JP2011128544A - 光ファイバホルダ及び光ファイバ心線の保持方法 - Google Patents

光ファイバホルダ及び光ファイバ心線の保持方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ心線を光ファイバホルダに保持する際に、抗張力繊維の処理を容易に且つ品質良く行うことができる光ファイバホルダを提供する。
【解決手段】 光ファイバホルダ1はホルダ本体6を備え、このホルダ本体6には、光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して露出された光ファイバ心線を位置決め収容するファイバ収容溝7と、コード外被を収容するコード収容溝8とが形成されている。ホルダ本体6には、コード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13が開閉可能に取り付けられている。コード保持蓋12の裏面側には、コード収容溝8と協働して、光ファイバコードを挿通させるための断面円形状の挿通穴を形成するコード収容溝15が形成されている。挿通穴の径は、コード外被よりも僅かに大きくなっている。ファイバ押さえ蓋13は、ファイバ収容溝7に収容された光ファイバ心線をホルダ本体6に対して押さえる蓋である。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗張力繊維が内蔵された光ファイバコードの光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダ及び光ファイバ心線の保持方法に関するものである。
従来の光ファイバホルダとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の光ファイバホルダは、ホルダ本体と、このホルダ本体に開閉可能に取り付けられた2つの蓋体とからなっている。ホルダ本体には、光ファイバコードの露出された光ファイバ心線を位置決め収容する調心溝と、光ファイバコードのコード部を収容するコード部用溝と、調心溝とコード部用溝との間に位置し、光ファイバ心線の周囲の抗張力繊維を引き出すための溝状の空間部とが設けられている。一方の蓋体は、調心溝に収容された光ファイバ心線を狭持するものであり、他方の蓋体は、コード部用溝に収容されたコード部を狭持するものである。
特許第3542008号
上記従来技術においては、光ファイバ心線を光ファイバホルダに保持する際に、ホルダ本体に形成された空間部の両側から抗張力繊維を引き出して後方に引き回す。しかし、光ファイバ心線の周囲に隙間無く設けられた抗張力繊維を光ファイバ心線から選り分けて狭い空間部から引き出す作業は、かなりの手間がかかるため、作業時間が長くなってしまう。また、抗張力繊維の引き出しは作業者の手作業によって実施されるため、作業者のスキルにより品質のばらつきが生じる。例えば光ファイバ心線同士を融着接続する場合には、作業者のスキルが低いと、抗張力繊維が融着放電による高温で燃焼したり、抗張力繊維が融着接続部に触れたりして、光ファイバ心線の接続品質を低下させる可能性がある。
本発明の目的は、光ファイバ心線を光ファイバホルダに保持する際に、抗張力繊維の処理を容易に且つ品質良く行うことができる光ファイバホルダ及び光ファイバ心線の保持方法を提供することである。
本発明は、抗張力繊維が内蔵された光ファイバコードの光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダにおいて、光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して露出された光ファイバ心線を収容するファイバ収容溝を有するホルダ本体部と、光ファイバコードのコード外被を収容する第1コード収容溝を有するコード保持ベース部と、ホルダ本体部に開閉可能に取り付けられ、第1コード収容溝と協働して、光ファイバコードを挿通させる挿通穴を形成する第2コード収容溝を有するコード保持蓋と、ホルダ本体部に開閉可能に取り付けられ、ファイバ収容溝に収容された光ファイバ心線をホルダ本体部に対して押さえるファイバ押さえ蓋とを備え、挿通穴は、光ファイバコードが挿通する際に、光ファイバ心線と共に露出した状態の抗張力繊維が挿通穴を形成するコード保持ベース部及びコード保持蓋の内壁面に接触するような形状及び寸法を有していることを特徴とするものである。
