JP2011121079A - 熱延鋼板の製造方法および製造装置 - Google Patents

熱延鋼板の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱間仕上連続圧延機のダミースタンドに隣接する2基の圧延スタンド間の鋼板の通板を安定化し、熱間仕上連続圧延機の少なくとも一基の中間圧延スタンドをダミースタンドとする際に、従来よりも安定して熱間圧延ラインの操業を行うことができるようにする。
【解決手段】タンデムに配置される7基の圧延スタンドF1〜F7と、隣接する2つの圧延スタンド間に配置されるルーパL1〜L6とを備える熱間仕上連続圧延機CMにおける中間圧延スタンドF6をダミースタンドとして鋼板Sを圧延する際に、入側ルーパL5のルーパロール、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6、および、出側ルーパL7のルーパロールの全てが鋼板Sに接触して鋼板をその板厚方向へ互い違いに押圧するように、入側ルーパL5のルーパロールの位置、および/または、出側ルーパL7のルーパロールの位置を、制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱延鋼板の製造方法および製造装置に関し、具体的には、熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドをダミースタンドとして鋼板の熱間仕上圧延を行って熱延鋼板を製造する方法および装置に関する。
熱延鋼板は、タンデムに配置された3基以上の圧延スタンドの圧延機を有する熱間仕上連続圧延機を用いて、予め指定された寸法緒元(板幅、板厚、温度等)を満足するように連続圧延を行われて製造される。熱間仕上連続圧延機により製造される鋼板の板厚が例えば8mm越と厚い場合には、熱間仕上連続圧延機の全ての圧延スタンドの圧延機を用いる必要がないことがあり、このような場合には、1基以上の圧延スタンドの上下のワークロールのロールギャップを鋼板の板厚よりも大きく設定して鋼板を圧延しないスタンド(本明細書では「ダミースタンド」という)とすることがある。
1基以上の圧延スタンドをダミースタンドとする際には、最終スタンドではなく中間スタンドをダミースタンドとすることが多い。その理由は、熱間仕上連続圧延機では、通常、板厚計、板幅計さらには温度計等の各種測定器が最終スタンドの出側に配置されており、これら各種計測器の実測値に基づいて最終スタンドのワークロールの圧下開度、張力さらには冷却装置等をフィードバック制御する。このため、最終スタンドをダミースタンドとしてしまうと、現に圧延を行っている複数の圧延スタンドのうち最下流に位置する中間スタンドからこれら各種測定器までの距離が増加し、フィードバック制御の効果が減殺されるためである。
また、熱間仕上連続圧延機により製造される鋼板の板厚が厚い場合以外にも、例えば、中間スタンドのワークロールの駆動モータが故障した場合には、その修理のために10日間前後この中間スタンドの操業を停止する必要がある。この際に熱間仕上連続圧延機の操業停止時間を最小限に抑えるために、修理の準備が完了するまでの間、鋼板をこの中間スタンドの次のスタンドまで搬送するための暫定モータを、故障した駆動モータの替わりにこの中間スタンドに設置することによって、この中間スタンドをダミースタンドとすることがある。
特許文献1には、複数の圧延スタンドを有する連続圧延機における中間スタンドをダミースタンドとして鋼板を製造する際に、鋼板を、鋼板の先端がダミースタンドを通過して次の圧延スタンドの上下のワークロールに噛み込むまでの間はダミースタンドのワークロールに接触させ、その後は、ダミースタンドのワークロールには接触させずにダミースタンドの入側に配置されるルーパ(本明細書では「入側ルーパ」という)のルーパロールにより押圧することによって、圧延を継続して行う発明が開示されている。
特許文献1により開示された発明は、通常は隣接する二つの圧延スタンド間の鋼板を1基のルーパのルーパロールにより押圧する操業を、ダミースタンドの一つ上流の圧延スタンドとダミースタンドの一つ下流の圧延スタンドとの間の鋼板を1基の入側ルーパのルーパロールにより押圧する操業に変更するだけで実施することができる。
特開平10−137824号公報
特許文献1により開示された発明によれば、板厚が比較的厚い鋼板であれば問題なく圧延を継続して行うことができ、これにより、故障したワークロールの駆動モータの修理に伴う連続圧延機の操業停止期間を、10日間前後から大幅に短縮することが可能になる。
しかし、隣接する圧延スタンド間を通板時の鋼板の張力は、鋼板の温度変動に起因する荷重変動等といった外乱により変動し、これによりこの圧延スタンド間で鋼板を支えるルーパの角度も変動する。このようにして、圧延スタンド間を通板時の鋼板の張力が低下すると、鋼板がルーパのルーパロールから離れてサイドガイドやエプロン等に接触し、鋼板に表面疵が発生したり、最悪の場合には、鋼板がこれらの設備に引っ掛かり圧延が停止するといった操業トラブルが発生する。
一般的に、圧延スタンド間では、鋼板の張力およびルーパの角度がいずれも所定値となるように制御する必要があるが、鋼板の板厚が薄くなるほど、また、圧延スタンド間の距離が長くなるほど、圧延スタンド間での鋼板の張力およびルーパの角度の制御が難しくなることが知られている。
このように、板厚が薄い鋼板の圧延は、隣接する圧延スタンド間(1スタンド間)の鋼板を1基のルーパのルーパロールにより押圧する通常の操業であっても、安定的に行うことは容易ではないため、特許文献1により開示された発明のように、ダミースタンドに隣接する2基の圧延スタンド間(2スタンド間)の鋼板を1つの入側ルーパのルーパロールにより押圧する操業では、なおさらのこと、安定した圧延を行うことが難しく、鋼板の表面疵や操業トラブルが頻発し易い。
また、後述するためにここでは簡単に説明するが、特許文献1により開示された発明において鋼板を、ダミースタンドのワークロールに接触させないためには、入側ルーパのルーパロールの最高点の位置を、ダミースタンドの上ワークロールの最下点の位置よりも低く設定する必要がある。
しかし、入側ルーパのルーパロールの位置をこのように低く維持し続けることは設備能力上難しく、実際には目標の位置の近傍である程度不可避的に変動する。このため、入側ルーパのルーパロールの頂点の高さが低下し過ぎた場合に鋼板がルーパロールから離れ、ルーパロールにより拘束されなくなった鋼板の位置が板幅方向へ変動し、サイドガイドやエプロン等と干渉し、圧延トラブルが発生し易い。
本発明は、このような従来の技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドをダミースタンドとして鋼板の熱間仕上圧延を行って、熱延鋼板を製造する際に、ダミースタンドに隣接する二つの圧延スタンド間における鋼板の表面疵や、圧延トラブルの発生を抑制することができる熱延鋼板の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、後述する図1、6、9に例示するように、ダミースタンドの一つ上流に隣接する圧延スタンドと、ダミースタンドの一つ下流に隣接する圧延スタンドとの間にある鋼板に、ダミースタンドと上流に隣接する圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、ダミースタンドの上ワークロール、およびダミースタンドと一つ下流に隣接する圧延スタンドとの間に配置されるルーパ(本明細書では「出側ルーパ」という)のルーパロールの全てが接触すること、望ましくは、接触して鋼板をその板厚方向へ互い違いに押圧することによって、ダミースタンドを設定した場合においても、安定して圧延することが可能になり、鋼板の表面疵の不良やトラブルを抑制できるようになることを知見し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
