JP2011131414A - 目標プロファイル生成方法、目標プロファイル生成装置、モータ制御装置、及び、画像形成システム - Google Patents

目標プロファイル生成方法、目標プロファイル生成装置、モータ制御装置、及び、画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】搬送システムにおいて、モータ等を発生源とする振動の周波数が搬送装置の固有周波数に一致して振動増幅が生じるのを抑えること。
【解決手段】本発明が適用された画像形成システムは、記録ヘッドが搭載されたキャリッジを、モータを動力源として主走査方向に搬送すると共に、キャリッジ搬送時に記録ヘッドに画像形成動作を実行させることにより、記録ヘッド下方の用紙に画像を形成するシステムである。このシステムにおいては、加減速領域以外ではキャリッジを定速搬送して往復動させる。また、キャリッジの搬送制御については、各時刻の目標速度を表す目標プロファイルに従って行う。このシステムにおける加速過程の目標プロファイルは、搬送装置の固有周波数に一致する振動が発生する搬送速度Vnを目標速度Vrとする時刻Tnにおいて、目標加速度Arが極大値を採る目標速度軌跡を示す。
【選択図】図5

Description

本発明は、目標プロファイルに基づきモータを制御するモータ制御装置及び画像形成システム、並びに、目標プロファイルを生成する方法及び装置に関する。
従来、モータ制御装置としては、各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに基づきモータに対する操作量を決定して、モータを動力源とする搬送対象の速度制御を行うものが知られている。具体的には、搬送対象の実速度を検出し、搬送対象の実速度と目標速度との偏差が小さくなるように、モータに対する操作量を決定して、搬送対象の速度をフィードバック制御するものが知られている。
また、上記モータ制御装置を備えるシステムとしては、記録ヘッドを搭載したキャリッジの搬送速度を制御する画像形成システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−068413号公報
画像形成システムでは、記録ヘッドを搭載したキャリッジを定速で往復動させるが、キャリッジが定速になるまでの加速過程では、目標プロファイルに従ってキャリッジを加速させる。しかしながら、キャリッジの加速過程では、キャリッジを搬送する搬送装置の固有周波数(搬送装置内で振動増幅が生じる周波数)に、モータ等を発生源とした振動の周波数が一致して、搬送装置内で大きな振動が発生する場合がある。この場合には、振動によって大きな動作音(騒音)が発生する。尚、この問題は、画像形成システムに限らず、搬送対象を加速させるプロセスを含むシステムについて、同様に発生する。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、画像形成システムに限らず、搬送対象を加速させるプロセスを含むシステムにおいて、モータ等を発生源とする振動の周波数が搬送装置の固有周波数に一致して生じる振動増幅を抑えることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた第一の発明は、モータ及びモータから発生する動力を搬送対象に伝達する伝達機構を備えた搬送装置であって、これらモータ及び伝達機構を通じて搬送対象を搬送する搬送装置が備えるモータを制御するモータ制御装置を対象に、当該モータ制御装置に対して設定する目標プロファイルを生成する方法である。
但し、モータ制御装置は、搬送対象の加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従ってモータを制御し、搬送対象の加速を実現する。
本発明の方法で目標プロファイルを生成するに際しては、搬送装置の固有周波数(振動増幅が生じる周波数)に一致する周波数の振動が発生する搬送対象の搬送速度(以下、「固有速度」と称する。)が特定されていることが前提である。搬送装置で発生する振動は、モータを主な発生源とし、振動の周波数は、モータの回転数、ひいては、搬送対象の搬送速度に依存する。本発明では、この固有速度に基づき、振動増幅を抑えるように目標プロファイルを生成する。
具体的には、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の内、目標速度が固有速度となる時刻である共振時刻、又は、共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、加速過程における各時刻での目標速度を定めて、目標プロファイルを生成する。このように目標プロファイルを生成すると、共振時刻、又は、共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るため、固有速度周辺で搬送対象が搬送される時間が短くなる。従って、固有速度周辺での加速度を考慮せずに目標プロファイルを設計する従来手法よりも、モータ等を発生源とする振動が搬送装置の固有周波数に一致して生じる振動増幅を抑えることができる。
ところで、目標プロファイルは、共振時刻又は共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が最大値を採るように生成されると好ましい(請求項2)。このように目標プロファイルを生成すれば、固有速度での搬送時間を極力短くすることができる。
また、目標プロファイルは、離散的な各時刻での目標速度を記述してなる時系列データや、入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする関数(以下、この関数を「目標速度関数」と称する。)を実体として生成することができる。しかしながら、単一関数で条件に適合した目標プロファイルを生成するのは難しい。従って、関数を用いて目標プロファイルを生成する場合には、複数の関数を用いて目標プロファイルを生成するのが好ましい。
加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を複数区間に分割し、区間毎に、入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする目標速度関数を定めて、目標プロファイルを生成するといった具合である(請求項3)。
そして、複数関数を用いて目標プロファイルを生成する場合には、各区間の目標速度関数を、境界での目標加速度が隣接する区間の目標加速度と一致する関数に定めるのが好ましい(請求項4)。境界において目標加速度が不連続であると搬送制御の精度が悪化する。従って、境界での目標加速度が隣接区間で連続するように、目標プロファイルを生成すれば、高精度な搬送制御を実現することができる。特に、各区間の目標速度関数を、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように定めて、目標プロファイルを生成すれば(請求項5)、一層高精度な搬送制御を実現することができる。
但し、各区間の目標速度関数を、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように定める場合には、共振時刻において目標加速度が極大値を採り、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように、各区間の目標速度関数を定める必要があり、目標プロファイルの生成に際して、制約が多い。従って、このように各区間の目標速度関数を定める場合には、具体的に、次のように目標プロファイルを生成するとよい。
