JP2011134685A - 二次電池 - Google Patents

二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2011134685A
JP2011134685A JP2009295596A JP2009295596A JP2011134685A JP 2011134685 A JP2011134685 A JP 2011134685A JP 2009295596 A JP2009295596 A JP 2009295596A JP 2009295596 A JP2009295596 A JP 2009295596A JP 2011134685 A JP2011134685 A JP 2011134685A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage element
power storage
negative electrode
positive electrode
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009295596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5623073B2 (ja
Inventor
Takeshi Fujino
健 藤野
Yuki Tominaga
由騎 冨永
Eisuke Komazawa
映祐 駒澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2009295596A priority Critical patent/JP5623073B2/ja
Publication of JP2011134685A publication Critical patent/JP2011134685A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5623073B2 publication Critical patent/JP5623073B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

【課題】大型の蓄電素子を装填した自動車用二次電池構造において、耐久性、放熱性を向上させた構造を有する二次電池を提供する。
【解決手段】正極シート、セパレータおよび負極シートが重ねられて巻回された電解液を有する第1蓄電素子と、第1蓄電素子を収容する電池ケースとを備えた二次電池であって、第1蓄電素子は扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、長手領域の中央部分は、面圧発生部材によって電池ケースに押圧される。
【選択図】図5

Description

本発明は、たとえば自動車駆動用電源に用いて好適な二次電池に係り、特に、電池の耐久性および放熱性を向上させる技術に関する。
車載用のリチウムイオン二次電池においては、それぞれ正極、負極および電解液を有する単電池(セル)が複数個直列に配置されて組電池を形成し、充放電制御のためのセルコントローラが接続され、必要な電圧が得られるようにバッテリーモジュールを形成する。
このような二次電池の単電池には、電極シートとセパレータを重ね、図2(a)および図3(a)に示すように扁平型や円筒型に巻回した後に図2(b)および図3(b)に示すように潰した巻回型蓄電素子、あるいは、平板状に切り出した電極とセパレータを積層した積層型蓄電素子の2種類があり、これらを、円筒型のケースに収納したものや、角型、扁平型のケースに収納したものがある(例えば、特許文献1参照)。
蓄電素子を角型ケースに収納する場合、蓄電素子の両端部から導出される正極側および負極側の集電箔は重ねられ、それぞれ正極側および負極側の集電体(リード)に超音波溶接され、ケースに収納される。
上記のうち積層型の蓄電素子は、各電極への面圧が一定であり、巻回型の蓄電素子に比べて屈曲部が無く、活物質の脱落などの課題が少ない。しかしながら、電極の切り出し、蓄電素子をスタックして積み重ねのための工程が煩雑であり、生産性が低下するため製造コストが上がる。
一方、巻回型の蓄電素子は、長尺のシートを巻回して蓄電素子を作製するため、工程が簡素化でき、低コスト化できる。しかしながら、扁平型では巻き芯部分が空間となるとためケースへの充填密度が積層型の蓄電素子より上がりにくいという課題があり、充填密度を向上するためには、ケースに装填する際に蓄電素子をつぶして装填する。
蓄電素子の高エネルギー密度化を図るために、蓄電素子の電極活物質比率を高める必要があるが、そのためには電極箔を薄くし、活物質層を厚くする必要がある。発明者らが検討した結果、PVDFやSBRからなる樹脂バインダを用いて粒子状活物質を形成すると、図4のグラフで検討したように、活物質合材層が厚いほど、屈曲に対して合材で割れが発生し、金属集電箔から活物質が脱落することが分かった。炭素質材料、特に黒鉛粒子からなる電極では、図2および3に示すように、蓄電素子24または25の巻回後、巻き芯を抜いた後の中心部30または31の空間をつぶすと、曲率Rが小さい両端のコーナー領域Aで電極のクラックが発生し易いことがわかった。このクラック部分では、活物質層と電極箔との密着性が低下し、活物質が脱落し、電極の抵抗が増大する。一般的に、VGCFなどの繊維状のフィラーで電極の割れを強化する方法もあるが、VGCFなどの添加量が多くなると、分散混合工程の時間が長くなり、スラリーの粘度が増大して塗工速度が低下することで生産性が低下する。また、VGCF自体の材料コストが高いため、コストの増大という問題があった。
その結果、蓄電素子24(25)の両端のコーナー領域Aを一定以上の程度で潰すことができないため、素子は中空部30(31)を有する楕円形状となり、電極の充填密度が向上できないため電池容量が向上できないという問題が生じる。特に電気自動車などに用いられる大型素子になると、このデッドスペースが大きくなる。
さらに、楕円形状のうち両端のコーナー領域A間に存在する長手領域Bは拘束されていないために中空部30(31)に対して内側に凹み、図2(b)に示すようなアレイ型の形状となってしまう。このように素子中心部ではケースからの拘束力がないため、(1)素子中央部からケースへの伝熱面積が小さくなり、放熱性が低下することにより、温度が上昇しやすく、これにより、素子内部の温度ばらつきが大きくなり、活物質の劣化が起きる。また、(2)電解液の分解により発生したガスが電極間に溜まり易く、気泡が滞留すると、有効な電極面積が小さくなり、抵抗が増大する。さらに、(3)負極での膨張・収縮により負極活物質と電極箔の間の荷重による密着性が低下して接触抵抗が増大する。これら(1)〜(3)の理由により、結果として電池の耐久性および寿命が低下する問題が発生していた。
特開2009−032670号公報