本発明は、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの圧延スタンド間に配置されるルーパとを備える熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドを、この中間圧延スタンドのワークロールのロールギャップがこのワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定されることによってこの鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いて、この鋼板を圧延する際に、ダミースタンドとこのダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、ダミースタンドの上ワークロール、および、ダミースタンドとダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールの全てが鋼板に接触するように、望ましくは、入側ルーパのルーパロール、ダミースタンドの上ワークロール、および、出側ルーパのルーパロールの全てが、鋼板に接触して鋼板をその板厚方向へ互い違いに押圧するように、入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、出側ルーパのルーパロールの位置を、望ましくはさらにダミースタンドの上ワークロールの位置を、制御することを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。
また、本発明は、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの圧延スタンド間に配置されるルーパとを備える熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドを、この中間圧延スタンドのワークロールのロールギャップがこのワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定されることによってこの鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いて、この鋼板を圧延する際に、ダミースタンドとこのダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、およびダミースタンドとこのダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールのうちの一方のルーパロールの最高部の位置が、ダミースタンドの上ワークロールの最低部よりも高い位置となるとともに、入側ルーパのルーパロール、および出側ルーパのルーパロールのうちの残りの一方のルーパロールの少なくとも一部が、ダミースタンドの上ワークロールおよび鋼板の接点と、ダミースタンドの一つ下流または上流に配置される圧延スタンドのワークロールの会合部との間における鋼板の存在位置以上の位置、望ましくは前記接点と前記会合部とを結ぶ線が存在する位置以上の位置に存在するように、入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、出側ルーパのルーパロールの位置を、望ましくはさらにダミースタンドの上ワークロールの位置を、制御することを特徴とする熱延鋼板の製造方法である。この場合に、入側ルーパのルーパロール、および出側ルーパのルーパロールそれぞれの最高部の位置が、いずれも、ダミースタンドの上ワークロールの最低部の位置よりも高いことが望ましい。
別の観点からは、本発明は、そのワークロールのロールギャップを、このワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定することによって、この鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いることが可能な中間圧延スタンドを含むとともに、熱間仕上連続圧延機を構成する、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの圧延スタンド間に配置されるルーパと、ダミースタンドとして用いられる中間圧延スタンドと、このダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、ダミースタンドの上ワークロール、および、ダミースタンドとこのダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールの全てが鋼板に接触するように、入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、出側ルーパのルーパロールの位置を制御する制御装置とを備えることを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
また、本発明は、そのワークロールのロールギャップを、このワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定することによって、この鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いることが可能な中間圧延スタンドを含むとともに、熱間仕上連続圧延機を構成する、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの圧延スタンド間に配置されるルーパと、ダミースタンドとこのダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、およびダミースタンドとこのダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールのうちの一方のルーパロールの最高部の位置が、ダミースタンドの上ワークロールの最低部よりも高い位置となるとともに、入側ルーパのルーパロール、および出側ルーパのルーパロールのうちの残りの一方のルーパロールの少なくとも一部が、ダミースタンドの上ワークロールおよび鋼板の接点と、ダミースタンドの一つ下流または上流に配置される圧延スタンドのワークロールの会合部との間におけるこの鋼板の存在位置以上の位置に存在するように、入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、出側ルーパのルーパロールの位置を、制御する制御装置とを備えることを特徴とする熱延鋼板の製造装置である。
これらの本発明では、鋼板へのスリ疵発生防止およびロール摩耗抑制のために、ダミースタンドの上ワークロールの周速度を、このダミースタンドを通板する際の鋼板の通板速度と略一致させることが望ましい。
これらの本発明では、入側ルーパのルーパロールの位置は、入側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルク、および/または、ダミースタンドの一つ上流または一つ下流に配置される圧延スタンドのワークロールの駆動モータの速度を変更して、入側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度と鋼板の張力とを制御することによって、制御されるとともに、出側ルーパのルーパロールの位置は、出側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルクを変更して、出側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度を制御することによって、制御されることが望ましい。
これらの本発明では、入側ルーパのルーパロールの位置は、入側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルクを変更して、入側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度を制御することによって、制御されるとともに、出側ルーパのルーパロールの位置は、出側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルク、および/または、ダミースタンドの一つ下流または一つ上流に配置される圧延スタンドのワークロールの駆動モータの速度を変更して、出側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度と鋼板の張力とを制御することによって、制御されることが望ましい。
これらの本発明では、鋼板の張力は、ダミースタンドと入側ルーパまたは出側ルーパとの間における鋼板が水平面となす角度を用いて算出される張力の演算値に基づいて、制御されることが望ましい。
