JP2008186405A - 制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータを高効率に駆動するために好適な制御方法を提供すること。
【解決手段】印刷装置は、記録ヘッドを搭載したキャリッジを、主走査方向に往復運動させ、キャリッジの往復運動に合わせて、用紙を挟持するローラをLFモータにより駆動して、用紙を所定量ずつ送り出し、用紙に画像を形成する。この装置のLFモータ制御部35は、用紙位置y(t)を検出する位置検出部351と、LFモータへの操作量u(t)を算出する操作量演算部353と、操作量u(t)の演算に用いるパラメータθiを、用紙位置y(t)に基づき補正するパラメータ更新部355と、を備える。また、操作量演算部353は、最大速度V及び加速時間Tで定められる目標位置r(t)に基づき、操作量u(t)を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、制御方法及び制御装置に関する。
従来より、インクジェット方式の画像形成装置では、記録ヘッドを搭載したキャリッジを、主走査方向に往復運動させ、このキャリッジの往復運動に合わせて、用紙を所定量ずつ送り出すことにより、用紙に画像を形成することが行われている。
また、キャリッジや用紙の搬送に際しては、モータを制御する制御器に対し、目標値を表す矩形状(ステップ関数)の信号を入力して、上記制御器に目標値を実現させるようにモータ制御を実行させている(例えば、特許文献1参照)。用紙搬送に際しては、例えば、制御器に対し、目標位置を表す信号を入力して、制御器に用紙を目標位置に搬送させる。
その他、制御方法としては、従来、制御対象の動特性を数学モデルに置き換え、この数学モデルに基づき、目標値に対する制御対象への操作量(制御入力)を算出する手法が知られている。
但し、制御対象の動特性は、部品の磨耗等により経年変化する他、環境変化により短時間でも変化する。例えば、制御対象の動特性は、温度変化による部品の変形や潤滑剤の粘性変化等を原因として短時間で変化する。そして、この特性変化により、制御系の設計時に得られた数学モデルと、制御対象の実際の動特性との間にずれが生じると、制御系の性能が劣化する。
このため、従来では、操作量演算に用いるパラメータを、制御対象の特性変化に応じ、補正するといったことが行われている。この種の制御手法は、一般的に、適応制御と呼ばれている。
適応制御系の構成としては、目標値r(t)に対して得られるべき制御出力ym(t)を数学モデルで規定すると共に、このモデルを規範モデルとして、規範モデルの出力ym(t)と制御出力y(t)とが一致するように、操作量演算に係るパラメータを更新するモデル規範形適応制御系(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開平11−353029号公報 特開平8−054905号公報
ところで、従来のステップ関数で目標値を制御器に入力する手法では、用紙等を搬送する際、加速運動の初期において、目標値と実際の搬送対象の状態との乖離が大きいため、モータの駆動電流が著しく高くなるといった問題があった。即ち、このような手法では、効率的にモータを駆動することができないという問題があった。また、高出力のモータを用いなければならず、製品コストの点で問題があった。一方、用紙等の搬送系として、制御対象の特性変化に対応可能なモデル規範形適応制御系を採用すると、規範モデルを設計しなければならず、制御系の設計が煩雑になるという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、モータを高効率に駆動するために好適な制御方法と、モータを高効率に駆動可能な制御装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた本発明(請求項1)は、時刻tにおける制御対象への操作量u(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素(ラプラス演算子)sを用いて、式
Figure 2008186405
で表現可能な制御対象を制御するに際して、目標値r(t)を、d階微分可能な関数で定め、目標値r(t)に対する制御対象への操作量u(t)を、式
Figure 2008186405
に従って算出し、この算出結果に従って、制御出力y(t)が目標値r(t)となるように、制御対象を制御する制御方法である。
