JP2019072821A - シール部材圧入治具、およびシール部材圧入方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に係るシール部材圧入治具100の構成について説明する。シール部材圧入治具100は、リング状のシール部材(例えば、Oリング40)を継手本体50の中に圧入するために用いる治具であって、筒形状の治具本体1、治具本体1に挿入されたガイドピン2、ガイドピン2と治具本体1との間に配置されたスライドヘッド3、治具本体1の中に配置された弾性部材であるコイルバネ4(以下、「バネ4」と記載する)、およびスライドヘッド3の側面から突出するピン部材5(スライド開始位置決め部材)を備えている。
治具本体1は、ガイドピン2などを内部に収容する本体部8と、取付け部9とを有する。取付け部9の外周面にはネジ(不図示)が切られている。例えば、空圧シリンダ(不図示)などの流体圧シリンダに連結された治具(不図示)に、取付け部9がネジ込まれることで、治具本体1(シール部材圧入治具100)は、流体圧シリンダに取り付けられる。流体圧シリンダを作動させることで、Oリング40およびスペーサリング41は、本体部8の先端面8b(図2,3参照)で押されて、継手本体50の中に押し込まれる。なお、シール部材圧入治具100を軸方向に往復作動させる駆動手段は、流体圧シリンダではなく、電動シリンダなどであってもよい。
ガイドピン2は、治具本体1と一体的に移動する部材であって、基部6と、基部6から延在する本体部7とを有する。基部6の軸方向端面は、治具本体1の本体部8の底面8cに当接する。本体部7の側面には、ピン部材5が摺動可能に挿入される長孔7aが設けられている。また、この本体部7(ガイドピン2)の先端部は、治具本体1から突出されている。
スライドヘッド3は、Oリング40およびスペーサリング41が外挿される部材である。スライドヘッド3は、先細りの形状とされており、本実施形態(第1実施形態)では、図3に示すように、先端側から順に、テーパ部3a、第1平坦部3b、および第2平坦部3cを有する。第2平坦部3cには、スペーサリング41がセットされ、第1平坦部3bには、Oリング40がセットされる。第1平坦部3bの外径は、第2平坦部3cの外径よりも僅かに小さい。また、第2平坦部3cの外径と、治具本体1の本体部8の内径とは、ほぼ等しい。
ガイドピン2の本体部7と、治具本体1の本体部8との間の隙間に、バネ4が配置されている。バネ4の一端は、ガイドピン2の基部6に当接され、他端は、スライドヘッド3の端面に当接される。スライドヘッド3は、バネ4の有する弾性復元力で、先端側へ向かって常時、付勢されている。
スライドヘッド3の側面には、ピン部材5が挿入されている。ピン部材5は、スライドヘッド3を保持するとともに、治具本体1およびガイドピン2に対するスライドヘッド3のスライド開始位置を決める部材である。ピン部材5は、治具本体1に設けられた長孔8aおよびガイドピン2に設けられた長孔7aに摺動可能に挿入されている。なお、長孔8aと長孔7aとは、形状および寸法が同一とされ、且つ、相対位置も同一とされている(側方から見て重なった一つの長孔)。
図4A〜図4Gを参照しつつ、シール部材圧入治具100の使用方法について説明する。前提として、図4Aに示したように、継手本体50の中のOリング40の配置空間の径Dcは、Oリング40の外径Doよりも小さい。また、本実施形態では、継手本体50の中のシール部材圧入開始位置部分P(図4C参照)の継手本体50の内壁角部50bは、テーパ形状とされている。
前記したスライドヘッド3に代えて、図5〜7に示すようなスライドヘッドとされてもよい。
