JP2011128973A - ガス漏れ警報器 - Google Patents

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Abstract

【課題】商用交流電源で動作し、センサ出力に基づいてガスセンサのエアベースを補正するガス漏れ警報器において、電源電圧の変動があっても精度よいエアベース補正を行うことを課題とする。
【解決手段】差込プラグ3から商用交流電源をトランス4に供給し、トランス4で降圧された交流電圧をガスセンサ2に供給する。トランス4の電源電圧Vdを制御部1に供給する。ガスセンサ2のレファ素子Rr及びセンサ素子Rsの接続点と、抵抗R1及び抵抗R2の接続点との間に発生するセンサ出力Vsを差動増幅器A1で増幅し、制御部1に供給する。整流回路8で整流して警報ブザー5及びLED6に供給する。10分間隔でセンサ出力Vsをサンプリングして、複数点のデータで補正エアベースを演算する。電源電圧Vdの変動量が8V以上の場合にマスクモードに設定し、3秒間のマスク時間の間に検出したセンサ出力Vsはエアベース補正用の候補データリストから外す。
【選択図】図1

Description

本発明は、接触燃焼式のガスセンサ素子へ通電して加熱し、検出対象ガスのガス濃度に応じたガスセンサ素子のセンサ出力が、警報値に達したときにガス漏れ警報を行うガス漏れ警報器に関する。
従来、LPガスのガス漏れを検出するガス漏れ警報器では、接触燃焼式のガスセンサ素子が用いられている。図9は、従来の接触燃焼式のガスセンサ素子を用いたガス漏れ警報器の要部回路図である。このガス漏れ警報器100のガス漏れ検知の対象ガスはLPG、ブタンガスであり、ガスセンサ2は、ブリッジ回路21を構成する接触燃焼式のセンサ素子Rs、レファ素子Rr、固定抵抗R1及びR2を有している。そして、商用交流電源に接続された電源回路200(トランス)からブリッジ回路21に交流電圧Vdが供給される。
センサ素子Rsは、触媒担体21Aと白金ヒータ21Bとから構成され、触媒担体21Aは、検出対象ガスとの燃焼を促進する触媒(例えばパラジウム(Pd))を担持した担体(例えばアルミナ(Al2O3))から成る。白金ヒータ21Bは温度に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体であり、触媒担体21Aに覆われている。レファ素子Rrは、担体21Cと白金ヒータ21Dとから構成されており、担体21Cは検出対象ガスに対して不感となる担体のみで構成され、白金ヒータ21Dは温度に応じて抵抗値が変化する測温抵抗体であり、担体21Cに覆われている。
センサ素子Rsの白金ヒータ21Bと、レファ素子Rrの白金ヒータ21Dとは、電源回路200から交流電圧Vdが供給され、かつ、検出対象ガスのない空気中(エアベース)ではほぼ等しい抵抗値になるように設けられている。また、固定抵抗R1及びR2も互いにほぼ等しい抵抗値になるように設けられている。
ブリッジ回路21は、交流電圧を供給するとエアベースにおいては完全に平衡状態となり、センサ出力Vs(電圧)はほぼ0となる。これに対して、検出対象ガスを含む空気中では検出対象ガスとの燃焼熱によりセンサ素子Rsの温度が上昇し、これに伴ってセンサ素子Rsの白金ヒータ21Bの抵抗が増加する。一方、レファ素子Rrは検出対象ガスと燃焼しないため、センサ素子Rsの温度は低くなる。このため、ブリッジ回路21の平衡が大きく崩れて、センサ出力Vsは、その振幅が大きくなる。すなわち、センサ出力Vsの振幅は検出対象ガスの濃度に応じた値となる。そして、CPU300はセンサ出力Vsをサンプリングし、このセンサ出力Vsと予め設定された警報値とを比較し、センサ出力Vsが警報値を越えると警報出力回路400により警報ブザーの鳴動等を行う。
また、上記エアベースは周囲の温度環境等により変化することがある。このため、特開2002−228613号公報(特許文献1)には、エアベース(エアレベル)の変化を検出して、このエアベースを補正演算するようにしたガス漏れ警報器が開示されている。また、特開2003−156463号公報(特許文献2)には、エアベース(エアレベル)に応じて警報値(アラームレベル)を設定するようにしたガス検出装置が開示されている。
特開2002−228613号公報 特開2003−156463号公報