これらの本発明では、入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、出側ルーパのルーパロールの位置の制御を行うことができる、入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または出側ルーパのルーパ角度の目標値と、ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙との関係に基づいて、入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または出側ルーパのルーパ角度の目標値、または、ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙を決定することが望ましい。この場合に、入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または出側ルーパのルーパ角度の目標値は8deg以上であるとともに、ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙は10mm以上40mm以下であることが例示される。すなわち、ルーパ角度の目標値は、このルーパロールの最高点の高さがダミースタンドの上ロールの最低点の高さより高くなるルーパ角度、例えば8deg以上であることが望ましい。また、ワークロールのロール間隙は、ダミースタンドを通過する鋼板の板厚および形状変化によるばたつきによりダミースタンドの下ロールと鋼板とが接触しない間隙、例えば10mm以上であることが望ましく、一方、設備仕様から定められるダミースタンドの上ロールを最も持ち上げた時のダミースタンドの上ロールの最低点、あるいは設備仕様から定められるルーパロールの最高点の上限のどちらか低い方から定められる間隙、例えば40mm以であることが望ましい。
これらの本発明では、
(a)鋼板の先端がダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドの上下のワークロールに噛み込んだ後に、入側ルーパのルーパロール、および出側ルーパのルーパロールを所定の目標位置に上昇して鋼板に接触させるとともに、鋼板の後端がダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドの上下のワークロールを抜けるまでの間に、入側ルーパのルーパロール、および出側ルーパのルーパロールを下降して鋼板から離すこと、
(b)鋼板の板幅方向の板厚分布を変更する形状アクチュエータは、ダミースタンドでは圧延中に変更しないこと、
(c)ダミースタンドのワークロールの駆動モータの速度の制御は、ドルーピング機能を有すること、
(d)ダミースタンドの上下ワークロールの入サイドガイドおよび出側サイドガイド、ならびに、デスケーラー、鋼板冷却スプレー、ローラ冷却水は、圧延中に使用すること、
(e)ダミースタンドは、上下のワークロールを撤去した後に、駆動モータ、軸受(シール、軸受、箱)、スピンドル、ユニバーサルジョイントおよびダミーロールからなる装置を上下1基ずつの計2基により、構成されること、
(f)ダミースタンドの上下のワークロールの冷却方法は、他の圧延スタンドの上下のワークロールの冷却方法と同様であること、または
(g)ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙の変更方法は、他の圧延スタンドの上下のワークロールのロール間隙の変更方法と同様であること
が望ましい。
本発明によれば、熱間仕上連続圧延機のダミースタンドに隣接する2基の圧延スタンド間の鋼板の通板を安定化することができ、鋼板の予期せぬ挙動によるトラブルの発生を防止できるようになるので、熱間仕上連続圧延機の少なくとも一基の中間圧延スタンドをダミースタンドとする際に、従来よりも安定して熱間圧延ラインの操業を行うことができるようになる。
本発明の形態例を模式的に示す説明図である。 従来の技術の形態例を模式的に示す説明図である。 ダミースタンドを設定しない通常操業における隣接する圧延スタンド間における鋼板を模式的に示す説明図である。 本発明における隣接する圧延スタンド間における鋼板を模式的に示す説明図である。 図5(a)および図5(b)は、いずれも、従来の技術における隣接する圧延スタンド間における鋼板を模式的に示す説明図である。 図6(a)および図6(b)は、いずれも、本発明における隣接する圧延スタンド間における鋼板を模式的に示す説明図である。 図7(a)は、従来の技術における入側ルーパの操業制約条件を示すグラフであり、図7(b)は、従来の技術における出側ルーパの操業制約条件を示すグラフである。 図8(a)は、本発明における入側ルーパの操業制約条件を示すグラフであり、図8(b)は、本発明における出側ルーパの操業制約条件を示すグラフである。 本発明の形態例を模式的に示す説明図である。 図10(a)および図10(b)は、通常の圧延スタンドの上下のワークロールを駆動するモータが故障したときに、上下のワークロールを撤去した後に組み込む搬送ロール付きの暫定モータの機器構成の一例を模式的に示す説明図である。 トラブルの本発明と従来技術との比較結果を示すグラフである。
本発明に係る熱延鋼板の製造方法および製造装置を実施するための形態を、添付図面を参照しながら、説明する。
図1は、本発明の形態例を模式的に示す説明図であり、図2は、特許文献1により開示された従来の技術の形態例を模式的に示す説明図である。
図1、2に示す例では、いずれも、7基の圧延スタンドF1、F2、F3、F4、F5、F6、F7と、隣接する2つの圧延スタンド間F1−F2、F2−F3、F3−F4、F4−F5、F5−F6、F6−F7にそれぞれ配置されるルーパL1、L2、L3、L4、L5、L6とを備える熱間仕上連続圧延機CMにおける中間圧延スタンドF6を、中間圧延スタンドF6の上下のワークロールUWR6、LWR6のロールギャップが鋼板Sの板厚よりも大きく設定されることによってこの鋼板Sを圧延しないダミースタンドとして、鋼板Sを圧延する。
なお、図1では圧延スタンドF6をダミースタンドとするが、本発明はこれに限定されるものではなく、設備故障時の対応として圧延スタンドF2〜F5のいずれかをダミースタンドとしてもよいことは、いうまでもない。
図2に示すように、特許文献1により開示された発明では、ダミースタンドである圧延スタンドF6に隣接する2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sをその板厚方向へ、ダミースタンドF6の入側に配置された入側ルーパL5のルーパロールL5Rのみで押圧する。
これに対し、ダミースタンドF6に隣接する2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sの圧延を安定化するためには、入側ルーパL5のルーパロールL5RとともにダミースタンドF6の出側に配置された出側ルーパL6のルーパロールL6Rも用いて鋼板Sに接触させること、望ましくは鋼板Sをその板厚方向へ互い違いに押圧することが有利である。
しかし、ダミースタンドF6に隣接する2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sを、入側ルーパL5のルーパロールL5R、および出側ルーパL6のルーパロールL6Rによりその板厚方向へ押圧すると、入側ルーパL5の角度、もしくは、出側ルーパL6の角度によっては、鋼板SといずれかのルーパロールL5R、L6Rとが非接触状態になり易く、鋼板Sの張力の制御が難しくなるのみならず、ルーパロールL5R、およびL6Rによる鋼板Sの押圧面が、いずれも、鋼板Sの一方の面(裏面)のみとなるため、鋼板Sの拘束が不安定になるおそれがある。
本発明では、図1に示すように、ダミースタンドF6に隣接する2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sをその板厚方向へ、入側ルーパL5のルーパロールL5Rおよび出側ルーパL6のルーパロールL6Rにより押圧することと併せて、さらに、鋼板Sのもう一方の面(表面)をその板厚方向へダミースタンドF6の上ワークロールUWR6により押圧することができるように、入側ルーパL5のルーパロールL5Rの位置、および/または、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの位置を、望ましくはさらにダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の位置をも、制御することによって、ダミースタンドF6に隣接する2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sをその板厚方向へ互い違いに3点で押圧する。これにより、鋼板Sの裏面→表面→裏面と交互に支えるために鋼板Sに対する拘束力が働き、安定して圧延できる。
図1に示すように、2基の圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sをその板厚方向へ3点で押圧するためには、
