JP2010191057A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】重合法によるトナーの製造において、エコロジーの観点からトナー粒子のリサイクルを成就し、且つ経済的で無駄がなく、大容量かつ低コストでトナー粒子を製造する方法を提供する。
【解決手段】重合性単量体中に着色剤を分散させて重合性単量体の分散物を得る分散工程と、該重合性単量体の分散物に添加剤を混合し、重合性単量体組成物を得る混合工程と、水系媒体中においてトナー粒子の粒径に応じた大きさの重合性単量体組成物の粒子に造粒する造粒工程と、造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該混合工程において、
(i)別途に製造したトナー粒子、
(ii)該トナー粒子から所定粒径外の粒子を分級肯定により分級された微粉又は粗粉、
を該重合性単量体組成物中へ超音波発生装置を用い、混合する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色剤が微細かつ均一に分散されているトナー粒子を効率よく製造する方法に関する。更に本発明は、画像濃度が良好でかつシャープな粒度分布を有し、かつ電子写真特性に優れているトナー粒子を製造するための方法に関する。
電子写真法では、種々の手段で感光体上に電気的に潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像してトナー画像を形成する。その後、必要に応じて紙の如き転写材に該トナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧の如き定着方法を用いて該トナー画像を転写材に定着させることにより、画像を得るといったものである。
このようなトナー粒子としては、粉砕トナーや重合トナーが知られているが、近年、電子写真法では高画質化が要求されるにつれて、トナー粒子は小粒径化傾向にある。トナー粒子が小粒径化すると、トナー粒子内に均一な顔料分散を行うことが難しくなり、更なるトナー中の顔料分散性の向上が求められている。重合トナーにおいては、特許文献1中で、超音波振動により発生するキャビテーションを使用し、重合性単量体中で顔料分散を行い、重合トナー中に微細に顔料を分散する技術が開示されている。しかしながら、この方法では、処理物の昇温が激しく、量産スケールの規模が小さく、更なる大型化に対応するのが難しい。また、振動子の形状上、処理物のショートパスが生じやすく、処理物すべてを均一に微細化するのに時間を要するという問題があった。
また、一層の低価格化に対応するため、量産性の向上も要求されている。現在の重合トナー設備では、造粒条件の最適化を行っても、分級工程により粒径4μm以下の微粒子や粒径10μm以上の粗粒子の割合を減少させる必要が生じる場合がある。この点に関しては、別途、製造したトナー粒子を重合性単量体中に混合し、再利用することが特許文献2に提案されている。しかし、近年の重合トナーは、高性能化・高着色力化に伴い、含有する樹脂、離形剤、顔料等の種類及び部数が増加傾向にあり、上記の手法では、均一に別途、製造したトナー粒子を重合性単量体中に混合することが難しくなっている。重合性単量体中に別途、製造したトナー粒子が、均一に混合しないと、造粒性が悪化し、収率が低下するだけでなく、離形剤等添加剤の偏析した微粒子が発生し、トナーの品質自体が低下するため問題である。特に、この問題は、量産化するに従い顕著になる傾向である。
特開2004−226449号公報 特開2005−128456号公報
本発明の目的は、上述のごとき問題を解決した静電画像を現像するための重合トナーの製造方法を提供することにある。
詳しくは、重合法によるトナー製造において、着色剤の分散がより均質で画像濃度が良好なトナー粒子を製造する製造方法を提供することにある。さらには、重合法によるトナーの製造において、エコロジーの観点からトナー粒子のリサイクルを成就し、且つ経済的で無駄がなく、大容量かつ低コストでトナー粒子を製造する方法を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、別途、製造したトナー粒子を混合工程においてトナーの材料に混入して超音波発生装置を用いることにより、材料を有効にリサイクルすることができることを見出した。更には、該リサイクルを行って製造した場合でも高い画像濃度が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、少なくとも、重合性単量体中に着色剤を分散させて重合性単量体の分散物を得る分散工程と、該重合性単量体の混合物に添加剤を混合して、重合性単量体組成物を得る混合工程と、水系媒体中においてトナー粒子の粒径に応じた大きさの重合性単量体の粒子に造粒する造粒工程と、該造粒工程において造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合することによりトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該混合工程において、
(i)別途に製造したトナー粒子、
(ii)該トナー粒子から所定粒径外の粒子を分級工程により分級された微粉又は粗粉、
を該重合性単量体組成物中へ超音波発生装置を用いて混合することを特徴とする。
本発明により、着色剤が各トナー粒子中に微細かつ均一に分散されている重合トナーの製造法を提供することができる。重合法によるトナーの製造において、エコロジーの観点からトナー粒子のリサイクルを成就し、且つ経済的で無駄がなく、大容量かつ低コストでトナー粒子を製造する方法を提供することができる。
本発明の製造方法の全体の流れを示すフローの一例を示す図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態のシステム図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態のシステム図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態の拡大断面図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態のシステム図である。 本発明による超音波発生装置の一実施の形態のシステム図である。 従来の混合工程の一例を示す説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも、重合性単量体中に着色剤を分散させて重合性単量体の分散物を得る分散工程と、該重合性単量体の分散物に添加剤を混合し、重合性単量体組成物を得る混合工程と、水系媒体中においてトナー粒子の粒径に応じた大きさの該重合性単量体組成物の粒子に造粒する造粒工程と、該造粒工程において造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合させることによりトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
該混合工程において、超音波発生装置を用いて着色剤を微細でかつ均一な状態に分散し、かつ
(i)別途に製造したトナー粒子、
(ii)該トナー粒子から所定粒径外の粒子を分級工程により分級された微粉又は粗粉、
を該重合性単量体組成物中へ、混合させることを特徴とする。
図1は、本発明のトナー粒子の製造方法の全体の流れを示すフロー図の一例であり、本発明の製造方法はトナー粒子製造の主プロセスと再利用プロセスからなる。なお、図1は、懸濁重合法に本発明を適用したトナー粒子の製造方法を示すものである。以下、この図を用いて本発明の製造方法の好ましい一態様について説明する。
