JP2011122701A - 電子制御ユニット、この電子制御ユニットを備えた自動変速機の製造方法、及びこの製造方法に用いられるコネクタ固定用治具 - Google Patents

電子制御ユニット、この電子制御ユニットを備えた自動変速機の製造方法、及びこの製造方法に用いられるコネクタ固定用治具 Download PDF

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Abstract

【課題】電子制御ユニットを自動変速機ケースに収容するときに、中継コネクタを用いなくても電子制御ユニット内の電子回路と外部接続用コネクタとを接続する電線の他の部品間への噛み込みを抑制できる電子制御ユニット、このユニットを備えた自動変速機の製造方法及びこの製造方法に用いられる固定用治具を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の電子制御ユニット20は、ユニット本体23と、コネクタ30と、これを保持する保持手段50と、ユニット本体23の電子回路とコネクタ30とを接続する電線25とを備え、保持手段50はユニット本体23が自動変速機ケース12に収容されたときに開口14と対向しその開口寸法内に収まる位置にコネクタ30を保持し、電線25は保持手段50に保持された位置から開口14内に固定された位置までのコネクタ30の移動を許容する長さ寸法を有することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両用自動変速機に設けられる電子制御ユニット及びこれを備えた車両用自動変速機の製造方法に関する。
従来、車両用自動変速機として特許文献1に記載のものが知られている。この車両用自動変速機には、その制御のための電子回路を内蔵する電子制御ユニットが設けられている。このような電子制御ユニットは、図15に示されるように、その配線の簡素化のために自動変速機のケース(自動変速機ケース)102内に収容される。この電子制御ユニット104に内蔵された電子回路(図示省略)と外部の電子回路(外部回路)とを接続するためには、電子制御ユニット104に内蔵される電子回路に含まれた各電子機器に接続される電線が共通の外部接続用コネクタ(図示省略)に接続され、この外部接続用コネクタが自動変速機ケース102に固定される。そして、この外部接続用コネクタに自動変速機外部のワイヤハーネス等に設けられたコネクタが結合されることで、電子制御ユニット104に内蔵された電子回路と外部回路とが接続される。
この電子制御ユニット104を自動変速機ケース102に収容する作業は以下のようにして行われる(図16(a)及び図16(b)参照)。先ず、一端に外部接続用コネクタ106が設けられ他端に中継コネクタ108が設けられた中継ハーネス110と、電子制御ユニット104内の電子回路に含まれる各電子機器112に接続された電線114の端部に共通の中継コネクタ116が設けられたユニット本体105とを準備する。そして、自動変速機ケース102に設けられた開口118に自動変速機ケース102の内側から外部接続用コネクタ106を圧入して固定する(図16(a)参照)。このように外部接続用コネクタ106が自動変速機ケース102の内側から外側に向けて前記開口118に圧入されるのは、自動変速機100の使用時において自動変速機ケース102内に満たされるオイルが漏れないようにするためである。次に、中継ハーネス110の中継コネクタ108及びユニット本体105の中継コネクタ116が自動変速機ケース102の内部に入り込まないようにこれらを保持して、自動変速機ケース102内にユニット本体105を収容する。その後、中継コネクタ108,116同士を結合することで、ユニット本体105内の電子回路に含まれる各電子機器112と外部接続用コネクタ106とが接続される(図16(b)参照)。
特開2006−36147号公報
上記の自動変速機100では、ユニット本体105と外部接続用コネクタ106とを接続する電線の途中に中継コネクタ108,116が用いられているため、この中継コネクタ108,116分のコストが必要となる。また、中継コネクタ108,116を用いることにより、電子制御ユニット104を自動変速機ケース102内へ収容する工程において、中継コネクタ108,116同士を接合する作業が必要となる。
このような、中継コネクタ108,116を省略してコストダウンを図ると共に、中継コネクタ108,116同士の接合作業を省いて自動変速機100の製造工程の簡素化を図るために、ユニット本体105内の電子回路と外部接続用コネクタ106とを接続する電線を図17に示されるような長い電線とすることも考えられる。しかしながら、この場合、電線が長くなることによりユニット本体105を自動変速機ケース102内に収容するときに電線の部品間への噛み込みが生じて断線し易くなる。
本発明は、このような事情に鑑み、電子制御ユニットを自動変速機ケースに収容するときに、中継コネクタを用いなくても電子制御ユニット内の電子回路と外部接続用コネクタとを接続する電線の他の部品間への噛み込みを抑制できる電子制御ユニット、この電子制御ユニットを備えた自動変速機の製造方法、及びこの製造方法に用いられる固定用治具を提供することを目的とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、自動変速機を制御するために外部の電子回路と接続可能に自動変速機ケース内に収容される電子制御ユニットであって、電子回路が設けられたユニット本体と、前記外部の電子回路と前記ユニット本体内の電子回路とを接続するために前記自動変速機ケースに固定される外部接続用コネクタと、前記外部接続用コネクタを前記ユニット本体に対して保持する保持手段と、前記ユニット本体の電子回路に含まれる各電子機器と前記外部接続用コネクタとを接続する電線とを備え、前記保持手段は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに、前記外部接続用コネクタを固定するために当該自動変速機ケースに設けられた開口と対向してその開口寸法内に収まる位置に当該外部接続用コネクタを保持し、前記電線は、前記外部接続用コネクタが保持手段に保持された状態の位置から前記開口内に固定された状態の位置まで移動するのを許容するような長さ寸法を有することを特徴とする。
