JP2011121439A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】異物等のカットに対する耐久性を向上させ、軽量化を図ることのできる航空機に好適な空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ベルト保護層は、タイヤの幅方向断面において主ベルト層とのコード間平均距離が前記主ベルト層に用いられるコードの直径平均の1.5倍以上7.0倍以下とされ、引張破断強度が400N以上2000N以下の特性を持つ有機繊維コードを有し、実質2層以上のコード層構造とされ、前記コード層の前記有機繊維コードはタイヤの赤道面に対し30°〜65°の角度をなし、タイヤ半径方向に隣り合って積層される前記コード層の前記有機繊維コードは前記タイヤ赤道面に対して互いに逆方向に交差するように配置され、前記ベルト保護層の前記有機繊維コードのコード打ち込み間隔は、前記主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに係り、特には、異物等のカットに対する耐久性を向上させ、同時に軽量化も達成することのできる航空機に好適な空気入りタイヤに関する。
一般に、航空機用タイヤは、高内圧、高荷重の条件下で使用されるため、異物の上を通過する際にタイヤ全体が異物に乗り上げることによってトレッドを損傷しない性質、いわゆる「包み込み性」に乏しく、タイヤのトレッドゴムがタイヤ周方向に引き伸ばされた状態では、特に異物に対する抵抗力が弱くなり、踏みつけた異物がトレッド内部に容易に侵入し、タイヤを損傷し易いという問題がある。
この問題に対処すべく、タイヤ半径方向最外側のベルト層にはベルト保護層として、平面内で波型に成型されたコード層を用いて、突起物損傷(FOD:Foreign Object Damage)に関して耐久力を向上させる技術が開示されている(特許文献1〜9参照)。即ち、高弾性の有機繊維コードを波型に成型し密集配置することにより、FOがトレッド表面からタイヤ内部に貫入しベルトに損傷を与える過程において、ベルト保護層に適切な伸びとコード張力を発生させ、FOによる外部仕事を負担、吸収することが行われている。このような手段は、特にタイヤ使用内圧が高く、荷重負荷が大きい航空機用タイヤにおいて有効である。
しかしながら、航空機の走行路面上に散在する異物(Foreign Object(FO))には、様々な幾何学形状および硬度のものがあり、従来技術の波型に成型されたコード層を用いたベルト保護層は、みなし小径で高さのあるFOに対しては、その貫入を許し、タイヤ径方向内側の主ベルト層の損傷に到るケースもある。これは波型に成形されたコードとコード間を異物(FO)がすり抜けてしまうためである。この問題を解決するために、ベルト保護層を更に稠密なコード配置や高剛性の材料にしたり、或いは積層したりするなどして,重構造にする方策を取る事も可能である。しかしながら、このような重構造にすると、タイヤ重量が増加して航空機装備品に要求される軽量性を充足できなくなってしまう。
特開平02−81707号公報 特開平03−14702号公報 特開平03−16806号公報 特開平03−21505号公報 特開平03−21506号公報 特開平03−38405号公報 特開平05−294106公報 特開平05−294107公報 特開平07−69005公報
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、異物等によるカットに対する耐久性を向上させ、同時に軽量化も達成することのできる航空機に好適な空気入りタイヤを提供することが目的である。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであって、請求項1に記載の空気入りタイヤは、一対のビードコアと、一方のビードコアから他方のビードコアに向けてトロイド状に延びる少なくとも1枚以上のカーカスプライからなるカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ半径方向外側のクラウン域外周面に配置されコードを含む少なくとも1枚以上のベルトプライからなるベルト層と、を備えた空気入りタイヤであって、前記ベルト層が、タイヤ径方向最外側に配置されたベルト保護層と、前記ベルト保護層よりもタイヤ半径方向内側に配置された主ベルト層と、を含み、前記ベルト保護層は、タイヤの幅方向断面において前記主ベルト層とのコード間平均距離が前記主ベルト層に用いられるコードの直径平均の1.5倍以上7.0倍以下とされ、引張破断強度が400N以上2000N以下の特性を持つ有機繊維コードを有し、実質2層以上のコード層構造とされ、前記コード層の前記有機繊維コードはタイヤの赤道面に対し30度〜65度の角度をなし、タイヤ半径方向に隣り合って積層される前記コード層の前記有機繊維コードは前記タイヤ赤道面を挟んで互いに逆方向に交差するように配置され、前記ベルト保護層の前記有機繊維コードのコード打ち込み間隔は、前記主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きいこと、を特徴とするものである。
上記構成の空気入りタイヤのベルト層は、タイヤ半径方向最外側に配置されたベルト保護層と、ベルト保護層よりもタイヤ半径方向内側に配置された主ベルト層と、を含んでいる。そして、ベルト保護層は、タイヤの幅方向断面において主ベルト層とのコード間平均距離が主ベルト層に用いられるコードの直径の1.5倍以上7.0倍以下とされている。すなわち、ベルト保護層のコードと主ベルト層のコードとの距離は、一方のタイヤショルダー部から他方のタイヤショルダー部にかけて平均で主ベルト層に用いられるコードの直径平均の1.5倍以上7.0倍以下とされている。このベルト保護層に用いられるコードは、引張破断強度が400N以上2000N以下の特性を持つ有機繊維コードを含んでいる。
このような配置で、主ベルト層から離間してタイヤ半径方向外側に配置されたベルト保護層は、実質2層以上のコード層構造とされている。したがって、単層の場合と比較して、異物(FO)のコード間すり抜けを抑制することができる。また、タイヤ半径方向に隣り合って積層されるコード層の一方向強化繊維コードはタイヤ赤道面を挟んで互いに逆方向に交差するように配置されているので、異物(FO)のコード間すり抜けをより効果的に抑制することができる。
