JP5123370B2 - 導電シート、導電シートの使用方法及び静電容量方式タッチパネル - Google Patents
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Description
タッチパネルは、PDA(携帯情報端末)や携帯電話等の小サイズへの適用が主となっているが、パソコン用ディスプレイ等への適用による大サイズ化が進むと考えられる。
このような将来の動向において、従来の電極は、ITO(酸化インジウムスズ)を用いていることから、抵抗が大きく(数百オーム/sq.程度)、適用サイズが大きくなるにつれて、電極間の電流の伝達速度が遅くなり、応答速度(指先を接触してからその位置を検出するまでの時間)が遅くなるという問題がある。
そこで、金属製の細線(金属細線)にて構成した格子を多数並べて電極を構成することで表面抵抗を低下させることが考えられる。金属細線を電極に用いたタッチパネルとしては、例えば、特許文献3〜8が知られている。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適な導電シート及び導電シートの使用方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる静電容量方式タッチパネルを提供することを目的とする。
[2] 第1の本発明において、前記第1大格子の辺における直線部と前記第2大格子の辺における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする。
[3] 第1の本発明において、前記第1大格子の辺と該辺と対向する前記第2大格子の辺との最短距離を前記基体の一方の主面に投影した距離を前記組合せパターンの幅と定義したとき、前記組合せパターンの幅は、前記小格子の辺の長さの1倍以上の長さを有することを特徴とする。
[4] 第1の本発明において、前記組合せパターンの幅は、前記小格子の辺の長さの2倍〜10倍の長さを有することを特徴とする。
[5] 第1の本発明において、前記第1非接続パターンは、それぞれ前記小格子の一部を除去した形状が2以上、前記第1大格子の辺に沿って配列された形状を有し、前記第2非接続パターンは、それぞれ前記小格子の一部を除去した形状が2以上、前記第2大格子の辺に沿って配列された形状を有することを特徴とする。
[6] 第1の本発明において、前記小格子の形状が正方形であり、前記第1非接続パターン及び前記第2非接続パターンは、それぞれ前記小格子の1つの辺を除去した形状が2以上配列された形状を有することを特徴とする。
[7] 第1の本発明において、前記基体の一方の主面に、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部が形成され、前記基体の他方の主面に、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部が形成され、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、2以上の前記第1導電パターンが前記第2方向に配列され、2以上の前記第2導電パターンが前記第1方向に配列され、前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、隣接する前記第1導電パターン間は電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、隣接する前記第2導電パターン間は電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが前記基体を間に挟んで対向し、前記第1接続部と前記第2接続部とが対向することによる組合せパターンは2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする。
[8] 第1の本発明において、前記第1絶縁部は、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1絶縁パターンが形成され、前記第2絶縁部は、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2絶縁パターンが形成され、前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる前記第1絶縁パターンと前記第2絶縁パターンとの組合せパターンは2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする。
[9] 第1の本発明において、前記第1絶縁パターンは、2以上の前記小格子が配列された集合部分を有し、前記第2絶縁パターンは、前記集合部分に対応した空白部分を有することを特徴とする。
[10] 第1の本発明において、前記第1絶縁パターンは、前記小格子を構成する2つの辺が連続して配列された波線部分を有し、前記第2絶縁パターンは、前記小格子を構成する連続する2つの辺が配列され、且つ、前記第1絶縁パターンの前記波線部分とは逆パターンの波線部分を有することを特徴とする。
[11] 第1の本発明において、前記小格子の配列ピッチをPとし、隣接する前記第1導電パターン間の最短距離を前記第1絶縁部の幅と定義したとき、前記第1絶縁部の幅はm×P(mは1以上の整数)であり、且つ、前記第1絶縁パターンのうち、前記第1絶縁部の幅の方向の部分の最大長さがm×P以下であり、隣接する前記第2導電パターン間の最短距離を前記第2絶縁部の幅と定義したとき、前記第2絶縁部の幅はn×P(nは1以上の整数)であり、且つ、前記第2絶縁パターンのうち、前記第2絶縁部の幅の方向の部分の最大長さがn×P以下であることを特徴とする。
[12] 第1の本発明において、前記小格子は多角形状であることを特徴とする。
[13] 第1の本発明において、前記小格子は少なくとも一辺が湾曲形状を有することを特徴とする。
[14] 第1の本発明において、前記小格子は少なくとも一辺が円弧形状を有することを特徴とする。
[15] 第2の本発明に係る導電シートは、基体と、基体の一方の主面に形成された導電部とを有し、前記導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の導電パターンを有し、前記導電パターンは、2以上の大格子が前記第1方向に直列に接続されて構成され、各前記大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成されていることを特徴とする。
[16] 第2の本発明において、前記金属細線の線幅が1〜15μmであることを特徴とする。
[17] 第3の本発明に係る導電シートは、基体の一方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第1大格子が形成され、前記基体の他方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第2大格子が形成され、各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、上面から見たとき、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置された形態とされ、前記第1大格子と前記第2大格子との間に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが対向することによる組合せパターンが形成され、前記組合せパターンは、各前記第1大格子及び各前記第2大格子の内部と略同様のパターンとなるように組み合わされて構成されていることを特徴とする。
[18] 第3の本発明において、前記第1大格子の辺における直線部と前記第2大格子の辺における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする。
[19] 第4の本発明に係る導電シートは、表示装置の表示パネル上に配置されるタッチパネルの導電シートであって、第1基体と、該第1基体の主面に形成された第1導電部とを有する第1導電シートと、第2基体と、該第2基体の主面に形成された第2導電部とを有する第2導電シートとを有し、前記第2導電シート上に前記第1導電シートが積層され、前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、前記第1導電パターンは、2以上の第1大格子が前記第1方向に配列されて構成され、前記第2導電パターンは、2以上の第2大格子が前記第2方向に配列されて構成され、前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、上面から見たとき、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置された形態とされ、前記第1大格子と前記第2大格子との間に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが対向することによる組合せパターンが形成され、前記組合せパターンは、2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする。
[20] 第4の本発明において、前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターンの端部に接続された第1端子配線パターンと、前記第1導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第1端子配線パターンが接続された複数の第1端子とを有し、前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターンの端部に接続された第2端子配線パターンと、前記第2導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第2端子配線パターンが接続された複数の第2端子とを有することを特徴とする。
[21] 第4の本発明において、前記第1導電シート及び前記第2導電シートを上面から見たとき、複数の前記第1端子が配列された部分と、複数の前記第2端子が配列された部分とが隣接していることを特徴とする。
[22] 第4の本発明において、各前記第1導電パターンの端部と対応する前記第1端子配線パターンとがそれぞれ第1結線部を介して接続され、各前記第2導電パターンの端部と対応する前記第2端子配線パターンとがそれぞれ第2結線部を介して接続され、複数の前記第1結線部が前記第2方向に沿って直線状に配列され、複数の前記第2結線部が前記第1方向に沿って直線状に配列されていることを特徴とする。
[23] 第5の本発明に係る導電シートの使用方法は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された金属細線による2以上の導電性の第1大格子を有する第1導電シートと、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された金属細線による2以上の導電性の第2大格子を有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置されると共に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする。