即ち、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を三以上の複数区間に分割して、複数区間の内、共振時刻が属する区間を、固有速度を中心とした所定範囲に属する速度を目標速度とする区間となるように定め、更に、各区間の目標速度関数を、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように定めて、目標プロファイルを生成するのが好ましい(請求項6)。このようにすると、目標プロファイルの生成が簡単である。
また、第二の発明は、目標プロファイル生成装置であって、搬送装置の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する搬送速度である固有速度の情報を取得する固有速度取得手段と、予め定められた入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする目標速度関数又は入力変数を時刻とし出力変数を目標加速度とする目標加速度関数の基本型であって未設定の定数部を設計変数として包含する基本関数、の設計変数に設定する値を、固有速度取得手段の取得情報が表す固有速度に基づき決定することにより、目標速度関数又は目標加速度関数を定めて、目標プロファイルを生成する目標プロファイル生成手段と、を備えるものである。具体的に、目標プロファイル生成手段は、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の内、目標速度が固有速度取得手段の取得情報が表す固有速度となる時刻である共振時刻又は共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、目標速度関数又は目標加速度関数を定めて、目標プロファイルを生成する(請求項7)。
このように構成された目標プロファイル生成装置を用いれば、ユーザは、目標プロファイル生成装置に固有速度の情報を与えることにより、振動増幅を抑えることが可能な目標プロファイルを得ることができる。従って、この目標プロファイル生成装置を用いれば、ユーザは、搬送装置の固有周波数での振動増幅を抑制した好適な搬送システムを構築することができ、搬送に係る動作音等を抑えることができる。
また、目標プロファイル生成手段は、共振時刻又は共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が最大値を採るように、目標速度関数又は目標加速度関数を定めて、目標プロファイルを生成する構成にすることができる(請求項8)。また、基本関数は、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を複数区間に分割して、区間毎に定めるのが好ましく、目標プロファイル生成手段は、各区間の基本関数の設計変数に設定する値を固有速度に基づき決定することにより、各区間の目標速度関数又は目標加速度関数を定めて、目標プロファイルを生成する構成にされるのが好ましい(請求項9)。
このようにすれば、共振時刻又は共振時刻周辺の時間領域に目標加速度の極大点を設定することで、他の時間領域の速度軌跡及び加速度軌跡の形状が制限されるのを抑えて、全時間領域に渡って適切な目標速度関数又は目標加速度関数を定めることができる。
この他、各区間の基本関数は、当該区間の境界における目標速度及び目標加速度が隣接する区間の目標速度及び目標加速度と一致することが保証された関数として、目標プロファイル生成装置の設計者が予め定められるとよい(請求項10)。
このように基本関数を設定すれば、目標プロファイル生成装置において、設計変数に設定する値に依らず、境界での目標加速度が隣接する区間で一致するので、搬送装置で滑らかな加速を実現することができ、高精度な搬送制御を実現することができる。
また、第三の発明は、モータ制御装置が、目標速度が固有速度となる時刻である共振時刻、又は、共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域における各時刻での目標速度が定められてなる目標プロファイルを有することを特徴とする(請求項11)。このモータ制御装置によれば、振動増幅によって動作音が大きくなるのを抑えることができる。
また、第四の発明は、モータ及びモータから発生する動力をキャリッジに伝達する伝達機構を備え、モータ及び伝達機構を通じてキャリッジを搬送するキャリッジ搬送装置と、キャリッジ搬送装置が備えるモータを制御するモータ制御装置と、を備え、モータ制御装置を通じて記録ヘッドが搭載されたキャリッジを定速搬送しつつ、記録ヘッドに記録動作を実行させることにより、シートに画像を形成する画像形成システムであって、モータ制御装置が上記特徴を有する目標プロファイルを備えるものである。
即ち、モータ制御装置は、キャリッジを停止状態から定速状態に移行させるまでの加速過程では、加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って、キャリッジが目標プロファイルに対応した速度変化で加速するようにモータを制御するが、目標プロファイルとして、目標速度が固有速度となる時刻である共振時刻、又は、共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域における各時刻での目標速度が定められてなる目標プロファイルを有する(請求項12)。
この画像形成システムによれば、加速過程でモータ等を発生源とした振動が増幅されて、キャリッジが大きく振動するのを抑制することができ、振動増幅によって動作音が大きくなるのを抑制することができると共に、増幅されたキャリッジの振動が、記録ヘッドによる画像形成時にも残ることにより、記録ヘッドによりシートに形成される画像の品質が劣化するのを抑えることができる。従って、この発明によれば、低動作音で高画質な画像をシートに形成可能な画像形成システムを構成することができる。
画像形成システム1の概略構成を表すブロック図である。 画像形成システム1の機械的構成を表す図である。 キャリッジ搬送機構40の構成を表す図である。 キャリッジ搬送制御部102周辺の機能ブロック図である。 目標速度軌跡及び目標加速度軌跡を表すグラフである。 目標プロファイルの生成・実装手順を示したフローチャートである。 目標プロファイル生成装置200の構成を表すブロック図である。 演算部201が実行する目標プロファイル生成処理を表すフローチャートである。 従来技術及び本発明の実施例による搬送制御の結果を示したグラフである。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
本実施例の画像形成システム1は、インク液滴を吐出する記録ヘッド21を主走査方向(図2紙面に垂直な方向)に往復動させて、記録ヘッド21下方の用紙Pに画像を形成するインクジェットプリンタであり、図1(a)に示すように、制御部10と、画像形成部20と、キャリッジ搬送部30と、用紙搬送部60と、を備える。図1(a)は、画像形成システム1全体の概略構成を表すブロック図である。
制御部10は、システム全体を統括制御して、各種機能を実現するものであり、CPU11、CPU11が実行するプログラム等を記憶するROM13、RAM15、及び、外部装置(PC3等)と通信可能なインタフェース19を備える。制御部10には、CPU11の他、各種機能を実現するための回路群も設けられており、制御部10は、ソフトウェア及びハードウェア回路を用いて各種機能を実現する。
一方、画像形成部20は、制御部10に制御され、記録ヘッド21下方の用紙Pに画像を形成するものである。画像形成部20は、記録ヘッド21の他に、記録ヘッド21を駆動するための駆動回路23を備え、制御部10から入力される制御信号に従い、駆動回路23を通じて記録ヘッド21を駆動し、記録ヘッド21からインク液滴を吐出する。
即ち、制御部10は、ソフトウェア及びハードウェア回路の協働により、図1(b)に示すように印字制御部101として機能し、駆動回路23に制御信号を入力して、記録ヘッド21からのインク液滴の吐出を制御する。