ベルト保護層の異物(FO)に対する機能は、異物(FO)によりなされる外部仕事の吸収である。したがって、異物(FO)の貫入時に貫入エネルギーを吸収するために、ベルト保護層には、適切な伸張とコード張力の発生が要求される。そこで、本発明では、異物(FO)の貫入時に適切な伸張とコード張力の発生を実現するために、引張破断強度が400N以上2000N以下の特性を持つ有機繊維コードを用い、有機繊維コードをタイヤの赤道線方向に対し30°〜65°の角度をなすように配置している。このようにベルト保護層のコードを構成することにより、効果的にベルト保護層の伸張とコード張力の発生を実現することができる。
また、本発明では、ベルト保護層の有機繊維コードのコード打ち込み間隔を、主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きく設定している。
ベルト保護層においては、異物(FO)のコード間すり抜けを抑制する一方で、コードの配置が過密になると、重量が増加すると共に、タイヤ径方向内側の主ベルト層と比較して、高荷重、高たわみの条件下で、コードとゴムとのセパレーションの原因となる歪みが増加しやすくなる。そこで、本発明では、上記のように、ベルト保護層の有機繊維コードのコード打ち込み間隔を、主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きく設定している。これにより、ベルト保護層の周囲での歪み発生を抑制できると共に、空気入りタイヤの軽量化を図ることができる。
請求項2に記載の空気入りタイヤは、前記ベルト層に含まれる前記コード層のコードのタイヤ赤道線となす角度が、タイヤ半径方向外側に配置されたコード層が、タイヤ半径方向内側に配置されたコード層よりも大きいこと、を特徴とする。
異物(FO)の形状は様々であるが、特に、先端が鋭利な形状の異物(FO)は、タイヤトレッドゴムの外表面側からタイヤ内部へ進入してベルト保護層に達しやすい。この場合、異物(FO)によるコードの破断し易さは、コードの強力や破断伸び以外に、コードの張力そのものにも依存する。そこで、ベルト層に含まれるコード層のコードのタイヤ赤道面となす角度を、タイヤ半径方向外側に配置されたコード層が、タイヤ半径方向内側に配置されたコード層よりも大きくなるようにする。このように構成することにより、異物(FO)からより強い力が作用されるタイヤ半径方向外側のコード層における張力を低張力とすることができ、コードの破断を抑制することができる。また、タイヤ半径方向内側のコード層における張力を高張力とすることができる。
なお、主ベルト層は、異なるコード角度やコード物性を有する複数の層で構成されていてもよい。
請求項3に記載の空気入りタイヤは、前記ベルト保護層に含まれる前記有機繊維コードのコード長さ方向に直角な断面内において隣り合うコード中心間の距離をp、前記ベルト保護層のベルトプライ枚数をNとすると、p/N>1.03 の条件を満たすこと、を特徴とする。
前述のように、ベルト保護層においては、異物(FO)のコード間すり抜けを抑制する一方で、コードの配置が過密になると、重量が増加すると共に、タイヤ径方向内側の主ベルト層と比較して、高荷重、高たわみの条件下でセパレーションの原因となる歪みが増加しやすくなる。上記の条件が満たされるように、有機繊維コードを配置することにより、適切なベルト保護層の伸張と、相応なコード張力の発生を実現でき、ベルト保護層の周囲での歪み発生を抑制できると共に、空気入りタイヤの軽量化を図ることができる。
請求項4に記載の空気入りタイヤは、前記ベルト保護層の有機繊維コードが、芳香族ポリアミド系の有機繊維コードとされ、1本の総dtex数が3000以上7000以下の撚りコードであること、を特徴とする。
上記のように、有機繊維コードについて芳香族ポリアミド系の有機繊維コードとした場合には、通常ベルト層に使用される脂肪族ポリアミド系コードに比しておよそ2〜5倍の引張破断強度を有するため、異物(FO)の進入により生じるベルト保護層コードの張力を効果的に負担でき、より少ないベルトプライ数にて同様の効果を得ることができるため、タイヤ重量の低減に有利である。また、1本の総dtex数を3000以上7000以下の撚りコードとすることにより、ベルト保護層コード内部おける均一な張力負担の効果を得ることができる。
請求項5に記載の空気入りタイヤの前記ベルト保護層は、1方向に配列された前記有機繊維コードがゴム引きされて構成されたベルトプライがコード層毎にタイヤ周方向に巻回されて構成されていること、を特徴とする。
上記構成のベルトプライを使用することにより、タイヤの赤道面に対するコード角度を容易に設定することができ、最適な角度を容易に設定することができる。そして、最適な角度の設定により、走行時のタイヤ変形により発生する、ベルト保護層のベルトプライ間におけるせん断応力を小さくすることができ、ベルトプライ端部における剥離を抑制することができる。
請求項6に記載の空気入りタイヤは、請求項5の空気入りタイヤにおいて、前記ベルト保護層のタイヤ幅方向両端部において、隣接するコード層におけるコード間距離をタイヤ幅方向外側に向かって漸増させるゴムゲージが前記ベルトプライ間に設けられていること、を特徴とする。
このように、隣接するコード層におけるコード間距離をタイヤ幅方向外側に向かって漸増させるゴムゲージをベルトプライ間に設けることにより、より効果的にベルト保護層のベルトプライ間におけるせん断応力を小さくすることができ、ベルトプライ端部における剥離を抑制することができる。
請求項7に記載の空気入りタイヤは、前記ベルト保護層は、1又は複数本の前記有機繊維コードが長手方向に配置されてゴム被覆された帯状コード部材が、タイヤ幅方向縁部で反対方向に傾斜するように同一面内で屈曲されてタイヤ周方向にジグザグ状に延びるように巻き回されて構成されていること、を特徴とする。
上記構成のベルト保護層によれば、ベルト保護層のタイヤ幅方向端部におけるコード層間のせん断応力を小さくすることができ、タイヤ幅方向端部における層間剥離を抑制することができる。
なお、帯状コード部材は、タイヤショルダー部に向かって増加する機械的歪みと熱量発生の影響を回避するため、その終端および始端の位置が、タイヤ赤道面から、タイヤ幅の1/4以下の距離にあることが好ましい。
請求項8に記載の空気入りタイヤは、前記ベルト保護層のタイヤ幅方向両端部が、タイヤ幅方向両側で最も外側に位置するタイヤトレッド溝よりもタイヤ幅方向外側に配置されていること、を特徴とする。
上記構成によれば、すべてのタイヤトレッド溝のタイヤ半径方向内側にベルト保護層が配置されているので、より確実に、主ベルト層を保護することができる。
