JP3936469B2 - 半導体ガス検知素子によるガス検知方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ガス検知素子によるガス検知方法及びその装置を提供するにある。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化物半導体ガス検知素子は他方式のガスセンサと比較してガスに対する感度が大きい点、長期間性能が安定している点、更に製造コストが安価である点等が優れているといわれ、実際にこれらの特徴を利用して一般家庭や工業分野で幅広く利用されている。しかし従来の酸化物半導体ガス検知素子を用いてCO等の低温で検出可能なガスを検知する場合において、常時ガスセンサを低温で駆動し続けるとガスセンサの感度が低下してくる。この感度低下の原因はガスセンサ表面にガスや水分が吸着・蓄積してくるためと考えられ、この現象を取り除くためにガスセンサの温度を一旦高温にしてガスセンサ表面をリフレッシュするヒートクリーニングという手法が必須である。
【0003】
一方従来のCOのガス検知装置では、ヒートクリーニング終了後、次のヒートクリーニング期間までの間においてガス検知を行うのであるが、そのガス検知のタイミングが通常1点であった。しかも電池駆動の装置では電力消費を抑えるために、低温期間を長くしているため検知遅れが生じてしまい、CO等の危険なガス成分の漏洩、発生を監視する目的を十分にはたしているとはいえなかった。
【0004】
また電池寿命の影響を考慮しなくても良い商用電源を用いたガス検知装置においても、高温期間から低温期間に切り換えてから半導体ガス検知素子の温度が所定温度に低下するまでの間ガス検知を行わないため、検知遅れが生じてしまうという問題あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは略連続的にガス検知が可能な半導体ガス検知素子による検知方法及び検知装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項lの発明では、感ガス体と該感ガス体を加熱するヒータとを有し、感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子を用い、上記ヒータヘの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定し、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間の感ガス体の抵抗値変化を検知し、該抵抗値変化に基づいてガス成分を検知する半導体ガス検知素子によるガス検知方法において、抵抗値変化を検知する開始時点から当該期間中に予め決められた所定時間間隔でセンサ出力を複数サンプリングし、各サンプリングタイミング毎に検出した感ガス体の抵抗値と、当該サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求めるとともに、その差の値と被検知ガスの所定濃度に応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行うとともに、更新基準値は更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において、各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて設定することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値がプラスかマイナスかによって雰囲気中の被検知ガスの濃度が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを判断し、その判断結果に基づいて上記所定の定数を変えることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明では、感ガス体と感ガス体を加熱するヒータとを有し感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子と、ヒータの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と、低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定する温度制御手段と、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間においてセンサ出力を所定時間間隔で複数サンプリングして取り込むとともに、各サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求めるとともに、その差の値と被検知ガスの所定濃度に応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定するガス検知手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