[24] 第5の本発明において、前記第1導電シートにおける隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部が形成され、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、2以上の前記第1導電パターンが前記第1方向と直交する第2方向に配列され、前記第2導電シートにおける隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部が形成され、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、2以上の前記第2導電パターンが前記第1方向に配列され、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1接続部と前記第2接続部とが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする。
[25] 第5の本発明において、前記第1導電シートにおける隣接する前記第1導電パターン間に、電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、前記第1絶縁部に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1絶縁パターンが形成され、前記第2導電シートにおける隣接する前記第2導電パターン間に、電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、前記第2絶縁部に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2絶縁パターンが形成され、前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1絶縁パターンと前記第2絶縁パターンとが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする。
[26] 第6の本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、上述した第1〜第4の本発明に係る導電シートを有することを特徴とする。
また、本発明に係る静電容量方式タッチパネルは、基体上に形成される導電パターンの低抵抗化を図ることができると共に、視認性も向上させることができ、例えば投影型静電容量方式のタッチパネルの大サイズ化にも対応させることができる。
第1導電シート10Aは、図1に示すように、第1透明基体14A(図2参照)の一主面上に形成された第1導電部13Aを有する。この第1導電部13Aは、金属細線15による2以上の導電性の第1大格子16Aが形成され、各第1大格子16Aは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成され、各第1大格子16Aの辺の周囲に、第1大格子16Aと非接続とされた金属細線15による第1ダミーパターン20A(第1非接続パターン)が形成されている。また、隣接する第1大格子16A間には、これら第1大格子16Aを電気的に接続する金属細線15による第1接続部22Aが形成されている。第1接続部22Aは、小格子18のn倍(nは1より大きい実数)のピッチを有する1以上の中格子24(24a〜24d)が配置されて構成されている。小格子18は、ここでは一番小さい正方形状とされている。金属細線15は例えば金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)で構成されている。
x方向は、例えば後述する投影型静電容量方式のタッチパネル100(図3参照)の水平方向(又は垂直方向)あるいはタッチパネル100を設置した表示パネル110の水平方向(又は垂直方向)を示す。
具体的には、第1集合パターン部36aは、複数の小格子18による4つの直線部分(2つの長い直線部分と2つの短い直線部分)が組み合わされて構成されている。各直線部分は、複数の小格子18がそれぞれ頂点を結ぶように配列されて構成されている。3つの空白部38は、第1絶縁部28Aを間に挟んで隣接する2つの第1大格子16A及び第2大格子16Bに注目したとき、第1集合パターン部36aにて囲まれた小格子18の存在しない第1空白部38aと、一方の第1大格子16Aにおける他方の頂点30a付近の小格子18が存在しない第2空白部38bと、他方の第1大格子16Aにおける一方の頂点30a付近の小格子18が存在しない第3空白部38cとで構成される。
タッチパネル100は、センサ本体102と図示しない制御回路(IC回路等で構成)とを有する。センサ本体102は、図3、図4及び図5Aに示すように、上述した第1導電シート10Aと後述する第2導電シート10Bと積層されて構成された第1の実施の形態に係るタッチパネル用導電シート(以下、第1積層導電シート12Aと記す)と、その上に積層された保護層106(図5Aでは保護層106の記述を省略している)とを有する。第1積層導電シート12A及び保護層106は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置108における表示パネル110上に配置されるようになっている。センサ本体102は、上面から見たときに、表示パネル110の表示画面110aに対応した領域に配されたセンサ部112と、表示パネル110の外周部分に対応する領域に配された端子配線部114(いわゆる額縁)とを有する。
図4に示すように、1つ置き(例えば奇数番目)の第2導電パターン26Bの一方の端部側に存在する第2大格子16Bの開放端、並びに偶数番目の第2導電パターン26Bの他方の端部側に存在する第2大格子16Bの開放端には、それぞれ第2接続部22Bが存在しない形状となっている。一方、奇数番目の各第2導電パターン26Bの他方の端部側に存在する第2大格子16Bの端部、並びに偶数番目の各第2導電パターン26Bの一方の端部側に存在する第2大格子16Bの端部は、それぞれ第2結線部40bを介して金属細線15による第2端子配線パターン42bに電気的に接続されている。
そして、センサ部112に対応した部分に、多数の第2導電パターン26Bが配列され、端子配線部114には各第2結線部40bから導出された複数の第2端子配線パターン42bが配列されている。
なお、第1端子配線パターン42aの導出形態を上述した第2端子配線パターン42bと同様にし、第2端子配線パターン42bの導出形態を上述した第1端子配線パターン42aと同様にしてもよい。
そして、この第1積層導電シート12Aをタッチパネルとして使用する場合は、第1導電シート10A上に保護層106を形成し、第1導電シート10Aの多数の第1導電パターン26Aから導出された第1端子配線パターン42aと、第2導電シート10Bの多数の第2導電パターン26Bから導出された第2端子配線パターン42bとを、例えばスキャンをコントロールする制御回路に接続する。
第2大格子16Bの4つの長辺、すなわち、一方の第2絶縁部28Bと対向する第3短辺44cに隣接する第1長辺46a及び第2長辺46b、並びに他方の第2絶縁部28Bと対向する第4短辺44dに隣接する第3長辺46c及び第4長辺46dは、それぞれ直線形状を有する。
具体的には、第2集合パターン部36bは、図1に示した第1導電パターン26Aにおける第1絶縁パターン34Aの第1空白部38aに収まる数(例えば6つ)の小格子18がそれぞれ頂点を結ぶようにマトリクス状に配列されて構成されている。
同様に、第2屈曲パターン部48bは、第2絶縁パターン34Bの他方の端部(一方の第2大格子16Bにおける第4短辺44dと第4長辺46dとの境界と、他方の第2大格子16Bにおける第3短辺44cと第2長辺46bとの境界との間)に形成された2つの略U字形状にて構成され、これら2つの略U字形状は一端で連結され、且つ、該一端での各辺のなす角がほぼ90°とされている。
第4空白部38dは、図1に示す第1絶縁パターン34Aの第1集合パターン部36aを構成する4つの直線部分が収まる形状の空白領域(小格子18が存在しない領域)にて構成されている。
また、上述したように、例えば第1大格子16Aの各辺に第2大格子16Bの長辺を重ねて、空白領域をなくした場合、第1大格子16Aの第1辺32a〜第4辺32dの直下に第2大格子16Bの第1長辺46a〜第4長辺46dが位置することになる。このとき、第1辺32a〜第4辺32d並びに第1長辺46a〜第4長辺46dもそれぞれ導電部分として機能することから、第1大格子16Aの辺と第2大格子16Bの長辺との間に寄生容量が形成され、この寄生容量の存在が電荷情報に対してノイズ成分として働き、S/N比の著しい低下を引き起こす。しかも、各第1大格子16Aと各第2大格子16B間に寄生容量が形成されることから、第1導電パターン26Aと第2導電パターン26Bに多数の寄生容量が並列に接続された形態となり、その結果、CR時定数が大きくなるという問題がある。CR時定数が大きくなると、第1導電パターン26A(及び第2導電パターン26B)に供給された電圧信号の波形の立ち上がり時間が遅くなり、所定のスキャン時間において位置検出のための電界の発生がほとんど行われなくなるおそれがある。また、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bからの伝達信号の波形の立ち上がり時間又は立ち下がり時間も遅くなり、所定のスキャン時間において伝達信号の波形の変化を捉えることができなくなるおそれがある。これは、検出精度の低下、応答速度の低下につながる。つまり、検出精度の向上、応答速度の向上を図るためは、第1大格子16A及び第2大格子16Bの数を減らしたり(分解能の低減)、適応させる表示画面のサイズを小さくするしかなく、例えばB5版、A4版、それ以上の大画面に適用させることができないという問題が生ずる。
そこで、上述の投影距離Lfの最適値(最適距離)は、小格子18の線幅を1〜9μmとしたとき、100〜400μmが好ましく、さらに好ましくは200〜300μmである。小格子18の線幅を狭くすれば、上述の最適距離も短くできるが、電気抵抗が高くなってくるため、寄生容量が小さくても、CR時定数が高くなってしまい、結果的に検出感度の低下、応答速度の低下を引き起こすおそれがある。従って、小格子18の線幅は上述の範囲が好ましい。
そして、例えば表示パネル110のサイズあるいはセンサ部112のサイズとタッチ位置検出の分解能(駆動パルスのパルス周期等)とに基づいて、第1大格子16A及び第2大格子16Bのサイズ並びに小格子18のサイズが決定され、小格子18の線幅を基準に第1大格子16Aと第2大格子16B間の最適距離が割り出されることになる。
これにより、複数の第1端子116a及び複数の第2端子116bを、2つのコネクタ(第1端子用コネクタ及び第2端子用コネクタ)あるいは1つのコネクタ(第1端子116a及び第2端子116bに接続される複合コネクタ)及びケーブルを介して制御回路に電気的に接続することができる。