(a)一方のルーパロールL5Rの最高部(頂点)の位置が、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の最低部より高い位置になるとともに、残りのもう一方のルーパロールL6Rの少なくとも一部(例えば最高部)の位置が、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6および鋼板Sの接点と、圧延スタンドF7の上下のワークロールUWR7およびLWR7の会合部との間における鋼板Sの存在位置、望ましくは、この接点とこの会合部とを結ぶ線が存在する位置以上の位置になるように、入側ルーパL5のルーパロールL5Rの位置、および/または、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの位置を制御すること、あるいは、
(b)一方のルーパロールL6Rの最高部(頂点)の位置が、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の最低部より高い位置になるとともに、残りのもう一方のルーパロールL5Rの少なくとも一部(例えば最高部)の位置が、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6および鋼板Sの接点と、圧延スタンドF5の上下のワークロールUWR5およびLWR5の会合部との間における鋼板Sの存在位置、望ましくは、この接点とこの会合部とを結ぶ線が存在する位置以上の位置になるように、入側ルーパL5のルーパロールL5Rの位置、および/または、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの位置を制御すること
が有効である。
安定して鋼板Sを拘束するためには、両方のルーパロールL5RおよびL6Rの最高部の位置が、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の最低部よりも高い位置となるように、入側ルーパL5のルーパロールL5Rの位置、および、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの位置を制御することが望ましい。
また、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6と鋼板Sとが接触の際にスリップすると、鋼板Sにスリ疵が発生することがある。そこで、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の駆動モータの速度を、圧延スタンドF5の上下のワークロールUWR5およびLWR5の駆動モータの速度に連動させて、ダミースタンドF6のモータ速度を、ダミースタンドF6を通過する際の鋼板Sの搬送速度と同期させることによって、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の周速度を、ダミースタンドF6を通過する際の鋼板Sの通板速度と略一致させることが、鋼板Sにスリ疵を発生させないためには望ましい。
このように、本発明は、入側ルーパL5のルーパロールL5Rの位置、および/または、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの位置、望ましくはさらにダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の位置を、上述したように制御するものである。しかし、上述したように、圧延スタンドF5−F7間を通板時の鋼板Sの張力は、鋼板Sの温度変動に起因する荷重変動等といった外乱により変動し、これにより、この圧延スタンドF5−F7間で鋼板を支える入側ルーパL5および出側ルーパL6の角度も変動し、ルーパロールL5Rの位置、およびルーパロールL6Rの位置も変動する。そこで、次に、ルーパロールL5Rの位置、およびルーパロールL6Rの位置を、所望の位置に制御する手段を説明する。
ダミースタンドF6に隣接する圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sの張力は、ダミースタンドF6では圧延しないため一定ではあるが、鋼板Sの張力が変動する要素として、圧延スタンドF5のワークロールUWR5およびLWR5の駆動モータの速度と、入側ルーパL5の駆動トルクすなわちルーパ角度と、出側ルーパL6の駆動トルクすなわちルーパ角度とがある。ここで、「ルーパ角度」とは、ルーパアームが水平面からなす角度を意味する。
圧延スタンドF5のワークロールUWR5およびLWR5の駆動モータの速度の代わりに、圧延スタンドF7のワークロールUWR7およびLWR7の駆動モータの速度を用いても、圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sの張力を変更することは可能であるが、圧延スタンドF7のワークロールUWR7およびLWR7の駆動モータの速度を用いると、マスフローを保つには最終の圧延スタンドF7までの速度を修正する必要があり、熱間仕上連続圧延機CMから図示しないコイラまでの間の通板速度も変更する必要が生じ、コイラでの鋼板の巻き姿に影響を与えることとなる。このため、圧延スタンドF5−F7間の鋼板Sの張力は、圧延スタンドF5のワークロールUWR5およびLWR5の駆動モータの速度で制御することが一般的である。
本発明では、ダミースタンドF6の入側および出側の機能を分離させるため、出側ルーパL6の駆動トルクすなわちルーパ角度は、あくまでも、入側ルーパL5のルーパロールL5R、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6、および、出側ルーパL6のルーパロールL6Rの全てが鋼板Sをその板厚方向へ互い違いに押圧しながら鋼板Sを通板する操業を可能とする所定の角度を維持するように制御するとともに、圧延スタンドF5において鋼板Sの張力と、入側ルーパL5のルーパ角度とを所定値となるように、入側ルーパL5の駆動トルク、および/または、圧延スタンドF5の上下のワークロールUWR5およびLWR5の駆動モータの速度を制御する。なお、ルーパL5、L6のルーパ角度を所定の角度に維持するには、入側ルーパL5および出側ルーパL6の片方または双方の駆動トルクを制御すればよい。
図3は、ダミースタンドを設定しない通常操業における隣接する圧延スタンドF5−F6間における鋼板Sを模式的に示す説明図であり、図4は、圧延スタンドF6をダミースタンドとして設定した本発明に係る操業における隣接する圧延スタンドF5−F6間における鋼板Sを模式的に示す説明図である。
図3に示すように、隣接する圧延スタンドF5−F6間の鋼板Sの張力Tは、特公昭61−1214号公報により開示されるように、ルーパL5のルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度(傾斜角度)をθとし、ルーパL5の駆動トルクをτとし、鋼板Sの重量およびルーパL5の自重による負荷トルクをτoとし、ルーパL5のルーパアームの長さをlrとし、圧延スタンドF5、F6における鋼板Sの傾斜角度をα、βとすると、(1)式により算出される。
Figure 2011121079
ただし、(1)式は、スタンドF5−F6間の鋼板SとルーパL5とが、図3により示す状態にあることを前提とする。このため、図4に示すように、圧延スタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6間に距離ΔLのギャップを設定したダミースタンドでは、上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙がΔL開いた状態にあることから(1)式をそのまま適用することはできない。
ここで、図4を図3と比較すると、異なるのは角度βの大きさのみであり、しかも、図4のβはロール間隙ΔLが決定されれば設備位置の幾何学的条件によって計算により求められる値であることから、(1)式における角度βを、図4に示す角度β(ΔL)を用いて変更すれば、(1)式をそのまま流用することが可能となる。
本発明においてダミースタンドF6と圧延スタンドF5またはF7との間における鋼板Sの張力は、このようにダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙ΔLを考慮した角度β(ΔL)を公知の式に適用して鋼板Sの張力Tを算出し、算出した結果に基づいて制御すればよい。
図5(a)および図5(b)は、いずれも、特許文献1により開示された従来の技術における隣接する圧延スタンドF5−F7間を模式的に示す説明図であり、図6(a)および図6(b)は、いずれも、本発明における隣接する圧延スタンドF5−F7間を模式的に示す説明図である。また、図7(a)は、従来の技術における入側ルーパの操業制約条件の一例を示すグラフであり、図7(b)は、従来の技術における出側ルーパの操業制約条件の一例を示すグラフである。さらに、図8(a)は、本発明における入側ルーパの操業制約条件の一例を示すグラフであり、図8(b)は、本発明における出側ルーパの操業制約条件の一例を示すグラフである。