ここで、図9に示すシール部材圧入治具32は、本発明が得られるまでの検討段階における圧入治具である。本発明者は、当初、図8に示す従来のシール部材圧入治具31の先端部31aの軸方向中途部に、Oリング40を逃がすための窪みを設けた。すなわち、図9に示す検討段階のシール部材圧入治具32は、その先端部32aの軸方向中途部に窪み33が設けられている。このシール部材圧入治具32によると、Oリング40を窪み33に逃して、Oリング40の損傷を防止することができる。しかしながら、窪み33の深さの設定がシビアであり、窪み33の深さを大きくすると、Oリング40が下方にずれやすくなり、これにより、Oリング40が損傷してしまった。一方、窪み33の深さを小さくすると、Oリング40の逃げ代が少なくなり、これにより、Oリング40が損傷してしまった。また、継手本体50の中へ押し込んだシール部材圧入治具32を、継手本体50の中から引き抜く際に、窪み33部分でOリング40を損傷させてしまうこともあった。
上記の実施形態は、次のように変更可能である。
前記した実施形態では、スライドヘッド3の側面に挿入されたピン部材5は、スライドヘッド3に固定されている。これに代えて、スライドヘッド3とピン部材5とが固定されていなくてもよい。
2:ガイドピン
3:スライドヘッド
4:バネ(弾性部材)
5:ピン部材(スライド開始位置決め部材)
7a:長孔
8a:長孔
40:Oリング(シール部材)
50:継手本体
50a:挿入側端面
100:シール部材圧入治具
P:シール部材圧入開始位置部分
Claims (5)
- リング状のシール部材を継手本体の中に圧入するためのシール部材圧入治具であって、
前記シール部材を先端面で押すことで前記シール部材を継手本体の中に押し込む、筒形状の治具本体と、
前記治具本体に挿入され、前記治具本体と一体的に移動する、先端部が前記シール部材のガイド部となるガイドピンと、
前記ガイドピンと前記治具本体との間に配置され、前記シール部材が外挿されるスライドヘッドと、
前記治具本体の中に配置され、前記スライドヘッドを先端側へ向かって付勢する弾性部材と、
前記スライドヘッドの側面から突出し、前記スライドヘッドを保持するとともに、前記治具本体および前記ガイドピンに対する前記スライドヘッドのスライド開始位置を決めるスライド開始位置決め部材と、
を備え、
当該シール部材圧入治具が、前記継手本体の中に押し込まれていくと、前記スライドヘッドの先端部が、前記継手本体の中のシール部材圧入開始位置部分に到達したときに、前記治具本体および前記ガイドピンに対して前記スライドヘッドが相対的に後方へスライドを開始し、これにより、前記スライドヘッドの外周面から、当該外周面よりも小径の前記ガイドピンの先端部外周面側に前記シール部材が移動することを特徴とする、シール部材圧入治具。 - 請求項1に記載のシール部材圧入治具において、
前記スライドヘッドの先端部が先細りとされていることを特徴とする、シール部材圧入治具。 - 請求項2に記載のシール部材圧入治具において、
前記スライドヘッドの先端部がテーパ形状とされていることを特徴とする、シール部材圧入治具。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のシール部材圧入治具において、
前記スライド開始位置決め部材は、前記スライドヘッドの側面に挿入されたピン部材であり、
前記治具本体および前記ガイドピンの側面に、それぞれ、前記ピン部材が摺動可能に挿入される長孔が設けられていることを特徴とする、シール部材圧入治具。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のシール部材圧入治具を用いた、リング状のシール部材を継手本体の中に圧入するシール部材圧入方法であって、
前記スライドヘッドに前記シール部材が外挿された前記シール部材圧入治具を、前記継手本体の中に押し込んでいく際に、前記継手本体の挿入側端面に、前記スライド開始位置決め部材を当接させて、前記治具本体および前記ガイドピンに対して前記スライドヘッドを相対的に後方へスライドさせ、これにより、前記継手本体の中のシール部材圧入開始位置部分で、前記スライドヘッドの外周面から、当該外周面よりも小径の前記ガイドピンの先端部外周面側に前記シール部材を移動させつつ、前記シール部材を継手本体の中に圧入していくことを特徴とする、シール部材圧入方法。
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