本発明は、以上述べた従来技術の課題を解決するためになされたもので、巻回型の蓄電素子を装填した自動車用二次電池構造において、放熱性および耐久性を向上させた構造を有する二次電池を提供することを目的としている。
本発明の二次電池は、正極シート、セパレータおよび負極シートが重ねられて巻回された電解液を有する第1蓄電素子と、第1蓄電素子を収容する電池ケースとを備えた二次電池であって、第1蓄電素子は扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、長手領域の中央部分は、面圧発生部材によって電池ケースに押圧されることを特徴としている。
上記構成の二次電池にあっては、電池内に面圧発生部材が収容されていて、第1蓄電素子を押圧するので、第1蓄電素子において撓みの発生し易い長手領域の中央部分と電池ケースが接しているため、蓄電素子から発生する熱が電池ケースに伝わり易くなっており、放熱性が向上する。また、電池に加わる振動に対する耐久性や、充放電の繰り返しによる蓄電素子自体の膨張・収縮に対する耐久性が向上する。
本発明の二次電池においては、第1蓄電素子は、面圧発生部材に巻回され、面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成され、第2蓄電素子の活物質層は、第1蓄電素子の活物質層よりも薄く形成されることを好ましい態様としている。
また、本発明の二次電池においては、第1蓄電素子は、面圧発生部材に巻回され、面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成され、正極シートは、正極活物質及び正極活物質が形成される正極集電箔からなり、負極シートは、負極活物質及び負極活物質が形成される負極集電箔からなり、第2蓄電素子における正極または負極活物質に対する正極または負極集電箔の厚みの割合は、第1蓄電素子における正極または負極活物質に対する正極または負極集電箔の厚みの割合よりも、大きいことを好ましい態様としている。
上記構成の二次電池にあっては、第1蓄電素子の内部に第2蓄電素子が面圧発生部材として存在しているので、蓄電素子の長手領域の撓みを防止して、ケースに密着することができ、これにより蓄電素子の放熱性および耐久性を向上できるだけでなく、蓄電素子のコーナー領域の潰れを抑制して曲率を大きいまま維持することができるので、活物質の脱落を防止することができ、また、電池ケースと蓄電素子との接触面積が増えて蓄電素子に拘束力を均等に付与し、電極間の距離が一定となるので、内部抵抗の上昇を防止することができる。なお、以下、本願明細書において単に「薄い」「薄膜」「厚い」「厚膜」という場合は、「相対的に薄い」「相対的に厚い」を意味する。また、電極合材層、活物質層の厚みとは、集電箔の片面に形成された厚みのこと示す。
また、上記構成の二次電池にあっては、面圧発生部材が第2蓄電素子を兼ねているので、蓄電素子量すなわち総活物質量が増加して、二次電池の容量を向上させることができる。
さらに、上記構成の二次電池にあっては、第2蓄電素子の活物質層が第1蓄電素子の活物質層よりも薄いか、あるいは、第2蓄電素子における正極または負極活物質層に対する正極または負極集電箔の厚みの割合が第1蓄電素子における正極または負極活物質層に対する正極または負極集電箔の厚みの割合よりも大きいため、集電箔の割合が相対的に多くなって熱が伝わり易く、蓄電素子中心部の熱が集電箔を通じて外部に放熱され易くなっている。また、第1蓄電素子に較べて活物質層が薄いためクラックが入りにくいので、曲率が小さくなるように素子を潰して密に充填することができる。
本発明の二次電池においては、第1蓄電素子は複数設けられ、複数の第1蓄電素子の間に面圧発生部材が設けられることを好ましい態様としている。
上記構成の二次電池にあっては、複数の第1蓄電素子の間の面圧発生部材が、隣接する第1蓄電素子を潰して固定するので、第1蓄電素子は押圧され、第1蓄電素子において撓みの発生し易い長手領域の中央部分と電池ケースが接し、放熱性および耐久性が向上する。また、蓄電素子のコーナー領域の潰れを抑制して曲率を大きいまま維持することができるので、活物質の脱落を防止することができ、さらに、電池ケースと蓄電素子との接触面積が増えて蓄電素子に拘束力を均等に付与し、電極間の距離が一定となるので、内部抵抗の上昇を防止することができる。
本発明の二次電池においては、面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成されることを好ましい態様としている。
上記構成の二次電池にあっては、面圧発生部材が第2蓄電素子を兼ねているので、蓄電素子量すなわち総活物質量が増加して、二次電池の容量を向上させることができる。
本発明の二次電池においては、第2蓄電素子は、巻回されており、第2蓄電素子の活物質層は、第1蓄電素子の活物質層よりも薄く形成されることを好ましい態様としている。
上記構成の二次電池にあっては、第2蓄電素子の活物質層が第1蓄電素子の活物質層よりも薄いので、集電箔の割合が相対的に多くなって熱が伝わり易く、蓄電素子中心部の熱が集電箔を通じて外部に放熱され易くなっている。また、第1蓄電素子に比べて薄いためクラックが入りにくいので、曲率が小さくなるよう素子を潰して密に充填することができる。
本発明の二次電池においては、第2蓄電素子は、巻回された扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、コーナー領域の活物質層の厚みは、長手領域の活物質層の厚みよりも薄く形成されることを好ましい態様としている。
上記構成の二次電池にあっては、中心ほど曲率が小さくなるが活物質層にクラックの発生し易い中心部のコーナー領域において、活物質層が薄く電極箔の占める割合が大きいから、クラックの発生を抑制することができ、より密に蓄電素子を充填することができる。
本発明によれば、面圧発生部材が蓄電素子を電池ケースに対して押圧して確実に拘束することができるので、電極要素の耐久性および放熱性を向上させ、電池の寿命を向上させることができる。また、面圧発生部材を付加的な蓄電素子とすれば、エネルギー密度を向上させることができる。