図5(a)、図5(b)、図6(a)および図6(b)において、符号ΔLは、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6間のロール間隙(mm)を示し、符号Δl、Δl、Δlは、下ワークロールLWR5、6、7それぞれの最高部(頂部)とパスラインとの上下方向の距離(mm)を示し、符号aは、ルーパL5またはL6のアームの旋回中心位置と、下ワークロールLWR5または6の中心との水平方向の距離(mm)を示し、符号bは、ルーパL5またはL6のアームの旋回中心位置と、下ワークロールLWR6または7の中心との水平方向の距離(mm)を示し、符号lrは、ルーパL5またはL6のアームの長さ(mm)を示し、符号θは、入側ルーパL5のルーパ角度(deg)を示し、符号θn+1は、出側ルーパL6のルーパ角度(deg)を示し、符号lはルーパロールL5R、L6Rの半径(mm)を示し、符号lは、ルーパL5またはL6のアームの旋回中心位置とパスラインとの上下方向の距離(mm)を示し、符号Lは入側サイドガイドG1の先端と上ワークロールUWR6の中心との水平方向の距離(mm)を示し、符号Hは入側サイドガイドG1の先端とパスラインとの上下方向の距離(mm)を示し、Lは出側サイドガイドG2の先端と上ワークロールUWR6の中心との水平方向の距離(mm)を示し、符号Hは出側サイドガイドG2の先端とパスラインとの上下方向の距離(mm)を示す。
図1〜4では省略したが、図5(a)、図5(b)、図6(a)および図6(b)に示すように、一般的に、各圧延スタンドF1〜F7の上下のワークロールUWR1〜7,LWR1〜7の入側には入側サイドガイドG1が、出側には出側サイドガイドG2が、それぞれ配置されている。そして、通常の操業では、図5(a)または図5(b)に示すように、鋼板Sと入側ガイド上面、および/または、出側ガイド上面との接触を考慮する必要がない。
図5(a)または図5(b)に示す従来の操業を成立させるには、(a)鋼板SがダミースタンドF6の上ワークロールUWR6に接触しないこと((2−1)式の条件を満足すること)、(b)鋼板Sが入側サイドガイド上面および出側サイドガイド上面に接触しないこと((2−2)式および(2−3)式の条件を満足すること)が必要である。
また、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙ΔLを、既設圧延機の圧下スクリューで変更する場合には、(c)スクリューのねじ切り部分の設備的制約より(2−4)式を満足する必要もある。なお、(2−4)式におけるΔLMAXは設定可能なロール間隙(ギャップ)の最大値を示す。
Figure 2011121079
ここで、lをルーパロールL5の半径とし、理解を容易にするために、Δl=Δl=0、l=lとおき、a=1900mm、b=3600mm、lr=550mm、H=150mm、L=550mm、H=100mm、L=250mm、ΔLMAX=50mmとすると、入側ルーパL5、出側ルーパL6のルーパ角度θnと間隙ΔLとが、図7(a)および図7(b)に着色して示す領域に包含される関係を有することが必要となる。前述したように、従来の操業法では、特に入側ルーパL5のルーパ角度が8deg以下という不安定な操業を強いられることとなる。
これに対し、図6(a)または図6(b)により示す本発明の操業を成立させるには、(A)鋼板Sを、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6に接触させること((3−1)式および(3−2)式を満足すること)、(B)鋼板Sを、入側サイドガイド上面および出側サイドガイド上面に接触させないこと((3−3)式〜(3−6)式をいずれも満足すること)、(C)既設圧延機の圧下スクリューの設備的制約を満たすこと((3−7)式を満足すること)を満たす必要がある。
Figure 2011121079
ここで、理解を容易にするために、Δl=Δl=Δl=0、l=lとおき、a=1900mm、b=3600mm、l=550mm、H=150mm、L=550mm、H=100mm、L=250mm、ΔLMAX=50mmとすると、入側ルーパL5のルーパ角度θ、出側ルーパL6のルーパ角度θn+1と間隙ΔLとが、図8(a),図8(b)に着色して示す領域に包含される関係を有すればよいこととなる。
図8(a)および図8(b)に示すグラフから明らかなように、間隙ΔLが10〜40mmの範囲では、入側ルーパL5のルーパ角度θ、出側ルーパL6のルーパ角度θn+1はいずれも8deg超に設定可能であり、操業が不安定となる低いルーパ角度(8deg以下)での操業を回避することが可能になる。
なお、ルーパ角度が8degであるときは、ルーパロールの頂点のパスラインからの高さHθは、l=lの仮定のもとでは74mmに相当する。
このように、本発明では、図8(a)および図8(b)により例示されるように、入側ルーパL5のルーパ角度θ、出側ルーパL6のルーパ角度θn+1と間隙ΔLと関係を求め、この関係に基づいて、入側ルーパL5のルーパ角度θの目標値、および、出側ルーパL6のルーパ角度の目標値に基づいて、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隔ΔLを決定するか、もしくは、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隔ΔLに基づいて、入側ルーパL5のルーパ角度θの目標値、および、出側ルーパL6のルーパ角度の目標値入側ルーパ角度の目標値を決定すればよい。
具体的には、入側ルーパL5のルーパ角度の目標値および/または出側ルーパL6のルーパ角度の目標値がダミースタンドF6の上ワークロールUWR6と鋼板Sとが接触する境界条件である角度、この場合8deg以上であることが望ましく、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6、LWR6のロール間隙ΔLがダミースタンドF6を通過する鋼板Sの板厚および形状変化によるばたつきによりダミースタンドF6の下ワークロールLWR6と鋼板Sとが接触しない間隙、この場合10mm以上、ダミースタンドの設備仕様上の最大ロール間隙、この場合40mm以下であることが望ましい。
本発明を実施するには、図6(a)または図6(b)に示す熱間仕上連続圧延機において、鋼板Sの先端が圧延スタンドF5を通過し、ダミースタンドF6を通過し、さらに圧延スタンドF7に噛み込んだ後に、入側ルーパL5および出側ルーパL6を起動してルーパロールL5RおよびL6Rを同時に所定の目標位置まで上昇することにより、ルーパロールL5RおよびL6RとダミースタンドF6の上ワークロールUWR6とにより鋼板Sをその板厚方向へ互い違いに押圧しながら鋼板Sを通板し(特に図6(a)参照)、鋼板Sの後端が圧延スタンドF5を抜けるまでの間に、入側ルーパL5および出側ルーパL6を起動してルーパロールL5RおよびL6Rを同時に例えばパスラインの近傍の高さの位置まで下降して、鋼板から離せばよい。
熱間仕上連続圧延機のモータ速度の制御には、例えば特公昭63−14598号公報により開示されたドルーピング機能(一つの駆動モータの負荷が高まることを防止したり、複数モータの速度を同期する機能)を有する場合があり、本発明のダミースタンドF6のモータ速度にも同様な機能を有することが望ましいことは、いうまでもない。
また、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙ΔLを圧延中に変更すると式(1)による張力計算の前提とする条件が変更となるため、ダミースタンドF6のロール間隙ΔLは、圧延中に変更しないことが望ましい。
また、ダミースタンドF6では、上ワークロールUWR6が鋼板Sに単に接触しているだけで鋼板Sの圧下を行っていないため、鋼板Sの板幅方向の板厚分布を変更する圧下装置、ならびに、ワークロールベンダ、バックアップロールベンダ、中間ロールベンダ、ワークロールシフト、中間ロールシフト、ペアクロス、レベリング等の形状アクチュエータは使用できず、したがって、圧延中はこれら形状アクチュエータの位置等を変更せず、ダミースタンドF6以外の圧延スタンドF1〜F5およびF7ではこれらの形状アクチュエータを作動することが望ましい。
ただし、鋼板Sの表面のスケールを除去するためのデスケーラー、鋼板Sの表面を冷却するための鋼板冷却スプレー、ダミースタンドF6のワークロールUWR6、LWR6そのものを冷却するローラ冷却水は、ダミースタンドF6の前後に設置されている場合にも使用可能であることは、いうまでもない。
