JP6727753B2 - ガス検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般にガス検出装置に関し、より詳細には半導体式ガスセンサを用いて燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスを検出するガス検出装置に関する。
従来、ガス検出装置として、酸化錫(SnO)などの金属酸化物半導体を主成分とする感ガス体を有する半導体式ガスセンサ(センシング素子)を用いた装置が提供されている(たとえば特許文献1参照)。
この種のガス検出装置は、感ガス体の表面に可燃性ガスのような還元性ガスが接触すると酸化還元作用によって感ガス体の抵抗値が減少するという性質を利用して、可燃性ガスを検出する。特許文献1には、感ガス体の温度や材料を適切に組み合わせることによって、不完全燃焼時に発生する一酸化炭素(CO)などの不完全燃焼ガスと可燃性ガスとの両方を検出するガス検出装置も記載されている。
特開2003−185611号公報
ところで、燃焼装置の燃焼ガス中の不完全燃焼ガスを検出するには、ガスセンサは、たとえば燃焼ガスが通る燃焼装置の煙道内に設置される。しかし、半導体式ガスセンサを用いたガス検出装置では、ガスセンサが煙道内に設置されていると、還元性ガスである不完全燃焼ガスの濃度が上昇した場合だけでなく、燃焼ガス中の酸素濃度が低下した場合にも抵抗値が減少する。そのため、半導体式ガスセンサを用いたガス検出装置では、燃焼装置の燃焼ガスのように酸素濃度が変動しやすい環境下において、検出の信頼性が低下する可能性がある。
本発明は上記事由に鑑みてなされており、燃焼装置の燃焼ガス中であっても信頼性の高い検出が可能なガス検出装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の形態に係るガス検出装置は、半導体式ガスセンサからなり、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化するガスセンサと、前記ガスセンサを駆動する駆動部と、前記ガスセンサの駆動中の抵抗値に基づいて前記対象ガスを検出する検出部とを備え、前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から一定時間の期間である待機期間が経過するまでは前記ガスセンサを駆動せず、前記待機期間が経過した時点で前記ガスセンサの駆動を開始するように構成されている。
この構成によれば、燃焼装置の着火直後の期間が待機期間となり、待機期間が経過するまでは駆動部がガスセンサを駆動せず、待機期間が経過した時点でガスセンサの駆動を開始する。したがって、燃焼ガス中の酸素濃度が変動しやすい燃焼装置の着火直後の期間を避け、燃焼装置の燃焼ガス中であっても信頼性の高い検出が可能である。
本発明の第2の形態に係るガス検出装置は、第1の形態のガス検出装置において、前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から、温度センサで計測される前記燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定条件を満たすまでの期間を、前記待機期間とする。
この構成によれば、待機期間は、固定長の期間ではなく、燃焼装置の燃焼状態に順応して長さが変化する可変長の期間となる。したがって、燃焼装置の着火時点から定常燃焼に移行するまでの時間にばらつきがある場合でも、燃焼装置が定常燃焼に移行後、ガス検出装置は、速やかにガスセンサの駆動を開始して、対象ガスを検出することができる。
本発明の第3の形態に係るガス検出装置は、第2の形態のガス検出装置において、前記ガスセンサは、通電により発熱するヒータコイルを有しており、前記温度センサは、前記ヒータコイルの抵抗値に基づいて前記燃焼ガスの温度を計測するように構成されている。
この構成によれば、ガスセンサのヒータコイルが温度センサとして兼用されるので、ガスセンサと別に温度センサを設ける必要がない。
本発明の第4の形態に係るガス検出装置は、半導体式ガスセンサからなり、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化するガスセンサと、前記ガスセンサを駆動する駆動部と、前記ガスセンサの駆動中の抵抗値に基づいて前記対象ガスを検出する検出部とを備え、前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまでは前記ガスセンサを駆動せず、前記待機期間が経過した時点で前記ガスセンサの駆動を開始するように構成されている。ここで、前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から、前記燃焼装置の燃焼ガス中の前記対象ガス以外の参照ガスの濃度を補助センサで検出した結果が所定条件を満たすまでの期間を、前記待機期間とする。
この構成によれば、待機期間は、固定長の期間ではなく、燃焼装置の燃焼状態に順応して長さが変化する可変長の期間となる。したがって、燃焼装置の着火時点から定常燃焼に移行するまでの時間にばらつきがある場合でも、燃焼装置が定常燃焼に移行後、ガス検出装置は、速やかにガスセンサの駆動を開始して、対象ガスを検出することができる。
本発明の第5の形態に係るガス検出装置は、第4の形態のガス検出装置において、前記駆動部は、前記ガスセンサの温度を、前記ガスセンサの前記対象ガスに対する感度が所定値以上になる第1温度と、前記ガスセンサの前記参照ガスに対する感度が所定値以上になる第2温度とで切替可能であって、前記待機期間においては、前記ガスセンサを前記第2温度にすることで前記ガスセンサを前記補助センサとして用い、前記待機期間の経過後に、前記ガスセンサを前記第1温度にすることで前記ガスセンサの駆動を開始するように構成されている。
この構成によれば、ガスセンサが補助センサとして兼用されるので、ガスセンサと別に補助センサを設ける必要がない。
本発明の第6の形態に係るガス検出装置は、第1〜5のいずれかの形態のガス検出装置において、前記検出部は、過去の所定期間における前記ガスセンサの抵抗値に基づいて基準値を随時更新し、前記ガスセンサの抵抗値の前記基準値からの変化量と判定閾値とを比較することにより前記対象ガスを検出しており、前記基準値に応じて前記判定閾値を変化させるように構成されている。
この構成によれば、酸素濃度や温度が変動する燃焼装置の燃焼ガス中においても、ガス検出装置の誤動作が生じにくくなる。また、待機期間の経過後において、燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガスの濃度等が大幅に変動することがあったとしても、誤動作が生じにくくなる。
本発明は、燃焼装置の燃焼ガス中であっても信頼性の高い検出が可能なガス検出装置を提供することができる、という利点がある。
実施形態1に係るガス検出装置の構成を示す概略回路図である。 実施形態1に係るガス検出装置のガスセンサの構成を示す概略図である。 実施形態1に係るガス検出装置の動作例を示す説明図である。 実施形態1に係るガス検出装置の動作例を示す説明図である。 実施形態1に係るガス検出装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態1に係るガス検出装置の動作例を示す説明図である。 実施形態2に係るガス検出装置の構成を示す概略回路図である。 実施形態2に係るガス検出装置の動作を示すフローチャートである。 実施形態2の変形例に係るガス検出装置の構成を示す概略回路図である。 実施形態3に係るガス検出装置の構成を示す概略回路図である。 実施形態3に係るガス検出装置の動作を示すフローチャートである。
(実施形態1)
本実施形態のガス検出装置1は、図1に示すように、ガスセンサ2と、駆動部3と、検出部4とを備えている。
ガスセンサ2は、半導体式ガスセンサからなり、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化する。駆動部3は、ガスセンサ2を駆動する。検出部4は、ガスセンサ2の駆動中の抵抗値に基づいて上記対象ガスを検出する。
駆動部3は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまではガスセンサ2を駆動せず、上記待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始するように構成されている。