本発明のトナー粒子の製造方法における主プロセスは、重合性単量体中に着色剤を分散させて重合性単量体の分散物を得る分散工程。得られた重合性単量体の分散物に添加剤を混合し、重合性単量体組成物を得る混合工程。得られた重合性単量体組成物を水系分散媒に分散して所望のトナー粒子の粒径に応じた大きさの粒子に造粒する造粒工程。造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合してトナー粒子を得る重合工程。上記水系分散媒からトナー粒子を分離する固液分離工程。分離されたトナー粒子を乾燥させる乾燥工程。及び乾燥されたトナー粒子から所定粒径外の粒子を除去してトナー粒子を得る分級工程を含む。
また、再利用プロセスは、上記主プロセスにおいて、
(i)別途に製造したトナー粒子、
(ii)該トナー粒子から所定粒径外の粒子を分級工程により分級された微粉又は粗粉、
を他のトナー粒子の製造時に、混合工程において重合性単量体組成物中に混合する工程を含む。
まず、本発明における別途に製造したトナー粒子とは、図1の分級工程より分離除去された、所望のトナー粒子の粒径範囲以外の粒径を有する、粗粒子、微粒子又はこれらの混合物が挙げられる。
本発明者らが鋭意検討した結果、別途、製造したトナー粒子の再利用が以下に説明するプロセスを用いることにより可能なことを見出した。即ち、混合工程において、別途、製造したトナー粒子を重合性単量体組成物中へ均一に混合することである。そのためには、(1)別途、製造したトナー粒子を重合性単量体組成物中へ投入する時、別途、製造したトナー粒子のダマ生成を防止する。(2)生成してしまった別途、製造したトナー粒子のダマを破壊し、重合性単量体組成物中の微小な空気泡を脱法する。(3)別途、製造したトナー粒子が混合された重合性単量体組成物を均一に分散・混合する。(4)重合性単量体組成物へのエアーの巻き込みを抑制することが重要である。
以下に、別途に製造したトナー粒子を再利用する、本発明の製造方法について具体的に説明する。
別途にトナー粒子を製造した際に除去されたトナー粒子を、少なくとも分散工程で得られた該重合性単量体の分散物を含む、該重合性単量体組成物中に均一に混合させる工程について説明する。混合工程では、分散工程で得られた重合性単量体の分散物に必要に応じて荷電制御剤、重合性単量体、離型剤、染料等の着色剤、極性樹脂、可塑剤、架橋剤などのトナーとして必要な成分を更に添加し、重合性単量体組成物を得ても良い。また、これ以外に他の添加剤、例えば後の重合工程において重合反応によって生成する重合体の粘度を低下させるために用いる有機溶媒、高分子重合体、及び分散剤等を適宜添加しても良い。
重合性単量体組成物中に投入される別途に製造したトナー粒子の粒径はおおよそ0.01μm乃至数十μmであり、かさ比重が小さく、別途に製造したトナー粒子自体が空気を多く含んでいる。このため、別途に製造したトナー粒子は重合性単量体組成物中に取り込まれにくく、ダマが生成しやすい。本発明に使用される攪拌翼としては、市販されているものを使用することができる。たとえば、フルゾーンミキサー(株式会社神鋼環境ソリューション製)、マックスブレンド翼(住友重機械工業株式会社製)などが挙げられる。特に好ましい攪拌翼形状としては、トナー粒子のダマ生成防止及びダマ破壊と、攪拌槽の収容物全体を均一に撹拌混合する能力を有する撹拌翼が、好ましい。具体的には、ディゾルバー翼(エムテクニック株式会社製)等が挙げられる。
しかしながら、いずれの攪拌装置を使用しても、ダマの生成を防止する(攪拌速度を上げることにより、せん断力を増加しダマを破壊する)と重合性単量体組成物中へのエアーの巻込み抑制(攪拌速度を下げる)を両立することは難しい。また、高着色力化達成のため顔料部数の増加を行うと、重合性単量体組成物の液粘度が上昇する。液粘度が上昇するに従い、重合性単量体組成物からのエアーの脱泡も一層困難になる。
一方、重合性単量体組成物中に均一に別途に製造したトナー粒子を混合すること(攪拌速度を上げることにより、循環量とせん断力を増加する)と重合性単量体組成物中へのエアーの巻込み抑制(攪拌速度を下げる)も両立することは難しい。
そこで、本発明者らは、(1)攪拌槽内部の重合性単量体組成物の均一な攪拌。(2)生成したダマの破壊。(3)重合性単量体組成物からのエアーの脱泡。(4)重合性単量体組成物中に均一に別途に製造したトナー粒子を混合することの機能分離を行った。すなわち、(1)攪拌槽内部の重合性単量体組成物全体の均一な混合を攪拌翼により行う。この時の攪拌速度は、エアーを巻込まない程度が好ましい。
また、(2)生成したダマの破壊。(3)重合性単量体組成物からのエアーの脱泡。(4)重合性単量体組成物中に均一に別途に製造したトナー粒子を混合する。以上の点に関しては、超音波を重合性単量体組成物に照射し、効率良くダマを破壊かつエアーを脱泡し、同時に重合性単量体組成物中に均一に別途に製造したトナー粒子を混合できることを見出した。超音波照射によるダマの破壊、重合性単量体組成物へのトナー粒子の混合メカニズムは、正確には不明であるが、おそらくは以下の理由によるものと推測される。
1)超音波照射による溶液自身の振動は、周波数に比例する。その加速度は、重力加速度の約1000乃至5000倍と非常に大きいため、従来の攪拌翼によるせん断力作用に比べ、効率良くダマを破壊し、トナー粒子を重合性単量体組成物中に混合することができると思われる。
2)超音波照射によるキャビテーションの発生により、重合性単量体組成物中の微小な気泡は、圧力変化に伴い、振動を切り返しながら、気泡同士が合一し大きくなり、浮力が増加し、脱法されやすくなると思われる。
次に、具体的な超音波発振装置について説明する。
図2は、超音波発生装置の拡大断面図、図3は、装置本体を組み込んだシステム図である。
図2について以下に説明する。
(21):超音波発生機、(22):超音波振動子、(23):超音波照射部である。
図3について以下に説明する。
(31):分散タンク。
(32):混合タンク。
(33−1):送液ポンプ、(33−2):圧力計、(33−3):温度計、(33−4):攪拌装置、(33−5):背圧弁、(33−6):循環ラインである。
(34):超音波発生機、(35)超音波振動子、(36):上部に処理物の流入口を有し、下部に処理物の流出口を有する超音波処理室である。
また、(31):分散タンク、(32):混合タンク、(36):超音波処理室は、ジャケット構造であるため、処理物の冷却・加熱が可能である。
図4は、超音波装置が直列に設置されている。その他は、図3と同等の装置構成である。
図5は、本発明に使用可能な他の超音波発生装置の拡大断面図である。図6は、図5の超音波発生装置を組み込んだシステム図である。
図7は、循環ラインの混合タンク内出口位置が処理物上部に位置している。その他は、図3と同等の装置構成である。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
図3は装置本体を組み込んだシステム図である。あらかじめ混合タンク(32)で、重合性単量体に少なくとも樹脂が溶解している樹脂含有重合性単量体を作製し、その後、分散タンク(31)より、重合性単量体に少なくとも着色剤が分散している重合性単量体の分散物を、混合タンク(32)内に投入する。攪拌装置(33−4)により攪拌を行いながら、ポンプ(33−1)を運転し、循環ライン(33−6)、超音波処理室(36)内に処理物を循環させ、超音波発生装置を始動させる。また、超音波分散時は、混合タンク(32)及び超音波処理室(36)のジャケットにより、重合性単量体組成物中は、任意の温度に調整される。
本発明に用いられる超音波発生装置の形状の一例を、図2及び図5に示す。本発明に好ましく用いられる形状は、図2の様な超音波照射部分が、同軸上に複数段からなる構造である。すなわち、超音波振動子(22)が円周方向に同心円状の凸部を複数有している円柱状の構造を有している。この構造は、重合性単量体組成物が、超音波処理室(36)内を通過する時、超音波照射部の段数に相当する回数分を超音波処理される。よって、重合性単量体組成物中の分散ムラが非常に少なく、均一でかつ従来に比べ短時間で所定の分散・混合状態に達することができる。
また、本発明で使用される超音波発振装置の変換機部(高周波電力を機械振動に変換するコンバーター)の冷却方式は、水冷式よりも空冷式が好ましい。これは本装置が電気で駆動される装置だからである。すなわち、防爆エリアにおいて、超音波発振装置を使用する場合、変換部の冷却を水冷により行うと、冷却水が漏れた場合、漏電の可能性があり、危険であるため、好ましくない。