本発明の各実施形態に共通する単電池の構造を示す透視斜視図である。 従来の単電池の蓄電素子を示す断面図である。 従来の単電池の蓄電素子を示す断面図である。 従来の単電池における電極層の厚さとクラックの起こる曲率の関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る蓄電素子および単電池を示し、(a)は蓄電素子単体の断面図、(b)は単電池の側断面図、(c)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電素子および単電池を示し、(a)は蓄電素子単体の断面図、(b)は単電池の側断面図、(c)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電素子および単電池を示し、(a)は蓄電素子単体の断面図、(b)は単電池の側断面図、(c)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電素子および単電池を示し、(a)は蓄電素子単体の断面図、(b)は単電池の側断面図、(c)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 本発明の他の実施形態に係る単電池を示し、(a)は単電池の側断面図、(b)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 従来の単電池を示し、(a)は単電池の側断面図、(b)は単電池の集電体部分のケースを透視した側面図である。 本発明の一実施形態に係る蓄電素子を構成する各層を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電素子を構成する各層を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄電素子を構成する各層を示す断面図である。 本発明の単電池の製造方法を示す模式図である。 本発明の単電池の製造方法を示す模式図である。 本発明の実施例および比較例における充放電回数と容量低下率の関係を示すグラフである。 本発明の実施例および比較例における充放電回数と抵抗上昇率の関係を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用することができる一般的な単電池を示す透視図である。単電池は、公知のリチウムイオン二次電池等であって、電池ケース10および電池蓋11を有する。電池ケース10内には、正極活物質が塗布された正極シート、セパレータおよび負極活物質が塗布された負極シートが重ねられて巻回され、電解液が含浸された巻回体の蓄電素子24と、蓄電素子24の両端から導出された正負の集電箔に接続された正極リード板21および負極リード板23とが収容されている。正極リード板21および負極リード板23のそれぞれには、電池蓋11を貫通して正極端子20および負極端子22が電池外部に設けられている。
このような従来の単電池においては、電極層の厚みが大きくなると、図10の蓄電素子の断面図に示すように、蓄電素子24が中空部30を有しており、蓄電素子24の両端のコーナー領域間に存在する長手領域において蓄電素子24が拘束されていないため、すでに述べたように長手領域が中空部30に対して凹んでしまうという問題があった。
第1実施形態(同軸型)
図5(a)は、そのような従来の問題を解決するもので、本発明の第1実施形態に係る単電池における蓄電素子を示す断面図である。蓄電素子24は、中空部に、同軸型の面圧発生部材である第2蓄電素子40を有する。第2蓄電素子40は、第1蓄電素子24と同様に正極シート、セパレータおよび負極シートが重ねられて巻回された構造を有する。このようにして形成された第1および第2蓄電素子は、図5(b)の断面図および(c)の透視側面図に示すように、ケース10に収められる。
上記構成の第1実施形態の単電池によれば、第2蓄電素子が第1蓄電素子を押圧するので、第1蓄電素子において撓みの発生し易い長手領域の中央部分と電池ケースが接しているため、蓄電素子から発生する熱が電池ケースに伝わり易くなっており、放熱性が向上する。また、電池に加わる振動に対する耐久性や、充放電の繰り返しによる蓄電素子自体の膨張・収縮に対する耐久性が向上する。
また、蓄電素子のコーナー領域の潰れを抑制して曲率を大きいまま維持することができるので、活物質の脱落を防止することができ、また、電池ケースと蓄電素子との接触面積が増えて蓄電素子に拘束力を均等に付与し、電極間の距離が一定となるので、長期の使用においても内部抵抗の上昇を防止することができる。
さらに、面圧発生部材が第2蓄電素子を兼ねているので、蓄電素子量すなわち総活物質量が増加して、二次電池の容量を向上させることができる。
ここで、第1実施形態においては、第2蓄電素子の活物質層が第1蓄電素子の活物質層よりも薄いことが好ましい。このような構造の利点を以下に説明する。図11(a)は、本発明のそのような第2蓄電素子の相対的に薄い活物質層を示しており、図11(b)は、第1蓄電素子の相対的に厚い活物質層を示している。また、図12(a)および(b)は、それぞれ活物質層の厚さが変化しない第2蓄電素子および第1蓄電素子を示している。図11(a)に示すように、第2蓄電素子の活物質層すなわち正極材料51および負極材料53が薄いと、厚さが不変である集電箔すなわち正極箔50および負極箔54の割合が相対的に多くなって、熱が伝わり易く、蓄電素子中心部の熱が集電箔を通じて外部に放熱され易くなる。そのため、蓄電素子中心部と外周部の熱ばらつきが小さくなり、中心部の極端な温度上昇による劣化を防止できる。また、第1蓄電素子に比べて薄いため曲げてもクラックが入りにくいので、曲率が小さくなるよう素子を潰して密に充填することができる。
図6は、第1実施形態の変更例を示す。図6に示すように、巻回型の第2蓄電素子40は、積層型の第2蓄電素子41に変更してもよい。積層型の第2蓄電素子41の場合も同様に、活物質が塗布されていない両端の集電箔によって、第1蓄電素子24と並列に超音波溶接される。
第1実施形態では、第1蓄電素子の活物質層の厚さは50〜500μmの範囲で設定されることが好ましく、この場合の第2蓄電素子の活物質層の厚さは10〜50μmの範囲で設定されることが好ましい。
第1実施形態においては、中心部と外周部の好ましい電極の厚みは、電極合材層のクラックタフネスにより異なる。例えば、集電箔と電極合材層の接着性や電極合材層を構成する活物質の種類、粒径、電極合材層の密度、電極合材層を形成するバインダ量が挙げられる。第1蓄電素子に装填可能な第2蓄電素子の比率は、次の方法で最適化することができる。まず、外側の第1蓄電素子の電極厚みに応じて、コーナー部の電極クラックの発生する曲率を実験的に求めることができる。この「クラック限界」を超えない曲率を有する中空部に、より薄い電極層からなり、最外周が当該中空部に装填可能なサイズの第2蓄電素子を装填すればよい。例えば、図7において、第1蓄電素子24の電極厚さが100μmであり、この電極層のクラック限界極率が8mmとなる場合は、内部の8mmの中空部に装填するように第2蓄電素子42を作成する。例えばその電極活物質層の厚さは、50μmと設定される。
第1実施形態においては、図8に示すように、第2蓄電素子42内にさらに第3蓄電素子43を装填してもよい。この場合は、それぞれの蓄電素子の曲率とクラック限界を勘案して、例えば、第1蓄電素子24の電極厚さが120μm、第2蓄電素子42の電極厚さが80μm、第3蓄電素子43の電極厚さが50μmと設定される。
複数の蓄電素子を装填する方法としては、後述する薄い活物質層からなる蓄電素子を最初に作製してその外側に厚い活物質層からなる蓄電素子を巻回する方法や、積層型の蓄電素子を最初に作製してその外側に蓄電素子を巻回する方法、外側の蓄電素子を作製してその内側の中空部に薄い活物質層からなる蓄電素子を挿入する方法が挙げられる。