また、第1端子配線パターン42aと第2端子配線パターン42bとが上下で重ならないようにしているため、第1端子配線パターン42aと第2端子配線パターン42b間での寄生容量の発生が抑制され、応答速度の低下を抑えることができる。
端子配線部114の面積をさらに小さくするには、隣接する第1端子配線パターン42a間の距離、隣接する第2端子配線パターン42b間の距離を狭くすることが考えられるが、この場合、マイグレーションの発生防止を考慮すると、10μm以上50μm以下が好ましい。
しかも、第1導電シート10Aの第1大格子16Aの周辺に形成された第1ダミーパターン20Aと第2導電シート10Bの第2大格子16Bの周辺に形成された第2ダミーパターン20Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられ、また、第1接続部22Aと第2接続部22Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられ、さらに、第1絶縁パターン34Aと第2絶縁パターン34Bとの組み合わせによって複数の小格子18が形づくられることから、第1導電シート10Aの第1大格子16Aと第2導電シート10Bの第2大格子16Bとの境界が目立たなくなり、局部的に線太りが生じる等の不都合もなくなり、全体として、視認性が良好となる。
また、多数の第1導電パターン26A及び第2導電パターン26BのCR時定数を大幅に低減することができ、これにより、応答速度を速めることができ、駆動時間(スキャン時間)内での位置検出も容易になる。これは、タッチパネル100の画面サイズ(縦×横のサイズで、厚みを含まず)の大型化を促進できることにつながる。
また、小格子18の形状を正方形状としたが、その他、多角形状としてもよい。また、一辺の形状を直線状のほか、湾曲形状でもよいし、円弧状にしてもよい。円弧状とする場合は、例えば対向する2辺については、外方に凸の円弧状とし、他の対向する2辺については、内方に凸の円弧状としてもよい。また、各辺の形状を、外方に凸の円弧と内方に凸の円弧が連続した波線形状としてもよい。もちろん、各辺の形状を、サイン曲線にしてもよい。
また、小格子18のサイズ(1辺の長さや対角線の長さ等)や、第1大格子16Aを構成する小格子18の個数、第2大格子16Bを構成する小格子18の個数も、適用されるタッチパネルのサイズや分解能(配線数)に応じて適宜設定することができる。
すなわち、図8Aに示す第1構成例は、表示装置108上に透明接着剤120を介して図5Bに示す第1積層導電シート12A(第1導電部13A、第1透明基体14A及び第2導電部13B)が積層され、さらに、この第1積層導電シート12A上にハードコート層122が積層され、該ハードコート層122上に反射防止層124が積層された構成を有する。ここで、表示装置108上の透明接着剤120、第2導電部13B、第1透明基体14A及び第1導電部13Aにてタッチパネル100が構成され、該タッチパネル100上のハードコート層122及び反射防止層124にて反射防止フイルム126が構成される。
この第2積層導電シート12Bは、図9に示すように、上述した第1積層導電シート12Aとほぼ同様の構成を有するが、第1絶縁部28Aにおける第1絶縁パターン34Aの形状及び第2絶縁部28Bにおける第2絶縁パターン34Bの形状が異なる。
この第2積層導電シート12Bにおいても、図示しないが、第1結線部40a及び第2結線部40bの配列状態、端子配線部114での第1端子配線パターン42a及び第2端子配線パターン42bの配列状態、第1端子116a及び第2端子116bの配列状態は、上述した第1積層導電シート12Aと同様である。
この第3積層導電シート12Cは、図13に示すように、上述した第1積層導電シート12Aとほぼ同様の構成を有するが、第1絶縁部28Aにおける第1絶縁パターン34Aの形状及び第2絶縁部28Bにおける第2絶縁パターン34Bの形状が異なる。
また、第1絶縁パターン34Aは、隣接する第3波線部分50cと第4波線部分50dとの間に第1空白部38aが配され、隣接する第1波線部分50aと第3波線部分50cとの間に第2空白部38bが配され、隣接する第2波線部分50bと第4波線部分50dとの間に第3空白部38cが配されている。
また、第1絶縁パターン34Aにおける第1波線部分50a及び第3波線部分50cと、第2絶縁パターン34Bにおける第5波線部分50eの波の方向は共に逆方向(逆パターン)とされ、同様に、第1絶縁パターン34Aにおける第2波線部分50b及び第4波線部分50dと、第2絶縁パターン34Bにおける第6波線部分50fの波の方向は共に逆方向(逆パターン)とされている。
この第3積層導電シート12Cにおいても、図示しないが、第1結線部40a及び第2結線部40bの配列状態、端子配線部114での第1端子配線パターン42a及び第2端子配線パターン42bの配列状態、第1端子116a及び第2端子116bの配列状態は、上述した第1積層導電シート12Aと同様である。
この第4積層導電シート12Dは、図17及び図18Aに示すように、上述した第1積層導電シート12A等と同様に、第2導電シート10B上に第1導電シート10Aが積層されて構成されている。第1導電シート10Aは、第1透明基体14Aの一主面上に形成された第1導電部13Aを有し、第2導電シート10Bは、第2透明基体14Bの一主面上に形成された第2導電部13Bを有する。
第1導電部13Aは、図17及び図19に示すように、それぞれ第1方向(x方向)に延在し、且つ、第1方向と直交する第2方向(y方向)に配列され、多数の格子にて構成された2以上の第1導電パターン26Aと、各第1導電パターン26Aの周辺に配列された第1ダミーパターン20Aとを有する。
隣接する第1大格子16A間には、これら第1大格子16Aを電気的に接続する第1接続部22Aが形成されている。第1方向と第2方向とを二等分する方向を第3方向(m方向)とし、第3方向と直交する方向を第4方向(n方向)としたとき、第1接続部22Aは、n個(nは1より大きい実数)の小格子18が第4方向に配列された大きさの中格子24が配置されて構成されている。第1大格子16Aの第4方向と直交する辺32のうち、中格子24と隣接する部分には、小格子18の1つの辺が欠除した第1欠除部60Aが形成されている。中格子24は、図19の例では、3個分の小格子18が第4方向に配列された大きさを有する。
また、隣接する第1導電パターン26A間は電気的に絶縁された第1絶縁部28Aが配されている。
各第1補助線62Aの軸線方向の長さは、小格子18の内周に沿った1つの辺の4/5以下、好ましくは1/2以下の長さを有する。また、各第1補助線62Aは、第1大格子16Aから所定距離だけ離間した位置に形成されている。所定距離は、小格子18の内周に沿った1つの辺の長さから第1補助線62Aの軸線方向の長さを差し引いた長さである。例えば第1補助線62Aの軸線方向の長さが、小格子18の内周に沿った1つの辺の4/5や1/2であれば、前記所定距離は、小格子18の内周に沿った1つの辺の1/5や1/2となる。
すなわち、タッチパネル100に適用した第1導電シート10Aは、図17に示すように、センサ部112に対応した部分に、上述した多数の第1導電パターン26Aが配列され、端子配線部114には各第1結線部40aから導出された複数の第1端子配線パターン42aが配列されている。
第2導電パターン26Bは、2以上の第2大格子16Bが第2方向に直列に接続されて構成され、各第2大格子16Bは、それぞれ2以上の小格子18が組み合わされて構成されている。また、第2大格子16Bの辺46の周囲に、第2大格子16Bと非接続とされた上述の第2ダミーパターン20Bが形成されている。
隣接する第2大格子16B間には、これら第2大格子16Bを電気的に接続する第2接続部22Bが形成されている。第2接続部22Bは、n個(nは1より大きい実数)の小格子18が第3方向に配列された大きさの中格子24が配置されて構成されている。第2大格子16Bの第3方向と直交する辺46のうち、中格子24と隣接する部分には、小格子18の1つの辺が欠除した第2欠除部60Bが形成されている。
また、隣接する第2導電パターン26B間は電気的に絶縁された第2絶縁部28Bが配されている。
各第2補助線62Bの軸線方向の長さは、上述した第1補助線62Aと同様に、小格子18の内周に沿った1つの辺の4/5以下、好ましくは1/2以下の長さを有する。また、各第2補助線62Bは、第2大格子16Bから所定距離だけ離間した位置に形成されている。この所定距離についても、上述した第1補助線62Aと同様に、小格子18の内周に沿った1つの辺の長さから第2補助線62Bの軸線方向の長さを差し引いた長さである。例えば第2補助線62Bの軸線方向の長さが、小格子18の内周に沿った1つの辺の4/5や1/2であれば、前記所定距離は、小格子18の内周に沿った1つの辺の1/5や1/2となる。
すなわち、タッチパネル100に適用した第2導電シート10Bは、センサ部112に対応した部分に、多数の第2導電パターン26Bが配列され、端子配線部114には各第2結線部40bから導出された複数の第2端子配線パターン42bが配列されている。
そして、例えば第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して第4積層導電シート12Dとしたとき、図21に示すように、第1導電パターン26Aと第2導電パターン26Bとが交差して配置された形態とされ、具体的には、第1導電パターン26Aの第1接続部22Aと第2導電パターン26Bの第2接続部22Bとが第1透明基体14A(図18A参照)を間に挟んで対向し、第1導電部13Aの第1絶縁部28Aと第2導電部13Bの第2絶縁部28Bとが第1透明基体14Aを間に挟んで対向した形態となる。
この第4積層導電シート12Dにおいても、図示しないが、第1結線部40a及び第2結線部40bの配列状態、端子配線部114での第1端子配線パターン42a及び第2端子配線パターン42bの配列状態、第1端子116a及び第2端子116bの配列状態は、上述した第1積層導電シート12Aと同様である。
なお、図18Bに示すように、第1透明基体14Aの一主面に第1導電部13Aを形成し、第1透明基体14Aの他主面に第2導電部13Bを形成するようにしてもよい。
上述の例では、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを投影型静電容量方式のタッチパネル100に適用した例を示したが、その他、表面型静電容量方式のタッチパネルや、抵抗膜式のタッチパネルにも適用することができることはもちろんである。
すなわち、第1透明基体14Aの両面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層に対して一括露光を行って、第1透明基体14Aの一主面に第1導電部13Aを形成し、第1透明基体14Aの他主面に第2導電部13Bを形成する。
先ず、図23のステップS1において、長尺の感光材料140を作製する。感光材料140は、図24Aに示すように、第1透明基体14Aと、該第1透明基体14Aの一方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第1感光層142aという)と、第1透明基体14Aの他方の主面に形成された感光性ハロゲン化銀乳剤層(以下、第2感光層142bという)とを有する。