このように外部接続用コネクタを保持手段により保持できる電子制御ユニットを用いることで、自動変速機ケース内にユニット本体を収容するときに、中継コネクタや中継ハーネス等を用いなくても電線の他の部品同士の間への噛み込みを防止することができる。
即ち、このような電子制御ユニットによれば、外部接続用コネクタがユニット本体側に保持された状態で自動変速機ケース内にユニット本体を挿入できるので、当該外部接続用コネクタとユニット本体内の電子回路とを接続する電線の長さを抑えることができると共に収容作業の際に電線が動き難くなり、これにより電子制御ユニットを自動変速機ケース内に収容するときに前記電線が他の部品同士の間に噛み込むのを抑制することができる。
そして、ユニット本体を自動変速機ケース内に収容した後は、自動変速機ケースの内側において外部接続用コネクタが自動変速機ケースの開口と対向してその開口寸法内に収まる位置に保持手段により保持された状態となるので、その保持を解除すれば外部接続用コネクタを自動変速機ケースに固定することができる。従って、外部接続用コネクタとユニット本体内の電子回路とを接続する電線の長さは、外部接続用コネクタが保持手段に保持された状態の位置から自動変速機ケースの開口内に固定された状態の位置まで移動できる長さ寸法だけあればよく、これにより、必要な長さを削減できる。また、外部接続用コネクタが保持手段に保持されることで、ユニット本体に対する電線のおおよその位置が固定されるため、ユニット本体を自動変速機ケース内に収容するときに、電線が他の部品同士の間に噛み込み難くなる。
本発明に係る電子制御ユニットにおいて、前記外部接続用コネクタは、相手方コネクタと着脱自在に接合可能なコネクタ接合部を前端部に備え、前記保持手段は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに前記コネクタ接合部が前記自動変速機ケースの開口を向くような姿勢で当該外部接続用コネクタを保持するのが好ましい。
このような電子制御ユニットを自動変速機ケース内に収容すれば、コネクタ接合部が自動変速機ケースの開口を向くため、保持手段による保持を解除してからほとんど向きを変えることなくそのままの姿勢で外部接続用コネクタを引き出し開口内に固定するだけで、コネクタ接合部を外部に向けて外部接続用コネクタが開口内に固定される。
また、前記外部接続用コネクタは、後端部に前記保持手段と係合可能なコネクタ側係合部を有し、前記保持手段は、前記コネクタ側係合部と係合することにより前記外部接続用コネクタを保持する保持側係合部を有し、これらコネクタ側係合部と保持側係合部とは、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに保持状態の外部接続用コネクタに前記自動変速機ケースの開口に向かう方向の所定以上の力が加わると、前記コネクタ側係合部と前記固定手段側係合部との係合状態が解除されるのが好ましい。
かかる構成によれば、ユニット本体を自動変速機ケース内に収容したときに開口を通じて外部接続用コネクタに所定以上の力を加えるだけで保持状態が解除されるため、自動変速機ケースの外部から保持手段による保持の解除を容易に行うことができる。
また、前記仮固定手段は、前記仮固定状態の外部接続用コネクタに沿って前方に向けて延びるガイド軸を備え、前記外部接続用コネクタは、前記ガイド軸に当接するように当該外部接続用コネクタから延び、当該ガイド軸がその軸長方向に相対移動可能に当該ガイド軸を両側から挟む一対の被ガイド部を備えるのが好ましい。
かかる構成によれば、外部接続用コネクタがガイド軸によって前方に向かって案内されるため、当該外部接続用コネクタを自動変速機ケースの開口内により固定し易くなる。即ち、ユニット本体が自動変速機ケース内に収容されたときに、外部接続用コネクタがコネクタ接合部を自動変速機ケースの開口に向けて当該開口と対向する位置に保持されているため、ガイド軸の案内に従って外部接続用コネクタを移動させれば、自動変速機ケースの開口内にコネクタ接合部が案内される。
また、上記課題を解消すべく、本発明は、自動変速機の電子制御ユニット内の電子回路を外部の電子回路と接続可能に当該電子制御ユニットを自動変速機ケース内に収容することで前記自動変速機を製造する方法であって、上記いずれかの電子制御ユニットを準備するユニット準備工程と、内外を連通する開口を有し、この開口内に前記電子制御ユニットの外部接続用コネクタが固定される自動変速機ケースを準備するケース準備工程と、前記保持手段に保持された外部接続用コネクタが前記自動変速機ケース内で前記開口と対向してその開口寸法内に収まる位置となるように前記電子制御ユニットのユニット本体を前記自動変速機ケース内に収容する収容工程と、前記自動変速機ケースの外部から前記開口を通じて前記外部接続用コネクタの保持状態を解除して前記外部接続用コネクタを開口内に固定する固定工程とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、保持手段により外部接続用コネクタが保持されることにより、自動変速機ケースにユニット本体を収容した後に外部接続用コネクタを自動変速機ケースの開口内に固定することができるため、中継コネクタや中継ハーネス等を用いなくても外部接続用コネクタとユニット本体内の電子回路とを接続する電線の長さを抑えることができ、これにより、ユニット本体を自動変速機ケースに収容するときに電線が他の部品同士の間に噛み込むのを効果的に防止することができる。
また、上記課題を解消すべく、本発明は、自動変速機の製造工程において自動変速機ケース内に請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子制御ユニットを収容するときに用いられ、前記電子制御ユニットのユニット本体に対して保持された外部接続用コネクタを前記自動変速機ケースに設けられた開口内に固定するための固定用治具であって、前記自動変速機ケースの開口を通じて外部から外部接続用コネクタを保持可能な保持軸部を備え、前記外部接続用コネクタは、前方側が開口しこの開口から相手側コネクタが着脱自在に挿入され接合されるコネクタ接合部を有し、このコネクタ接合部は、前記自動変速機ケースの開口寸法よりも小さな外径を有し、前記保持軸部は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容された状態において前記開口から前記コネクタ接合部までの間隔以上の長さ寸法を有すると共に、前記コネクタ接合部を当該コネクタ接合部の開口の内側又は外側から保持した状態で前記自動変速機ケースの開口寸法よりも小さな外径を有することを特徴とする。
