JP2011123236A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色剤の分散がより均質で画像濃度が良好な重合トナーを製造する方法を提供することにある。
【解決手段】着色剤を分散させ着色剤含有単量体を得る分散工程;該着色剤含有単量体に添加剤を混合し重合性単量体組成物を得る調製工程;該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程;該重合性単量体組成物粒子に含有される重合性単量体を重合する重合工程を有する重合トナーの製造方法であって、
該調製工程が、高速せん断力を付与する攪拌装置で、着色剤含有単量体と添加剤とを混合し重合性単量体組成物を得る工程であり、
該攪拌装置が、高速回転する攪拌羽根と該攪拌羽根を囲うように設けられ、該攪拌羽根と逆方向に高速回転するスクリーンとによって形成される攪拌室を備えており、
高速せん断処理時における該攪拌羽根の周速をA(m/s)、該スクリーンの周速をB(m/s)としたとき、25≦A≦40、A−10≦B≦A+10を満たすことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、着色剤が微細かつ均一に分散されている重合トナーを効率よく製造する方法に関する。更に本発明は、画像濃度が良好でかつシャープな粒度分布を有し、かつ電子写真特性に優れている重合トナーを製造するための方法に関する。
電子写真法では、種々の手段で感光体上に電気的に潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像してトナー画像を形成する。その後、必要に応じて紙の如き転写材に該トナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧の如き定着方法を用いて該トナー画像を転写材に定着させることにより、画像を得るといったものである。
このようなトナーとしては、粉砕トナーや重合トナーが知られているが、近年、電子写真法では高画質化が要求されるにつれて、トナーは小粒径化傾向にある。トナーが小粒径化すると、トナー内に均一な顔料分散を行うことが難しくなり、更なるトナー中の顔料分散性の向上が求められている。また、一層の低価格化に対応するため、量産性の向上も要求されている。従来の重合トナー設備では、顔料分散性を向上するためには、処理時間を増加することで対応可能だが、量産性と相反する結果であり、問題である。
特許文献1には、超音波振動により発生するキャビテーションを使用し、重合成単量体中で顔料分散を行い、重合トナー中に微細に顔料を分散する技術が開示されている。しかしながら、この方法では、処理物の昇温が激しく、量産スケールの規模が小さく、更なる大型化に対応するのが難しいという問題があった。
特許文献2には、分散・乳化・混合機として、攪拌室内にて高速回転する攪拌羽根と攪拌羽根の回転方向と逆方向に回転するスクリーンからなる攪拌機の技術が開示されている。従来の攪拌羽根のみの回転に比べ、高せん断能力を得ることができるが、攪拌機の特性上、通常は、循環式で使用するため、ショートパスが生じやすく、処理時間が大きいという問題があった。
また、電子写真法では、高速化、省エネルギー、及び高信頼性の要求に対応し、低温定着性及び高グロス化が必要とされている。
特許文献3には、低温定着性及び高グロス化に対応し、トナー中に低分子量樹脂を含有し、かつ低分子量樹脂のTHF可溶分の重量平均分子量(Mw)を規定したトナーが開示されている。しかしながら、トナーの製造時において、微細化された顔料分散液中に低分子量樹脂を添加した場合や、微細化された顔料分散液と低分子量樹脂含有した溶解液を混合した場合などには、その急激な濃度変化により、ピグメントショックが生じる場合がある。ピグメントショックが生じると、凝集状態の顔料を含有するトナーが生成するため、画像性能が低下する。特に、この問題は、量産化するに従い顕著になる傾向である。
特開2004−226449号公報 特許2813674号公報 特開2007−41503号公報
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決した静電画像を現像するための重合トナーの製造方法を提供することにある。
詳しくは、重合法によるトナー製造において、着色剤の分散がより均質で画像濃度が良好な重合トナーを製造する製造方法を提供することにある。さらには、重合法によるトナーの製造において、ピグメントショックの発生を抑制し、大容量かつ低コストで重合トナーを製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、着色剤の分散がより均質で画像濃度が良好な重合トナーを製造するために、高速回転する攪拌羽根と該攪拌羽根の周囲に該攪拌羽根と逆方向に高速回転するスクリーンによって形成される攪拌室からなる攪拌装置の攪拌羽根とスクリーンの最適な周速条件から形成される高速せん断力とショートパスの抑制により、効果的にピグメントショックによる顔料の凝集を再分散することができることを見出した。
すなわち、本発明は、重合性単量体に少なくとも着色剤を分散させ着色剤含有単量体を得る分散工程、
得られた着色剤含有単量体に少なくとも添加剤を混合し重合性単量体組成物を得る調製工程、
該重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程、
該重合性単量体組成物粒子に含有される重合性単量体を重合する重合工程を少なくとも有する重合トナーの製造方法であって、
該調製工程が、高速せん断力を付与する攪拌装置で、着色剤含有単量体と添加剤とを混合し重合性単量体組成物を得る工程であり、
該攪拌装置が、高速回転する攪拌羽根と該攪拌羽根を囲うように設けられ、該攪拌羽根と逆方向に高速回転するスクリーンとによって形成される攪拌室を備えており、
高速せん断処理時における該攪拌羽根の周速をA(m/s)、該スクリーンの周速をB(m/s)としたとき、
25≦A≦40、A−10≦B≦A+10
を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、着色剤が各重合トナー中に微細かつ均一に分散されている重合トナーの製造法を提供することができる。さらには、重合法によるトナーの製造において、効果的にピグメントショックによる顔料の凝集を再分散し、大容量かつ低コストで重合トナーを製造する方法を提供することができる。