以上のような本発明の光ファイバホルダに光ファイバ心線を保持するときは、光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して、光ファイバ心線及び抗張力繊維を露出させる。その状態で、コード保持ベース部の第1コード収容溝とコード保持蓋の第2コード収容溝との協働により形成される挿通穴に光ファイバコードを挿通させて、光ファイバ心線をホルダ本体部のファイバ収容溝に収容する。そして、ファイバ押さえ蓋によって光ファイバ心線をホルダ本体部に対して押さえる。
ここで、挿通穴は、光ファイバコードが挿通する際に、挿通穴を形成するコード保持ベース部及びコード保持蓋の内壁面に露出状態の抗張力繊維が接触するような形状及び寸法を有している。このため、光ファイバコードを挿通穴に挿通させると、露出状態の抗張力繊維は、コード保持ベース部及びコード保持蓋の内壁面に接触して挿通方向の反対側に倣い、コード外被の周囲に配置されるようになる。このように光ファイバコードを挿通穴に挿通させるだけで、露出状態の抗張力繊維がコード外被の周囲に来るようにガイドされるので、抗張力繊維の処理を簡単に且つ作業者のスキルによらずに品質良く行うことができる。
好ましくは、コード保持ベース部は、ホルダ本体部と一体化されている。この場合には、光ファイバホルダの部品点数を削減し、光ファイバホルダの構造を簡素化することができる。
また、コード保持ベース部は、コード保持蓋とは独立してホルダ本体部に開閉可能に取り付けられている構成であっても良い。このような構成では、コード保持ベース部とコード保持蓋とにより挿通穴を形成した状態で、コード保持ベース部及びコード保持蓋をホルダ本体部に対して開くことにより、挿通穴はホルダ本体部から離れた位置に存在するようになる。この場合には、例えば光ファイバコードの光ファイバ心線を端末処理して裸ファイバを露出させた状態で、光ファイバコードを挿通穴に挿通させたときに、裸ファイバの先端がホルダ本体部に接触することを防止できる。
また、本発明は、抗張力繊維が内蔵された光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する光ファイバ心線の保持方法において、上述した光ファイバホルダを用意する工程と、光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して、光ファイバ心線及び抗張力繊維を露出させる工程と、コード保持ベース部及びコード保持蓋により挿通穴を形成した状態で、挿通穴に光ファイバコードを挿通させて、光ファイバ心線をファイバ収容溝に収容する工程と、ファイバ押さえ蓋によって光ファイバ心線をホルダ本体部に対して押さえる工程とを含むことを特徴とするものである。
このような光ファイバ心線の保持方法においては、上記の光ファイバホルダを用いることにより、上述したように光ファイバ心線及び抗張力繊維が露出している状態の光ファイバコードを挿通穴に挿通させるだけで、露出状態の抗張力繊維がコード外被の周囲に来るようにガイドされる。これにより、抗張力繊維の処理を簡単に且つ作業者のスキルによらずに品質良く行うことができる。
本発明によれば、光ファイバ心線を光ファイバホルダに保持する際に、抗張力繊維の処理を容易に且つ品質良く行うことができる。これにより、作業者の作業負担を軽減することが可能となる。また、作業時間を短縮し、作業効率を向上させることが可能となる。
本発明に係わる光ファイバホルダの第1実施形態の外観を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダに組み付けられる光ファイバコードの構造を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダから光ファイバコードを取り出す手順を示す斜視図である。 図1に示した光ファイバホルダから光ファイバコードを取り出す手順を示す斜視図である。 本発明に係わる光ファイバホルダの第2実施形態の外観を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダを底面側から見た外観を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダに光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダから光ファイバコードを取り出す手順を示す斜視図である。 図8に示した光ファイバホルダから光ファイバコードを取り出す手順を示す斜視図である。