尚、用紙Pは、用紙搬送部60の動作により、記録ヘッド21下方で主走査方向とは垂直な副走査方向(図2紙面に平行な方向)に所定量ずつ送り出される。即ち、印字制御部101は、用紙搬送部60の動作により用紙Pが所定量ずつ送り出される度、記録ヘッド21の主走査方向の移動に合わせて駆動回路23に制御信号を入力し、記録ヘッド21を通じて主走査方向に所定ライン分の画像を形成することにより、用紙Pに、インタフェース19を通じて外部装置(PC3等)から入力された印刷対象の画像データに基づく一連の画像を形成する。図1(b)は、制御部10にて実現される機能のブロック図である。
また、キャリッジ搬送部30は、制御部10に制御され、記録ヘッド21を搭載したキャリッジ41を主走査方向に搬送するものである。記録ヘッド21は、キャリッジ41の移動に伴って主走査方向に搬送される(図2参照)。このキャリッジ搬送部30は、キャリッジ搬送機構40と、CRモータ51と、駆動回路53と、リニアエンコーダ55と、を備える。キャリッジ搬送機構40は、CRモータ51から発生した動力をキャリッジ41に伝達して、キャリッジ41を主走査方向に搬送する機構である(詳細後述。図3参照)。また、CRモータ51は、直流モータで構成されており、キャリッジ搬送機構40に連結されて、キャリッジ搬送機構40ひいてはキャリッジ41を駆動する。
駆動回路53は、制御部10から入力される操作量に従って、当該操作量に対応する量、CRモータ51を駆動するものである。この他、リニアエンコーダ55は、キャリッジ41の変位に対応して出力されるエンコーダ信号を制御部10に入力するものであり、キャリッジ41の位置や速度を計測する目的で用いられる。
即ち、制御部10は、図1(b)に示すようにキャリッジ搬送制御部102として機能し、リニアエンコーダ55から入力されるエンコーダ信号に基づき、駆動回路53に対して入力する操作量を決定し、操作量に対応した量、駆動回路53にCRモータ51を駆動させることにより、キャリッジ41の搬送制御を行う。具体的には、キャリッジ41を主走査方向に往復動させると共に、折返し地点周辺の加速領域及び減速領域を除いては、キャリッジ41を一定速度Vcで定速移動させるように速度制御を行う。上述した画像形成部20によるインク液滴の吐出動作は、このキャリッジ41の定速移動時に実行される。
尚、リニアエンコーダ55は、周知のリニアエンコーダと同様に、主走査方向に延びるエンコーダフェンス551と、エンコーダフェンス551に設けられたスリットを読み取るキャリッジ41に固定されたセンサ本体553(図3参照)とを備える。リニアエンコーダ55は、エンコーダフェンス551のスリットを読み取ってキャリッジ41の移動に合わせたパルス信号をセンサ本体553からエンコーダ信号として出力する。
また、用紙搬送部60は、制御部10に制御され、給紙トレイ69(図2参照)に載置された用紙Pを一枚ずつ分離し、この用紙Pを記録ヘッド21による画像形成位置へと副走査方向に搬送するものである。この用紙搬送部60は、モータ(図示せず)及びエンコーダ(図示せず)及び用紙搬送機構を主な構成要素とし、モータを動力源として用紙搬送機構を駆動することにより用紙Pを副走査方向に搬送し、用紙位置を検出するためのエンコーダ信号を制御部10に入力する。
また、制御部10は、用紙搬送制御部103として機能し、用紙搬送部60から入力されるエンコーダ信号に基づき、用紙搬送部60のモータに対する操作量を決定し、用紙の搬送制御を行う。具体的には、往復動するキャリッジ41が主走査方向に片道分移動する度に、記録ヘッド21の下方に位置する用紙Pを、片道分のキャリッジ搬送により用紙Pに形成される画像幅に対応した距離送り出す。このような用紙の送り出し、並びに、用紙の停止時に行われるキャリッジ搬送及びインク液滴の吐出動作により、用紙Pには所定ラインずつ画像が形成され、最終的に一ページ分の画像が用紙に形成される。
尚、用紙搬送機構は、図2に示すように、メインローラ61、排紙ローラ63、従動ローラ62,64、プラテン66、Uターンパス67、給紙ローラ68、及び、給紙トレイ69を備える。メインローラ61及び排紙ローラ63及び給紙ローラ68にはモータが接続されており、これらのローラ61,63,68は、モータに駆動されて回転する。
即ち、用紙搬送部60は、給紙ローラ68の回転により、給紙トレイ69に載置された用紙Pを、給紙トレイ69から一枚ずつ分離してUターンパス67に送り出す。そして、用紙搬送部60は、この用紙Pを、メインローラ61の回転により用紙搬送路下流に引き込み、プラテン66に沿って、所定量ずつ用紙搬送路下流に送り出す。送り出された用紙は、最終的に、プラテン66の用紙搬送路下流端部に位置する排紙ローラ63と従動ローラ64との間に搬送される。
尚、プラテン66の上部にはキャリッジ搬送機構40が設けられており、プラテン66に沿って移動する用紙Pは、プラテン66と記録ヘッド21との隙間を通って用紙搬送路下流へと搬送され、上述したように、記録ヘッド21の下方で画像形成される。排紙ローラ63及び従動ローラ64の間に搬送された用紙Pは、排紙ローラ63の回転により引き込まれて、排紙トレイ(図示せず)へと排出される。
続いて、キャリッジ搬送機構40の構成を説明する。キャリッジ搬送機構40は、キャリッジ41と、キャリッジ41を主走査方向に案内するフレーム43,44と、ベルト機構47(図3参照)と、を備える。このキャリッジ搬送機構40において、キャリッジ41は、主走査方向に延びるフレーム43,44に摺動可能に取り付けられている。
フレーム43は、キャリッジ41の側面において主走査方向に平行に設けられた溝部411(図2参照)の上面と接触し、キャリッジ41を下方から上方に支持する。また、フレーム44は、長手方向(主走査方向)に垂直な断面がL字形状にされ、キャリッジ41を主走査方向に案内するガイドレールとして機能する。具体的に、フレーム44は、キャリッジ41の下面において主走査方向に平行に設けられた溝部413の上面と接触して、キャリッジ41を下方から上方に支持すると共に、主走査方向に案内する。
また、ベルト機構47は、無端ベルト471と、フレーム44の主走査方向両端に配置された一対のプーリー473,474とを備え、無端ベルト471がプーリー473,474の間に掛けられた構成にされている。尚、CRモータ51は、プーリー473にギヤ(図示せず)を介して接続されている。即ち、プーリー473は、CRモータ51から発生する動力を、ギヤを介して受けて回転し、プーリー474は、CRモータ51の動力を受けて回転するプーリー473に、無端ベルト471を介して従動する。
キャリッジ41は、無端ベルト471に固定されており、無端ベルト471を通じてCRモータ51からの動力を受けて、主走査方向に移動する。上述したように、キャリッジ41は、フレーム43,44によって、その移動が主走査方向に規制されている。従って、CRモータ51が回転すると、無端ベルト471の回転に連動して、キャリッジ41は、主走査方向に移動する。本実施例では、このキャリッジ搬送機構40を通じて、キャリッジ41を主走査方向に搬送する。
ところで、本実施例の画像形成システム1においては、フレーム44にCRモータ51が固定されている。このため、フレーム44には、CRモータ51によって発生する振動が伝達する。また、別態様として、CRモータ51をフレーム44に固定しない場合でも、フレーム44等のキャリッジ搬送機構40を構成する部位には、ギヤ等を通じて、CRモータ51の振動が伝達する。
そして、CRモータ51を発生源とする振動がキャリッジ搬送機構40の固有周波数(特にフレーム44の固有周波数)に一致した場合には、キャリッジ搬送機構40(特にフレーム44)がCRモータ51を発生源とする振動に共鳴(共振)して大きく振動することになり、動作音が大きくなると共に、記録ヘッド21の振動により用紙Pに形成される画像の品質が劣化する。尚、ここでいう物体の「固有周波数」とは、外部から入力される振動が物体において増幅される周波数のことである。換言すれば、外部から入力される振動に物体が共振(共鳴)して物体が激しく振動する周波数のことである。この周波数は、一般に「固有振動数」や「固有値周波数」とも呼ばれる。
