JP2011126798A - ネイルマニキュア液組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 有機溶剤とポリ乳酸系樹脂とを含有することを特徴とするマニキュア液組成物。前記ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度が20℃以上80℃以下であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
(1) 有機溶剤とポリ乳酸系樹脂とを含有することを特徴とするネイルマニキュア液組成物。
(2) 前記ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度が20℃以上80℃以下である(1)記載のネイルマニキュア液組成物。
(3) 前記ポリ乳酸系樹脂全体を100%としたとき、前記ポリ乳酸系樹脂を構成する乳酸残基の重量分率がポリ乳酸系樹脂全体に対して60%以上であり、且つL−乳酸とD−乳酸のモル比L/Dが1/10〜10の範囲内であることを特徴とする(1)または(2)に記載のネイルマニキュア液組成物。
(4) 前記ポリ乳酸系樹脂全体を100%としたとき、前記ポリ乳酸系樹脂を構成する乳酸残基の重量分率がポリ乳酸系樹脂全体に対して20%以上80%以下であり、且つL−乳酸とD−乳酸のモル比L/Dが1/10未満または10以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のネイルマニキュア液組成物。
(5) 前記有機溶剤を除いた成分の30%以上の重量が前記ポリ乳酸系樹脂である(1)〜(4)いずれかに記載のネイルマニキュア液組成物。
(6) 前記有機溶剤が、脂肪酸のアルキルエステルおよび脂肪族アルコールのいずれか1種以上を含有する、(1)〜(5)いずれかに記載のネイルマニキュア液組成物。
1.ポリ乳酸系樹脂に対する乳酸残基の重量分率
ポリ乳酸系樹脂15mgを0.5mLの重クロロホルムに溶解し、400MHzの核磁気共鳴(NMR)スペクトル装置(Varian製)を用いて測定を行った。測定条件は、室温、d1=26sである。プロトンの積分値から、乳酸成分の重量割合を計算し、乳酸残基の重量分率として記載した。
実施例のポリ乳酸系樹脂中のL/Dモル比は、仕込量から求めた。製造工程が不明である樹脂のL/Dモル比は、クロロホルム等の非旋光性の溶剤にポリ乳酸系樹脂を溶解し、旋光度計(例えば堀場製作所SEPA−200)を用いてその溶液の旋光度を求め、ポリL/D乳酸(1/1モル比)とポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸の旋光度から作成した検量線と対照することによって決定するものとする。なお、ポリ乳酸系樹脂A〜Cにおいて、仕込量から求めたL/Dモル比と旋光度から求めたL/Dモル比は一致した。
試料樹脂を、樹脂濃度が0.5重量%程度となるようにテトラヒドロフランに溶解または希釈し、孔径0.5μmのポリ四フッ化エチレン製メンブランフィルターで濾過し、GPC測定試料とした。テトラヒドロフランを移動相とし、島津製作所社製のゲル浸透クロマトグラフ(GPC)Prominenceを用い、示差屈折計(RI計)を検出器として、カラム温度30℃、流量1ml/分にて樹脂試料のGPC測定を行なった。数平均分子量既知の単分散ポリスチレンのGPC測定結果を用いて試料樹脂のポリスチレン換算数平均分子量を求め、それを本願における試料樹脂の数平均分子量とした。ただしカラムは昭和電工(株)製のshodex KF−802、804L、806Lを用いた。
樹脂5mgをアルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、−50℃から150℃まで、昇温速度20℃/分にて測定した。ガラス転移温度は、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
5.乾燥評価
マニキュア液組成物を爪に塗布し、マニキュア液組成物が固形化して塗膜を形成し、なおかつタックとベタツキの双方が無くなるまでの時間を測定した。30秒未満で塗膜のタック、ベタツキが完全に無くなったものを◎、30秒以上60秒未満で塗膜のタックとベタツキの双方が無くなったものを○、60秒経過しても塗膜のタックまたはベタツキがあるものを×とした。
マニキュア液組成物を爪に塗布し、常温にて5分間乾燥後、爪の外観を確認した。マニキュアとして相応しい光沢の得られたものを○、光沢が得られなかったものを×とした。
マニキュア液組成物を塗工液とし、二軸延伸ポリエステルシート(東洋紡績(株)製 東洋紡エステル、厚み50μm)のコロナ面に、ハンドコーターで塗布し、次いで120℃×10分乾燥することにより、乾燥膜厚約10μmの塗膜を得た。該塗膜をポリエステルシートから剥離することなく、25℃のアセトンに30秒浸漬し、1時間風乾し更に120℃で10分間乾燥した。アセトン浸漬・乾燥の前後の塗膜の重量変化を確認し、下記計算式に従って重量残率を算出した。
