JP2020192582A - ブライドルロール、冷間圧延装置、及び冷間圧延方法 - Google Patents

ブライドルロール、冷間圧延装置、及び冷間圧延方法 Download PDF

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【課題】張力低下の程度が異なる種々の性状の鋼板を通板する場合であっても、ブライドルロール後段での張力低下に起因する巻き取り不良等の問題発生を防止すること。【解決手段】複数本のロールの回転速度の差によって、通板前後の鋼板に張力差を付与するブライドルロールであって、前記鋼板のベンドロスの程度に応じて、少なくともいずれか一つのロールの位置を変更する駆動手段と、前記ロールの位置を固定する固定手段とを備えるブライドルロール。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼板の巻き付けによって発生するベンドロスの程度に応じてロールの位置調節を行うブライドルロール、並びに当該ブライドルロールを用いた冷間圧延装置及び冷間圧延方法に関する。
鋼板の製造ラインにおいて、通板中の鋼板の張力を調節する装置として、ブライドルロールが用いられる。ブライドルロールは、鋼板を巻き付ける複数のロールで構成され、各ロールの回転速度に差をつけることによって、ブライドルロール前後の鋼板に張力差を付与する。
ブライドルロールは、特に冷間圧延装置において広く用いられる。冷間圧延装置は、1つ以上の冷間圧延機及びその他の各種付帯設備からなる。具体的にブライドルロールは、例えば連続冷間圧延機前段のルーパー部と連続冷間圧延機入側の間、及び前記ルーパー部とその前段にある溶接機との間等に設置され、連続冷間圧延機入側における鋼板の張力調節を行う。
ブライドルロールは、板厚の薄い板材を圧延する冷間圧延装置では、冷間圧延機出側においても設けられる。具体的には、冷間圧延機の出側であって、冷延コイルを巻き取るテンションリールの入側に、ブライドルロールが設けられる。当該ブライドルロールは、冷間圧延機後方における鋼板の張力を上昇させることで冷間圧延機での鋼板の圧延性を向上させるとともに、テンションリールにおける巻き付け張力が過度に上昇させることを防いで、テンションリール巻き付け時に発生しうる鋼板の変形等を防止する。
冷間圧延装置において、例えば板厚の比較的厚い鋼板(いわゆる厚物)を圧延する場合、ブライドルロールへの巻き付けによって生じる鋼板のベンドロスが顕著となる。当該ベンドロスによって鋼板の巻き付け張力が十分に確保されず、これに起因して種々の操業トラブルが生じる。具体的には、ベンドロスにより鋼板の張力が確保できなくなることでブライドルロールの回転モータ負荷が過剰に上がり、ブライドルロールの回転モータがトリップすることでライン停止の原因となる。
本発明者らの検討によると、ベンドロスの程度に応じて鋼板の巻き付け角度を変更することによって、ブライドルロールにおける鋼板のベンドロスの問題を防止できることが見出された。当該巻き付け角は、鋼板とブライドルロールとの位置関係によって決定される。そこで、巻き付け角を調節することを目的として、ブライドルロールに揺動機能を付加し、ロールの位置制御を行うことが考えられる。
鋼板を加工する設備においてロールを揺動させる技術を開示した文献として、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、1つのライン内において材料を間歇的に製造するプロセスと材料を連続的に製造するプロセスとが併存している場合において、両プロセスの送り速度を維持することを目的として、両プロセスの間に揺動機能を有するロールを設置する。当該ロールが、揺動してその位置を変化させることにより、材料の送り出し速度及び受け入れ速度を調整するバッファーとしての機能を果たすことが開示されている。
特許文献2では、冷延ミルと冷延ミル出側のブライドルロールとの間に、昇降可能な反り矯正用の2本の補助ロールと、固定した2本のデフレクターロールとを千鳥配置することによって、鋼板の形状矯正を行うことが開示されている。また特許文献3には、鋼板の形状を矯正するレベラーロールにおいて、硬度計での計測結果に基づいてインターメッシュを調整する態様が開示されている。
