JP2011129112A - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents

導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シートを提供する。
【解決手段】第1導電シート10Aは、第1透明基体上に、2以上の導電性の第1大格子14Aと、隣接する第1大格子14A間を電気的に接続する第1接続部16Aとが形成され、各第1大格子14Aは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、各第1大格子14Aの少なくとも一辺には、第1大格子14Aから電気的に接続されて延伸された金属細線による線分により第1大格子14A内部と略同様のパターンが形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関し、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネルに関する。
一般に、静電容量方式のタッチパネルは、人間の指先と導電膜との間での静電容量の変化を捉えて指先の位置を検出する位置入力装置であるが、この静電容量方式のタッチパネルとしては、表面型と投影型とがある。表面型は、構造が簡便ではあるが、同時に2点以上の接触(マルチタッチ)を検知することができない。一方、投影型は、例えば液晶表示装置の画素構成のように、多数の電極がマトリクス状に配列して構成され、より具体的には、垂直方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第1電極群が水平方向に配列され、水平方向に並ぶ複数の電極が直列に接続された複数の第2電極群が垂直方向に配列されて構成され、複数の第1電極群及び複数の第2電極群で容量変化を順次検出していくことで、マルチタッチが検出できる構成となっている。この投影型静電容量方式のタッチパネルの先行技術として例えば特許文献1記載の静電容量型入力装置が挙げられる。
特開2008−310551号公報
しかしながら、特許文献1に記載の静電容量型入力装置は、基体の一主面に第1電極群及び第2電極群を形成するようにしているため、第1電極群と第2電極群との短絡防止を目的とした隙間を形成しなければならず、指先の位置の検知精度が劣るという問題がある。また、第1電極群と第2電極群とが交差する部分(交差部)が短絡しないように、例えば第1電極群を構成する電極の接続部上に絶縁層を介して第2電極群を構成する電極の接続部を形成するようにしており、その結果、各交差部が局部的に厚く形成されてしまい、タッチパネル面を見たときに、各交差部が斑点(黒い斑点)として表示され、視認性が著しく劣化するという問題もある。しかも、絶縁層並びに絶縁層上に接続部を形成するためのマスクパターンが必要になることから、製造工程が複雑になり、製造コストが高価格化するという問題がある。
そこで、透明基板の一主面に第1電極群を形成し、透明基板の他主面に第2電極群を形成することが考えられる。
しかし、将来的な観点から見ると、以下のような問題が生じるおそれがある。現在、投影型静電容量方式のタッチパネルは、PDA(携帯情報端末)や携帯電話等の小サイズへの適用が主となっているが、パーソナルコンピュータ(パソコン)用のオペレーションシステム(OS)がマルチタッチ方式を標準対応するようになったことから、パソコン用ディスプレイ等への適用による大サイズ化が進むと考えられる。
このような将来の動向において、従来の電極は、ITO(酸化インジウムスズ)を用いていることから、抵抗が大きく(数10オーム/sq.)、適用サイズが大きくなるにつれて、電極間の電流の伝達速度が遅くなり、応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート及び導電シートの使用方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができるタッチパネルを提供することを目的とする。
[1] 第1の本発明に係る導電シートは、基体と、前記基体上に形成された導電部とを有し、前記導電部は、金属細線による2以上の導電性の大格子と、隣接する前記大格子間を電気的に接続する金属細線による接続部とを有し、各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記大格子の少なくとも一辺には、前記大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による線分により前記大格子内部と略同様のパターンが形成されていることを特徴とする。
[2] 第1の本発明において、前記線分は前記小格子の一辺の長さの整数倍の長さであることを特徴とする。
[3] 第1の本発明において、前記大格子の少なくとも一辺に、複数の前記線分が接続され、複数の前記線分の配列ピッチは、前記小格子の一辺の長さの整数倍であることを特徴とする。
[4] 第1の本発明において、複数の前記線分は平行に配列されていることを特徴とする。
[5] 第1の本発明において、前記大格子の辺のうち、前記線分が接続された辺と対向する辺には前記線分が接続されていないことを特徴とする。
[6] 第1の本発明において、前記金属細線の線幅が1μm以上15μm以下であることを特徴とする。
[7] 第2の本発明に係る導電シートは、基体と、前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、前記第1導電部は、金属細線による2以上の導電性の第1大格子と、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部とを有し、前記第2導電部は、金属細線による2以上の導電性の第2大格子と、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部とを有し、各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第1大格子の少なくとも一辺には、前記第1大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第1線分により前記第1大格子内部と略同様のパターンが形成され、前記第2大格子の少なくとも一辺には、前記第2大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第2線分により前記第2大格子内部と略同様のパターンが形成されていることを特徴とする。
[8] 第2の本発明において、前記第1線分及び前記第2線分は前記小格子の一辺の長さの整数倍の長さであることを特徴とする。
[9] 第2の本発明において、前記第1大格子の少なくとも一辺に、複数の前記第1線分が接続され、前記第2大格子の少なくとも一辺に、複数の前記第2線分が接続され、複数の前記第1線分及び前記第2線分の配列ピッチは、前記小格子の一辺の長さの整数倍であることを特徴とする。
[10] 第2の本発明において、複数の前記第1線分は互いに平行に配列され、複数の前記第2線分は互いに平行に配列されていることを特徴とする。
[11] 第2の本発明において、前記第1線分及び前記第2線分により、前記第1大格子内部及び前記第2大格子内部と同様のパターンが形成されていることを特徴とする。
[12] 第2の本発明において、前記第1大格子の辺のうち、前記第2大格子の辺であって、且つ、前記第2線分が接続された辺と対向する辺には前記第1線分が接続されておらず、前記第2大格子の辺のうち、前記第1大格子の辺であって、且つ、前記第1線分が接続された辺と対向する辺には前記第2線分が接続されていないことを特徴とする。
[13] 第2の本発明において、前記金属細線の線幅が1μm以上15μm以下であることを特徴とする。
[14] 第3の本発明に係る導電シートは、金属細線による2以上の導電性の第1大格子と、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部とが形成され、各前記第1大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第1大格子の少なくとも一辺に、前記第1大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第1線分により前記第1大格子内部と略同様のパターンが形成された第1導電シートと、金属細線による2以上の導電性の第2大格子と、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部とが形成され、各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第2大格子の少なくとも一辺に、前記第2大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第2線分により前記第2大格子内部と略同様のパターンが形成された第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、前記第1導電シートは、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、前記第2導電シートは、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1線分及び前記第2線分により、前記第1大格子内部及び前記第2大格子内部と同様のパターンが形成されるように配置されることを特徴とする。
[15] 第4の本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、上述した第1及び第2の本発明に係る導電シートを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る導電シート及び導電シートの使用方法によれば、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適となる。
また、本発明に係るタッチパネルは、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる。
第1導電シートに形成される第1導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第1導電シートを一部省略して示す断面図である。 タッチパネルの構成を示す分解斜視図である。 第1積層導電シートを一部省略して示す分解斜視図である。 図5Aは第1積層導電シートの一例を一部省略して示す断面図であり、図5Bは第1積層導電シートの他の例を一部省略して示す断面図である。 第2導電シートに形成される第2導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第1導電シートと第2導電シートを組み合わせて第1積層導電シートとした例を一部省略して示す平面図である。 図8Aは反射防止フイルムを付与した第1構成例を示す模式図であり、図8Bは同じく第2構成例を示す模式図であり、図8Cは同じく第2構成例を示す模式図である。 第2積層導電シートを一部省略して示す分解斜視図である。 第2積層導電シートの第1導電シートに形成される第1導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第2積層導電シートの第2導電シートに形成される第2導電パターンのパターン例を示す平面図である。 第1導電シートと第2導電シートを組み合わせて第2積層導電シートとした例を一部省略して示す平面図である。 本実施の形態に係る透明導電性フイルムの製造方法を示すフローチャートである。 図14Aは作製された感光材料を一部省略して示す断面図であり、図14Bは感光材料に対する両面同時露光を示す説明図である。 第1感光層に照射された光が第2感光層に到達せず、第2感光層に照射された光が第1感光層に到達しないようにして第1露光処理及び第2露光処理を行っている状態を示す説明図である。
以下、本発明に係る導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネルの実施の形態例を図1〜図15を参照しながら説明する。なお、本明細書において数値範囲の「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
第1の実施の形態に係る導電シート(以下、第1導電シート10Aと記す)は、図1に示すように、第1透明基体12A(図2参照)の一主面上に形成された第1導電部13Aを有する。この第1導電部13Aは、金属細線による2以上の導電性の第1大格子14Aと、隣接する第1大格子14A間を電気的に接続する金属細線による第1接続部16Aとが形成され、各第1大格子14Aは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、第1接続部16Aは、小格子18のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子20(20a〜20d)が配置されて構成されている。小格子18は、ここでは一番小さい正方形状とされている。金属細線は例えば金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)で構成されている。
第1大格子14Aの一辺の長さは、3〜10mmであることが好ましく、4〜6mmであることがより好ましい。一辺の長さが、上記下限値未満であると、第1導電シート10Aを例えばタッチパネルに利用した場合に、検出時の第1大格子14Aの静電容量が減るため、検出不良になる可能性が高くなる。他方、上記上限値を超えると、位置検出精度が低下する虞がある。同様の観点から、第1大格子14Aを構成する小格子18の一辺の長さは50〜500μmであることが好ましく、150〜300μmであることがさらに好ましい。小格子18が上記範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、表示装置の前面にとりつけた際に、違和感なく表示を視認することができる。