本実施形態では、燃焼装置は、たとえば産業用の温水器や空調設備、吸収式冷凍機などに用いられ、ガス燃料や石油燃料を使用して燃焼を行うバーナであると仮定する。この種の燃焼装置の燃焼室には煙道がつながっており、燃焼装置は、燃焼によって発生する燃焼ガス(排ガス)を、煙道を通して排気するように構成されている。本実施形態のガス検出装置1は、燃焼装置の煙道内にガスセンサ2が配置されることにより、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスを検出する。この種の燃焼装置においては、たとえば燃焼装置の故障や供給空気の過不足に起因して不完全燃焼が生じ、煙道内の燃焼ガス中に一酸化炭素(CO)が発生する可能性がある。そこで、本実施形態では、燃焼装置にて不完全燃焼が生じたときに発生する一酸化炭素を対象ガスの一例として、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス(一酸化炭素)を検出するガス検出装置1について説明する。
以下、本実施形態に係るガス検出装置1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
<ガス検出装置の構成>
半導体式ガスセンサからなるガスセンサ2は、図2に示すように、酸化第二スズ(SnO)などの金属酸化物半導体を主成分とし、略球状に形成された、いわゆる焼結体型の感ガス体20を有している。このガスセンサ2は、白金線からなり通電により発熱するヒータコイル21と、貴金属線からなる検出電極22とを、感ガス体20中に有している。検出電極22は、直線状に形成されており、ヒータコイル21は、検出電極22の周囲に巻き回されたコイル状に形成されている。
ガスセンサ2は、ヒータコイル21の両端から感ガス体20の外へ引き出された一対のリード線23,24と、検出電極22の一端から感ガス体20の外へ引き出されたリード線25とを有している。リード線23〜25は、端子26〜28に対してそれぞれ電気的に接続されている。3本の端子26〜28は、略円板状に形成された合成樹脂製のベース29を、その厚み方向に貫通するようにしてベース29に保持されている。なお、ベース29には、感ガス体20を覆うように有底円筒状のカバー200(図2では二点鎖線で示す)が取り付けられる。カバー200の底板には、対象ガスの導入口となる開口部が形成されている。
このように構成されるガスセンサ2は、ヒータコイル21への通電により感ガス体20が加熱された状態において、周囲の対象ガスの濃度に応じて感ガス体20の抵抗値が変化する。要するに、ガスセンサ2は、3本の端子26〜28を有する三端子型のガスセンサである。そして、端子27はヒータコイル21に接続され、端子28は検出電極22に接続されているので、端子27と端子28との間の抵抗値は、ヒータコイル21と検出電極22との間に存在する感ガス体20の抵抗値である。そのため、ガスセンサ2は、感ガス体20が加熱された状態で、対象ガスの濃度に応じて端子27と端子28との間の抵抗値が変化することになる。なお、本実施形態でいうところのガスセンサ2の抵抗値は、端子27と端子28との間の抵抗値、つまりヒータコイル21と検出電極22との間に存在する感ガス体20の抵抗値を意味する。
ガスセンサ2は、煙道内に配置され、煙道内を通過する燃焼ガス中の対象ガスを検出する。このガスセンサ2は、感ガス体20の表面に還元性ガスからなる対象ガスが接触すると、酸化還元作用によって感ガス体20の抵抗値が減少する。したがって、ガス検出装置1は、ガスセンサ2の抵抗値(感ガス体20の抵抗値)から、対象ガス(一酸化炭素)の濃度を検出可能である。
駆動部3は、制御部30と、電源回路31と、スイッチング素子32とを有している。駆動部3は、制御部30にてスイッチング素子32を制御し、電源回路31からヒータコイル21に通電して感ガス体20を加熱することにより、ガスセンサ2を駆動する。電源回路31は、略一定電圧(たとえば5V)に安定化された直流電圧を出力する。電源回路31の正極の出力端は、ガスセンサ2の端子26に対し、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)からなるスイッチング素子32を介して電気的に接続されている。電源回路31の負極の出力端は、ガスセンサ2の端子27に対し、電気的に接続されている。つまり、電源回路31の一対の出力端には、スイッチング素子32を介してガスセンサ2のヒータコイル21が電気的に接続されている。
制御部30は、スイッチング素子32の制御端子(ゲート端子)に電気的に接続されている。制御部30の出力がH(ハイ)レベルからL(ロー)レベルに反転すると、スイッチング素子32はターンオンし、電源回路31からスイッチング素子32を介してヒータコイル21に通電され、感ガス体20が加熱される。一方、制御部30の出力がLレベルからHレベルに反転すると、スイッチング素子32はターンオフし、ヒータコイル21への通電が停止する。
駆動部3は、単位時間当たりに所定時間ずつヒータコイル21へ通電されるように、制御部30にてスイッチング素子32の制御を行うことによって、ヒータコイル21へ印加されるヒータ電圧の単位時間当たりの平均値を調節する。この構成では、駆動部3は、スイッチング素子32のデューティ比を変化させることで、感ガス体20の温度を調節することができる。ここにおいて、駆動部3は、ガスセンサ2の温度を、ガスセンサ2の対象ガスに対する感度が所定値以上になる第1温度と、ガスセンサ2の対象ガスに対する感度が所定値未満になる第2温度とで切替可能である。本実施形態では対象ガスは一酸化炭素であるので、ガスセンサ2が一酸化炭素に対して十分な感度を持つ温度を第1温度、ガスセンサ2が一酸化炭素に対して殆ど感度を持たない温度を第2温度とする。
ここで、駆動部3は、ヒータ電圧の平均値を約0.2Vとして感ガス体20を第1温度に加熱する検知期間Ta1(図3参照)と、ヒータ電圧の平均値を約0.9Vとして感ガス体20を第2温度に加熱する不感期間Ta2(図3参照)とを交互に切り替える。不感期間Ta2は、感ガス体20を第2温度に加熱することで、たとえば感ガス体20の表面に吸着した水酸基などの不要物質を除去するための期間である。検知期間Ta1には、感ガス体20は第1温度である約80℃に加熱され、不感期間Ta2には、感ガス体20は第2温度である約400℃に加熱される。駆動部3は、検知期間Ta1と不感期間Ta2とを合わせた期間を駆動周期の1周期とし、駆動周期が繰り返されるようにヒータ電圧を制御する。本実施形態では一例として、駆動部3は、駆動周期の1周期を25秒とし、1周期のうち5秒を不感期間Ta2、残り20秒を検知期間Ta2とするようにヒータ電圧を制御する。
これにより、感ガス体20の抵抗値は、不感期間Ta2に一旦リセットされ、検知期間Ta1において、燃焼ガス中の対象ガス(ここでは一酸化炭素)の濃度に応じて徐々に変化することになる。検知期間Ta1の長さは、少なくとも感ガス体20の抵抗値が安定するのに十分な長さに設定されている。
検出部4は、処理部40と、負荷抵抗41とを有している。処理部40は、出力端401と、入力端402とを有している。処理部40の出力端401は、負荷抵抗41を介してガスセンサ2の端子28と電気的に接続されている。処理部40の入力端402は、直接的にガスセンサ2の端子28と電気的に接続されている。処理部40は、検知期間Ta1において、ヒータコイル21の通電が停止した状態で、出力端401と、ガスセンサ2の端子27との間に所定の直流電圧を印加し、この状態で入力端402に入力される電圧を検出電圧として検出する。つまり、検出部4は、直流電圧が負荷抵抗41と感ガス体20の抵抗成分とで分圧された電圧を、検出電圧として検出する。ここで、分圧前の直流電圧の大きさと、負荷抵抗41の抵抗値とは既知であるから、処理部40は、検出電圧の大きさはガスセンサ2の抵抗値(感ガス体20の抵抗成分の抵抗値)を表すことになる。したがって、検出部4は、検出電圧を検出することにより、ガスセンサ2の抵抗値を取得することができる。
検出部4は、上述のようにして取得したガスセンサ2の抵抗値に基づいて、燃焼ガス中における対象ガスを検出する。本実施形態においては、検出部4は、ガスセンサ2の抵抗値の基準値からの変化量と、判定閾値とを比較することにより対象ガスを検出するように構成されている。要するに、検出部4は、対象ガスが存在しない(と判定される)状態でのガスセンサ2の抵抗値を基準値として、この基準値からのガスセンサ2の抵抗値の変化量を判定閾値と比較することによって対象ガスを検出する。ここにおいて、基準値は、固定的に定められた値ではなく随時更新される値である。以下では、ガスセンサ2の抵抗値の基準値からの変化量を、単に「抵抗値の変化量」ともいう。