すなわち、第1感光層142aに到達した第1光源148aからの第1光144aは、第1感光層142a中のハロゲン化銀粒子にて散乱し、散乱光として第1透明基体14Aを透過し、その一部が第2感光層142bにまで達する。そうすると、第2感光層142bと第1透明基体14Aとの境界部分が広い範囲にわたって露光され、潜像が形成される。そのため、第2感光層142bでは、第2光源148bからの第2光144bによる露光と第1光源148aからの第1光144aによる露光が行われてしまい、その後の現像処理にて第1積層導電シート12Aとした場合に、第2露光パターン152bによる導電パターン(第2導電部13B)に加えて、該導電パターン間に第1光源148aからの第1光144aによる薄い導電層が形成されてしまい、所望のパターン(第2露光パターン152bに沿ったパターン)を得ることができない。これは、第1感光層142aにおいても同様である。
すなわち、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に形成された銅箔上のフォトレジスト膜を露光、現像処理してレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出する銅箔をエッチングすることによって、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bを形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に金属微粒子を含むペーストを印刷し、ペーストに金属めっきを行うことによって、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bを形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bをスクリーン印刷版又はグラビア印刷版によって印刷形成するようにしてもよい。
あるいは、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bをインクジェットにより形成するようにしてもよい。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの製造方法は、感光材料と現像処理の形態によって、次の3通りの形態が含まれる。
(1) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を化学現像又は熱現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(2) 物理現像核をハロゲン化銀乳剤層中に含む感光性ハロゲン化銀黒白感光材料を溶解物理現像して金属銀部を該感光材料上に形成させる態様。
(3) 物理現像核を含まない感光性ハロゲン化銀黒白感光材料と、物理現像核を含む非感光性層を有する受像シートを重ね合わせて拡散転写現像して金属銀部を非感光性受像シート上に形成させる態様。
上記(2)の態様は、露光部では、物理現像核近縁のハロゲン化銀粒子が溶解されて現像核上に沈積することによって感光材料上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。これも一体型黒白現像タイプである。現像作用が、物理現像核上への析出であるので高活性であるが、現像銀は比表面の小さい球形である。
上記(3)の態様は、未露光部においてハロゲン化銀粒子が溶解されて拡散して受像シート上の現像核上に沈積することによって受像シート上に光透過性導電性膜等の透光性導電性膜が形成される。いわゆるセパレートタイプであって、受像シートを感光材料から剥離して用いる態様である。
ここでいう化学現像、熱現像、溶解物理現像、拡散転写現像は、当業界で通常用いられている用語どおりの意味であり、写真化学の一般教科書、例えば菊地真一著「写真化学」(共立出版社、1955年刊行)、C.E.K.Mees編「The Theory of Photographic Processes, 4th ed.」(Mcmillan社、1977年刊行)に解説されている。本件は液処理に係る発明であるが、その他の現像方式として熱現像方式を適用する技術も参考にすることができる。例えば、特開2004−184693号、同2004−334077号、同2005−010752号の各公報、特願2004−244080号、同2004−085655号の各明細書に記載された技術を適用することができる。
[第1透明基体14A、第2透明基体14B]
第1透明基体14A及び第2透明基体14Bとしては、プラスチックフイルム、プラスチック板、ガラス板等を挙げることができる。
上記プラスチックフイルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVA等のポリオレフィン類;ビニル系樹脂;その他、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)等を用いることができる。
第1透明基体14A及び第2透明基体14Bとしては、PET(融点:258℃)、PEN(融点:269℃)、PE(融点:135℃)、PP(融点:163℃)、ポリスチレン(融点:230℃)、ポリ塩化ビニル(融点:180℃)、ポリ塩化ビニリデン(融点:212℃)やTAC(融点:290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフイルム、又はプラスチック板が好ましく、特に、光透過性や加工性等の観点から、PETが好ましい。第1積層導電シート12A〜第3積層導電シート12Cに使用される第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのような導電性フイルムは透明性が要求されるため、第1透明基体14A及び第2透明基体14Bの透明度は高いことが好ましい。
第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電層(第1大格子16A、第1接続部22A、第1絶縁部28Aの第1絶縁パターン34A、第2大格子16B、第2接続部22B、第2絶縁部28Bにおける第2絶縁パターン34B、小格子18等の導電部)となる銀塩乳剤層は、銀塩とバインダーの他、溶媒や染料等の添加剤を含有する。
本実施の形態に用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀等の無機銀塩及び酢酸銀等の有機銀塩が挙げられる。本実施の形態においては、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
銀塩乳剤層の塗布銀量(銀塩の塗布量)は、銀に換算して1〜30g/m2が好ましく、1〜25g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。この塗布銀量を上記範囲とすることで、第1積層導電シート12A〜第3積層導電シート12Cとした場合に所望の表面抵抗を得ることができる。
本実施の形態に用いられるバインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本実施の形態の銀塩乳剤層中に含有されるバインダーの含有量は、特に限定されず、分散性と密着性を発揮し得る範囲で適宜決定することができる。銀塩乳剤層中のバインダーの含有量は、銀/バインダー体積比で1/4以上が好ましく、1/2以上がより好ましい。銀/バインダー体積比は、100/1以下が好ましく、50/1以下がより好ましい。また、銀/バインダー体積比は1/1〜4/1であることがさらに好ましい。1/1〜3/1であることが最も好ましい。銀塩乳剤層中の銀/バインダー体積比をこの範囲にすることで、塗布銀量を調整した場合でも抵抗値のばらつきを抑制し、均一な表面抵抗を有する第1積層導電シート12A〜第3積層導電シート12Cを得ることができる。なお、銀/バインダー体積比は、原料のハロゲン化銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(重量比)に変換し、さらに、銀量/バインダー量(重量比)を銀量/バインダー量(体積比)に変換することで求めることができる。
銀塩乳剤層の形成に用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、酢酸エチル等のエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本実施の形態の銀塩乳剤層に用いられる溶媒の含有量は、銀塩乳剤層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本実施の形態に用いられる各種添加剤に関しては、特に制限は無く、公知のものを好ましく用いることができる。
[その他の層構成]
銀塩乳剤層の上に図示しない保護層を設けてもよい。本実施の形態において「保護層」とは、ゼラチンや高分子ポリマーといったバインダーからなる層を意味し、擦り傷防止や力学特性を改良する効果を発現するために感光性を有する銀塩乳剤層上に形成される。その厚みは0.5μm以下が好ましい。保護層の塗布方法及び形成方法は特に限定されず、公知の塗布方法及び形成方法を適宜選択することができる。また、銀塩乳剤層よりも下に、例えば下塗り層を設けることもできる。
[露光]
本実施の形態では、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bを印刷方式によって施す場合を含むが、印刷方式以外は、第1導電パターン26A及び第2導電パターン26Bを露光と現像等によって形成する。すなわち、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に設けられた銀塩含有層を有する感光材料又はフォトリソグラフィ用フォトポリマーを塗工した感光材料への露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線等の光、X線等の放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
本実施の形態では、乳剤層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、市販品では、例えば、富士フイルム社処方のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社処方のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72等の現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができる。また、リス現像液を用いることもできる。
本発明における現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。本発明における定着処理は、銀塩写真フイルムや印画紙、印刷製版用フイルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