さらに、2以上の第1大格子14Aが第1接続部16Aを介してx方向(第1方向)に配列されて金属細線による1つの第1導電パターン22Aが構成され、2以上の第1導電パターン22Aがx方向と直交するy方向(第2方向)に配列され、隣接する第1導電パターン22A間は電気的に絶縁された第1絶縁部24Aが配されている。
x方向は、例えば後述する投影型静電容量方式のタッチパネル100(図3参照)の水平方向(又は垂直方向)あるいはタッチパネル100を設置した表示パネル110の水平方向(又は垂直方向)を示す。
そして、図1に示すように、第1大格子14Aの4つの辺部のうち、隣接する第1大格子14Aと接続していない一方の頂点部分26aに隣接する第1辺部28a及び第2辺部28bについては、それぞれ第1辺部28a及び第2辺部28bに沿って連続する直線部30から多数の針状の線32(第1線分:小格子18の辺)がくし歯状に張り出した形態とされている。一方、隣接する第1大格子14Aと接続していない他方の頂点部分26bに隣接する第3辺部28c及び第4辺部28dについては、それぞれ第3辺部28c及び第4辺部28dに沿って連続する直線部30形成された形態とされ、さらに、他方の頂点部分26bに対応する1つの小格子18(正確には隣接する2つの辺)を取り外したような形態となっている。
第1接続部16Aは、4つ分の小格子18を含む大きさを有する中格子20が4つ(第1中格子20a〜第4中格子20d)、ジグザグ状に配列された形状を有する。すなわち、第1中格子20aは、第2辺部28bの直線部30と第4辺部28dの直線部30との境界部分に存在し、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第2中格子20bは、第1中格子20aの1つ辺(第2辺部28bの直線部30)に隣接し、正方形状の空間が形成された形状、すなわち、4つ分の小格子18をマトリクス状に配列し、中央の十字を取り外したような形状を有する。第3中格子20cは、第1中格子20aに隣接すると共に、第2中格子20bに隣接して配され、第2中格子20bと同様の形状を有する。第4中格子20dは、第3辺部28cの第2番目の直線部30(一番外側から第1大格子14Aの内方に向かって2番目の直線部30)と第1辺部28aとの境界部分に存在し、第2中格子20bに隣接すると共に、第3中格子20cに隣接して配され、第1中格子20aと同様に、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第4中格子20dの1つの辺は第1大格子14Aにおける第4辺部28dの直線部30の延長上に存在する。そして、小格子18の配列ピッチをPsとしたとき、中格子20の配列ピッチPmは2×Psの関係を有している。
各第1導電パターン22Aの一方の端部側に存在する第1大格子14Aの開放端は、第1接続部16Aが存在しない形状となっている。各第1導電パターン22Aの他方の端部側に存在する第1大格子14Aの端部は、第1結線部40a(図3参照)を介して金属細線による第1端子配線パターン41aに電気的に接続されている。
このように、第1導電シート10Aにおいては、1つの第1導電パターン22Aを、2以上の第1大格子14Aを第1接続部16Aを介してx方向に配列して構成し、各第1大格子14Aを、それぞれ2以上の小格子18を組み合わせて構成し、第1接続部16Aを、小格子18の2倍のピッチを有する4つの中格子20を配置して構成したので、1つの電極を1つのITO膜にて形成する構成よりも大幅に電気抵抗を低減することが可能となる。従って、この第1導電シート10Aを用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネルの大サイズ化を促進させることができる。
次に、上述の第1導電シート10Aを用いたタッチパネル100について図3〜図7を参照しながら説明する。
タッチパネル100は、センサ本体102と図示しない制御回路(IC回路等で構成)とを有する。センサ本体102は、図3、図4及び図5Aに示すように、上述した第1導電シート10Aと後述する第2導電シート10Bと積層されて構成された第1の実施の形態に係るタッチパネル用導電シート(以下、第1積層導電シート50Aと記す)と、その上に積層された保護層106(図5Aでは保護層106の記述を省略している)とを有する。第1積層導電シート50A及び保護層106は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置108における表示パネル110上に配置されるようになっている。センサ本体102は、上面から見たときに、表示パネル110の表示画面110aに対応した領域に配されたセンサ部112と、表示パネル110の外周部分に対応する領域に配された端子配線部114(いわゆる額縁)とを有する。
タッチパネル100に適用した第1導電シート10Aは、図4に示すように、センサ部112に対応した部分に、上述した多数の第1導電パターン22Aが配列され、端子配線部114には各第1結線部40aから導出された金属細線による複数の第1端子配線パターン41aが配列されている。
図3の例では、第1導電シート10Aの外形は、上面から見て長方形状を有し、センサ部112の外形も長方形状を有する。端子配線部114のうち、第1導電シート10Aの一方の長辺側の周縁部には、その長さ方向中央部分に、複数の第1端子116aが前記一方の長辺の長さ方向に配列形成されている。また、センサ部112の一方の長辺(第1導電シート10Aの一方の長辺に最も近い長辺:y方向)に沿って複数の第1結線部40aが直線状に配列されている。各第1結線部40aから導出された第1端子配線パターン41aは、第1導電シート10Aの一方の長辺におけるほぼ中央部に向かって引き回され、それぞれ対応する第1端子116aに電気的に接続されている。従って、センサ部112における一方の長辺の両側に対応する各第1結線部40aに接続された第1端子配線パターン41aは、ほぼ同じ長さにて引き回されることになる。もちろん、第1端子116aを第1導電シート10Aのコーナー部やその近傍に形成してもよいが、複数の第1端子配線パターン41aのうち、最も長い第1端子配線パターン41aと最も短い第1端子配線パターン41aとの間に大きな長さ上の違いが生じ、最も長い第1端子配線パターン41aとその近傍の複数の第1端子配線パターン41aに対応する第1導電パターン22Aへの信号伝達が遅くなるという問題がある。そこで、本実施の形態のように、第1導電シート10Aの一方の長辺の長さ方向中央部分に、第1端子116aを形成することで、局所的な信号伝達の遅延を抑制することができる。これは、応答速度の高速化につながる。
一方、第2導電シート10Bは、図3、図4及び図5Aに示すように、第2透明基体12Bの一主面上に形成された第2導電部13Bを有する。この第2導電部13Bは、金属細線による2以上の導電性の第2大格子14Bと、隣接する第2大格子14B間を電気的に接続する金属細線による第2接続部16Bとが形成され、各第2大格子14Bは、図6に示すように、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、第2接続部16Bは、小格子18のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子20が配置されて構成されている。第2大格子14Bの一辺の長さについても、上述した第1大格子14Aと同様に、3〜10mmであることが好ましく、4〜6mmであることがより好ましい。
さらに、2以上の第2大格子14Bが第2接続部16Bを介してy方向(第2方向)に配列されて金属細線による1つの第2導電パターン22Bが構成され、2以上の第2導電パターン22Bがy方向と直交するx方向(第1方向)に配列され、隣接する第2導電パターン22B間は電気的に絶縁された第2絶縁部24Bが配されている。
図4に示すように、1つ置き(例えば奇数番目)の第2導電パターン22Bの一方の端部側に存在する第2大格子14Bの開放端、並びに偶数番目の第2導電パターン22Bの他方の端部側に存在する第2大格子14Bの開放端には、それぞれ第2接続部16Bが存在しない形状となっている。一方、奇数番目の各第2導電パターン22Bの他方の端部側に存在する第2大格子14Bの端部、並びに偶数番目の各第2導電パターン22Bの一方の端部側に存在する第2大格子14Bの端部は、それぞれ第2結線部40bを介して金属細線による第2端子配線パターン41bに電気的に接続されている。
そして、センサ部112に対応した部分に、多数の第2導電パターン22Bが配列され、端子配線部114には各第2結線部40bから導出された複数の第2端子配線パターン41bが配列されている。
図3に示すように、端子配線部114のうち、第2導電シート10Bの一方の長辺側の周縁部には、その長さ方向中央部分に、複数の第2端子116bが前記一方の長辺の長さ方向に配列形成されている。また、センサ部112の一方の短辺(第2導電シート10Bの一方の短辺に最も近い短辺:x方向)に沿って複数の第2結線部40b(例えば奇数番目の第2結線部40b)が直線状に配列され、センサ部112の他方の短辺(第2導電シート10Bの他方の短辺に最も近い短辺:x方向)に沿って複数の第2結線部40b(例えば偶数番目の第2結線部40b)が直線状に配列されている。
複数の第2導電パターン22Bのうち、例えば奇数番目の第2導電パターン22Bが、それぞれ対応する奇数番目の第2結線部40bに接続され、偶数番目の第2導電パターン22Bが、それぞれ対応する偶数番目の第2結線部40bに接続されている。奇数番目の第2結線部40bから導出された第2端子配線パターン41b並びに偶数番目の第2結線部40bから導出された第2端子配線パターン41bは、第2導電シート10Bの一方の長辺におけるほぼ中央部に向かって引き回され、それぞれ対応する第2端子116bに電気的に接続されている。従って、例えば第1番目と第2番目の第2端子配線パターン41bは、ほぼ同じ長さにて引き回され、以下同様に、第2n−1番目と第2n番目の第2端子配線パターン41bは、それぞれほぼ同じ長さにて引き回されることになる(n=1、2、3・・・)。
もちろん、第2端子116bを第2導電シート10Bのコーナー部やその近傍に形成してもよいが、上述したように、最も長い第2端子配線パターン41bとその近傍の複数の第2端子配線パターン41bに対応する第2導電パターン22Bへの信号伝達が遅くなるという問題がある。そこで、本実施の形態のように、第2導電シート10Bの一方の長辺の長さ方向中央部分に、第2端子116bを形成することで、局所的な信号伝達の遅延を抑制することができる。これは、応答速度の高速化につながる。
なお、第1端子配線パターン41aの導出形態を上述した第2端子配線パターン41bと同様にし、第2端子配線パターン41bの導出形態を上述した第1端子配線パターン41aと同様にしてもよい。
そして、この第1積層導電シート50Aをタッチパネルとして使用する場合は、第1導電シート10A上に保護層を形成し、第1導電シート10Aの多数の第1導電パターン22Aから導出された第1端子配線パターン41aと、第2導電シート10Bの多数の第2導電パターン22Bから導出された第2端子配線パターン41bとを、例えばスキャンをコントロールする制御回路に接続する。
タッチ位置の検出方式としては、自己容量方式や相互容量方式を好ましく採用することができる。すなわち、自己容量方式であれば、第1導電パターン22Aに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、第2導電パターン22Bに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給する。指先が保護層106の上面に接触又は近接させることで、タッチ位置に対向する第1導電パターン22A及び第2導電パターン22BとGND(グランド)間の容量が増加することから、当該第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bからの伝達信号の波形が他の導電パターンからの伝達信号の波形と異なった波形となる。従って、制御回路では、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bから供給された伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。一方、相互容量方式の場合は、例えば第1導電パターン22Aに対して順番にタッチ位置検出のための電圧信号を供給し、第2導電パターン22Bに対して順番にセンシング(伝達信号の検出)を行う。指先が保護層106の上面に接触又は近接させることで、タッチ位置に対向する第1導電パターン22Aと第2導電パターン22B間の寄生容量に対して並列に指の浮遊容量が加わることから、当該第2導電パターン22Bからの伝達信号の波形が他の第2導電パターン22Bからの伝達信号の波形と異なった波形となる。従って、制御回路では、電圧信号を供給している第1導電パターン22Aの順番と、供給された第2導電パターン22Bからの伝達信号に基づいてタッチ位置を演算する。このような自己容量方式又は相互容量方式のタッチ位置の検出方法を採用することで、保護層106の上面に同時に2つの指先を接触又は近接させても、各タッチ位置を検出することが可能となる。なお、投影型静電容量方式の検出回路に関する先行技術文献として、米国特許第4,582,955号明細書、米国特許第4,686,332号明細書、米国特許第4,733,222号明細書、米国特許第5,374,787号明細書、米国特許第5,543,588号明細書、米国特許第7,030,860号明細書、米国公開特許2004/0155871号明細書等がある。