(重量残率[%])=(アセトン浸漬・乾燥後塗膜重量)/(アセトン浸漬前塗膜重量)×100
この重量残率が20%以下の場合を除光液への溶解性が特に優れているため◎、20%を超え30%以下の場合を除光液への溶解性が優れているため○、30%を超える場合を×とした。
除光液溶解性評価と同様の方法で塗膜を作成し、消しゴム(KOKUYO製プラスチック消しゴム ケシ−51)の平面部で擦り試験を行った。10回擦り、外観の変化を確認した。塗膜の外観が試験前と変化が無かったものを○、塗膜に傷がついたものを△、塗膜が剥離したものを×とした。
ポリ乳酸系樹脂Aの合成
L−ラクチド250部、DL−ラクチド250部、エチレングリコール0.7部、開環重合触媒としてオクチル酸錫0.1部、触媒失活剤としてジエチルホスホノ酢酸エチル0.6部を4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、190℃で1時間加熱し、開環重合を進め、その後、残留ラクチドを減圧下留去することによりポリ乳酸の主鎖中にエチレングリコール残基を有する乳酸系樹脂を得た。得られたポリ乳酸系樹脂の組成と物性を表1に示す。
L−ラクチド400部、D−ラクチド100部、5−スルホイソフタル酸ジエチレングリコールエステルナトリウム塩3.56部、開環重合触媒としてオクチル酸錫0.1部、触媒失活剤としてジエチルホスホノ酢酸エチル0.7部を4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、190℃で1時間加熱し、開環重合を進め、その後、残留ラクチドを減圧下留去することによりポリ乳酸の主鎖中にスルホン酸金属塩を有する乳酸系樹脂を得た。得られたポリ乳酸系樹脂の組成と物性を表1に示す。
DL−ラクチド450部、ε−カプロラクトン50部、ポリグリセリン5部、開環重合触媒としてオクチル酸錫0.1部、触媒失活剤としてジエチルホスホノ酢酸エチル0.6部を4つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、190℃で1時間加熱し、開環重合を進め、その後、残留ラクチドを減圧下留去することによりポリ乳酸の主鎖中にポリグリセリン構造を有する乳酸系樹脂を得た。得られたポリ乳酸系樹脂の組成と物性を表1に示す。
市販のマニキュアAを分析したところ、ポリエステル系樹脂Aを含有することが判明した。ポリエステル系樹脂Aのガラス転移温度および数平均分子量を表2に示した。前記マニキュアAについて前記した<マニキュア液組成物およびマニキュア皮膜の評価方法>に従って評価を行った。結果を表3に示す。
市販のマニキュアAに含有されているポリエステル系樹脂Aをポリ乳酸系樹脂Aに変更してマニキュア液組成物を調製した。次いで、前記した<マニキュア液組成物およびマニキュア皮膜の評価方法>に従って評価を行った。結果を表3に示す。
市販のマニキュアB〜Eを分析したところ、ポリエステル系樹脂B〜Eを含有することが判明した。ポリエステル系樹脂B〜Eのガラス転移温度および数平均分子量を表2に示した。前記マニキュアB〜Eについて前記した<マニキュア液組成物およびマニキュア皮膜の評価方法>に従って評価を行った。結果を表3、表4に示す。
市販のマニキュアB〜Eに含有されているポリエステル系樹脂B〜Eをポリ乳酸系樹脂A〜Cのいずれかに変更してマニキュア液組成物を調製した。次いで、前記した<マニキュア液組成物およびマニキュア皮膜の評価方法>に従って評価を行った。結果を表3、表4に示す。
Claims (6)
- 有機溶剤とポリ乳酸系樹脂とを含有することを特徴とするネイルマニキュア液組成物。
- 前記ポリ乳酸系樹脂のガラス転移温度が20℃以上80℃以下である請求項1記載のネイルマニキュア液組成物。
- 前記ポリ乳酸系樹脂全体を100%としたとき、前記ポリ乳酸系樹脂を構成する乳酸残基の重量分率がポリ乳酸系樹脂全体に対して60%以上であり、且つL−乳酸とD−乳酸のモル比L/Dが1/10〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のネイルマニキュア液組成物。
- 前記ポリ乳酸系樹脂全体を100%としたとき、前記ポリ乳酸系樹脂を構成する乳酸残基の重量分率がポリ乳酸系樹脂全体に対して20%以上80%以下であり、且つL−乳酸とD−乳酸のモル比L/Dが1/10未満または10以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のネイルマニキュア液組成物。
- 前記有機溶剤を除いた成分の30%以上の重量が前記ポリ乳酸系樹脂である請求項1〜4いずれかに記載のネイルマニキュア液組成物。
- 前記有機溶剤が、脂肪酸のアルキルエステルおよび脂肪族アルコールのいずれか1種以上を含有する、請求項1〜5いずれかに記載のネイルマニキュア液組成物。
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