かかる構成によれば、外部接続用コネクタを保持したユニット本体が自動変速機ケース内に収容された後から、保持軸部を自動変速機ケースの開口から挿入してコネクタ接合部を保持して当該開口から引き出すことにより、外部接続用コネクタを自動変速機ケースに固定することができる。
例えば、前記コネクタ接合部は、前方側が開口する有底筒状に形成され、前記保持軸部は、その先端に前記コネクタ接合部の開口を囲うようにコネクタ接合部の開口周縁部に密着可能なシール部と、前記コネクタ接合部の開口内の空気を吸引する吸引手段とを備えてもよい。
かかる構成によれば、シール部をコネクタ接合部の開口周縁部に密着させて開口内の空気を吸引することで、コネクタ接合部内の気圧が低くなって固定用治具(保持軸部)先端に外部接続用コネクタが吸い付き、これにより外部接続用コネクタが固定用治具に保持される。
以上より、本発明によれば、電子制御ユニットを自動変速機ケースに収容するときに、中継コネクタを用いなくても電子制御ユニット内の電子回路と外部接続用コネクタとを接続する電線の他の部品間への噛み込みを抑制できる電子制御ユニット、この電子制御ユニットを備えた自動変速機の製造方法、及びこの製造方法に用いられる固定用治具を提供することができる。
本実施形態に係る電子制御ユニットが収容された自動変速機の模式図である。 前記電子制御ユニットの外部接続用コネクタの拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図である。 前記外部接続用コネクタが保持手段に保持された状態の拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図である。 前記外部接続用コネクタを自動変速機ケースに固定するための固定用治具であって、外部接続用コネクタを保持した状態を示す斜視図である。 前記電子制御ユニットを自動変速機ケースに収容する工程を示す図であって、(a)は電子制御ユニットが自動変速機ケース内に収容される前の状態を示し、(b)は電子制御ユニットが自動変速機ケース内に収容された状態を示し、(c)は外部接続用コネクタを自動変速機ケースに固定した状態を示す。 他実施形態に係る保持手段とこの保持手段に保持された外部接続用コネクタとの拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図であり、(c)は図6(b)におけるA−A断面図である。 他実施形態に係る保持手段とこの保持手段に保持された外部接続用コネクタとの拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図である。 他実施形態に係る保持手段とこの保持手段に保持された外部接続用コネクタとの拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図である。 他実施形態に係る保持手段とこの保持手段に保持された外部接続用コネクタとの拡大図であって、(a)は一部破断側面図であり、(b)は背面図である。 他実施形態に係る固定用治具を説明するための一部破断側面図である。 他実施形態に係る固定用治具を説明するための一部破断斜視図である。 他実施形態に係る固定用治具を説明するための一部破断側面図であって、(a)は内部軸が内筒部から引き出された状態を示し、(b)は内部軸が内筒部に挿入された状態を示す。 他実施形態に係る固定用治具を説明するための一部破断側面図である。 (a)(b)は他実施形態に係る固定用治具と外部接続用コネクタとの係合構造を示す一部断面斜視図である。 従来の電子制御ユニットが収容された自動変速機の模式図である。 従来の電子制御ユニットを自動変速機ケースに収容する工程を示す図であって、(a)は電子制御ユニットを自動変速機ケース内に収容される前の状態を示し、(b)は電子制御ユニットが自動変速機ケース内に収容された状態を示す。 自動変速機ケースに電子制御ユニットを収容する前に外部接続用コネクタを固定した状態を示す。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る自動変速機は、車両用の自動変速機であり、図1に示されるように、自動変速機ケース(以下、単に「ケース」とも称する。)12内に当該自動変速機10を制御するための電子制御ユニット20が収容されている。このケース12には、外部接続用コネクタ(以下、単に「コネクタ」とも称する。)30を固定するために、当該ケース内外を連通する開口14が設けられている。この開口14内にコネクタ30が圧入されることで当該コネクタ30がケース12に固定される。本実施形態のケース12には、円形の開口14が設けられている。
電子制御ユニット20は、複数の電子機器21を含む電子回路が基板22上に設けられたユニット本体23と、コネクタ30と、複数の電子機器21とコネクタ30とを接続するユニット用ハーネス24と、コネクタ30をユニット本体23に対して保持する保持手段50とを備える。
コネクタ30は、ケース12に固定され、外部の電子回路(外部回路)に設けられた相手方コネクタ(図示省略)が接合されることにより、外部回路とユニット本体23内の電子回路とを接続するものである。このコネクタ30は、図2(a)及び図2(b)にも示されるように、前方側(図2(a)において右側)から順に、相手方コネクタと着脱自在に接合可能なコネクタ接合部(以下、単に「接合部」とも称する。)31と、ケース12の開口14内に嵌め込まれる嵌入部32と、保持手段50によって保持される後端部33とを有する。
接合部31は、前方側が開口し、この開口から相手方コネクタが着脱自在に挿入される部位である。この接合部31は、前方側が開口した有底筒状に形成され、ケース12の開口寸法と同じ若しくは開口寸法よりも小さな外径を有する外周面34と、開口内に挿入される相手方コネクタの外周面に対応する内径を有する内周面35とを有する。この接合部31の底壁36からは、複数の端子37が突出し、この端子37が開口内に挿入された相手方コネクタの雌型端子と嵌合することで、コネクタ30と相手方コネクタとが接合される。