そして、図6に示すように、第2導電パターン22Bにおける第2大格子14Bの4つの辺部のうち、隣接する第2大格子14Bと接続していない一方の頂点部分26aに隣接する第5辺部28e及び第6辺部28fについてみると、第5辺部28eについては、第1導電シート10Aにおける第1大格子14Aの第1辺部28aと同様に、第5辺部28eに沿って連続する直線部30から多数の針状の線32(第2線分:小格子18の辺)がくし歯状に張り出した形態とされている。第6辺部28fについては、第1導電シート10Aにおける第1大格子14Aの第3辺部28cと同様に、第6辺部28fに沿って連続する直線部30が形成された形態とされている。隣接する第2大格子14Bと接続していない他方の頂点部分26bに隣接する第7辺部28g及び第8辺部28hについてみると、第7辺部26gについては、第5辺部28eと同様に、第7辺部28gに沿って連続する直線部30から多数の針状の線32(小格子18の辺)がくし歯状に張り出した形態とされ、第8辺部28hについては、第6辺部28fと同様に、第8辺部28hに沿って連続する直線部30が形成された形態とされている。
また、第2接続部16Bは、4つ分の小格子18を含む大きさを有する中格子20が4つ(第5中格子20e〜第8中格子20h)、ジグザグ状に配列された形状を有する。すなわち、第5中格子20eは、第6辺部28fの第2番目の直線部30(一番外側から第2大格子14Bの内方に向かって2番目の直線部30)と第8辺部28hの直線部30との境界部分に存在し、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第6中格子20fは、第5中格子20eの1つの辺(第6辺部28fの第2番目の直線部30)に隣接し、正方形状の空間が形成された形状、すなわち、4つ分の小格子18をマトリクス状に配列し、中央の十字を取り外したような形状を有する。第7中格子20gは、第5中格子20eに隣接すると共に、第6中格子20fに隣接して配され、第6中格子20fと同様の形状を有する。第8中格子20hは、第7辺部28gの直線部30と第5辺部28eとの境界部分に存在し、第6中格子20fに隣接すると共に、第7中格子20gに隣接して配され、第5中格子20eと同様に、1つの小格子18とL字状の空間が形成された形状を有する。第8中格子20hの1つの辺は第5中格子20eにおける第8辺部28hの直線部30の延長上に存在する。この第2導電シート10Bにおいても、小格子18の配列ピッチをPsとしたとき、中格子20の配列ピッチPmは2×Psの関係を有している。
そして、例えば第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して第1積層導電シート50Aとしたとき、図7に示すように、第1導電パターン22Aの第1接続部16Aと第2導電パターン22Bの第2接続部16Bとが第1透明基体12A(図5A参照)を間に挟んで対向し、第1導電パターン22Aの第1絶縁部24Aと第2導電パターン22Bの第2絶縁部24Bとが同じく第1透明基体12Aを間に挟んで対向した形態となる。なお、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bの各線幅は同じであるが、図7においては、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bの位置がわかるように、第1導電パターン22Aの線幅を太く、第2導電パターン22Bの線幅を細くして誇張して図示してある。
積層した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを上面から見たとき、第1導電シート10Aに形成された第1大格子14Aの隙間を埋めるように、第2導電シート10Bの第2大格子14Bが配列された形態となる。つまり、大格子が敷き詰められた形態となる。このとき、第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bにおけるくし歯32の各先端が第2大格子14Bの第6辺部28f及び第8辺部28hの各直線部30にて接続されたような形状となって、結果的に小格子18が配列された形態となり、同様に、第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gにおけるくし歯32の各先端が第1大格子14Aの第3辺部28c及び第4辺部28dの各直線部30にて接続されたような形状となって、結果的に小格子18が配列された形態となり、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界をほとんど見分けることができない状態となる。
ここで、例えば第1大格子14A及び第2大格子14Bの辺部を全て直線部30として形成した場合、すなわち、第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bから張り出す多数の線32の開放端を接続して新たな直線部30とし、同様に、第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gから張り出す多数の線32の開放端を接続して新たな直線部30とした場合、重ね合わせの位置精度の僅かなズレにより、直線部30同士の重なり部分の幅が大きくなり(線太り)、これにより、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界が目立ってしまい、視認性が劣化するという問題が生じるが、本実施の形態では、上述したように、くし歯32の先端と直線部30との重なりにより、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、視認性が向上する。なお、第1絶縁部24Aと第2絶縁部24Bとが対向する部分は、中格子1つ分の開口が形成されることになるが、上述した線太りと異なり、光を遮るということがないため、外部に目立つということがほとんどない。特に、中格子1つ分の開口であれば、周りの小格子18と比してサイズ的にもほとんど同じであるため、さらに目立たなくなる。
また、例えば第1大格子14A及び第2大格子14Bの第1辺部28a〜第8辺部28hを全て直線部30として形成した場合、第1大格子14Aの第1辺部28a〜第4辺部28dにおける直線部30の直下に第2大格子14Bの第5辺部28e〜第8辺部28hにおける直線部30が位置することになる。このとき、各直線部30も導電部分として機能することから、第1大格子14Aの辺部と第2大格子14Bの辺部との間に寄生容量が形成され、この寄生容量の存在が電荷情報に対してノイズ成分として働き、S/N比の著しい低下を引き起こす。しかも、各第1大格子14Aと各第2大格子14B間に寄生容量が形成されることから、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bに多数の寄生容量が並列に接続された形態となり、その結果、CR時定数が大きくなるという問題がある。CR時定数が大きくなると、第1導電パターン22A(及び第2導電パターン22B)に供給された電圧信号の波形の立ち上がり時間が遅くなり、所定のスキャン時間において位置検出のための電界の発生がほとんど行われなくなるおそれがある。また、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bからの伝達信号の波形の立ち上がり時間又は立ち下がり時間も遅くなり、所定のスキャン時間において伝達信号の波形の変化を捉えることができなくなるおそれがある。これは、検出精度の低下、応答速度の低下につながる。つまり、検出精度の向上、応答速度の向上を図るためには、第1大格子14A及び第2大格子14Bの数を減らしたり(分解能の低減)、適応させる表示画面のサイズを小さくするしかなく、例えばB5版、A4版、それ以上の大画面に適用させることができないという問題が生ずる。
これに対して、本実施の形態では、図5Aに示すように、第1大格子14Aの辺部における直線部30と、第2大格子14Bの辺部における直線部30との投影距離Lfを小格子18の1つの辺の長さ(50〜500μm)とほぼ同じにしている。さらに、第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bから張り出している針状の線32は、それぞれ先端のみが第2大格子14Bの第6辺部28f及び第8辺部28hにおける直線部30と対向し、第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gから張り出している針状の線32は、それぞれ先端のみが第1大格子14Aの第3辺部28c及び第4辺部28dにおける直線部30と対向するだけであるため、第1大格子14Aと第2大格子14B間に形成される寄生容量は小さくなる。その結果、CR時定数も小さくなり、検出精度の向上、応答速度の向上を図ることができる。
上述の投影距離Lfの最適距離は、第1大格子14A及び第2大格子14Bのサイズよりは、第1大格子14A及び第2大格子14Bを構成する小格子18のサイズ(線幅及び一辺の長さ)に応じて適宜設定することが好ましい。この場合、一定のサイズを有する第1大格子14A及び第2大格子14Bに対して、小格子18のサイズが大きすぎると、透光性は向上するが、伝達信号のダイナミックレンジが小さくなることから、検出感度の低下を引き起こすおそれがある。反対に、小格子18のサイズが小さすぎると、検出感度は向上するが、線幅の低減には限界があるため、透光性が劣化するおそれがある。
そこで、上述の投影距離Lfの最適値(最適距離)は、小格子18の線幅を1〜9μmとしたとき、100〜400μmが好ましく、さらに好ましくは200〜300μmである。小格子18の線幅を狭くすれば、上述の最適距離も短くできるが、電気抵抗が高くなってくるため、寄生容量が小さくても、CR時定数が高くなってしまい、結果的に検出感度の低下、応答速度の低下を引き起こすおそれがある。従って、小格子18の線幅は上述の範囲が好ましい。
そして、例えば表示パネル110のサイズあるいはセンサ部112のサイズとタッチ位置検出の分解能(駆動パルスのパルス周期)とに基づいて、第1大格子14A及び第2大格子14Bのサイズ並びに小格子18のサイズが決定され、小格子18の線幅を基準に第1大格子14Aと第2大格子14B間の最適距離が割り出されることになる。
また、第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分を上面から見たとき、第2接続部16Bの第5中格子20eと第7中格子20gとの交点が第1大格子14Aの第2中格子20bのほぼ中心に位置し、第2接続部16Bの第6中格子20fと第8中格子20hとの交点が第1大格子14Aの第3中格子20cのほぼ中心に位置することとなり、これら第1中格子20a〜第8中格子20hの組み合わせによって、複数の小格子18が形成された形態となる。すなわち、第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分に、第1接続部16Aと第2接続部16Bの組み合わせによって、複数の小格子18が配列された形態となり、周りの第1大格子14Aを構成する小格子18や第2大格子14Bを構成する小格子18と見分けがつかなくなり、視認性が向上する。
本実施の形態では、端子配線部114のうち、第1導電シート10Aの一方の長辺側の周縁部における長さ方向中央部分に複数の第1端子116aを形成し、第2導電シート10Bの一方の長辺側の周縁部における長さ方向中央部分に複数の第2端子116bを形成するようにしている。特に、図3の例では、第1端子116aと第2端子116bとが重ならないように、且つ、互いに接近した状態で配列し、さらに、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41bとが上下で重ならないようにしている。なお、第1端子116aと例えば奇数番目の第2端子配線パターン41aとが一部上下で重なる形態にしてもよい。
これにより、複数の第1端子116a及び複数の第2端子116bを、2つのコネクタ(第1端子用コネクタ及び第2端子用コネクタ)あるいは1つのコネクタ(第1端子116a及び第2端子116bに接続される複合コネクタ)及びケーブルを介して制御回路に電気的に接続することができる。
また、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41bとが上下で重ならないようにしているため、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41b間での寄生容量の発生が抑制され、応答速度の低下を抑えることができる。
第1結線部40aをセンサ部112の一方の長辺に沿って配列し、第2結線部40bをセンサ部112の両側の短辺に沿って配列するようにしたので、端子配線部114の面積を低減することができる。これは、タッチパネル100を含めた表示パネル110の小型化を促進させることができると共に、表示画面110aを印象的に大きく見せることができる。また、タッチパネル100としての操作性も向上させることができる。
端子配線部114の面積をさらに小さくするには、隣接する第1端子配線パターン41a間の距離、隣接する第2端子配線パターン41b間の距離を狭くすることが考えられるが、この場合、マイグレーションの発生防止を考慮すると、10μm以上50μm以下が好ましい。
その他、上面から見たときに、隣接する第1端子配線パターン41a間に第2端子配線パターン41bを配置することによって、端子配線部114の面積を小さくすることが考えられるが、パターンの形成ずれがあると、第1端子配線パターン41aと第2端子配線パターン41bとが上下で重なり、配線間の寄生容量が大きくなるおそれがある。これは応答速度の低下をもたらす。そこで、このような配置構成を採用する場合は、隣接する第1端子配線パターン41a間の距離を50μm以上100μm以下にすることが好ましい。