本実施例の画像形成システム1に対しては、このような振動増幅を抑えるため、キャリッジ41の搬送方法に特徴を持たせている。以下では、この点について詳述する。
まず、図4(a)を用いて、キャリッジ搬送制御部102の構成について説明する。尚、図4(a)は、本実施例の画像形成システム1におけるキャリッジ搬送制御部102周辺の構成を表すブロック図である。
図4(a)に示すように、キャリッジ搬送制御部102は、エンコーダ信号処理部121と、目標指令生成部123と、偏差算出部125と、速度制御部127と、を備え、目標指令生成部123から入力される目標速度Vrと、エンコーダ信号処理部121から入力されるキャリッジ41の搬送速度(主走査方向実速度)Vmとに基づき、偏差算出部125で偏差e=Vr−Vmを算出し、この偏差eに基づき、速度制御部127で操作量uを求めて、キャリッジ41の搬送速度Vmを目標速度Vrに制御するものである。これらエンコーダ信号処理部121、目標指令生成部123、偏差算出部125及び速度制御部127としての機能は、ソフトウェア及びハードウェアの協働により実現される。
エンコーダ信号処理部121は、周知技術と同様、リニアエンコーダ55から入力されるエンコーダ信号に基づき、キャリッジ41の移動方向及びキャリッジ搬送路におけるキャリッジ41の位置X及びキャリッジ41の搬送速度Vmを計測する。エンコーダ信号処理部121により計測された搬送速度Vmは、偏差算出部125に入力される。
一方、目標指令生成部123は、各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って、各時刻の目標速度Vrを、偏差算出部125に入力するものである。
本実施例において、目標プロファイルの実体は、入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする目標速度関数である。この目標速度関数は、目標速度関数の基本型及び「目標速度関数の基本型が有する各設計変数への設定値」の情報として、画像形成システム1に記憶されている。尚、関数の基本型とは、設計変数(未設定の定数部)を有する関数のことである。
具体的に、目標速度関数の基本型の情報は、演算プログラム又は演算回路の形態で制御部10が保持する。一方、「目標速度関数の基本型が有する各設計変数への設定値」の情報は、当該各設計変数への設定値が記述された目標プロファイル定義データとして、ROM13が保持する。
即ち、目標指令生成部123は、ROM13が記憶する目標プロファイル定義データが示す各設定変数の設定値を読み出し(S1)、これらを目標速度関数の基本型に設定して目標速度関数を設定し(S2)、この目標速度関数に従って、各時刻の目標速度Vrを算出し、これを偏差算出部125に入力する(S3)。
目標指令生成部123としての機能をプログラムによりCPU11に実現させる場合、ROM13には、目標プロファイル定義データと共に、S1〜S3に対応する処理をCPU11に実行させるための演算プログラムが格納される。この場合には、CPU11が、この演算プログラムに従う処理を実行することにより、上記目標指令生成部123としての機能が実現される。
一方、偏差算出部125は、制御周期に対応した各時刻毎に、目標指令生成部123から入力された目標速度Vrとエンコーダ信号処理部121から入力された搬送速度Vmとの偏差e=Vr−Vmを算出し、この偏差eを速度制御部127に入力するものである。
この他、速度制御部127は、制御周期に対応した各時刻毎に、偏差算出部125から入力される偏差eを所定の伝達関数に入力することにより、偏差eをゼロに抑える方向の操作量uを算出し、この操作量uを駆動回路53に入力する。この操作量uの入力により、キャリッジ搬送制御部102は、キャリッジ搬送速度Vmを目標速度Vrに制御する。
続いて、目標速度関数(目標プロファイル)について図5を用いて説明する。本実施例の目標速度関数(目標プロファイル)は、目標速度及び目標加速度の軌跡が図5に示す形状となるように設計されたものである。図5(a)は、本実施例の目標速度関数(目標プロファイル)が示す目標速度Vrの軌跡を表すグラフであり横軸を時刻tとし縦軸を速度Vとしたグラフである。また、図5(b)は、本実施例の目標速度関数(目標プロファイル)が示す目標速度Vrに対応する目標加速度Ar(目標速度関数の一階時間微分)の軌跡を表すグラフであり、横軸を時刻tとし縦軸を加速度Aとしたグラフである。
図5に示すように、本実施例の目標速度関数(目標プロファイル)は、「キャリッジ搬送機構40の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する」キャリッジ41の搬送速度(以下、「固有速度」と称する。)Vnに目標速度Vrが一致する時刻Tn(以下、「共振時刻」と称する。)での目標加速度Anが極大値となるように、各時刻での目標速度Vrが定められてなるものである。
但し、本実施例では、固有速度Vnが定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vc未満(Vn<Vc)であるものとする。固有速度Vnが定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vc未満である場合には、キャリッジ41を往復動させる際、キャリッジ41を折返し地点での停止状態から定速状態まで加速させるまでの加速過程で、キャリッジ41が一時的に固有速度Vnで搬送される。そして、キャリッジ41が固有速度Vnで搬送される時間領域では、CRモータ51からキャリッジ搬送機構40の固有周波数に一致する周波数の振動が発生し、これが原因で、キャリッジ搬送機構40(特にCRモータ51に固定されたフレーム44)に伝わる振動が増幅される。
そして、このような共振によりキャリッジ41に大きな振動が生じると、キャリッジ41の振動が収まらない状態でインク液滴の吐出動作が行われて、用紙Pに形成される画像の画質が劣化する。更には、キャリッジ搬送時において大きな動作音が発生する。
このような理由から、本実施例の画像形成システム1では、共振時刻Tnでの目標加速度Anが極大値を示すように、各時刻での目標速度Vrが定められている。具体的に、上記目標速度関数(目標プロファイル)は、キャリッジ41が停止状態から定速状態に移行するまでの加速過程において、共振時刻Tnでの目標加速度Anが最大値を採るように設計されている。
このような構成の目標プロファイルが実装された画像形成システム1によれば、キャリッジ搬送制御部102によってキャリッジ41の主走査方向の往復動が実現される際に、キャリッジ41が固有速度Vn及びその周辺速度(固有速度Vn近傍の速度)で搬送される時間を短くすることができる(図5参照)。従って、キャリッジ41が固有速度Vnに到達したときにCRモータ51から発生する振動がキャリッジ搬送機構40内で大きく増幅されて、それが原因で動作音が大きくなり、更には、用紙Pに形成される画像の品質が劣化するのを抑えることができる。
続いて、画像形成システム1に実装(設定)する目標プロファイルの生成方法及び目標プロファイルの画像形成システム1への実装(設定)方法について図6を用いて説明する。但し、以下では、本発明に特徴的な加速過程に適用する目標プロファイルの生成方法及び実装方法に限って説明する。
加速過程に適用する目標プロファイルの生成に当っては、まず、キャリッジ搬送機構40の固有周波数に一致する周波数の振動が発生するキャリッジ41の搬送速度である固有速度Vnを、実験により特定する(S110)。