特開平06−269889号公報 特開平08−215704号公報 特開2016−131991号公報
しかし特許文献1に開示された発明では、揺動ロールの主目的は、材料の張力調節にはなく、速度を調節するように材料をロール間に貯蔵することにある。よって、特許文献1の揺動ロール13は、垂直方向に大きく位置移動する必要がある。揺動ロール13が下端に達した場合(例えば特許文献1の図8の位置Bの場合)には、鋼板の巻き付け角は180°に近い大きさとなり、特に厚物等を通板する場合にはベンドロスが大きいという問題がある。
また特許文献1に開示された発明では、速度調節を行うことを主目的としていることから、揺動ロール前後のプロセスの材料の送り速度に合わせて、揺動ロールの位置を連続的に揺動させる必要がある。よって、揺動ロールを特定の位置で固定する構造は想定されていない。
以上のように、特許文献1に開示された揺動ロールは、その目的及び構造ともにブライドルロールとは異なる。尚、特許文献1では張力調節を行うブライドルロール25が別途開示されているが、当該ブライドルロール25を構成するロールの位置を調節することについては、記載も示唆もされていない。
また特許文献2及び3に開示された発明では、位置調節を行うロールが設けられる目的は形状矯正であって、張力調節ではない。形状矯正を行うロールは、鋼板に曲げ歪を与えるために、鋼板の厚みに対して比較的小径のロールを用いる必要がある。具体的に形状矯正を行う場合には、鋼板の厚さ0.2mmに対して、直径20〜40mm程度のロールが用いられる。当該小径のロールを用いた場合、通板時に押し込まれた鋼板に顕著なベンドロスが発生するので、当該ロールの前後に別途ブライドルロール等を設置して、鋼板に張力を付与する必要がある。特許文献2及び3のいずれにも、ブライドルロールにおいてロールの位置調節を行うことは開示されていない。
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、ベンドロスの程度が異なる種々の性状の鋼板を通板する場合であっても、ブライドルロール後段での張力低下に起因する操業トラブルの発生を防止することを課題とする。
本発明の手段は、次のとおりである。
[1]複数本のロールの回転速度の差によって、通板前後の鋼板に張力差を付与するブライドルロールであって、前記鋼板のベンドロスの程度に応じて、少なくともいずれか一つのロールの位置を変更する駆動手段と、前記ロールの位置を固定する固定手段とを備えるブライドルロール。
[2]前記駆動手段及び前記固定手段は、少なくともいずれか一つのロールを特定の3つの位置に変更及び固定する[1]に記載のブライドルロール。
[3]鋼板を圧延する冷間圧延機と、前記冷間圧延機において圧延された鋼板を巻き取るテンションリールとを備えた冷間圧延装置であって、前記冷間圧延機と、前記テンションリールとの間に、[1]又は[2]に記載のブライドルロールが設けられる冷間圧延装置。
[4]鋼板を圧延する冷間圧延機で冷間圧延を行い、ブライドルロールにて張力制御を行った後に、テンションリールにて鋼板を巻き取る冷間圧延方法において、前記鋼板のベンドロスの程度に応じて、ブライドルロールを構成する少なくともいずれか一つのロールの位置を変更及び固定して、鋼板の巻き付け角を変更する冷間圧延方法。
[5]前記鋼板のベンドロスの程度は、鋼板の板厚、板幅、及び強度のうち少なくともいずれか一種に応じて決定される[4]に記載の冷間圧延方法。
[6]少なくともいずれか一つのロールは、特定の3つの位置に変更及び固定される[4]又は[5]に記載の冷間圧延方法。
本発明によると、ブライドルロールにおけるベンドロスの程度が異なる種々の性状の鋼板であっても、同一ラインにて安定して圧延及び巻き取りを行うことができる。