このように、第1積層導電シート50Aにおいては、該第1積層導電シート50Aを用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネル100に適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネル100の大サイズ化を促進させることができる。しかも、第1導電シート10Aの第1大格子14Aと第2導電シート10Bの第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、また、第1接続部16Aと第2接続部16Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられることから、局部的に線太りが生じる等の不都合がなくなり、全体として、視認性が良好となる。
また、多数の第1導電パターン22A及び第2導電パターン22BのCR時定数を大幅に低減することができ、これにより、応答速度を速めることができ、駆動時間(スキャン時間)内での位置検出も容易になる。これは、タッチパネル100の画面サイズ(縦×横のサイズで、厚みを含まず)の大型化を促進できることにつながる。
上述の第1積層導電シート50Aでは、図4及び図5Aに示すように、第1透明基体12Aの一主面に第1導電パターン22Aを形成し、第2透明基体12Bの一主面に第2導電パターン22Bを形成するようにしたが、その他、図5Bに示すように、第1透明基体12Aの一主面に第1導電パターン22Aを形成し、第1透明基体12Aの他主面に第2導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。この場合、第2透明基体12Bが存在せず、第2導電部13B上に、第1透明基体12Aが積層され、第1透明基体12A上に第1導電部13Aが積層された形態となる。また、第1導電シート10Aと第2導電シート10Bとはその間に他の層が存在してもよく、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bとが絶縁状態であれば、それらが対向して配置されてもよい。
この場合、図8A〜図8Cに模式的に示すように、3つの構成態様を好ましく採用することができる。
すなわち、図8Aに示す第1構成例は、表示装置108上に透明接着剤120を介して図5Bに示す第1積層導電シート50A(第1導電部13A、第1透明基体12A及び第2導電部13B)が積層され、さらに、この第1積層導電シート50A上にハードコート層122が積層され、該ハードコート層122上に反射防止層124が積層された構成を有する。ここで、表示装置108上の透明接着剤120、第2導電部13B、第1透明基体12A及び第1導電部13Aにてタッチパネル100が構成され、該タッチパネル100上のハードコート層122及び反射防止層124にて反射防止フイルム126が構成される。
図8Bに示す第2構成例は、表示装置108上に透明接着剤120を介して図5Bに示す第1積層導電シート50Aと保護樹脂層128が積層され、さらに、この保護樹脂層128上にハードコート層122が積層され、該ハードコート層122上に反射防止層124が積層された構成を有する。ここで、表示装置108上の透明接着剤120、第2導電部13B、第1透明基体12A、第1導電部13A及び保護樹脂層128にてタッチパネル100が構成され、該タッチパネル100上のハードコート層122及び反射防止層124にて反射防止フイルム126が構成される。
図8Cに示す第3構成例は、表示装置108上に第1透明接着剤120Aを介して図5Bに示す第1積層導電シート50Aと第2透明接着剤120Bが積層され、さらに、この第2透明接着剤120B上に透明フイルム130が積層され、該透明フイルム130上にハードコート層122が積層され、該ハードコート層122上に反射防止層124が積層された構成を有する。ここで、表示装置108上の第1透明接着剤120A、第2導電部13B、第1透明基体12A、第1導電部13A及び第2透明接着剤120Bにてタッチパネル100が構成され、該タッチパネル100上の透明フイルム130、ハードコート層122及び反射防止層124にて反射防止フイルム126が構成される。
また、図3に示すように、第1導電シート10Aと第2導電シート10Bの例えば各コーナー部に、第1導電シート10Aと第2導電シート10Bの貼り合わせの際に使用する位置決め用の第1アライメントマーク118a及び第2アライメントマーク118bを形成することが好ましい。この第1アライメントマーク118a及び第2アライメントマーク118bは、第1導電シート10Aと第2導電シート10Bを貼り合わせて第1積層導電シート50Aとした場合に、新たな複合アライメントマークとなり、この複合アライメントマークは、該第1積層導電シート50Aを表示パネル110に設置する際に使用する位置決め用のアライメントマークとしても機能することになる。
次に、第2の実施の形態に係るタッチパネル用導電シート(以下、第2積層導電シート50Bと記す)について図9〜図12を参照しながら説明する。
この第2積層導電シート50Bは、図9に示すように、上述した第1積層導電シート50Aとほぼ同様の構成を有するが、図10に示すように、第1大格子14Aの第1辺部28a〜第4辺部28dがそれぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有し、図11に示すように、第2大格子14Bの第5辺部28e〜第8辺部28hがそれぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有する点で異なる。
具体的には、第1大格子14Aについては、図1に示す第1導電シート10Aの第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bの各くし歯32をそれぞれ1つ置きに繋いで、小格子18を1つ置きに配列させた形態にし、第3辺部28c及び第4辺部28dの各直線部30をそれぞれ1つ置きに分離して、小格子18を1つ置きに配列させた形態にすることで、図10に示すように、第2積層導電シート50Bの第1大格子14Aの第1辺部28a〜第4辺部28dを、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有するようにし、特に、第1大格子14Aの第1辺部28aと該第1辺部28aと対向する第4辺部28dの各矩形波形状が互い違いとなり、第1大格子14Aの第2辺部28bと該第2辺部28bと対向する第3辺部28cの各矩形波形状が互い違いとなるようにしている。
同様に、第2大格子14Bについて、図6に示す第2導電シート10Bの第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gの各くし歯32をそれぞれ1つ置きに繋いで、小格子18を1つ置きに配列させた形態にし、第6辺部26f及び第8辺部28hの各直線部30をそれぞれ1つ置きに分離して、小格子18を1つ置きに配列させた形態にすることで、図11に示すように、第2導電シート10Bの第2大格子14Bの第5辺部28e〜第8辺部28hを、それぞれ2以上の矩形形状が配列された矩形波形状を有するようにし、特に、第2大格子14Bの第5辺部28eと該第5辺部28eと対向する第8辺部28hの各矩形波形状が互い違いとなり、第2大格子14Bの第6辺部28fと該第6辺部28fと対向する第7辺部28gの各矩形波形状が互い違いとなるようにしている。
そして、例えば第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して第2積層導電シート50Bとしたとき、図12に示すように、第1積層導電シート50A(図7参照)の場合と同様に、第1導電パターン22Aの第1接続部16Aと第2導電パターン22Bの第2接続部16Bとが第1透明基体12A(図5A参照)を間に挟んで対向し、第1導電パターン22Aの第1絶縁部24Aと第2導電パターン22Bの第2絶縁部24Bとが第1透明基体12Aを間に挟んで対向した形態となる。なお、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bの各線幅は同じであるが、図12においても図7と同様に、第1導電パターン22Aと第2導電パターン22Bの位置がわかるように、第1導電パターン22Aの線幅を太く、第2導電パターン22Bの線幅を細くして誇張して図示してある。
積層した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを上面から見たとき、第1導電シート10Aに形成された第1大格子14Aの隙間を埋めるように、第2導電シート10Bの第2大格子14Bが配列された形態となる。このとき、第1大格子14Aの第1辺部28a及び第2辺部28bにおける各矩形波形状の凹部42aの開口部分が第2大格子14Bの第6辺部28f及び第8辺部28hの各矩形波形状の凸部42bの先端部分にて接続されたような形状となって、結果的に小格子18が連続して配列された形態となり、同様に、第1大格子14Aの第3辺部28c及び第4辺部28dにおける各矩形波形状の凹部42aの開口部分が第2大格子14Bの第5辺部28e及び第7辺部28gの各矩形波形状の凸部42bの先端部分にて接続されたような形状となって、結果的に小格子18が連続して配列された形態となり、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界をほとんど見分けることができない状態となる。つまり、矩形波形状の凹部42aの開口部分と凸部42bの先端部分との重なりにより、第1大格子14Aと第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、視認性が向上する。なお、第1絶縁部24Aと第2絶縁部24Bとが対向する部分は、十字形状の開口が形成されることになるが、上述した線太りと異なり、光を遮るということがないため、外部に目立つということがほとんどない。
第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分についても、第1積層導電シート50Aと同様に、第2接続部16Bの第5中格子20eと第7中格子20gとの交点が第1接続部16Aの第2中格子20bのほぼ中心に位置し、第2接続部16Bの第6中格子20fと第8中格子20hとの交点が第1接続部16Aの第3中格子20cのほぼ中心に位置することとなり、これら第1中格子20a〜第8中格子20hの組み合わせによって、複数の小格子18が形成された形態となる。すなわち、第1接続部16Aと第2接続部16Bとが対向した部分に、第1接続部16Aと第2接続部16Bの組み合わせによって、複数の小格子18が配列された形態となり、周りの第1大格子14Aを構成する小格子18や第2大格子14Bを構成する小格子18と見分けがつかなくなり、視認性が向上する。
この第2積層導電シート50Bにおいても、図示しないが、第1結線部40a及び第2結線部40bの配列状態、端子配線部114での第1端子配線パターン41a及び第2端子配線パターン41bの配列状態、第1端子116a及び第2端子116bの配列状態は、上述した第1積層導電シート50Aと同様である。
このように、第2積層導電シート50Bにおいても、該第2積層導電シート50Bを用いて例えば投影型静電容量方式のタッチパネル100に適用した場合に、応答速度を速めることができ、タッチパネル100の大サイズ化を促進させることができる。しかも、第1導電シート10Aの第1大格子14Aと第2導電シート10Bの第2大格子14Bとの境界が目立たなくなり、また、第1接続部16Aと第2接続部16Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられることから、局部的に線太りが生じる等の不都合がなくなり、全体として、視認性が良好となる。
特に、この第2積層導電シート50Bにおいては、第1大格子14Aの4つの辺(第1辺部28a〜第4辺部28d)並びに第2大格子14Bの4つの辺(第5辺部28e〜第8辺部28h)の形状がいずれも矩形波形状であって、各辺の形状が等価的に同一となっていることから、第1大格子14Aや第2大格子14Bの端部での電荷の局在化が抑制され、指先位置の誤検出を防ぐことができる。
また、この第2積層導電シート50Bにおいても、図5Aに示すように、第1大格子14Aの辺部における直線部30と、第2大格子14Bの辺部における直線部30との投影距離Lfを小格子18の1つの辺の長さ(50〜500μm)とほぼ同じにしている。さらに、第1大格子14Aの各辺部から張り出す矩形波形状の頂点と、第2大格子14Bの各辺部から張り出す矩形波形状の頂点とがそれぞれ対向するだけであるため、第1大格子14Aと第2大格子14B間に形成される寄生容量は小さくなる。その結果、CR時定数も小さくなり、検出精度の向上、応答速度の向上を図ることができる。
上述した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおいては、第1接続部16A及び第2接続部16Bを構成する中格子20の配列ピッチPmを小格子18の配列ピッチPsの2倍に設定したが、その他、1.5倍、3倍等、中格子の数に応じて任意に設定することができる。中格子20の配列ピッチPmは、その間隔が狭すぎたり、大きすぎたりすると、大格子14の配置が難しくなり、見栄えが悪くなることがあることから、小格子18の配列ピッチPsの1〜10倍が好ましく、1〜5倍がより好ましい。
また、小格子18のサイズ(1辺の長さや対角線の長さ等)や、第1大格子14Aを構成する小格子18の個数、第2大格子14Bを構成する小格子18の個数も、適用されるタッチパネルのサイズや分解能(配線数)に応じて適宜設定することができる。
上述の例では、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを投影型静電容量方式のタッチパネル100に適用した例を示したが、その他、表面型静電容量方式のタッチパネルや、抵抗膜式のタッチパネルにも適用することができることはもちろんである。