上記定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、さらに好ましくは25〜45℃である。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、さらに好ましくは7秒〜50秒である。定着液の補充量は、感光材料の処理量に対して600ml/m2以下が好ましく、500ml/m2以下がさらに好ましく、300ml/m2以下が特に好ましい。
現像、定着処理を施した感光材料は、水洗処理や安定化処理を施されるのが好ましい。上記水洗処理又は安定化処理においては、水洗水量は通常感光材料1m2当り、20リットル以下で行われ、3リットル以下の補充量(0も含む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。
現像処理後の露光部に含まれる金属銀の質量は、露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上の含有率であることが好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。露光部に含まれる銀の質量が露光前の露光部に含まれていた銀の質量に対して50質量%以上であれば、高い導電性を得ることができるため好ましい。
本実施の形態における現像処理後の階調は、特に限定されるものではないが、4.0を超えることが好ましい。現像処理後の階調が4.0を超えると、光透過性部の透光性を高く保ったまま、導電性金属部の導電性を高めることができる。階調を4.0以上にする手段としては、例えば、前述のロジウムイオン、イリジウムイオンのドープが挙げられる。
以上の工程を経て導電シートは得られるが、得られた導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることが好ましい。下限値は、1オーム/sq.以上、3オーム/sq.以上、5オーム/sq.以上、10オーム/sq.であることが好ましい。上限値は、70オーム/sq.以下、50オーム/sq.以下であることが好ましい。このような範囲に表面抵抗を調整することで、面積が10cm×10cm以上の大型のタッチパネルでも位置検出を行うことができる。また、現像処理後の導電シートに対しては、さらにカレンダー処理を行ってもよく、カレンダー処理により所望の表面抵抗に調整することができる。
本実施の形態では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部の導電性を向上させる目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はめっき処理を行ってもよい。本発明では物理現像又はめっき処理のいずれか一方のみで導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよく、物理現像とめっき処理とを組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させてもよい。なお、金属銀部に物理現像及び/又はめっき処理を施したものを含めて「導電性金属部」と称する。
本実施の形態における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオン等の金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフイルム、インスタントスライドフイルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
本実施の形態において、めっき処理は、無電解めっき(化学還元めっきや置換めっき)、電解めっき、又は無電解めっきと電解めっきの両方を用いることができる。本実施の形態における無電解めっきは、公知の無電解めっき技術を用いることができ、例えば、プリント配線板等で用いられている無電解めっき技術を用いることができ、無電解めっきは無電解銅めっきであることが好ましい。
本実施の形態では、現像処理後の金属銀部、並びに、物理現像及び/又はめっき処理によって形成された導電性金属部には、酸化処理を施すことが好ましい。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
本実施の形態の導電性金属部の線幅は、上述したように、下限は1μm以上、3μm以上、4μm以上、もしくは5μm以上が好ましく、上限は15μm、10μm以下、9μm以下、8μm以下が好ましい。線幅が上記下限値未満の場合には、導電性が不十分となるためタッチパネルに使用した場合に、検出感度が不十分となる。他方、上記上限値を越えると導電性金属部に起因するモアレが顕著になったり、タッチパネルに使用した際に視認性が悪くなったりする。なお、上記範囲にあることで、導電性金属部のモアレが改善され、視認性が特によくなる。線間隔(ここでは小格子18の互いに対向する辺の間隔)は30μm以上500μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは50μm以上400μm以下、最も好ましくは100μm以上350μm以下である。また、導電性金属部は、アース接続等の目的においては、線幅は200μmより広い部分を有していてもよい。
本実施の形態における導電性金属部は、可視光透過率の点から開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、95%以上であることが最も好ましい。開口率とは、第1大格子16A、第1接続部22A、第1絶縁部28Aの第1絶縁パターン34A、第2大格子16B、第2接続部22B、第2絶縁部28Bにおける第2絶縁パターン34B、小格子18等の導電部を除いた透光性部分が全体に占める割合であり、例えば、線幅15μm、ピッチ300μmの正方形の格子状の開口率は、90%である。
本実施の形態における「光透過性部」とは、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bのうち導電性金属部以外の透光性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、前述のとおり、第1透明基体14A及び第2透明基体14Bの光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の最小値で示される透過率が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上であり、さらにより好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
露光方法に関しては、ガラスマスクを介した方法やレーザー描画によるパターン露光方式が好ましい。
本実施の形態に係る第1導電シート10A及び第2導電シート10Bにおける第1透明基体14A及び第2透明基体14Bの厚さは、5〜350μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜350μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られ、且つ、取り扱いも容易である。
第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に設けられる金属銀部の厚さは、第1透明基体14A及び第2透明基体14B上に塗布される銀塩含有層用塗料の塗布厚みに応じて適宜決定することができる。金属銀部の厚さは、0.001mm〜0.2mmから選択可能であるが、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、0.01〜9μmであることがさらに好ましく、0.05〜5μmであることが最も好ましい。また、金属銀部はパターン状であることが好ましい。金属銀部は1層でもよく、2層以上の重層構成であってもよい。金属銀部がパターン状であり、且つ、2層以上の重層構成である場合、異なる波長に感光できるように、異なる感色性を付与することができる。これにより、露光波長を変えて露光すると、各層において異なるパターンを形成することができる。
導電性金属部の厚さは、タッチパネルの用途としては、薄いほど表示パネルの視野角が広がるため好ましく、視認性の向上の点でも薄膜化が要求される。このような観点から、導電性金属部に担持された導電性金属からなる層の厚さは、9μm未満であることが好ましく、0.1μm以上5μm未満であることがより好ましく、0.1μm以上3μm未満であることがさらに好ましい。
本実施の形態では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はめっき処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、5μm未満、好ましくは3μm未満の厚みを有する第1導電シート10A及び第2導電シート10Bであっても容易に形成することができる。
なお、本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では、めっき等の工程は必ずしも行う必要はない。本実施の形態に係る第1導電シート10Aや第2導電シート10Bの製造方法では銀塩乳剤層の塗布銀量、銀/バインダー体積比を調整することで所望の表面抵抗を得ることができるからである。なお、必要に応じてカレンダー処理等を行ってもよい。
銀塩乳剤層に対して現像処理を行った後に、硬膜剤に浸漬して硬膜処理を行うことが好ましい。硬膜剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、アジポアルデヒド、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のジアルデヒド類及びほう酸等の特開平2−141279号に記載のものを挙げることができる。
積層導電シートには、反射防止フイルム126を付与してもよい。この場合、上述した図8A〜図8Cに示す第1構成例〜第3構成例を好ましく採用することができる。
反射防止フイルム126は、例えば第1積層導電シート12A上にハードコート層122及び反射防止層124を形成して(第1構成例及び第2構成例参照)、あるいは第1積層導電シート12A上に透明フイルム130、ハードコート層122及び反射防止層124を形成して作製される(第3構成例参照)。
<透明フイルム130>
透明フイルム130は、表示装置108の視認者側表面に用いるため、光透過率が高く、且つ、透明性に優れた無色のフイルムであることが要求される。このような透明フイルム130としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムを形成するポリマーとしては、セルロースアシレート(例、富士フイルム(株)製TAC−TD80U,TD80UF等のセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR(株)製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン(株)製)、(メタ)アクリル系樹脂(アクリペットVRL20A:商品名、三菱レイヨン(株)製、特開2004−70296号公報や特開2006−171464号公報記載の環構造含有アクリル系樹脂)等が挙げられる。このうち、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特にセルローストリアセテートが好ましい。