本発明による攪拌装置を循環ラインの中に組み込んだ一実施の形態のシステム図である。 本発明による攪拌装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の水平拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の水平拡大断面図である。 本発明による攪拌室の一実施の形態の水平拡大断面図である。 本発明による導入口の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による導入口の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による導入口の一実施の形態の拡大断面図である。 従来の攪拌装置の一例を示すシステム図である。
本発明は、重合性単量体に少なくとも着色剤を分散させ着色剤含有単量体を得る分散工程;得られた着色剤含有単量体に少なくとも添加剤を混合し重合性単量体組成物を得る調製工程;該重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程;該重合性単量体組成物粒子に含有される重合性単量体を重合する重合工程を少なくとも有する重合トナーの製造方法である。そして、該調製工程が、高速せん断力を付与する攪拌装置で、着色剤含有単量体と添加剤とを混合し重合性単量体組成物を得る工程であり、該攪拌装置が、高速回転する攪拌羽根と該攪拌羽根を囲うように設けられ、該攪拌羽根と逆方向に高速回転するスクリーンとによって形成される攪拌室を備えており、高速せん断処理時における該攪拌羽根の周速をA(m/s)、該スクリーンの周速をB(m/s)としたとき、
25≦A≦40、A−10≦B≦A+10
を満たすことを特徴とする。
本発明の重合法トナーの製造方法としては、懸濁重合方法が好ましい。分散工程において、公知の分散方法により重合性単量体に少なくとも着色剤を分散させ着色剤含有単量体を得る。調製工程において、該分散工程において得られた着色剤含有単量体と樹脂とを混合し、図1から図5に示される攪拌装置によって均一に混合せしめた重合性単量体組成物を得る。該調製工程において得られた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中にクレアミックス又はホモミキサー等の高せん断力を有する撹拌機により分散せしめ、重合性単量体組成物からなる液滴が所望のトナーのサイズを有するように撹拌速度および時間を調製し造粒する。
懸濁重合法においては、通常、重合性単量体組成物100質量部にたいして水100乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持されるため、粒子の沈降が起こらない程度の撹拌を行えば良い。
懸濁重合法においては、通常、重合性単量体組成物100質量部にたいして水100乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持されるため、粒子の沈降が起こらない程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は40℃以上、一般的には50乃至90℃の温度に設定して重合を行う。また、所望の分子量分布を得る目的で重合反応後半に昇温しても良く、更に、未反応の重合性単量体,副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を蒸留操作により留去しても良い。蒸留操作は常圧もしくは減圧下で行うことができる。重合反応または引き続く蒸留操作終了後、生成したトナーをろ過/洗浄するが、この工程の前段もしくは後段で酸および/またはアルカリ処理により、得られた粒子状表面の分散安定剤の除去を行うこともできる。最終的に液相と分離されたトナーは公知の方法により乾燥される。
本発明に好ましく用いられる攪拌装置を循環経路の中に組み込んだシステムを図1、攪拌装置の拡大図を図2、攪拌室の断面図を図3、攪拌室の水平断面図を図4、導入口の拡大図を図5、として説明する。但し、本発明に用いられる攪拌装置としては、これに限定されるものではない。
図1・図2・図3・図4・図5において、1は高速回転する攪拌羽根、2は攪拌羽根1の周囲に該攪拌羽根1と逆方向に高速回転するスクリーン、3は攪拌羽根1とスクリーン2によって形成される攪拌室4は分散容器、5はスクリーン2に設けられた吐出口、6はジャケット、7はホールディングタンク(調製タンク)、8は攪拌翼、9は循環ポンプ、10は分散容器入口、11は吸入口、12は排出口、13は熱交換器、14は流量計、15は圧力調整弁、16は下部モーター、17は上部モーター、18は蓋体、19は支持筒、20は上部回転軸、21はメカニカルシール、22は上部ハウジング、23は仕切板、24は下部回転軸、25は圧力計、26は温度計である。
(図2、図3の攪拌装置について)
分散容器4内に投入された重合性単量体組成物は、攪拌羽根1が攪拌室3の内部にて高速回転することにより、スクリーン2の内壁と羽根先との間の微小な間隙においてせん断力を受け、重合性単量体組成物中のピグメントショックにより再凝集した顔料が、再分散される。
そして、攪拌室3が攪拌羽根1の回転方向と逆方向に回転するものである為、両者の相対的な回転数を上げることができ、再凝集した顔料へかかるせん断力を高めることができる。これにより、従来の攪拌装置よりも、再凝集した顔料を高度に分散することが可能である。
更に、攪拌室3における吐出口5が、攪拌羽根1の回転方向と逆方向に回転するものである為、その回転に伴い流体の吐出位置が変化し、分散容器4内で重合性単量体組成物が、良好に循環する。また、この流れが、吐出口5と微小隙間を置いて回転する攪拌羽根1の回転による吐出流に加わる為、更に早い吐出流が得られるものであり、より一層、全体の循環が促進される。