請求項9に記載の空気入りタイヤは、前記主ベルト層に含まれるコードは、引張破断強度が6.3cN/dtex以上、伸張方向に0.3cN/dtex荷重時の伸び率が0.2〜2.0%、伸張方向に2.1cN/dtex荷重時の伸び率が1.5〜7.0%、伸張方向に3.2cN/dtex荷重時の伸び率が2.2〜9.3%、の特性を持つ有機繊維コードであること、を特徴とする。
請求項9に記載の空気入りタイヤでは、主ベルト層に含まれるコードを、引張破断強度が6.3cN/dtex以上とされた高弾性の有機繊維コードとすることにより、必要な耐圧性能を満足することができる。
ここで、有機繊維コードの伸張方向に2.1cN/dtex荷重時の伸び率を1.5〜7.0%、伸張方向に3.2cN/dtex荷重時の伸び率を2.2〜9.3%とすることにより、目標の径成長の抑制を容易に達成することができる。
その理由は、航空機用の空気入りタイヤでは、標準状態の内圧負荷時におよそ2.1cN/dtexのコード張力が加わり、高速走行時におよそ3.2cN/dtexのコード張力が加わるが、有機繊維コードの伸び率が上記範囲を上回る場合、タイヤ内圧充填時においてタイヤ径方向の膨出を効果的に抑えられず、異物の刺さり込みに対する性能を期待できなくなるからである。
一方、有機繊維コードの伸び率が上記範囲を下回る場合、ベルトプライのタガ効果が大き過ぎるため、カーカスプライが必要以上にタイヤ幅方向に膨出する結果となり好ましくない。
さらに、有機繊維コードの伸張方向に0.3cN/dtex荷重時の伸び率を0.2〜2.0%とした理由は、以下に述べる通りである。
先ず、空気入りタイヤを加硫するに当り、航空機用空気入りタイヤの場合、通常、タイヤモールド内にて生タイヤが0.2〜2.0%ほど伸張するようにタイヤ外径が設定される。これは、加硫時に生タイヤ内部より負荷される圧力によってタイヤを均等に伸張させてコードの方向を揃え、コード打込みのばらつきを是正するためのものである。
この加硫工程においては、0.3cN/dtex程度の比較的小さい張力が有機繊維コードに作用するが、このときの有機繊維コードの伸び率が2.0%より大きいと、コード性状是正の効果が薄く、また、伸び率が0.2%より小さい場合には、加硫時の膨張時にコード張力が大となり、有機繊維コードがタイヤ径方向内側のゴムに食い込むなどの不都合が生じるからである。
(標準状態の内圧負荷時の定義)
なお、ここでの内圧、及び荷重は、TRA YEAR BOOKの2009年度版に規定されている内圧、及び荷重を採用している。例えば、航空機用ラジアルタイヤ1270×455R22 32PRの場合、規定内圧は1620kPa、規定荷重は24860kgである。なお、有機繊維コードは、伸張方向に0.3cN/dtex荷重時の伸び率が0.2〜1.5%、伸張方向に2.1cN/dtex荷重時の伸び率が1.5〜6.5%、伸張方向に3.2cN/dtex荷重時の伸び率が2.2〜8.3%のものがより好ましい。
以上説明したように、本発明の空気入りタイヤによれば、異物等のカットに対する耐久性を向上させると共に、軽量化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの断面図である。 本発明の実施形態に係る空気入りタイヤの分解斜視図である。 図1に示す空気入りタイヤのトレッドの拡大断面図である。 主ベルト層の一例としてのスパイラルベルトの平面図である。 主ベルト層の一例としての切り離しベルトの平面図である。 主ベルト層の一例としての無端ジグザグ巻きベルトの平面図である。 ベルト保護層の一例としての切り離しベルト(2枚)の(A)は平面図であり、(B)は幅方向断面図である。 ベルト保護層の一例としての切り離しベルト(3枚)の(A)は平面図であり、(B)は幅方向断面図である。 ベルト保護層の一例としての無端ジグザグ巻きベルトの(A)は平面図であり、(B)は幅方向断面図である。 FO貫入に伴うベルト保護層の内部仕事の説明図である。 波形ベルト保護層の(A)は平面図であり、(B)は幅方向断面図である。 FOをトレッド幅を超えるようにタイヤ幅方向に配置した場合の接地形状を示す図である。 FOをトレッド幅を超えるようにタイヤ幅方向に配置した場合のベルト保護層のタイヤ半径方向の変位を示す概念図である。 ベルト保護層のコードにFO貫入力が生じた場合の力の釣り合い状態を示す概念図である。 FOによりベルト保護層コードに生じる内部仕事と傾斜角度αとの関係を示すグラフである。
以下、図面にしたがって、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤについて説明する。本実施形態の空気入りタイヤ10は、航空機用に用いられる空気入りラジアルタイヤであり、タイヤサイズ:1270×455R22 32PRのものを例に説明する。
本実施形態の空気入りタイヤ10は、図1に示すように、ビード部12に丸型断面を有するビードコア14備えている。ビードコア14には、ゴム被覆された有機繊維コードがラジアル方向に配列された6枚のカーカスプライ(図示せず)よりなるカーカス層16が係留されている。
なお、フリッパーやチェーファーなどの他の構造部材は従来通りであり、図示を省略する。
図2にも示すように、カーカス層16のタイヤ半径方向外側のクラウン域外周面には、ベルト層20が設けられている。ベルト層20は、タイヤ半径方向Rの内側に配置される主ベルト層26、及び、主ベルト層26よりもタイヤ半径方向Rの外側に配置されるベルト保護層22で構成されている。主ベルト層26及びベルト保護層22の詳細については後述する。
ベルト層20のタイヤ径方向外側にはトレッド部23を構成するトレッドゴム層24が設けられている。また、カーカス層16のタイヤ幅方向Wの外側には、サイドウォール部25を構成するサイドゴム層23が設けられている。
(カーカス層)
カーカス層16を構成するカーカスプライには、有機繊維コードが用いられている。この有機繊維コードは、引張破断強度が6.3cN/dtex以上、伸張方向に0.2cN/dtex荷重時の伸び率が0.2〜1.8%、伸張方向に1.9cN/dtex荷重時の伸び率が1.4〜6.4%、伸張方向に2.9cN/dtex荷重時の伸び率が2.1〜8.6%であることが好ましい。カーカス層16には、芳香族ポリアミド系の繊維から構成された有機繊維コードを用いることができる。
この場合、下撚り係数が0.12〜0.85、より好ましくは0.17〜0.51、上撚り係数が0.4〜0.85とされた有機繊維コードが好ましい。
また、カーカス層16には、芳香族ポリアミド系の繊維と脂肪族ポリアミド系の繊維とを含む有機繊維コード(所謂ハイブリッドコード)を用いることもできる。