<ハードコート層122>
反射防止フイルム126には、該反射防止フイルム126の物理的強度を付与するために、ハードコート層122を設けることが好ましい。ハードコート層122は、2層以上の積層から構成されてもよい。
<反射防止層124>
各層の屈折率と厚みは、以下を満たすことが好ましい。
上述の低屈折率層は、層の形成後に硬化させることが好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。
(1)架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素ポリマーを含有する組成物、
(2)含フッ素のオルガノシラン材料の加水分解縮合物を主成分とする組成物、
(3)2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーと中空構造を有する無機微粒子を含有する組成物、
が挙げられる。
架橋性もしくは重合性の官能基を有する含フッ素化合物としては、含フッ素モノマーと架橋性又は重合性の官能基を有するモノマーの共重合体を挙げることができる。
上記共重合体のうちで、主鎖が炭素原子のみからなり、且つ、含フッ素ビニルモノマー重合単位と側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位とを含んでなる共重合体としては、特開2004−45462号公報の段落[0043]〜[0047]に記載のP−1〜P−40を用いることができる。また、耐擦傷性、すべり性の改良のためにシリコーン成分を導入した含フッ素ポリマーとして、側鎖にポリシロキサン部位を含む重合単位を有し、主鎖にフッ素原子を有するグラフトポリマーとしては特開2003−222702号公報の段落[0074]〜[0076]の表1及び表2に記載の化合物を用いることができ、主鎖にポリシロキサン化合物に由来する構造単位を含むエチレン性不飽和基含有フッ素重合体としては、特開2003−183322号公報に記載の化合物を用いることができる。
含フッ素のオルガノシラン化合物の加水分解縮合物を主成分とする組成物も屈折率が低く、塗膜表面の硬度が高く好ましい。フッ素化アルキル基に対して片末端又は両末端に加水分解性のシラノールを含有する化合物とテトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。具体的組成物は、特開2002−265866号公報、特開2002−317152号公報に記載されている。
さらに別の好ましい態様として、低屈折率の粒子とバインダーからなる低屈折率層が挙げられる。低屈折率粒子としては、有機でも無機でもよいが、内部に空孔を有する粒子が好ましい。中空粒子の具体例は、特開2002−79616号公報にシリカ系粒子が記載されている(例えば段落[0041]〜[0049]参照)。粒子屈折率は1.15〜1.40が好ましく、1.20〜1.30がさらに好ましい。バインダーとしては、上述したハードコート層122の項で述べた2個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを挙げることができる。
反射防止フイルム126には、上述したように低屈折率層とハードコート層122の間に屈折率の高い層を設け、反射防止性を高めることができる。
高屈折率層及び中屈折率層は、高屈折無機微粒子とバインダーを含有する硬化性組成物から形成されることが好ましい。ここで使用することのできる高屈折率無機微粒子は、ハードコート層122の屈折率を高めるために含有することのできる高屈折率の無機微粒子を用いることができる。高屈折率の無機微粒子としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。
このようにして作製した高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、例えば、上述した好ましい分散剤と電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーとが、架橋又は重合反応し、バインダーに分散剤のアニオン性基が取り込まれた形となる。さらに高屈折率層及び中屈折率層のバインダーは、アニオン性基が無機粒子の分散状態を維持する機能を有し、架橋又は重合構造がバインダーに皮膜形成能を付与して、無機粒子を含有する高屈折率層及び中屈折率層の物理強度、耐薬品性、耐候性を改良する。
高屈折率層における無機粒子の含有量は、高屈折率層の質量に対し10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜80質量%、特に好ましくは15〜75質量%である。無機粒子は高屈折率層内で2種類以上を併用してもよい。
高屈折率層の上に低屈折率層を有する場合、高屈折率層の屈折率は透明フイルム130の屈折率より高いことが好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層のヘイズは、低いほど好ましい。5%以下であることが好ましく、さらに好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
反射防止フイルム126は、以下の塗布方式で形成することができるが、これらに制限されるものではない。
先ず、ハードコート層122や反射防止層124等の各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。通常、塗布液は有機溶媒系が主であるので含水量を2%以下に抑制すると共に、密閉して溶媒の揮発量を抑制することが必要である。用いる有機溶媒は各層に用いられる材料により選択される。塗布液の均一性を得るために適宜、攪拌機や分散機が使用される。
調整された塗布液は、塗布故障を発生させないために塗布前に濾過されることが望ましい。濾過のフィルタは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましく、濾過圧力も1.5MPa以下で適宜選択される。濾過した塗布液は、塗布直前に超音波分散して、脱泡、分散物の分散保持することが好ましい。
透明フイルム130は、塗布前に、ベース変形の矯正のための加熱処理、又は、塗工性改良や塗設層との接着性改良のための表面処理を施してもよい。表面処理の具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
反射防止フイルム126の各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許第2681294号明細書、国際公開第05/123274号パンフレット参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。マイクログラビアコート法については、特開2010−32795号公報の段落[0125]及び[0126]に、ダイコート法については、上記公報の段落[0127]及び[0128]に記載されており、本実施の形態においてもこれらの方法を用いることができる。ダイコート法を用い、20m/分以上の速度で塗布することが生産性の点で好ましい。
反射防止フイルム126は、透明フイルム130上に直接又は他の層を介して塗布された後、溶媒を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
溶媒を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては、特開2001−286817号公報、同2001−314798号公報、同2003−126768号公報、同2003−315505号公報、同2004−34002号公報等の記載技術が挙げられる。
反射防止フイルム126は、溶媒の乾燥の後又は乾燥の後期に、ウェブとして電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。上述の電離放射線は特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線等から適宜選択することができるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
反射防止フイルム126を連続的に製造するためには、ロール状の透明フイルム130を連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する該透明フイルム130を巻き取る工程が行われる。
透明フイルム130の前記背面をケン化する方法については、特開2010−32795号公報の段落[0149]〜[0160]に記載の技術を用いることができる。
なお、本発明は、下記表1及び表2に記載の公開公報及び国際公開パンフレットの技術と適宜組合わせて使用することができる。「特開」、「号公報」、「号パンフレット」等の表記は省略する。
水媒体中のAg150gに対してゼラチン10.0gを含む、球相当径平均0.1μmの沃臭塩化銀粒子(I=0.2モル%、Br=40モル%)を含有する乳剤を調製した。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を濃度が10−7(モル/モル銀)になるように添加し、臭化銀粒子にRhイオンとIrイオンをドープした。この乳剤にNa2PdCl4を添加し、さらに塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が10g/m2となるように第1透明基体14A及び第2透明基体14B(ここでは、共にポリエチレンテレフタレート(PET))上に塗布した。この際、Ag/ゼラチン体積比は2/1とした。
幅30cmのPET支持体に25cmの幅で20m分塗布を行ない、塗布の中央部24cmを残すように両端を3cmずつ切り落としてロール状のハロゲン化銀感光材料を得た。
露光のパターンは、第1積層導電シート12Aの第1導電シート10Aついては図1及び図4に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図4及び図6に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体14A及び第2透明基体14Bに行った(サンプル1)。第2積層導電シート12Bの第1導電シート10Aについては図9及び図10に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図9及び図11に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体14A及び第2透明基体14Bに行った(サンプル2)。第3積層導電シート12Cの第1導電シート10Aについては図13及び図14に示すパターンで、第2導電シート10Bについては図13及び図15に示すパターンで、A4サイズ(210mm×297mm)の第1透明基体14A及び第2透明基体14Bに行った(サンプル3)。小格子18の配列ピッチPを200μmとし、中格子24の配列ピッチを2×Pとした。また、小格子18の導電部の厚みを2μmとし、幅を10μmとした。露光は上記パターンのフォトマスクを介して高圧水銀ランプを光源とした平行光を用いて露光した。