なお、図7および8に示すように、最も内側の蓄電素子の中央には僅かに中空部があってもよいが、その場合、蓄電素子と電池ケースとの密着を維持するためには、当該中空部のコーナー部の曲率直径Rに対して、蓄電素子の長手領域の凹む長さをR/2以下に維持しなければならない。
第1実施形態では、2個の蓄電素子をケースに収容しているが、蓄電素子の個数はこの態様のみに限定されず、1個または3個以上としてもよい。
第2実施形態(隣接型)
図9は、本発明の第2実施形態に係る単電池における蓄電素子を示す断面図である。中空部30を有する2つの蓄電素子24は、互いの間に、隣接型の面圧発生部材44を有する。蓄電素子24および面圧発生部材44は、面圧発生部材44によって蓄電素子24の中空部30が潰された状態で、ケース10に収められる。
上記構成の第2実施形態の単電池によれば、2個の蓄電素子の間の面圧発生部材が、隣接する蓄電素子を潰して固定するので、蓄電素子は押圧され、蓄電素子において撓みの発生し易い長手領域の中央部分と電池ケースが接し、放熱性および耐久性が向上する。また、蓄電素子のコーナー領域の潰れを抑制して曲率を大きいまま維持することができるので、活物質の脱落を防止することができ、さらに、電池ケースと蓄電素子との接触面積が増えて蓄電素子に拘束力を均等に付与し、電極間の距離が一定となるので、内部抵抗の上昇を防止することができる。
面圧発生部材44は、図9に示すような扁平形状の部材であれば、剛性の高い材料または弾性材料等、材料は限定されないが、面圧発生部材44が正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子44から構成されることが好ましい。
上記構成の単電池によれば、面圧発生部材が第2蓄電素子を兼ねているので、蓄電素子量すなわち総活物質量が増加して、二次電池の容量を向上させることができる。
ここで、第2実施形態においても、第2蓄電素子44が巻回型であり、第2蓄電素子44の活物質層が第1蓄電素子24の活物質層よりも薄いことが好ましい。第2蓄電素子44の活物質層が薄いと、集電箔の割合が相対的に多くなって熱が伝わり易く、蓄電素子中心部の熱が集電箔を通じて外部に放熱され易くなる。また、第1蓄電素子24に較べて薄いためクラックが入りにくいので、曲率が小さくなるよう素子を潰して密に充填することができる。
第2実施形態においても、図9では2個の蓄電素子24をケースに収容しているが、蓄電素子の個数はこの態様のみに限定されず、3個以上として、それぞれの間に隣接するように第2蓄電素子44を設けてもよい。その際、ケース側面に接する両端に位置する第1蓄電素子と比較して内部に位置する第1蓄電素子は、両側から第2蓄電素子によって挟まれてより潰される。そのため、第2蓄電素子の厚みは、このことを考慮して、両端の第2蓄電素子では厚く、それ以外の第2蓄電素子では薄く、適宜調整してもよい。
第1実施形態および第2実施形態の両形態においては、第2蓄電素子は、巻回された扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、コーナー領域の活物質層の厚みは、長手領域の活物質層の厚みよりも薄く形成されることが好ましい。図13は、そのようなコーナー領域の厚みが相対的に薄く形成された第2蓄電素子を示す模式図であって、図13(a)は巻回する前の正極シート(正極箔50の両面に正極材料51を塗布してなる)または負極シート(負極箔54の両面に負極材料53を塗布してなる)を示し、図13(b)は、正極シート、セパレータ52、負極シートが重ねられて巻回された際の第2蓄電素子のコーナー領域を示す。
図13(a)に示すように、正極(負極)シートは、所定の間隔C〜Cにて、正極材料51(負極材料53)が薄くなるように形成されている。このように正極(負極)シートを形成し、当該薄く形成された部分がコーナー領域に来るように巻回を行うと、図13(b)に示すような第2蓄電素子を作製することができる。
上記構成の第2蓄電素子にあっては、活物質層にクラックの発生し易いコーナー領域において、活物質層が薄く電極箔の占める割合が大きいから、クラックの発生を抑制することができ、曲率が小さくなるように潰すことができるため、より密に蓄電素子をケースに充填することができる。なお、巻回工程においては、中心部から外周部へ向かうほど電極シート周長が長くなるため、コーナー領域に該当する部分すなわち薄く形成する部分の出現間隔が延びていく。そのため、電極シートの塗布工程においては、薄く形成する部分が周長の変化に適合するように間隔C<C<C<Cとして電極材料の塗布を行えば良い。
二次電池の製造方法
本発明の二次電池の製造方法は、二つの方法がある。第1の方法は、第2蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを重ねて巻回して作成し、第2蓄電素子を次工程の別の巻回装置にセットして、第2蓄電素子を巻き軸として、第1蓄電素子の電極体とセパレータを巻き込む方法である。具体的には、第2蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを重ねて巻回し、第2蓄電素子の外周上に、第1蓄電素子を構成するセパレータを巻回し、第1蓄電素子を構成する正極シート、負極シートをセパレータ間に挿入して前記第2蓄電素子の外周に巻回することを特徴としている。この際、第2蓄電素子と第1蓄電素子のセパレータは厚み、ポロシティーなど異なるものを用いても良い。
上記構成の製造方法によれば、既存の巻回設備を用いることにより高い生産性および低コストを実現しつつ第2蓄電素子の巻回工程に続いて第1蓄電素子の巻回工程を連続的に実施して、本発明の素子充填率が向上した二次電池を好適に製造することができる。
さらに、第2の方法は、後述する図14、図15に示す方法である。この二次電池の製造方法では、第2蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回した後、同一の装置を用いてこれら各シートの後端部に、第1蓄電素子を構成する正極シート、および負極シートの前端部をそれぞれ連続的に形成するか、または接続して、第1蓄電素子を巻回することを好ましい態様としている。
上記構成の製造方法によれば、第2蓄電素子と第1蓄電素子のセパレータは連続した同一のセパレータであり、第2蓄電素子を構成する各シートの後端部と第1蓄電素子を構成する各シートの前端部が、続いて配置されることで連続的に形成された1枚のシートとして巻回を行うことができるので、一台の装置で作成することができ生産性を向上することが可能である。さらに、第2蓄電素子と第1蓄電素子を形成するための活物質層が連続したシート上に形成される場合は、電気的に接続されているので、電極シートの切り替えが無く、生産性を向上できる。
本発明の第2実施形態においては、第1蓄電素子と第2蓄電素子を公知の方法によって独立に作製し、これらを重ね合わせて電池ケースに収容すれば良いため、説明は省略し、以下、第1実施形態における蓄電素子の製造方法を説明する。図14および15は、そのような製造方法に係る製造装置を示す模式図である。