次に、第1導電パターン22Aや第2導電パターン22Bを形成する方法としては、例えば第1透明基体12A上及び第2透明基体12B上に感光性ハロゲン化銀塩を含有する乳剤層を有する感光材料を露光し、現像処理を施すことによって、露光部及び未露光部にそれぞれ金属銀部及び光透過性部を形成して第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。なお、さらに金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施すことによって金属銀部に導電性金属を担持させるようにしてもよい。
一方、図5Bに示すように、第1透明基体12Aの一主面に第1導電パターン22Aを形成し、第1透明基体12Aの他主面に第2導電パターン22Bを形成する場合、通常の製法に則って、最初に一主面を露光し、その後に、他主面を露光する方法を採用すると、所望の第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを得ることができない場合がある。特に、第1大格子14A及び第2大格子14Bの辺部からくし歯32が張り出したパターンや、第1大格子14A及び第2大格子14Bの辺部から矩形波形状が張り出したパターンを均一に形成することは困難性が伴う。
そこで、以下に示す製造方法を好ましく採用することができる。
すなわち、第1透明基体12Aの両面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層に対して一括露光を行って、第1透明基体12Aの一主面に第1導電パターン22Aを形成し、第1透明基体12Aの他主面に第2導電パターン22Bを形成する。
この製造方法の具体例を、図13〜図15を参照しながら説明する。
先ず、図13のステップS1において、長尺の感光材料140を作製する。感光材料140は、図14Aに示すように、第1透明基体12Aと、該第1透明基体12Aの一方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第1感光層142aという)と、第1透明基体12Aの他方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第2感光層142bという)とを有する。
図13のステップS2において、感光材料140を露光する。この露光処理では、第1感光層142aに対し、第1透明基体12Aに向かって光を照射して第1感光層142aを第1露光パターンに沿って露光する第1露光処理と、第2感光層142bに対し、第1透明基体12Aに向かって光を照射して第2感光層142bを第2露光パターンに沿って露光する第2露光処理とが行われる(両面同時露光)。図14Bの例では、長尺の感光材料140を一方向に搬送しながら、第1感光層142aに第1光144a(平行光)を第1フォトマスク146aを介して照射すると共に、第2感光層142aに第2光144b(平行光)を第2フォトマスク146bを介して照射する。第1光144aは、第1光源148aから出射された光を途中の第1コリメータレンズ150aにて平行光に変換されることにより得られ、第2光144bは、第2光源148bから出射された光を途中の第2コリメータレンズ150bにて平行光に変換されることにより得られる。図14Bの例では、2つの光源(第1光源148a及び第2光源148b)を使用した場合を示しているが、1つの光源から出射した光を光学系を介して分割して、第1光144a及び第2光144bとして第1感光層142a及び第2感光層142bに照射してもよい。
そして、図13のステップS3において、露光後の感光材料140を現像処理することで、図5Bに示すように、第1積層導電シート50Aが作製される。第1積層導電シート50Aは、第1透明基体12Aと、該第1透明基体12Aの一方の主面に形成された第1露光パターンに沿った第1導電部13A(第1導電パターン22A等)と、第1透明基体12Aの他方の主面に形成された第2露光パターンに沿った第2導電部13B(第2導電パターン22B等)とを有する。なお、第1感光層142a及び第2感光層142bの露光時間及び現像時間は、第1光源148a及び第2光源148bの種類や現像液の種類等で様々に変化するため、好ましい数値範囲は一概に決定することができないが、現像率が100%となる露光時間及び現像時間に調整されている。
そして、本実施の形態に係る製造方法のうち、第1露光処理は、図15に示すように、第1感光層142a上に第1フォトマスク146aを例えば密着配置し、該第1フォトマスク146aに対向して配置された第1光源148aから第1フォトマスク146aに向かって第1光144aを照射することで、第1感光層142aを露光する。第1フォトマスク146aは、透明なソーダガラスで形成されたガラス基板と、該ガラス基板上に形成されたマスクパターン(第1露光パターン152a)とで構成されている。従って、この第1露光処理によって、第1感光層142aのうち、第1フォトマスク146aに形成された第1露光パターン152aに沿った部分が露光される。第1感光層142aと第1フォトマスク146aとの間に2〜10μm程度の隙間を設けてもよい。
同様に、第2露光処理は、第2感光層142b上に第2フォトマスク146bを例えば密着配置し、該第2フォトマスク146bに対向して配置された第2光源148bから第2フォトマスク146bに向かって第2光144bを照射することで、第2感光層142bを露光する。第2フォトマスク146bは、第1フォトマスク146aと同様に、透明なソーダガラスで形成されたガラス基板と、該ガラス基板上に形成されたマスクパターン(第2露光パターン152b)とで構成されている。従って、この第2露光処理によって、第2感光層142bのうち、第2フォトマスク146bに形成された第2露光パターン152bに沿った部分が露光される。この場合、第2感光層142bと第2フォトマスク146bとの間に2〜10μm程度の隙間を設けてもよい。
第1露光処理及び第2露光処理は、第1光源148aからの第1光144aの出射タイミングと、第2光源148bからの第2光144bの出射タイミングを同時にしてもよいし、異ならせてもよい。同時であれば、1度の露光処理で、第1感光層142a及び第2感光層142bを同時に露光することができ、処理時間の短縮化を図ることができる。
ところで、第1感光層142a及び第2感光層142bが共に分光増感されていない場合、感光材料140に対して両側から露光すると、片側からの露光がもう片側(裏側)の画像形成に影響を及ぼすこととなる。
すなわち、第1感光層142aに到達した第1光源148aからの第1光144aは、第1感光層142a中のハロゲン化銀粒子にて散乱し、散乱光として第1透明基体12Aを透過し、その一部が第2感光層142bにまで達する。そうすると、第2感光層142bと第1透明基体12Aとの境界部分が広い範囲にわたって露光され、潜像が形成される。そのため、第2感光層142bでは、第2光源148bからの第2光144bによる露光と第1光源148aからの第1光144aによる露光が行われてしまい、その後の現像処理にて第1積層導電シート50Aとした場合に、第2露光パターン152bによる導電パターン(第2導電部13B)に加えて、該導電パターン間に第1光源148aからの第1光144aによる薄い導電層が形成されてしまい、所望のパターン(第2露光パターン152bに沿ったパターン)を得ることができない。これは、第1感光層142aにおいても同様である。
これを回避するため、鋭意検討した結果、第1感光層142a及び第2感光層142bの厚みを特定の範囲に設定したり、第1感光層142a及び第2感光層142bの塗布銀量を規定することで、ハロゲン化銀自身が光を吸収し、裏面へ光透過を制限できることが判明した。本実施の形態では、第1感光層142a及び第2感光層142bの厚みを1μm以上、4μm以下に設定することができる。上限値は好ましくは2.5μmである。また、第1感光層142a及び第2感光層142bの塗布銀量を5〜20g/m2に規定した。
上述した両面密着の露光方式では、フイルム表面に付着した塵埃等で露光阻害による画像欠陥が問題となる。塵埃付着防止として、フイルムに導電性物質を塗布することが知られているが、金属酸化物等は処理後も残存し、最終製品の透明性を損ない、また、導電性高分子は保存性等に問題がある。そこで、鋭意検討した結果、バインダーを減量したハロゲン化銀により帯電防止に必要な導電性が得られることがわかり、第1感光層142a及び第2感光層142bの銀/バインダーの体積比を規定した。すなわち、第1感光層142a及び第2感光層142bの銀/バインダー体積比は1/1以上であり、好ましくは、2/1以上である。
上述のように、第1感光層142a及び第2感光層142bの厚み、塗布銀量、銀/バインダーの体積比を設定、規定することで、図15に示すように、第1感光層142aに到達した第1光源148aからの第1光144aは、第2感光層142bまで達しなくなり、同様に、第2感光層142bに到達した第2光源148bからの第2光144bは、第1感光層142aまで達しなくなり、その結果、その後の現像処理にて第1積層導電シート50Aとした場合に、図5Bに示すように、第1透明基体12Aの一方の主面には第1露光パターン152aによる導電パターン(第1導電部13Aを構成するパターン)のみが形成され、第1透明基体12Aの他方の主面には第2露光パターン152bによる導電パターン(第2導電部13Bを構成するパターン)のみが形成されることとなり、所望のパターンを得ることができる。
このように、上述の両面一括露光を用いた製造方法においては、導電性と両面露光の適性を両立させた第1感光層142a及び第2感光層142bを得ることができ、また、1つの第1透明基体12Aへの露光処理によって、第1透明基体12Aの両面に同一パターンや異なったパターンを任意に形成することができ、これにより、タッチパネル100の電極を容易に形成することができると共に、タッチパネル100の薄型化(低背化)を図ることができる。
上述の例は、感光性ハロゲン化銀乳剤層を用いて第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを形成する製造方法であるが、その他の製造方法としては、以下のような製造方法がある。
すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行うことによって、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bをスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bをインクジェットにより形成するようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおいて、特に好ましい態様であるハロゲン化銀写真感光材料を用いる方法を中心にして述べる。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(1)の態様は、一体型黒白現像タイプであり、感光材料上に光透過性導電膜等の透光性導電性膜が形成される。得られる現像銀は化学現像銀又は熱現像銀であり、高比表面のフィラメントである点で後続するめっき又は物理現像過程で活性が高い。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
いずれの態様もネガ型現像処理及び反転現像処理のいずれの現像を選択することもできる(拡散転写方式の場合は、感光材料としてオートポジ型感光材料を用いることによってネガ型現像処理が可能となる)。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
ここで、本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの各層の構成について、以下に詳細に説明する。
[第1透明基体12A、第2透明基体12B]
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、プラスチックフイルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフイルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体12A及び第2透明基体12Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフイルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような導電性フイルムは透明性が要求されるため、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの透明度は高いことが好ましい。
[銀塩乳剤層]
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層(第1大格子14A、第1接続部16A、第2大格子14B、第2接続部16B、小格子18等の導電部)となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bとした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態に用いられるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本実施の形態の銀塩乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1〜4/1であることがさらに好ましい。1/1〜3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する第1積層導電シート50Aや第2積層導電シート50Bを得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