嵌入部32は、ケース12の開口14に対応する形状の外周面38を有し、当該部位が開口14内に嵌め込まれることでコネクタ30がケース12に固定される。具体的に、嵌入部32の外周面38には周方向に沿って溝38aが設けられ、この溝38a内に環状のシール部材(いわゆるOリング)39が嵌め込まれる。このような嵌入部32がケース12の開口14内に嵌め込まれる(圧入される)ことで、コネクタ30と開口14内周面との間が液密状態となり、自動変速機10の使用時においてケース12内に満たされるオイルが外部に漏れない。
後端部33は、保持手段50と係合可能な第1係合部40及び第2係合部41と、コネクタ30をケース12の開口14に嵌め込むときの圧入方向におけるコネクタ30のケース12に対する位置決めを行うための位置決め部42とを有する。
第1係合部40は、コネクタ30(後端部33)の後端において左右両端部(図2(b)において左右方向の両端部)から後方(図2(a)において左側)に向って突出する板状の部位であり、厚み方向に貫通する係止穴40aを有する。また、第2係合部41は、コネクタ30の後端において上端部から後方に向って突出する筒状の部位である。この第2係合部41は、保持手段50の第2係合片53が挿抜可能に挿入される筒状の部位であり、底壁43と、この底壁43の上方に間隔をおいて設けられる天壁44と、底壁43と天壁44との端部同士を接続する側壁45とを有する。底壁43には、上方に向って突出する係止用突起46が設けられている。
位置決め部42は、後端部33の周面からコネクタ30の径方向外側に向かって突出する部位である。コネクタ30を開口14内に固定するときに、当該位置決め部42がケース12内側の開口周縁部に当接するまで嵌入部32が開口14内に圧入される。
ユニット用ハーネス24は、ユニット本体23内の電子回路に含まれる各電子機器21とコネクタ30とを接続する複数の電線25を束ねたものである。このユニット用ハーネス24は、ユニット本体23がケース12内に収容された状態において、コネクタ30が保持手段50に保持された状態の位置(図5(b)参照)から開口14内に固定された状態の位置(図5(c)参照)まで移動するのを許容するような長さ寸法を有する。
保持手段50は、図3(a)及び図3(b)にも示されるように、ユニット本体23がケース12内に収容されたときに、ケース12の開口14と対向してその開口寸法内に収まる位置にコネクタ30を保持するものである。本実施形態の保持手段50は、ユニット本体23(詳細には基板22)から下方に向かって延びる保持手段本体51と、この保持手段本体51の下端部から前方に延びる第1係合片52及び第2係合片53とを有する。具体的に、保持手段本体51は、ユニット本体23の基板22から下方に向かって延びる所定形状の板状部材である(図5(a)参照)。この保持手段本体51の下端部には、保持手段50がコネクタ30を保持したときにコネクタ30の後端部33の第1係合部40と第2係合部41とに対応する位置に第1係合片52と第2係合片53とがそれぞれ設けられている。
第1係合片52は、保持手段本体51から下方に延びる部分と、この部分の端から前方に向って延びる部分とを一体に有するL字状の板状部位であり、先端部にコネクタ30の幅方向外側に向って突出する係止用突起52aが設けられている。この第1係合片52は、コネクタ30の幅方向において、コネクタ30から延びる一対の第1係合部40、40と対応する位置にそれぞれ設けられる(図3(b)参照)。
第2係合片53は、前方に向って延びる板状部位であり、コネクタ30の第2係合部41内に挿抜可能に挿入される。この第2係合片53の中央部には、厚み方向に貫通する係止穴53aが設けられている。この係止穴53aの前方側内周面53bは、第2係合部41から第2係合片52を引き抜くときに、底壁43の係止用突起46に対して傾斜した姿勢で当接するように形成されている。
以上のような保持手段50によれば、コネクタ30に対して前方又は後方へ向けて所定以上の力を加えることで、当該コネクタ30の保持手段50への着脱が可能である。
具体的に、保持手段50にコネクタ30を保持させる、即ち、取り付けるときには、保持手段50の第1係合片52及び第2係合片53にコネクタ後端部33の第1係合部40及び第2係合部41が接するように保持手段50にコネクタ30の後端部33を近づけ、コネクタ30に対して後方側に向けて所定以上の力を加える。すると、各第1係合片52の係止用突起52aが対応する第1係合部40の先端に当接して第1係合片52の先端側がコネクタ30の幅方向内側に向ってそれぞれ撓み変形する。この状態で、さらにコネクタ30を保持手段50に対して押し付けると、第1係合部40の内側に沿って第1係合片52が移動し、係止用突起52aが第1係合部40の係止穴40aと重なる位置までコネクタ30が保持手段本体51側に押し込まれたときに第1係合片52が初期位置に弾性的に復帰することにより係止用突起52aが係止穴40aに係止される。これと共に、第2係合片53は、その先端部が第2係合部41の底壁43の係止用突起46と当接して、その先端側が上方に向けて撓み変形することで当該第2係合片53が係止用突起46上を通過し、係止穴53aが係止用突起46と重なる位置までコネクタ30が保持手段50側に押し込まれたときに、第2係合片53の先端側が初期位置に弾性的に復帰することにより、係止穴53aに係止用突起46が入り込み、これにより第2係合片53が第2係合部41に係止される。
一方、保持手段50に保持された状態(取り付けられた状態)のコネクタ30に対して前方側に向けて所定以上の力を加えることにより、第1係合片52及び第2係合片53の先端側が前記同様にそれぞれ撓み変形して各係止状態が解除され、その結果、保持手段50によるコネクタ30の保持が解除される。
次に、以上のような電子制御ユニット20をケース12内に収容するときに、コネクタ30をケース12の開口14内に固定するための固定用治具60について、図4を参照しつつ説明する。
固定用治具60は、固定用治具本体Jから延び、ケース12の開口14を通じて外部からコネクタ30を保持可能な保持軸部61を備える。この保持軸部61は円柱状の部位であり、ケース12の開口寸法よりも小さな外径、即ち、開口14内に挿入可能な外径を有する。