特許文献1のように、エアベースの補正はセンサ出力に基づいて行われる。また、特許文献2のように、このエアベースは警報値にも大きな影響がある。しかしながら、ガスセンサ2には電源回路200のトランスの二次側の交流電圧が供給されるが、この交流電圧が変動すると、ガスセンサ2のセンサ出力Vsも変動してしまう。なお、センサ出力Vsは、電圧変動に対して過渡応答特性を示し、この過渡応答時にセンサ出力Vsが大きく変動する。このセンサ出力Vsの変動が大きいと、精度が高いエアベースの補正を行うことができない。
本発明は、接触燃焼式のガスセンサ素子を用いたガス漏れ警報器において、ガスセンサ素子のエアベース補正を精度良く行うことを課題とする。
請求項1のガス漏れ警報器は、商用電源に接続されたトランスから接触燃焼式のガスセンサ素子へ通電して該ガスセンサ素子を加熱し、該ガスセンサ素子のセンサ出力が予め設定された警報判定値に達したときにガス漏れ警報を出力するとともに、センサ出力に基づいてガスセンサ素子のエアベースを補正するガス漏れ警報器において、前記トランスの二次巻線の出力電圧を検出する電圧検出手段と、電圧変動量に対応する所定の電圧変動量閾値を記憶する記憶手段と、を備え、前記電圧検出手段で検出される二次巻線の出力電圧の変動量が前記記憶手段の所定の電圧変動量閾値以上となった場合、前記ガス漏れ警報の出力を遅延させるマスクモードに切り換え、該マスクモード以外のときに検出したセンサ出力に基づいて前記エアベースの補正を行うことを特徴とする。
請求項1のガス漏れ警報器によれば、商用電源に接続されたトランスの出力電圧が変動し、この変動量が所定の電圧変動量閾値以上となるとマスクモードとなり、このマスクモード時に検出したセンサ出力は、エアベースの補正演算に用いないので、精度の高いエアベース補正を行うことができる。
本発明の実施形態のガス漏れ警報器の要部回路ブロック図である。 実施形態における電圧変動時のセンサ出力の特性の一例を示す図である。 実施形態における電源電圧の変動量に対するセンサ出力の過渡特性の関係を示す図である。 実施形態における監視動作及び警報動作の一例を示す動作説明図である。 実施形態における警報出力時のLED及び警報ブザーの動作タイミングとセンサ出力の変化を示す図である。 実施形態における電圧変動を監視するための割込処理のフローチャートである。 実施形態におけるガス漏れの監視動作を行うための割込処理のフローチャートである。 実施形態におけるエアベースを補正するための割込処理のフローチャートである。 従来の接触燃焼式ガスセンサ素子を用いたガス漏れ警報器の要部回路図である。
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のガス漏れ警報器の要部回路ブロック図であり、このガス漏警報器10はLPガスを検知対象ガスとするものである。前記図9と同様な要素には同符号を付記して詳細な説明は省略する。
図1に示すように、このガス警報器10は、制御部1と、ガスセンサ2と、商用交流電源に接続する差込プラグ3と、トランス4と、警報ブザー5と、LED6と、スイッチ7と、整流回路8とを備えている。上記ガスセンサ2は、ブリッジ回路21と、差動増幅器A1とから構成されている。上記ブリッジ回路21は、前記同様にセンサ素子Rs、レファ素子Rr、固定抵抗R1及びR2を有している。
そして、レファ素子Rr及び固定抵抗R1の接続点と、センサ素子Rs及び固定抵抗R2の接続点との間には、トランス4によって降圧された商用交流電源(差込プラグ3)からの交流電圧Vd(電源電圧)が供給されている。また、レファ素子Rr及びセンサ素子Rsの接続点と、抵抗R1及び抵抗R2の接続点と、の間に発生するセンサ出力Vsは、差動増幅器A1の入力に供給される。この差動増幅器A1によって増幅されたセンサ出力Vsは、制御部(マイコン)1に供給される。また、トランス4の二次巻線から供給される交流電圧Vdは増幅器A2に入力され、この増幅器A2によって増幅された電源電圧Vdは、制御部1に供給される。制御部1は、この交流電圧Vdを検出する「電圧検出手段」に相当する。
以上の構成により、制御部1は、ガス警報器10全体の制御を行い、差動増幅器A1からのセンサ出力Vsの振幅が警報値以上になったときに後述する警報ブザー5及びLED6を制御して警報を出力する。なお、スイッチ7は点検スイッチとして機能し、このスイッチ7の操作により上記警報の出力と停止が可能となっている。
制御部1は、プログラムに従って各種の処理を行う中央処理ユニット(CPU)1aが行う処理のプログラムなどを格納した読み出し専用のメモリであるROM1b、CPU1aでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM1c、所定のレジスタに設定された時間の計測あるいは日時、時刻等を計時するためのタイマ1d、及び「記憶手段」としてのEEPROM1e等を備えている。