<溶媒>
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
<その他の添加剤>
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
次に、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの作製方法の各工程について説明する。
[露光]
本実施の形態では、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第1導電パターン22A及び第2導電パターン22Bを露光と現像等によって形成する。すなわち、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
[現像処理]
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
以上の工程を経て導電シートは得られるが、得られた導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましい。前記下限値は、1オーム/sq.であることが好ましく、10オーム/sq.であることがさらに好ましい。前記上限値は、70オーム/sq.であることが好ましく、50オーム/sq.であることがさらに好ましい。また、現像処理後の導電シートに対しては、さらにカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
[物理現像及びめっき処理]
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属性部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
[酸化処理]
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
[導電性金属部]
本実施の形態の導電性金属部の線幅(第1導電部及び第2導電部の線幅)は、下限は1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。線間隔(ここでは小格子18の互いに対向する辺の間隔)は30μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以上400μm以下、最も好ましくは100μm以上350μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、第1大格子14A、第1接続部16A、第2大格子14B、第2接続部16B、小格子18等の導電部を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状の開口率は、90%である。
[光透過性部]
本実施の形態における「光透過性部」とは、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
[第1導電シート10A及び第2導電シート10B]
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおける第1透明基体12A及び第2透明基体12Bの厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に設けられる金属銀部の厚さは、第1透明基体12A及び第2透明基体12B上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.001mm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、且つ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
導電性金属部の厚さは、タッチパネルの用途としては、薄いほど表示パネルの視野角が広がるため好ましく、視認性の向上の点でも薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する第1導電シート10A及び第2導電シート10Bであっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
(現像処理後の硬膜処理)
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
[積層導電シート]
積層導電シートには、反射防止フイルム126を付与してもよい。この場合、上述した図8A〜図8Cに示す第1構成例〜第3構成例を好ましく採用することができる。
反射防止フイルム126は、例えば第1積層導電シート50A上にハードコート層122及び反射防止層124を形成して(第1構成例及び第2構成例参照)、あるいは第1積層導電シート50A上に透明フイルム130、ハードコート層122及び反射防止層124を形成して作製される(第3構成例参照)。
以下、反射防止フイルム126の好ましい態様を、第3構成例を主体にして説明する。
<透明フイルム130>
透明フイルム130は、表示装置108の視認者側表面に用いるため、光透過率が高く、且つ、透明性に優れた無色のフイルムであることが要求される。このような透明フイルム130としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、富士フイルム(株)製TAC−TD80U,TD80UF等のセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR(株)製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン(株)製)、(メタ)アクリル系樹脂(アクリペットVRL20A:商品名、三菱レイヨン(株)製、特開2004−70296号公報や特開2006−171464号公報記載の環構造含有アクリル系樹脂)等が挙げられる。このうち、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特にセルローストリアセテートが好ましい。
<ハードコート層122>
反射防止フイルム126には、該反射防止フイルム126の物理的強度を付与するために、ハードコート層122を設けることが好ましい。ハードコート層122は、2層以上の積層から構成されてもよい。
ハードコート層122の屈折率は、反射防止性のフイルムを得るための光学設計から、屈折率が1.48〜1.90の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.50〜1.80であり、さらに好ましくは1.52〜1.65である。本実施の形態では、ハードコート層122の上に低屈折率層が少なくとも1層あるので、屈折率がこの範囲より小さ過ぎると反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。
ハードコート層122は、反射防止フイルム126に十分な耐久性、耐衝撃性を付与する観点から、ハードコート層122の厚さは、通常、0.5〜50μm程度とし、好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは2〜15μm、最も好ましくは3〜10μmである。また、ハードコート層122の強度は、鉛筆硬度試験で、2H以上であることが好ましく、3H以上であることがさらに好ましく、4H以上であることが最も好ましい。さらに、JISK5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層122は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む組成物を透明フイルム130上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。具体的な化合物としては、特開2006−30740号公報の段落[0087]及び[0088]に記載のモノマーを使用することができ、同号公報の段落[0089]に記載の硬化方法を用いることができる。光重合の場合には、同号公報の段落[0090]〜[0093]に記載の光重合開始剤を用いることができる。
ハードコート層122には、内部散乱性付与の目的で、平均粒径が1.0〜10.0μm、好ましくは1.5〜7.0μmのマット粒子、例えば無機化合物の粒子又は樹脂粒子を含有してもよい。 これらの粒子としては特開2006−30740号公報の段落[0114]に記載の粒子を用いることができる。
ハードコート層122のバインダーには、ハードコート層122の屈折率を制御する目的で、高屈折率モノマー又は光散乱を生じない大きさの無機微粒子(一次粒子の直径が10〜200nm)、あるいは両者を加えることができる。無機微粒子には屈折率を制御する効果に加えて、架橋反応による硬化収縮を抑える効果もある。無機微粒子としては特開2006−30740号公報の段落[0120]に無機フィラーとして記載されている化合物を用いることができる。
<反射防止層124>
反射防止フイルム126は、上述したハードコート層122上に反射防止層124を形成したフイルム(下層の透明フイルム130を含む場合もある)であり、光学干渉を利用しているため、反射防止層124は以下に述べる屈折率と光学厚みを有することが好ましい。反射防止層124は1層のみでもよいが、より低い反射率が求められる場合には複数の反射防止層124を積層して形成する。複数の反射防止層124の積層には、異なる屈折率を有する光学干渉層を交互に積層してもよく、異なる屈折率を有する光学干渉層を2層以上積層してもよい。具体的には、ハードコート層122上に低屈折率層のみを設ける態様、ハードコート層122上に高屈折率層、低屈折率層をこの順に設ける態様、ハードコート層122上に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層をこの順に設ける態様が常用されている。なお、屈折率層の低、中、高は、屈折率の相対的な大小関係の表現である。また、低屈折率層の屈折率は、上述したハードコート層122の屈折率より低く設定することが好ましい。低屈折率層とハードコート層122との屈折率差が小さすぎる場合は反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。低屈折率層とハードコート層122との屈折率差は0.01以上0.40以下が好ましく、0.05以上0.30以下がより好ましい。
各層の屈折率と厚みは、以下を満たすことが好ましい。
すなわち、低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.42であることがより好ましく、1.30〜1.38であることが特に好ましい。また、低屈折率層の厚さは、50〜150nmであることが好ましく、70〜120nmであることがさらに好ましい。
高屈折率層の上に低屈折率層を積層して、反射防止フイルム126を作製するためには、高屈折率層の屈折率は1.55〜2.40であることが好ましく、より好ましくは1.60〜2.20、さらに好ましくは、1.65〜2.10、最も好ましくは1.80〜2.00である。
透明フイルム130(あるいはタッチパネル100)から近い順に中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を積層して反射防止フイルム126を作製する場合、高屈折率層の屈折率は、1.65〜2.40であることが好ましく、1.70〜2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.55〜1.80であることが好ましい。なお、高屈折率層、中屈折率層の厚みは、屈折率の範囲に応じた光学厚みとすることができる。
[低屈折率層]
上述の低屈折率層は、層の形成後に硬化させることが好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
本発明の低屈折率層を形成するための好ましい組成物としては少なくとも以下の何れかを含む組成物であることが好ましい。
(1)架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素ポリマーを含有する組成物、
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物、
が挙げられる。
(1)架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物
架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物としては、含フッ素モノマーと架橋性又は重合性の官能基を有するモノマーの共重合体を挙げることができる。
上記共重合体のうちで、主鎖が炭素原子のみからなり、且つ、含フッ素ビニルモノマー重合単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位とを含んでなる共重合体としては、特開2004−45462号公報の段落[0043]〜[0047]に記載のP−1〜P−40を用いることができる。また、耐擦傷性、すべり性の改良のためにシリコーン成分を導入した含フッ素ポリマーとして、側鎖にポリシロキサン部位を含む重合単位を有し、主鎖にフッ素原子を有するグラフトポリマーとしては特開2003−222702号公報の段落[0074]〜[0076]の表1及び表2に記載の化合物を用いることができ、主鎖にポリシロキサン化合物に由来する構造単位を含むエチレン性不飽和基含有フッ素重合体としては、特開2003−183322号公報に記載の化合物を用いることができる。