この場合、芳香族ポリアミド系の繊維と脂肪族ポリアミド系の繊維との重量比が、100:27〜255とされた有機繊維コードが好ましい。
さらに、カーカス層16には、芳香族ポリアミド系の有機繊維コードと脂肪族ポリアミド系の有機繊維コードとを撚り合わせ、かつポリアミド系の有機繊維コードの下撚り係数N1が0.12〜0.85、より好ましくは0.17〜0.51とされた有機繊維コード(所謂ハイブリッドコード)を用いることもできる。
一例として、本実施形態のカーカス層16には、ナイロンコードを用いることができる。
(主ベルト層)
図3に示すように、主ベルト層26は、複数枚のベルトプライ、本実施形態では、タイヤ径方向内側から第1ベルトプライ26A、第2ベルトプライ26B、第3ベルトプライ26C、第4ベルトプライ26D、第5ベルトプライ26E、第6ベルトプライ26F、第7ベルトプライ26G、第8ベルトプライ26H、及び、第9ベルトプライ26Iの9枚のベルトプライから構成されている。
本実施形態では、第1ベルトプライ26Aと第2ベルトプライ26Bは同じ幅に設定され、第3ベルトプライ26Cと第4ベルトプライ26Dは同じ幅に設定され、第5ベルトプライ26Eと第6ベルトプライ26Fは同じ幅に設定され、また、第7ベルトプライ26Gと第8ベルトプライ26Hは同じ幅に設定されている。
また、第1ベルトプライ26A及び第2ベルトプライ26Bよりも第3ベルトプライ26C及び第4ベルトプライ26Dのベルト幅が広く、第3ベルトプライ26C及び第4ベルトプライ26Dよりも第5ベルトプライ26E及び第6ベルトプライ26Fのベルト幅が広く、第5ベルトプライ26E及び第6ベルトプライ26Fよりも第7ベルトプライ26G及び第8ベルトプライ26Hのベルト幅が広く設定されている。したがって、主ベルト層26のタイヤ幅方向端部では、第7ベルトプライ26Gと第8ベルトプライ26Hとの2枚のベルトプライが積層されている。
主ベルト層26を構成するこれら第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hは、複数本の有機繊維コード27をゴム被覆することにより形成されている。これら第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hの有機繊維コード27は、引張破断強度を6.3cN/dtex以上とすることが好ましく、伸張方向に0.3cN/dtex荷重時の伸び率が0.2〜2.0%、伸張方向に2.1cN/dtex荷重時の伸び率が1.5〜7.0%、伸張方向に3.2cN/dtex荷重時の伸び率が2.2〜9.3%であることが好ましい
本実施形態の有機繊維コード27は、芳香族ポリアミド系の繊維から構成することができる。有機繊維コード27を芳香族ポリアミド系の繊維から構成した場合、下撚り係数は0.12〜0.85、好ましくは0.17〜0.51、上撚り係数は0.40〜0.80に設定することが好ましい。
本実施形態では、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hに、芳香族ポリアミド系の繊維、具体的にはデュポン社製ポリアミド繊維(商品タイプ名:KEVLAR(R)29、公称繊度3000デニール。以後、適宜ケブラーと呼ぶ。)からなる有機繊維コード27を用いた例について説明する。
芳香族ポリアミド系の有機繊維コードの製造方法は以下の通りである。
ケブラー(3000デニール=3340dtex)3本を、撚り機を用いて、下撚り係数が0.34になるように下撚り加工を行う。その後、下撚り糸3本を引き揃え、下撚りとは反対方向に上撚り係数が0.48になるように上撚り(S撚り)し、撚りコード加工する。撚りコードを株式会社市金工業社製コード処理機でディップ処理し製造する。
25±2°の室温中、株式会社島津製作所製オートグラフを用いてディップコードの引張破断強度を測定したところ、14cN/dtexの値を得ることができた。この時、ディップコードの引張り方向への応力が、0.3cN/dtex、2.1cN/dtex、及び3.2cN/dtexを示した時のディップコードの伸び率を測定したところ、それぞれ0.3%、2.2%、及び3.2%の値を得ることができた。なお、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hに用いた有機繊維コード(ケブラー)の強力は、1400Nである。
主ベルト層26を構成する第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hは、図4に示すように、複数本の有機繊維コード27をゴム被覆して構成した帯状の細長体32を準備し、この細長体32を隙間が生じないよう螺旋状に巻回することで形成した、いわゆるスパイラルベルトとすることができる。スパイラルベルトとした場合、有機繊維コード27の傾斜角度θは、タイヤ赤道面CLに対して略0°である。
また、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hは、図5に示すように、複数本の有機繊維コード27がタイヤ赤道面CLに対して所定の傾斜角度θをなすように配列すると共にゴム被覆して各ベルトプライに対応した幅に切断されたベルトプライを用い、このベルトプライをタイヤ周方向に巻回して形成することもできる。この場合、有機繊維コード27の傾斜角度θは、タイヤ赤道面CLに対して略10°〜30°とすることが好ましい。また、タイヤ径方向Rに隣り合うベルトプライの有機繊維コード27は、互いに交差するように、すなわち、タイヤ赤道面CLを挟んで、互いに逆方向に角度をなすように配置されていることが好ましい。
第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hにおいて、有機繊維コード27の打込み数は、4〜10本/10mmの範囲内が好ましい。本実施形態では、例えば、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hにおいて、有機繊維コードの打込み数を6.3本/10mmとすることができる。
ベルトプライがいずれの構成の場合であっても、タイヤ径方向R外側のベルトプライの有機繊維コードの傾斜角度θが、タイヤ径方向R内側のベルトプライの有機繊維コードの傾斜角度θ以上であることが好ましい。