整流回路8はトランス4で降圧された交流電流を整流し、所定の直流電圧を警報ブザー5、LED6及びスイッチ7に印加する。そして、警報ブザー5は、制御部1が駆動回路51の2つのトランジスタのオンオフを制御することによりビープ音を発生して鳴動する。また、LED6は、制御部1が駆動回路61の2つの抵抗を介してLED6への電流の通電及び遮断を制御することにより、点灯及び消灯する。なお、この実施形態では、警報ブザー5の鳴動時の電流は50mA、LED6の点灯時の電流は5mAである。また、図示は省略するが整流回路8の直流電圧は制御部1などの各所にも駆動用として供給される。
なお、この実施形態のガス漏れ警報器10は、90V〜110Vの商用交流電源の電圧を使用範囲としている。また、ガスセンサ2のエアベースの最大許容量は40mVであり、このエアベースの値(ガス漏れ警報器毎に異なる)は、出荷前検査時にEEPROM1eに記憶されている。さらに、後述のように、このEEPROM1eのエアベースは、エアベース補正処理でセンサ出力Vsをサンプリングすることにより更新される。
EEPROM1eには、予め設定された警報値を記憶している。この警報値はガスセンサ2のエアベースに応じて設定された値であり、検知対象ガスが存在しない状態でガスセンサ2が所定温度になり、そのエアーベース抵抗が安定した定常状態でのセンサ出力Vsに対して所定電圧だけ高く設定された値である。また、このEEPROM1eの警報値は、エアベースを補正した補正エアベースに応じて更新される。
ここで、ガスセンサ2のセンサ出力Vsは、電源電圧の変動やトランス4の出力電圧の変動により変動する。図2は電圧変動時のセンサ出力Vsの特性の一例を示す図であり、例えば電源電圧が90Vでセンサ出力Vsがエアベースとなっており、この90Vが110Vに変動したとすると、この電源電圧の変動時にセンサ出力Vsは一端高くなる過渡応答を示し、その後、電源電圧変動後のエアベースに落ち着く。したがって、この変動時のセンサ出力Vsにより警報判定を行うと、変動直後にセンサ出力Vsが警報値を超えてしまい、誤警報となってしまう。
図3は電源電圧の変動量ΔVdに対するセンサ出力Vsの過渡特性の関係を示す図である。図3(A) は変動量ΔVdとセンサ出力Vsの過渡応答電圧の最大値との関係を示しており、過渡応答電圧の最大値は変動量ΔVdに比例している。図3(B) は変動量ΔVdとセンサ出力Vsが警報値を超えている時間(警報値超過時間)との関係を示しており、警報値超過時間は変動量が大きくなると長くなる。なお、この図3(B) はエアベースが40mVの例であり、変動量ΔVdの最大値20V(110V−90V)のとき3秒となる。また、図3(C) は変動量ΔVdが一定(この例では20V)のときのエアベースとセンサ出力Vsの警報値超過時間との関係を示している。
このように、変動量ΔVdが大きく、エアベースが大きいときに、誤警報の可能性が高くなる。そこで、この実施形態では、「所定の電圧変動量閾値」は8Vであり、電圧変動がこの8V以上となった場合には、所定時間(例えば3秒)のマスクモードを設定し、このマスクモード時には、センサ出力Vsが警報値以上となっても、警報出力を行わないようにする。
ここで、ガスセンサ2のエアベースは周囲の温度環境等により変化することがある。また、エアベースは警報値を設定するために考慮されているので、このエアベースを補正するようにしている。この実施形態では、10分間隔でセンサ出力Vsをサンプリングし、このサンプリングしたデータを候補データリストとしてRAM1cに記憶していく。そして、複数点のサンプリングデータ(実施形態では6点)に基づいて移動平均を取り、その平均値を補正エアベースとしてEEPROM1eに記憶(設定)する。
しかし、電源電圧の変動はエアベース(センサ出力Vs)にも影響するので、この電源電圧が8V以上変動した場合には、センサ出力Vsを補正エアベースの演算には用いないようにしている。すなわち、エアベース補正処理において、マスクモード時にはサンプリングしたセンサ出力Vsは候補データリストに含めないようにする。これにより、正確な補正エアベースを設定することができる。