・現像液1L処方
ハイドロキノン 20 g
亜硫酸ナトリウム 50 g
炭酸カリウム 40 g
エチレンジアミン・四酢酸 2 g
臭化カリウム 3 g
ポリエチレングリコール2000 1 g
水酸化カリウム 4 g
pH 10.3に調整
・定着液1L処方
チオ硫酸アンモニウム液(75%) 300 ml
亜硫酸アンモニウム・1水塩 25 g
1,3−ジアミノプロパン・四酢酸 8 g
酢酸 5 g
アンモニア水(27%) 1 g
pH 6.2に調整
上記処理剤を用いて露光済み感材を、富士フイルム社製自動現像機 FG−710PTSを用いて処理条件:現像35℃ 30秒、定着34℃ 23秒、水洗 流水(5L/分)の20秒処理で行った。
(実施例1)
作製したサンプル1〜3について、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの導電部(第1導電パターン26A、第2導電パターン26B)の線幅は1μm、小格子18の一辺の長さは50μm、大格子(第1大格子16A及び第2大格子16B)の一辺の長さは3mmであった。
(実施例2)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を3μmとし、小格子18の一辺の長さを50μmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例3)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を4μmとし、小格子18の一辺の長さを50μmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例4)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を5μmとし、小格子18の一辺の長さを50μmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例5)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を8μmとし、小格子18の一辺の長さを150μmとし、大格子の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例6)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を9μmとし、小格子18の一辺の長さを150μmとし、大格子の一辺の長さを5mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例7)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を10μmとし、小格子18の一辺の長さを300μmとし、大格子の一辺の長さを6mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例7に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(実施例8)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を15μmとし、小格子18の一辺の長さを400μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(参考例1)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を0.5μmとし、小格子18の一辺の長さを40μmとした点以外は、実施例1と同様にして、参考例1に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
(参考例2)
サンプル1〜3について、導電部の線幅を20μmとし、小格子18の一辺の長さを500μmとし、大格子の一辺の長さを10mmとした点以外は、実施例1と同様にして、参考例2に係る第1導電シート及び第2導電シートを作製した。
上述した実施例1〜8並びに参考例1及び2について、表面抵抗、モアレ及び視認性を評価した。評価結果を表3に示す。
(表面抵抗測定)
表面抵抗率の均一性を評価するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bの表面抵抗率をダイアインスツルメンツ社製ロレスターGP(型番MCP−T610)直列4探針プローブ(ASP)にて任意の10箇所測定した値の平均値である。
(透過率の測定)
透明性の良否を確認するために、第1導電シート10A及び第2導電シート10Bを分光光度計を用いて透過率を測定した。
(モアレの評価)
参考例1及び2、実施例1〜8について、第2導電シート10B上に第1導電シート10Aを積層して積層導電シートを作製し、その後、表示装置108の表示画面110に積層導電シートを貼り付けてタッチパネル100を構成した。その後、タッチパネル100を回転盤に設置し、表示装置108を駆動して白色を表示させる。その状態で、回転盤をバイアス角−20°〜+20°の間で回転し、モアレの目視観察・評価を行った。
モアレの評価は、液晶表示装置の表示画面から観察距離1.5mで行い、モアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られた場合を△、モアレが顕在化した場合を×とした。
(視認性の評価)
上述のモアレの評価に先立って、タッチパネル100を回転盤に設置し、表示装置108を駆動して白色を表示させた際に、線太りや黒い斑点がないかどうか、また、タッチパネル100の第1大格子16A及び第2大格子16Bの境界が目立つかどうかを肉眼で確認した。
実施例1〜8の表面抵抗は、5オーム/sq.であり、A4サイズの大きさを有する投影型静電容量方式のタッチパネルに十分に適用できることがわかった。また、実施例1〜8は、いずれも透過率、モアレ、視認性共に良好であった。
上述した実施例1〜8に係る積層導電シートを用いてそれぞれ投影型静電容量方式のタッチパネルを作製した。指で触れて操作したところ、応答速度が速く、検出感度に優れることがわかった。また2点以上をタッチして操作したところ、同様に良好な結果が得られ、マルチタッチにも対応できることが確認できた。
12A〜12D…第1積層導電シート〜第4積層導電シート
14A…第1透明基体 14B…第2透明基体 16A…第1大格子 16B…第2大格子 18…小格子 20A…第1ダミーパターン 20B…第2ダミーパターン 22A…第1接続部 22B…第2接続部 26A…第1導電パターン 26B…第2導電パターン 28A…第1絶縁部 28B…第2絶縁部 32a〜32d…第1辺〜第4辺 34A…第1絶縁パターン 34B…第2絶縁パターン 36a…第1集合パターン部 36b…第2集合パターン部 38a〜38d…第1空白部〜第4空白部 44a〜44d…第1短辺〜第4短辺 46a〜46d…第1長辺〜第4長辺
Claims (26)
- 基体の一方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第1大格子が形成され、
前記基体の他方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第2大格子が形成され、
各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され
前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、
前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、
上面から見たとき、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置された形態とされ、
前記第1大格子と前記第2大格子との間に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが対向することによる組合せパターンが形成され、
前記組合せパターンは、2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記第1大格子の辺における直線部と前記第2大格子の辺における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記第1大格子の辺と該辺と対向する前記第2大格子の辺との最短距離を前記基体の一方の主面に投影した距離を前記組合せパターンの幅と定義したとき、
前記組合せパターンの幅は、前記小格子の辺の長さの1倍以上の長さを有することを特徴とする導電シート。 - 請求項3記載の導電シートにおいて、
前記組合せパターンの幅は、前記小格子の辺の長さの2倍〜10倍の長さを有することを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記第1非接続パターンは、それぞれ前記小格子の一部を除去した形状が2以上、前記第1大格子の辺に沿って配列された形状を有し、
前記第2非接続パターンは、それぞれ前記小格子の一部を除去した形状が2以上、前記第2大格子の辺に沿って配列された形状を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項5記載の導電シートにおいて、
前記小格子の形状が正方形であり、
前記第1非接続パターン及び前記第2非接続パターンは、それぞれ前記小格子の1つの辺を除去した形状が2以上配列された形状を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記基体の一方の主面に、隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部が形成され、
前記基体の他方の主面に、隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部が形成され、
2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、
2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第1方向と直交する第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、
2以上の前記第1導電パターンが前記第2方向に配列され、
2以上の前記第2導電パターンが前記第1方向に配列され、
前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、
隣接する前記第1導電パターン間は電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、