ダミースタンドF6は、通常の圧延機においてロール間隙(ギャップ)ΔLを開くか、もしくは、圧延機の駆動モータ損傷時は、鋼板Sを次の圧延スタンドF7に搬送できる暫定モータを備えた装置を使用するかのいずれでもよい。なお、暫定モータを備えた装置は、鋼板Sを次の圧延スタンドF7に搬送でき、搬送中の鋼板Sとの接触による表面疵が問題にならないのであればいずれでもよいが、なるべく設備がコンパクトとなるのが好ましく、上下それぞれ独立な装置構成とすることが望ましい。
また、上記装置に付帯する装置は、なるべく既設の上下のワークロールのものを流用できることが好ましい。例えば、既設の上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙ΔLは、電動圧下により変更しているが、上下のワークロールUWR6およびLWR6のロール間隙も同様の方法により変更可能とし、また、既設の上下のワークロールUWR6およびLWR6ではワークロールUWR6およびLWR6と鋼板Sが接触する直前、または直後に冷却しているが、ダミースタンドF6の上下のワークロールの冷却方法も同様にできるように上記装置に組み込んでおくことが望ましい。
図9は、本発明を実施するための装置の構成例を模式的に示す説明図である。
図9において、符号1は熱延鋼板を示し、符号2bは中間スタンドのダミースタンドを示し、符号2aはダミースタンド2bの一つ上流に配置された入側圧延スタンドを示し、符号2cはダミースタンド2bの一つ下流に配置された出側圧延スタンドを示し、符号3aは入側ルーパを示し、符号3bは出側ルーパを示す。
符号4は、入側ルーパ3aのルーパ角度とルーパを駆動するルーパトルクとの実績から圧延スタンド2a〜2c間における熱延鋼板1の張力を計算する装置を示し、符号5aは、入側ルーパ3aの角度実績に基づき、入側ルーパ3aの角度を所定の角度(入側ルーパロール、ダミースタンドの上ロールおよび出側ルーパロールが同時に圧延スタンド2a〜2c間の熱延鋼板1に接触する角度)とすべく、ルーパ駆動トルクを修正する装置を示し、符号5bは、出側ルーパ3bの角度実績に基づき、出側ルーパ3bの角度を所定の角度(入側ルーパロール、ダミースタンド上ロールおよび出側ルーパロールが同時に圧延スタンド2a〜2c間の熱延鋼板1に接触する角度)とすべく、ルーパ駆動トルクを修正する装置を示し、符号6aは装置4により計算した張力に基づき、圧延スタンド2a〜2c間の熱延鋼板1の張力を所定の張力値とすべく圧延スタンド2aの圧延機の駆動モータの速度を修正する装置を示し、符号6bは装置6aにより修正された、圧延スタンド2aの圧延機の駆動モータの速度に連動して、ダミースタンド2bの上下のワークロールの速度を修正する装置を示す。
図9を参照しながら、熱延鋼板1の先端が圧延スタンド2aの圧延機に噛み込んでからの操業を、経時的に説明する。
まず、入側ルーパ3aおよび出側ルーパ3bは、いずれも、熱延鋼板1の先端が圧延スタンド2cの圧延機に噛み込むまでは、熱延鋼板1の搬送を阻害しないように、パスラインより低い位置で待機する。
熱延鋼板1の先端が圧延スタンド2cの圧延機に噛み込むと同時に、入側ルーパ3aおよび出側ルーパ3bは、いずれも、熱延鋼板1の裏面(下面)と速やかに接触すべく、また、鋼板1の表面(上面)とダミースタンド2bの上ロールと接触すべく、所定のルーパ駆動トルク制御により旋回して、入側ルーパ3aおよび出側ルーパ3bそれぞれのアームの先端に回転自在に支持されたルーパロールを上昇する。このときのルーパトルクの制御方法は、公知の手法によればよく、例えば特公昭61−1214号公報により開示された方法を用いればよい。
このようなトルク制御により、熱延鋼板1の裏面に入側ルーパ3aおよび出側ルーパ3bそれぞれのルーパロールが安定して接触するとともに、熱延鋼板1の表面にダミースタンド2bの上ロールが安定して接触した後は、入側ルーパ3aの入側ルーパ角度が所定の目標角度となるように装置5aにより入側ルーパ3aを駆動するルーパトルクを制御しながら、出側ルーパ3bのルーパ角度が所定の目標角度となるように装置5bにより出側ルーパ3bを駆動するルーパトルクを制御する。
また、圧延スタンド2a〜2c間の熱延鋼板1の張力は、(1)式を用いて装置4により演算し、演算した張力が、所定の目標張力となるように、圧延スタンド2aの圧延機を駆動するモータの速度を装置6aにより制御する。また、ダミースタンド2bの上下のワークロールの速度は、圧延スタンド2aの圧延機の出側における熱延鋼板1の速度に同期するように装置6bにより設定することによって、熱延鋼板1の表面とダミースタンド2bの上ロールとの接触による疵を発生させないようにしている。
なお、ダミースタンド2bの上下ロールのワークロールの間隙ΔLは、式(3ー1)〜(3−7)に基づいて、入側ルーパ3aおよび出側ルーパ3bの目標角度と、ダミースタンド2bの入側および出側のサイドガイドの上面に関する幾何学的な条件に基づいて、圧延前に手動もしくは自動で変更し、圧延中はロール間隙を変更しないようにしている。
図9に示す装置によれば、熱間仕上連続圧延機のダミースタンドに隣接する2基の圧延スタンド間の鋼板の通板を安定化することができ、鋼板の予期せぬ挙動によるトラブルの発生を防止できるようになるので、熱間仕上連続圧延機の少なくとも一基の中間圧延スタンドをダミースタンドとする際に、従来よりも安定して熱間圧延ラインの操業を行うことができるようになる。
図10(a)および図10(b)は、通常の圧延スタンドの上下のワークロールを駆動するモータが故障したときに、上下のワークロールを撤去した後に組み込む搬送ロール付きの暫定モータの機器構成の一例を模式的に示す説明図である。
特開平10−137824号公報に記載された従来装置では、圧下装置、バックアップロールおよびサイドガイドについて言及されていないが、図10(a)および図10(b)に記載された装置10を使用することにより、既設の圧下装置、上下のバックアップロール11、12、入側サイドガイド13、出側サイドガイド14をそのまま使用することができるように構成されるため、この装置10に変更するための作業時間を短縮することができる。構成上の特徴は下記二点である。
(1)既設のサイドガイド13、14をそのままの設置位置で使用するためには、なるべく、既設のワークロールと同じ位置に、上下の搬送ロール15、16を位置させるのが設備上好ましいが、設備が大きくなってしまう。そこで,例えば上搬送ロール(上ダミーロール)15の最低部を、既設の上ワークロールの最低部に合わせるように配置し、かつ、ダミーロール15の入側および出側に、既設の上ワークロールの外形相当の弧型のカバー13a、14aを配置することにより、既設のサイドガイド13、14と上ダミーロール15との間の隙間を従来通りに確保することができる。これにより、各機器の位置を変更することなく、各機器間の接触、各機器間の隙間が開き過ぎることによる、鋼板の入り込みによる設備トラブルを回避できる。
(2)既設の圧下装置をそのまま使用するためには、上述した(2−4)式により示した圧下スクリューの変更範囲内とする必要がある。そこで、バックアップロール11、12に組み込むワークロールチョック17に、調整可能なライナー(様々な板厚のものがあり,交換することで板厚を変更できるもの)、共通架台18を設けることにより、例えば上ダミーロール15の最低部の高さを、既設のワークロールの最低部の高さに相当する高さとしている。
また、ダミーロール15、16の疵防止の観点から、既設のバックアップロール11、12とダミーロール15、16とは非接触となるように配置しており、かつ、ダミーロール15、16を冷却するためのスプレー19も備えている。さらに、暫定モータ20の設備保護の観点で、暫定モータ20の状態(温度、振動等)が監視されており、冷却ファン21、防水ケース22も備えている。これらは、いずれも、特開平10−137824に記載された従来装置では考慮されていない。
なお、図10(a)および図10(b)において、符号23はダミーロール軸受けを示し、符号24はチョック間支持ライナーを示し、符号25は駆動装置を示し、符号26は軸受けを示し、符号27はダミーロール軸受けを示し、符号28は回転軸受けを示し、符号29はスプレー水源を示す。
実施例を参照しながら、本発明をより具体的に説明する。
図5(a)または図5(b)により示す比較例の設備と、図6(a)または図6(b)により示す本発明例の設備とにおいて、a=1956mm、b=3544mm、l=535mm、H=140mm、L=520mm、H=80mm、L=240mm、ΔLMAX=50mm、Δl=Δl=0、l=lとした場合について、説明する。
(比較例1)
比較例1は、入側ルーパロールのみで鋼板を押圧し、鋼板とダミースタンドの上ロールとは接触しない例である。なお、出側ダミーロールは鋼板に接触しない。
図5(a)に示すように、鋼板Sが、圧延スタンドF5およびF7間において入側ルーパL5により板厚方向へ向けて押圧される。この場合のルーパ角度θと、ダミースタンドF6の下ロールLWR6の頂点と鋼板Sとの間の距離ΔLのとりうる範囲を、図7(a)のグラフ中の着色部に示す。