以下、本発明に係わる光ファイバホルダ及び光ファイバ心線の保持方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる光ファイバホルダの第1実施形態の外観を示す斜視図である。同図において、本実施形態の光ファイバホルダ1は、例えば異なる光ファイバコードの光ファイバ心線同士を融着接続する際に、光ファイバ心線を保持するものである。
図2は、光ファイバホルダ1に組み付けられる光ファイバコードの構造を示す斜視図である。図2において、光ファイバコード2は、裸ファイバ3aを樹脂で覆ってなる光ファイバ心線3と、この光ファイバ心線3の周囲を覆うコード外被4と、光ファイバ心線3とコード外被4との間に介在された抗張力繊維5とからなっている。光ファイバ心線3の直径は、0.25〜0.90mm程度である。コード外被4の直径は、2〜5mm程度である。コード外被4の材質は、PVC(ポリ塩化ビニル)等である。抗張力繊維5としては、例えばケブラー(芳香族ポリアミド系樹脂の登録商標)が用いられる。
図1に戻り、光ファイバホルダ1は、略直方体状を有するホルダ本体6を備えている。ホルダ本体6には、光ファイバコード2の先端部分のコード外被4を除去して露出された光ファイバ心線3を位置決め収容する断面V次状のファイバ収容溝7と、コード外被4を収容する断面半円形状のコード収容溝8とが連続的に形成されている。
また、ホルダ本体6におけるコード収容溝8の後側(コード収容溝8に対してファイバ収容溝7の反対側)には、コード収容溝8よりも径の大きい断面半円形状のコード導入溝9が形成されている。ホルダ本体6におけるコード収容溝8とコード導入溝9との間には、コード導入溝9からコード収容溝8に向かって先細りとなるテーパ溝10が形成されている。なお、ホルダ本体6においてコード収容溝8及びテーパ溝10を含む領域は、コード保持ベース部11を構成している。
ホルダ本体6には、金属製のコード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13がホルダ本体6の一側面側に設けられた軸部14を介して回動(開閉)可能に取り付けられている。
コード保持蓋12の裏面側には、ホルダ本体6のコード収容溝8に対応する断面半円形状のコード収容溝15と、ホルダ本体6のテーパ溝10に対応するテーパ溝16とが形成されている。
コード収容溝15及びテーパ溝16は、図3に示すように、コード保持蓋12をホルダ本体6に対して閉じたときに、コード収容溝8及びテーパ溝10と協働して、光ファイバコード2を挿通させるための断面円形状の挿通穴17を形成している。挿通穴17は、コード収容溝8,15により形成される等径穴部17aと、テーパ溝10,16により形成されるテーパ穴部17bとからなっている。
等径穴部17aの径は、光ファイバコード2のコード外被4よりも僅かに大きくなっている。具体的には、等径穴部17aは、光ファイバコード2を通したときに、光ファイバ心線3と共に露出した状態の抗張力繊維5が挿通穴17を形成するホルダ本体6(コード保持ベース部11)及びコード保持蓋12の内壁面に接触するような径を有している。例えばコード外被4の直径が3mmの場合には、等径穴部17aの直径は3.4mm程度である。
ファイバ押さえ蓋13は、ホルダ本体6のファイバ収容溝7に収容された光ファイバ心線3をホルダ本体6に対して押さえる蓋である。ファイバ押さえ蓋13の裏面には、ホルダ本体6のコード収容溝8に対応する断面矩形状の溝部18が形成されている。また、ファイバ押さえ蓋13の裏面には、光ファイバ心線3にダメージを与えずに光ファイバ心線3を十分に押さえ付けるためのゴム19が装着されている。
ホルダ本体6の他側面側には、金属製のコード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13を吸着するための磁石20が埋設されている。これにより、コード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13がホルダ本体6に対して閉じられたときに、コード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13がホルダ本体6に簡単かつ確実に固定される。
次に、光ファイバコード2の光ファイバ心線3を融着接続する際に、上述した光ファイバホルダ1に光ファイバコード2の光ファイバ心線3を保持する方法について説明する。
まず、光ファイバコード2の先端部分のコード外被4を除去して、光ファイバ心線3及び抗張力繊維5を露出させる。このとき、光ファイバ心線3及び抗張力繊維5の露出長は、例えば30〜40mm程度である。