上記のポリマーに対しては特開2000−17028号公報に記載のごとく適宜重合性不飽和基を有する硬化剤を併用してもよい。また、特開2002−145952号公報に記載のごとく含フッ素の多官能の重合性不飽和基を有する化合物との併用も好ましい。多官能の重合性不飽和基を有する化合物の例としては、上記の2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。また、特開2004−170901号公報に記載のオルガノランの加水分解縮合物も好ましく、特に(メタ)アクリロイル基を含有するオルガノシランの加水分解縮合物が好ましい。これら化合物は、特にポリマー本体に重合性不飽和基を有する化合物を用いた場合に耐擦傷性改良に対する併用効果が大きく好ましい。
ポリマー自身が単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。例えばポリマー本体に水酸基含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。これら化合物の硬化には、有機酸又はその塩を用いるのが好ましい。
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物
含フッ素のオルガノシラン化合物の加水分解縮合物を主成分とする組成物も屈折率が低く、塗膜表面の硬度が高く好ましい。フッ素化アルキル基に対して片末端又は両末端に加水分解性のシラノールを含有する化合物とテトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。具体的組成物は、特開2002−265866号公報、特開2002−317152号公報に記載されている。
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物
さらに別の好ましい態様として、低屈折率の粒子とバインダーからなる低屈折率層が挙げられる。低屈折率粒子としては、有機でも無機でもよいが、内部に空孔を有する粒子が好ましい。中空粒子の具体例は、特開2002−79616号公報にシリカ系粒子が記載されている(例えば段落[0041]〜[0049]参照)。粒子屈折率は1.15〜1.40が好ましく、1.20〜1.30がさらに好ましい。バインダーとしては、上述したハードコート層122の項で述べた2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。
低屈折率層には、上述したハードコート層122の項で述べた重合開始剤(例えば特開2006−30740号公報の段落[0090]〜[0093]参照)を添加することが好ましい。ラジカル重合性化合物を含有する場合には、該化合物100質量部に対して1〜10質量部、好ましくは1〜5質量部の重合開始剤を使用できる。
低屈折層には、無機粒子を併用することができる。耐擦傷性を付与するために、低屈折率層の厚みの15%〜150%、好ましくは30%〜100%、さらに好ましくは45%〜60%の粒径を有する微粒子を使用することができる。
低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のポリシロキサン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することができる。
[高屈折率層/中屈折率層]
反射防止フイルム126には、上述したように低屈折率層とハードコート層122の間に屈折率の高い層を設け、反射防止性を高めることができる。
高屈折率層及び中屈折率層は、高屈折無機微粒子とバインダーを含有する硬化性組成物から形成されることが好ましい。ここで使用することのできる高屈折率無機微粒子は、ハードコート層122の屈折率を高めるために含有することのできる高屈折率の無機微粒子を用いることができる。高屈折率の無機微粒子としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。
高屈折率層及び中屈折率層は、分散媒体中に無機粒子を分散した分散液に、好ましくは、さらにマトリックス形成に必要なバインダー前駆体(例えば、後述する電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマー等)、光重合開始剤等を加えて高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物とし、例えば透明フイルム上に高屈折率層及び中屈折率層形成用の塗布組成物を塗布して、電離放射線硬化性化合物(例えば、多官能モノマーや多官能オリゴマー等)の架橋反応又は重合反応により硬化させて形成することが好ましい。
さらに、高屈折率層及び中屈折率層のバインダーを層の塗布と同時又は塗布後に、分散剤と架橋反応又は重合反応させることが好ましい。
このようにして作製した高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、例えば、上述した好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取り込まれた形となる。さらに高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機粒子を含有する高屈折率層及び中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層のバインダーは、該高屈折率層の塗布組成物の固形分量に対して、5〜80質量%添加する。
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機粒子は高屈折率層内で2種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明フイルム130の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層を光学干渉層として用いるときの膜厚は、30〜200nmが好ましく、より好ましくは50〜170nm、特に好ましくは60〜150nmである。
高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
低屈折率層を設けた反射防止フイルム126の好ましい積分反射率は、3.0%以下が好ましく、さらに好ましくは2.0%以下であり、最も好ましくは1.5%以下0.3%以上である。
また、防汚性向上の観点から、低屈折率層表面の表面自由エネルギーを下げることが好ましい。具体的には、含フッ素化合物やポリシロキサン構造を有する化合物を低屈折率層に使用することが好ましい。また、低屈折率層の上に下記の化合物を含む防汚層を低屈折率層とは別に設けてもよい。
ポリシロキサン構造を有する添加剤としては、反応性基含有ポリシロキサン{例えば“KF−100T”、“X−22−169AS”、“KF−102”、“X−22−3701IE”、“X−22−164B”、“X−22−5002”、“X−22−173B”、“X−22−174D”、“X−22−167B”、“X−22−161AS” (商品名)、以上信越化学工業(株)製;“AK−5”、“AK−30”、“AK−32”(商品名)、以上東亜合成(株)製;「サイラプレーンFM0725」、「サイラプレーンFM0721」(商品名)、以上チッソ(株)製等}を添加するのも好ましい。また、特開2003−112383号公報の表2、表3に記載のシリコーン系化合物も好ましく使用できる。これらのポリシロキサンは低屈折率層全固形分の0.1〜10質量%の範囲で添加されることが好ましく、特に好ましくは1〜5質量%の場合である。
〔反射防止フイルム126の作製方法〕
反射防止フイルム126は、以下の塗布方式で形成することができるが、これらに制限されるものではない。
(塗布の準備作業)
先ず、ハードコート層122や反射防止層124等の各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。通常、塗布液は有機溶媒系が主であるので含水量を2%以下に抑制すると共に、密閉して溶媒の揮発量を抑制することが必要である。用いる有機溶媒は各層に用いられる材料により選択される。塗布液の均一性を得るために適宜、攪拌機や分散機が使用される。
調整された塗布液は、塗布故障を発生させないために塗布前に濾過されることが望ましい。濾過のフィルタは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましく、濾過圧力も1.5MPa以下で適宜選択される。濾過した塗布液は、塗布直前に超音波分散して、脱泡、分散物の分散保持することが好ましい。
透明フイルム130は、塗布前に、ベース変形の矯正のための加熱処理、又は、塗工性改良や塗設層との接着性改良のための表面処理を施してもよい。表面処理の具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
さらに塗布の前工程として、除塵工程を設けることが好ましく、それに用いられる除塵方法としては、特開2010−32795号公報の段落[0119]に記載の方法を用いることができる。また、このような除塵工程を行う前に、透明フイルム130上の静電気を除電しておくことは、除塵効率を上げ、ゴミの付着を抑える点で特に好ましい。このような除電方法としては、特開2010−32795号公報の段落[0120]に記載の方法を用いることができる。さらに上記公報の段落[0121]及び[0123]記載の方法により、透明フイルム130の平面性の確保、接着性の改良をしてもよい。
(塗布工程)
反射防止フイルム126の各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許第2681294号明細書、国際公開第05/123274号パンフレット参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。マイクログラビアコート法については、特開2010−32795号公報の段落[0125]及び[0126]に、ダイコート法については、上記公報の段落[0127]及び[0128]に記載されており、本実施の形態においてもこれらの方法を用いることができる。ダイコート法を用い、20m/分以上の速度で塗布することが生産性の点で好ましい。
(乾燥工程)
反射防止フイルム126は、透明フイルム130上に直接又は他の層を介して塗布された後、溶媒を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
溶媒を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては、特開2001−286817号公報、同2001−314798号公報、同2003−126768号公報、同2003−315505号公報、同2004−34002号公報等の記載技術が挙げられる。
乾燥ゾーンの温度条件については特開2010−32795号公報の段落[0130]に、乾燥風の条件については同公報の段落[0131]に記載されているそれぞれの条件を用いることができる。
(硬化工程)
反射防止フイルム126は、溶媒の乾燥の後又は乾燥の後期に、ウェブとして電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。上述の電離放射線は特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線等から適宜選択することができるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
紫外線硬化性化合物を光重合させる紫外線の光源については特開2010−32795号公報の段落[0133]に記載の光源を用いることができ、電子線については同公報の段落[0134]に記載の電子線を用いることができる。また、照射条件、照射光量、照射時間については同公報の段落[0135]及び[0138]に記載の条件を用いることができる。さらに、照射前後のフイルムの膜面温度、酸素濃度、酸素濃度の制御方法については、同公報の段落[0136]、[0137]、[0139]〜[0144]に記載の条件、方法を用いることができる。
(連続製造のためのハンドリング)
反射防止フイルム126を連続的に製造するためには、ロール状の透明フイルム130を連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する該透明フイルム130を巻き取る工程が行われる。
上記工程は、各層の形成毎に行ってもよいし、塗布部−乾燥室−硬化部を複数設けて(いわゆるタンデム方式)、各層の形成を連続的に行うことも可能である。
反射防止フイルム126を作製するためには、上記したように塗布液の精密濾過操作と同時に、塗布部における塗布工程及び乾燥室で行われる乾燥工程が高い清浄度の空気雰囲気下で行われ、且つ、塗布が行われる前に、透明フイルム130上のゴミ、ほこりが十分に除かれていることが好ましい。塗布工程及び乾燥工程の空気清浄度は、米国連邦規格209Eにおける空気清浄度の規格に基づき、クラス10(0.5μm以上の粒子が353個/m3以下)以上であることが望ましく、さらに好ましくはクラス1(0.5μm以上の粒子が35.5個/m3以下)以上であることが望ましい。また、空気清浄度は、塗布−乾燥工程以外の送り出し、巻き取り部等においても高いことがより好ましい。
画像の鮮明性を維持する目的では、反射防止フイルム126はその表面形状をできるだけ平滑に調整することに加えて、透過画像鮮明度を調整することが好ましい。反射防止フイルム126の透過画像鮮明度は60%以上が好ましい。透過画像鮮明度は、一般にフイルムを透過して映す画像の呆け具合を示す指標であり、この値が大きい程、フイルムを通して見る画像が鮮明で良好であることを示す。透過画像鮮明度は好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上である。
反射防止フイルム126は、表示装置108の視認側の表面フイルムとして用いることができる。表示装置108としては、各種の液晶表示装置、プラズマディスプレイ、有機EL、タッチパネル等、各種の表示装置に適用できる。反射防止フイルム126を用いる表示装置108の最表面の性質によって、反射防止フイルム126における透明フイルム130の塗布層を有さない側の表面(以下、背面と記す場合がある)に接着剤層を設けたり、透明フイルム130の前記背面をケン化したりしてタッチパネル100に張り合わせることができる。