図7(a)に示すように入側ルーパL5のルーパ角度θのとりうる最大角度は約8°であり、そのときの入側ルーパL5のルーパロールの頂点の高さは約45mmとなり、ダミースタンドF6の上ワークロールの最低部と略同じ高さである。このため、図7(a)のグラフの灰色部のルーパ角度θの範囲では、鋼板Sのわずかなばたつきやたるみによって鋼板Sから入側ルーパL5のルーパロールが離れ、これにより、鋼板Sに、蛇行によるトラブルやダミースタンドF6のロールとの接触によるスリ疵を引き起こされることが懸念される。
(比較例2)
比較例2は、入側ルーパロールのみで鋼板を押圧し、鋼板とダミースタンド上ロールは接触する例である。なお、出側ダミーロールは鋼板に接触しない。
図5(b)は、鋼板Sが、圧延スタンドF5およびF7間において入側ルーパL5およびダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の2箇所で接触する場合を示す。
この場合、入側ルーパL5のルーパ角度θを比較例1よりも大きくすることができ、このときの入側ルーパL5のルーパロールの頂点の高さを、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の最低部よりも高く設定することが可能であり、比較例1よりは安定した操業が期待できる。また、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の周速を鋼板Sの通板速度と同期させることにより、鋼板1のスリ疵の防止も期待できる。
しかし、ダミースタンドF6と圧延スタンドF7との間では鋼板Sは全く拘束されないために、通常の操業に比較して、鋼板1の蛇行によるトラブルが発生し易い。仮に入側ルーパL5のルーパロールを上昇させる替わりに出側ルーパL6のルーパロールを上昇させても、ダミースタンドF6と圧延スタンドF5との間では鋼板Sは全く拘束されないために同様の問題が発生すると考えられる。
(実施例)
本発明例として、図6(a)または図6(b)に示すように、鋼板Sは、圧延スタンドF5およびF7間において、入側ルーパL5のルーパロール、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6、および出側ルーパL6のルーパロールにより押圧される。
この場合の入側ルーパL5のルーパ角度θ、出側ルーパL6のルーパ角度θn+1と、ダミースタンドF6の下ロールLWR6の頂点と鋼板Sとの間距離ΔLのとり得る範囲を、図8(a)および図8(b)のグラフの着色部に示す。
本発明によれば、入側ルーパL5のルーパ角度θ、出側ルーパL6のルーパ角度θn+1とのとり得る角度を、ダミースタンドF6の上下のワークロールUWR6、LWR6の隙間ΔLにあわせて任意に設定することができ、そのときの入側ルーパL5のルーパロール、出側ルーパL6のルーパロールそれぞれの頂点の高さは、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の最低部より高い。入側ルーパL5のルーパロール、出側ルーパL6のルーパロールのルーパ角度を高くとることにより鋼板Sの蛇行を抑え、蛇行によるトラブルを抑制することができる。
比較例2では、通常操業に比べて鋼板Sの蛇行によるトラブル発生が懸念されるが、この場合では通常操業と同じ間隔で鋼板Sとルーパロールとが接触するため、鋼板Sの蛇行によるトラブルの頻度は通常操業並みに抑制される。
また、ダミースタンドF6の上ワークロールUWR6の周速を鋼板Sの通板速度に同期させるとスリ疵の防止も期待でき、さらに、上ワークロールUWR6の摩耗を抑えることができる。この場合、比較例2に比べて常時鋼S板がダミースタンドF6の上ワークロールUWR6に接触するため、スリ疵の防止効果も高い。
図8の範囲として例えば、ダミースタンドF6の上下のワークロールの隙間ΔLを20mm、入側および出側ルーパ角度15°で操業しても通常操業と同等の設備トラブル発生率が期待できる。
図11は、比較例1(従来法)と、実施例(本発明)とについて、約5000本の熱延鋼板を製造した場合における、圧延スタンドF5〜F7間における鋼板Sのトラブル発生率を示すグラフである。図11に示すグラフでは、従来法のトラブル発生率を1として比較して示している。
本発明によれば、トラブル発生率を約1/4に抑制できることがわかる。

Claims (20)

  1. タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの前記圧延スタンド間に配置されるルーパとを備える熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドを、該中間圧延スタンドのワークロールのロールギャップが該ワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定されることによって該鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いて、該鋼板を圧延する際に、
    前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、前記ダミースタンドの上ワークロール、および、前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールの全てが前記鋼板に接触するように、前記入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、前記出側ルーパのルーパロールの位置を、制御すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  2. さらに、前記入側ルーパのルーパロール、前記ダミースタンドの上ワークロール、および、前記出側ルーパのルーパロールの全てが、前記鋼板をその板厚方向へ互い違いに押圧する請求項1に記載された熱延鋼板の製造方法。
  3. タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、隣接する2つの前記圧延スタンド間に配置されるルーパとを備える熱間仕上連続圧延機における少なくとも一基の中間圧延スタンドを、該中間圧延スタンドのワークロールのロールギャップが該ワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定されることによって該鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いて、当該鋼板を圧延する際に、
    前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、および前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールのうちの一方のルーパロールの最高部の位置が、前記ダミースタンドの上ワークロールの最低部よりも高い位置となるとともに、前記入側ルーパのルーパロール、および前記出側ルーパのルーパロールのうちの残りの一方のルーパロールの少なくとも一部が、前記ダミースタンドの上ワークロールおよび前記鋼板の接点と、前記ダミースタンドの一つ下流または上流に配置される圧延スタンドのワークロールの会合部との間における当該鋼板の存在位置以上の位置に存在するように、前記入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、前記出側ルーパのルーパロールの位置を、制御すること
    を特徴とする熱延鋼板の製造方法。
  4. 前記ダミースタンドの上ワークロールおよび前記鋼板の接点と、前記ダミースタンドの一つ下流または上流に配置される圧延スタンドのワークロールの会合部との間における当該鋼板の存在位置は、該接点と該会合部とを結ぶ線が存在する位置である請求項3に記載された熱延鋼板の製造方法。
  5. 前記入側ルーパのルーパロール、および前記出側ルーパのルーパロールそれぞれの最高部の位置が、いずれも、前記ダミースタンドの上ワークロールの最低部の位置よりも高い請求項3または請求項4に記載された熱延鋼板の製造方法。
  6. 前記ダミースタンドの上ワークロールの周速度を、当該スタンドを通板する際の前記鋼板の通板速度と略一致させる請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  7. 前記入側ルーパのルーパロールの位置は、前記入側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルク、および/または、前記ダミースタンドの一つ上流または一つ下流に配置される圧延スタンドのワークロールの駆動モータの速度を変更して、該入側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度と前記鋼板の張力とを制御することによって、制御されるとともに、