そして、検出部4は、抵抗値の変化量を判定閾値と比較し、抵抗値の変化量が判定閾値未満であれば対象ガスの濃度が所定濃度未満と判定し、抵抗値の変化量が判定閾値以上であれば対象ガスの濃度が所定濃度以上と判定する。このように、検出部4は、ガスセンサ2の抵抗値の絶対値を用いて対象ガスを検出するのではなく、随時更新される基準値を基準としたガスセンサ2の抵抗値の相対値(変化量)を用いて対象ガスを検出する。以下では、このように随時更新される基準値を基準としたガスセンサ2の抵抗値の相対変化を用いて対象ガスを検出する処理を「相対値検知」という。相対値検知の詳細については、下記「相対値検知の詳細」の欄で説明する。
本実施形態のガス検出装置1においては、上述したようにして得られる対象ガスの検出結果を出力する出力部12が、処理部40に電気的に接続されている。出力部12は、たとえば発光ダイオードやブザー、リレーなどを含んでいる。これにより、検出部4は、上述したようにして得られる対象ガスの検出結果に応じて出力部12を制御し、発光ダイオードの点灯状態を変化させたり、ブザーやスピーカに警報音を出力させたりすることによって、検出結果をユーザに通知する。本実施形態では、検出部4は、対象ガスの濃度が所定濃度以上と判定すると警報を発生する(警報状態となる)。警報状態にある検出部4が、対象ガスの濃度が所定濃度未満と判定すると、警報を解除する。また、検出部4は、燃焼ガス中の対象ガスの濃度を提示するように構成されていてもよい。
ここで、制御部30および処理部40は、マイコン(マイクロコンピュータ)11によって実現されている。マイコン11は、メモリに記憶されているプログラムを実行することによって、制御部30および処理部40の各々の機能を実現する。なお、プログラムは、予めメモリに記憶されていてもよいし、電気通信回線を介して、あるいは記録媒体に記憶された状態で提供されてもよい。
ところで、本実施形態のように半導体式のガスセンサ2を用いたガス検出装置1では、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス(還元性ガス)の濃度が上昇した場合だけでなく、燃焼ガス中の酸素濃度が低下した場合にも抵抗値が減少する。そして、燃焼装置の着火直後においては、燃焼ガス中の酸素濃度が安定せず、燃焼ガス中の酸素濃度が大幅に変動することがある。そのため、燃焼装置の着火直後のように、燃焼ガス中の酸素濃度が変動しやすい状況においては、ガス検出装置1は、対象ガスの検出の信頼性が低下する可能性がある。
そこで、本実施形態のガス検出装置1においては、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまではガスセンサ2を駆動せず、上記待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始するように構成されている。要するに、駆動部3は、燃焼ガス中の酸素濃度が変動しやすい燃焼装置の着火直後の期間を待機期間とし、待機期間が経過するのを待ってガスセンサ2を駆動する。燃焼装置の着火時点からある程度の時間が経過すれば、燃焼装置は比較的安定な定常燃焼に移行するため、燃焼ガス中の酸素濃度も安定することになる。したがって、ガス検出装置1は、燃焼ガス中の酸素濃度が変動しやすい燃焼装置の着火直後の期間を避けて、燃焼ガス中の対象ガスを検出することができ、検出の信頼性が向上する。
ここにおいて、駆動部3は、燃焼装置の着火時点を始点とする一定時間の期間を、待機期間としている。本実施形態のガス検出装置1は、燃焼装置と電気的に接続されており、燃焼装置の着火のタイミングを表すトリガを燃焼装置から受信することで、燃焼装置の着火のタイミングを検知できるように構成されている。そして、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点から一定時間の経過後に、ガスセンサ2を駆動するように構成されている。一定時間の計時は、たとえばマイコン11のタイマ機能で実現される。
さらに詳しく説明すると、本実施形態では、ガス検出装置1は、燃焼装置から電力の供給を受けて動作するように構成されており、燃焼装置は、着火時点から第1の時間が経過すると、ガス検出装置1に電力供給を開始する。そこで、ガス検出装置1は、燃焼装置からの電力供給の開始(電源投入)を、燃焼装置の着火のタイミングを表すトリガとして利用する。ガス検出装置1は、電力供給が開始してから第2の時間が経過すると、駆動部3がガスセンサ2を駆動するように構成されている。要するに、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点から第1の時間が経過し、さらに第2の時間が経過すると、ガスセンサ2を駆動する。言い換えれば、燃焼装置の着火時点から一定時間(第1の時間と第2の時間との和)の期間が、待機期間となる。本実施形態では、第1の時間および第2の時間のいずれも1分であると仮定し、そのため、燃焼装置の着火時点から2分の期間が待機期間となる。
なお、待機期間は、燃焼装置の着火時点を始点とする一定時間の期間であればよく、上述のような第1の時間と第2の時間との和に限らない。たとえば、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点で燃焼装置からトリガを受信し、トリガを受信した時点から一定時間の期間を待機期間とするように構成されていてもよい。
<相対値検知の詳細>
以下、相対値検知の詳細について、図3および図4を参照して説明する。図3では、横軸を時間軸とし、ヒータ電圧と、ガスセンサ2の抵抗値との関係を表している。
本実施形態では、検出部4は予め定められているサンプリングタイミングでガスセンサ2の抵抗値を取得する。ここでは一例として、検知期間Ta1のうち開始時点から5秒経過するごとにサンプリングタイミングが設定されている。そのため、20秒の検知期間Ta1のうち、開始時点から5秒目、10秒目、15秒目、20秒目の4点をサンプリングタイミングとして、検出部4がガスセンサ2の抵抗値を取得することになる。つまり、検出部4は、これらのサンプリングタイミングにのみ、処理部40から直流電圧を印加し、検出電圧を検出する。なお、図3では、不感期間Ta2を含むことで検知期間Ta1の開始時点が5sであるため、10s、15s、20s、25sの4点がサンプリングタイミングとなる。
上述した全てのサンプリングタイミングが、対象ガスを検知するためのガス検知点として用いられることは必須ではなく、本実施形態では、20秒の検知期間Ta1のうち、開始時点から10秒目、15秒目、20秒目の3点のみがガス検知点となる。そして、検出部4は、これらのガス検知点(図3における15s、20s、25sの3点)で取得した抵抗値を、それぞれ基準値と比較することによって、抵抗値の変化量を求める。
たとえば図3においては、ヒータ電圧が0.9Vから0.2Vに切り替わった時点(図3の5sの時点)で、不感期間Ta2が終了して検知期間Ta1が開始する。そして、検知期間Ta1においては、ガスセンサ2の抵抗値は燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じて変化し、対象ガスの濃度が高いほどガスセンサ2の抵抗値は低くなる。図3の例では、対象ガスの濃度が0ppmのときのガスセンサ2の抵抗値を「A0」で示し、対象ガスの濃度が200ppm、400ppm、1000ppmのときのそれぞれのガスセンサ2の抵抗値を「A1」、「A2」、「A3」で示している。つまり、図3において、「A0」は対象ガスが存在しない状態でのガスセンサ2の抵抗値であって、基準値に相当する。また、図3は、対象ガスの濃度が高くなるにしたがってガスセンサ2の抵抗値が「A1」、「A2」、「A3」の順に変化することを表している。
したがって、図3の例では、検出部4は、検知期間Ta1の開始時点から10秒目、15秒目、20秒目の各ガス検知点における抵抗値を、基準値と比較することによって、抵抗値の変化量を求める。言い換えれば、検出部4は、基準値と、各ガス検知点において取得された抵抗値の実測値とを比較し、各ガス検知点における基準値からの抵抗値(実測値)の低下量を求める。本実施形態では検出部4は、基準値からの抵抗値(実測値)の変化量を直接求めるのではなく、この変化量に対応する値として基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)を求める。抵抗値の変化量は基準値Rsと実測値Raとの差(Rs−Ra)=Rs×(1−Ra/Rs)によって表されるので、抵抗値の変化量(低下量)が大きくなるほど、基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)は小さくなる。