続いて、光ファイバホルダ1において、コード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13が開いている状態(図1参照)から、図3に示すように、コード保持蓋12をホルダ本体6に対して閉じることで、断面円形状の挿通穴17を形成する。
続いて、図4に示すように、光ファイバコード2をホルダ本体6のコード導入溝9側から挿通穴17に挿通させる。このとき、挿通穴17の後側にはテーパ穴部17bが形成されているため、光ファイバコード2を挿通穴17に容易に挿入することができる。
光ファイバコード2を挿通穴17に挿通させると、露出状態の柔軟な抗張力繊維5は、図4に示すように、挿通穴17を形成するホルダ本体6及びコード保持蓋12の内壁面に当たって自然に後方に倣うようにガイドされる。このため、露出状態の抗張力繊維5は、コード外被4の周囲に配置されるようになり、露出状態の光ファイバ心線3と一緒に挿通穴17から突出することは無い。このとき、予め露出状態の抗張力繊維5を光ファイバコード2の後側(コード外被4側)にある程度引き回しておき、その状態で光ファイバコード2を挿通穴17に挿通させるようにするのが望ましい。
そして、図4に示すように、光ファイバコード2のコード外被4を挿通穴17から突出させ、ホルダ本体6のファイバ収容溝7に光ファイバ心線3を載せる。このとき、ホルダ本体6におけるファイバ収容溝7とコード収容溝8との境界部(ファイバ収容溝7の後端)を形成する壁面に、コード外被4の先端を突き当てるようにする。
続いて、図5に示すように、ファイバ押さえ蓋13をホルダ本体6に対して閉じる。これにより、光ファイバ心線3がファイバ押さえ蓋13によりホルダ本体6に対して押さえられる。
その後、光ファイバ心線3の終端部分(先端部分)の被覆を除去して、裸ファイバ3aを露出させ、この裸ファイバ3aの端面を専用のカッタで鏡面状に切断する(図2参照)。そして、このような光ファイバ心線3を保持した2組の光ファイバホルダ1を、互いに対向するように融着機(図示せず)にセットし、各光ファイバ心線3の裸ファイバ3a同士を融着接続する。このとき、露出状態の抗張力繊維5は、露出状態の光ファイバ心線3の後方に引き回されてコード外被4の周囲に存在しているので、融着放電による高温の影響を受けて燃焼したり、融着接続部に接触することが無い。従って、融着接続の品質を低下させることが防止される。
融着接続処理が完了した後、図6に示すように、コード保持蓋12及びファイバ押さえ蓋13を開く。そして、図7に示すように、相手側の光ファイバコード(図示せず)と融着接続された光ファイバコード2をホルダ本体6から取り出す。
以上のように本実施形態にあっては、光ファイバホルダ1に光ファイバコード2を組み付ける際に、コード保持蓋12をホルダ本体6に対して閉じた状態で、光ファイバコード2を挿通穴17に挿通させると、露出状態の抗張力繊維5は、挿通穴17を形成するホルダ本体6及びコード保持蓋12の内壁面に接触して自然に後方に倣い、コード外被4の周囲に来るようになる。これにより、光ファイバコード2の融着接続時に必要となる抗張力繊維5の処理を、容易に且つ品質良く行うことができる。その結果、作業時間を短縮し、作業効率を向上させることが可能となる。
また、抗張力繊維5の処理に特別なスキルや熟練を必要としないので、抗張力繊維5の処理が作業者のスキル等の個人差に影響されることが無い。これにより、光ファイバコード2の融着接続を行うときに、接続品質を安定化させることができる。
図8は、本発明に係わる光ファイバホルダの第2実施形態の外観を示す斜視図であり、図9は、図8に示した光ファイバホルダを底面側から見た外観を示す斜視図である。図中、第1実施形態と同一の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
各図において、本実施形態の光ファイバホルダ30は、略直方体状を有するホルダ本体31を備えている。ホルダ本体31の一端部には、光ファイバコード2(図2参照)の露出した光ファイバ心線3を位置決め収容する断面V次状のファイバ収容溝32が形成され、ホルダ本体31の他端側部分には、断面半円形状のコード導入溝33が形成されている。
ホルダ本体31には、コード保持ベース34がホルダ本体31の一側面側に設けられた軸部35を介して回動(開閉)可能に取り付けられている。コード保持ベース34は、ストッパ手段(図示せず)によってホルダ本体31に対して所定の角度(例えば30度)までしか開かないように構成されている(図11参照)。