図6に示すように、本実施形態の第9ベルトプライ26Iは、1または複数本の有機繊維コード29をゴム被覆して構成した帯状の細長体34を準備し、この細長体34をほぼ1周する毎に両プライ端間を1度だけ往復させながらタイヤ赤道面CLに対して傾斜角度θ2で傾斜させて周方向に巻き付けると共に、このような巻付けを細長体34間に隙間が生じないよう周方向にほぼ細長体34の幅だけずらして多数回巻回することで形成している(以後、適宜無端ジグザグ巻きベルトと呼ぶ。)。なお、傾斜角度θ2は、2〜25°とすることが好ましい。本実施形態では、例えばθ2を8°に設定することができる。
この結果、第9ベルトプライ26I内には両プライ端において折り曲げ方向を変えることによりジグザグしながらほぼ周方向に延びる有機繊維コード27が、該第9ベルトプライ26Iの全領域においてほぼ均一に埋設されることになる。
なお、このようにして形成された第9ベルトプライ26IAは、図6に示すように、タイヤ赤道面CLを挟んで、右上がりの有機繊維コード部分と、左上がりのコード部分とが互いに重なりあった形態となるので、右上がりのコードのみからなるベルトプライと左上がりのコードのみからなるベルトプライとを重ねた、いわゆる交差ベルトに相当する構成となり、実際には1枚のプライではあるが、本実施形態では、プライ数としては2枚としてカウントすることとする。
この第9ベルトプライ26Iには、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hに含まれる有機繊維コード27に対して弾性率が同等、あるいは小さい有機繊維コード(第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hの有機繊維コードに対して2.1cN/dtex荷重時の伸び率が略同等以上である有機繊維コード)を用いることが好ましい。
第9ベルトプライ26Iに用いる有機繊維コード29としては、ナイロン等の脂肪族ポリアミド系の繊維からなるコード、アラミド等の芳香族ポリアミド系の繊維とナイロン等の脂肪族ポリアミド系の繊維とを含むコード等が好ましい。例えば、ナイロンコード(撚り数:1260D//2/3、打込み数6.9本/10mm)を用いることができる。
また、第9ベルトプライ26Iに用いる有機繊維コード29の打込み数は、4〜10本/10mmの範囲内が好ましい。本実施形態では、有機繊維コードの打込み数が6.9本/10mmである。
なお、前述の第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hについて、第9ベルトプライ26Iの構成のものを用いることもでき、第9ベルトプライ26Iについて、第1ベルトプライ26A〜第8ベルトプライ26Hの構成のものを用いることもできる。
(ベルト保護層)
図3に示すように、主ベルト層26のタイヤ半径方向外側には、ゴム層30を介してベルト保護層22が設けられている。
ゴム層30の厚さの平均、すなわち、主ベルト層26の有機繊維コード27と後述するベルト保護層22の有機繊維コード36との間のコード間距離の平均は、主ベルト層26に用いられるコードの直径の1.5倍以上7.0倍以下とされている。このように、ゴム層30の厚さの平均を設定することにより、タイヤトレッド更正時におけるバフ作業の改善効果を得ることができる。
また、主ベルト層26の有機繊維コード27とベルト保護層22の有機繊維コード36との間のコード間距離の平均は、1.5mm〜4.5mmの範囲内が好ましい。
また、ベルト保護層22の有機繊維コード36の引張破断強度は、400N以上、2000N以下とされている。引張破断強度が400Nより小さい場合には、異物(FO)により有機繊維コードが切断されてベルト保護層22を異物(FO)が貫通しやすくなり、2000N以上の場合には、有機繊維コードの質量が増加してしまうためである。
ベルト保護層22は、図7(A)に示すように、タイヤ赤道面CLに対して、傾斜角度αで有機繊維コード36が互いに平行に並び、ゴムコーティングされた1枚のベルトプライ38を複数枚積層して構成されている(以下、ベルトプライのこの構成を「切り離しベルトプライ構成」という)。本実施形態では、図7(B)に示すように、2枚のベルトプライ38を積層して構成されている。有機繊維コード36は、引張破断強度が400N以上2000N以下の一方向強化繊維コードが用いられている。一方向強化繊維コードとしては、例えば、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミドなどを用いることができる。
ベルトプライ38の各々では、複数本の有機繊維コード36がタイヤ赤道面CLに対して傾斜角度αをなすように配列されている。傾斜角度αは、30°〜65°の範囲とされている。傾斜角度αをこの角度範囲に設定することにより、異物(FO)に対するベルト保護層22の内部仕事を高くすることができる。また、タイヤ径方向Rに隣り合うベルトプライ38の有機繊維コード36は、タイヤ赤道面CLに対して互いに逆方向に交差するように、すなわち、タイヤ赤道面CLに対して、逆方向に角度をなすように配置されている。また、ベルト保護層22の有機繊維コード36の傾斜角度αは、主ベルト層26の有機繊維コード27の傾斜角度θよりも大きくなっている。
ベルト保護層22のベルトプライ38において、有機繊維コード36の打込み数は、主ベルト層26における有機繊維コード27の打ち込み数よりも少なくなっている。すなわち、ベルト保護層22の有機繊維コード36の打ち込み間隔は、主ベルト層26における有機繊維コード27の打ち込み間隔よりも大きくなっている。ベルト保護層22においては、異物(FO)のコード間すり抜けを抑制する一方で、コードの配置が過密になると、重量が増加すると共に、タイヤ径方向内側の主ベルト層26と比較して、高荷重、高たわみの条件下でセパレーションの原因となる歪みが増加しやすくなる。そこで、本実施形態では、上記のように、ベルト保護層22の有機繊維コード36のコード打ち込み間隔を、主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きく設定している。これにより、ベルト保護層22の周囲での歪み発生を抑制できると共に、空気入りタイヤ10の軽量化を図ることができる。なお、ベルト保護層22の有機繊維コード36の打ち込み数は、3〜8本/10mmの範囲内とすることが好ましい。
さらに、ベルト保護層22に含まれる有機繊維コード36の、コード長さ方向に直角な断面内において隣り合うコード中心間の距離をp、前記ベルト保護層のベルトプライ枚数をNとすると、p/N>1.03 の条件を満たすことが好ましい。