そして、検出部4は、各ガス検知点における抵抗値の変化量を、毎回、判定閾値と比較することにより対象ガスを検出する。本実施形態では、検出部4は、抵抗値の変化量に対応する値として基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)を用いているので、その比較対象としても、判定閾値に対応する閾値Vt1を用いている。つまり、基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)は、抵抗値の変化量が大きくなるほどに小さくなる値であるから、抵抗値の変化量が判定閾値以上になる場合、基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)は閾値Vt1以下となる。同様に、抵抗値の変化量が判定閾値未満になる場合、基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)は閾値Vt1より大きくなる。
ここで用いる判定閾値(閾値Vt1)は、燃焼ガス中に所定濃度の対象ガス(一酸化炭素)が含まれるときのガスセンサ2の抵抗値の変化量(Ra/Rs)に相当する値である。そのため、抵抗値の変化量が判定閾値以上であれば(つまり、Ra/RsがVt1以下であれば)、検出部4は、対象ガスの濃度が所定濃度以上と判定し、警報を発生する。本実施形態では、上述したように警報を発生ときと警報を解除するときとでは異なる判定閾値(第1の閾値Vt1および第2の閾値Vt2)が用いられている。つまり、警報状態にある検出部4が警報を解除するときに用いる第2の閾値Vt2は、警報状態にない検出部4が警報を発生するときに用いる第1の閾値Vt1に比べて、大きな値に設定される(Vt1<Vt2)。
なお、検出部4は、上述したような基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)を求める構成に限らず、たとえば基準値Rsと実測値Raとの差(Rs−Ra)を求め、基準値からの抵抗値(実測値)の変化量を直接的に求める構成であってもよい。
ところで、検出部4は、過去の所定期間におけるガスセンサ2の抵抗値に基づいて、基準値Rsを随時更新するように構成されている。本実施形態では、図4に示すように、所定時間ごとに区切られた複数の区間T1,T2,T3…が設定されており、現在の区間および現在の1つ前の区間が基準値Rsの更新のために用いられる。基準値Rsの更新のための1区間は、たとえば20分である。
また、本実施形態では一例として、検知期間Ta1ごとに設定された3点のガス検知点のうち、最初のガス検知点のみ、つまり検知期間Ta1の開始時点から10秒目のガス検知点(図3における15s)のみが、基準値Rsの更新に用いられる。以下では、基準値Rsの更新に用いられるガス検知点を「基準値更新点」という。つまり、検出部4は、現在の区間および現在の1つ前の区間において、基準値更新点(検知期間Ta1の開始時点から10秒目)で周期的に取得したガスセンサ2の抵抗値(実測値Ra)に基づいて、基準値Rsを動的に設定する。
本実施形態においては、図4に示すように、現在の区間および現在の1つ前の区間において、検出部4が基準値更新点で周期的に取得したガスセンサ2の抵抗値(実測値Ra)のうちの最大値が、基準値Rsとして用いられる。なお、図4では、横軸を時間軸とし、検出部4が基準値更新点で取得した抵抗値(実測値Ra)を実線、基準値Rsを破線で示している。
そのため、ガスセンサ2が駆動すると、図4に示すように、第1区間T1(時刻t0〜t1)においては、まず最初の基準値更新点で取得された抵抗値(実測値Ra)が基準値Rsとなる。その後、第1区間T1においては、基準値更新点ごとに、基準値更新点で取得された抵抗値(実測値Ra)と基準値Rsとの比較を行い、実測値Raが基準値Rsより大きければ(Ra>Rs)、この実測値Raを新たな基準値Rsとする。時刻t1になると、第1区間T1が終了して第2区間T2(時刻t1〜t2)に切り替わり、前区間(第1区間T1)の基準値更新点で取得された抵抗値の最大値が、第2区間T2の開始時点の基準値Rsになる。その後、第2区間T2においては、第1区間T1と同様、基準値更新点ごとに、基準値更新点で取得された抵抗値(実測値Ra)と基準値Rsとの比較を行い、実測値Raが基準値Rsより大きければ(Ra>Rs)、この実測値Raを新たな基準値Rsとする。これにより、第2区間T2(時刻t1〜t2)においては、現在の区間(第2区間T2)および現在の1つ前の区間(第1区間T1)に取得された抵抗値(実測値Ra)の最大値が基準値Rsとなる。第3区間T3(時刻t2〜t3)以降も、上記と同様に基準値Rsが随時更新される。
したがって、たとえば第5区間T5(時刻t4〜t5)のいずれかのガス検知点において抵抗値(実測値Ra)が「Ra5」になると、このガス検知点における抵抗値の変化量は「Rs−Ra5」で表される。このときの基準値Rsは、図4に示すように、前区間(第4区間T4)に取得された抵抗値(実測値Ra)の最大値である。そして、検出部4は、抵抗値の変化量が判定閾値以上であれば(つまり、Ra5/RsがVt1以下であれば)、対象ガスの濃度が所定濃度以上と判定し、警報を発生する。
なお、警報を発生した(つまり警報状態にある)検出部4は、基準値Rsの更新を停止する。その後、警報が解除されると、検出部4は、警報解除後の最初の基準値更新点で取得した抵抗値(実測値Ra)が基準値Rsとし、基準値Rsの更新を再開する。
このように、本実施形態のガス検出装置1では、検出部4は、ガスセンサ2の抵抗値の絶対値を用いて対象ガスを検出するのではなく、随時更新される基準値Rsを基準としたガスセンサ2の抵抗値の変化量を用いて対象ガスを検出する相対値検知を行う。ここで、検出部4は、過去の所定期間に取得したガスセンサ2の抵抗値に基づいて、基準値Rsを随時更新する。これにより、検出部4は、燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じた感ガス体20の抵抗値の変化を抽出することができる。
ただし、上述した相対値検知は一例に過ぎず、相対値検知の具体的な方法は、上述した方法に限らない。たとえば、検出部4は、一定区間ごとにガスセンサ2の抵抗値の移動平均をとり、過去の所定期間の平均値を基準値Rsとしてもよい。また、サンプリングタイミングやガス検知点、基準値更新点、基準値の更新のための1区間の長さについても適宜変更可能である。
<判定閾値の更新>
本実施形態では、検出部4は、基準値に応じて判定閾値を変化させるように構成されている。つまり、判定閾値は固定値ではなく、上述した基準値に応じて変化する可変値である。言い換えれば、随時更新される基準値に合わせて、判定閾値も随時更新されることになる。
具体的には、検出部4は、基準値Rsの大きさに応じて、判定閾値を段階的に切り替えるように構成されている。本実施形態では、判定閾値に対応する値として、警報発生の判定に用いる第1の閾値Vt1と、警報解除の判定に用いる第2の閾値Vt2との、2つの閾値Vt1,Vt2がある。そこで、これら2つの閾値Vt1,Vt2が基準値Rsの大きさに応じてそれぞれ切り替わることになる。一例として、表1に示すように、基準値Rsと閾値Vt1,Vt2との対応関係を表すテーブルが、メモリに予め記憶されている。したがって、検出部4は、基準値Rsが更新される度に、このテーブルを参照して閾値Vt1,Vt2を設定する。
Figure 0006727753
要するに、検出部4は、たとえば基準値Rsが523kΩ以上であれば、第1の閾値Vt1を0.005とし、第2の閾値Vt2を0.010とする。一方、基準値Rsが26.1〜523kΩの範囲にあれば、第1の閾値Vt1を0.010とし、第2の閾値Vt2を0.015とする。このように、検出部4は、基準値Rsが低くなるほど閾値Vt1,Vt2が大きくなるように、基準値Rsに応じて閾値Vt1,Vt2を段階的に変化させる。