コード保持ベース34は、ホルダ本体31に対して閉じた状態では、ファイバ収容溝32とコード導入溝33との間に配置される。コード保持ベース34には、ファイバ収容溝32側に位置し、光ファイバコード2のコード外被4を収容する断面半円形状のコード収容溝36と、コード導入溝33側に位置し、コード導入溝33からコード収容溝36に向かって先細りとなるテーパ溝37とが形成されている。
また、ホルダ本体31には、金属製のコード保持蓋38及びファイバ押さえ蓋39が軸部35を介して回動(開閉)可能に取り付けられている。
コード保持蓋38の裏面側には、ホルダ本体31のコード収容溝36に対応する断面半円形状のコード収容溝40と、ホルダ本体31のテーパ溝37に対応するテーパ溝41とが形成されている。コード収容溝40及びテーパ溝41は、図10に示すように、コード収容溝36及びテーパ溝37と協働して、光ファイバコード2を挿通させるための断面円形状の挿通穴42を形成している。なお、挿通穴42の径は、上述した第1実施形態における挿通穴17と同様である。コード保持蓋38の上面には、段差部43が設けられている。
ファイバ押さえ蓋39は、ホルダ本体31のファイバ収容溝32に収容された光ファイバ心線3をホルダ本体31に対して押さえる蓋である。ファイバ押さえ蓋39の裏面には、断面矩形状の溝部44が形成されている。また、ファイバ押さえ蓋39の裏面には、上記のゴム19が装着されている。さらに、ファイバ押さえ蓋39の裏面の先端部には、コード保持蓋38の段差部43と係合する段差部45が設けられている。
ホルダ本体31の他側面側には、金属製のコード保持蓋38及びファイバ押さえ蓋39を吸着するための上記磁石20が埋設されている。
次に、光ファイバコード2の光ファイバ心線3を融着接続する際に、上述した光ファイバホルダ30に光ファイバコード2の光ファイバ心線3を保持する方法について説明する。
まず、光ファイバコード2の先端部分のコード外被4を除去して、光ファイバ心線3及び抗張力繊維5を露出させる。そして、光ファイバ心線3の終端部分の被覆を除去して裸ファイバ3aを露出させ、更に裸ファイバ3aの端面を鏡面状に切断する。このとき、光ファイバ心線3の露出長は、例えば15mm程度であり、そのうち裸ファイバ3aの露出長は、例えば10mm程度である。なお、抗張力繊維5の露出長は、例えば30〜40mm程度である。
続いて、光ファイバホルダ30において、コード保持ベース34が閉じており、コード保持蓋38及びファイバ押さえ蓋39が開いている状態(図8参照)から、図10に示すように、コード保持蓋38をホルダ本体31に対して閉じることで、断面円形状の挿通穴42を形成する。
続いて、ホルダ本体31の底面側からコード保持ベース34を手で押し付けることで、図11に示すように、コード保持ベース34をコード保持蓋38と一緒にホルダ本体31に対して開く。このとき、コード保持ベース34及びコード保持蓋38を、ストッパ手段(図示せず)により止まる位置まで開くようにする。
続いて、図12に示すように、例えば一方の手でホルダ本体31の底面側からコード保持ベース34を押さえながら、他方の手で光ファイバコード2をコード導入溝33側から挿通穴42に挿通させる。このとき、露出状態の抗張力繊維5は、上述したように挿通穴42を形成するコード保持ベース34及びコード保持蓋38の内壁面に当たって自然に後方に倣うようにガイドされるため、コード外被4の周囲に配置されるようになる。
そして、光ファイバコード2のコード外被4が挿通穴42から突出したら、図13に示すように、コード保持ベース34を手から放すことで、コード保持ベース34及びコード保持蓋38がホルダ本体31に対して閉じられる。すると、ホルダ本体31のファイバ収容溝32に光ファイバ心線3が載置されるようになる。続いて、図14に示すように、ホルダ本体31におけるファイバ収容溝32の後端を形成する壁面に、コード外被4の先端を突き当てる。
続いて、図15に示すように、ファイバ押さえ蓋39をホルダ本体31に対して閉じることで、光ファイバ心線3をファイバ押さえ蓋39により押さえる。このとき、コード保持蓋38の段差部43上にファイバ押さえ蓋39の段差部45が載っかった状態となる。
その後、光ファイバ心線3を保持した2組の光ファイバホルダ30を、互いに対向するように融着機(図示せず)にセットし、各光ファイバ心線3の裸ファイバ3a同士を融着接続する。
融着接続処理が完了した後、図16に示すように、コード保持蓋38及びファイバ押さえ蓋39を開く。このとき、ファイバ押さえ蓋39の段差部45がコード保持蓋38の段差部43の上に載っかった状態となっているので、コード保持蓋38を開くと、ファイバ押さえ蓋39がコード保持蓋38に押されて開くようになる。なお、ファイバ押さえ蓋39を開いてから、コード保持蓋38を開いても勿論構わない。