固有速度Vnの特定方法としては、次の方法が挙げられる。まず、キャリッジ搬送機構40の固有周波数fnを、周知の技法で実験により求める。尚、キャリッジ搬送機構40の構造は複雑であるので、CRモータ51に固定されたフレーム44の固有周波数を、キャリッジ搬送機構40の固有周波数fnとして求めても良い。
CRモータ51は、コギングによって回転周波数に一致する周波数の振動を発生させるため、振動発生源が主にCRモータ51にある場合、振動増幅(共振)は、CRモータ51の回転周波数とキャリッジ搬送機構40の固有周波数fnとが一致したときに発生する。従って、固有周波数fnを求めた後には、CRモータ51の回転周波数fnに対応するキャリッジ41の搬送速度を求める。このようにして、固有速度Vnを特定する。
この他、別手法としては、キャリッジ41を搬送して、キャリッジ搬送機構40で振動が最も増幅するキャリッジ41の搬送速度を直接求める手法が挙げられる。この手法によれば、CRモータ51の振動だけではなくプーリー473,474の偏心による振動等も考慮して、高精度にキャリッジ搬送機構40の固有速度Vnを特定することができる。
また、固有速度Vnを特定した後には、画像形成システム1に適用する加速距離Da及び加速時間Ta及び定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vcを決定する(S120)。加速開始地点からキャリッジ41が定速状態に移行するまでの搬送距離である加速距離Daは、加速開始地点から画像形成開始地点までの距離を基準に決定することができる。この他、加速開始時刻からキャリッジ41が定速状態に移行するまでの時間である加速時間Taは、CRモータ51の能力や要求される画像形成処理のスループット等を基準に決定することができる。
更に、固有速度Vnを中心に目標加速度Arを大きくする目標速度Vrの範囲を定める(S130)。ここでは、変数αを用いて、目標加速度Arを大きくする目標速度Vrの範囲を、Vn(1−α)<Vr<Vn(1+α)に定める。但し、この場合には、条件式Vc>Vn(1+α)を満足し且つ条件式0<α<1を満足する範囲で、変数αの設定値を決定する。
このようにして、固有速度Vnを特定すると共に、速度幅α、定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vc、加速距離Da、及び、加速時間Taを決定した後には、これらの値に基づき、入力変数を時刻tとし出力変数を目標加速度Arとする目標加速度関数fa(t)であって、固有速度Vnで目標加速度Anが極大値を採る目標加速度関数fa(t)を設計する(S140)。
具体的には、加速開始時刻t=0から加速終了時刻t=Taまでの時間領域を、複数区間に分割して、区間毎の目標加速度関数fa(t)を設計する。本実施例では、加速開始時刻t=0から加速終了時刻t=Taまでの時間領域を、時刻t=0から時刻t=T1までの区間(以下、第一区間と表現する。)と、時刻t=T1から時刻t=T2までの区間(以下、第二区間と表現する。)と、時刻t=T2から時刻t=Taまでの区間(以下、第三区間と表現する。)と、に分割する。そして、目標加速度関数fa(t)として、時刻t=0から時刻t=T1までの区間の目標加速度関数fa1(t)と、時刻t=T1から時刻t=T2までの区間の目標加速度関数fa2(t)と、時刻t=T2から時刻t=Taまでの区間の目標加速度関数fa3(t)と、を設計する。
尚、これらの目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の設計に先立っては、時刻T1,T2の具体的な値を定めず、時刻T1,T2を設計変数とした目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の基本型を設計する。
但し、時刻T1では、目標速度VrがVn(1−α)となり、時刻T2では、目標速度VrがVn(1+α)となり、時刻Taでは、目標速度Vrが定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vcとなるように、目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の基本型を設計する。このように目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の基本型を設計するのは、第二区間で固有速度Vnを中心とした速度Vn(1−α)から速度Vn(1+α)までの加速度を振動増幅を抑制するように変化させるためである。
また、時刻t=T1及び時刻t=T2では目標加速度がゼロとなるよう各区間の目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の基本型を設計する。このように設計するのは、第二区間において目標加速度Arを大きくするのに際して、隣接区間との境界周辺での速度制御を高精度に実現するためである。言うまでもないが、加速開始時刻t=0及び加速終了時刻t=Taにおける目標加速度についても、ゼロとなるように、各区間の目標加速度関数fa(t)の基本型を設計する。
S140での処理について詳述すると、第一区間に対しては、時刻t=0及びt=T1では目標加速度Arがゼロであり、第一区間における他の時間領域では目標加速度Arがゼロより大きい正の値を採り、時刻t=0から時刻t=T1までの積分値がVn(1−α)となる目標加速度関数fa1(t)の基本型を設定する。例えば、第一区間に対しては、次の関数を設定する。
Figure 2011131414
また、第三区間に対しては、時刻t=T2及びt=Taでは目標加速度がゼロであり、第三区間における他の時間領域では目標加速度Arがゼロより大きい値を採り、時刻t=T2から時刻t=Taまでの積分値が[Vc−Vn(1+α)]となる目標加速度関数fa3(t)の基本型を設定する。例えば、第三区間に対しては、次の関数を設定する。
Figure 2011131414
そして、第二区間に対しては、時刻t=T1及び時刻t=T2では目標加速度がゼロとなる関数であって、その中間時刻(T1+T2)/2で極大点を採り、時刻t=T1から中間時刻(T1+T2)/2までの時間積分と時刻(T1+T2)/2から時刻t=T2までの時間積分とが同一となる関数を目標加速度関数fa2(t)の基本型に設定する。
詳細には、極大点の左右で対称的な形状を採る関数を、目標加速度関数fa2(t)の基本型に設定する。例えば、第二区間に対しては、次のような関数を設定する。但し、ここでは、目標加速度Anについても設計変数として取り扱う。
Figure 2011131414
ここで、第二区間では、目標加速度関数fa2(t)により速度Vn(1−α)から速度Vn(1+α)までの目標加速度を定義するため、時刻t=T1から時刻t=T2までの目標加速度関数fa2(t)の時間積分は、2αVnである必要がある。式(1)〜式(3)を採用した場合、この条件を満足させるためには次の関係が成立する必要がある。
Figure 2011131414
また、決定した加速距離Daを満足させるためには、次の関係が成立する必要がある。
Figure 2011131414
即ち、式(1)〜式(3)を採用した場合には、次の関係が成立する必要がある。
Figure 2011131414
本実施例では、式(4)及び式(6)を満足するように、設計変数である時刻T1,T2及び目標加速度Anへの設定値を決定し、これらを基本型に設定して、各区間の目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)を設計する。
但し、目標加速度Anについては、CRモータ51の能力で実現できる範囲で最大限の加速度を設定するのが、振動増幅を抑制する観点から好ましい。従って、S140では、式(4)及び式(6)を満足する範囲であって、CRモータ51の能力で実現できる範囲で最大限の加速度を、目標加速度Anの設定値に決定し、時刻T1,T2を従属的に決定する。