透明フイルム130の前記背面をケン化する方法については、特開2010−32795号公報の段落[0149]〜[0160]に記載の技術を用いることができる。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
Figure 2011129112
Figure 2011129112
以下に、本発明の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例に示される材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
比較例1及び2、実施例1〜6に係る導電シートについて、表面抵抗及び透過率を測定し、モアレ及び視認性を評価した。比較例1及び2、実施例1〜6の内訳並びに測定結果及び評価結果を表3に示す。
<実施例1〜6、比較例1、2>
(ハロゲン化銀感光材料)
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10-7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体12A及び第2透明基体12B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
(露光)
露光のパターンは、第1導電シート10Aについては図1及び図4に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図4及び図6に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体12A及び第2透明基体12Bに行った。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
(現像処理)
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
(実施例1)
作製した第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電部(第1導電パターン22A、第2導電パターン22B)の線幅は1μm、小格子18の一辺の長さは50μm、大格子(第1大格子14A及び第2大格子14B)の一辺の長さは3mmであった。
(実施例2)
導電部の線幅を5μmとし、小格子18の一辺の長さを50μmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例3)
導電部の線幅を9μmとし、小格子18の一辺の長さを150μmとし、大格子の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例4)
導電部の線幅を10μmとし、小格子18の一辺の長さを300μmとし、大格子の一辺の長さを6mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例5)
導電部の線幅を15μmとし、小格子18の一辺の長さを400μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例6)
導電部の線幅を20μmとし、小格子18の一辺の長さを500μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(比較例1)
導電部の線幅を0.5μmとし、小格子18の一辺の長さを40μmとし、大格子の一辺の長さを3mmとした点以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(比較例2)
導電部の線幅を25μmとし、小格子18の一辺の長さを500μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、比較例1と同様にして、比較例3に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(表面抵抗測定)
検出精度の良否を確認するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値である。
(透過率の測定)
透明性の良否を確認するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを分光光度計を用いて透過率を測定した。
(モアレの評価)
比較例1及び2、実施例1〜6について、第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して積層導電シートを作製し、その後、液晶表示装置の表示画面に積層導電シートを貼り付けてタッチパネルを構成した。その後、タッチパネルを回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させる。その状態で、回転盤をバイアス角−45°〜+45°の間で回転し、モアレの目視観察・評価を行った。
モアレの評価は、液晶表示装置の表示画面から観察距離1.5mで行い、モアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られた場合を△、モアレが顕在化した場合を×とした。
(視認性の評価)
上述のモアレの評価に先立って、タッチパネルを回転盤に設置し、液晶表示装置を駆動して白色を表示させた際に、線太りや黒い斑点がないかどうか、また、タッチパネルの第1大格子14A及び第2大格子14Bの境界が目立つかどうかを肉眼で確認した。
Figure 2011129112
表3から、比較例1はモアレ及び視認性の評価は共に良好であったが、比較例1は表面抵抗が1キロオーム/sq.以上であり、導電性が低く、検出感度が不十分になるおそれがある。比較例2は、導電性及び透過率共に良好であったが、モアレが顕在化し、導電部自体が肉眼で認識しやすくなり、視認性が劣化した。
これに対して、実施例1〜6のうち、実施例1〜5は、導電性、透過率、モアレ、視認性共に良好であった。実施例6はモアレの評価及び視認性の評価が実施例1〜5よりも劣っているが、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られる程度であり、表示装置の表示画像が見え難くなるということはなかった。
なお、本発明に係る導電シート、導電シートの使用方法及びタッチパネルは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10A…第1導電シート 10B…第2導電シート
12A…第1透明基体 12B…第2透明基体
14A…第1大格子 14B…第2大格子
16A…第1接続部 16B…第2接続部
18…小格子 20…中格子
20a〜20h…第1中格子〜第8中格子
22A…第1導電パターン 22B…第2導電パターン
24A…第1絶縁部 24B…第2絶縁部
28a〜28h…第1辺部〜第8辺部 50A…第1積層導電シート
50B…第2積層導電シート

Claims (15)

  1. 基体と、
    前記基体上に形成された導電部とを有し、
    前記導電部は、金属細線による2以上の導電性の大格子と、隣接する前記大格子間を電気的に接続する金属細線による接続部とを有し、
    各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
    前記大格子の少なくとも一辺には、前記大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による線分により前記大格子内部と略同様のパターンが形成されていることを特徴とする導電シート。
  2. 請求項1記載の導電シートにおいて、
    前記線分は前記小格子の一辺の長さの整数倍の長さであることを特徴とする導電シート。
  3. 請求項1又は2記載の導電シートにおいて、
    前記大格子の少なくとも一辺に、複数の前記線分が接続され、
    複数の前記線分の配列ピッチは、前記小格子の一辺の長さの整数倍であることを特徴とする導電シート。
  4. 請求項3記載の導電シートにおいて、
    複数の前記線分は平行に配列されていることを特徴とする導電シート。
  5. 請求項1記載の導電シートにおいて、
    前記大格子の辺のうち、前記線分が接続された辺と対向する辺には前記線分が接続されていないことを特徴とする導電シート。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
    前記金属細線の線幅が1μm以上15μm以下であることを特徴とする導電シート。
  7. 基体と、
    前記基体の一方の主面に形成された第1導電部と、
    前記基体の他方の主面に形成された第2導電部とを有し、
    前記第1導電部は、金属細線による2以上の導電性の第1大格子と、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部とを有し、
    前記第2導電部は、金属細線による2以上の導電性の第2大格子と、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部とを有し、
    各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
    前記第1大格子の少なくとも一辺には、前記第1大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第1線分により前記第1大格子内部と略同様のパターンが形成され、
    前記第2大格子の少なくとも一辺には、前記第2大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第2線分により前記第2大格子内部と略同様のパターンが形成されていることを特徴とする導電シート。
  8. 請求項7記載の導電シートにおいて、
    前記第1線分及び前記第2線分は前記小格子の一辺の長さの整数倍の長さであることを特徴とする導電シート。
  9. 請求項8記載の導電シートにおいて、
    前記第1大格子の少なくとも一辺に、複数の前記第1線分が接続され、
    前記第2大格子の少なくとも一辺に、複数の前記第2線分が接続され、
    複数の前記第1線分及び前記第2線分の配列ピッチは、前記小格子の一辺の長さの整数倍であることを特徴とする導電シート。
  10. 請求項9記載の導電シートにおいて、
    複数の前記第1線分は互いに平行に配列され、
    複数の前記第2線分は互いに平行に配列されていることを特徴とする導電シート。
  11. 請求項7記載の導電シートにおいて、
    前記第1線分及び前記第2線分により、前記第1大格子内部及び前記第2大格子内部と同様のパターンが形成されていることを特徴とする導電シート。
  12. 請求項7記載の導電シートにおいて、
    前記第1大格子の辺のうち、前記第2大格子の辺であって、且つ、前記第2線分が接続された辺と対向する辺には前記第1線分が接続されておらず、
    前記第2大格子の辺のうち、前記第1大格子の辺であって、且つ、前記第1線分が接続された辺と対向する辺には前記第2線分が接続されていないことを特徴とする導電シート。
  13. 請求項7〜12のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
    前記金属細線の線幅が1μm以上15μm以下であることを特徴とする導電シート。
  14. 金属細線による2以上の導電性の第1大格子と、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部とが形成され、各前記第1大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第1大格子の少なくとも一辺に、前記第1大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第1線分により前記第1大格子内部と略同様のパターンが形成された第1導電シートと、
    金属細線による2以上の導電性の第2大格子と、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部とが形成され、各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第2大格子の少なくとも一辺に、前記第2大格子から電気的に接続されて延伸された金属細線による第2線分により前記第2大格子内部と略同様のパターンが形成された第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、
    前記第1導電シートは、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、
    前記第2導電シートは、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、
    前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1線分及び前記第2線分により、前記第1大格子内部及び前記第2大格子内部と同様のパターンが形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。
  15. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の導電シートを有することを特徴とする静電容量方式タッチパネル。
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