具体的に、保持軸部61は、ユニット本体23がケース12内に収容された状態において開口14から接合部31までの間隔以上の長さ寸法を有する。この保持軸部61の先端には、接合部31の開口を囲うように接合部31先端の開口周縁部に密着可能なシール部62が設けられる。本実施形態のシール部62には、開口周縁部に密着する部分にゴム製の部材が用いられている。また、保持軸部61先端には、シール部62の内側から接合部31の内周面35に沿って延びる位置決め部63が設けられている。この位置決め部63を開口内に挿入することで、シール部62が接合部31の開口周縁部と密着するように正確に案内されると共に、開口周縁部に密着した状態のシール部62がこの開口周縁部からずれるのを防止することができる。
また、保持軸部61は、接合部31の開口内の空気を吸引する吸引手段を備える。本実施形態では、保持軸部61先端のシール部62に囲まれた領域内に、空気を吸引するための吸引用穴64が設けられている。固定用治具60には、ポンプ等(図示省略)が接続されており、このポンプ等が作動することによって吸引用穴64から空気等が吸引される。
このような保持軸部61がその先端のシール部62を接合部31の開口周縁部と密着させた状態で吸引用穴64から接合部31の開口内の空気を吸引することにより、開口内の気圧が低下して接合部31が保持軸部61に吸い付き、これにより接合部31(コネクタ30)が保持軸部61(固定用治具60)に保持される。
以上のような固定用治具60を用い、自動変速機10を製造する際に、ケース12内にユニット本体23を収容して当該ケース12にコネクタ30を固定する工程について、図5(a)乃至図5(c)も参照しつつ説明する。
保持手段50にコネクタ30を保持させた状態の電子制御ユニット20を準備する(図5(a)参照)。この電子制御ユニット20をケース12内に収容する。このとき、コネクタ30が保持手段50により保持されてユニット本体23に対して位置決めされることでユニット用ハーネス24の位置もおおよそ固定されるため、電子制御ユニット20をケース12内に収容するときに、ユニット用ハーネス24(又は電線25)が他の部品同士間に噛み込むのを防止できる。
ケース12の開口14と対向してその開口寸法内に収まる位置にコネクタ30が位置するようにユニット本体23がケース12内に収容され、その収容姿勢でユニット本体23がケース12内に固定される。このような位置にユニット本体23が固定されることにより、コネクタ30はその接合部31の開口がケース12の開口14に向く姿勢で保持手段50により保持された状態となる(図5(b)参照)。
この状態で固定用治具60の保持軸部61をケース12の開口14から接合部31の開口に向けて挿入する。位置決め部63を接合部31の開口内に挿入し、シール部62がケース12の開口周縁部に当接するまで保持軸部61を開口14内に挿入する。シール部62が接合部31の開口周縁部と当接し、開口周縁部の全周に亘ってシール部62が密着した状態になると、吸引用穴64から開口内の空気が吸引され、これにより固定用治具60にコネクタ30が保持される。
このようにコネクタ30が固定用治具60に保持された状態で保持軸部61を開口14から引き出す。その際、コネクタ30にケース12の開口14に向けて所定以上の力が加わることで、保持手段50によるコネクタ30の保持が解除される。具体的に、コネクタ30に上記の力が加わることで、保持手段50の各第1係合片52では、その先端部の係止用突起52aが第1係合部40の係止穴40aの周縁部に当接して、第1係合片52の先端側がコネクタ30の幅方向内側に向ってそれぞれ撓み変形すると共に、コネクタ30の第2係合部41では、第2係合片53の係止穴53aの周縁部(詳細には、傾斜状態の前方側内周面53b)が底壁43の係止用突起46に当接して、第2係合片53の先端側が上方に向かって撓み変形する。この状態でさらにコネクタ30が固定用治具60により開口14側に引き出されると、第1係合部40と第1係合片52と、及び第2係合部41と第2係合片53との係合状態がそれぞれ解除され、コネクタ30が保持手段50から離れる。
保持手段50から離れたコネクタ30は、接合部31をケース12の開口14に向けた姿勢であることから、保持手段50による保持が解除されてからほとんど向きを変えることなくそのままの姿勢で接合部31を開口14から引き出される。
この状態から、嵌入部32が開口14内に嵌まり込んで後端部33の位置決め部42がケース12内側の開口周縁部に当接するまでコネクタ30を開口14から引き出す。これにより、嵌入部32が開口14内に嵌まり込み、嵌入部32に設けられたシール部材39の弾発力によってコネクタ30がケース12に固定される。このとき、嵌入部32に設けられたシール部材39によってコネクタ30と開口14の内周面との間が液密状態となる(図5(c)参照)。
ケース12にコネクタ30が固定された後、外部回路に接続されたハーネス等の相手方コネクタ(図示省略)をコネクタ30の接合部31に接合することにより、電子制御ユニット20内の電子回路と外部回路とが接続される。このようにして自動変速機10が製造される。
以上のように、コネクタ30を保持手段50により保持できる電子制御ユニット20を用いることで、ケース12内にユニット本体23を収容するときに、中継コネクタや中継ハーネス等を用いなくても電線の他の部品同士の間への噛み込みを防止することができる。
即ち、このような電子制御ユニット20によれば、コネクタ30がユニット本体23側に保持された状態、換言すると、ユニット本体23に対するコネクタ30の相対変位が規制された状態でケース12内にユニット本体23を挿入できるので、当該コネクタ30とユニット本体23内の電子回路とを接続するユニット用ハーネス24(電線25)の長さを抑えることができると共に収容作業の際にユニット用ハーネス24が動き難くなり、これにより電子制御ユニット20をケース12内に収容するときにユニット用ハーネス24が他の部品同士の間に噛み込むのを抑制することができる。