そして、このように設計した各区間の目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)を積分して、各区間の目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)を生成する。これによって加速過程に適用する目標プロファイルを生成する(S150)。尚、式(1)〜式(3)に例示した目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)を積分して求められる目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)は、次の通りである。
Figure 2011131414
尚、fv1(t)は、時刻t=0から時刻t=T1までの区間の目標速度関数であり、fv2(t)は、時刻t=T1から時刻t=T2までの区間の目標速度関数であり、fv3(t)は、時刻t=T2から時刻t=Taまでの区間の目標速度関数である。
このように各区間の目標速度関数を生成した後には、各時刻での目標速度を表す目標プロファイルを、画像形成システム1に実装する(S160)。例えば、式(7)〜(9)に示す目標速度関数を画像形成システム1に実装することによって加速過程の目標プロファイルを実装する。具体的には、次の手法で、加速過程の目標プロファイルを、画像形成システム1に実装することができる。
即ち、A1,A2,An,T1,T2,Taを設計変数に決定し、これら設計変数A1,A2,An,T1,T2,Taへの設定値を、目標プロファイル定義データに記述して、ROM13に格納する。一方、「目標プロファイル定義データが示す各設計変数A1,A2,An,T1,T2,Taへの設定値を読み出して、これをプログラムコード化された式(7)〜式(9)に示す各区間の目標速度関数の基本型に設定し、これにより得られる目標速度関数に従って、目標速度Vrを偏差算出部125に入力する」処理をCPU11に実行させるための演算プログラムを、ROM13に格納する。これによって、目標プロファイル(目標速度関数)を画像形成システム1に実装する。
また、変形例として、図4(b)に示すように、目標プロファイルは、離散的な各時刻での目標速度Vrを表す時系列データとして構成されてもよい。図4(b)は、目標プロファイルを、時系列データとしてROM13に登録した変形例の画像形成システム1におけるキャリッジ搬送制御部102周辺の構成を表すブロック図である。
変形例では、目標指令生成部123を、ROM13に登録された目標プロファイルとしての時系列データが示す各時刻での目標速度Vrを、制御周期に合わせて偏差算出部125に入力するように、プログラム又は電子回路の形態で構成する。目標プロファイルは、このように目標指令生成部123を構成することで、時系列データの形態で画像形成システム1に実装されてもよい。
以上が、目標プロファイルの生成方法及び目標プロファイルの画像形成システム1への実装(設定)方法である。このように目標プロファイルを生成することにより、図5に示すように、共振時刻t=Tnにおいては、目標加速度Anを極大値とすることができて、固有速度Vn及びその周辺速度での搬送を短時間で終えることができる。その結果、共振による振動増幅を抑えることができて、キャリッジ41の搬送に係る動作音を抑えることができると共に、インク液滴吐出時にキャリッジ41が大きく振動していることにより、用紙Pに形成される画像の品質が劣化するのを抑えることができる。
尚、上記目標プロファイル生成方法では、加速時間Ta及び加速距離DaがCRモータ51の能力に対して十分大きい場合、共振時刻Tnでの目標加速度Anは、加速開始時刻t=0から加速終了時刻t=Taまでの期間において最大値を採る。従って、共振時刻Tnでの目標加速度Anを加速過程において最大値とする場合には、必要に応じて、加速時間Ta及び加速距離Daを大きくする方向に調整すればよい。
続いて、図7に示す目標プロファイル生成装置200の構成について説明する。目標プロファイル生成装置200は、CPU、ROM、RAM等で構成される演算部201と、液晶ディスプレイ等で構成される表示部203と、ユーザインタフェースとしての操作部205と、ハードディスクで構成され目標プロファイル生成プログラムを記憶する記憶部207と、を備え、演算部201で記憶部207が記憶する目標プロファイル生成プログラムに従う処理を実行することで、上述した特徴を有する目標プロファイルを生成する。
この目標プロファイル生成装置200が備える演算部201は、操作部205を通じて入力される指示を契機に、記憶部207に記憶された目標プロファイル生成プログラムに従う目標プロファイル生成処理(図8参照)を実行する。そして、この処理を開始すると、固有速度Vnの入力画面を表示することによりユーザに固有速度Vnの入力を要求し、設計する画像形成システム1においてキャリッジ搬送機構40の固有周波数に一致する周波数の振動が発生するキャリッジ41の搬送速度である固有速度Vnの値を、操作部205を通じてユーザから取得する(S210)。同様に、目標速度Vrが固有速度Vnに一致する共振時刻Tnでの目標加速度Anの設定値を、操作部205を通じてユーザから取得する(S220)。
更に、固有速度Vnを中心に目標加速度Arを大きくする目標速度Vrの範囲を定義する速度幅αの設定値、並びに、画像形成システム1に適用する加速距離Da及び加速時間Taの設定値を、操作部205を通じてユーザから取得する(S230,S240,S250)。
また、画像形成システム1に適用する定速搬送時のキャリッジ搬送速度Vcの設定値を、操作部205を通じてユーザから取得する(S260)。但し、キャリッジ搬送速度Vcの設定値として、条件式Vc>Vn(1+α)+βを満足する値がユーザから入力されなかった場合には、エラー表示して、ユーザに適切な値の入力を求める。尚、βは、目標プロファイル生成プログラムの設計者がゼロ以上で任意に定める。
S260での処理を終えると、演算部201は、S210〜S260での取得値Vn,An,α,Da,Ta,Vcを、式(4)及び式(6)に代入して、時刻T1,T2を求める(S270)。
そして、目標プロファイル生成装置200で用いる式(7)〜式(9)に示す目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)の基本型における設計変数Vn,An,α,Ta,T1,T2への設定値を、S210〜S260での取得値Vn,An,α,Ta及び上記求めた値T1,T2に決定することにより、設計する画像形成システム1に対応した目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)を導出(生成)する。同時に、式(1)〜式(3)に示す目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の基本型における設計変数Vn,An,α,Ta,T1,T2への設定値を、S210〜S260での取得値Vn,An,α,Ta及び上記求めた値T1,T2に決定することにより、上記目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)に対応した目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)を導出(生成)する(S280)。
そして、生成した目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)に基づき、時刻t=0からt=Taまでの各時刻での目標速度Vrを算出し、この目標速度Vrの軌跡を、目標プロファイルの生成結果として、図5(a)に示すように、表示部203にグラフ表示する。同時に、生成した目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)の数式自体及び変数A1,A2,An,T1,T2,Taの値を表示部203に表示する。