上記の条件が満たされるように、有機繊維コード36を配置することにより、適切なベルト保護層22の伸張と、相応なコード張力の発生を実現でき、ベルト保護層22の周囲での歪み発生を抑制できると共に、空気入りタイヤ10の軽量化を図ることができる。
ベルト保護層22における有機繊維コード36は、芳香族ポリアミド系の有機繊維コードとされ、1本の総dtex数が3000以上7000以下の撚りコードであることが好ましい。このように構成された有機繊維コード36を用いることにより、空気入りタイヤ10の軽量化を図ることができる。
さらに、図7(B)に示すように、ベルト保護層22のタイヤ幅方向W両端部において、隣接するベルトプライ38間にゴムゲージ33(クッション)を設け、有機繊維コード36間距離をタイヤ幅方向外側に向かって漸増させることが好ましい。
このように、隣接する有機繊維コード36間距離を、タイヤ幅方向W外側に向かって漸増させるゴムゲージ33をベルトプライ38間に設けることにより、より効果的にベルト保護層22のベルトプライ38間におけるせん断応力を小さくすることができ、ベルトプライ38の端部における剥離を抑制することができる。
さらに、ベルト保護層22のタイヤ幅方向W両端部は、タイヤ幅方向W両側で最も外側に位置するタイヤトレッド溝29(図1、3参照)よりもタイヤ幅方向W外側に配置されている。このようにベルト保護層22を配置することにより、すべてのタイヤトレッド溝のタイヤ半径方向内側にベルト保護層22が配置されることとなり、より確実に、主ベルト層26を保護することができる。
なお、ベルト保護層22を構成するベルトプライ38は、図8に示すように、3枚としてもよいし、4枚以上としてもよい。
また、ベルト保護層22の構成としては、図9に示すように、1または複数本の有機繊維コード36(図9では4本)をゴム被覆して構成した帯状の細長体37を準備し、この細長体37をほぼ1周する毎に両プライ端間を1度だけ往復させながらタイヤ赤道面CLに対して傾斜角度αで傾斜させて周方向に巻き付けると共に、このような巻付けを細長体37間に隙間が生じないよう周方向にほぼ細長体37の幅だけずらして多数回巻回することで形成してもよい(第9ベルトプライ26Iと同様の構成)。このようにして形成されたベルトプライ39も、図9(A)に示すように、右上がりの有機繊維コード部分と、左上がりのコード部分とが互いに重なりあった形態となるので、右上がりのコードのみからなるベルトプライと左上がりのコードのみからなるベルトプライとを重ねた、いわゆる交差ベルトに相当する構成となり、実際には1枚のプライではあるが、本実施形態では、プライ数としては2枚としてカウントする。この場合の傾斜角度α、有機繊維コードの打ち込み間隔についても、前述と同様の条件とする。
次に、ベルト保護層22の機能、及び、前述した構成の根拠について説明する。
航空機用の空気入りタイヤ10が、荷重を支えた状態で走行路面上にあるForeign Object(FO)上を走行すると、トレッド面が高圧力でFOに押し付けられるため、トレッドゴム層24からベル卜層20において、局部的に非常に大きな変形と歪が生じる。その程度はFOの幾何学形状や硬度、ひいてはタイヤのクラウン形状や構造、材料に依存する。FOの貫入圧力がトレッドゴム材料の破壊強さを越える場合、カット傷を伴ってFOが空気入りタイヤ10の内部に侵入し、最も外側のベルト層20(ベルト保護層22)に到達する。
ベルト保護層22は、FOによる外部仕事を変形を介して自身の歪エネルギーに変換する。このベルト保護層22がFOに対峙している箇所周辺において、ベルト保護層22が全破断に到るまでの歪エネルギー極限がFOの外部仕事より大きければ、FOの空気入りタイヤ10内部への貫入は停止し、カット保護層としてのベルト保護層22の役割は果たされる。
またベルト保護層22の最初の1層(タイヤ径方向R最外側の層)が破断するまでの歪エネルギーがFOによる外部仕事より大きい場合は、ベルト保護層22の損傷もない。FO上に生ずる貫入力(F)はタイヤのエンベロープ特性に逆比例しており、略、FOによって失われる平坦路面との接地面積(S)とタイヤ内部圧力との積に比例する。対象とする問題をベルト保護層22の効果に限定する場合、ベルト保護層22のコードの充填率をβ(=πd/4p:コード方向に直角な断面内において、撚りコードの直径をd、隣り合うコード中心間の距離をpとする)、コード弾性率の代用としてコード強力をTb、コードのタイヤ赤道面CLに対する角度をα、ベルト保護層22の枚数をNとした場合、S=Func(α,β,Tb,N)の関係にある。そして、空気入りタイヤ10に対して貫入するFOにより生ずる、ベルト保護層22の歪エネルギー(SE)を、如何に極大化するかが重要である。これにはベルト保護層22のコードの伸び(El)とコードに発生する張力(Tc)が関係している(図10参照)。コードの伸び(El)は、コード歪(ε)×コードの代表長さ(L)で表される。
Figure 2011121439
ストロークに着眼してベルト保護層22で吸収するエネルギーを大きくする方法に、コードKの形状を波型にして局部大変形において伸び易くしタイヤのエンベロープ性を高める方法があり(以下この構成のベルト保護層を「波形ベルト保護層N」という)、従来技術として広く用いられている(図11参照)。この方法は特に、タイヤトレッド幅の大部分に対して貫入しようとするFOに対して有用である。例えば、図12−A、12−Bに示すように、タイヤのトレッド幅全体を覆うように刃状のFO突起がタイヤ幅方向でタイヤ接地の中心位置に配置され、タイヤに規定荷重が負荷される場合を考える。タイヤ赤道面を含む断面内で、FOによるベルト保護層のコードの強制的変位を仮定した幾何学的関係より、ベルト保護層i層目のコードに生ずる歪εiは以下の式で表される。なお、εbiは、各ベルト保護層のコードの内、最小の切断伸度を示す。また、δはFOがタイヤに貫入した際の、ベルト保護層のタイヤ径方向内側への変位量を示すが、FOの高さ(h)とトレッドゴム厚さ(t)との差で代用できる。
Figure 2011121439
FOに起因する接地長さの損失2aの値は、先述のようにα、β、E、Nなどベルト保護層の設計因子に依存するが、主ベルト層26を同一とし、FOのタイヤ幅方向長のタイヤトレッド幅に対する割合が1/2以上であれば、FOに起因する接地長さの損失2aの値はほぼ一定と考えてよい。大型航空機の使用に供されるラジアルタイヤの場合接地長さの損失2aは、FO高さ30mmとすれば、タイヤ赤道面位置での接地長さLの20%〜30%程度であり、タイヤの規定荷重の略35%〜50%の割合でFO上に動的反力が生じる。