隣接する前記第2導電パターン間は電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、
前記第1接続部と前記第2接続部とが前記基体を間に挟んで対向し、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが前記基体を間に挟んで対向し、
前記第1接続部と前記第2接続部とが対向することによる組合せパターンは2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項7記載の導電シートにおいて、
前記第1絶縁部は、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1絶縁パターンが形成され、
前記第2絶縁部は、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2絶縁パターンが形成され、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とが対向することによる前記第1絶縁パターンと前記第2絶縁パターンとの組合せパターンは2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項8記載の導電シートにおいて、
前記第1絶縁パターンは、2以上の前記小格子が配列された集合部分を有し、
前記第2絶縁パターンは、前記集合部分に対応した空白部分を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項8記載の導電シートにおいて、
前記第1絶縁パターンは、前記小格子を構成する2つの辺が連続して配列された波線部分を有し、
前記第2絶縁パターンは、前記小格子を構成する連続する2つの辺が配列され、且つ、前記第1絶縁パターンの前記波線部分とは逆パターンの波線部分を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項7〜10のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
前記小格子の配列ピッチをPとし、隣接する前記第1導電パターン間の最短距離を前記第1絶縁部の幅と定義したとき、前記第1絶縁部の幅はm×P(mは1以上の整数)であり、且つ、前記第1絶縁パターンのうち、前記第1絶縁部の幅の方向の部分の最大長さがm×P以下であり、
隣接する前記第2導電パターン間の最短距離を前記第2絶縁部の幅と定義したとき、前記第2絶縁部の幅はn×P(nは1以上の整数)であり、且つ、前記第2絶縁パターンのうち、前記第2絶縁部の幅の方向の部分の最大長さがn×P以下であることを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記小格子は多角形状であることを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記小格子は少なくとも一辺が湾曲形状を有することを特徴とする導電シート。 - 請求項1記載の導電シートにおいて、
前記小格子は少なくとも一辺が円弧形状を有することを特徴とする導電シート。 - 基体の一方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第1大格子が形成され、
前記基体の他方の主面に、金属細線による2以上の導電性の第2大格子が形成され、
各前記第1大格子及び各前記第2大格子は、それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成され、
前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、
前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、
上面から見たとき、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置された形態とされ、
前記第1大格子と前記第2大格子との間に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが対向することによる組合せパターンが形成され、
前記組合せパターンは、各前記第1大格子及び各前記第2大格子の内部と略同様のパターンとなるように組み合わされて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項15記載の導電シートにおいて、
前記第1大格子の辺における直線部と前記第2大格子の辺における直線部間の投影距離が前記小格子のサイズに基づいて設定されていることを特徴とする導電シート。 - 表示装置の表示パネル上に配置されるタッチパネルの導電シートであって、
第1基体と、該第1基体の主面に形成された第1導電部とを有する第1導電シートと、
第2基体と、該第2基体の主面に形成された第2導電部とを有する第2導電シートとを有し、
前記第2導電シート上に前記第1導電シートが積層され、
前記第1導電部は、それぞれ第1方向に延在し、且つ、前記第1方向と直交する第2方向に配列された金属細線による2以上の第1導電パターンを有し、
前記第2導電部は、それぞれ第2方向に延在し、且つ、前記第1方向に配列された金属細線による2以上の第2導電パターンを有し、
前記第1導電パターンは、2以上の第1大格子が前記第1方向に配列されて構成され、
前記第2導電パターンは、2以上の第2大格子が前記第2方向に配列されて構成され、
前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、
前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、
上面から見たとき、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置された形態とされ、
前記第1大格子と前記第2大格子との間に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが対向することによる組合せパターンが形成され、
前記組合せパターンは、2以上の小格子が組み合わされて構成されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項17記載の導電シートにおいて、
前記第1導電部は、さらに、各前記第1導電パターンの端部に接続された第1端子配線パターンと、前記第1導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第1端子配線パターンが接続された複数の第1端子とを有し、
前記第2導電部は、さらに、各前記第2導電パターンの端部に接続された第2端子配線パターンと、前記第2導電シートの1つの辺の長さ方向中央部分に形成され、対応する前記第2端子配線パターンが接続された複数の第2端子とを有することを特徴とする導電シート。 - 請求項18記載の導電シートにおいて、
前記第1導電シート及び前記第2導電シートを上面から見たとき、
複数の前記第1端子が配列された部分と、複数の前記第2端子が配列された部分とが隣接していることを特徴とする導電シート。 - 請求項18記載の導電シートにおいて、
各前記第1導電パターンの端部と対応する前記第1端子配線パターンとがそれぞれ第1結線部を介して接続され、
各前記第2導電パターンの端部と対応する前記第2端子配線パターンとがそれぞれ第2結線部を介して接続され、
複数の前記第1結線部が前記第2方向に沿って直線状に配列され、
複数の前記第2結線部が前記第1方向に沿って直線状に配列されていることを特徴とする導電シート。 - 請求項1〜20のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
前記金属細線の線幅が1〜15μmであることを特徴とする導電シート。 - 請求項1〜21のいずれか1項に記載の導電シートにおいて、
前記導電シートの表面抵抗は0.1〜100オーム/sq.の範囲にあることを特徴とする導電シート。 - それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された金属細線による2以上の導電性の第1大格子を有する第1導電シートと、
それぞれ2以上の小格子が組み合わされて構成された金属細線による2以上の導電性の第2大格子を有する第2導電シートとを使用する導電シートの使用方法であって、
前記第1大格子の辺の周囲に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1非接続パターンが形成され、
前記第2大格子の辺の周囲に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2非接続パターンが形成され、
前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1大格子に隣接して前記第2大格子が配置されると共に、前記第1非接続パターンと前記第2非接続パターンとが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。 - 請求項23記載の導電シートの使用方法において、
前記第1導電シートにおける隣接する前記第1大格子間を電気的に接続する金属細線による第1接続部が形成され、2以上の前記第1大格子が前記第1接続部を介して第1方向に配列されて1つの第1導電パターンが構成され、2以上の前記第1導電パターンが前記第1方向と直交する第2方向に配列され、
前記第2導電シートにおける隣接する前記第2大格子間を電気的に接続する金属細線による第2接続部が形成され、2以上の前記第2大格子が前記第2接続部を介して前記第2方向に配列されて1つの第2導電パターンが構成され、2以上の前記第2導電パターンが前記第1方向に配列され、
前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1接続部と前記第2接続部とが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。 - 請求項24記載の導電シートの使用方法において、
前記第1導電シートにおける隣接する前記第1導電パターン間に、電気的に絶縁された第1絶縁部が配され、前記第1絶縁部に、前記第1大格子と非接続とされた金属細線による第1絶縁パターンが形成され、
前記第2導電シートにおける隣接する前記第2導電パターン間に、電気的に絶縁された第2絶縁部が配され、前記第2絶縁部に、前記第2大格子と非接続とされた金属細線による第2絶縁パターンが形成され、
前記第1導電シートと前記第2導電シートとを組み合わせることで、前記第1絶縁パターンと前記第2絶縁パターンとが組み合わさって前記小格子の配列が形成されるように配置されることを特徴とする導電シートの使用方法。 - 請求項1〜22のいずれか1項に記載の導電シートを有することを特徴とする静電容量方式タッチパネル。
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