まず、図示しない公知の方法により、正極箔の両面に正極材料が塗布され、正極シートが作製される。このとき、塗布する正極材料の厚さを変化させた2種類の正極シート、すなわち薄膜正極シート80および厚膜正極シート81が作製される。同様にして、薄膜負極シート84および厚膜負極シート83が作製される。これら各シートは、電極ロール70、71、73、および74がセットされ、セパレータシートロール72および75が図14に示す状態にセットされる。
薄膜正極シート80、セパレータシート82、薄膜負極シート84、セパレータシート85は、図14に白丸で示した複数のガイドロールを経てこの順に重ねられ、図示しない巻き芯にシートの前端部を固定され、巻き芯の周囲に巻回される。このようにして、第2蓄電素子60が作製され、第2蓄電素子60が所定の厚さになった段階で、上記各シートは切断され、シートの後端部は第2蓄電素子60の表面の所定の切り替え位置で固定される。シートの後端部と前端部の境界において段差が発生することを防止するために後端部と前端部の切り替え位置は、ケースとクリアランスが大きい単電池の上方に形成される。
続いて、図15に示すように、厚膜正極シート81、セパレータシート82、厚膜負極シート83、セパレータシート85は、複数のガイドロールを経てこの順に重ねられ、第2蓄電素子60の表面の所定の位置にシートの前端部を固定され、第2蓄電素子60の周囲に巻回される。このようにして、第1蓄電素子61が作製され、第1蓄電素子61が所定の厚さになった段階で、上記各シートは切断され、シートの後端部は第1蓄電素子61の表面の所定の位置で固定される。
上記構成の製造方法によれば、第2蓄電素子と第1蓄電素子のセパレータは連続した同一のセパレータであり、第2蓄電素子を構成する各シートの後端部と第1蓄電素子を構成する各シートの前端部が、続いて配置されることで連続的に形成された1枚のシートとして巻回を行うことができるので、一台の装置で作成することができ生産性を向上することが可能である。さらに、第2蓄電素子と第1蓄電素子を形成するための活物質層が連続したシート上に形成される場合は、電気的に接続されているので、電極シートの切り替えが無く、生産性を向上できる。
上記構成の製造方法によれば、既存の巻回設備を用いることにより高い生産性および低コストを実現しつつ第2蓄電素子の巻回工程に続いて第1蓄電素子の巻回工程を連続的に実施して、本発明の素子充填率が向上した二次電池を好適に製造することができる。
以下、本発明の各構成要素について詳細に説明する。
正極シート
蓄電素子を構成する正極シートは、アルミニウムからなる正極集電体の両面に正極材料が結着した構造を有する。本実施例の正極材料としては、Li酸化物粉末を用い、導電フィラーとして、アセチレンブラック、ケッチエンブラック、VGCF等が挙げられる。中心部の蓄電素子と外周部の蓄電素子の正極、および負極の活物質は、同一でも、異なっていても良い。
負極シート
蓄電素子を構成する負極シートは、銅などからなる負極集電体の両面に負極材料が結着した構造を有する。本実施例の負極材料としては、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料やSn、Si、Pb、Coを含む合金や酸化物を用いることができる。炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、活性炭、600〜1200℃で焼成した低温炭素体(例えば、易黒鉛性炭素前駆体として、ピッチ、メソフェーズピッチ、または難黒鉛化性炭素前駆体として、フェノール樹脂、キシレン樹脂、PPS、セルロース等)を不活性雰囲気中で熱処理して合成した炭素などが挙げられる。中心部の素子と外周部の素子の電極活物質は、同一でも、異なっても良い。例えば、中心部の素子は、温度が高くなるので劣化が起こりやすいので、劣化タフネスが高く、膨張の小さい、ハードカーボンを中心部の負極に用い、外側の電極はソフトカーボン、黒鉛材料を用いることもできる。
セパレータシート
蓄電素子を構成するセパレータシートは、ポリオレフィン系微多孔質セパレータ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンや不織布セパレータ、例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維を用いることができる。
電解液
溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン等を挙げることができる。溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ素リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CFSO]等のリチウム塩を挙げることができる。電解質は、単独で使用しても、2種以上混合して使用しても良い。電解質の溶媒に対する溶解量は、通常は0.2mol/L〜2mol/L程度である。種々のイオン性液体を混合してもよい。加えて、電解液の保持する、ゲル電解質としてもよくその保持材料としては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ビニリデンフロライド(VdF)やヘキサフルオロプロピレン(HFP)またはその誘導体、または共重合体を用いることができる。
蓄電素子作製
中心部の素子は、巻回型でも積層形でも可能である。しかしながら、外周部の素子は、巻回型が好ましい。特に、扁平形状の巻回型に好適である。最終的には中心部と外周部の各素子の集電箔を並列に接続し、一体の素子とするため、蓄電素子を作製する際には各素子を形成する電極ロールは異なる厚みが連続的に形成されていてもよいし、中心部と外周部が別々の電極ロールから形成してもよい。また、複数の扁平巻回型素子をケース内に装填することで、素子の外側のR部の割合が少なくなるので、角型ケースへの体積充填効率が向上できる。
電極端子
正極端子および負極端子の電極端子には、銅、ニッケル、アルミニウム、ステンレスといった金属またはこれらを含む合金やこれら金属を母材にしてニッケルメッキを施したものが使用可能である。
電池ケース
底面部の形状を加工するには、アルミ、ステンレス合金、樹脂を用いることができるが、インパクト成型、トランスファープレス加工によって作製したアルミニウム合金が好ましい。ケースは、蓄電素子と密着する構造が好ましく、これによりケースと蓄電素子との間の空間が少なくなり、電解液を注液した際の、液面が上昇するので蓄電素子吸収が改善され含浸時間を短くできる効果がある。
以上説明したように、本発明は、高エネルギー密度型の電池の構造において、セルの寿命を向上させて、かつエネルギー密度を向上させる手法である。本発明は、二次電池の他にも、キャパシタ、ハイブリッドキャパシタなど、粒子状や繊維状の微小粒子の集合体からなる電極体を用いた蓄電素子に有効であり、特に、膨張収縮があるSi、Snや黒鉛を含むリチウムイオン電池用電極からなる蓄電素子に有効である。