そして、ユニット本体23をケース12内に収容した後は、ケース12の内側においてコネクタ30がケース12の開口14と対向してその開口寸法内に収まる位置に保持手段50により保持された状態となるので、その保持を解除してそのままコネクタ30を開口14側へ引き出すだけで、コネクタ30をケース12に固定することができる。従って、コネクタ30とユニット本体23内の電子回路とを接続するユニット用ハーネス24の長さは、コネクタ30が保持手段50に保持された状態の位置からケース12の開口14内に固定された状態の位置まで移動できる長さ寸法だけあればよく、これにより、ユニット用ハーネス24の必要な長さを削減できる。また、コネクタ30が保持手段50に保持されることで、ユニット本体23に対するユニット用ハーネス24のおおよその位置が固定されるため、ユニット本体23をケース12内に収容するときに、ユニット用ハーネス24が他の部品同士の間に噛み込み難くなる。
また、本実施形態では保持手段50がコネクタ30の後端部33を保持するよう構成されているため、コネクタ30を引き出すときに保持手段50が邪魔になり難い。
上記のユニット本体23をケース12内に収容したときに、開口14を通じてコネクタ30に所定以上の力を加えるだけで保持手段50によるコネクタ30の保持が解除されるため、ケース12の外部から前記保持の解除を容易に行うことができる。
上記の固定用治具60を用いることで、自動変速機10の製造工程において、コネクタ30を保持したユニット本体23がケース12内に収容された後から、保持軸部61をケース12の開口14から挿入して接合部31を保持して当該開口14から引き出すことにより、コネクタ30をケース12に固定することができる。
尚、本発明の電子制御ユニット、この電子制御ユニットを備えた自動変速機の製造方法、及びこの製造方法に用いられるコネクタ固定用治具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
保持手段がコネクタを保持する具体的構成は限定されない。本実施形態では、保持手段50の第1係合片52及び第2係合片53とコネクタ30の第1係合部40及び第2係合部41との係合によりコネクタ30が保持手段50に保持されているが、これに限定されず、例えば、以下のような構成であってもよい。
図6(a)乃至図6(c)に示されるように、保持手段50aが保持手段本体51から延びて第1係合部40と係合可能な第3係合片54とコネクタ30の移動方向をガイドするガイド軸55とを備え、コネクタ30が第1係合部40と位置決め部42とを備え、第3係合片54と第1係合部40とが互いに係合し、ガイド軸55と位置決め部42とが互いに係合するように構成される。
具体的に、第3係合片54は、保持手段本体51から下方に延びると共に前後方向に広がる矩形板状の部位である。この第3係合片54は、コネクタ30の一対の第1係合部40と対応する位置にそれぞれ設けられ、第1係合部40の係止穴40aと対応する位置にコネクタ30の幅方向外側に向けて突出する係止用突起54aを有する。
ガイド軸55は、一方の第3係合片54がさらに下方に延び、コネクタ30を保持手段50aが保持した状態におけるコネクタ後端部33の位置決め部42に対応する位置においてコネクタ30に沿って前方に向けて延びる部位である。ガイド軸55は、位置決め部42の前方側の位置に他の部位よりも太くなっている抜け止め部55aを有する。
位置決め部42は、コネクタ後端部33の周面からガイド軸55に当接するように延び、ガイド軸55がその軸長方向に相対移動可能に当該ガイド軸55を両側から挟む一対の被ガイド部42a,42aにより構成されている。
このようにガイド軸55とこれを挟む一対の被ガイド部42a,42aとが設けられることで、コネクタ30を引き出すときにコネクタ30がガイド軸55に沿って前方に案内されるため、当該コネクタ30をケース12の開口14内に引き込み易くなる。即ち、ユニット本体23がケース12に収容されたときに、コネクタ30が接合部31をケース12の開口14に向けて当該開口14と対向する位置に保持されているため、ガイド軸55の案内に従ってコネクタ30を移動させれば、ケース12の開口14内に接合部31が案内される。また、ガイド軸55に抜け止め部55aが設けられることで、ケース12の開口14に向けてコネクタ30に所定以上の力が働かなければ、コネクタ30がガイド軸55に沿って移動できないため、電子制御ユニット20をケース12内に収容する作業等において、コネクタ30の保持手段50aからの抜け落ちを防止することができる。
また、図7(a)及び図7(b)に示されるように、保持手段50bが第1係合片52と、保持手段本体51から延びる第4係合片56とを備え、コネクタ30が第1係合部40と、第4係合片56に着脱可能に磁着する磁着手段70とを備えてもよい。
具体的に、第4係合片56は、保持手段本体51の下端において一対の第1係合片52,52の間から下方に向けて延びると共に左右に広がる板状の部位である。この第4係合片56は、金属により形成されている。
磁着手段70は、コネクタ後端部33から後方に延び、磁石71と、コネクタ30が保持手段50bに保持されているときに磁石71が第4係合片56に磁着できる位置で当該磁石71を保持する保持部72とを有する。図7(a)においては、コネクタ後端の上端部に磁着手段70が設けられている。
このように第1係合片52と第1係合部40とが係合し、第4係合片56と磁着手段70とが磁着することによりコネクタ30が保持手段50bに保持されても、コネクタ30に対し開口14に向けて所定以上の力が働くことで、保持手段50bによるコネクタ30の保持が解除される。
また、図8(a)及び図8(b)に示されるように、保持手段50cが第1係合片52と保持手段本体51から延びる第5係合片57とを備え、コネクタ30が第1係合部40と第5係合片57が挿入される第3係合部75とを備えてもよい。
具体的に、第5係合片57は、保持手段本体51の下端において一対の第1係合片52,52の間から第2係合片53が下方に向かって延びた形状を有する。
第3係合部75は、第2係合部41と同様の形状を有する本体部76がその開口を上方に向けた姿勢で、コネクタ30後端の上端部に破断部77を介して接続されている。この破断部77は薄肉の部位であり、コネクタ30に対して前後方向に所定以上の力が働くと破断してコネクタ30の後端部33と第5係合片57が挿入された本体部76とが分離するように構成される。