なお、ここでいう閾値Vt1,Vt2は、上述したように判定閾値に対応する値であって、基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)と比較される値である。基準値Rsと実測値Raとの比(Ra/Rs)は、抵抗値の変化量が大きくなるほどに小さくなる値であるから、閾値Vt1,Vt2が大きくなるほど、抵抗値の変化量と比較される判定閾値は小さくなることになる。よって、本実施形態では、検出部4は、基準値Rsが低くなるほど判定閾値が小さくなるように、基準値Rsに応じて判定閾値を段階的に変化させている。
<ガス検出装置の動作>
次に、本実施形態のガス検出装置1の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、燃焼装置が着火すると(S1)、燃焼装置は、着火時点からの経過時間(以下、「第1の経過時間」という)のカウントを開始する(S2)。第1の経過時間が第1の時間(ここでは1分)に達するまでは(S3:No)、燃焼装置は、第1の経過時間のカウントを継続する(S2)。第1の経過時間が第1の時間に達すると(S3:Yes)、燃焼装置は、ガス検出装置1への電力供給を開始する(S4)。
処理S4においてガス検出装置1への電力供給が開始すると、ガス検出装置1は、マイコン11の初期化等、所定の起動処理を行う(S5)。ここで、ガス検出装置1は、起動処理の開始に伴ってタイマを起動し、電力供給の開始時点からの経過時間(以下、「第2の経過時間」という)のカウントを開始する(S6)。第2の経過時間が第2の時間(ここでは1分)に達するまでは(S7:No)、ガス検出装置1は、ガスセンサ2を駆動することなく、第2の経過時間のカウントを継続する(S6)。第2の経過時間が第2の時間に達すると(S7:Yes)、ガス検出装置1は、駆動部3にてガスセンサ2の駆動を開始する(S8)。これにより、ガス検出装置1は、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス(ここでは一酸化炭素)を検出可能となり、燃焼装置の不完全燃焼を検知できる(S9)。
このように、本実施形態のガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点を始点とする一定時間(第1の時間と第2の時間との和)の期間を待機期間とする。駆動部3は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまではガスセンサ2を駆動せず、待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始する。
<効果>
以上説明した本実施形態のガス検出装置1によれば、燃焼装置の着火直後の期間が待機期間となり、待機期間が経過するまでは駆動部3がガスセンサ2を駆動せず、待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始する。そのため、ガス検出装置1は、燃焼ガス中の酸素濃度が変動しやすい燃焼装置の着火直後の期間を避け、燃焼ガス中の酸素濃度が比較的安定した状況で対象ガスを検出することができる。したがって、ガス検出装置1は、燃焼装置の燃焼ガス中であっても信頼性の高い検出が可能である。
しかも、燃焼装置の着火直後の期間には、燃焼装置の燃焼ガス中に未燃ガスが含まれやすいが、ガス検出装置1は、この期間(待機期間)にガスセンサ2を駆動しないことで、未燃ガスによるガスセンサ2の劣化を抑制することができる。つまり、未燃ガスが存在する雰囲気中でガスセンサ2が駆動されると、ガスセンサ2の加熱に伴ってガスセンサ2の周囲の未燃ガスが燃焼し、ガスセンサ2の劣化につながる可能性がある。本実施形態のガス検出装置1は、燃焼ガス中に未燃ガスが含まれやすい燃焼装置の着火直後の期間には、ガスセンサ2を駆動しないので、ガスセンサ2の劣化を抑制することができる。
また、検出部4は、本実施形態のように、随時更新される基準値を基準としたガスセンサ2の抵抗値の変化量を用いて対象ガスを検出する相対値検知を行うことが好ましい。つまり、本実施形態のガス検出装置1は、検出部4が、ガスセンサ2の抵抗値の相対値(変化量)を用いて対象ガスを検出する。したがって、酸素濃度や温度が変動する燃焼装置の燃焼ガス中においても、ガス検出装置1の誤動作が生じにくくなる。すなわち、燃焼装置の着火直後のように酸素濃度や温度が変動する環境下においては、対象ガスの濃度が同じでもガスセンサ2の抵抗値の絶対値が変動することになる。ガス検出装置1は、ガスセンサ2の抵抗値の絶対値ではなく、相対値(変化量)を用いて対象ガスを検出するので、酸素濃度や温度の変動の影響を受けにくくなって、結果的に、誤動作が生じにくくなる。なお、この構成はガス検出装置1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、本実施形態のガス検出装置1は、上述のように燃焼ガス中の酸素濃度や温度の変動の影響を受けにくい構成を採用しているので、ガスセンサ2として半導体式ガスセンサを適用しながらも、信頼性の高い検出が可能である。半導体式ガスセンサは、固体電解質型のガスセンサ(酸素センサ)や接触燃焼式ガスセンサに比べ、安価で且つ長寿命であるという利点がある。したがって、本実施形態のガス検出装置1は、ガスセンサ2の校正や交換の頻度を低く抑えることが可能である。
さらに、駆動部3は、本実施形態のように、燃焼装置の着火時点を始点とする一定時間の期間を、待機期間とすることが好ましい。この構成によれば、駆動部3は、燃焼装置の着火のタイミングに基づいて待機期間を設定することができるため、比較的簡単な構成でガスセンサ2の駆動を開始するタイミングを規定することができる。なお、この構成はガス検出装置1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
ところで、検出部4が、ガスセンサ2の抵抗値の相対値(変化量)を用いて対象ガスを検出する構成であっても、温度や酸素濃度、未燃ガス濃度などが大幅に変動するようなことがあれば、これらの変動の影響によりガス検出装置1が誤動作することがある。つまり、温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等は、ガスセンサ2の抵抗値の変動要因となり得るため、これらの値が大幅に変動すると、ガスセンサ2の抵抗値が大幅に変動してガス検出装置1が誤動作することがある。
たとえば、燃焼装置の種類や、燃焼装置の燃焼モードによっては、燃焼装置の燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等、ガスセンサ2の抵抗値の変動要因となり得る値が大幅に異なることがある。一例として、異なる種類の燃焼装置としては、局所的に燃焼を行うガンタイプの燃焼装置と、広範囲に亘り燃焼を行う面燃焼タイプの燃焼装置とがある。なお、一般的に、ガンタイプの燃焼装置では面燃焼タイプの燃焼装置に比べて、燃焼ガス中におけるメタン等の未燃ガスの濃度は高くなる。また、産業用の空調設備に用いられる燃焼装置においては、燃焼モードとして、燃焼ガスの温度が200度程度になる高燃焼モードと、燃焼ガスの温度が100度程度になる低燃焼モードとがある。燃焼装置の着火時点から一定時間(待機期間)が経過すれば、定常燃焼となるため、たとえば燃焼ガスの温度は一定値に落ち着くことになるが、燃焼装置の種類や燃焼モードによって、温度の落ち着く値が大幅に異なる。その結果、対象ガスの濃度が0ppmであっても、ガスセンサ2の抵抗値の絶対値が大幅に異なる。
ガスセンサ2の抵抗値の絶対値が大幅に異なっていると、対象ガスの濃度が同じ場合でも、ガスセンサ2の抵抗値の変化量(低下量)が大きく異なる。したがって、判定閾値が固定値であると、対象ガスの濃度が同じでも、ガス検出装置1は、燃焼装置の種類や燃焼モードによって、発報する場合と発報しない場合とを生じる可能性がある。
図6は、燃焼装置の種類や、燃焼装置の燃焼モードが異なる条件下において、図3と同じガス検出装置1で対象ガスを検出した結果を表している。図6では、横軸を時間軸とし、ヒータ電圧と、ガスセンサ2の抵抗値との関係を表している。また、図6の例では、図3と同様、対象ガスの濃度が0ppmのときのガスセンサ2の抵抗値を「A0」で示し、対象ガスの濃度が200ppm、400ppm、1000ppmのときのそれぞれのガスセンサ2の抵抗値を「A1」、「A2」、「A3」で示している。