以下、本発明の具体的な作製例について説明する。
[実施例1]
中心部と外周部の2層構造を有する巻回型の蓄電素子を作製した。中心部の電極は、正極塗工幅120mm、負極塗工幅122mmであり、未塗工部が7mmの電極体を用いた。セパレータ厚みは25μmのものを用いた。負極の集電箔としてCu箔は厚み10μmの箔を用い、正極の集電箔としてAl箔は20μmの箔を用いた。正極活物質として粒径D50=12μmのLiNi0.33Mn0.33Co0.33を用い、負極活物質は、粒径22μmの人造黒鉛粒子を用いた。PVDFをバインダをとして用いて電極を作製し、電極体プレス後の活物質層の厚みはそれぞれ40μmとした。負極の電極密度は1.5g/cm、正極の電極密度は3.85g/cmであった。
外周部の電極は、正極塗工幅120mm、負極塗工幅122mm、未塗工部が9mmの電極体を用いた。セパレータ厚みは25μmのものを用いた。負極の集電箔としてCu箔は厚み10μmの箔を用い、正極の集電箔としてAl箔は15μmの箔を用いた。正極活物質として粒径D50=12μmのLiNi0.33Mn0.33Co0.33を用い、負極活物質は、粒径22μmの人造黒鉛粒子を用いた。PVDFをバインダとして用いて電極を作製し、電極体プレス後の活物質層の厚みはそれぞれ100μmとした。負極の電極密度は1.5g/cm、正極の電極密度は3.85g/cmであった。
1)蓄電素子の作製
セパレータをΦ2mmの2軸の巻き芯で巻き取り、中心部の電極については、セパレータ間に正、負極を挿入して巻回し、素子厚みが8mmの扁平の蓄電素子を作製した。さらに、この素子をセットし、この素子の外側から外周部の電極を同様に巻回し、素子厚みが19mmの扁平の蓄電素子を作製した。正極、負極の未塗工部を左右に出して集電部を形成した。この蓄電素子を2個用意した。
2)蓄電素子の溶接
2個の蓄電素子を並列に接続されるように、並べて、両端部に形成された集電箔に幅4mm、厚み0.3mmのCu板で作製されたリードタブを当てて上から超音波溶接を行い、これを、表、裏二箇所で行った。正極も同様に4mm、厚み0.5mmのAl板で溶着を行った。ケースと蓄電素子の絶縁をおこなうために端子の溶着部を含めた蓄電素子全体をポリエステル製の樹脂シートで覆った。
3)リードと蓋の接続
蓋部は正、負極の端子を備えた厚さ2mmの板である。蓋部には、電解液注液口の穴を開けている。蓄電素子から出ている正、負極のリード板をケースの蓋部の端子部に溶接し接合した。
4)ケースの作製
A3003のアルミニウム合金を用いてインパクト成型によりケースを作製した。ケース肉厚は0.5mm、ケース外形寸法を厚さ40mm、高さ120mm、幅150mmとした。
5)弾性部材および蓄電素子の封止
3)で作製した蓄電素子と蓋が一体化された構造体をケースに挿入した。蓋とケースをYAG溶接で封口後、80℃で24hr真空乾燥した。このようにして、図7に示す実施例1の単電池が作製された。
6)含浸
真空乾燥後、グローブボックス内で単電池内部を減圧し、その後、電解液1.0MのLiPF/(EC+DMC+EMC)を注入して、減圧、常圧、減圧を2回繰り返し含浸を行った。充放電装置で、4.2Vまで0.2Cの電流でCCCV充電を8時間行った。その後、充放電装置で、2.7Vまで1Cで放電を行い、この充放電サイクルを5回行った後、減圧して脱泡して、注液口にゴム栓をした。SOC50まで充電を行った。以上のようにして、初期電池容量と初期抵抗の測定を行った。下記表1に、初期電池容量と初期抵抗の測定結果を示す。
[実施例2]
φ8mmの2軸の巻き芯で、実施例1における外周部の電極のみを用い、セパレータ間に正、負極を挿入し、素子厚みが21mmとなるように蓄電素子を作製した。これを2個用意した。次に、図9に示す中心部の蓄電素子44を、実施例1の第1蓄電素子と同じ方法で作成した。但し、素子厚みを6mmとした。この蓄電素子44を2個の蓄電素子間に挟み、蓄電素子44の集電箔を超音波溶接して、重ねて38mmとしてケースへ装填した。このようにして、図9に示す実施例2の単電池を作製し、初期電池容量と初期抵抗の測定を行った。
[比較例]
φ8mmの2軸の巻き芯で、実施例1における外周部の電極のみを用い、セパレータ間に正、負極を挿入し、素子厚みが21mmとなるように蓄電素子を作製し、2mmつぶして19mmとした。これを2個用意し、並列に接続ケースへ装填した以外は実施例と同様にして、図10に示す比較例の単電池を作製し、初期電池容量と初期抵抗の測定を行った。
Figure 2011134685
続いて、実施例1と比較例の単電池について、試験温度55℃、電圧範囲上限4.2V〜下限3.0V、充放電電流2Cにて、4000回の充放電を繰り返した。この充放電サイクル試験において、容量低下率を図16に、抵抗上昇率を図17に示す。なお、抵抗は、10、20、30、40Aの電流値において4点法で内部抵抗を25℃で算出した。
このように、本発明により、角型素子への蓄電素子の充填率が向上するので、電極長が長くできる。よって初期容量は向上し、内部抵抗は抑制された。さらに、充放電サイクル試験の結果、図16および17に示すように、比較例では、充放電に伴って容量が低下し、抵抗が上昇している。
この原因としては、比較例では、内部抵抗が高く、かつ角型セル内部での熱ばらつきが起こりやすいため、素子内で抵抗の低い領域と抵抗が高い領域が存在するので、素子内部での活物質層の充放電回数に差が生じるため、容量低下が起こりやすいと考えられる。また、比較例では、内部抵抗の上昇が初期から大きい。これは、素子の拘束力が低下するので、充放電による黒鉛粒子の膨張収縮により電極面内で導電性が低下して、かつ集電箔への密着性が低下したために、抵抗が増加したと考えられる。
本発明によれば、エネルギー密度を向上させることができ、また、蓄電素子の耐久性および放熱性を向上させることにより電池の寿命を向上させるから、車載用リチウムイオン二次電池システムに適用して極めて有望である。
A…コーナー領域、
B…長手領域、
10…電池ケース、
11…電池蓋、
12…電解液注入口、
20…正極端子、
21…正極リード板、
22…負極端子、
23…負極リード板、
24、25…第1蓄電素子、
30、31…中空部、
40、41、42…第2蓄電素子(同軸型の面圧発生部材)、
43…第3蓄電素子(同軸型の面圧発生部材)、
44…第2蓄電素子(隣接型の面圧発生部材)、
50…正極箔、
51…正極材料、
52…セパレータ、
53…負極材料、
54…負極箔、
60…第2蓄電素子(同軸型の面圧発生部材)、
61…第1蓄電素子、
70…薄膜正極シート巻取ローラ、
71…厚膜正極シート巻取ローラ、
72…セパレータシート巻取ローラ、
73…厚膜負極シート巻取ローラ、
74…薄膜負極シート巻取ローラ、
75…セパレータシート巻取ローラ、
80…薄膜正極、
81…厚膜正極、
82、85…セパレータ、
83…厚膜負極、
84…薄膜負極。