このように第1係合片52と第1係合部40とが係合し、第5係合片57と第3係合部75との係合によってコネクタ30が保持手段50cに保持されても、コネクタ30に対し開口14に向けて所定以上の力が働くことで、保持手段50cによるコネクタ30の保持が解除される。
尚、第3係合部75は、第2係合部41と異なり、第5係合片57が一端挿入されるとこの第5係合片57が抜けない又は容易に抜けないように構成されてもよい。また、第3係合部75と第5係合片57とが逆に設けられてもよい、即ち、第3係合部75が保持手段50cに設けられ、第5係合片57がコネクタ30に設けられてもよい。
また、図9(a)及び図9(b)に示されるように、保持手段50dが保持手段本体51からそれぞれ下方に向かって延びる一対の第6係合片58を備え、コネクタ30が後端部に各第6係合片58を挟持可能な挟持部78を備えてもよい。
具体的に、一対の第6係合片58は、保持手段本体51の下端からコネクタ30の幅方向に所定間隔をおいて下方に向けてそれぞれ延びる板状の部位である。この所定間隔は、コネクタ30の幅よりも僅かに狭くなるような間隔である。
挟持部78は、その周方向に延びる溝部79を有し、溝部79の対向する側壁面79aによって各第6係合片58を挟持する。また、コネクタ30の中心軸cを挟んで対向する位置において、コネクタ30後方側の側壁面79aを有する側壁部179に切欠き179aが設けられ、中心軸cを回転中心にしてコネクタ30を回転させて各切欠き179aがそれぞれ第6係合片58の位置にくると、溝部79の一対の側壁面79a,79aに挟持されていた第6係合片58が開放され、コネクタ30を前方側に移動させることが可能となる。
このように一対の第6係合片58,58と挟持部78との係合よってコネクタ30が保持手段50dに保持される場合には、中心軸cを回転中心にしてコネクタ30を回転させることで、保持手段50dによるコネクタ30の保持が解除される。
このように、保持手段50,50a,…がコネクタ30を保持する構成は、固定用治具によってコネクタ30に所定方向の力が加えられ、又は回転させられる等することによりコネクタ30が保持手段50,50a,…から分離できる構成であればよい。
上記実施形態において、保持手段50は、コネクタ30の後端部33を保持するが、これに限定されず、コネクタ30の中央部(嵌入部32)や前端部(接合部31)を保持するように構成されてもよい。保持手段がいずれの部位を保持しても、コネクタ30に対して開口14に向けた所定以上の力が働き、又は、回転等させることにより保持手段からコネクタ30が分離できればよい。
また、保持手段とコネクタとの係合箇所の数は、限定されない。上記実施形態では、3箇所で係合しているが、ユニット本体23をケース12内に収容する作業において、保持手段にコネクタが安定して保持されていれば、係合箇所が1箇所又は2箇所でもよく、また、4箇所以上でもよい。
固定用治具60によってコネクタ30を保持する具体構成は限定されない。上記実施形態では、固定用治具60は、接合部31の開口内の空気を吸引することによりコネクタ30を保持するが、これに限定されず、例えば、以下のような構成であってもよい。
図10に示されるように、保持軸部61aが接合部31の開口内に挿入できる外径を有すると共にその先端部に磁石80を備えてもよい。この場合、コネクタ30の接合部31には、内周面35側に金属部材81が配置される。
かかる構成によっても、ケース12の開口14を通じて接合部31の開口内へ保持軸部61aを挿入することにより、保持軸部61a先端の磁石80が接合部31の内周面35側に配置された金属部材81に磁着し、これによりコネクタ30が固定用治具60に保持される。
また、図11乃至図12(b)に示されるように、保持軸部61bが接合部31を内側から、即ち、内周面35側から保持する構成であってもよい。
具体的に、保持軸部61bは、外筒部82と、この外筒部82の内側に配置され、その先端が外筒部82の先端より前方側に位置する内筒部83と、この内筒部83の内側に配置され、軸長方向に内筒部83に対して相対移動可能な内部軸84と、を備える。外筒部82は、ケース12の開口寸法よりも小さな外径の外周面82aを有する。内筒部83は、外筒部82の内周面82bに対応する外径を有する外周面83aと円柱面状の内周面83bとを有し、周方向に所定間隔をおいて先端から後方側に向かって軸長方向に延びる複数本のスリットsが設けられている。内周面83bは、先端側に向って僅かに内径が小さくなるように形成されている。また、内筒部83先端の外筒部82先端から外部に露出する部位の周面には、周方向に沿って圧接部材(本実施形態では、ゴム製のOリング)85が設けられている。内部軸84は、内筒部83の内周面83bの内径に対応する外径を有する円柱状の部材である。この内部軸84が内筒部83に対して先端側に移動すると、内周面83bの内径が先端側に向って僅かに小さくなると共に内筒部83に複数のスリットsが設けられているため、内筒部83先端側が内部軸84により径方向に押し広げられ、これにより圧接部材85が接合部31の内周面35に圧接され、この圧接部材85と内周面35との間の摩擦力により、コネクタ30が固定用治具60に保持される。
また、図13に示されるように、保持軸部61cが接合部31の内周面35に設けられた溝又は切り欠き等の凹部86と係合するよう構成されてもよい。
具体的に、保持軸部61cは、接合部31の開口内に挿入可能な外径を有し、その先端部に、接合部31の内周面35に設けられた凹部86に嵌まり込む凸部87を有する。
かかる構成によれば、凸部87が凹部86に嵌まり込むことで、保持軸部61cをコネクタ30の前方側に引くことで、凹部86の前方側の側壁面86aに凸部87が係止され、これにより、コネクタ30に開口14に向けた所定以上の力を加えることができる。