上述したように、従来の用紙搬送では、ステップ関数により、目標値として、用紙を所定量搬送する際の用紙の終点位置(用紙を停止させるべき位置)を制御器に指定していた。そして、制御器は、単に、この目標位置(終点位置)に用紙を搬送するように、モータ制御を行う構成となっていた。換言すると、従来の制御手法では、搬送過程における用紙位置について、モータを高効率に駆動可能なように、細かな目標設定をしていなかった。
このため、従来では、加速初期において、モータの駆動電流が高くなるといった問題があった。本発明者は、このような問題を解決すべく、ステップ関数で制御器に目標値を入力するのを止めて、モータを高効率に駆動可能な目標位置の軌跡を求め、この目標値を制御器に入力することとした。
そして、この際の制御系として、制御対象の特性変化に強いモデル規範形適応制御系を採用することを想到するに至ったのであるが、モデル規範形適応制御系は、一般的に、目標値r(t)から規範となる制御出力ym(t)を求めて、実際の制御出力y(t)との誤差により、操作量u(t)の演算に係るパラメータを補正していくものであるため、規範モデルの設計が必要であるという欠点があった。
そこで、本発明では、目標値r(t)を、d階微分可能な関数で定めて、規範モデルの制御出力ym(t)と同様に取り扱えるようにし、モデル規範形適応制御に類する制御を、規範モデルを用いることなく、実現するようにしたのである。
ここで、モデル規範形適応制御の理論を簡単に説明すると、制御対象への操作量(制御入力)u(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素sを用いて、式(1)で表現可能な制御対象に対しては、規範モデルに基づいて目標値r(t)から定められる制御出力ym(t)を実現するための制御対象への操作量u(t)を、次式で求めることができる。
Figure 2008186405
但し、パラメータθi(i=1,2,…,2n)は、制御対象の動特性によって定まるものであって、制御対象の特性変化によって更新されるパラメータであり、式(1)で表される制御対象モデルを、線形パラメトリックモデルに変換して得られる式(4)に示すパラメータθiに対応するものである。
Figure 2008186405
式(3)から理解できるように、目標値r(t)をd階微分可能な関数とすれば、式(3)のパラメータym(t)は、目標値r(t)に置き換えることができ、操作量u(t)を、目標値r(t)から規範モデルの出力ym(t)を求めることなく、式(2)に従って求めることができる。
従って、本発明では、目標値r(t)をd階微分可能な関数で定めて、上述の手法で、制御対象を制御するようにしたのである。このような本発明の制御方法を用いれば、規範モデルを設計することなく、適応制御系を簡単に構築することができる。よって、本発明は、目標値r(t)としてステップ関数を採用せずに、モータを高効率に駆動可能な軌跡とする場合に、好適な制御方法であるといえる。
尚、目標値r(t)は、三角関数や指数関数などの無限階微分可能な関数を用いて定められるとよい(請求項2)。目標値r(t)を無限階微分可能な関数で定めれば、d階微分可能であるか意識せずとも、適切な目標値r(t)を定めることができる。
また、本発明の方法は、制御対象への操作量u(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素sを用いて、式(1)で表現可能な制御対象を制御するための制御装置に適用することができ、制御装置は、目標値r(t)を設定する目標値設定手段と、目標値設定手段により設定された目標値r(t)に対する制御対象への操作量u(t)を算出する操作量算出手段と、操作量算出手段により算出された操作量u(t)に応じた操作を、制御対象に対して実行する操作手段とを備え、目標値設定手段にて、目標値r(t)を、d階微分可能な関数により設定し、操作量算出手段にて、式(2)に従い、制御対象への操作量u(t)を算出する構成にすることができる(請求項3)。また、目標値設定手段は、目標値r(t)を、無限階微分可能な関数により設定する構成にすることができる(請求項4)。
また、制御対象の動特性は、時間と共に変化するので、上記制御装置は、上述のパラメータθiを、目標値r(t)と制御出力y(t)との誤差に基づいて補正するパラメータ更新手段を備える構成にされるとよい(請求項5)。具体的に、パラメータ更新手段は、次式に従って、パラメータθiを更新する構成にすることができる。
Figure 2008186405
但し、Γは、設計者により定められるΓ=ΓT>0を満足する2n行2n列の正方行列である。