図4は監視動作及び警報動作の一例を示す動作説明図であり、この実施形態では、警報動作中にセンサ出力Vsが所定の上限値を超えた場合には、センサ出力Vsの減少に伴って2段階の鳴り止み警報を行うようにしている。すなわち、通常警報、第1鳴り止み警報及び第2鳴り止み警報で、LED6のフラッシュ点灯と警報ブザー5の鳴動との周期を変化させるようにしている。この周期は、通常警報時には8Hz、第1鳴り止み警報時には4Hz、第2鳴り止み警報時には2Hzとしている。
これらの動作の切り換え点を判定するために、センサ出力Vsとの比較電圧として、警報値以外に、上記上限値、第1閾値、第2閾値及び解除値を用いており、これらの値はEEPROM1eに設定されている。図4に示すように、センサ出力Vsが警報値以上となると、通常警報となり、センサ出力Vsが上限値を超え、ピークを過ぎてセンサ出力Vsが第1閾値未満となると、第1鳴り止み警報となる。さらにセンサ出力Vsが第2閾値未満となると第2鳴り止み警報となる。そして、センサ出力Vsが解除値未満となると警報が停止して、監視動作となる。
図5は、警報出力時のLED6及び警報ブザー5の動作タイミングとセンサ出力Vsの変化を示す図であり、図5(A) は通常警報時、図5(B) は第1鳴り止み警報時、図5(C) は第2鳴り止み警報時を示している。前記のように、警報ブザー5の鳴動時の電流は50mA、LED6の点灯時の電流は5mAであり、これらの駆動電流とガスセンサ2に供給する電流はいずれも一つのトランス4により供給されている。さらに、このトランス4は小型のトランスである。
このため、LED6の点灯時と警報ブザー5の鳴動時には、センサ出力Vsが変化している。警報時にも警報解除となるかの判定を行うためにセンサ出力を得る必要があるが、このセンサ出力Vsが変化すると、判定精度が低下するという問題がある。そこで、この実施形態では回路の負荷電流が一定であるタイミングとして、図5の「P」で示すタイミング(LED6の点灯タイミング)でセンサ出力Vsをサンプリングする。これにより、LED6及び警報ブザー5の駆動に影響されずに判定精度を高めることができる。
次に、図6〜図8のフローチャートに基づいて実施形態のガス漏れ警報器10の要部動作を説明する。図6は電圧変動を監視するために所定間隔(500ms)で起動される割込処理のフローチャート、図7はセンサ出力によりガス漏れの監視動作を行うための所定間隔(500ms)で起動される割込処理のフローチャート、図8はエアベースを補正するために所定間隔(10min)で起動される割込処理のフローチャートである。これらの処理は、図示しないメイン処理と平行して実行される。
先ず、図6の処理では、マスクモードの継続時間(3秒)をカウントするタイマを用いる。ます、ステップS1で電源電圧Vdを取り込み、ステップS2で前回の電源電圧と比較して電源電圧の変動量ΔVdを演算する。次に、ステップS3で、変動量Δdが8V以上であるかを判定し、8V以上であれば、ステップS4でマスクモードに設定し、ステップS5でタイマをスタートさせて元のルーチンに復帰する。ステップS3で変動量Δdが8V以上でなければ、ステップS6でタイマがタイムアップしているかを判定し、タイムアップしていなければ元のルーチンに復帰し、タイムアップしていればステップS7でマスクモードを解除して元のルーチンに復帰する。以上の処理により、電源電圧の変動量ΔVdが8V以上となると、3秒間のマスクモードに設定され、後述のように、このマスクモードの間はセンサ出力による警報出力が行われなくなる。
図7の処理では、ステップS11で、現在警報中であるかを判定する。この警報は第1鳴り止み警報及び第2鳴り止み警報も含む。警報中であれば、ステップS12で所定のLED点灯タイミングまで待ち、ステップS13でセンサ出力Vsを取り込む。警報中でなければ、そのままステップS13でセンサ出力Vsを取り込む。次にステップS14でセンサ出力Vsが警報値以上であるかを判定し、警報値以上でなければステップS15で警報中であるかを判定する。そして、警報中でなければそのまま元のルーチンに復帰し、警報中であれば後述のステップS22に進む。このステップS15→S22の処理は、第2鳴り止み警報中でセンサ出力Vsが警報値未満、解除値以上である場合に対応する処理である。
ステップS14でセンサ出力Vsが警報値以上であれば、ステップS16で現在マスクモードであるかを判定し、マスクモードであればそのまま元のルーチンに復帰する。マスクモードでなければステップS17に移行し、センサ出力Vsが上限値以上であるか判定する。センサ出力Vsが上限値以上でなければ、ステップS18に移行し警報出力を行う。以上の処理により、マスクモードであればセンサ出力Vsが警報値以上であっても警報出力は行われず、マスクモードでない場合にセンサ出力Vsが警報値以上であれば警報出力が行われる。