図3と図6との対比から明らかなように、両者では、基準値(図中15sの基準値更新点におけるA0の値)が大幅に異なっている。つまり、図3では基準値は1000kΩ付近にあるのに対し、図6では基準値は7kΩ程度である。そして、たとえば対象ガスの濃度が1000ppmのときの、基準値更新点における基準値からの抵抗値(実測値)の変化量に着目すると、図3では1000kΩ程度であるのに対し、図6では数kΩである。そのため、判定閾値が固定値であると、対象ガスの濃度が同じでも、ガス検出装置1は、燃焼装置の種類や燃焼モードによって、発報する場合と発報しない場合とを生じる可能性がある。
そこで、検出部4は、本実施形態のように、基準値に応じて判定閾値を変化させるように構成されていることが好ましい。つまり、検出部4は、基準値となるガスセンサ2の抵抗値(kΩ)に応じて判定閾値を変化させることが好ましい。この構成によれば、待機期間の経過後において、燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等、ガスセンサ2の抵抗値の変動要因となり得る値が大幅に変動することがあったとしても、ガス検出装置1は、誤動作が生じにくいという利点がある。すなわち、検出部4は、基準値に応じて判定閾値を変化させるので、燃焼装置の種類や燃焼モードによって燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等が大幅に変動し、基準値が大幅に変化したとしても、ガス検出装置1の誤動作が生じにくくなる。また、燃焼装置の種類や燃焼モードによって、燃焼ガス中の酸素および未燃ガス以外のガスの濃度や、燃焼ガスの温度以外の値(たとえば湿度)が大幅に変動することもあるが、上記構成によれば、ガス検出装置1は、これらの変動による誤動作も生じにくくなる。なお、この構成はガス検出装置1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、検出部4は、本実施形態のように、基準値が低くなるほど判定閾値が小さくなるように、基準値に応じて判定閾値を段階的に変化させる構成であることが好ましい。この構成によれば、燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガスの濃度等が大幅に変動し、基準値が大幅に低下することがあっても、判定閾値は基準値に合わせて小さくなるため、ガス検出装置の誤動作が生じにくくなる。しかも、判定閾値は段階的に変化するため、基準値がある程度大きく変化した場合にのみ判定閾値が変化することとなり、判定閾値の設定が容易になる。
ここにおいて、燃焼装置の種類や燃焼モードに起因した燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等の変動は頻繁には生じないため、判定閾値の更新周期は、基準値の更新周期よりも十分に長い時間(たとえば1時間程度)であってもよい。また、本実施形態のように、駆動部3が一定の駆動周期(たとえば25秒)で不感期間と検知期間とを切り替えている場合には、検出部4は、不感期間から検知期間に切り替わった直後のガスセンサ2の抵抗値に応じて判定閾値を変化させることが好ましい。つまり、不感期間から検知期間に切り替わった直後のガスセンサ2の抵抗値には、燃焼ガス中の対象ガスの濃度が殆ど影響しない。これにより、判定閾値は、燃焼装置の種類や燃焼モードに起因した燃焼ガスの温度や酸素濃度、未燃ガス濃度等の変動に応じて変化することになる。
以上説明したように、本実施形態のガス検出装置1によれば、半導体式ガスセンサの抵抗値の変動要因となる値(温度や酸素濃度、未燃ガス濃度、湿度等)が大きくばらつく環境下においても、半導体式ガスセンサを用いて対象ガスを検出可能となる。したがって、半導体式ガスセンサを用いたガス検出装置1でありながらも、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスの検出に適用可能となる。
<変形例>
本実施形態の変形例として、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火直後の待機期間においても、ガスセンサ2を初期モードとして一時的に駆動するに構成されていてもよい。たとえば燃焼装置の機械的損傷などが原因で、燃焼装置の着火時に不完全燃焼が生じる場合がある。本変形例の構成によれば、このような場合であっても不完全燃焼が生じたときに発生する一酸化炭素を検出し、燃焼装置の不完全燃焼を検知できる。
本変形例であっても、ガスセンサ2が上述したような通常のモード(以下、「通常モード」という)で駆動されるのは、あくまで燃焼装置の着火時点から待機期間が経過した以降である。すなわち、本変形例においては、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火直後の待機期間に、通常モードとは異なる初期モードでガスセンサ2を短時間(たとえば駆動周期の2周期に相当する50秒)だけ駆動する。初期モードでは、ガス検出装置1は、メモリに予め記憶されている初期閾値とガスセンサ2の抵抗値とを比較する。ガスセンサ2の抵抗値が初期閾値を下回ると、ガス検出装置1は、不完全燃焼と判断する。つまり、ガスセンサ2の抵抗値の比較対象となる基準値を更新することで相対値検知を行う通常モードとは異なり、初期モードにおいては、ガス検出装置1は、固定的に設定された初期閾値を用いて一酸化炭素を検出し、不完全燃焼を検知する。
その結果、燃焼装置の着火直後の待機期間においても、ガスセンサ2が初期モードで一時的に駆動することになり、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火時に生じた不完全燃焼を検知することができる。なお、この構成はガス検出装置1に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
(実施形態2)
本実施形態のガス検出装置1は、駆動部3が、燃焼装置の着火時点から、温度センサで計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定条件を満たすまでの期間を、待機期間とする点で、実施形態1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
一般的に、燃焼装置の燃焼ガスの温度は、燃焼装置の着火直後の期間には上昇し、燃焼装置の着火時点からある程度の時間が経過して燃焼装置が定常燃焼に移行すると安定する。そこで、本実施形態では、ガス検出装置1は、図7に示すように温度センサ5をさらに備え、温度センサ5で計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定温度(たとえば80℃)以上になることを所定条件として、駆動部3が待機期間を決定する。すなわち、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から、温度センサ5で計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定温度に到達し温度が安定するまでの期間を、待機期間とする。
温度センサ5は、たとえばサーミスタを用いて構成され、ガスセンサ2と共に煙道内に配置されている。温度センサ5は、駆動部3の制御部30と電気的に接続されており、温度センサ5で計測された燃焼ガスの温度は、制御部30へ入力される。なお、燃焼ガスの温度を計測する温度センサ5はガス検出装置1とは別に設けられていてもよく、たとえば燃焼装置が温度センサ5を備えていてもよい。この場合、ガス検出装置1は、温度センサ5で計測された燃焼ガスの温度を燃焼装置から取得し、取得した温度に基づいて待機期間を決定する。
<ガス検出装置の動作>
次に、本実施形態のガス検出装置1の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、燃焼装置が着火すると(S11)、燃焼装置は、ガス検出装置1への電力供給を開始する(S12)。処理S12においてガス検出装置1への電力供給が開始すると、ガス検出装置1は、マイコン11の初期化等、所定の起動処理を行う(S13)。起動処理が完了すると、ガス検出装置1は、駆動部3の制御部30にて温度センサ5で計測される燃焼ガスの温度の読み取りを開始する(S14)。燃焼ガスの温度が所定温度に達するまでは(S15:No)、ガス検出装置1は、ガスセンサ2を駆動することなく、燃焼ガスの温度の監視を継続する(S14)。燃焼ガスの温度が所定温度に達すると(S15:Yes)、ガス検出装置1は、駆動部3にてガスセンサ2の駆動を開始する(S16)。これにより、ガス検出装置1は、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス(ここでは一酸化炭素)を検出可能となり、燃焼装置の不完全燃焼を検知できる(S17)。