ついで、ポンプ(33−1)、超音波処理室(36)内の圧力を調節する背圧弁(33−5)により、循環量と超音波処理室(36)内の圧力を調整する。処理物中の微小な気泡は、振動子の動きに伴い、膨張と収縮を繰り返す。この時、真空状態近くまで、減圧され膨張した微小気泡が、再び加圧され、崩壊する時キャビテーションが生じる。このキャビテーションの効果は、圧力差が大きいほど有効であるため、超音波処理室(35)内の圧力は、最適な加圧状態に徴することが好ましい。すなわち、該混合工程時の超音波処理室(36)内の圧力は、20kPa以上200kPa以下の範囲であることが好ましい。加圧条件が20kPa未満では加圧による分散・混合の効果が低く、200kPa超えると超音波発生装置が一定の振幅を保つのが難しくなり、安全性および装置信頼性の面で好ましくない。
該混合工程において、該超音波発生装置1台当たりの出力をA(W)、該超音波発生装置1台当たりの超音波照射部面積をB(cm2)とした場合、出力Aが1700W以上であり、A/Bが9W/cm2以上65W/cm2以下であることが好ましい。Aが、1700W未満では、量産機としてスケールが小さすぎるため好ましくない。かつ、A/Bが9W/cm2未満では、超音波の加速度が小さく、分散・混合効率が悪く、65W/cm2を超えると、超音波照射部の磨耗が大きく、重合性単量体組成物へのコンタミや装置自体の消耗が激しいため、好ましくない。
該混合工程において超音波処理される重合性単量体組成物を液量C(kg)、超音波発生装置の合計出力をD(kW)とした場合、C/Dが20kg/kW以上165kg/kW以下であることが好ましい。C/Dが165kg/kW以上の領域では、照射エネルギーが小さすぎるため、所望の分散・混合レベルを達成するのが困難である。また、20kg/kW未満では、分散状態が飽和傾向示し、過剰エネルギーとなるため、省エネ上好ましくない。
該混合工程時、該超音波処理された重合性単量体組成物が、該混合タンク内部へ再び排出される部分が、該混合タンク内の重合性単量体組成物中に位置し、超音波処理された重合性単量体組成物が、気体を巻き込まずに重合性単量体組成物中に戻ることが好ましい。
また、該混合工程の重合性単量体組成物の大気圧下における嵩密度をE(g/cc)、重合性単量体組成物の10kPa(絶対圧)状態下における嵩密度をF(g/cc)とした時、E/Fが1.12以下であることが好ましい。E/Fが1.12を超える領域では、重合性単量体組成物中への含有気泡量が多いため、超音波エネルギーが、気泡の振動・合一≒脱泡に使われ、トナー粒子の分散・混合が不十分になってしまう。更には、次工程である造粒工程においても、悪影響を与える。すなわち、重合性単量体組成物を水系分散体に分散する造粒工程において、重合性単量体組成物中に気泡が混入していると、気泡の収縮・膨張に粒子生成のためのせん断力が吸収され、粒度分布のブロード化の原因になるため好ましくない。
該別途、製造したトナー粒子の該重合性単量体組成物中へ超音波発生装置を用い、混合する割合が、該トナー粒子の質量部数をG、該重合性単量体組成物の質量部数をHとした時、G/Hが0.05以下であることが好ましい。G/Hが0.05超の領域では、重合工程において、重合性単量体組成物に均一に別途、製造したトナー粒子を分散・混合することが難しく、品質上好ましくない。
本発明において、スケールUP時においては、超音波発生装置を、直列にもしくは並列に、もしくは直列かつ並列に複数個使用することにより、重合性単量体組成物への超音波の照射効率を低下することなく、大容量の処理にも対応できる。本発明において、特に好ましいのは、直列に複数個使用した場合であり、図4は、超音波発生装置を直列につないだ一例である。超音波装置を直列に複数個使用すると、重合性単量体組成物の超音波照射部における滞留時間が長くなる。その場合、超音波発生装置1ケで分散した場合に比べ、ワンパス当たりの分散レベルが高いため、最終的な分散レベルが高くなる。
上記超音波発生装置の具体的なものとしては、ドクターヒールシャー社(ドイツ)から商品化されているUIPシリーズ等がある。この中で好ましくは、UIP1000,2000,4000,8000,16000等が、超音波処理能力が大きく、量産化に対応しやすく好ましい。
本発明の重合法トナーの製造方法としては、懸濁重合方法が好ましい。分散工程において、公知の分散方法により重合性単量体に少なくとも着色剤を分散させ、重合性単量体の分散物を得る。混合工程においては、得られた重合性単量体の分散物に添加剤を混合し、図2から図7に示される超音発生装置によって均一に分散・混合し、重合性単量体組成物を得る。該混合工程において得られた重合性単量体組成物液を、分散安定剤を含有する水相中にクレアミックス又はホモミキサー等の高せん断力を有する攪拌機により分散する。この時、重合性単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度および時間を調製し造粒する。
懸濁重合法においては、通常、重合性単量体組成物100質量部にたいして水100乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持されるため、粒子の沈降が起こらない程度の撹拌を行えば良い。
懸濁重合法においては、通常、重合性単量体組成物100質量部にたいして水100乃至3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持されるため、粒子の沈降が起こらない程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は40℃以上、一般的には50乃至90℃の温度に設定して重合を行う。また、所望の分子量分布を得る目的で重合反応後半に昇温しても良く、更に、未反応の重合性単量体,副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を蒸留操作により留去しても良い。蒸留操作は常圧もしくは減圧下で行うことができる。重合反応または引き続く蒸留操作終了後、生成したトナー粒子をろ過/洗浄するが、この工程の前段もしくは後段で酸および/またはアルカリ処理により、得られた粒子状表面の分散安定剤の除去を行うこともできる。最終的に液相と分離されたトナー粒子は公知の方法により乾燥される。
〔低分子量樹脂〕
本発明のトナーの製造においては、トナー粒子の形状や材料の分散性や定着性、あるいは画像特性の改良を目的として、重合性単量体組成物中に樹脂を添加して重合することができる。例えば、単量体では水溶性のため水性懸濁液中では溶解して乳化重合を起こすため使用できない親水性官能基含有の単量体成分をトナー中に導入したい時には、以下のように行う。即ち、上記親水性官能基含有の単量体成分と、スチレンあるいはエチレンの如きビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体の如き共重合体の形で使用が可能である。また、上記親水性官能基含有の単量体成分と、ポリエステル及びポリアミドの如き重縮合体、あるいは、ポリエーテル及びポリイミンの如き付加重合体の形で使用も可能である。なお、親水性官能基としては、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルフォン酸基、グリシジル基、及びニトリル基が挙げられる。
上記以外に重合性単量体組成物中に添加することができる低分子量樹脂としては、以下のものが挙げられる。ポリスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリ酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリル樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂。なお、上記低分子量樹脂は単独或いは混合して使用できる。
これらの低分子量樹脂の中でも、低分子量樹脂のガラス転移点が40℃以上100℃以下であることが好ましい。ガラス転移点が40℃未満であると、トナー粒子全体の強度が低下して多数耐久試験時に転写性や現像特性の低下を招きやすい。さらに、高温多湿環境下においてトナー粒子同士が凝集し、保存安定性が低下するという問題も生じる。一方、ガラス転移点が100℃を超えると、定着不良という問題が生じ易くなる。
低温定着性、高グロス画像が得られるといった点から、該低分子量樹脂のガラス転移点は40℃以上70℃以下であることが好ましく、より好ましくは40℃以上65℃以下である。
〔極性樹脂〕
懸濁重合のように水系分散媒を用いる重合法の場合には、該重合性単量体組成物に極性樹脂を添加することにより、離型剤の内包化の促進を図ることができる。水系媒体中の重合性単量体組成物中に極性樹脂が存在した場合、親水性の違いから極性樹脂が水系媒体と重合性単量体組成物の界面付近に移行しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することになる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、多量の離型剤を含有する場合でも、離型剤の内包性が良好になる。
該極性樹脂としては、トナー表面に偏在しシェルを形成した際に、極性樹脂自身の流動性が期待できることから、特にポリエステル系樹脂が好ましい。
本トナーに用いることができる極性樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、しょうのう酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸の如き酸性分単量体と;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、等のアルキレングリコール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールの如き多価アルコール単量体とを縮合重合したものを挙げることができる。
〔重合性単量体〕
本発明のトナーに用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組合せて使用する。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独もしくは混合して、又はそれらとほかの単量体と混合して使用することが、トナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
〔着色剤〕
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものを使用することが出来る。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー。
マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。
イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、非磁性フェライト、マグネタイト。
上記イエロー系着色剤/マゼンタ系着色剤/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは重合性単量体又は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下添加して用いられる。
本発明においては重合法を用いてトナー粒子を得る場合には、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましくは、重合阻害のない物質による疎水化処理を着色剤に施しておいたほうが良い。特に、染料系着色剤やカーボンブラックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。
また、染料系着色剤の重合阻害性を抑制する方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物に添加する。
また、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質(例えば、ポリオルガノシロキサン等)で処理を行っても良い。
〔重合開始剤〕
トナー粒子を重合法で製造する際に用いる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系、又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤。これらの重合開始剤は、重合性単量体に対して0.5乃至20質量%の添加が好ましく、単独でも又は併用してもよい。
〔離型剤〕
本発明に係るトナーに使用可能なワックス成分としては、以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物、高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックス、シリコ−ン樹脂。
特に本発明では、下記式(1)乃至(6)で示す炭素数が10以上の長鎖エステル部分を1個以上有するエステルワックスが、OHPの透明性等を阻害せず好ましい。
Figure 2010191057
(式中、a及びbは0乃至4の整数を示し、a+bは4であり、R1及びR2は炭素数が1乃至40の有機基を示し、n及びmは0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2010191057
(式中、a及びbは1乃至3の整数を示し、a+bは4であり、R1は炭素数が1乃至40の有機基を示しn及びmは0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2010191057
(式中、a及びbは0乃至3の整数を示し、a+bは2または3であり、R1及びR2は炭素数が1乃至40の有機基を示し、且つR1とR2との炭素数差が10以上である基を示し、R3は炭素数が1以上の有機基を示す。また、cは2または3であり、a+b+c=1であり、n及びmは0乃至15の整数を示し、nとmが同時に0になることはない。)
Figure 2010191057
(式中、R1及びR2は炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
Figure 2010191057
(式中、R1及びR2は炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、nは2乃至20の整数であり、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
Figure 2010191057
(式中、R1及びR2は炭素数が1乃至40の炭化水素基を示し、nは2乃至20の整数であり、且つR1及びR2は、お互いに同じでも異なる炭素数でもよい。)
ワックスの分子量としては、重量平均分子量(Mw)が300以上1500以下のものが好ましい。300未満になるとワックスのトナー粒子表面への露出が生じ易く、1500を超えると低温定着性が低下する。特に400以上1250以下の範囲のものが好ましい。更に、重量平均分子量/数平均分子量の比(Mw/Mn)が1.5以下になると、ワックスのDSC吸熱曲線のピークがよりシャープになり、室温時のトナー粒子の機械的強度が向上し、定着時にはシャープな溶融特性を示す特に優れたトナーの特性が得られる。
上記エステルワックスの具体的例としては、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2010191057
〔荷電制御剤〕
本発明のトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、ノンメタルカルボン酸系化合物等が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;これらを単独で或は2種類以上組合せて用いることができる。これらの中でも、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は、樹脂成分100質量部に対して、0.01乃至20質量部(より好ましくは0.5乃至10質量部)使用するのが良い。
〔架橋剤〕
架橋性モノマーとしては、2官能の架橋剤として以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200、#400、#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA 日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに変えたもの。
また、多官能の架橋性モノマーとしては以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ・ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアクリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等。架橋剤の好ましい添加量としては、重合性単量体100質量部に対して0.001乃至15質量部である。
〔分散安定剤〕
重合性単量体組成物を水性媒体中に良好に分散させるための分散安定剤として、例えば無機系酸化物であるリン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,チタニア、磁性体,フェライト等が挙げられる。有機系化合物としては例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が水相に分散させて使用される。分散安定剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2乃至10.0質量部を使用することが好ましい。
これら分散安定剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下の水中に、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を投入混合することで懸濁重合方法に好適な分散剤を得ることができる。また、これら分散剤の微細化のため0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
〔外添剤〕
本発明により製造されるトナーを使用するにあたっては、各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡による観察から求めたその平均粒径を意味する。外添剤としては、たとえば、金属酸化物(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなどが用いられる。
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは、0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良いが、それぞれ、疎水化処理を行ったものがより好ましい。
本発明のトナーは、一成分及び二成分系現像剤として、いずれの現像方式にも使用できる。たとえば、一成分系現像剤として、磁性体をトナー中に含有せしめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せしめたマグネットを利用し、磁性トナーを搬送及び帯電せしめる方法がある。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送せしめる方法がある。
一方、一般的に利用されている二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーと共に、キャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として、鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム元素からなる単独及び複合フェライト状態で構成される。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形などを選択し、更にキャリア表面状態の微細構造、たとえば表面凸凹性をもコントロールすることが好ましい。通常、上記無機酸化物を焼成、造粒することにより、あらかじめ、キャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。本発明では、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、無機酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得てもよい。さらには、直接無機酸化物とモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せしめ真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方法なども利用することが可能である。
上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する系は、特に好ましい。その方法としては、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の方法がいずれも適用できる。
キャリア表面への固着物質としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ジターシャーリーブチルサリチル酸の金属化合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアシド、ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレート樹脂、塩基性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、アルミナ微粉末などを単独或は複数で用いるのが適当であるが、必ずしもこれに制約されない。
上記化合物の処理量は、一般には総量でキャリア100質量部に対し0.1乃至30質量部、好ましくは0.5乃至20質量部である。
これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、好ましくは20乃至50μmを有することが好ましい。
該キャリアの特に好ましい態様としては、Cu−Zn−Feの3元系のフェライトであり、その表面をフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合せ、例えばポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂;ポリテトラフルオロエチレンとスチレン−メチルメタクリレート樹脂、フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;などを90:10乃至20:80、好ましくは70:30乃至30:70の比率の混合物としたもので、0.01乃至5質量部、好ましくは0.1乃至1質量部コーティングし、250メッシュパス、400メッシュオンのキャリア粒子が70質量部以上ある上記平均粒径を有するコートフェライトキャリアであるものが挙げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90乃至90:10)が例示される。スチレン系共重合体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80乃至80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル−メタクリル酸メチル(20乃至60:5乃至30:10乃至50)が例示される。