明では、請求項4の発明において、ガス検知手段は、各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行う機能と、当該更新基準値を、更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて算出する演算機能とを有して成ることを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明では、請求項4又は請求項5の発明において、使用電源が電池であって、温度制御手段はヒータの通電を遮断して低温期間を設定し、ヒータの通電をデューティ制御して高温期間を設定し、熱時定数以上の高温期間を1秒未満とするとともに、低温期間を数分乃至数十分間とし、この低温期間におけるサンプリングで被検知ガスの検知を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明では、請求項4又は請求項5の発明において、被検知ガスがCOと、可燃性ガスの2種類のガスであって、高温期間におけるサンプリングで可燃性ガスのガス検知を、低温期間におけるサンプリングでCOのガス検知を行うことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
(実施形態l)
本実施形態は、CO−CH4 の2つのガスを検知して警報を発する警報装置を構成するガス検知装置に関するものである。
【0021】
図1は本発明の一実施形態を示しており、この図に示す回路では交流商用電源AC電圧を降圧トランスTrで降圧させ、その降圧させた電圧をダイオードブリッジDB1,DB2でそれぞれ全波整流し、一方のダイオードブリッジDB2で整流された電圧を平滑コンデンサC1で平滑した後、3端子レギュレータIC1で所定電圧に安定化させ、半導体ガス検知素子1のヒータ2の電圧及び検知電圧や、制御と検知をつかさどる4ビットのマイクロコンピュータ3の電源を得ている。
【0022】
半導体ガス検知素子1は、ヒータ2をPNP型のトランジスタQ1を介して前記3端子レギュレータIC1の出力端に接続し、トランジスタQ1がオンしたときにヒータ2に通電され、ヒータ2が発熱するようになっている。
【0023】
また半導体ガス検知素子1の感ガス体の検知出力端子は、検知電圧印加制御用のトランジスタQ21と負荷抵抗R11との直列回路及び検知電圧印加制御用のトランジスタQ22と負荷抵抗R22との直列回路とダイオードD1を介して3端子レギュレータIC1の出力端子に接続するとともに、マイクロコンピュータ3の入力ポートI1に接続している。
【0024】
マイクロコンピュータ3は出力ポートO1にトランジスタQ1のベースを、また出力ポートO21,O22にトランジスタQ21,Q22のベースを接続している。さらに出力ポートO3〜O5にはそれぞれ表示用発光ダイオードLED1〜LED3のカソードを接続し、出力ポートO6,O7にはフォトカプラPH1、PH2の発光ダイオードL1,L2のカソードを接続してある。これら発光ダイオードLED1〜LED3及びL1,L2のアノードは3端子レギュレータIC1の出力端子に限流抵抗を介して接続してある。
【0025】
フォトカプラPH1,PH2は検知ガスの濃度などに応じたガス検知信号を電圧信号として出力させるためのスイッチ素子として用いられる。
【0026】
直列制御型安定化回路4は前記電圧信号を出力するための回路であり、前記ダイオードブリッジDB1の整流出力を平滑する平滑コンデンサC2の両端に接続され、直列制御用トランジスタQ3のベースに接続される基準電圧をフォトカプラPH1,PH2のフォトトランジスタPT1,PT2のオンオフにより切り換えるようになっている。
【0027】
基準電圧は平滑コンデンサC2の両端に抵抗R4を介して接続したツエナーダイオードZDの両端電圧を抵抗R11〜R13で分圧することにより得るようなっており、フォトトランジスタPT1のオン時には抵抗R11〜R13の直列回路の両端電圧、つまりツエナーダイオードZDの両端電圧がトランジスタQ3のベースに基準電圧として印加され、またフォトトランジスタPT2がオン時には抵抗R11と、R12とR13の直列回路との分圧電圧がトランジスタQ3のベースに基準電圧として印加され、それぞれの基準電圧に対応した電圧信号がガス検知信号として外部に出力される。
【0028】
さて上記トランジスタQ1のエミッタ・ベース間にはプルアップ用抵抗R2を接続するとともに、該プルアップ用抵抗R2の両端にトランジスタQ4を接続してある。
【0029】
このトランジスタQ4は、コンパレータCP等とともにヒータ2の保護回路5を構成するものである。
【0030】
つまり保護回路5は抵抗R6,R7の直列回路をダイオードD1を介して3端子レギュレータIC1の出力端子に接続して、その出力電圧を分圧するとともに分圧点をコンパレータCPの反転入力端子に接続し、一方マイクロコンピュータ3の出力ポートO1とグランドの間に抵抗R8とコンデンサC0との直列回路を接続してその直列回路の中点をコンパレータCPの非反転出力端子に接続し、コンパレータCPの出力端子を抵抗R9を介してトランジスタQ4のベースを接続してある。