Claims (9)

  1. 正極シート、セパレータおよび負極シートが重ねられて巻回された電解液を有する第1蓄電素子と、
    前記第1蓄電素子を収容する電池ケースとを備えた二次電池であって、
    前記第1蓄電素子は扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、
    前記長手領域の中央部分は、面圧発生部材によって前記電池ケースに押圧されることを特徴とする二次電池。
  2. 前記第1蓄電素子は、前記面圧発生部材に巻回され、
    前記面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成され、
    前記第2蓄電素子の活物質層は、前記第1蓄電素子の活物質層よりも薄く形成されることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1蓄電素子は、前記面圧発生部材に巻回され、
    前記面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成され、
    前記正極シートは、正極活物質及び前記正極活物質が形成される正極集電箔からなり、
    前記負極シートは、負極活物質及び前記負極活物質が形成される負極集電箔からなり、
    前記第2蓄電素子における正極または負極活物質に対する正極または負極集電箔の厚みの割合は、前記第1蓄電素子における正極または負極活物質に対する正極または負極集電箔の厚みの割合よりも、大きいことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  4. 前記第1蓄電素子は複数設けられ、
    前記複数の第1蓄電素子の間に前記面圧発生部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  5. 前記面圧発生部材は、正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回あるいは積層した第2蓄電素子から構成されることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記第2蓄電素子は、巻回されており、
    前記第2蓄電素子の活物質層は、前記第1蓄電素子の活物質層よりも薄く形成されることを特徴とする請求項5に記載の二次電池。
  7. 前記第2蓄電素子は、巻回された扁平形状であって、長手領域およびコーナー領域を構成し、
    前記コーナー領域の活物質層の厚みは、前記長手領域の活物質層の厚みよりも薄く形成されることを特徴とする請求項2、3および6のいずれかに記載の二次電池。
  8. 請求項2に記載の二次電池の製造方法であって、
    前記第2蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを重ねて巻回し、
    前記第2蓄電素子の外周上に、前記第1蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートの端部を固定し、
    前記第1蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを重ねて前記第2蓄電素子の外周に巻回することを特徴とする二次電池の製造方法。
  9. 前記第2蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートを巻回した後、これら各シートの後端部に、前記第1蓄電素子を構成する正極シート、セパレータおよび負極シートの前端部をそれぞれ接続して、前記第1蓄電素子を巻回することを特徴とする請求項8に記載の二次電池の製造方法。