目標値r(t)をステップ関数で定めず、目標値r(t)の軌跡を詳細に定める場合には、上記のように制御装置を構成することで、規範モデルを設計せずとも、好適な適応制御系を構成することができる。従って、上記制御装置の構成は、目標値r(t)をステップ関数で定めず、モータを高効率に駆動可能な軌跡とする場合に、好適であるといえる。
尚、具体的に、本発明は、モータにより搬送物を搬送する搬送機構を制御対象とする制御装置に適用することができ、この際、目標値設定手段は、目標値r(t)として、搬送過程での各時間における搬送物の目標位置r(t)を設定する構成にすることができる(請求項6)。
また、モータを高効率に駆動するためには、具体的に、目標値設定手段を次のように構成するとよい。即ち、目標値設定手段は、静止状態の搬送物を搬送先地点に搬送する搬送過程での各時刻における搬送物の目標位置r(t)を設定するに際し、搬送物の加速区間及び減速区間の時間長さが一致又は略一致する関数により、目標位置r(t)を設定する構成にされるとよい(請求項7)。このようにすれば、加速区間を十分に長くとれるので、結果として、加速初期にモータの駆動電流を大きくしなくても、搬送物を目標位置r(t)に搬送することができ、搬送物を目標位置r(t)に搬送するに際し、モータを高効率に駆動することができる。
更に具体的に言えば、目標位置r(t)は、その二階微分が、加速区間において、前半で緩やかに増加し後半で緩やかに減少し、減速区間において、前半で緩やかに減少し、後半で緩やかに増加する関数で定めるとよい。例えば、目標位置r(t)は、加速区間及び減速区間の時間間隔をTとする場合に、二階微分が、加速区間において、A・{1−cos(2π・t/T)}(Aは任意の正の定数)となり、減速区間において、−A・{1−cos(2π・t/T)}となる関数で定めるとよい。このようにすれば、より一層、モータを高効率に駆動することができる。
また、搬送物の搬送に際しては、搬送物の加速度を正から負に急速に切り替えようとすると、モータに高い負荷がかかって、好ましくない。従って、目標値設定手段は、目標位置r(t)の二階微分である目標加速度が正から負に逆転する過程において、目標加速度の値がゼロとなる時点での目標加速度の微分値(加加速度)がゼロとなる関数により、目標位置r(t)を設定する構成にされるのが好ましい(請求項8)。このようにすれば、搬送物の加速度を、緩やかに正から負に切り替えることができて、搬送物の加速度を正から負に切り替える場合に、モータに高い負荷がかかるのを抑えることができる。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された印刷装置1の構成を表すブロック図である。本実施例の印刷装置1は、用紙Pに向けてノズルからインクを吐出する記録ヘッド25を、キャリッジ(図示せず)により、主走査方向に搬送して、用紙Pに画像を形成するものである。
具体的に、印刷装置1は、CPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するROM13と、プログラム実行時に作業領域として使用されるRAM15と、EEPROM17と、パーソナルコンピュータ(PC)3に接続され、PC3から送信されてくる印刷指令や当該印刷指令と共に送信されてくる印刷対象の画像データを受信するインタフェース19(例えば、USBインタフェース)と、印字制御部21と、モータ制御部31と、を備える。
また、この印刷装置1は、上記記録ヘッド25及び当該記録ヘッド25に駆動電圧を印加して記録ヘッド25を駆動するヘッド駆動回路23を備え、更に、記録ヘッド25を主走査方向に搬送するキャリッジ(図示せず)やキャリッジを主走査方向に移動させるためのCRモータ41等で構成されるヘッド搬送機構40と、押さえローラ63と共に用紙Pを挟持し用紙Pをインク吐出領域に送出する搬送ローラ65や搬送ローラ65を回転させるためのLFモータ61等で構成される用紙搬送機構60と、を備える。尚、CRモータ41及びLFモータ61は、DCモータで構成されている。
その他、印刷装置1は、CRモータ41を駆動するためのCRモータ駆動回路51と、CRモータ41によって駆動されるキャリッジの位置に対応してパルス信号を出力するリニアエンコーダからなるCR用エンコーダ53と、LFモータ61を駆動するためのLFモータ駆動回路71と、LFモータ61が所定角度回転する度にパルス信号を出力するロータリーエンコーダからなるLF用エンコーダ73と、を備える。