更に、攪拌室3内部の攪拌羽根1上部に導入口10を設けることにより、重合性単量体組成物が、導入口10より分散容器4内に排出された直後、互いに高速で逆方向に回転する攪拌羽根1とスクリーン2により高速せん断を受け、攪拌室3の内側から吐出口5を通過することが可能となる。すなわち、重合性単量体組成物が、高速せん断処理を受けずに吐出口5を通過することなく、調製タンクに戻ること(ショートパス)を抑制することができ、分散時間の短縮が可能となる。また、ショートパスを抑制できない場合、処理時間が増加してしまうため、顔料の過分散や過粉砕が生じ、結果として、顔料の表面積の増加により、重合性単量体組成物の粘度が、上昇してしまう。重合性単量体組成物の粘度上昇は、次工程である造粒工程での造粒性を悪化させ、粒度分布がブロードになる。よって、攪拌室内部の導入口を最適に設計することにより、ショートパスを防止し、造粒性の低下も抑制することができる。
また、分散容器4は、ジャケット構造になっており、ジャケット6内に冷却媒体を流すことにより、分散容器内部のせん断により上昇した重合性単量体組成物の温度を低下させることが可能となる。
(図1の分散システムについて)
調製タンク7に着色剤含有単量体と樹脂を投入後、調製タンク7に敷設された攪拌翼8により混合された重合性単量体組成物は、循環ポンプ9を介して、導入口10より供給され、吸入口11へと導入される。次いで、吸入口11より導入された重合性単量体組成物は、前述の微小間隙を通過し、吐出口5より吐出される。吐出された重合性単量体組成物は、分散容器4内を循環した後に、排出口12より排出され、熱交換器13を経由してホールディングタンク7へ戻る。ホールディングタンク7へ戻った重合性単量体組成物を再度、導入口10へ供給するという循環が繰り返される。分散機と調製タンク7との間の循環を繰り返すことで、均一且つ効率よく重合性単量体組成物中のピグメントショックにより再凝集した顔料の再分散が行われる。高速せん断処理された重合成単量体組成物が、再び調製タンク内部へ排出される部分は、調製タンク内の重合成単量体組成物に位置することが好ましい。調製タンク内の重合成単量体組成物中に高速せん断処理された重合成単量体組成物を戻すため、気体の巻込みを防止することができる。重合成単量体組成物への気体の巻込みは、攪拌室3における高速せん断処理時にキャビテーションの発生を促進し、分散効率が低下するため好ましくない。
熱交換器13は、循環ライン上に必ずしも設ける必要はなく、分散容器4内にコイル式の熱交換ラインを設置しても良い。
また、処理流量は、循環経路中に設置された流量計14にて測定される。更に、圧力調整弁15により、背圧をかけることが可能である。背圧をかけることで、攪拌羽根1及びスクリーン2の回転によるキャビテーションの発生を抑制することが可能となり、一層、処理液に対してせん断力を付与することができる。これにより重合性単量体組成物中の顔料の再分散が効率良くできる為、本発明においては、好適に背圧をかけることもできる。特に好ましい背圧は、50kPa以上150kPa以下の範囲である。50kPa未満では、背圧が不十分なため、キャビテーションの発生を抑制することが難しいため好ましくない。また、150kPa超では、せん断力が非常に大きくなり、攪拌室3内部における重合性単量体組成物の昇温が激しく、重合性単量体組成物が熱により重合を開始するため、所望のトナーの分子量を得られないため好ましくない。
次に、本発明において、重合性単量体組成物中の顔料の再分散を効率良く行なう攪拌羽根1とスクリーン2の条件について詳細に説明する。
攪拌羽根1の周速をA(m/s)、スクリーン2の周速をB(m/s)とすると、
25≦A≦40、(A−10)≦B≦(A+10)
である範囲が好ましい。
攪拌羽根1の周速が高いほど重合性単量体組成物に与えるせん断力が大きくなり、顔料の再分散の効率も良化していく。本発明者らが、鋭意検討した結果、顔料の再分散には、上記Aが25未満の条件では、せん断力不足であり、顔料の再分散が不十分であり好ましくない。また、一般的に水系に比べ溶剤系である重合成単量体系では、キャビテーションの発生が少ないものの、上記Aが40を超えた条件では、キャビテーションの発生が急激に増加し、分散効率の低下及びスクリーン2にエロージョンによる損傷が生じ、運転上好ましくない。以上より、攪拌羽根1の周速A(m/s)は、25≦A≦40の範囲が好ましい。
攪拌羽根1同様、スクリーン2の周速も高いほど重合性単量体組成物に与えるせん断力が大きくなり、顔料の再分散の効率も良化していく。しかし、スクリーンの周速B(m/s)が、攪拌羽根の周速A(m/s)に比べ相対的に10以上小さい場合、羽根先との間の微小隙間を介して逆方向に回転するスクリーン2とのせん断力が不十分となるため好ましくない。一方、攪拌羽根1の回転に伴い、攪拌羽根1からスクリーン2の吐出口5に向けて、重合性単量体組成物が吐出され、吐出口より高圧力の流れとなって攪拌室外に吐出される。この攪拌室外に排出される重合性単量体組成物に生じる圧力≒抵抗≒せん断力は、スクリーン2の周速が増加するに従い大きくなり、同時にスクリーン2の吐出口5から吐出される重合性単量体組成物の吐出量は、減少していく。そして、スクリーン2の周速Bが、攪拌羽根の周速Aに比べ相対的に10より大きい場合、スクリーン2の吐出口5から吐出される重合性単量体組成物の吐出量の減少が大きく、吐出口5を通過せずにショートパスし、攪拌室外に排出される重合性単量体組成物の割合が増加する。そのため、10超の場合、ショートパスの増加による再分散率の低下及び分散容器4内部の循環流が減少し、槽内の不均一化が発生し好ましくない。以上より、スクリーン2の周速B(m/s)は、(A−10)≦B≦(A+10)の範囲が好ましい。
次いで、本発明に最適な導入口10の形態について説明する。
図2−1・図3−1に代表されるように、攪拌室3において、一次混合された着色剤含有単量体と樹脂とを含む重合性単量体組成物が、攪拌羽根1上方に設けられた導入口10から導入されることが好ましい。すなわち、重合性単量体組成物の導入口5が、該攪拌羽根1上部に具備されている形状の場合、導入口5より吐出された重合性単量体組成物は、吐出直後に攪拌羽根1とスクリーン2により高速せん断を受け、スクリーン2の吐出口より高速の流れとして排出される。そのため、重合性単量体組成物の導入口5が、該攪拌羽根1上部以外に具備されている形状の場合に比べ(図2−3・図2−5参照)、攪拌羽根とスクリーンのせん断を受けずにショートパスし、分散容器4外に排出され、調製タンクに戻る割合が少なくなる。よって、重合性単量体組成物のショートパスの割合が減少し、分散時間を短縮でき、重合性単量体組成物中の顔料の再分散効率が良化するため好ましい。
更には、一次混合された着色剤含有単量体と樹脂とを含む重合性単量体組成物の撹拌室3への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αと、高速せん断処理された重合性単量体組成物の撹拌室からの排出方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角βとが以下の関係を満たすことが好ましい。
−25≦α−β≦25
攪拌室3において、着色剤含有単量体と樹脂とを含む重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αと、高速せん断処理された重合性単量体組成物の撹拌室からの排出方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角βの角度差α−βが少ないほど効率良く顔料の再分散が行われる。すなわち、角度差α−βが、−25未満でも、25を超えても、導入口10より一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室3へ導入の効率が低下し、高速せん断を受けずに攪拌室外にショートパスする割合が増加するため好ましくない。
更には、図4−1・図4−2のように、攪拌室3は、導入口10を2ケ以上備えていることが好ましい。導入口10が2ケ以上ある場合、導入口10が1ケの場合(図4−3)に比べ、分散容器内部に均等に重合性単量体組成物が導入口10より供給されるため、攪拌室3内での高速せん断処理が均質化する。さらには、高速で回転する攪拌羽根1と導入口10より排出される重合性単量体組成物と間に生じる圧力変動が小さくなるため、分散容器4の攪拌状態が良好となり、重合性単量体組成物のショートパスの割合が減少し、分散効率が良化するため好ましい。
また、該導入口の内部における重合成単量体組成物の流速をC(m/sec)とすると、
1.0≦C≦10.0
の範囲内であることが好ましい。1.0未満では、流速が小さすぎるため、導入口10より吐出された重合性単量体組成物が、分散容器内部の循環流の影響を受け、攪拌羽根1から攪拌室3内部のスクリーン2による高速せん断処理を受けずに、ショートパスする割合が増加するため好ましくない。10.0を超えた場合、流速が速すぎるため、攪拌室3内部に供給された重合性単量体組成物と、高速で回転している攪拌羽根1との圧力変動が大きくなりすぎてしまい、エネルギーロスの増大を招き、分散効率が低下するため好ましくない。
上述の分散機としては、例えば、クレアミクスWモーション(エム・テクニック社製)を好適に用いることができるが、この限りではない。
また、該調製工程において、樹脂の含有量が重合性単量体100質量部に対して5質量部以上45質量部以下であることが好ましい。5質量部未満では、低温定着に必要なトナー物性を満たすことが出来ず、品質が低下するため好ましくない。45質量部超では、樹脂の添加量が多いため、再分散したとしても、重合性単量体組成物粒子に含有される重合性単量体を重合する重合工程の初期において、顔料が再凝集してしまい、画像濃度が低下しやすいため好ましくない。
また、重合性単量体組成物の粘度が大幅に増加するため、配管中に重合性単量体組成物が残存しやすい。その結果、次工程である、重合性単量体組成物を水系分散体に分散して重合性単量体組成物の粒子を生成する造粒工程への、重合性単量体組成物の排出量の振れが大きくなり、重合性単量体組成物の粒子の粒度分布の振れが大きくなり、良品率が低下するため好ましくない。さらには、付着の進行による配管の閉塞などの問題も懸念されるため好ましくない。
〔低分子量樹脂〕
本発明のトナーの製造においては、トナーの形状や材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良を目的として、重合性単量体組成物中に樹脂を添加して重合することができる。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できない親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導入したい時には、以下のように行う。即ち、上記親水性官能基含有の単量体成分と、スチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体の如き共重合体の形で使用が可能である。また、上記親水性官能基含有の単量体成分と、ポリエステル及びポリアミドの如き重縮合体、あるいは、ポリエーテル及びポリイミンの如き付加重合体の形で使用も可能である。なお、親水性官能基としては、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、及びニトリル基が挙げられる。
上記以外にも重合性単量体組成物中に低分子量樹脂を添加することができる。低分子量樹脂としては、例えば以下のものが挙げられる。ポリスチレン;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート。なお、上記低分子量樹脂は単独或いは混合して使用できる。
これらの低分子量樹脂の中でも、低分子量樹脂のガラス転移点が40℃以上100℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が40℃未満であると、トナー全体の強度が低下して多数耐久試験時に転写性や現像特性の低下を招きやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナー同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃を超えると、定着不良という問題が生じ易くなる。
低温定着性、高グロス画像が得られるといった点から、該低分子量樹脂のガラス転移点は40℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは40℃以上65℃以下である。
〔極性樹脂〕
懸濁重合のように水系分散媒を用いる重合法の場合には、該重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより、離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体中の重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在した場合、親水性の違いから極性樹脂が水系媒体と重合性単量体組成物の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナーはコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも、離型剤の内包性が良好になる。
該極性樹脂としては、トナー表面に偏在しシェルを形成した際に、極性樹脂自身の流動性が期待できることから、特にポリエステル系樹脂が好ましい。
〔重合成単量体〕
本発明に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用する。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独もしくは混合して、又はそれらとほかの単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
〔着色剤〕
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものを使用することが出来る。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254;C.I.ピグメントバイオレット19。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、例えば以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト。
上記イエロー系着色剤/マゼンタ系着色剤/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下添加して用いられる。
本発明においては重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。特に、染料系着色剤やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
また、染料系着色剤の重合阻害性を抑制する方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、ポリオルガノシロキサン等)で処理を行っても良い。
〔重合開始剤〕
トナーを重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5乃至20質量%の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
〔離型剤〕
本発明に係るトナーに使用可能なワックス成分としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂。
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は、樹脂成分100質量部に対して、0.01乃至20質量部(より好ましくは0.5乃至10質量部)使用するのが良い。
〔架橋剤〕
架橋性モノマーとしては、2官能の架橋剤として以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
また、多官能の架橋性モノマーとしては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等。架橋剤の好ましい添加量としては、重合性単量体の0.001乃至15質量%である。
〔分散安定剤〕
重合性単量体組成物を水性媒体中に良好に分散させるための分散安定剤として、例えば無機系酸化物であるリン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,チタニア、磁性体,フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が水相に分散させて使用される。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2乃至10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下の水中に、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合方法に好適な分散剤を得ることができる。また、これら分散剤の微細化のため0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
〔外添剤〕
本発明により製造されるトナーを使用するにあたっては、各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナーの重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡による観察から求めたその平均粒径を意味する。外添剤としては、たとえば、
金属酸化物(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなどが用いられる。
これら外添剤は、トナー100質量部に対し、0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは、0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良いが、それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
本発明のトナーは、一成分及び二成分系現像剤として、いずれの現像方式にも使用できる。たとえば、一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送せしめる方法がある。
一方、一般的に利用されている二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、フェライトキャリアや、樹脂中に磁性粉体を分散させた磁性体分散型樹脂キャリアを用いることもできる。キャリアの表面を樹脂等で被覆する系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用できる。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−III型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターカウンターTA−III型(コールター社製)を用い、個数分布及び重量分布を算出する。トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
変動係数とは、変動係数A=(S/D1)×100[式中、Sは、トナー粒子の個数分布における標準偏差値を示し、D1は、トナー粒子の個数平均粒径(μm)を示す。]の式で表される。
すなわち個数変動係数が30%未満であると非常に良好な造粒性を示し、30%以上35%未満では良好な造粒性、35%以上40%未満では若干画像に影響があるものの実用上問題がない造粒性、40%以上では画像に与える影響がかなり激しく製品上好ましくない造粒性を示す。
<グロス(光沢度)測定>
調整工程における重合成単量体組成物中の顔料の分散状態(≒ピグメントショックの状態)については、重合成単量体組成物のグロス(光沢度)を測定することにより測定した。重合成単量体組成物のグロスは、スーパーアート紙<金藤180kg80×160(セイブンドー社製)上部に直線上に塗布した後、ワイヤーバー(#10)を用いて均一にアート紙上に塗布し、十分に乾燥させた後、平滑なガラス板の上に塗布試料を置いて測定した。測定にあたっては、HORIBA社製のGLOSS CHECKER IG320を用いて3点測定し、その平均値を重合成単量体組成物のグロス(光沢度)とした。
着色剤が良好に分散すると、塗布表面が平滑になり、またつやが高まり、グロス値が高くなる。逆に着色剤の分散が不良な場合、塗布表面に凹凸が残り、くすむことからグロス値が低くなる。
<耐久画像濃度測定>
−非磁性トナーの場合−
フルカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キヤノン製)の改造機(プロセススピード:190mm/sec、定着温度190℃)を使用する。このプリンターで常温常湿(24℃/60%RH)の環境下においてトナー350gをプロセスカ−トリッジにセットし、プリントアウトして評価を行った。具体的には、2%の印字比率の画像を15000枚まで記録紙(75mg/cm2)を用いてプリントアウトして、初期と15000枚出力時ベタ画像濃度の評価を行った。
ランクA:1.45以上
ランクB:1.44乃至1.40
ランクC:1.39乃至1.35
ランクD:1.34乃至1.30
ランクE:1.29乃至1.25
ランクF:1.24以下
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
<実施例1>
図1、2−1、3−1、4−1、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、調製工程の操作を行った。分散工程、調製工程の処方内容については、表1にまとめて記載する。調製工程の重合成単量体組成物量が280kgになるように、各材料をその部数比に応じて仕込むものとする。
分散工程
下記処方をアトライターで分散し、着色剤含有単量体を得た。分散終了後、着色剤含有単量体のグロスを測定したところ、55の値を示した。
スチレン 75部
n−ブチルアクリレート 25部
負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.5部
カーボンブラック 9部
調製工程
分散工程より着色剤含有単量体を受入後、下記処方を投入し、4枚パドル翼により、2hr混合を行なった。
ポリエステル樹脂 5部
低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)15部
0.5hrと1hr、混合終了時の2Hr時において、サンプリングを行ない、グロス値を測定したところ、すべて30であった。着色剤含有単量体の値より低い値を示しており、樹脂を添加したことによるピグメントショックが生じた結果である。また、4枚パドル翼では、ピグメントショックによる顔料の再凝集を再分散できないことを示す結果である。
次いで、ポンプ(9)により循環ライン(27)、分散容器(4)内に準じ重合性単量体組成物を導入し、攪拌装置を作動させた。重合性単量体組成物の導入に関しては、図4−1に示すように3ヶ所から導入を行なった。攪拌羽根(1)とスクリーン(2)の回転により生じるせん断力より着色剤含有単量体中の顔料の再分散を開始した。分散容器(4)排出後、重合性単量体組成物は再び調製タンク(13)内に戻り、再び、分散容器に導入されるという一連の操作が繰り返し行われることにより、ピグメントショックにより凝集した顔料が再分散され、所定の分散状態に達する。また、ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が5m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。さらに、操作部において攪拌羽根周速を33m/s、スクリーン周速を33m/sに設定し運転を行なった。高速せん断処理された重合性単量体組成物の撹拌室からの排出方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角βは、45度であったため、一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、45度になる導入口10を使用し、α−β=0に調整した。
15分と30分運転した時点で、再度、重合性単量体組成物をサンプリングし、重合性単量体組成物のグロスを測定したところ、グロス値は、それぞれ79と88であった。ピグメントショックが解消され、顔料分散が良化していた。調製工程の条件については、表1にまとめて示す。また、グロス値に関しては、表2にまとめて示す。
次いで、重合性単量体組成物を60℃に加温し、そこにワックス(フィッシャートロプシュワックス:融点78.0℃):10部を添加し、超音波をトータル2時間照射した時点で停止した。次いで、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート10.0部(トルエン溶液50%)を添加し、5分撹拌後、次工程である造粒工程に移送する。
一方、高速撹拌装置クレアミック(エム・テクニック株式会社製)を備えた容器中に0.1モル−Na3PO4水溶液850部を添加し回転数を80rpsに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68部を添加し微少な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒体系を調製した。
重合性単量体組成物に重合開始剤投入5分後、60℃の重合成単量体組成物を温度60℃に加温した媒体系中に投入し、クレアミック(エム・テクニック株式会社製)を80rpsで回転させながら15分間造粒した。その後高速撹拌機からプロペラ撹拌羽に撹拌機を変え、65℃で5時間反応させた語、液温80℃とし、さらに2時間反応させた。重合終了後スラリーを一部分サンプリングし、さらに洗浄後乾燥せしめ、得られたトナーの物性を測定した。コールターカウンターを用い測定したトナーの個数平均径は、4.9μmで個数変動係数は27%であった。得られたトナー1(100.0部)に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m2/gである酸化チタン0.1部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)にて外添して、現像剤Aを得た。
次いで、フルカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キヤノン製)の改造機(プロセススピード:190mm/sec、定着温度190℃)を使用し、耐久画像濃度測定を行った。結果に関しては、表2にまとめて示す。
<実施例2>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:攪拌羽根(1)の周速を40m/s、スクリーン(2)の周速を40m/sに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例3>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:攪拌羽根(1)の周速を25m/s、スクリーン(2)の周速を25m/sに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例4>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:攪拌羽根(1)の周速を40m/s、スクリーン(2)の周速を50m/sに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例5>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:攪拌羽根(1)の周速を25m/s、スクリーン(2)の周速を15m/sに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例6>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:導入口(10)が、攪拌羽根(1)の上部以外に具備している。図1、2−3、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例7>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、70度の導入口10を使用し、α−β=25の条件で運転を行なった。図1、2−1、3−1、4−1、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例8>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、20度の導入口10を使用し、α−β=−25の条件で運転を行なった。図1、2−1、3−1、4−1、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例9>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、90度の導入口10を使用し、α−β=45の条件で運転を行なった。図1、2−1、3−3、4−1、5−2に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例10>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、0度の導入口10を使用し、α−β=−45の条件で運転を行なった。図1、2−1、3−4、4−1、5−3に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例11>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:導入口(10)を3ケから2ケに変更した。図1、2−1、3−1、4−2、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例12>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:導入口(10)を3ケから1ケに変更した。図1、2−4、4−3、5−1に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例13>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が1.0m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例14>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が10.0m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例15>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が0.5m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例16>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が15.0m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例17>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)の添加量を15部から0部に変更した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
<実施例18>
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)の添加量を15部から40部に変更した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈参考例1〉
調製工程に関し、以下に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:図6に示す態様の攪拌装置使用し、循環ラインを使用せず、通常の攪拌のみの操作を行った。
ポリエステル樹脂の添加量を5部から3部、低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)の添加量を15部から0部に変更した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈比較例1〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:
i)攪拌羽根(1)の周速を45m/s、スクリーン(2)の周速を60m/sに設定し分散を行った。
ii)一次混合された重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αが、90度の導入口10を使用し、α−β=45の条件で運転を行なった。
iii)導入口(10)を3ケから1ケに変更した。
iv)ポンプ(9)の出力と圧力調整弁(15)を適宜調整し、導入口(10)内における流速が0.5m/s、分散容器内部の圧力を100kPaに調整した。図1、2−5、5−2に示す態様の攪拌装置使用し、操作を行った。
v)低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)の添加量を15部から45部に変更した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈比較例2〉
以下の変更点以外は、比較例1と同様の操作を行なった。
変更点:攪拌羽根(1)の周速を20m/s、スクリーン(2)の周速を5m/sに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また重合性単量体組成物のグロス変化及び耐久画像濃度測定を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
総合評価基準
A:製法上及び製品上非常に好ましいレベル。
B:製法上及び製品上好ましいレベル。
C:製法上及び製品上問題がないレベル。
D:製法上及び製品上問題があるレベル。
Figure 2011123236
Figure 2011123236
1:攪拌羽根、2:スクリーン、3:攪拌室、4:分散容器、5:吐出口、6:ジャケット、7:調製タンク、8:攪拌翼、9:循環ポンプ、10:導入口、11:吸入口、12:排出口、13:熱交換器、14:流量計、15:圧力調整弁、16:下部モーター、17:上部モーター、18:蓋体、19:支持筒、20:上部回転軸、21:メカニカルシール、22:上部ハウジング、23:仕切板、24:下部回転軸、25:圧力計、26:温度計27:循環ライン

Claims (6)

  1. 重合性単量体に少なくとも着色剤を分散させ着色剤含有単量体を得る分散工程、
    得られた着色剤含有単量体に少なくとも添加剤を混合し重合性単量体組成物を得る調製工程、
    該重合性単量体組成物を水系媒体に加え、該水系媒体中で該重合性単量体組成物を造粒して該重合性単量体組成物の粒子を形成する造粒工程、
    該重合性単量体組成物粒子に含有される重合性単量体を重合する重合工程を少なくとも有する重合トナーの製造方法であって、
    該調製工程が、高速せん断力を付与する攪拌装置で、着色剤含有単量体と添加剤とを混合し重合性単量体組成物を得る工程であり、
    該攪拌装置が、高速回転する攪拌羽根と該攪拌羽根を囲うように設けられ、該攪拌羽根と逆方向に高速回転するスクリーンとによって形成される攪拌室を備えており、
    高速せん断処理時における該攪拌羽根の周速をA(m/s)、該スクリーンの周速をB(m/s)としたとき、
    25≦A≦40、A−10≦B≦A+10
    を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該攪拌室において、一次混合された該重合性単量体組成物が、該攪拌羽根上方に設けられた導入口から導入されることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 一次混合された該重合性単量体組成物の撹拌室への導入方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角αと、高速せん断処理された重合性単量体組成物の撹拌室からの排出方向と攪拌羽根の回転軸とのなす角βとが以下の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載のトナーの製造方法。
    −25≦α−β≦25
  4. 該攪拌室は、該導入口を少なくとも2ケ以上備えていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のトナーの製造方法。
  5. 該導入口の内部における重合成単量体組成物の流速をC(m/s)とすると、
    1.0≦C≦10.0
    の範囲内であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  6. 該調製工程において、該添加剤が樹脂であり、該樹脂の含有量が、重合性単量体100質量部に対し、5質量部以上45質量部以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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