JP2009295596A 2009-12-25 2009-12-25 二次電池 Expired - Fee Related JP5623073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009295596A JP5623073B2 (ja) 2009-12-25 2009-12-25 二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009295596A JP5623073B2 (ja) 2009-12-25 2009-12-25 二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011134685A true JP2011134685A (ja) 2011-07-07
JP5623073B2 JP5623073B2 (ja) 2014-11-12

Family

ID=44347170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009295596A Expired - Fee Related JP5623073B2 (ja) 2009-12-25 2009-12-25 二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5623073B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013030878A1 (ja) * 2011-08-30 2013-03-07 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池、電池スタックおよびリチウムイオン二次電池の製造方法
JP2013105586A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Toyota Industries Corp 二次電池用電極体及び二次電池並びに車両
WO2015186834A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 株式会社 東芝 二次電池
US10991969B2 (en) 2014-08-18 2021-04-27 Gs Yuasa International Ltd. Energy storage device
JP2022139498A (ja) * 2021-03-12 2022-09-26 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 二次電池

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06203870A (ja) * 1992-12-28 1994-07-22 Sanyo Electric Co Ltd 電 池
JPH0785885A (ja) * 1993-09-14 1995-03-31 Japan Storage Battery Co Ltd 角形電池
JPH07153490A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Haibaru:Kk 電 池
JPH11224689A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Fujitsu Ltd 巻回式リチウム二次電池とその電極巻回体
JP2001043889A (ja) * 1999-05-26 2001-02-16 Denso Corp 扁平形状巻回型電極体の成形方法および扁平形状巻回型電極体
JP2001068166A (ja) * 1999-08-30 2001-03-16 Japan Storage Battery Co Ltd 電 池
JP2002231297A (ja) * 2001-01-29 2002-08-16 Japan Storage Battery Co Ltd 組電池
JP2003092142A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Sony Corp 非水電解質電池及びその製造方法
JP2005116186A (ja) * 2003-10-02 2005-04-28 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2006310033A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 蓄電池
JP2007311139A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Sony Corp 二次電池
JP2010015751A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Toyota Motor Corp 電池

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06203870A (ja) * 1992-12-28 1994-07-22 Sanyo Electric Co Ltd 電 池
JPH0785885A (ja) * 1993-09-14 1995-03-31 Japan Storage Battery Co Ltd 角形電池
JPH07153490A (ja) * 1993-11-26 1995-06-16 Haibaru:Kk 電 池
JPH11224689A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Fujitsu Ltd 巻回式リチウム二次電池とその電極巻回体
JP2001043889A (ja) * 1999-05-26 2001-02-16 Denso Corp 扁平形状巻回型電極体の成形方法および扁平形状巻回型電極体
JP2001068166A (ja) * 1999-08-30 2001-03-16 Japan Storage Battery Co Ltd 電 池
JP2002231297A (ja) * 2001-01-29 2002-08-16 Japan Storage Battery Co Ltd 組電池
JP2003092142A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Sony Corp 非水電解質電池及びその製造方法
JP2005116186A (ja) * 2003-10-02 2005-04-28 Toshiba Corp 非水電解質二次電池
JP2006310033A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Sumitomo Electric Ind Ltd 蓄電池
JP2007311139A (ja) * 2006-05-17 2007-11-29 Sony Corp 二次電池
JP2010015751A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Toyota Motor Corp 電池

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013030878A1 (ja) * 2011-08-30 2013-03-07 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池、電池スタックおよびリチウムイオン二次電池の製造方法
CN103748732A (zh) * 2011-08-30 2014-04-23 丰田自动车株式会社 锂离子二次电池、电池堆和锂离子二次电池的制造方法
JPWO2013030878A1 (ja) * 2011-08-30 2015-03-23 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の製造方法
JP2013105586A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Toyota Industries Corp 二次電池用電極体及び二次電池並びに車両
WO2015186834A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 株式会社 東芝 二次電池
US10991969B2 (en) 2014-08-18 2021-04-27 Gs Yuasa International Ltd. Energy storage device
JP2022139498A (ja) * 2021-03-12 2022-09-26 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 二次電池
JP7343537B2 (ja) 2021-03-12 2023-09-12 プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP5623073B2 (ja) 2014-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4726896B2 (ja) 非水電解質リチウムイオン電池用正極材料およびこれを用いた電池
US20130177787A1 (en) Current collector and nonaqueous secondary battery
JP2010160984A (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池
JP5541957B2 (ja) 積層型二次電池
JP6399380B2 (ja) 蓄電素子、蓄電システム、及びその製造方法
JP2008066040A (ja) 電池およびその製造方法
JP2011108507A (ja) 二次電池
JP2013201077A (ja) 非水電解質二次電池
JP2011103249A (ja) 二次電池
JP2009211949A (ja) 非水電解質二次電池
JP2006202680A (ja) ポリマー電池
JP5623073B2 (ja) 二次電池
JP5376036B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP6070691B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2019016494A (ja) 積層電極体の製造方法及び蓄電素子の製造方法
JP2011086483A (ja) ラミネート型2次電池
JP7003775B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP6048477B2 (ja) 非水電解質電池の製造方法
JP2011096485A (ja) 二次電池
KR20180113640A (ko) 편평형 이차 전지
JP2016122635A (ja) 非水電解液二次電池
JP6681017B2 (ja) 電極体を有する二次電池
JP7430665B2 (ja) 二次電池の集電体およびその製造方法、ならびに二次電池
US11769899B2 (en) Press jig and method of manufacturing secondary battery using same
JP7476936B2 (ja) フィルム外装電池、組電池および前記フィルム外装電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120522

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140916

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5623073

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees