JP2003316074A - 重合法トナーの製造装置及び製造方法 - Google Patents

重合法トナーの製造装置及び製造方法

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JP2003316074A
JP2003316074A JP2002125151A JP2002125151A JP2003316074A JP 2003316074 A JP2003316074 A JP 2003316074A JP 2002125151 A JP2002125151 A JP 2002125151A JP 2002125151 A JP2002125151 A JP 2002125151A JP 2003316074 A JP2003316074 A JP 2003316074A
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toner
polymerizable monomer
polymerization
stirring tank
stirring
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JP2002125151A
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Yoshihiro Nakagawa
義広 中川
Takeshi Tsujino
武 辻野
Sumiyuki Kimura
純之 木村
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合性単量体組成物を水性媒体中に分散させ
た後、連続的に重合工程を行うための製造装置を提供す
る。 【解決手段】 円筒形の攪拌槽1を、中心軸に対して直
交し、開口部を有する仕切板2で複数の小区画に分割
し、該小区画において、上記中心軸と同心の回転軸5に
支持部材10を介して攪拌翼4を取り付け、該攪拌翼4
の最外部から回転軸5の中心までの距離を、攪拌槽1の
内部の半径の0.8〜0.99倍に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、磁気記録法などに用いられる静電荷像現像用重
合法トナーの製造装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法に用いられるトナーには、優
れた流動性と安定した摩擦帯電性を有し、長期にわたっ
て感光体上のカブリや画像濃度の低下が発生せず、高品
質の印字が可能であること等が求められる。トナーの流
動性が悪いと現像剤の供給不良となって、画像がカスレ
たり画像濃度が低下する。またクリーニング不良が発生
し、現像剤が感光体上に残留し、カブリを生じたりトナ
ーによるフィルミングが生じたりする。感光体上にトナ
ーのフィルムが形成されると、画像に白抜けや黒色の汚
れが発生し画質が低下する。
【0003】トナーが優れた流動性を示し高品質の画像
を形成するには、トナー粒子が球形であってその粒度分
布がシャープであることが望ましい。
【0004】上記の性質を満たすトナーを製造する方法
として、従来の粉砕法によってもかなり良好なものを作
り得るが、さらに優れた方法として近年重合法によるト
ナーの製造が提案されている。トナー製造に用いられる
重合法としては懸濁重合、乳化重合、シード重合、分散
重合、乳化凝集重合など各種行われているが、例えば懸
濁重合法では重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始
剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添
加剤を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成
物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含有する
連続相、例えば水中に適当な分散機を用いて分散させ、
同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒
子を得る。この方法によって得られる重合法トナーは粒
度分布が比較的シャープなことから分級工程が省略可能
であり、例え分級が必要である場合でも高収率でトナー
が得られる。また、球形で表面が均一であるため、流動
性、転写性が良好で多数回の連続現像を行っても良好な
現像特性を示し、トナーへのストレスが少なく、感光体
へのフィルミングの発生が少ないという特徴を有してい
る。さらにこの方法によれば、上記の粉砕法トナーに科
せられる制約がないことに加えてワックス等の離型剤を
確実に内包化することができ、良好な定着性及び耐オフ
セット性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述の懸濁重合法によ
るトナーの製造方法において、通常各工程は回分式で行
われている。一部工程を連続化したものも見受けられる
が、水性分散媒体中に懸濁分散させた重合性単量体組成
物を重合させる重合工程までをも連続式で行っている例
は少ない。例えば特開平8−305084号公報、特開
平11−106407号公報によれば重合性単量体組成
物を水性分散媒中に分散させ造粒するにあたり、高せん
断力を有する攪拌機の一種を使用しており、前者では連
続式または回分式造粒、後者では連続式造粒を行ってい
るが引き続く重合工程はいずれも槽型反応器を用いた回
分式である。いかに前工程までが連続式であっても重合
工程が回分方式であれば、高い生産効率や省スペース
性、安定した定常状態での運転など、連続式によって得
られるはずのメリットを享受することができない。
【0006】連続重合を簡便に行うためには攪拌手段を
装備した通常の槽型反応器を用い、これに連続的に液を
供給しオーバーフローした分を抜き出す方法が行われる
が、この方法では十分な滞留時間を経ずに流出してくる
部分が生じるいわゆるショートパスなどが起こり、粒子
間で重合度がばらつくことにより製品性状に不均一が生
じ好ましくない。
【0007】上述のショートパスの問題を解決するため
に槽型反応器を直列に接続し完全混合槽列として行うこ
ともできるが、この方法では十分なピストンフロー性を
得るためには槽型反応器を多数用意する必要があり、機
器費や機器の設置面積の増加を招くため好ましくない。
この問題を解決するため槽型反応器を液の流通口が設け
られた仕切板でいくつかの小区画に区切り、各々に攪拌
手段を設け各小区画をそれぞれ完全混合槽とみなす方法
も行われている。槽型反応器は竪型或いは横型のいずれ
の形式でも用いることができる。この方法には攪拌手段
として一般的な攪拌翼が用いられることが多いが、攪拌
翼の選択が製品の性状や生産の安定性などに大きな影響
を及ぼす。即ち完全混合状態を得るためには剪断よりも
吐出に優れた攪拌翼を用いる必要があるが、吐出が大き
すぎるとピストンフロー性に悪影響を及ぼし、得られる
製品の品質に不均一が生じるなどの問題が生じる。逆に
吐出が小さすぎる場合には完全混合性が得られないだけ
でなく、重合工程に供する液によっては沈降が生じ、こ
れが滞留することにより付着や融着が起こる可能性があ
り、製品性状、生産安定性及び生産効率に悪影響を及ぼ
す。また吐出量は適正であっても吐出の方向によっては
やはり上述のような問題を引き起こす可能性がある。
【0008】従って、本発明の目的は重合性単量体組成
物を水性媒体中に分散させた後、引き続き連続的に重合
工程を行うトナーの製造方法であって、該重合工程に用
いる攪拌槽が前述のような問題を生じないような攪拌翼
を配置してなることを特徴とする重合法トナーの製造装
置及び製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前述の課題
を解決するべく鋭意検討を行った結果、次の発明を達成
するに至った。
【0010】即ち本発明によれば以下の製造装置が提供
される。
【0011】(1)少なくとも重合性単量体を含有する
重合性単量体組成物を水性分散媒中に分散させ重合性単
量体組成物分散液を得た後、重合性単量体を重合させる
工程を有する重合法トナーの製造方法において、上記重
合工程に用いる製造装置であって、攪拌槽を備えてお
り、該攪拌槽が、内部が円筒形でその中心軸に直交する
仕切板によって内部が複数の小区画に分割されており、
該仕切板は、隣接する各小区画間で液の移動が可能な開
口部を有し、各小区画にはそれぞれ、上記中心軸と同心
に設置された回動自在な回転軸と、該回転軸に接続さ
れ、該回転軸から外周方向に突出する支持部材と、該支
持部材の先端部に取り付けられた攪拌部材とを有し、該
回転軸の中心から該攪拌部材の最外部までの距離が攪拌
槽の内側の半径の0.8〜0.99倍であることを特徴
とする重合法トナーの製造装置。
【0012】(2)該回転軸の中心から攪拌部材の最外
部までの距離が攪拌槽の内側の半径の0.9〜0.99
倍であることを特徴とする上記(1)の重合法トナーの
製造装置。
【0013】(3)該攪拌部材が回転方向に対して前後
にそれぞれ1以上の、回転方向に直交する面に対して角
度を有する斜面を備えた形状であることを特徴とする
(1)または(2)の重合法トナーの製造装置。
【0014】(4)該斜面の少なくとも一つが、回転軸
に平行で、該斜面の延長面と、該回転軸の中心と支持部
材の中心とを含む面とがなす角度が0°及び90°のい
ずれでもないことを特徴とする(3)の重合法トナーの
製造方法。
【0015】(5)該攪拌槽が、一端の小区画から連続
的に原料を導入し他端の小区画から連続的に生成物を抜
き出す構造であることを特徴とする(1)〜(4)の重
合法トナーの製造方法。
【0016】さらに本発明によれば以下の製造方法が提
供される。
【0017】(6)少なくとも重合性単量体を含有する
重合性単量体組成物を水性分散媒中に分散させ重合性単
量体組成物分散液を得た後、該重合性単量体を重合させ
る工程を有する重合法トナーの製造方法であって、上記
重合工程において用いる製造装置が攪拌槽を備えてお
り、該攪拌槽が、内部が円筒形でその中心軸に直交する
仕切板によって内部が複数の小区画に分割されており、
該仕切板は、隣接する各小区画間で液の移動が可能な開
口部を有し、各小区画にはそれぞれ、上記中心軸と同心
に設置された回動自在な回転軸と、該回転軸に接続さ
れ、該回転軸から外周方向に突出する支持部材と、該支
持部材の先端部に取り付けられた攪拌部材とを有し、該
回転軸の中心から該攪拌部材の最外部までの距離が攪拌
槽の内側の半径の0.8〜0.99倍であることを特徴
とする重合法トナーの製造方法。
【0018】(7)該回転軸の中心から攪拌部材の最外
部までの距離が攪拌槽の内側の半径の0.9〜0.99
倍であることを特徴とする(6)の重合法トナーの製造
方法。
【0019】(8)該攪拌部材が回転方向に対して前後
にそれぞれ1以上の、回転方向に直交する面に対して角
度を有する斜面を備えた形状であることを特徴とする
(6)または(7)の重合法トナーの製造装置。
【0020】(9)該斜面の少なくとも一つが、回転軸
に平行で、該斜面の延長面と、該回転軸の中心と支持部
材の中心とを含む面とがなす角度が0°及び90°のい
ずれでもないことを特徴とする(8)の重合法トナーの
製造方法。
【0021】(10)該攪拌槽が、一端の小区画から連
続的に原料を導入し他端の小区画から連続的に生成物を
抜き出す構造であることを特徴とする(6)〜(9)の
重合法トナーの製造方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は乳化重合、分散重合、懸
濁重合、シード重合などの各種重合法を用いた重合法ト
ナーの製造方法に適用できるが、以下に懸濁重合法によ
る重合法トナーの製造を例に説明する。
【0023】重合性単量体中に着色剤及び必要であれば
離型剤、荷電制御剤、架橋剤その他の添加剤を通常用い
られる撹拌装置、ホモジナイザーまたは超音波分散機等
によって均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組
成物を調製する。これを必要に応じて分散安定剤を含有
させた水性分散媒中に投入し、T.K.ホモミクサー
(特殊機化工業社製)、クレアミックス(エム・テクニ
ック社製)などの攪拌分散機や超音波分散機等の分散手
段を用いて重合性単量体組成物分散液とする。或いはシ
ラスポーラスガラスなどの多孔質体を用い、水性分散媒
中に重合性単量体組成物を圧入することにより重合性単
量体組成物分散液を得ることもできる。また、重合性単
量体組成物分散液を調製する際に一度でこれを行わず、
通常の攪拌機やT.K.ホモディスパー(特殊機化工業
社製)などの高剪断力を有する攪拌機などを用いて予備
的な分散操作を行った後、前述の種々の分散手段により
再度分散操作を行い所望の液滴径を有する重合性単量体
組成物分散液を調製することもできる。これらの手段に
より得られた重合性単量体組成物分散液を引き続き、横
型攪拌槽に連続的に供給し、該重合性単量体の重合工程
を行う。この時、横型攪拌槽内に気相部が生じないよう
な条件で操作することが望ましい。横型攪拌槽内に気相
部が存在するとその部分に付着物が生じやすくなり、こ
れが堆積することによる伝熱効率の低下、接続配管の閉
塞、脱離した付着物の製品への混入による品質の低下な
どが発生することがあり好ましくない。
【0024】本発明の製造装置による製造フローの一例
を図9を用いて説明する。図中、51は重合性単量体組
成物槽、52は水性分散媒槽、53は予備分散槽、54
は定量ポンプ、55は重合開始剤槽、56は分散装置及
び57は横型攪拌槽をそれぞれ示す。重合性単量体組成
物槽51で調製された重合性単量体組成物及び水性分散
媒槽52で調製された水性分散媒を予備分散槽53に投
入し、攪拌することによって回分式で重合性単量体組成
物予備分散液を調製する。これを連続的に分散装置56
に供給すると同時に、重合開始剤槽55より重合開始剤
を含む液を独立した経路を通じて分散装置56に供給
し、重合開始剤を含んだ重合性単量体組成物分散液を連
続的に製造する。得られた重合性単量体組成物分散液を
そのまま連続的に横型攪拌槽57の一端の区切られた小
区画に供給することにより重合反応を完結させる。
【0025】本発明の製造装置に用いられる攪拌槽の一
例として横型攪拌槽を図1により説明する。図中、1は
横型攪拌槽、2は攪拌槽内部を小区画に分ける仕切板、
3は加熱冷却ジャケット、4は攪拌翼、5は回転軸、6
は仕切板開口部、7は液流入口、8は液流出口、9は攪
拌モーター、10は支持部材をそれぞれ表わす。
【0026】本発明にかかる攪拌槽1は、該攪拌槽1の
中心軸に直交する仕切板2によって、内部を複数の小区
画に分割されている。また、各仕切板2は、隣接する各
小区画間で液の移動が可能な開口部6を有している。さ
らに、各小区画には、攪拌槽1の中心軸と同心で攪拌モ
ーター9によって回動される回転軸5と、該回転軸5に
一端を接続され、他端に攪拌部材である攪拌翼4が取り
付けられた支持部材10が設置されている。
【0027】造粒工程を終えた重合性単量体組成物分散
液は液流入口7より横型攪拌槽1へ導入される。この時
横型攪拌槽1は予め水または水性分散媒で満たされてい
ることが重合性単量体組成物分散液滴の安定性の観点か
ら好ましい。導入された重合性単量体組成物分散液は仕
切板2によって分画されたはじめの小区画で所定の滞留
時間攪拌された後、仕切板開口部6より次の隣接する小
区画へと流出する。以降、重合性単量体組成物分散液は
同様に順次隣接する小区画へと移送され最終的に液流出
口8から攪拌槽外へと排出される。
【0028】本発明の横型攪拌槽に用いられる攪拌翼の
一例を図5に、その断面図を図6に示す。図中、41は
回転軸、42は支持部材、43は攪拌部材である攪拌翼
をそれぞれ表わす。
【0029】本発明において、回転軸41の中心から攪
拌翼43の最外部(回転時に最も外側を通る部位)まで
の距離r’(以下、回転半径という)が、攪拌槽の内部
の半径(内径の1/2)の0.8〜0.99倍、好まし
くは、0.9〜0.99倍である。回転半径r’が攪拌
槽内部の半径の0.8倍より小さいと攪拌槽底からのか
き揚げ能力が不足し、沈降性のあるスラリーなどを攪拌
した場合に槽底部での沈降を防止することができない。
また、r’を攪拌槽内部の半径の0.99倍より大きく
すると攪拌翼と攪拌槽内壁面とのクリアランスが小さく
なりすぎ装置の製作に必要以上に高い精度を要するため
望ましくない。
【0030】前述の攪拌翼の、回転軸と平行な方向の長
さは、仕切板で区切られた小区画の回転軸と平行な方向
の長さの0.7倍以上であることが好ましい。攪拌翼の
回転軸と平行な方向の長さが、小区画の回転軸と平行な
方向の長さの0.7倍より小さいと、小区画内に攪拌の
及ばない部分が生じ、その部分での混合性が悪くなるた
め好ましくない。
【0031】本発明に用いられる好ましい攪拌部材の他
の一例を図2に、その断面図を図3に示す。図中、21
は回転軸、22は支持部材、23は攪拌部材である攪拌
翼、24は回転方向に対して前側の斜面、25は回転方
向に対して後側の斜面をそれぞれ表わす。前述の図5及
び図6に示される攪拌翼43と同じ理由によって、回転
軸21の中心から攪拌翼23の最外部までの距離、即ち
回転半径rは攪拌槽内部の半径の0.8〜0.99倍で
あり、好ましくは攪拌翼の回転軸と平行な方向の長さ
が、小区画間の回転軸と平行な方向の長さの0.7倍以
上である。
【0032】また、本発明に用いられる攪拌翼23は、
回転方向に対して前後にそれぞれ1以上の、回転方向に
直交する面に対して角度を有する斜面を備えていること
が好ましく、図2の構成は、回転方向に対して前後にそ
れぞれ当該斜面を設けた例である。当該斜面24、25
は、さらに、回転軸21に平行で、該斜面の延長面と、
該回転軸の中心と支持部材の中心とを含む面とがなす角
度α、βが0°及び90°のいずれでもないことが好ま
しい。
【0033】後側斜面25が回転軸21と平行である
と、重合性単量体組成物分散液の回転軸21方向への吐
出流を少なくすることができ、ピストンフロー性に及ぼ
す吐出流の影響を小さくすることができる。角度αが0
°または90°のいずれでもない場合、回転軸方向への
流れを積極的に作り出すことができ、回転軸付近の滞留
部を解消することができる。また、角度βが0°または
90°のいずれでもない場合、攪拌翼23が回転するこ
とによって攪拌翼23の回転方向に向かって背面にカル
マン渦を生じないため、ここでの分散液の滞留を防止す
ることができる。
【0034】本発明の製造装置を用いた重合工程におい
て、重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃で
行われる。全ての分割された小区画で重合温度を同じに
してもよいが、所望の分子量分布を得る目的で各小区画
ごとに異なる重合温度に設定することもできる。重合工
程終了後、未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性
不純物を除去するために一部水性分散媒を蒸留工程によ
り留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行
うことができる。重合工程または蒸留工程終了後、生成
したトナー粒子を濾別し洗浄するが、この工程の前段も
しくは後段で酸及び/またはアルカリ処理により、得ら
れた粒子表面の分散安定剤の除去を行うこともできる。
最終的に液相と分離されたトナー粒子は公知の方法によ
り乾燥される。
【0035】本発明の重合トナーの製造方法に用いられ
る重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル
系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体
としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性
単量体を使用することができる。単官能性重合性単量体
としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、β−
メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フェニルスチレン等スチレン誘導体類;メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n
−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレ
ート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジ
エチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフ
ォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキ
シエチルアクリレート等アクリル系重合性単量体類;メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロ
ピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタク
リレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミ
ルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフ
ェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェート
エチルメタクリレート等メタクリル系重合性単量体類;
メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ
酸ビニル等ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、
ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等ビ
ニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシル
ケトン、ビニルイソプロピルケトン等ビニルケトン類な
どが挙げられる。
【0036】多官能性重合性単量体としては、例えばジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジアクリレート、テトラエチレングリコールジア
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリ
レート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリ
コールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタ
クリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’
−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニ
ル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエー
テル等が挙げられる。
【0037】本発明においては、上記した単官能性重合
性単量体を単独、或いは2種以上組み合わせて、または
上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体
を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でも、スチ
レンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、ま
たはそれらと他の単量体とを混合して使用することが得
られるトナーの現像特性及び耐久性などの点から好まし
い。
【0038】本発明で用いられる着色剤としては、例え
ば、カーボンブラック、鉄黒の他、C.I.ダイレクト
レッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシ
ッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.
モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー
9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシック
ブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モー
ダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.
I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリー
ン6の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラル
ファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエ
ローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNC
G、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマ
ネントオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミ
ウムレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレ
ッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファス
トバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、
コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブ
ルーレーキ、キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロ
シアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメント
グリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイ
エローグリーンGの如き顔料が挙げられる。
【0039】着色剤を選択する上では、着色剤の持つ重
合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好まし
くは、表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水
化処理を施しておいたほうが良い。特に、染料系やカー
ボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので
使用の際に注意を要する。染料系を表面処理する好まし
い方法としては、あらかじめこれら染料の存在下に重合
性単量体を重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色
重合体を重合性単量体組成物に添加する。さらに、カー
ボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カ
ーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポ
リオルガノシロキサンでグラフト処理を行っても良い。
【0040】離型剤としては、室温で固体状態のワック
スが好ましく、特に融点40〜100℃の固体ワックス
がトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着
性、耐オフセット性の点で良い。
【0041】ワックスとしては、パラフィンワックス、
ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレ
ンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコ
ール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、
ブロック化合物の如き誘導体が挙げられ、これらは低分
子量成分が除去された、DSC吸熱曲線の最大吸熱ピー
クがシャープなものが好ましい。
【0042】好ましく用いられるワックスとしては、炭
素数15〜100個の直鎖状のアルキルアルコール、直
鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステル或いは、
モンタン系誘導体が挙げられる。これらワックスから液
状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものはより好
ましい。
【0043】定着画像の透光性を向上させるためには、
特に固体エステルワックスが好ましく、該固体エステル
ワックスとしては、融点40〜100℃を有するものが
好適に用いられる。
【0044】離型剤は、重合性単量体100質量部に対
して1〜40質量部、より好ましくは4〜30質量部含
有されるのが良い。
【0045】本発明の製造方法で得られるトナーは荷電
制御剤を含有してもよい。
【0046】荷電制御剤としては公知のものが利用でき
るが、例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては
有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノア
ゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェ
ノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0047】また、尿素誘導体、含金属サリチル酸系化
合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ
素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−
メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン
酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物等が挙げられ
る。
【0048】トナーを正荷電性に制御するものとして
は、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリ
ブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナ
フトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラ
フルオロボレートなどの4級アンモニウム塩、及びこれ
らの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこ
れらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれら
のレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン
酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン
酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン
化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩、
ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、
ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズ
オキサイド、ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボ
レート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガ
ノスズボレート類などがあり、これらを単独で或いは2
種類以上組合せて用いることができる。これらの中で
も、ニグロシン系、4級アンモニウム塩の如き荷電制御
剤が特に好ましく用いられる。
【0049】これらの荷電制御剤は、重合性単量体10
0質量部に対して、0.01〜20質量部、より好まし
くは0.5〜10質量部使用するのが良い。
【0050】本発明に用いることができる非水溶性粉末
固体状の重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロ
ヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス
−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、ア
ゾビスメチルブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤;ベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、
ジ−α−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ビス
(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジ
カーボネート、1,1−ビス(tert−ブチルパーオ
キシ)シクロドデカン、tert−ブチルパーオキシマ
レイン酸、ビス(tert−ブチルパーオキシ)イソフ
タレート等の過酸化物系重合開始剤を挙げることができ
る。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され、単
独または混合して利用される。該重合開始剤の添加量は
目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性
単量体100質量部に対し0.5〜20質量部が添加さ
れ用いられる。
【0051】架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼ
ン、4,4’−ジビニルビフェニル、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等の多官能性化合物を挙げることができる。
【0052】重合性単量体組成物を水性媒体中に良好に
分散させるための分散安定剤として、例えば無機化合物
であるリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミ
ナ、チタニア等が挙げられる。有機系化合物としては例
えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、
デンプン等が挙げられる。分散安定剤は、重合性単量体
100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用す
ることが好ましい。
【0053】これら分散安定剤は市販のものをそのまま
用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を
得るために、分散媒中高速撹拌下にて生成させることも
できる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌
下の水中にリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水
溶液を投入混合することで懸濁重合方法に好適な分散剤
を得ることができる。また、これら分散剤の微細化のた
め水に対し0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併
用しても良い。具体的には市販のノニオン、アニオン、
カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデシル硫
酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデ
シル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウ
ム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0054】懸濁重合のように水性分散媒を用いる重合
法の場合には、該重合性単量体組成物に極性樹脂を添加
することにより、離型剤の内包化の促進を図ることがで
きる。水性媒体に懸濁した重合性単量体組成物中に極性
樹脂が存在した場合、水に対する親和性の違いから極性
樹脂が水性媒体と重合性単量体組成物の界面付近に移行
しやすいため、トナー表面に極性樹脂が偏在することに
なる。その結果トナー粒子はコア−シェル構造を有し、
多量の離型剤を含有する場合でも離型剤の内包性が良好
になる。
【0055】該極性樹脂としては、トナー表面に偏在し
シェルを形成した際に、極性樹脂自身のもつ流動性が期
待できることから、特に飽和または不飽和のポリエステ
ル系樹脂が好ましい。
【0056】ポリエステル系樹脂としては、下記に挙げ
る酸成分単量体とアルコール成分単量体を縮合重合した
ものを用いることができる。酸成分単量体としてはテレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、フマル酸、マレイ
ン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ショウノウ酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリ
ット酸等を挙げることができる。アルコール成分単量体
としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、等のアルキレングリコ
ール類及びポリアルキレングリコール類、ビスフェノー
ルA、水素添加ビスフェノール、ビスフェノールAのエ
チレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレ
ンオキサイド付加物、グリセリン、トリメチロールプロ
パン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
【0057】本発明により製造されるトナーを使用する
にあたっては、各種特性付与を目的として外添剤を使用
することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久
性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒
径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは電子顕
微鏡による観察から求めたその平均粒径を意味する。外
添剤としては、例えば金属酸化物(酸化アルミニウム、
酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、
酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛な
ど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素
など)、無機金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
炭酸カルシウムなど)、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウムなど)、カーボンブラッ
ク、シリカなどが用いられる。
【0058】これら外添剤はトナー粒子100質量部に
対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは
0.05〜5質量部が用いられる。外添剤は単独で用い
ても、また複数併用しても良いが、それぞれ疎水化処理
を行ったものがより好ましい。
【0059】さらに本発明により製造されるトナーは、
磁性材料を含有させ磁性トナーとしても使用しうる。こ
の場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもでき
る。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料
としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸
化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれ
らの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシ
ウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及び
その混合物等が挙げられる。
【0060】これらの強磁性体は平均粒径が2μm以
下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては重合性単量体10
0質量部に対し約20〜200質量部、特に好ましくは
重合性単量体100質量部に対し40〜150質量部が
良い。
【0061】また、800kA/m印加での磁気特性が
保磁力(Hc)1.6〜24kA/m、飽和磁化(σ
s)50〜200Am2/kg、残留磁化(σr)2〜
20Am2/kgのものが好ましい。
【0062】また、これらの磁性体のトナー粒子中での
分散性を向上させるために表面を疎水化処理することも
好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタ
ンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる
が、中でもシランカップリング剤が好ましく用いられ
る。シランカップリング剤としてはビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオ
キシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシ
ルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシ
シラン等を挙げることができる。
【0063】本発明により得られるトナーは、一成分及
び二成分系現像剤のいずれの現像方式にも使用できる。
例えば一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有せ
しめた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵せ
しめたマグネットを利用し磁性トナーを搬送及び帯電せ
しめる方法がある。また、磁性体を含有しない非磁性ト
ナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用
い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にト
ナーを付着させることで搬送せしめる方法がある。
【0064】一方、一般的に利用されている二成分系現
像剤として用いる場合には、本発明により得られるトナ
ーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明
に使用されるキャリアとしては特に限定されるものでは
ないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、
マンガン、クロム元素からなる単独及び複合フェライト
状態で構成される。飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコン
トロールできる点からキャリア形状も重要であり、例え
ば球状、扁平、不定形などを選択し、さらにキャリア表
面状態の微細構造、例えば表面凸凹性をもコントロール
することが好ましい。一般的には上記金属の酸化物を焼
成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子
を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられ
ているが、キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合
いから該金属酸化物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低
密度分散キャリアを得る方法や、さらには直接該金属酸
化物とモノマーとの混練物を水性媒体中にて懸濁重合せ
しめ真球状分散キャリアを得る重合キャリアを得る方法
なども利用することが可能である。
【0065】上記キャリアの表面を樹脂等で被覆する系
は特に好ましい。その方法としては樹脂等の被覆材を溶
剤中に溶解もしくは懸濁せしめて塗布しキャリアに付着
せしめる方法、単に粉体で混合する方法等、従来公知の
方法がいずれも適用できる。キャリア表面への固着物質
としてはトナー材料により異なるが、例えばポリテトラ
フルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重
合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ジ−tert−ブチルサリチル酸の金属化
合物、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、
ポリビニルブチラール、ニグロシン、アミノアクリレー
ト樹脂、塩基性染料及びそのレーキ、シリカ微粉末、ア
ルミナ微粉末などを単独、或いは複数で用いるのが適当
であるが必ずしもこれに制約されない。
【0066】上記化合物の処理量は一般には総量でキャ
リア100質量部に対し0.1〜30質量部、好ましく
は0.5〜20質量部である。
【0067】これらキャリアの平均粒径は10〜100
μm、より好ましくは20〜50μmであることが望ま
しい。
【0068】該キャリアの特に好ましい態様としては、
Cu−Zn−Feの3元系のフェライトであり、その表
面をフッ素系樹脂とスチレン系樹脂の如き樹脂の組み合
せ、例えばポリフッ化ビニリデンとスチレン−メチルメ
タクリレート樹脂、ポリテトラフルオロエチレンとスチ
レン−メチルメタクリレート樹脂、フッ素系共重合体と
スチレン系共重合体などを90:10〜20:80、好
ましくは70:30〜30:70の比率の混合物とした
もので0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量
%コーティングし、250メッシュパス、400メッシ
ュオンのキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均粒
径を有するコートフェライトキャリアであるものが挙げ
られる。該フッ素系共重合体としてはフッ化ビニリデン
−テトラフルオロエチレン共重合体(10:90〜9
0:10)が例示され、スチレン系共重合体としてはス
チレン−アクリル酸2−エチルヘキシル(20:80〜
80:20)、スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシ
ル−メタクリル酸メチル(20〜60:5〜30:10
〜50)が例示される。
【0069】上記コートフェライトキャリアは粒径分布
がシャープであり、本発明により得られるトナーに対し
好ましい摩擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向
上させる効果がある。
【0070】本発明により得られるトナーと混合して二
成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中
のトナー濃度として2〜15質量%、好ましくは4〜1
3質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃
度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、
15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ現
像剤の耐用寿命を短める。
【0071】さらに、該キャリアの磁性特性は以下のも
のが良い。磁気的に飽和させた後の80kA/mにおけ
る磁化の強さは30〜300Am2/kgであることが
必要である。さらに高画質化を達成するために好ましく
は35〜250Am2/kgであることがよい。300
Am2/kgより大きい場合には高画質なトナー画像が
得られにくくなる。30Am2/kg未満であると磁気
的な拘束力が減少するためにキャリア付着を生じやす
い。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定さ
れるものではない。
【0073】実施例中においては以下の各測定方法を用
いた。
【0074】(1)トナー粒度分布及び体積平均粒径の
測定 1質量%塩化ナトリウム水溶液100〜150ml中に
界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.
1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50mg加
えた。この溶液を、超音波分散機で約1〜3分間分散処
理を行ったのち、コールターマルチサイザー(コールタ
ー社製)により、100μmアパチャーを用いて2〜4
0μmの粒子の粒度分布を測定し体積平均分布を求めこ
れより体積平均粒径を得た。
【0075】(2)変動係数の計算 トナー粒度分布のシャープさは下記式で計算される個数
変動係数により評価した。変動係数が小さいほど粒度分
布はシャープである。
【0076】変動係数=個数標準偏差/個数平均粒径×
100
【0077】(3)画質 二成分系現像剤の画質評価 得られたトナー粒子に対して、BET法で測定した比表
面積が200m2/gである疎水性シリカ微粉体を0.
7質量%となるよう外添した。この外添されたトナーが
8質量%となるように、アクリル樹脂でコートされたフ
ェライトキャリアを混合し、二成分系現像剤を得た。こ
の現像剤を変動のない環境下において、キヤノン社製フ
ルカラー複写機「CLC700」の改造機を用いて連続
通紙による画出し耐久試験を行い、目視にて画像濃度の
変動やムラ等を評価した。
【0078】一成分系現像剤の画質評価 得られたトナー粒子に対して、BET法で測定した比表
面積が250m2/gである疎水性シリカ微粉体を1.
2質量%となるよう外添し、一成分系現像剤を得た。こ
の現像剤を変動のない環境下において、キヤノン社製レ
ーザープリンター「LBP−1760」の改造機を用い
て連続通紙による画出し耐久試験を行い、目視にて画像
濃度の変動やムラ等を評価した。
【0079】(4)カブリの測定 カブリの測定は、REFLECTROMETER MO
DELTC−6DS(東京電色社製)を使用して測定
し、下記式より算出した。数値が小さいほど、カブリが
少ない。
【0080】カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率
(%)−サンプルの非画像部の反射率(%)
【0081】(5)トナーの摩擦帯電量の測定 トナーの摩擦帯電量は変動のない環境下にトナー及びキ
ャリアを一昼夜放置した後、ブローオフ法に基づき次の
要領で摩擦帯電量を測定した。
【0082】図4はトナーの摩擦帯電量を測定する装置
の説明図である。摩擦帯電量を測定しようとするトナー
とキャリアの重量比8:92の混合物を50〜100m
l容量のポリエチレン製のビンに入れ200回手で振盪
し混合する。この混合物約0.2gを底に500メッシ
ュのスクリーン33のある金属製の測定容器32に入れ
金属製のフタ34をする。この時の測定容器32全体の
重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機31(測定
容器32と接する部分は絶縁体)により吸引口37から
吸引し真空計35の指示を読み、風量調節弁36により
圧力が2450Paとなるよう調節する。この状態で約
2分間トナーを吸引除去する。この時の電位計39が示
した電位の最高値をV(ボルト)、コンデンサー38の
容量をC(μF)、吸引後の測定容器全体の重量をW2
(g)とすると、このトナーの摩擦帯電量(μC/g)
は下式の如く計算される。
【0083】 摩擦帯電量(μC/g)=C×V÷(W1−W2
【0084】
【段落番号】(6)重合転化率の測定 懸濁重合中の重合性単量体組成物懸濁液の一部を抜き取
り、各々0.2gをアセトン15gで希釈する。これに
30分間超音波を照射した後、細孔径0.45μmのメ
ンブレンフィルターでろ過しアセトンに不溶なものを濾
し取る。濾液をガスクロマトグラフィー分析しアセトン
に溶解した未反応の重合性単量体を定量し、重合転化率
に換算する。
【0085】〔実施例1〕以下の手順で重合体微粒子か
らなる重合法トナーを製造した。
【0086】 (重合性単量体組成物の調製) スチレン単量体 60.2質量部 n−ブチルアクリレート単量体 14.4質量部 カーボンブラック 8.5質量部 不飽和ポリエステル樹脂 4.2質量部 ジビニルベンゼン 0.2質量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.6質量部 モノアゾ系染料鉄化合物 0.2質量部 エステルワックス 11.7質量部 上記した成分のうちスチレン単量体の一部、カーボンブ
ラック、ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム
化合物及びモノアゾ系染料鉄化合物を混合し、ハンディ
ミル(三井鉱山社製)を用いて5時間分散させた後、こ
れとスチレン単量体の残部及びその他の組成物を温度調
節可能な攪拌槽へ投入し、60℃に加温して十分に相溶
するまで混合し、重合性単量体組成物とした。
【0087】(水性分散媒の調製) 水 96.7質量部 Na3PO4 1.6質量部 10%塩酸水溶液 0.8質量部 上記の成分を攪拌槽に投入し、Na3PO4が完全に溶解
するまで攪拌した。次にCaCl20.9質量部を添加
してT.K.ホモディスパー(特殊機化工業社製)を用
いて回転数1500rpmで30分間撹拌を行い、Ca
3(PO42の微粒子の水懸濁液を得た。次いでこれを
緩やかに攪拌しながら60℃まで加温して水性分散媒を
得た。
【0088】(重合開始剤溶液の調製)重合性単量体組
成物100質量部に対して2.5質量部の2,2’−ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)及びその
4倍量のスチレンを攪拌槽に投入して攪拌混合し、重合
開始剤溶液を調製した。
【0089】(予備分散液の調製)重合性単量体組成物
と水性分散媒を質量比で3:7となるように予備分散槽
に投入し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業社
製)を用いて回転数3000rpmで5分間撹拌を行い
予備分散液を調製した。
【0090】(重合性単量体組成物分散液の調製)前述
の工程で得られた予備分散液を122ml/分の流量で
バッチ連続アダプタを装着したクレアミックス(エム・
テクニック社製)に連続的に導入し、15000rpm
の回転数で攪拌を行った。これと同時に前述の重合開始
剤懸濁液を15.3ml/分の流量で連続的にクレアミ
ックスに供給することにより、重合性単量体組成物中に
重合開始剤が含まれる重合性単量体組成物分散液を得
た。
【0091】(重合工程)前述の工程から連続的に得ら
れた重合性単量体組成物分散液を、図1に示す横型攪拌
槽(総内容積0.066m3)にそのまま連続的に導入
した。図5及び図6に示した攪拌翼(r’は横型攪拌槽
内部の半径の0.95倍)を用い、30rpmの回転数
で攪拌しながら、液流入口の側から数えて第一から第三
の小区画での重合温度を60℃、第四及び第五の小区画
での重合温度を80℃として重合工程を行い、重合体微
粒子分散液を得た。得られた重合体微粒子分散液に希塩
酸を添加して重合体微粒子表面を覆ったCa3(PO4
2を溶解し、固液分離後、水洗、ろ過、乾燥することに
より重合体微粒子であるトナー粒子を得た。重合工程を
48時間連続して行った後に横型攪拌槽内に残った液を
排出し、内部を観察したところ、槽壁、攪拌翼、回転軸
などの部材の一部にわずかに付着物が見られたが、引き
続きトナー製造を再開しても全く問題のない程度であっ
た。また槽底部には沈降物などは一切見られなかった。
【0092】(トナーの評価)トナー粒子の粒度分布を
測定したところ、体積平均粒径は6.9μm、変動係数
は28%で粒度分布もシャープであり、脱離した付着物
に由来する不定形な粒子や粗大な粒子も見られなかっ
た。摩擦帯電量は−43μC/gと良好な値を示した。
重合転化率は99.9%で分子量分布も経時によらず一
定であり十分な完全混合性が達成されていることがわか
った。
【0093】次に、得られたトナー粒子に疎水性シリカ
を外添し、アクリル樹脂で被覆したフェライトキャリア
を混合して二成分系現像剤とした。20000枚の画出
し試験を行ったところカブリは1.0%で終始画像濃度
に変動もムラもなく、鮮明且つ定着性の優れた画像が安
定して得られた。
【0094】〔実施例2〕攪拌翼の回転半径r’を横型
攪拌槽内部の半径の0.85倍とした他は実施例1と全
く同様に行いトナー粒子を製造した。重合工程を48時
間連続して行った後に横型攪拌槽内に残った液を排出
し、内部を観察したところ付着の度合は実施例1とほと
んど同等で、若干槽底部で付着量が多く見られたが、引
き続きトナー製造を再開しても全く問題のない程度であ
った。トナー粒子の粒度分布を測定したところ、体積平
均粒径は7.1μm、変動係数は30%で粒度分布もシ
ャープであり、脱離した付着物に由来する不定形な粒子
や粗大な粒子も見られなかった。摩擦帯電量は−40μ
C/gと良好な値を示した。重合転化率は99.9%で
分子量分布も経時によらず一定であり十分な完全混合性
が達成されていることがわかった。
【0095】次に実施例1と同様に20000枚の画出
し試験を行ったところカブリは1.0%で終始画像濃度
に変動もムラもなく、鮮明且つ定着性の優れた画像が安
定して得られた。
【0096】〔比較例1〕攪拌翼の回転半径r’を横型
攪拌槽内部の半径の0.7倍とした他は実施例1と全く
同様に行いトナー粒子を製造した。重合工程を48時間
連続して行った後に横型攪拌槽内に残った液を排出し、
内部を観察したところ主に槽壁に多量の付着物が見られ
た。特に槽底部には沈降物がそのまま融着したと思われ
る強固な付着物があり、付着物の除去作業なしにトナー
製造を続けることは困難であった。得られたトナー粒子
の体積平均粒径は7.9μm、変動係数は37%で粒度
分布は実施例1と比べ微粗粉ともに多い分布であり、特
に脱離した付着物に由来すると思われる不定形な粒子や
粗大な粒子が認められた。摩擦帯電量は−30μC/g
であった。重合転化率は98.1%で混合状態が不十分
であったために所定の滞留時間を経ずに反応器外に排出
されるものが混入したものと思われる。
【0097】次に、実施例1と同様に20000枚の画
出し試験を行ったところカブリは1.8%で比較的早い
時期から白い筋や濃度ムラが発生した。
【0098】〔実施例3〕図5及び図6に示した攪拌翼
(rは横型攪拌槽内部の半径の0.95倍)を用いた他
は実施例1と全く同様に行いトナー粒子を製造した。重
合工程を48時間連続して行った後に横型攪拌槽内に残
った液を排出し、内部を観察したところ槽内には付着物
や沈降物などは全く見られず、引き続きトナー製造を再
開しても全く問題のない状態であった。トナー粒子の粒
度分布を測定したところ、体積平均粒径は7.0μm、
変動係数は23%で粒度分布もシャープであり、脱離し
た付着物に由来する不定形な粒子や粗大な粒子も見られ
なかった。摩擦帯電量は−48μC/gと良好な値を示
した。重合転化率は99.9%で分子量分布も経時によ
らず一定であり十分な完全混合性が達成されていること
がわかった。
【0099】次に実施例1と同様に20000枚の画出
し試験を行ったところカブリは0.8%で終始画像濃度
に変動もムラもなく、鮮明且つ定着性の優れた画像が安
定して得られた。
【0100】〔実施例4〕図7に示した攪拌翼(回転半
径が横型攪拌槽内部の半径の0.95倍)を用いた他は
実施例1と全く同様に行いトナー粒子を製造した。重合
工程を48時間連続して行った後に横型攪拌槽内に残っ
た液を排出し、内部を観察したところ槽内には付着物や
沈降物などは全く見られず、引き続きトナー製造を再開
しても全く問題のない状態であった。トナー粒子の粒度
分布を測定したところ、体積平均粒径は6.9μm、変
動係数は22%で粒度分布もシャープであり、脱離した
付着物に由来する不定形な粒子や粗大な粒子も見られな
かった。摩擦帯電量は−49μC/gと良好な値を示し
た。重合転化率は99.9%で分子量分布も経時によら
ず一定であり十分な完全混合性が達成されていることが
わかった。
【0101】次に実施例1と同様に20000枚の画出
し試験を行ったところカブリは0.9%で終始画像濃度
に変動もムラもなく、鮮明且つ定着性の優れた画像が安
定して得られた。
【0102】〔実施例5〕図8に示した攪拌翼(回転半
径が横型攪拌槽内部の半径の0.95倍)を用いた他は
実施例1と全く同様に行いトナー粒子を製造した。重合
工程を48時間連続して行った後に横型攪拌槽内に残っ
た液を排出し、内部を観察したところ槽内には付着物や
沈降物などは全く見られず、引き続きトナー製造を再開
しても全く問題のない状態であった。トナー粒子の粒度
分布を測定したところ、体積平均粒径は7.1μm、変
動係数は24%で粒度分布もシャープであり、脱離した
付着物に由来する不定形な粒子や粗大な粒子も見られな
かった。摩擦帯電量は−48μC/gと良好な値を示し
た。重合転化率は99.8%で分子量分布も経時によら
ず一定であり十分な完全混合性が達成されていることが
わかった。
【0103】次に実施例1と同様に20000枚の画出
し試験を行ったところカブリは0.9%で終始画像濃度
に変動もムラもなく、鮮明且つ定着性の優れた画像が安
定して得られた。
【0104】〔比較例2〕図10に示した攪拌翼(回転
半径が横型攪拌槽内部の半径の0.95倍)を用いた他
は実施例1と全く同様に行いトナー粒子を製造した。重
合工程を48時間連続して行った後に横型攪拌槽内に残
った液を排出し、内部を観察したところ槽内には付着物
や沈降物などはほとんど見られなかった。得られたトナ
ー粒子の体積平均粒径は7.5μm、変動係数は32%
で実施例1と比べ若干粗粉が多い粒度分布であった。摩
擦帯電量は−34μC/gであった。重合転化率は9
7.8%で混合状態が不十分であったために所定の滞留
時間を経ずに反応器外に排出されるものが混入したもの
と思われる。
【0105】次に、実施例1と同様に20000枚の画
出し試験を行ったところカブリは1.6%で比較的早い
時期から白い筋や濃度ムラが発生した。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、粒度分布がシャープか
つ分子量分布が経時によらず一定な画像特性に優れた重
合法トナーを得ることができ、また、重合工程に用いた
攪拌槽内の付着物が剥離したものが製品に多く混入する
ことに起因する製品性状への悪影響が生じず、さらに、
該攪拌槽内の付着物の除去作業が本質的に不要で連続的
に運転できるため、高い生産効率を達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる横型攪拌槽を説明する図で
ある。
【図2】本発明に用いられる攪拌翼の一例を説明する図
である。
【図3】図2の攪拌翼の断面図である。
【図4】トナーの摩擦帯電量を測定する装置を説明する
図である。
【図5】本発明に用いる攪拌翼の一例を説明する図であ
る。
【図6】図5の攪拌翼の断面図である。
【図7】本発明の実施例で用いた攪拌翼を説明する図で
ある。
【図8】本発明の実施例で用いた攪拌翼を説明する図で
ある。
【図9】本発明の製造方法による製造フローの一例を説
明する図である。
【図10】本発明の比較例に用いた攪拌翼を説明する図
である。
【符号の説明】
1 横型攪拌槽 2 仕切板 3 加熱冷却ジャケット 4 攪拌翼 5 回転軸 6 仕切板開口部 7 液流入口 8 液流出口 9 攪拌モーター 10 支持部材 21 回転軸 22 支持部材 23 攪拌部材 24 前側斜面 25 後側斜面 31 吸引機 32 測定容器 33 スクリーン 34 フタ 35 真空計 36 風量調節弁 37 吸引口 38 コンデンサー 39 電位計 41 回転軸 42 支持部材 43 攪拌部材 51 重合性単量体槽 52 水性分散媒槽 53 予備分散槽 54 定量ポンプ 55 重合開始剤槽 56 分散装置 57 横型攪拌槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 純之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AB06 4J011 AA01 AC06 BA01 BB01 DA03 DB13 DB19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体を含有する重合
    性単量体組成物を水性分散媒中に分散させ重合性単量体
    組成物分散液を得た後、該重合性単量体を重合させる工
    程を有する重合法トナーの製造方法において、上記重合
    工程に用いる製造装置であって、攪拌槽を備えており、
    該攪拌槽が、内部が円筒形でその中心軸に直交する仕切
    板によって内部が複数の小区画に分割されており、該仕
    切板は、隣接する各小区画間で液の移動が可能な開口部
    を有し、各小区画にはそれぞれ、上記中心軸と同心に設
    置された回動自在な回転軸と、該回転軸に接続され、該
    回転軸から外周方向に突出する支持部材と、該支持部材
    の先端部に取り付けられた攪拌部材とを有し、該回転軸
    の中心から該攪拌部材の最外部までの距離が攪拌槽の内
    側の半径の0.8〜0.99倍であることを特徴とする
    重合法トナーの製造装置。
  2. 【請求項2】 該回転軸の中心から攪拌部材の最外部ま
    での距離が攪拌槽の内側の半径の0.9〜0.99倍で
    あることを特徴とする請求項1に記載の重合法トナーの
    製造装置。
  3. 【請求項3】 該攪拌部材が回転方向に対して前後にそ
    れぞれ1以上の、回転方向に直交する面に対して角度を
    有する斜面を備えた形状であることを特徴とする請求項
    1または2に記載の重合法トナーの製造装置。
  4. 【請求項4】 該斜面の少なくとも一つが、回転軸に平
    行で、該斜面の延長面と、該回転軸の中心と支持部材の
    中心とを含む面とがなす角度が0°及び90°のいずれ
    でもないことを特徴とする請求項3に記載の重合法トナ
    ーの製造装置。
  5. 【請求項5】 該攪拌槽が、一端の小区画から連続的に
    原料を導入し他端の小区画から連続的に生成物を抜き出
    す構造であることを特徴とする請求項1〜4に記載の重
    合法トナーの製造装置。
  6. 【請求項6】 少なくとも重合性単量体を含有する重合
    性単量体組成物を水性分散媒中に分散させ重合性単量体
    組成物分散液を得た後、該重合性単量体を重合させる工
    程を有する重合法トナーの製造方法であって、上記重合
    工程において用いる製造装置が攪拌槽を備えており、該
    攪拌槽が、内部が円筒形でその中心軸に直交する仕切板
    によって内部が複数の小区画に分割されており、該仕切
    板は、隣接する各小区画間で液の移動が可能な開口部を
    有し、各小区画にはそれぞれ、上記中心軸と同心に設置
    された回動自在な回転軸と、該回転軸に接続され、該回
    転軸から外周方向に突出する支持部材と、該支持部材の
    先端部に取り付けられた攪拌部材とを有し、該回転軸の
    中心から該攪拌部材の最外部までの距離が攪拌槽の内側
    の半径の0.8〜0.99倍であることを特徴とする重
    合法トナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 該回転軸の中心から攪拌部材の最外部ま
    での距離が攪拌槽の内側の半径の0.9〜0.99倍で
    あることを特徴とする請求項6に記載の重合法トナーの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 該攪拌部材が回転方向に対して前後にそ
    れぞれ1以上の、回転方向に直交する面に対して角度を
    有する斜面を備えた形状であることを特徴とする請求項
    6または7に記載の重合法トナーの製造方法。
  9. 【請求項9】 該斜面の少なくとも一つが、回転軸に平
    行で、該斜面の延長面と、該回転軸の中心と支持部材の
    中心とを含む面とがなす角度が0°及び90°のいずれ
    でもないことを特徴とする請求項8に記載の重合法トナ
    ーの製造方法。
  10. 【請求項10】 該攪拌槽が、一端の小区画から連続的
    に原料を導入し他端の小区画から連続的に生成物を抜き
    出す構造であることを特徴とする請求項6〜9に記載の
    重合法トナーの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007011027A1 (ja) * 2005-07-22 2007-01-25 Daikin Industries, Ltd. 横型重合装置用攪拌器および含フッ素ポリマーの製造方法
JP2007163727A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Canon Inc トナー粒子の製造方法
US8728700B2 (en) 2011-09-05 2014-05-20 Ricoh Company, Ltd. Reactor, toner production method, and toner
US9983492B2 (en) 2014-06-04 2018-05-29 Mitsubishi Chemical Corporation Continuous reaction apparatus and apparatus for producing a toner

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