波型ベルト保護層Nは、係るコード歪εに対して、波の振幅と波長を適切に調節する結果、使用するコードの破断特性に対して十分な伸びを保持することを容易に可能とする。 ところが波型ベルト保護層Nは、FOの形状が、比較的みなし小径の棒状で突起高さが高い場合には、時折、FOがベルト保護層のコードに十分な張力を与えないまま、FOがコード間を通過してしまうことがある。このような状況下においては、波型ベルト保護層Nは、カット保護層としての機能を十分果たすことができない。
このような事態を回避する手段としては、複数のベルト保護層を設けたり、複数のベルト保護層において隣接するベルトプライのコードが互いに交差するように配置したりすることが有効である。
また、ストロークを一定以上確保する観点で、タイヤ周方向断面での変形が支配的である場合は、(2)式から明らかなように、αを増加させることが効果的である。すなわち、ベルト保護層の構成として、1方向に配列された前記有機繊維コード(一方向強化繊維コード)がゴム引きされて構成されたベルトプライをコード層毎にタイヤ周方向に巻回した構成とし、タイヤ赤道面に対するコードの角度αを増加させることにより、タイヤの周方向断面内と幅方向断面内におけるベルト保護層の曲率を適切に制御し、ストロークを大きく取ることが可能となる。FOの形状が小径棒状の場合は、平坦路面との接地面積のロスがタイヤ周方向とタイヤ幅方向に分離される。この場合、それぞれの方向に対する非接地部楕円の長軸の長さを2a1、2a2とおけば、これらは、α、β、Tb、Nなどベルト保護層の設計因子とFOに拠るベルト保護層の垂直方向変位δのべき乗に依存し、以下の式で表される。
Figure 2011121439
よって、ベルト保護層コードに生ずる伸びElは、(2)式若しくは(3)式で表される歪に、タイヤ接地長に対応するコード初期長さLを乗ずれば得られる。
一方で、FO上に生ずる反力、ひいてはベルト保護層内に発生するコード張力を大きくする方法には、破断強度の高いコードを稠密な打ち込みで用いる他に、前述した、複数のベルト保護層を用いる方法がある。例えば、図13に示すように幅wの刃状のFO突起がタイヤ幅方向に平行配置され、規定荷重が負荷される場合、タイヤ赤道面を含む断面内における貫入力Fとベルト保護層i層目のコード張力Tciの釣り合い関係より、以下が求まる。pはベルト保護層内で隣接するコード間の中心距離を、Tb minは各層のコード強力のうち最小値を表す。
Figure 2011121439
FOの形状が小径棒状でトレッドでエンベロープの場合は、(3)式と同様に以下が求まる。
Figure 2011121439
一方で、FO上に生ずる貫入力(F)は、平坦路面(FOなし)とタイヤとの実質接地面積をAと置き、FOによって失われる路面との接地部分を楕円と仮定すれば、FO高さによって生ずるベルト保護層のコードの垂直変位δのべき乗効果を鑑みて次式で表される。
Figure 2011121439
また、複数のベルト保護層において、ベルトプライのコードをタイヤ赤道面に対して互いに交差させた場合、ベルト保護層間の相互拘束を高め、貫入するFOに対しコードの逃げを封じる効果を以ってコード張力を更に高めることができる。
以上を鑑み数学的記述に従って考えれば、幅の広い大型のFOの場合には、式(2)と式(4)を、小型のFOについては式(3)と式(5)を式(6)を考慮しつつ、式(1)で、ベルト保護層の歪みエネルギー(SE)を最大化することに他ならない。
大型航空機用ラヂアルタイヤがトレッド幅を超える幅(w)のFO上を通過する場合、前述のようにタイヤ規定荷重の約60%(約125kN)がFO上に加わることになる。標準的な諸元として、ベルト保護層をコード傾斜角度が同一角度α°のN枚構成とし、W=400mm、a=0.15L=74mm、δ=30mmと仮定すれば、コードが破断しないために必要なTb(N)は、式(4)を元に、αとp/Nを変数に調べると、下記の表のように得られる。
Figure 2011121439
p/N=0.9(p=1.8mm)の場合は、コード間距離が過密過ぎ、TSO動的ドラム試験においてベルト保護層端部にセパレーション故障が発生するという問題が生じた。よって、p/N>l.03であることが好ましい。また、Tb>400Nを必須条件とする。p/N=2.3かつN=1(単層)については、別途実施した試験において、φ=20mmの棒状FOがベルト保護層をすり抜けてしまい、主ベルト層26に損傷を与えた。これと同じp(=2.3mm)でN=2(複層)の場合はベルト保護層面でFOの貫入を食い止めることができ、ベルト保護層の機能を正常に発揮した。
一方、図14には、大型航空機用ラヂアルタイヤの基本設計仕様に基き、小型のFO(φ40mmの円柱を想定)に関して、ベルト保護層の変位量δ毎に、ベルト保護層のコード傾斜角度αとベルト保護層のコードに生じる内部仕事との関係を表すグラフが示されている。ここで、コード強力は400Nとし、この値以上の張力は発生しないことを考慮している。図14より、一定高さ以上のFOに関しては、30°〜65°のαの範囲が有効であることが判る。これは、コードに生ずる歪が、エンベロープ特性に起因してαの該範囲に対して極大値を持つこと、コードの張力はαの増加に対して単調減少傾向があるが、浅い角度のαに対しては、コード強力でFOがカットオフされることに由来すると考えられる。
前述の実施形態で説明した空気入りタイヤ10についての実施例を以下に示す。タイヤサイズとしては、航空機の用途に供される50X20.0R22 32PRのものを用いた。ベルト保護層22の構成としては、切り離しベルトプライを2層重ね、隣接するベルトプライのコードが交差するように配置し、ベルトプライ間の端部にクッション(ゴムゲージ)を設けたもの、無端ジグザグ巻きベルトで2層を構成したもの、切り離しベルトプライを3層重ね、隣接するベルトプライのコードが交差するように配置し、ベルトプライ間の端部にクッション(ゴムゲージ)を設けたもの、を用意し、ベルト保護層のコード破断強度、ベルト保護層コードのタイヤ赤道面に対する角度α、ベルト保護層のコード径、ベルト保護層のコードピッチ/枚数、について、実施例1〜8、比較例1〜5、及び、波形にコードを配置した従来技術を、表2−1、表2−2のように設定した。
なお、ベルト保護層22の角度αは、タイヤ半径方向外側にあるベルト層から内側の層に向かっての構成を順に示している。以下の例に用いられる主ベルト層およびベルト保護図のコードは、全て芳香族ポリアミド繊維で構成されている。
Figure 2011121439
Figure 2011121439
