記有機薄膜太陽電池セルが、基板の長手方向に10m以上直列に接続されたことを特徴とする、請求項4に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記有機薄膜太陽電池素子において、
    前記有機薄膜太陽電池セルが、基板の幅手方向に直列に接続されてセル列を形成し、
    複数のセル列が基板の長手方向に10m以上隣接して形成された、
    請求項4に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  7. 前記有機薄膜太陽電池素子は、前記有機薄膜太陽電池セルが直列に3個以上接続された有機薄膜太陽電池素子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 前記工程1と工程2との間に、
    工程A−1:有機薄膜太陽電池素子を、セルが直列に3個以上接続されるように切断する工程
    を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  9. 前記工程2と工程3との間に、
    工程A−2:有機薄膜太陽電池素子を、2以上の集電線を含むように切断する工程
    を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  10. 前記工程3の後に、
    工程A−3:有機薄膜太陽電池モジュールを、2以上の集電線を含むように切断する工程
    を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池モジュールの製造方法。
  11. 前記工程1と工程2との間に、
    工程B:前記有機薄膜太陽電池素子を封止する工程、を有し、
    該封止する工程は、少なくとも2以上の前記太陽電池セルの上部電極が露出するように封止することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  12. 基板上に有機薄膜太陽電池セルが直列に複数接続された構造を有する有機薄膜太陽電池素子を含む太陽電池モジュールであって、
    前記有機薄膜太陽電池セルは、少なくとも下部電極、光電変換層、および上部電極を備え、
    前記有機薄膜太陽電池素子における2以上の太陽電池セルにおいて、上部電極上に集電線が設けられていることを特徴とする、太陽電池モジュール。
  13. 前記有機薄膜太陽電池素子における4以上の太陽電池セルにおいて、上部電極上に集電線が設けられている、請求項12に記載の太陽電池モジュール。
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