このように、本実施形態のガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点から、温度センサ5で計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定条件を満たす(所定温度に達する)までの期間を待機期間とする。駆動部3は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまではガスセンサ2を駆動せず、待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始する。
<効果>
以上説明した本実施形態のガス検出装置1によれば、温度センサ5で計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度に応じて、待機期間が決まることになる。つまり、待機期間は、固定長の期間ではなく、燃焼装置の燃焼状態に順応して長さが変化する可変長の期間となる。したがって、燃焼装置の着火時点から定常燃焼に移行するまでの時間にばらつきがある場合でも、燃焼装置が定常燃焼に移行後、ガス検出装置1は、速やかにガスセンサ2の駆動を開始して、対象ガスを検出することができる。
<変形例>
本実施形態の変形例として、温度センサは、ヒータコイル21の抵抗値に基づいて燃焼ガスの温度を計測するように構成されていてもよい。すなわち、ガスセンサ2は、通電により発熱するヒータコイル21を有している。本変形例では、温度センサはガスセンサ2と別に設けられるのではなく、ガスセンサ2のヒータコイル21が温度センサとして兼用される。
具体的には、本変形例のガス検出装置1は、図9に示すように、電源回路31とは別に、ヒータコイル21を温度センサとして動作させるための定電流回路33と、ヒータコイル21の両端電圧を検出する電圧検出部34とをさらに備えている。定電流回路33および電圧検出部34はいずれも制御部30と電気的に接続されている。制御部30は、定電流回路33を制御して定電流回路33からヒータコイル21へ定電流を流し、この状態で、電圧検出部34にて検出されるヒータコイル21の両端電圧を読み取り、読み取った電圧の大きさから燃焼ガスの温度を計測する。
要するに、白金線からなるヒータコイル21は、温度に応じて抵抗値が変化するため、ヒータコイル21に定電流が流れている状態では、電圧検出部34にて検出されるヒータコイル21の両端電圧は、ヒータコイル21の周囲温度を表すことになる。そこで、本変形例のガス検出装置1は、定電流が流れている状態のヒータコイル21の両端電圧を制御部30にて読み取ることにより、ヒータコイル21の抵抗値に基づいて燃焼ガスの温度を計測する。このとき、ガスセンサ2が劣化しないように、定電流回路33からヒータコイル21に流す電流は温度計測が可能な範囲で極力小さな値とすることが好ましい。
本変形例の構成によれば、ガス検出装置1は、ガスセンサ2のヒータコイル21が温度センサとして兼用されるので、ガスセンサ2と別に温度センサを設ける必要がなく、煙道内に配置されるセンサをガスセンサ2のみとすることができる。
なお、本実施形態において、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から、温度センサ5で計測される燃焼装置の燃焼ガスの温度が所定条件を満たすまでの期間を、待機期間とすればよく、所定条件は、燃焼ガスの温度が所定温度以上になることに限らない。たとえば、所定条件は、温度センサ5で計測される燃焼ガスの温度が所定温度以上の状態が、一定時間継続することであってもよい。また、所定条件は、温度センサ5で計測される燃焼ガスの温度の単位時間当たりの変化量が規定値以下となること、つまり燃焼ガスの温度が安定することであってもよい。
(実施形態3)
本実施形態のガス検出装置1は、駆動部3が、燃焼装置の着火時点から、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス以外の参照ガスの濃度を補助センサで検出した結果が所定条件を満たすまでの期間を、待機期間とする点で、実施形態1と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態において、対象ガスは一酸化炭素であるため、参照ガスは、燃焼ガス中の一酸化炭素以外のガスである。ここでは一例として、参照ガスは酸素(O)である。言い換えれば、補助センサで検出される参照ガスの濃度は酸素濃度である。
一般的に、燃焼装置の燃焼ガス中の酸素濃度は、燃焼装置の着火直後の期間には低下し、燃焼装置の着火時点からある程度の時間が経過して燃焼装置が定常燃焼に移行すると安定する。そこで、本実施形態では、ガス検出装置1は、図10に示すように補助センサ6をさらに備え、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の酸素濃度が所定濃度以下になることを所定条件として、駆動部3が待機期間を決定する。すなわち、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から、補助センサ6で検出される燃焼装置の燃焼ガス中の酸素濃度が所定濃度に到達するまでの期間を、待機期間とする。
補助センサ6は、周知の酸素センサ(Oセンサ)を用いて構成され、ガスセンサ2と共に煙道内に配置されている。補助センサ6は、駆動部3の制御部30と電気的に接続されており、補助センサ6で検出された燃焼ガス中の参照ガス(ここでは酸素)の濃度は、制御部30へ入力される。なお、燃焼ガス中の参照ガスの濃度を検出する補助センサ6はガス検出装置1とは別に設けられていてもよく、たとえば燃焼装置が補助センサ6を備えていてもよい。この場合、ガス検出装置1は、補助センサ6で検出された燃焼ガス中の参照ガスの濃度を燃焼装置から取得し、取得した参照ガスの濃度に基づいて待機期間を決定する。
<ガス検出装置の動作>
次に、本実施形態のガス検出装置1の動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。
まず、燃焼装置が着火すると(S21)、燃焼装置は、ガス検出装置1への電力供給を開始する(S22)。処理S22においてガス検出装置1への電力供給が開始すると、ガス検出装置1は、マイコン11の初期化等、所定の起動処理を行う(S23)。起動処理が完了すると、ガス検出装置1は、駆動部3の制御部30にて補助センサ6で検出される燃焼ガス中の参照ガス(ここでは酸素)の濃度の読み取りを開始する(S24)。燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定濃度に達するまでは(S25:No)、ガス検出装置1は、ガスセンサ2を駆動することなく、燃焼ガス中の参照ガスの濃度の監視を継続する(S24)。燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定濃度に達すると(S25:Yes)、ガス検出装置1は、駆動部3にてガスセンサ2の駆動を開始する(S26)。これにより、ガス検出装置1は、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガス(ここでは一酸化炭素)を検出可能となり、燃焼装置の不完全燃焼を検知できる(S27)。
このように、本実施形態のガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点から、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定条件を満たす(所定濃度に達する)までの期間を待機期間とする。駆動部3は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまではガスセンサ2を駆動せず、待機期間が経過した時点でガスセンサ2の駆動を開始する。
<効果>
以上説明した本実施形態のガス検出装置1によれば、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度に応じて、待機期間が決まることになる。つまり、待機期間は、固定長の期間ではなく、燃焼装置の燃焼状態に順応して長さが変化する可変長の期間となる。したがって、燃焼装置の着火時点から定常燃焼に移行するまでの時間にばらつきがある場合でも、燃焼装置が定常燃焼に移行後、ガス検出装置1は、速やかにガスセンサ2の駆動を開始して、対象ガスを検出することができる。