【0031】
尚ブザー6は圧電ブザーであって、マイクロコンピュータ3の出力ポートO8,O9から交互に出力される信号により、交互に出力を”L”,”H”とする2つのコンパレータCP1,CP2にて印加電圧の極性が交互に反転され、警報音を発振出力するようになっている。また図中7はマイクロコンピュータ3に基準クロックを与えるための基準クロック発振回路、IC2は電源投入時にマイクロコンピュータ3をリセットするためのリセットICである。
【0032】
ここで本実施形態に用いる半導体ガス検知素子1の感ガス体はSnO2 からななり、その調整について説明すると、まずSnCl4 の水溶液をNH4 で加水分解してスズ酸ゾルを得、この得たスズ酸ゾルを風乾後に空気中において例えば550℃から700℃で1時間焼成し、SnO2 を得る。このSnO2 に対してPdの王水溶液を含浸させ、例えば500℃で空気中において1時間焼成してPdを担持させる。Pdの役割は感ガス体に各種ガスに対して適切な感度をもたすると共に、各種ガスに対する応答速度を改善するためのものであり、用途によっては添加しなくても良いものである。またPdの代わりにPt,Rh,Au等の貴金属を用いることもできる。また本実施形態に用いる半導体ガス検知素子1は外形寸法長幅が0.8ミリ以下の略球状の感ガス体中にコイル状の白金からなるヒータ2兼用電極を埋設し、且つこのヒータ2兼用電極のコイル部の内部に直線状の白金電極を埋設した3端子型の極限まで小さくして、熱容量が極めて小さい構造としたものを用い、ヒートクリーニング時間を極短時間とすることができるようにしている。図2は当該半導体ガス検知素子1の断面構造を示す。
しかして、通常時においては、マイクロコンピュータ3の出力ポートO1が”H”レベルのときにはコンデンサC0が抵抗R8を介して充電され、その充電電圧が抵抗R6,R7の接続点の電圧を上回ってコンパレータCPの出力が”H”レベルになり、トランジスタQ4をオフ状態にしている。
【0033】
そしてマイクロコンピュータ3の出力ポートO1から所定周期(8m秒)で所定時間(例えば高温期間では500μ秒、低温期間では8μ秒)”L”レベルの制御信号が出力され、その所定時間中トランジスタQ1がオンして半導体ガス検知素子1のヒータ2が通電される。一方マイクロコンピュータ3の出力ポートO1が”L”レベルになると、保護回路5のコンデンサC0の電荷が抵抗R8を介して放電され、その両端電圧が低下するが、抵抗R8とコンデンサC0の時定数により、前記所定時間が経過するまで、コンデンサC0の電圧が抵抗R6,R7の接続点の電圧を下回ることがなく、そのため所定時間中においてもコンパレータCPの出力が”L”レベルにならず、トランジスタQ4のオフ状態が維持される。
【0034】
さて通常時においては前記所定時間が終了すると、マイクロコンピュータ3は出力ポートO1を”H”レベルに戻してトランジスタQ1をオフさせる。このオフにより、半導体ガス検知素子1のヒータ2の通電が停止する。
【0035】
このようにして所定周期で所定時間ヒータ2を通電するデューティ制御を行うことにより、図3(a)に示すように感ガス体を高温とする高温期間(例えば5秒)と低温とする低温期間(例えば15秒)とを交互に設定するのである。
【0036】
ここで本実施形態では被検知ガスがCH4 とCOであって、CH4 を検知する期間を高温期間とし、COを検知する期間を低温期間としている。そしてそれぞれの期間においてマイクロコンピュータ3は出力ポートO21又はO22を1秒周期で所定期間トランジスタQ21又はQ22をオンさせることにより、負荷抵抗R21又はR22を介して半導体ガス検知素子1の感ガス体に検知電圧を印加し、その所定期間において半導体ガス検知素子1の感ガス体の両端電圧を入力ポートI1に取り込み被半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値を検知する。つまり高温期間では5回、低温期間では15回感ガス体の抵抗値をサンプリングする。図3(b)は半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値の変化を示している。
【0037】
マイクロコンピュータ3は各サンプリングタイミング毎に予め設定記憶してある基準値とそれぞれの被検知ガスの所定濃度に対応して設定してある判定値とを用いて、被検知ガスが危険濃度に達しているか否かを判定し、被検知ガスが所定濃度以上存在すると判定するとブザー6を鳴動させるのである。
【0038】
ここで、各サンプリングタイミングに対応して設定される基準値とその更新について説明する。
【0039】
まず清浄な雰囲気下で、電源投入すると、マイクロコンピュータ3は初期化処理後、最初の高温期間及び低温期間における、各サンプリングタイミングで検知した感ガス体の抵抗値を次の高温期間及び低温期間の各サンプリングタイミング毎で検知抵抗値と比較する基準値として設定記憶し、以後2000秒周期で更新する。