印字制御部21は、CPU11による印刷制御処理の実行時にCPU11から入力される指令信号に従って、記録ヘッド25によるインクの吐出動作をヘッド駆動回路23を介して制御するものである。具体的に、印字制御部21は、CR用エンコーダ53から入力されるパルス信号に基づき、キャリッジの動作に合わせて、記録ヘッド25を駆動し、PC3から入力された印刷対象の画像データに基づく画像を、用紙Pに形成する。
一方、モータ制御部31は、CRモータ制御部33及びLFモータ制御部35を備える。具体的に、CRモータ制御部33は、印刷制御処理の実行時にCPU11から入力される指令信号に従って、CRモータ駆動回路51を通じ、CRモータ41を制御するものであり、キャリッジが主走査方向の端点から端点までを一定速度Vsで往復運動するように、CRモータ41を制御する。即ち、CRモータ制御部33は、CR用エンコーダ53から入力されるパルス信号によりキャリッジの速度(実速度)を検出し、キャリッジ速度と、CPU11から指定された目標速度Vsが一致するように、フィードバック制御を行う構成にされている。
また、LFモータ制御部35は、印刷制御処理の実行時にCPU11から入力される指令信号に従って、LFモータ駆動回路71を通じ、LFモータ61を制御するものであり、キャリッジが主走査方向の端点から端点に移動する度に、用紙Pを所定量D、副走査方向に送出する構成にされている。尚、図2は、LFモータ制御部35の細部を示したブロック図である。
図2に示すように、LFモータ制御部35は、LF用エンコーダ73から入力されるパルス信号や、用紙搬送路に設置された図示しないセンサの出力信号に基づき、用紙Pの位置y(t)を検出する位置検出部351と、印刷制御処理の実行時にCPU11が入力される目標プロファイルに基づき、LFモータ61への操作量u(t)を算出し、LFモータ駆動回路71を通じLFモータ61を制御する操作量演算部353と、操作量演算部353が操作量u(t)の演算に用いるパラメータを、用紙Pの実位置y(t)に基づき、補正するパラメータ更新部355と、を備える。尚、操作量u(t)は、LFモータ61への入力電流量である。
ここで、本実施例の印刷装置1に適用した操作量u(t)の算出方法について説明する。本実施例で用いる操作量u(t)の算出方法は、目標値r(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素sを用いて、式(1)で表現可能な制御対象を制御する場合に適用することができるものである。尚、本実施例の印刷装置1は、具体的に、用紙搬送機構60(LFモータ61)についての制御対象モデルを、微分作用素sを用いて、次式で表現できるものとする。
Figure 2008186405
式(1)は、線形パラメトリック変換すると、式(4)に置換することができる。このため、操作量u(t)と制御出力y(t)との関係は、ξ1(t)=u(t)の関係を用いて、式(7)で表現できる。
Figure 2008186405
よって、制御出力y(t)として目標値r(t)を実現したい場合には、目標値r(t)がd階微分可能であることを前提として、式(8)により、操作量u(t)を演算すればよいことになる。
Figure 2008186405
従って、本実施例では、操作量演算部353により、式(8)に従って目標位置r(t)に対応する操作量u(t)を演算する。尚、パラメータλ及びθiは、制御対象によって定まるものであるが、これらλ,θiは、現実には未知数である。従って、パラメータλについては、装置の設計段階で、設計者により、試行錯誤により適切と考えられる値を設定する。また、制御対象の動特性は、経時変化するものであるため、パラメータθiについては、目標値r(t)と制御出力y(t)との誤差ε(t)から、次式に従って求める。
Figure 2008186405
但し、Γは、設計者により定められるΓ=ΓT>0を満足する2n行2n列の正方行列である。
具体的に、式(6)により制御対象が表現可能な本実施例では、操作量演算部353により、次のようにして、目標プロファイルからLFモータに対する操作量u(t)を求める。尚、図3は、操作量演算部353が実行する操作量演算処理を表すフローチャートである。
CPU11から目標プロファイルが入力されると、操作量演算部353は、図3に示す操作量演算処理を開始し、まず時刻t=0にリセットする(S110)。そして、目標プロファイルが有する時刻t=0からt=Tmaxまでの目標位置r(t)の軌跡データ、目標位置r(t)の1階微分v(t)の軌跡データ、目標位置r(t)の2階微分a(t)の軌跡データ、目標位置r(t)の3階微分j(t)の軌跡データ、及び、目標位置r(t)の4階微分k(t)の軌跡データに基づいて、g(t)を求める(S120)。