    前記出側ルーパのルーパロールの位置は、前記出側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルクを変更して、該出側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度を制御することによって、制御される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  8. 前記入側ルーパのルーパロールの位置は、前記入側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルクを変更して、該入側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度を制御することによって、制御されるとともに、
    前記出側ルーパのルーパロールの位置は、前記出側ルーパのルーパアームを旋回するための駆動トルク、および/または、前記ダミースタンドの一つ下流または一つ上流に配置される圧延スタンドのワークロールの駆動モータの速度を変更して、該出側ルーパのルーパアームが水平面からなす角度であるルーパ角度と前記鋼板の張力とを制御することによって、制御される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  9. 前記鋼板の張力は、該ダミースタンドと前記入側ルーパまたは前記出側ルーパとの間における前記鋼板が水平面となす角度を用いて算出される該張力の演算値に基づいて、制御される請求項7または請求項8に記載された熱延鋼板の製造方法。
  10. 前記入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、前記出側ルーパのルーパロールの位置の制御を行うことができる、前記入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または前記出側ルーパのルーパ角度の目標値と、前記ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙との関係に基づいて、前記入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または前記出側ルーパのルーパ角度の目標値、または、前記ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙を決定する請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  11. 前記入側ルーパのルーパ角度の目標値および/または前記出側ルーパのルーパ角度の目標値は8deg以上であるとともに、前記ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙は10mm以上40mm以下である請求項10に記載された熱延鋼板の製造方法。
  12. 前記鋼板の先端が前記ダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドの上下のワークロールに噛み込んだ後に、前記入側ルーパのルーパロール、および前記出側ルーパのルーパロールを所定の目標位置に上昇して前記鋼板に接触させるとともに、該鋼板の後端が前記ダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドの上下のワークロールを抜けるまでの間に、前記入側ルーパのルーパロール、および前記出側ルーパのルーパロールを下降して前記鋼板から離す請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  13. 鋼板の板幅方向の板厚分布を変更する形状アクチュエータは、ダミースタンドでは圧延中に変更しない請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  14. 前記ダミースタンドのワークロールの駆動モータの速度の制御は、ドルーピング機能を有することを特徴とする請求項1から請求項13までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  15. 前記ダミースタンドの上下ワークロールの入側サイドガイドおよび出側サイドガイド、ならびに、デスケーラー、鋼板冷却スプレー、ローラ冷却水は、圧延中に使用することを特徴とする請求項1から請求項14までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  16. ダミースタンドは、上下のワークロールを撤去した後に、駆動モータ、軸受、スピンドル、ユニバーサルジョイントおよびダミーロールからなる装置を上下1基ずつの計2基により、構成されることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  17. ダミースタンドの上下のワークロールの冷却方法は、他の圧延スタンドの上下のワークロールの冷却方法と同様であることを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  18. ダミースタンドの上下のワークロールのロール間隙の変更方法は、他の圧延スタンドの上下のワークロールのロール間隙の変更方法と同様である請求項1から請求項17までのいずれか1項に記載された熱延鋼板の製造方法。
  19. そのワークロールのロールギャップを、該ワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定することによって、該鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いることが可能な中間圧延スタンドを含むとともに、熱間仕上連続圧延機を構成する、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、
    隣接する2つの前記圧延スタンド間に配置されるルーパと、
    前記ダミースタンドとして用いられる前記中間圧延スタンドと、該ダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、前記ダミースタンドの上ワークロール、および、前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールの全てが前記鋼板に接触するように、前記入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、前記出側ルーパのルーパロールの位置を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする熱延鋼板の製造装置。
  20. そのワークロールのロールギャップを、該ワークロールを通板する鋼板の板厚よりも大きく設定することによって、該鋼板を圧延しないダミースタンドとして用いることが可能な中間圧延スタンドを含むとともに、熱間仕上連続圧延機を構成する、タンデムに配置される少なくとも3基以上の圧延スタンドと、
    隣接する2つの前記圧延スタンド間に配置されるルーパと、
    前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ上流に配置される圧延スタンドとの間に配置される入側ルーパのルーパロール、および前記ダミースタンドと該ダミースタンドの一つ下流に配置される圧延スタンドとの間に配置される出側ルーパのルーパロールのうちの一方のルーパロールの最高部の位置が、前記ダミースタンドの上ワークロールの最低部よりも高い位置となるとともに、前記入側ルーパのルーパロール、および前記出側ルーパのルーパロールのうちの残りの一方のルーパロールの少なくとも一部が、前記ダミースタンドの上ワークロールおよび前記鋼板の接点と、前記ダミースタンドの一つ下流または上流に配置される圧延スタンドのワークロールの会合部との間における当該鋼板の存在位置以上の位置に存在するように、前記入側ルーパのルーパロールの位置、および/または、前記出側ルーパのルーパロールの位置を、制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする熱延鋼板の製造装置。
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