【0040】
更新基準値は更新する直前の高温期間及び低温期間の各サンプリングタイミングで検知した感ガス体の抵抗値と現在の基準値とに基づいて求められる。
【0041】
即ち、基準値の更新にあたっては、まずサンプリングタイミングで検知された感ガス体の抵抗値Rsh(t)又はRsL(t)と、そのサンプリングタイミングに対応して設定してある基準値Rsmh0(t)又はRsmL0(t)とを比較してRsmh0(t)>Rsh(t)又はRsmL0(t)>RsL(t)の場合には被検知ガスの増加傾向にあると判断し、逆にRsmh0(t)<Rsh(t)又はRsmL0(t)<RsL(t)の場合には被検知ガスが減少傾向にあると判断する。hは高温期間に対応するものを、Lは低温期間に対応するものを示し、(t)は当該サンプリングタイミングが当該期間における何番目のサンプリングタイミングであるかを示す番目数を表す。
【0042】
次に高温期間の当該サンプリングタイミングの更新基準値Rsmh(t)を、Rsmh(t)=Rsmh0(t)−(Rsmh0(t)−Rsh(t))/Khの式から求める。このとき上記の判断が増加傾向であるか減少傾向であるかにより、定数(更新比率)Khを変える。つまり増加傾向であれば10、減少傾向であれば1(〜3)として計算する。
【0043】
同様に低温期間の当該サンプリングタイミングの更新基準値RsmL(t)を、RsmL(t)=RsmL0(t)−(RsmL0(t)−RsL(t))/KLの式から求める。このとき上記の判断が増加傾向であるか減少傾向であるかにより、定数(更新比率)KLを高温期間と同様に変える。つまり増加傾向であれば10、減少傾向であれば1(〜3)として計算する。
【0044】
そしてこの更新基準値を次回から基準値として用いることになり、この基準値をマイクロコンピュータ3は内蔵メモリに格納する。図3(b)において、破線(イ)(イ’)は更新される前の現在の各基準値の点を結んだものを示し、破線(ロ)(ロ’)は更新される各基準値の点を結んだものを示している。
【0045】
マイクロコンピュータ3は各サンプリングタイミングにおいて検知した感ガス体の抵抗値とそのタイミング毎の基準値と予め設定記憶してある被検知ガスの所定濃度に対応させた判定値レベルとを用いて上述の警報判定を行うとともに、濃度判定を行うのである。
【0046】
次に判定処理について図4(a)〜(d)を用いて説明する。
【0047】
図4(a)に示すようにマイクロコンピュータ3は半導体ガス検知素子1のヒータ2の通電を上述のように制御して高温期間と低温期間とを所定周期で交互に設定し、それぞれの期間において1秒周期で、半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値をサンプリングする動作を行い、各サンプリングタイミング毎に当該タイミングに対応して設定してある基準値Rsmh0(t)又はRsmL0(t)から当該タイミングで検知した感ガス体の抵抗値Rsh(t)又はRsL(t)を差し引くとともにその差の値Rsmh0(t)又はRsmL0(t)で除して変化率Sh又はSLを求め、その変化率Sh又はSLがCH4 の判定値V1又はCOの判定値V2を越えるか否かを判定し、越えている場合にはブザー6を鳴動させて、警報を発するのである。
【0048】
ここで図4(b)に示すように空気中に所定濃度以上のCH4 を注入した場合、高温期間での半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値は空気の場合(ハ)に比べて(ニ)のように低下して基準値(イ)との差が大きくなり、そのため上記の変化率Shは図4(c)に示すように上昇して判定値V1を越えることになり、マイクロコンピュータ3はこのときブザー6を鳴動させる信号を出力ポートO8,O9より交互に出力してブザー6により警報を発生させる。そして低温期間に移行しても、この状態を保持する。尚図4(c)(d)のホ、ホ’は清浄空気のみの雰囲気中の変化率Sh、SLを示す。
【0049】
同様に、空気中に所定濃度以上のCOを注入した場合、低温期間での半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値は空気の場合(ハ’)に比べて(ニ’)のように低下して基準値(イ’)との差が大きくなり、そのため上記の変化率Shは図4(d)に示すように上昇して判定値V2を越えることになり、マイクロコンピュータ3はこのときブザー6を鳴動させる信号を出力ポートO8,O9より交互に出力してブザー6により警報を発生させる。そして高温期間に移行してもこの状態を保持する。
【0050】
このようにしてマイクロコンピュータ3は各サンプリングタイミング毎に基準値と検知した半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値と判定値V1又はV2を用いてCH4 又はCOが所定濃度を越えたか否を判定する動作を行う。またこの動作に併せて、警報を発するための判定値以外に設けた濃度判定用の判定値を用いて現在のガス濃度を判定して発光ダイオードLED1〜LED3により濃度を段階表示する動作を行う。