Figure 2008186405
続いて、算出したg(t)を用いて、次式に従い、操作量u(t)を算出する(S130)。
Figure 2008186405
その後、当該操作量u(t)に対応した操作を、LFモータ駆動回路71を介して、LFモータ61に加える。具体的に、操作量u(t)は、本実施例においてLFモータ61に入力されるべき電流量であるので、操作量演算部353は、算出値u(t)に対応する量の電流がLFモータ61に入力されるように、LFモータ駆動回路71を制御する(S140)。
操作量演算部353は、このような処理(S120〜S140)を、時刻tが時刻Tmaxを経過するまで(時刻t>Tmaxとなるまで)繰返し実行し、時刻tが時刻Tmaxを経過すると(S150でYes)、当該操作量演算処理を終了する。
尚、上述の目標プロファイルは、キャリッジが端点から端点まで移動して、主走査方向の所定幅の画像形成が完了する度に、CPU11から入力される。また、用紙Pを、給紙トレイから印字開始地点に搬送する際にも、CPU11から入力される。即ち、LFモータ制御部35は、用紙Pを給紙トレイから印字開始地点に搬送する際、及び、印字が開始された後において、用紙Pを所定量ずつ送り出す際に、操作量演算処理を実行し、LFモータ61を制御する。
また、操作量u(t)の算出に必要な上記パラメータθiは、印刷装置1の起動時に、CPU11の動作により、操作量演算部353に設定される。具体的に、パラメータθiは、EEPROM17に記録されたパラメータθiの情報に基づき、操作量演算部353に設定される。また、本実施例において、操作量演算部353に設定されたパラメータθiは、その後、パラメータ更新部355により更新されると共に、定期的に、EEPROM17に記録されて、最新の学習値(パラメータθi)がEEPROM17に記録される。
尚、本実施例において、パラメータ更新部355は、位置検出部351から得られる用紙Pの位置y(t)と目標プロファイルが示す目標位置r(t)との誤差ε(t)から、d=4として、式(9)に従い、パラメータθiを算出し、算出したパラメータθiを、操作量演算部353に設定する動作を、操作量演算部353による操作量u(t)の演算毎に、実行する。
続いて、CPU11が実行するプロファイル生成入力処理について説明する。図4は、CPU11が、ROM13に記憶されたプログラムに従って実行するプロファイル生成入力処理を表すフローチャートである。本実施例の印刷装置1は、別途実行する印刷制御処理にて用紙搬送指令が発生すると、印刷制御処理から指定された最大速度V及び加速時間Tの情報に基づき、図4に従って目標プロファイルを生成し、これをLFモータ制御部35に入力する。
プロファイル生成入力処理を開始すると、CPU11は、最大速度V及び加速時間Tの指定情報を取得し(S210)、その後、次式に従って、目標位置r(t)の軌跡データを生成する。具体的に、CPU11は、時刻t=0から時刻t=Tmax=2・Tまでの各時刻t=h・Δt(但し、hは、h=0,1,2,…,Hであり、値Hは、設計者により定められる定数である。)の目標位置r(t)を、次式に従って定め、目標位置r(t)の軌跡データを生成する(S220)。尚、図5(a)は、目標位置r(t)の軌跡を表したグラフである。
Figure 2008186405
また、S220での処理を終えると、CPU11は、目標位置r(t)の一階微分である目標速度v(t)の軌跡データを生成する。具体的に、CPU11は、時刻t=0から時刻t=2・Tまでの各時刻t=h・Δtの目標速度v(t)を、次式に従って定め、目標速度v(t)の軌跡データを生成する(S230)。尚、図5(b)は、目標速度v(t)の軌跡を表したグラフである。
Figure 2008186405
また、S230での処理を終えると、CPU11は、目標位置r(t)の二階微分である目標加速度a(t)の軌跡データを生成する。具体的に、CPU11は、時刻t=0から時刻t=2・Tまでの各時刻t=h・Δtの目標加速度a(t)を、次式に従って定め、目標加速度a(t)の軌跡データを生成する(S240)。尚、図5(c)は、目標加速度a(t)の軌跡を表したグラフである。
Figure 2008186405
また、S240での処理を終えると、CPU11は、目標位置r(t)の三階微分である目標加加速度j(t)の軌跡データを生成する。具体的に、CPU11は、時刻t=0から時刻t=2・Tまでの各時刻t=h・Δtの目標加加速度j(t)を、次式に従って定め、目標加加速度j(t)の軌跡データを生成する(S250)。