上記コートフェライトキャリアは粒径分布がシャープであり、本発明のトナーに対し好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効果がある。
本発明におけるトナーと混合して二成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2質量部乃至15質量部、好ましくは4質量部乃至13質量部にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量部未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量部を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
さらに、該キャリアの磁性特性は以下のものが良い。磁気的に飽和させた後の1000エルステッド(79.58kA/m)における磁化の強さ(σ1000)は30乃至300emu/cm3であることが必要である。さらに高画質化を達成するために、好ましくは100乃至250emu/cm3であることがよい。300emu/cm3より大きい場合には、高画質なトナー画像が得られにくくなる。30emu/cm3未満であると、磁気的な拘束力も減少するためにキャリア付着を生じやすい。
後述の実施例に係るトナーの特性及び評価方法・基準について以下に説明する。
トナーの平均粒径及び粒度分布測定
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−III型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能である。本発明においてはコールターカウンターTA−III型(コールター社製)を用い、個数分布及び重量分布を算出する。トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
造粒工程における造粒性については、コールターカウンターで測定されたD50体積/D50個数により調べた。D50体積/D50個数とは、重量分布基準の50%粒径/個数分布基準の50%粒径である。
造粒性判定基準(D50/D50)
A:1.10以上1.20未満。非常に粒度分布がシャープであり好ましい。
B:1.20以上1.28未満。粒度分布は、シャープであり好ましい。
C:1.28以上1.35未満。粒度分布は、ブロード気味であるが、製品としては問題 ないレベル。
D:1.35以上。粒度分布は、ブロードであり、製品としては問題なレベル。
〔画像濃度測定〕
マクベス濃度計を用いて、SPI補助フィルタ−を用い、定着画像部を測定した。
〔耐久画像濃度測定〕
フルカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キヤノン製)の改造機(プロセススピード:190mm/sec、定着温度190℃)を使用する。このプリンターで常温常湿(24℃/60%RH)の環境下においてトナー350gをプロセスカ−トリッジにセットし、プリントアウトして評価を行った。具体的には、2%の印字比率の画像を15000枚まで記録紙(75mg/cm2)を用いてプリントアウトして、初期と15000枚出力時ベタ画像濃度の評価を行った。
ランクA:1.45以上
ランクB:1.44乃至1.40
ランクC:1.39乃至1.35
ランクD:1.34乃至1.30
ランクE:1.29乃至1.25
ランクF:1.24以下
以下、具体的な製造方法、実施例、比較例をもって本発明をさらに詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。なお、以下の配合における部数は全て質量部である。
〈参考例1〉
[主プロセス]
図1中の主プロセスに示すフローに従ってトナー粒子を製造した。
混合工程の重合性単量体組成物(重合開始剤は含まない)が280kgになるように、各材料をその部数比に応じて仕込むものとする。
〔分散工程〕
下記処方をアトライターで分散し、重合性単量体の分散物を得た。分散終了後、重合性単量体の分散物を次工程である混合工程へ移送した。
スチレン 28部
負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.5部
C.I.ピグメントレッド122 4部
C.I.ピグメントレッド150 4部
〔混合工程〕
分散工程より、重合性単量体の分散物を受入後、下記処方を添加し、30rpmでマックスブレンド翼により混合し、重合性単量体組成物を得た。樹脂の溶解性が低い場合は、重合性単量体の分散物の受入前に、下記処方を混合し、樹脂溶解重合性単量体を作製後、重合性単量体の分散物を受け入れても良い。
スチレン 30.5部
n−ブチルアクリレート 16.5部
ポリエステル樹脂 5部
低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃) 20部
ワックス(フィッシャートロプシュワックス:融点78.0℃) 10部
混合工程の条件については、表1にまとめて示す。
次いで、重合性単量体組成物を60℃に加温し、引き続き2時間攪拌した時点で停止した。2時間経過時において、混合液をサンプリングし、大気圧下での嵩密度:Eと10kPa下(絶対圧)での嵩密度:Fを測定したところ、E/Fは1.05であった。次いで、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート10.0部(トルエン溶液50%)を添加し、5分攪拌後、次工程である造粒工程に移送する。
〔造粒工程〕
一方、高速攪拌装置クレアミック(エムテクニック株式会社製)を備えた容器中に0.1モル−Na3PO4水溶液850部を添加し回転数を80rpsに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68部を添加し微少な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒体系を調製した。混合液に重合開始剤投入5分後、60℃の混合液を温度60℃に加温した媒体系中に投入し、クレアミック(エムテクニック株式会社製)を80rpsで回転させながら15分間造粒した。その後高速攪拌機からプロペラ攪拌羽に攪拌機を変え、65℃で5時間反応させた後、液温80℃とし、さらに2時間反応させた。重合反応終了後、コールターマルチサイザーで粒度分布を測定し、個数平均粒径(D1)、D50体積/D50個数を求めた。値は表2に示す。
引き続き重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、希塩酸を添加して分散剤を溶解し、固液分離、水洗、ろ過、乾燥、分級することによりトナー粒子を得た。分級後、所定粒径外の粒子である微粉と粗粉のそれぞれについて、コールターマルチサイザーで粒度分布を測定したところ、微粉及び粗粉の重量平均粒径D4がそれぞれ3.1μm及び10.8μmであった。
得られたトナー粒子100.0部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m2/gである酸化チタン0.1部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)にて外添して、現像剤Aを得た。
次いで、フルカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キヤノン製)の改造機(プロセススピード:190mm/sec、定着温度190℃)を使用し、耐久画像濃度測定を行った。結果に関しては、表2にまとめて示す。
[再利用プロセス]
分級工程で選別された所定粒径外の粒子の微粉と粗粉、分級機のブロワに付着した超微粉を再利用する工程について以下に説明する。
分級工程時に選別された微粉と粗粉、及びバグ微粉をヘンシェルミキサーにより均一に混合し、所定粒径外の粒子の混合物(1)を得た。
〈実施例1〉
図2の超音波発生装置及び図3の装置システムを使用し、操作を行った。