【0051】
以上のように本実施形態ではCH4 、COの2種類のガスに対応し、これらガスが雰囲気中に所定濃度以上の場合に警報を発するガス検知装置を実現でき、しかも略連続的にガス検知を行うことができるため、危険性の高いこれらガスを早期検知して警報を発することができ、しかもヒートクリニーングも行えて、半導体ガス検知素子1の感度劣化を防ぐことができる。
【0052】
尚本実施形態ではマイクロコンピュータ3がノイズなどにより暴走して、マイクロコンピュータ3の出力ポートO1が”L”レベルに固定されると、保護回路5ではコンデンサC0の電荷が放電されてやがてコンデンサC0の電圧が抵抗R6,R7の接続点の電圧を下回ることになり、その結果コンパレータCPの出力が”H”レベルから”L”レベルに反転してトランジスタQ4をオンさせ、トランジスタQ1のベースの電圧を電源電圧に吊り上げトランジスタQ1を強制的にオフ状態とする。
【0053】
したがってマイクロコンピュータ3が暴走しても半導体ガス検知素子1のヒータ2には必要以上に通電されることがなく、ヒータ2の断線を防止できる。
【0054】
ところで上記実施形態はCO,CH4 の2種類のガスを検知するものであるが、車庫などにおいて低濃度のCOを検知するためのガス検知装置を同じ回路で構成することができる。
【0055】
この場合は、マイクロコンピュータ3の動作プログラムを変更して、高温期間が例えば3秒、低温期間が例えば15秒となるようにマイクロコンピュータ3によるヒータ通電制御動作を設定変更し、また1秒周期で行う感ガス体の抵抗値のサンプリングと、サンプリングされた抵抗値と、基準値と、判定値を用いた判定動作を低温期間のみとするようにし、更に基準値の更新を例えば100秒周期で行うようにする。また更新基準値を求める際に、増加傾向の場合に用いる定数KLを例えば5とするように設定するとともに、判定値を検知濃度に合わせて設定し、さらにサンプリング時に感ガス体にトランジスタQ22を通じて直列接続する負荷抵抗R22の値を使用半導体ガス検知素子1の特性に合うように変更しておくだけで良い。
【0056】
同様に硫化ガスのようなガスを検知するにおい検知装置も構成することができる。
【0057】
この場合は、マイクロコンピュータ3の動作プログラムを変更して、高温期間が例えば5秒、低温期間が例えば10秒となるようにマイクロコンピュータ3によるヒータ通電制御動作を設定変更し、また1秒周期で行う感ガス体の抵抗値のサンプリングと、サンプリングされた抵抗値と、基準値と、判定値を用いた判定動作を低温期間のみとするようにし、更に基準値の更新を例えば150秒周期で行うようにする。また更新基準値を求める際に、増加傾向の場合に用いる定数KLを例えば5とするように設定するとともに、判定値を検知濃度に合わせて設定し、さらにサンプリング時に感ガス体に直列接続する負荷抵抗の値を使用半導体ガス検知素子1の特性に合うように変更しておくとともに、トランジスタQ21やQ22を用いず、感ガス体と電源とのに常時接続するようにする。
【0058】
(実施形態2)
実施形態1では商用交流電源を用いたガス検知装置であるが、本実施形態は、乾電池などの電池電源を用い、しかも長期間電池の交換を行わなくてガス検知動作を持続できるガス検知装置を実現したものである。
【0059】
図5は本実施形態の回路構成を示す。
【0060】
基本的には実施形態1と同じであるため、同じ機能、役割を持つ回路及び回路要素には図1の回路及び回路要素と同じ符号を付す。
【0061】
本実施形態では例えば単三4本の電池を直列接続した電池電源20を用い、この電池電源20にコンデンサC10を並列接続するとともに、トランジスタQ1と半導体ガス検知素子H1のヒータ2との直列回路を並列接続している。
【0062】
また電池電源20に逆流阻止用ダイオードD0を介してコンデンサC11を並列接続し、このコンデンサC11にトランジスタQ21と負荷抵抗R21と半導体ガス検知素子1の感ガス体との直列回路を並列接続するとともに、トランジスタQ21と負荷抵抗R21と半導体ガス検知素子1の感ガス体との直列回路を並列接続してあり、使用半導体ガス検知素子1によりサンプリング時に接続する負荷抵抗を選択できるようになっておいる。この選択動作は予めマイクロコンピュータ3の動作プログラムに設定される。
【0063】
マイクロコンピュータ3は電池電源20の消耗を防ぐために、常時電池電源20に逆流阻止用ダイオードD0を介して電源供給を受けている該外付けタイマ回路9からのトリガ信号を受けたときに動作状態に入り、内蔵カウンタでクロックをカウントして一定時間経過すると停止状態に入り、次のトリガ信号を受けるまで停止状態を継続する動作を行う機能を備えている。
【0064】
警報用のブザー6はマイクロコンピュータ3の出力ポートO8,O9の信号が" L" となると、ノットゲートNT1乃至NT6により印加電圧の極性が交互に反転され鳴動するようになっている。
【0065】