更には、生成した目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)に基づき、時刻t=0からt=Taまでの各時刻での目標加速度Arを算出し、この目標加速度Arの軌跡を、図5(b)に示すように、表示部203にグラフ表示すると共に、生成した目標加速度関数fa1(t),fa2(t),fa3(t)の数式自体を表示部203に表示する(S290)。
また、このような目標プロファイル生成結果の表示後には、操作部205を通じて操作がなされるまで待機し(S300)、操作がなされた場合にはS310に移行して、やり直し操作である場合には(S310でYes)、S220に戻り、これ以降の処理を再び実行する。
一方、なされた操作が終了操作である場合には(S320でYes)、目標プロファイルの生成結果を記述したデータファイルを、記憶部207に書き込む(S330)。その後、当該目標プロファイル生成処理を終了する。
目標プロファイルの生成結果を記述したデータファイルとしては、例えば、目標速度関数fv1(t),fv2(t),fv3(t)の数式自体や、目標プロファイル定義データに記述すべき設計変数A1,A2,An,T1,T2,Taへの設定値を記述したデータファイルを出力することができる。この他、S330では、制御周期の情報を操作部205を通じてユーザから取得し、取得情報が示す制御周期に対応する離散的な各時刻での目標速度Vrを配列してなる時系列データを生成し、これを格納したデータファイルを、目標プロファイルの生成結果を記述したデータファイルとして出力してもよい。
尚、図示を省略するが目標プロファイル生成装置200には、フレキシブルディスク等の記録メディアを接続可能なドライブ装置を設けることができる。このようにすれば、記憶部207に書き込まれた目標プロファイルの生成結果を記述したデータファイルを、ドライブ装置を通じて外部に取り出すことができるように目標プロファイル生成装置200を構成することができる。
画像形成システム1の設計者は、例えば、この目標プロファイル生成装置200を通じて、設計変数A1,A2,An,T1,T2,Taへの設定値を記述した目標プロファイル定義データを生成し、これをROM13に記録すると共に、目標指令生成部123として機能するプログラム又は電子回路を、式(7)〜式(9)に示す目標速度関数を用いてS1〜S3に対応する処理を実行可能に構成することで、画像形成システム1に、上記目標プロファイル生成装置200にて生成された目標プロファイル(目標速度関数)を実装することができる。
この他、画像形成システム1の設計者は、目標プロファイル生成装置200を通じて、目標プロファイルとして機能する上記時系列データを取得し、これをROM13に記録すると共に、ROM13が記憶する目標プロファイル(時系列データ)が示す各時刻の目標速度Vrを偏差算出部125に入力するように、目標指令生成部123として機能するプログラム又は電子回路を構成することで、画像形成システム1に、上記目標プロファイル生成装置200にて生成された目標プロファイル(目標速度の時系列データ)を実装することができる。
以上に本発明の実施例について説明したが、上記実施例のように、共振時刻Tnでの目標加速度Anが極大値(特には最大値)となる目標プロファイルを生成すれば、共振が生じる固有速度Vnでの搬送時間を短くすることができ、図9に示すように、従来技術と比較して、共振による振動増幅を抑えることができる。従って、振動増幅によって動作音が大きくなり、更には用紙に形成される画像の品質が低下するのを抑えることができる。
また、本実施例のように、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を複数区間に分割して、目標プロファイルを複数の関数を用いて生成すれば、固有速度Vnに極大点を形成するために、他の領域が著しく影響を受けるのを回避することができて、適切な目標プロファイルを生成することができる。また、本実施例では、区間境界での加速度が一致するように、各区間での目標加速度関数及び目標速度関数を生成するので、境界において目標加速度が不連続であることを原因とした搬送制御の精度悪化を回避することができる。特に、本実施例では、区間境界の目標加速度をゼロにするので、より高精度な搬送制御を実現することができる。
尚、「特許請求の範囲」に記載のモータは、上記実施例において、CRモータ51に対応し、伝達機構はキャリッジ搬送機構40、搬送装置は、キャリッジ搬送部30に対応する。また、モータ制御装置は、制御部10に対応する。この他、目標プロファイル生成装置が備える固有速度取得手段は、S210の処理により実現され、目標プロファイル生成手段は、S270,S280の処理により実現されている。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例では、目標加速度Arの極大点を共振時刻Tnに合わせるようにしたが、極大点は、共振時刻Tnに厳密に合わせる必要はなく、共振時刻Tnの周辺(近傍)に定められても良い。即ち、「共振による振動増幅がシステムに及ぼす影響」が許容範囲内となるよう目標加速度Arの極大点を共振時刻Tnの周辺に設定すれば良い。本発明が適用されるシステムによってその影響は異なるため、影響を許容できる範囲で、設計者は、各システムによって、極大点を設定する時点を、共振時刻Tn周辺において適宜に設定することができる。尚、本実施例においては、キャリッジ41の振動によって、定速領域に到達した後のオーバーシュートやインクの着弾位置ずれに影響が生じない程度に、目標加速度Arの極大点を共振時刻Tnの周辺に設定すれば良い。
また、時間領域を複数区間に分割せずに、加速開始から加速終了まで連続した関数を用いて、目標プロファイルを生成してもよい。更に、本発明は、搬送対象をキャリッジに限定するものではなく、搬送対象を加速するプロセスを含むシステム、例えば用紙を搬送する搬送機構や読取機構を搬送する原稿読取装置等に適用可能である。
1…画像形成システム、10…制御部、11…CPU、13…ROM、20…画像形成部、21…記録ヘッド、30…キャリッジ搬送部、40…キャリッジ搬送機構、41…キャリッジ、43,44…フレーム、47…ベルト機構、471…無端ベルト、473,474…プーリー、51…CRモータ、53…駆動回路、55…リニアエンコーダ、60…用紙搬送部、61…メインローラ、63…排紙ローラ、66…プラテン、67…Uターンパス、68…給紙ローラ、69…給紙トレイ、101…印字制御部、102…キャリッジ搬送制御部、103…用紙搬送制御部、121…エンコーダ信号処理部、123…目標指令生成部、125…偏差算出部、127…速度制御部、200…目標プロファイル生成装置、201…演算部、203…表示部、205…操作部、207…記憶部、P…用紙

Claims (12)

  1. モータ、及び、前記モータから発生する動力を搬送対象に伝達する伝達機構を備え、前記モータ及び伝達機構を通じて前記搬送対象を搬送する搬送装置
    が備える前記モータを制御するモータ制御装置であって、前記搬送対象の加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って前記モータを制御するモータ制御装置
    に対して設定する前記目標プロファイルを生成する方法であって、