表1の実施例1〜8、比較例1〜5、及び、波形にコードを配置した従来技術において、実機評価で、カット外傷による不良率、テイクオフドラム耐久力(回数、故障形態)、質量、について、表3−1、表3−2の結果を得た。
なお、カット外傷による不良率は、主ベルトに到達したカット個数を指標にし、従来技術(波型ベルト保護層)を100としてINDEX表示している(数値が小さい程、良)。テイクオフドラム耐久力(回数)は、トレッド溝深さの3分の2に相当するトレッドゴムを新品タイヤから取り除き、20mmφ×高さ30mmの鋼鉄製円柱状の突起に対して、ショルダー部をTRA規定内圧に規定荷重条件で押し当てた後、離陸テストを繰り返し行なって、故障までの耐久力を見た(指数が大きい程、良)。また、「質量」の欄には、タイヤ質量を軽量性の指標として記している(指数が小さいほど、軽量)。
Figure 2011121439
Figure 2011121439
上記の結果より、以下のことが明確となっている。
切り離しベルトプライは複数層とし、タイヤ径方向に隣接するコード層のコードがタイヤ赤道面に対して互いに逆方向に交差するように配置した場合に、カット外傷による不良率が小さくなっている。
また、ベルト保護層のコードの引張破断強度は、400N以上で、カット外傷による不良率が小さくなっている。
また、隣り合うコード中心間の距離p、ベルト保護層のベルトプライ枚数をNとして、p/N>1.03 の場合に、カット外傷による不良率が小さくなっている。
また、ベルト保護層のコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度αの絶対値が、30°〜65°の場合に、カット外傷による不良率が小さくなっている。
また、ベルト保護層のベルトプライ間端部に、クッションゴム(ゴムゲージ)を設けた場合に、テイクオフドラム耐久力が向上している。
また、ベルト保護層のコードの引張破断強度が1400Nを超えると、質量指数が増加すると共に、ベルト保護層のベルト端にセパレーションが生じやすくなっている。
10 空気入りタイヤ
20 ベルト層
22 ベルト保護層
26 主ベルト層
27 有機繊維コード
29 タイヤトレッド溝
33 ゴムゲージ
36 有機繊維コード
37 細長体
38 ベルトプライ
39 ベルトプライ
CL タイヤ赤道面

Claims (9)

  1. 一対のビードコアと、一方のビードコアから他方のビードコアに向けてトロイド状に延びる少なくとも1枚以上のカーカスプライからなるカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ半径方向外側のクラウン域外周面に配置されコードを含む少なくとも1枚以上のベルトプライからなるベルト層と、を備えた空気入りタイヤであって、
    前記ベルト層が、タイヤ半径方向最外側に配置されたベルト保護層と、前記ベルト保護層よりもタイヤ半径方向内側に配置された主ベルト層と、を含み、
    前記ベルト保護層は、タイヤの幅方向断面において前記主ベルト層とのコード間平均距離が前記主ベルト層に用いられるコードの直径平均の1.5倍以上7.0倍以下とされ、引張破断強度が400N以上2000N以下の特性を持つ有機繊維コードを有し、実質2層以上のコード層構造とされ、前記コード層の前記有機繊維コードはタイヤの赤道面に対し30°〜65°の角度をなし、タイヤ半径方向に隣り合って積層される前記コード層の前記有機繊維コードは前記タイヤ赤道面に対して互いに逆方向に交差するように配置され、
    前記ベルト保護層の前記有機繊維コードのコード打ち込み間隔は、前記主ベルト層のコードのコード打ち込み間隔よりも大きいこと、を特徴とする、空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト層に含まれる前記コード層のコードのタイヤ赤道面となす角度は、タイヤ半径方向外側に配置されたコード層が、タイヤ半径方向内側に配置されたコード層よりも大きいこと、を特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト保護層に含まれる前記有機繊維コードのコード長さ方向に直角な断面内において隣り合うコード中心間の距離をp、前記ベルト保護層のベルトプライ枚数をNとすると、
    p/N>1.03 の条件を満たすこと、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト保護層の有機繊維コードは、芳香族ポリアミド系の有機繊維コードとされ、1本の総dtex数が3000以上7000以下の撚りコードであること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ベルト保護層は、1方向に配列された前記有機繊維コードがゴム引きされて構成されたベルトプライがコード層毎にタイヤ周方向に巻回されて構成されていること、を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ベルト保護層のタイヤ幅方向両端部において、隣接するコード層におけるコード間距離をタイヤ幅方向外側に向かって漸増させるゴムゲージが前記ベルトプライ間に設けられていること、を特徴とする請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ベルト保護層は、1又は複数本の前記有機繊維コードが長手方向に配置されてゴム被覆された帯状コード部材が、タイヤ幅方向縁部で反対方向に傾斜するように同一面内で屈曲されてタイヤ周方向にジグザグ状に延びるように巻き回されて構成されていること、を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ベルト保護層のタイヤ幅方向両端部が、タイヤ幅方向両側で最も外側に位置するタイヤトレッド溝よりもタイヤ幅方向外側に配置されていること、を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記主ベルト層に含まれるコードは、引張破断強度が6.3cN/dtex以上、伸張方向に0.3cN/dtex荷重時の伸び率が0.2〜2.0%、伸張方向に2.1cN/dtex荷重時の伸び率が1.5〜7.0%、伸張方向に3.2cN/dtex荷重時の伸び率が2.2〜9.3%、の特性を持つ有機繊維コードであること、を特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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