発光ダイオードLEDa,LEDbはマイクロコンピュータ3の出力ポート010,O11にカソードが接続され、該出力ポートO10,O11が" L”となった時に点灯するもので、上記ブザー6の鳴動とともに、警報を発するようになっている。
【0066】
尚図中8は電源投入時にマイクロコンピュータ3をリセットするリセット回路、11はリセットスイッチSW0によるマイクロコンピュータ3をリセットするリセット回路である。また12、13はノイズを除去するためのフィルタである。
【0067】
しかして本実施形態では高温期間と、低温期間とを交互に設定するようにマイクロコンピュータ3は実施形態1と同様にトランジスタQ1のスイッチングをデューティ制御するのであるが、高温期間は消費電力を抑えるために例えば0.8秒間とし、また低温期間はトランジスタQ1のオフデュテイを100パーセントとするとともに、その低温期間を例えば180秒(勿論3分乃至30分程度としても良い。)としてある。つまり低温期間ではヒータ2の消費電力が0となるのである。
【0068】
ここで本実施形態では被検知ガスをCOとし、これに対応して半導体ガス検知素子1の感ガス体の抵抗値をサンプリングする周期を10秒となるようにマイクロコンピュータ3の動作プログラムを設定し、そのサンプリングタイミングに所定期間トランジスタQ21(又はQ22)をオンさせて負荷抵抗R21(又はR21)を通じて検知電圧を感ガス体に印加して感ガス体の両端電圧をとり込み、感ガス体の抵抗値を検知するようになっている。
【0069】
また本実施形態では各サンプリングタイミング毎に設定する基準値RsmL0(t)の更新を1800秒周期とし、更新基準値の算出に用いる更新比率KLを10としている。この基準値の設定、更新方法は実施形態1と同じであるからここでは説明は省略する。また検知抵抗値と基準値と被検知ガスに対応して設定する判定値とを用いて被検知ガスの検知判定を行う方法も実施形態1と同じであるから説明は省略する。
【0070】
しかして、本実施形態では、ヒータ2の通電による消費電力がきわめて少なく、しかもマイクロコンピュータ3の動作も間欠的となるため、その消費電力も抑えることができ、結果装置全体の消費電力をきわめて少なくすることができ、長期間電池交換を行わずに被検知ガスの検知動作を維持できる。また被検知ガスが所定濃度を越えると、ブザー6を鳴動させるとともに発光ダイオードLEDa,LEDbを点灯させて警報を発する。
【0071】
尚LPガス、或いはCH4 を被検知ガスとするガス検知装置もCOの場合とと同様な構成と、動作により検知することができる。但し使用半導体ガス検知素子1、負荷抵抗値、及び判定値の設定は被検知ガスに対応するものを使用、設定するのは勿論である。尚高温期間、低温期間、感ガス体の抵抗値の検知するサンプリングタイミングの周期、基準値の更新周期、更新比率などはCOの場合と同じで良い。
【0072】
(実施形態3)
上記実施形態2は、CO又はCH4 或いはLP等の危険ガスの検知を行うガス検知装置であったが、実施形態2と同様に電池電源を用いて空気中のタバコの煙(HやCOのようなガス成分)や、硫化ガスなどの検知を行う装置も実現できる。
【0073】
図6は本実施形態の回路構成を示しており、基本的には実施形態1と同じであるが、本実施形態では警報を発するのではなく、濃度を発光ダイオードLED1〜LED6で段階表示するようにしており、そのため各段階の濃度判定用の判定値を設定してある。
【0074】
勿論使用半導体ガス検知素子1、負荷抵抗値、及び濃度判定値の設定は被検知ガス(上記煙)に対応するものを使用、設定し、また高温期間、低温期間、感ガス体の抵抗値の検知するサンプリングタイミングの周期は実施形態2と同様にするが、基準値の更新周期を例えば180秒、更新比率を例えば5に変更して被検知ガス(塵埃)に対応させる。
【0075】
尚マイクロコンピュータ3は電池電源20により常時動作している外付けタイマ回路9により動作のトリガ信号が与えられ、トリガ信号を受けてから所定時間のみ動作した後、次のトリガ信号が与えられるまで動作を停止するようになっており、消費電力を抑えている。
【0076】
尚図中IC2は電源リセット用のリセットICであり、スイッチSW0はリセットスイッチである。更にコンデンサC12〜C15はノイズ除去用コンデンサである。
【0077】
尚その他の回路、回路要素で実施形態1又は2と同じ機能,動作を為すものには同じ符号を付して説明は省略する。
【0078】
上記各実施形態では、サンプリングタイミング毎に設定してある基準値とサンプリングタイミング毎に検知された抵抗値との差の値を求める方法を採用しているが、所定のサンプリング周期毎に検出される感ガス体の抵抗値の前後のサンプリングタイミング間の差の値を、予めそれぞれにサンプリングタイミング間毎に対応して設定してある基準値から差し引く方法を採用しても良い。ここに、所定のサンプリング周期毎に検出される感ガス体の抵抗値の前後のサンプリングタイミング間の差としては、各サンプリングタイミング毎に検知された感ガス体の抵抗値(サンプリング値)のうちの隣合う2個のサンプリング値の差を採用したり、所定個数離れた2個のサンプリング値の差を採用したりする。また、基準値は低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に更新し、実施形態1で説明した技術を採用することにより、適正な基準値を設定することができる。