    加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の内、前記目標速度が、振動が増幅される前記搬送装置の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する搬送速度である固有速度となる時刻である共振時刻、又は、前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、前記加速過程における各時刻での目標速度を定めて、前記目標プロファイルを生成することを特徴とする目標プロファイル生成方法。
  2. 前記共振時刻又は前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が最大値を採るように、前記加速過程における各時刻での目標速度を定めて、前記目標プロファイルを生成することを特徴とする請求項1記載の目標プロファイル生成方法。
  3. 前記加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を複数区間に分割し、前記区間毎に、入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする関数である目標速度関数を定めて、前記目標プロファイルを生成すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の目標プロファイル生成方法。
  4. 前記各区間の目標速度関数を、区間境界での目標加速度が隣接する区間の目標加速度と一致する関数に定めて、前記目標プロファイルを生成することを特徴とする請求項3記載の目標プロファイル生成方法。
  5. 前記各区間の目標速度関数を、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように定めて、前記目標プロファイルを生成することを特徴とする請求項4記載の目標プロファイル生成方法。
  6. 前記加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域を三以上の複数区間に分割して、前記複数区間の内、前記共振時刻が属する区間を、前記固有速度を中心とした所定範囲に属する速度を前記目標速度とする区間となるように定め、且つ、前記各区間の目標速度関数を、隣接する区間との境界での目標加速度がゼロとなるように定めて、前記目標プロファイルを生成することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の目標プロファイル生成方法。
  7. モータ、及び、前記モータから発生する動力を搬送対象に伝達する伝達機構を備え、前記モータ及び伝達機構を通じて前記搬送対象を搬送する搬送装置
    が備える前記モータを制御するモータ制御装置であって、前記搬送対象の加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って前記モータを制御するモータ制御装置
    に対して設定する前記目標プロファイルを生成する目標プロファイル生成装置であって、
    振動が増幅される前記搬送装置の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する搬送速度である固有速度を表す情報を取得する固有速度取得手段と、
    予め定められた入力変数を時刻とし出力変数を目標速度とする目標速度関数又は入力変数を時刻とし出力変数を目標加速度とする目標加速度関数の基本型であって未設定の定数部を設計変数として包含する基本関数、の前記設計変数に設定する値を、前記固有速度取得手段の取得情報が表す前記固有速度に基づき決定することにより、前記目標速度関数又は前記目標加速度関数を定めて、前記目標プロファイルを生成する目標プロファイル生成手段と、
    を備え、
    前記目標プロファイル生成手段は、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の内、前記目標速度が前記固有速度取得手段の取得情報が表す前記固有速度となる時刻である共振時刻又は前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、前記目標速度関数又は前記目標加速度関数を定めて、前記目標プロファイルを生成すること
    を特徴とする目標プロファイル生成装置。
  8. 前記目標プロファイル生成手段は、前記加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の内、前記共振時刻又は前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が最大値を採るように、前記目標速度関数又は前記目標加速度関数を定めて、前記目標プロファイルを生成すること
    を特徴とする請求項7記載の目標プロファイル生成装置。
  9. 前記基本関数は、複数区間に分割された前記加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域の区間毎に定められ、
    前記目標プロファイル生成手段は、前記各区間の基本関数の前記設計変数に設定する値を前記固有速度に基づき決定することにより、前記各区間の前記目標速度関数又は前記目標加速度関数を定めて、前記目標プロファイルを生成すること
    を特徴とする請求項7又は請求項8記載の目標プロファイル生成装置。
  10. 前記各区間の基本関数は、当該区間の境界における前記目標速度及び前記目標加速度が隣接する区間の前記目標速度及び前記目標加速度と一致することが保証された関数であること
    を特徴とする請求項9記載の目標プロファイル生成装置。
  11. モータ、及び、前記モータから発生する動力を搬送対象に伝達する伝達機構を備え、前記モータ及び伝達機構を通じて前記搬送対象を搬送する搬送装置
    が備える前記モータを、前記搬送対象の加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って制御するモータ制御装置であって、
    前記目標プロファイルとして、
    目標速度が、振動が増幅される前記搬送装置の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する搬送速度である固有速度となる時刻である共振時刻、又は、前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域における各時刻での目標速度が定められてなる目標プロファイル
    を有することを特徴とするモータ制御装置。
  12. モータ、及び、前記モータから発生する動力をキャリッジに伝達する伝達機構を備え、前記モータ及び伝達機構を通じて前記キャリッジを搬送するキャリッジ搬送装置と、
    前記キャリッジ搬送装置が備える前記モータを制御するモータ制御装置と、
    を備え、前記モータ制御装置を通じて記録ヘッドが搭載された前記キャリッジを定速搬送しつつ、前記記録ヘッドに記録動作を実行させることにより、シートに画像を形成する画像形成システムであって、
    前記モータ制御装置は、
    前記キャリッジを停止状態から定速状態に移行させるまでの加速過程では、加速過程における各時刻での目標速度を表す目標プロファイルに従って、前記キャリッジが前記目標プロファイルに対応した速度変化で加速するように前記モータを制御する構成にされ、
    前記目標プロファイルとして、
    目標速度が、振動が増幅される前記キャリッジ搬送装置の固有周波数に一致する周波数の振動が発生する搬送速度である固有速度となる時刻である共振時刻、又は、前記共振時刻周辺の時間領域で、目標加速度が極大値を採るように、加速開始時刻から加速終了時刻までの時間領域における各時刻での目標速度が定められてなる前記目標プロファイル
    を有すること
    を特徴とする画像形成システム。
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