そして、図17に示すように、相手側の光ファイバコード(図示せず)と融着接続された光ファイバコード2をホルダ本体31から取り出す。
以上のような本実施形態においては、光ファイバコード2を光ファイバホルダ31に組み付ける際に、コード保持ベース34及びコード保持蓋38により挿通穴42を形成した状態で、コード保持ベース34及びコード保持蓋38をホルダ本体31に対して開くことで、挿通穴42がホルダ本体31から離れて位置するようになる。従って、光ファイバコード2を挿通穴42に挿通させるときに、光ファイバコード2の先端部に設けられた露出状態の裸ファイバ3aがホルダ本体31に触れることが防止される。これにより、光ファイバ心線3を事前に端末処理した場合でも、高品質の融着接続を安定して実現することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、コード収容溝8,15またはコード収容溝36,40の何れも、断面半円形状をなすものとしたが、これらのコード収容溝の形状については、特に断面半円形状に限られず、互いに対向するコード収容溝の協働により形成される挿通穴の形状が断面円形状になるものであれば良い。また、挿通穴の形状についても、必ずしも断面円形状には限られるものではない。
1…光ファイバホルダ、2…光ファイバコード、3…光ファイバ心線、4…コード外被、5…抗張力繊維、6…ホルダ本体(ホルダ本体部)、7…ファイバ収容溝、8…コード収容溝(第1コード収容溝)、11…コード保持ベース部、12…コード保持蓋、13…ファイバ押さえ蓋、15…コード収容溝(第2コード収容溝)、17…挿通穴、30…光ファイバホルダ、31…ホルダ本体(ホルダ本体部)、32…ファイバ収容溝、34…コード保持ベース(コード保持ベース部)、36…コード収容溝(第1コード収容溝)、38…コード保持蓋、39…ファイバ押さえ蓋、40…コード収容溝(第2コード収容溝)、42…挿通穴。

Claims (4)

  1. 抗張力繊維が内蔵された光ファイバコードの光ファイバ心線を保持するための光ファイバホルダにおいて、
    前記光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して露出された前記光ファイバ心線を収容するファイバ収容溝を有するホルダ本体部と、
    前記光ファイバコードの前記コード外被を収容する第1コード収容溝を有するコード保持ベース部と、
    前記ホルダ本体部に開閉可能に取り付けられ、前記第1コード収容溝と協働して、前記光ファイバコードを挿通させる挿通穴を形成する第2コード収容溝を有するコード保持蓋と、
    前記ホルダ本体部に開閉可能に取り付けられ、前記ファイバ収容溝に収容された前記光ファイバ心線を前記ホルダ本体部に対して押さえるファイバ押さえ蓋とを備え、
    前記挿通穴は、前記光ファイバコードが挿通する際に、前記光ファイバ心線と共に露出した状態の前記抗張力繊維が前記挿通穴を形成する前記コード保持ベース部及び前記コード保持蓋の内壁面に接触するような形状及び寸法を有していることを特徴とする光ファイバホルダ。
  2. 前記コード保持ベース部は、前記ホルダ本体部と一体化されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバホルダ。
  3. 前記コード保持ベース部は、前記コード保持蓋とは独立して前記ホルダ本体部に開閉可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバホルダ。
  4. 抗張力繊維が内蔵された光ファイバコードの光ファイバ心線を保持する光ファイバ心線の保持方法において、
    請求項1〜3のいずれか一項記載の光ファイバホルダを用意する工程と、
    前記光ファイバコードの先端部分のコード外被を除去して、前記光ファイバ心線及び前記抗張力繊維を露出させる工程と、
    前記コード保持ベース部及び前記コード保持蓋により前記挿通穴を形成した状態で、前記挿通穴に前記光ファイバコードを挿通させて、前記光ファイバ心線を前記ファイバ収容溝に収容する工程と、
    前記ファイバ押さえ蓋によって前記光ファイバ心線を前記ホルダ本体部に対して押さえる工程とを含むことを特徴とする光ファイバ心線の保持方法。



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