【0079】
【発明の効果】
請求項lの発明は、感ガス体と該感ガス体を加熱するヒータとを有し、感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子を用い、上記ヒータヘの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定し、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間の感ガス体の抵抗値変化を検知し、該抵抗値変化に基づいてガス成分を検知する半導体ガス検知素子によるガス検知方法において、抵抗値変化を検知する開始時点から当該期間中に予め決められた所定時間間隔でセンサ出力を複数サンプリングし、各サンプリングタイミング毎に検出した感ガス体の抵抗値と、当該サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求めるとともに、その差の値と被検知ガスの所定濃度に応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定するので、略連続的にガス検知が行えるため、検知遅れなどがなくなり危険なガス成分の検知に最適であるという効果がある。
【0080】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行うとともに、更新基準値は更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において、各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて設定するので、妨害ガスの影響を排除して所定のガス成分を確実に検知することができるという効果がある。
【0081】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値がプラスかマイナスかによって雰囲気中の被検知ガスの濃度が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを判断し、その判断結果に基づいて上記所定の定数を変えるので、雰囲気中の被検知ガスの増加、或いは減少の傾向に応じた適切な基準値更新を行うことができる。
【0085】
請求項4の発明は、感ガス体と感ガス体を加熱するヒータとを有し感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子と、ヒータの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と、低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定する温度制御手段と、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間においてセンサ出力を所定時間間隔で複数サンプリングして取り込むとともに、各サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求めるとともに、その差の値と被検知ガスに応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定するガス検知手段とを備えたので、略連続的にガス検知が行えるため、検知遅れなどがなくなり危険なガス成分の検知に最適なガス検知装置を構成できるという効果がある。
【0086】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、ガス検知手段は、各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行う機能と、当該更新基準値を、更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて算出する演算機能とを有しているので、妨害ガスの影響を排除して所定のガス成分を確実に検知することができるという装置を構成できる。
【0087】
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5の発明において、使用電源が電池であって、温度制御手段はヒータの通電を遮断して低温期間を設定し、ヒータの通電をデューティ制御して高温期間を設定し、熱時定数以上の高温期間を1秒未満とするとともに、低温期間を数分乃至数十分間とし、この低温期間におけるサンプリングで被検知ガスの検知を行うので、必要なヒートクリーニングを行い且つヒータによる消費電力を抑え、そのため電池を長期間交換することなく、ガス検知動作が行える電池駆動式のガス検知装置を構成できる。
【0088】