混合工程の重合性単量体組成物(重合開始剤は含まない)が280kgになるように、各材料をその部数比に応じて仕込むものとする。
〔分散工程〕
下記処方をアトライターで分散し、重合性単量体の分散物を得た。分散終了後、重合性単量体の分散物を次工程である混合工程へ移送した。
スチレン 28×0.95部
負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.5×0.95部
C.I.ピグメントレッド122 4×0.95部
C.I.ピグメントレッド150 4×0.95部
〔混合工程〕
分散工程より、重合性単量体の分散物を受入後、下記処方を添加し、5rpsでマックスブレンド翼により混合し、重合性単量体組成物を得た。
スチレン 30.5×0.95部
n−ブチルアクリレート 16.5×0.95部ポリエステル樹脂 5×0.95部
低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)
20×0.95部
ワックス(フィッシャートロプシュワックス:融点78.0℃) 10×0.95部
所定粒径外の粒子の混合物(1) 0.05部
次いで、ポンプ(33−1)により循環ライン(33−6)、超音波処理室(36)内に準じ重合性単量体組成物を導入し、超音波発生装置を作動させた。超音波発生子(35)より超音波を、重合性単量体組成物中に照射し、所定粒径外の粒子の混合物(1)の分散・混合を開始した。超音波発生装置通過後、重合性単量体組成物は再び混合タンク(32)内に戻り、再び超音波処理室に導入されるという一連の操作が繰り返し行われることにより、所定の混合状態に達する。また、ポンプ(33−1)の出力と背圧弁(33−5)を適宜調整し、圧力を20kPaに調整した。さらに、操作部において超音波出力をA、超音波発生部面積をBとした時、超音波出力A:5.2kW、超音波照射部面積:80cm2、A/B:65.0W/cm2、C/D:54kg/kWに設定し分散・混合を行った。混合工程の条件については、表3に示す。
次いで、重合性単量体組成物を60℃に加温し、超音波をトータル2時間照射した時点で停止した。2時間経過時において、混合液をサンプリングし、大気圧下での嵩密度:Eと10kPa下(絶対圧)での嵩密度:Fを測定したところ、E/Fは1.03であった。次いで、重合開始剤1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート10.0×0.95部(トルエン溶液50%)を添加し、5分攪拌後、次工程である造粒工程に移送した。
一方、高速攪拌装置クレアミック(エムテクニック株式会社製)を備えた容器中に0.1モル−Na3PO4水溶液850部を添加し回転数を80rpsに調整し、60℃に加温せしめた。ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液68部を添加し微少な難水溶性分散剤Ca3(PO42を含む分散媒体系を調製した。混合液に重合開始剤投入5分後、60℃の混合液を温度60℃に加温した媒体系中に投入し、クレアミック(エムテクニック株式会社製)を80rpsで回転させながら15分間造粒した。その後高速攪拌機からプロペラ攪拌羽に攪拌機を変え、65℃で5時間反応させた語、液温80℃とし、さらに2時間反応させた。重合反応終了後、コールターマルチサイザーで粒度分布を測定し、個数平均粒径(D1)、D50体積/D50個数を求めた。値は表2に示す。
引き続き重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、希塩酸を添加して分散剤を溶解し、固液分離、水洗、ろ過、乾燥、分級することによりトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100.0質量部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカ2.0部とBET法による比表面積が100m2/gである酸化チタン0.1部をヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)にて外添して、現像剤Aを得た。次いで、フルカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キヤノン製)の改造機(プロセススピード:190mm/sec、定着温度190℃)を使用し、耐久画像濃度測定を行った。結果に関しては、表2に示す。
また、超音波発振子の耐久テストとして、混合工程のみを連続50時間運転を行い、振動子の磨耗状態を目視確認した。結果に関しては、表2に示す。
〈実施例2〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:超音波出力A:1.7kW、超音波照射部面積:190cm2、A/B:8.9W/cm2、C/D:165kg/kWに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例3〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行った。
変更点:超音波出力A:1.1kW、超音波照射部面積:190cm2、A/B:6W/cm2、C/D:248kg/kWに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例4〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行った。
変更点:超音波出力A:5.6kW、超音波照射部面積:80cm2、A/B:70W/cm2、C/D:50kg/kWに設定し分散を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例5〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行った。
変更点:超音波システムとして図4のものを使用し、超音波振動子を直列に4ケ使用した。超音波出力A:3.5kW、超音波照射部面積:80cm2、A/B:43.8W/cm2、C/D:20kg/kWに設定し分散を行なった。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行った。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行った。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例6〉
以下の変更点以外は、実施例5と同様の操作を行なった。
変更点:超音波出力A:5.0kW、超音波照射部面積:80cm2、A/B:62.5W/cm2、C/D:14kg/kWに設定し分散を行なった。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例7〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:背圧弁(33−5)を適宜調整し、圧力を10kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例8〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:背圧弁(33−5)を適宜調整し、圧力を200kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例9〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:背圧弁(33−5)を適宜調整し、圧力を220kPaに調整した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例10〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:超音波方式として図5、超音波装置システムとして図6のものを使用し、超音波振動子を直列に4ケ使用した。