ステップS17の上限値以上であるかの判定は、第1鳴り止み警報と第2鳴り止み警報を行う場合に対応する処理であり、上限値を越えている場合は、ステップS19以降の処理を行う。ステップS19では、センサ出力Vsが第1閾値未満であるかを判定する。第1閾値未満でなければそのまま元のルーチンに復帰し、第1閾値未満であれば、ステップS20で、センサ出力Vsが第2閾値未満であるかを判定する。第2閾値未満でなければ、ステップS21で第1鳴り止み警報を出力し、元のルーチンに復帰する。第2閾値未満であれば、ステップS22で、センサ出力Vsが解錠値未満であるかを判定する。解除値未満でなければ、ステップS23で第2鳴り止み警報を出力し、元のルーチンに復帰する。解除値未満であれば、ステップS24で警報を停止し、元のルーチンに復帰する。
図8の処理では、ステップS31でセンサ出力Vsを取り込み、ステップS32で、センサ出力Vsと現在設定されている補正エアベースとの差が所定値(小さな値)未満であるかを判定する。所定値未満であればそのまま元のルーチンに復帰し、所定値未満でなければ、ステップS33で現在マスクモードであるかを判定し、マスクモードであればそのまま元のルーチンに復帰し、マスクモードでなければステップS34以降で、エアベースの補正処理を行う。ステップS34では、候補データリスト中の最大・最小のデータを削除し、現在のセンサ出力Vsを候補データリストとしてRAM1cに記憶する。次に、ステップS35でRAM1c中の候補データリストのデータの平均を演算し、ステップS36でその平均値を補正エアベースとしてEEPROM1eに記憶する。そして、ステップS37で、補正エアベースから警報値、第1閾値、第2閾値及び解除値をそれぞれ演算し、EEPROM1eに記憶する。
以上の処理により、電源電圧の変動量が8V以上でマスクモードとなると、その間のセンサ出力Vsはエアベースの補正に用いることがないので、精度の高い補正エアベースを得ることができ、警報値、第1閾値、第2閾値及び解除値として、最適な値を設定することができる。
以上の実施形態では、電源電圧の変動量が最大の20V及びエアベースの最大許容量40mVを想定して、マスクモードの持続時間(マスク時間)を一定の3秒間としているが、電源電圧の変動量が小さい場合は、その変動量に応じてマスク時間を3秒より短くしてもよい。また、出荷時のエアベース(あるいは補正エアベース)が小さい場合は、そのエアベースに応じてマスク時間を3秒より短くしてもよい。さらに、この電圧変動量とエアベースに応じてマスク時間を設定するように制御してもよい。
また、実施形態では、警報中にはLED6の点灯タイミングにセンサ出力をサンプリングするようにしているが、回路中の負荷電流が一定になる動作タイミングであれば、LED点灯時以外に、警報ブザーの鳴動時でもよい。ただし、この実施形態では、警報時のLED6はフラッシュ点灯しているが、このLED6は当該ガス漏れ警報器10が動作中であることを示すために、監視時にも点灯しているので、センサ出力をサンプリングするタイミングは、LED6の点灯タイミングが適している。
1 制御部(電圧検出手段)
1c EEPROM(記憶手段)
2 ガスセンサ
3 差込プラグ
4 トランス
5 警報ブザー
6 LED

Claims (1)

  1. 商用電源に接続されたトランスから接触燃焼式のガスセンサ素子へ通電して該ガスセンサ素子を加熱し、該ガスセンサ素子のセンサ出力が予め設定された警報判定値に達したときにガス漏れ警報を出力するとともに、センサ出力に基づいてガスセンサ素子のエアベースを補正するガス漏れ警報器において、
    前記トランスの二次巻線の出力電圧を検出する電圧検出手段と、
    電圧変動量に対応する所定の電圧変動量閾値を記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記電圧検出手段で検出される二次巻線の出力電圧の変動量が前記記憶手段の所定の電圧変動量閾値以上となった場合、前記ガス漏れ警報の出力を遅延させるマスクモードに切り換え、該マスクモード以外のときに検出したセンサ出力に基づいて前記エアベースの補正を行うことを特徴とするガス漏れ警報器。
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