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5の発明において、被検知ガスがCOと、可燃性ガスの2種類のガスであって、高温期間におけるサンプリングで可燃性ガスのガス検知を、低温期間におけるサンプリングでCOのガス検知を行うので、上記効果を奏しながらCOとCH4 の両ガスを検知することができるガス検知装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態lの回路図である。
【図2】同上に使用する半導体ガス検知素子の構造図である。
【図3】同上の基準値更新の説明図である。
【図4】同上の判定動作の説明図である。
【図5】本発明の実施形態2の回路図である。
【図6】本発明の実施形態3の回路図である。
【符号の説明】
1 半導体ガス検知素子
2 ヒータ
3 マイクロコンピュータ
5 保護回路
6 ブザー
Claims (7)
- 感ガス体と該感ガス体を加熱するヒータとを有し、感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子を用い、上記ヒータヘの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定し、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間の感ガス体の抵抗値変化を検知し、該抵抗値変化に基づいてガス成分を検知する半導体ガス検知素子によるガス検知方法において、抵抗値変化を検知する開始時点から当該期間中に予め決められた所定時間間隔でセンサ出力を複数サンプリングし、各サンプリングタイミング毎に検出した感ガス体の抵抗値と、当該サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求めるとともに、その差の値と被検知ガスに応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定することを特徴とする半導体ガス検知素子によるガス検知方法。
- 各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行うとともに、更新基準値は更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において、各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて設定することを特徴とする請求項l記載の半導体ガス検知素子によるガス検知方法。
- 各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値がプラスかマイナスかによって雰囲気中の被検知ガスの濃度が増加傾向にあるのか、減少傾向にあるのかを判断し、その判断結果に基づいて上記所定の定数を変えることを特徴とする請求項2記載の半導体ガス検知素子によるガス検知方法。
- 感ガス体と感ガス体を加熱するヒータとを有し感ガス体の抵抗値変化をセンサ出力とする半導体ガス検知素子と、ヒータの通電を制御して感ガス体の温度を高温とする高温期間と、低温とする低温期間とを所定周期で交互に設定する温度制御手段と、被検知ガスに応じて低温期間若しくは高温期間においてセンサ出力を所定時間間隔で複数サンプリングして取り込むとともに、各サンプリングタイミングに対応して設定される基準値との差を求め、その差の値と被検知ガスの所定濃度に応じて設定している判定値とを比較して、所定濃度以上の被検知ガスの有無を判定するガス検知手段とを備えたことを特徴とするガス検知装置。
- ガス検知手段は、各サンプリングタイミングで設定される基準値の更新を、上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間が所定数経過する毎に行う機能と、当該更新基準値を、更新する直前の上記感ガス体の抵抗値をサンプリングする低温期間若しくは高温期間において各サンプリングタイミングで測定した感ガス体の抵抗値と現在の基準値との差の値を所定の定数で除した値を、現在の基準値から差し引いた値に基づいて算出する演算機能とを有して成ることを特徴とする請求項4記載のガス検知装置。
- 使用電源が電池であって、温度制御手段はヒータの通電を遮断して低温期間を設定し、ヒータの通電をデューティ制御して高温期間を設定し、熱時定数以上の高温期間を1秒未満とするとともに、低温期間を数分乃至数十分間とし、この低温期間におけるサンプリングで被検知ガスの検知を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガス検知装置。
- 被検知ガスがCOと、可燃性ガスの2種類のガスであって、高温期間におけるサンプリングで可燃性ガスのガス検知を、低温期間におけるサンプリングでCOのガス検知を行うことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガス検知装置。
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