Figure 2008186405
また、S250での処理を終えると、CPU11は、目標位置r(t)の四階微分である目標加加加速度k(t)の軌跡データを生成する。具体的に、CPU11は、時刻t=0から時刻t=2・Tまでの各時刻t=h・Δtの目標加加加速度k(t)を、次式に従って定め、目標加加加速度k(t)の軌跡データを生成する(S260)。
Figure 2008186405
その後、CPU11は、上記生成した目標位置r(t)の軌跡データ、目標速度v(t)の軌跡データ、目標加速度a(t)の軌跡データ、目標加加速度j(t)の軌跡データ、目標加加加速度k(t)の軌跡データをまとめて、目標プロファイルとして、LFモータ制御部35に入力する(S270)。その後、当該プロファイル生成入力処理を終了する。尚、このようにして目標プロファイルを生成すると、用紙搬送機構60では、LFモータ制御部35の制御により用紙Pが、時間2・Tで、距離D=V・Tだけ送出される。
以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によれば、目標位置r(t)として、搬送先地点の位置を指定するのではなく、現在地点から搬送先地点までの目標位置r(t)の軌跡を、LFモータ制御部35に入力して、用紙Pが目標位置r(t)の軌跡に沿って搬送されるようにした。そして、目標位置r(t)を、加速区間及び減速区間の時間長さが同一の時間Tとなる関数により定めることにより、加速区間が従来と比較して十分長くなるようにし、加速初期にモータの駆動電流が大きくならないようにした。従って、本実施例によれば、用紙Pを、LFモータ61を通じて送出する際に、LFモータ61を高効率に駆動することができる。
尚、図6は、本実施例の印刷装置1において、用紙搬送時にLFモータ61に入力される電流の時間変化を、従来の制御系にて用紙搬送を行った場合の電流値の時間変化と共に、示したグラフである。図6においては、実線が本実施例の手法で用紙搬送を行った場合の電流値の軌跡であり、破線が従来の手法で用紙搬送を行った場合の電流値の軌跡である。
図6に示すように、従来手法では、加速初期の電流値が高くなるため、モータを高効率に駆動することができているとは言い難かったが、本実施例の手法で用紙搬送を行った場合には、ピークの電流値を抑えることができ、高効率にLFモータ61を駆動することができる。
具体的に、本実施例では、二階微分が、加速区間において、前半で緩やかに増加し後半で緩やかに減少し、減速区間において、前半で緩やかに減少し、後半で緩やかに増加する関数(図5参照)で、目標位置r(t)を定めているので、モータを特に高効率に駆動することができる。
また、用紙Pの搬送に際しては、用紙Pの加速度を正から負に急速に切り替えようとすると、LFモータ61に高い負荷がかかって、好ましくないことから、本実施例では、目標加速度a(t)が正から負に逆転する過程において、目標加速度の値がゼロとなる時点での目標加速度の微分値(目標加加速度j(t))がゼロとなる関数により、目標位置r(t)を定めるようにした。従って、本実施例によれば、用紙Pの加速度を、緩やかに正から負に切り替えることができ、正から負に切り替える場合に、LFモータ61に高い負荷がかかるのを抑えることができる。
また、本実施例では、LFモータ61を高効率に駆動するために、目標位置r(t)を詳細に定める必要があるので、併せて、目標位置r(t)を、制御対象モデルの次数d=4に対応して、d=4階微分可能な関数で定め、目標位置r(t)を規範モデルの制御出力と同様に取り扱えるようにし、モデル規範形適応制御に類する適応制御を、規範モデルを用いることなく、実現するようにした。
従って、本実施例の手法によれば、規範モデルを設計しなくても、用紙搬送機構60の動特性の変化によらず、用紙Pを精密に目標位置r(t)の軌跡に併せて搬送可能な制御系を構築することができ、モータを高効率に駆動して、用紙Pを精密に目標位置r(t)に搬送できる高性能な印刷装置を提供することができる。
尚、本実施例の目標位置設定手段は、CPU11が実行するプロファイル生成入力処理により実現され、操作量算出手段は、操作量演算部353にて実現され、操作手段は、LFモータ駆動回路71により実現され、パラメータ更新手段は、パラメータ更新部355にて実現されている。
また、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。例えば、上記実施例では、用紙搬送の制御系に、本発明を適用した例を説明したが、本発明は、その他の各種の制御系に適用することができる。