また、超音波出力A:1.0kW、超音波照射部面積:24.6cm2、A/B:40.7W/cm2、C/D:70kg/kWに設定し分散を行なった。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例11〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:超音波方式として図2、超音波装置システムとして図7のものを使用した。
また、超音波出力A:5.2kW、超音波照射部面積:80cm2、A/B:65.0W/cm2、C/D:54kg/kWに設定し分散を行なった。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例12〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:混合工程にて、マックスブレンド翼の回転数を10rpsに変更した。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈実施例13〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:下記のように処方変更を行なった。
〔分散工程〕
スチレン 28×0.92部
負荷電性制御剤(モノアゾ染料系のFe化合物) 0.5×0.92部
C.I.ピグメントレッド122 4×0.92部
C.I.ピグメントレッド150 4×0.92部
〔混合工程〕
スチレン 30.5×0.92部
n−ブチルアクリレート 16.5×0.92部
ポリエステル樹脂 5×0.92部
低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)
20×0.92部
ワックス(フィッシャートロプシュワックス:融点78.0℃) 10×0.92部
所定粒径外の粒子の混合物(1) 0.08部
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。また混合工程における超音波振動子の磨耗状態及び造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
〈比較例1〉
以下の変更点以外は、実施例1と同様の操作を行なった。
変更点:図8の混合タンクを使用し、30rpmでマックスブレンド翼でのみ混合を行った。
この現像剤及び外添トナーを用いて、実施例1と同様の条件下で画像濃度測定を行なった。造粒工程における造粒性の評価を実施例1と同様の方法で評価を行なった。一覧の結果を表2に示す。
Figure 2010191057
Figure 2010191057
振動子磨耗状態判定基準
A:変化なし。
B:若干磨耗を確認。ただし、連続生産しても問題ないレベル。
C:磨耗が進行している。連続生産では、品質低下の可能性がある。
D:照射面に亀裂を確認。連続生産不可能な状態。
総合評価基準
A:製法上及び製品上非常に好ましいレベル。
B:製法上及び製品上好ましいレベル。
C:製法上及び製品上問題がないレベル。
D:製法上及び製品上問題があるレベル。
21 超音波発信機
22 超音波振動子
23 超音波照射部
31 分散タンク
32 混合タンク
33−1 ポンプ
33−2 圧力計
33−3 温度計
33−4 マックスブレンド翼(攪拌装置)
33−5 背圧弁
33−6 循環ライン
34 超音波発生機
35 超音波振動子
36 超音波処理室

Claims (13)

  1. 少なくとも、重合性単量体中に着色剤を分散させて重合性単量体の分散物を得る分散工程と、該重合性単量体の分散物に添加剤を混合して、重合性単量体組成物を得る混合工程と、水系媒体中においてトナー粒子の粒径に応じた大きさの該重合性単量体組成物の粒子に造粒する造粒工程と、該造粒工程において造粒された重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合することによりトナー粒子を得る重合工程を含むトナー粒子の製造方法であって、
    該混合工程において、
    (i)別途に製造したトナー粒子、
    (ii)該トナー粒子から所定粒径外の粒子を分級工程により分級された微粉又は粗粉、
    を該重合性単量体組成物中へ超音波発生装置を用いて混合することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該分散工程及び該混合工程は、それぞれ別個の攪拌装置内で処理されることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 別途に製造した該トナー粒子が、外添剤を有する該トナー粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該超音波発生装置は、円周方向に同心円状の凸部を複数有している円柱状の構造を有する超音波を照射するための振動子を有しており、
    該振動子を振動させることによって、該除去された粒子、該重合性単量体の分散物、及び、該添加剤を混合して該重合性単量体組成物を得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該混合工程は、該重合性単量体の分散物と添加剤とを混合し、重合性単量体組成物を得るための混合タンクを具備し、該混合タンクから該超音波発生装置へ該重合性単量体組成物が送液され超音波処理された後、再び該混合タンクへ排出される循環ラインを具備し、送液と排出を繰り返す循環式であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該超音波発生装置が電気で駆動される装置であり、該電気を超音波振動へ変換するコンバーターの冷却方式が空冷式であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 超音波処理された重合性単量体組成物が、該混合タンクの内へ再び排出される部分が、該混合タンク内の重合性単量体組成物中に位置し、超音波処理された重合性単量体組成物が、気体を巻き込まずに該混合タンク内の重合性単量体組成物中に戻ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  8. 該混合工程において、超音波発生装置1台当たりの出力をA(W)、超音波発生装置1台当たりの超音波照射部面積をB(cm2)とした場合、出力Aが1700W以上であり、A/Bが9(W/cm2)以上65(W/cm2)以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  9. 該混合工程において、該混合工程において超音波処理される重合性単量体組成物液量をC(kg)、超音波発生装置の合計出力をD(kW)とした場合、C/Dが、20(kg/kW)以上165(kg/kW)以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  10. 該超音波処理が、加圧下で行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  11. 該加圧条件が、20kPa以上200kPa以下の範囲であることを特徴とする請求項10に記載のトナー粒子の製造方法。
  12. 該混合工程の処理物の大気圧下における嵩密度をE(g/cc)、該処理物の10kPa(絶対圧)状態下における嵩密度をF(g/cc)とした場合、E/Fが1.12以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
  13. 別途に製造した該トナー粒子又は外添剤を有する該トナー粒子を該重合性単量体組成物中へ超音波発生装置を用いて、混合する割合が、該トナー粒子の質量部数をG、該重合性単量体組成物の質量部数をHとした時、G/Hが0.05以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー粒子の製造方法。
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