固定用治具60は、上記のように接合部31の内周面35側からコネクタ30を保持する構成に限定されず、外周面34側から保持する構成であってもよい。この場合、接合部31の外径を嵌入部32の外径よりも小さくし、固定用治具60が接合部31を外周面34側から保持したときに、この保持した部位の外径が嵌入部32の外径と同じ若しくは小さくなるようにすることで、開口14から接合部31を引き出すことができる。例えば、図14(a)(b)に示すように、外部接続用コネクタ30の内周面においてその周方向の一部に内向きの凸部30aが形成される一方、固定用治具60の外周面に前記凸部30aが進入可能な軸方向の溝67と、これに隣接する係止突起68とが形成され、前記溝67内に前記凸部30aが進入する相対角度位置で前記固定用治具60が前記外部接続用コネクタ30の内側に挿入されてから回転操作されることにより、前記係止突起68が前記凸部30aの後ろ側に回り込み、この状態で当該固定用治具60を引くことで前記外部接続用コネクタ30が引出されるようにしてもよい。
10 自動変速機
12 自動変速機ケース
14 開口
20 電子制御ユニット
21 電子機器
23 ユニット本体
25 電線
30 外部接続用コネクタ
50 保持手段
60 固定用治具
61 保持軸部

Claims (7)

  1. 自動変速機を制御するために外部の電子回路と接続可能に自動変速機ケース内に収容される電子制御ユニットであって、
    電子回路が設けられたユニット本体と、
    前記外部の電子回路と前記ユニット本体内の電子回路とを接続するために前記自動変速機ケースに固定される外部接続用コネクタと、
    前記外部接続用コネクタを前記ユニット本体に対して保持する保持手段と、
    前記ユニット本体の電子回路に含まれる各電子機器と前記外部接続用コネクタとを接続する電線とを備え、
    前記保持手段は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに、前記外部接続用コネクタを固定するために当該自動変速機ケースに設けられた開口と対向してその開口寸法内に収まる位置に当該外部接続用コネクタを保持し、
    前記電線は、前記外部接続用コネクタが保持手段に保持された状態の位置から前記開口内に固定された状態の位置まで移動するのを許容するような長さ寸法を有することを特徴とする電子制御ユニット。
  2. 請求項1に記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記外部接続用コネクタは、相手方コネクタと着脱自在に接合可能なコネクタ接合部を前端部に備え、
    前記保持手段は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに前記コネクタ接合部が前記自動変速機ケースの開口を向くような姿勢で当該外部接続用コネクタを保持することを特徴とする電子制御ユニット。
  3. 請求項2に記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記外部接続用コネクタは、後端部に前記保持手段と係合可能なコネクタ側係合部を有し、
    前記保持手段は、前記コネクタ側係合部と係合することにより前記外部接続用コネクタを保持する保持側係合部を有し、
    これらコネクタ側係合部と保持側係合部とは、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容されたときに保持状態の外部接続用コネクタに前記自動変速機ケースの開口に向かう方向の所定以上の力が加わると、前記コネクタ側係合部と前記固定手段側係合部との係合状態が解除されることを特徴とする電子制御ユニット。
  4. 請求項2又は3に記載の電子制御ユニットにおいて、
    前記仮固定手段は、前記仮固定状態の外部接続用コネクタに沿って前方に向けて延びるガイド軸を備え、
    前記外部接続用コネクタは、前記ガイド軸に当接するように当該外部接続用コネクタから延び、当該ガイド軸がその軸長方向に相対移動可能に当該ガイド軸を両側から挟む一対の被ガイド部を備えることを特徴とする電子制御ユニット。
  5. 自動変速機の電子制御ユニット内の電子回路を外部の電子回路と接続可能に当該電子制御ユニットを自動変速機ケース内に収容することで前記自動変速機を製造する方法であって、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子制御ユニットを準備するユニット準備工程と、
    内外を連通する開口を有し、この開口内に前記電子制御ユニットの外部接続用コネクタが固定される自動変速機ケースを準備するケース準備工程と、
    前記保持手段に保持された外部接続用コネクタが前記自動変速機ケース内で前記開口と対向してその開口寸法内に収まる位置となるように前記電子制御ユニットのユニット本体を前記自動変速機ケース内に収容する収容工程と、
    前記自動変速機ケースの外部から前記開口を通じて前記外部接続用コネクタの保持状態を解除して前記外部接続用コネクタを開口内に固定する固定工程とを備えることを特徴とする自動変速機の製造方法。
  6. 自動変速機の製造工程において自動変速機ケース内に請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子制御ユニットを収容するときに用いられ、前記電子制御ユニットのユニット本体に対して保持された外部接続用コネクタを前記自動変速機ケースに設けられた開口内に固定するための固定用治具であって、
    前記自動変速機ケースの開口を通じて外部から外部接続用コネクタを保持可能な保持軸部を備え、
    前記外部接続用コネクタは、前方側が開口しこの開口から相手側コネクタが着脱自在に挿入され接合されるコネクタ接合部を有し、このコネクタ接合部は、前記自動変速機ケースの開口寸法よりも小さな外径を有し、
    前記保持軸部は、前記ユニット本体が前記自動変速機ケース内に収容された状態において前記開口から前記コネクタ接合部までの間隔以上の長さ寸法を有すると共に、前記コネクタ接合部を当該コネクタ接合部の開口の内側又は外側から保持した状態で前記自動変速機ケースの開口寸法よりも小さな外径を有することを特徴とするコネクタ固定用治具。
  7. 請求項6に記載の固定用治具において、
    前記コネクタ接合部は、前方側が開口する有底筒状に形成され、
    前記保持軸部は、その先端に前記コネクタ接合部の開口を囲うようにコネクタ接合部の開口周縁部に密着可能なシール部と、前記コネクタ接合部の開口内の空気を吸引する吸引手段とを備えることを特徴とするコネクタ固定用治具。
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