印刷装置1の構成を表すブロック図である。 LFモータ制御部35の詳細構成を表すブロック図である。 操作量演算部353が実行する操作量演算処理を表すフローチャートである。 CPU11が実行するプロファイル生成入力処理を表すフローチャートである 目標位置r(t)、目標速度v(t)、目標加速度a(t)の軌跡を表したグラフである。 LFモータ61の電流値の時間変化を示したグラフである。
符号の説明
1…印刷装置、3…PC、11…CPU、13…ROM、15…RAM、17…EEPROM、19…インタフェース、21…印字制御部、23…ヘッド駆動回路、25…記録ヘッド、31…モータ制御部、33…CRモータ制御部、35…LFモータ制御部、40…ヘッド搬送機構、41…CRモータ、51…CRモータ駆動回路、53…CR用エンコーダ、60…用紙搬送機構、61…LFモータ、63…押さえローラ、65…搬送ローラ、71…LFモータ駆動回路、73…LF用エンコーダ、351…位置検出部、353…操作量演算部、355…パラメータ更新部、P…用紙

Claims (8)

  1. 時刻tにおける制御対象への操作量u(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素sを用いて、式
    Figure 2008186405
    で表現可能な制御対象を制御する方法であって、
    目標値r(t)を、d階微分可能な関数で定めて、
    目標値r(t)に対する前記制御対象への操作量u(t)を、式
    Figure 2008186405
    に従って算出し、この算出結果に従って、制御出力y(t)が目標値r(t)となるように、前記制御対象を制御することを特徴とする制御方法。
  2. 目標値r(t)を、無限階微分可能な関数で定めることを特徴とする請求項1記載の制御方法。
  3. 時刻tにおける制御対象への操作量u(t)と制御出力y(t)との関係を、微分作用素sを用いて、式
    Figure 2008186405
    で表現可能な制御対象を制御するための制御装置であって、
    目標値r(t)を設定する目標値設定手段と、
    前記目標値設定手段により設定された目標値r(t)に対する前記制御対象への操作量u(t)を算出する操作量算出手段と、
    前記操作量算出手段により算出された操作量u(t)に応じた操作を、前記制御対象に対して実行する操作手段と、
    を備え、
    前記目標値設定手段は、前記目標値r(t)を、d階微分可能な関数により設定し、
    前記操作量算出手段は、式
    Figure 2008186405
    に従って、前記制御対象への操作量u(t)を算出する構成にされていることを特徴とする制御装置。
  4. 前記目標値設定手段は、前記目標値r(t)を、無限階微分可能な関数により設定することを特徴とする請求項3記載の制御装置。
  5. 前記パラメータθi(i=1,2,…,2n)を、目標値r(t)と制御出力y(t)との誤差に基づいて補正するパラメータ更新手段
    を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の制御装置。
  6. 前記制御対象は、モータにより搬送物を搬送する搬送機構であり、
    前記目標値設定手段は、前記目標値r(t)として、搬送過程での各時間における前記搬送物の目標位置r(t)を設定する構成にされていることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の制御装置。
  7. 前記目標値設定手段は、静止状態の搬送物を搬送先地点に搬送する搬送過程での各時刻における前記搬送物の目標位置r(t)を設定するものであり、前記搬送物の加速区間及び減速区間の時間長さが一致又は略一致する前記関数により、前記目標位置r(t)を設定する構成にされていることを特徴とする請求項6記載の制御装置。
  8. 前記目標値設定手段は、目標位置r(t)の二階微分である目標加速度が正から負に逆転する過程において、目標加速度の値がゼロとなる時点での目標加速度の微分値がゼロとなる前記関数により、前記目標位置r(t)を設定する構成にされていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の制御装置。
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