また、本実施形態では、補助センサ6で検出される参照ガスの濃度は酸素濃度であるので、補助センサ6として、一般的な酸素センサを適用できる。そして、ガス検出装置1は、燃焼装置が定常燃焼に移行して燃焼ガス中の酸素濃度が安定したタイミングで、ガスセンサ2の駆動を開始することができる。
<変形例1>
本実施形態の変形例1として、補助センサ6は、たとえば窒素酸化物(NO)や水素(H)など、酸素以外のガスの濃度を参照ガスの濃度として検出する構成であってもよい。すなわち、補助センサ6は、たとえば窒素酸化物や水素など、酸素以外のガスに対して感度を有するガスセンサからなる。
一般的に、燃焼装置の燃焼ガス中には、対象ガス(ここでは一酸化炭素)以外の参照ガスとして、酸素だけでなく、窒素酸化物や水素など各種のガスが含まれている。そして、酸素以外の参照ガスの濃度についても、酸素濃度と同様に、燃焼装置の着火直後の期間には変化し、燃焼装置の着火時点からある程度の時間が経過して燃焼装置が定常燃焼に移行すると安定する。そこで、本変形例のガス検出装置1は、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定濃度に達することを所定条件として、駆動部3が待機期間を決定する。すなわち、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から、補助センサ6で検出される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定濃度に到達するまでの期間を、待機期間とする。
本変形例の構成によれば、補助センサ6は酸素以外の参照ガスに対して感度を有していればよいので、補助センサ6として、一般的なガスセンサを適用できる。そして、ガス検出装置1は、燃焼装置が定常燃焼に移行して燃焼ガス中の参照ガスの濃度が安定したタイミングで、ガスセンサ2の駆動を開始することができる。
<変形例2>
本実施形態の変形例2として、ガス検出装置1は、待機期間においては、ガスセンサ2を第2温度にすることでガスセンサ2を補助センサとして用い、待機期間の経過後に、ガスセンサ2を第1温度にすることでガスセンサ2の駆動を開始する構成であってもよい。すなわち、駆動部3は、上述したようにガスセンサ2の温度を、ガスセンサ2の対象ガス(ここでは一酸化炭素)に対する感度が所定値以上になる第1温度と、ガスセンサ2の対象ガスに対する感度が所定値未満になる第2温度とで切替可能である。そこで、駆動部3は、第2温度を、ガスセンサ2の参照ガス(酸素や窒素酸化物、水素等)に対する感度が所定値以上になる温度とすることで、ガスセンサ2を補助センサとして用いることが可能である。要するに、本変形例では、補助センサはガスセンサ2と別に設けられるのではなく、ガスセンサ2が補助センサとして兼用される。
具体的には、本変形例のガス検出装置1は、ガスセンサ2の温度が、ガスセンサ2が対象ガス(ここでは一酸化炭素)に十分な感度を持つ第1温度にある検知期間には、検出部4がガスセンサ2の抵抗値を用いて対象ガスを検出する。一方、ガスセンサ2の温度が、ガスセンサ2が参照ガスに十分な感度を持つ第2温度にある不感期間には、検出部4がガスセンサ2の抵抗値を用いて参照ガスを検出する。このように、ガス検出装置1は、ガスセンサ2の温度を切り替えることにより、1つのガスセンサ2にて2種類のガスを検出することができる。
そこで、ガス検出装置1は、燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまでは、ガスセンサ2の温度を第2温度に固定し、ガスセンサ2の抵抗値に基づいて参照ガスを検出する。待機期間が経過すると、ガス検出装置1は、ガスセンサ2の通常駆動(つまり、対象ガスを検出するための駆動)を開始し、ガスセンサ2の抵抗値に基づいて対象ガスを検出する。ここで、ガスセンサ2の通常駆動においては、駆動部3は、ガスセンサ2の温度が第1温度となる検知期間と、ガスセンサ2の温度が第2温度となる不感期間とを交互に切り替えてもよいし、ガスセンサ2の温度を第1温度に固定してもよい。
なお、ガスセンサ2の温度が第1温度である検知期間とガスセンサ2の温度が第2温度である不感期間とでは、ガスセンサ2の抵抗値が大幅に異なることがある。そこで、ガス検出装置1は、検出部4に2種類の負荷抵抗を有し、検出電圧を検出するために使用する負荷抵抗を、検知期間と不感期間とで切り替えてもよい。
本変形例の構成によれば、ガス検出装置1は、ガスセンサ2が補助センサとして兼用されるので、ガスセンサ2と別に補助センサを設ける必要がなく、煙道内に配置されるセンサをガスセンサ2のみとすることができる。
なお、本実施形態において、駆動部3は、燃焼装置の着火時点から、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定条件を満たすまでの期間を、待機期間とすればよい。そのため、所定条件は、燃焼ガス中の参照ガスの濃度が所定濃度以下になることに限らない。たとえば、所定条件は、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガス(ここでは酸素)の濃度が所定濃度以下の状態が、一定時間継続することであってもよい。また、所定条件は、補助センサ6で計測される燃焼装置の燃焼ガス中の参照ガスの濃度の単位時間当たりの変化量が規定値以下となること、つまり参照ガスの濃度が安定することであってもよい。
(応用例)
上記各実施形態では、たとえば産業用の温水器や空調設備、吸収式冷凍機などに用いられる燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスを検出するガス検出装置を例示した。ただし、ガス検出装置が用いられる燃焼装置は、産業用の燃焼装置に限らず、たとえば家庭用給湯器や、自動車のエンジン等の内燃機関などであってもよい。燃焼装置が内燃機関である場合、燃焼装置の着火とは、内燃機関の燃焼開始(始動)を意味する。
このように、上記各実施形態で説明したガス検出装置は、種々の燃焼装置に適用することができる。ただし、産業用の燃焼装置は、一旦着火すると比較的長時間(たとえば24時間)にわたって燃焼し続けることが多いので、ガス検出装置が、燃焼装置の着火直後の期間(待機期間)にガスセンサ2を駆動させないことの影響は小さい。そのため、上記各実施形態のガス検出装置は、産業用の燃焼装置に特に有用である。
1 ガス検出装置
2 ガスセンサ
3 駆動部
4 検出部
5 温度センサ
6 補助センサ
21 ヒータコイル

Claims (3)

  1. 半導体式ガスセンサからなり、燃焼装置の燃焼ガス中の対象ガスの濃度に応じて抵抗値が変化するガスセンサと、
    前記ガスセンサを駆動する駆動部と、
    前記ガスセンサの駆動中の抵抗値に基づいて前記対象ガスを検出する検出部とを備え、
    前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から待機期間が経過するまでは前記ガスセンサを駆動せず、前記待機期間が経過した時点で前記ガスセンサの駆動を開始するように構成されており、
    前記駆動部は、前記燃焼装置の着火時点から、前記燃焼装置の燃焼ガス中の前記対象ガス以外の参照ガスの濃度を補助センサで検出した結果が所定条件を満たすまでの期間を、前記待機期間とする、
    ガス検出装置。
  2. 前記駆動部は、前記ガスセンサの温度を、前記ガスセンサの前記対象ガスに対する感度が所定値以上になる第1温度と、前記ガスセンサの前記参照ガスに対する感度が所定値以上になる第2温度とで切替可能であって、
    前記待機期間においては、前記ガスセンサを前記第2温度にすることで前記ガスセンサを前記補助センサとして用い、
    前記待機期間の経過後に、前記ガスセンサを前記第1温度にすることで前記ガスセンサの駆動を開始するように構成されている、
    請求項1に記載のガス検出装置。
  3. 前記検出部は、
    過去の所定期間における前記ガスセンサの抵抗値に基づいて基準値を随時更新し、
    前記ガスセンサの抵抗値の前記基準値からの変化量と判定閾値とを比較することにより前記対象ガスを検出しており、
    前記基準値に応じて前記判定閾値を変化させるように構成されている、
    請求項1または請求項2に記載のガス検出装置。
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