図1は、本発明に係るブライドルロールを適用した冷間圧延装置を示す摸式図であり、図1(a)はロールの巻き付け角を大きくした例であり、図1(b)はロールの巻き付け角を中程度とした例であり、図1(c)はロールの巻き付け角を小さくした例である。 図2は、ロールに巻きついた鋼板の巻き付け角の算出方法を示す説明図である。 図3は、ブライドルロールを構成するロールの位置を変更及び固定する機構を示す説明図である。 図4は、本発明に係るブライドルロールの他の一例を示す模式図である。
まず図1を用いて、冷間圧延装置において用いられるブライドルロールの例について説明する。
図1(a)のように、冷間圧延装置1では、鋼板2が冷間圧延機3にて連続的に圧延された後、テンションリール4にて巻き取られる。テンションリール4の前段には、鋼板2の角度を調節するデフレクターロール5が設けられていてもよい。実際には、冷間圧延機3は直列に複数設けられてタンデムミルを形成するが、図では最も後段に位置する冷間圧延機3のみを示す。また図では省略しているが、タンデムミルの前段には、アンコイラー、溶接機、及びルーパー等の装置が適宜設けられる。タンデムミル前段のルーパーとタンデムミルの最も入側に位置する冷間圧延機との間、及び前記ルーパーとその前段にある溶接機との間にブライドルロールを設けて、タンデムミル前段における鋼板2の張力調節を行うこともできる。
一方、図中のブライドルロール6は、タンデムミルのうち最も出側に位置する冷間圧延機3とテンションリール4との間に設けられ、冷間圧延機3の後段における鋼板2の張力調節を行う。ブライドルロールは複数本のロールからなり、図1(a)〜(c)の例ではロールの数は3である。図示されている5個のロールのうち、最も入側のロールと最も出側のロールとは、駆動しない従動ロールであり、ブライドルロール6を構成するロールとしては数えない。図のブライドルロール6において、3個のロールは、それぞれの回転軸部の通板方向位置(図では左右方向の位置)がずれるように配置され、また少なくともいずれか一つのロールは通板方向と垂直の方向(図では上下方向)に変位可能とする。ブライドルロールは、各ロールの回転速度に差を設け、当該回転速度の差によって通板前後の鋼板に張力差を付与する。ブライドルロール6は、前段の冷間圧延機3における鋼板2の張力を上げて圧延性を向上させるとともに、後段のテンションリール4における鋼板2の張力を抑えて巻き付け時における鋼板2の変形等の問題を防止する。尚、図示は省略しているものの、タンデムミルの後段には、板厚計、形状検出機、フライングシャー、ピンチロール等の各種装置を設けることができる。
従来のブライドルロールでは、各ロールの位置を変更せず、常に同じ位置で通板を行うのが通例であり、鋼板の物性に応じてロールの位置を調節する構成は知られていない。
しかし、実際の操業では、従来のように位置を固定したブライドルロールを用いると、ブライドルロールでの鋼板の巻き付けによるベンドロスの影響を無視できず、種々の不都合が生じることがある。特にベンドロスの発生しやすい板材を通板する際には、ブライドルロール6のモータ負荷(トルク)が不足し、鋼板2の張力を十分に確保できないことがあり、鋼板2の張力を確保するために当該モータ負荷を上げると、モータのトリップに起因するライン停止等の操業トラブルが生じることがある。尚、ベンドロスとは、鋼板のロール巻き付き時に生じるエネルギー損失をいう。
本発明では、鋼板2のベンドロスの程度に応じて、ブライドルロール6を構成する少なくとも1つのロールの位置を変更及び固定する。ロールの位置を変更することで、鋼板のロールに対する巻き付け角度が変更され、これによりブライドルロール後段での張力不足等の問題を解消することができる。具体的に、ベンドロスの程度がより大きい鋼板を通板する場合には鋼板の巻き付け角がより小さくなるようにブライドルロールを構成するロールの位置を変更及び固定し、ベンドロスの程度がより小さい鋼板を通板する場合には鋼板の巻き付け角がより大きくなるようにブライドルロールを構成するロールの位置を変更及び固定する。本発明者らの検討によると、鋼板の巻き付け角を小さくすることによって、ブライドルロールの張力制御を行う機能が減殺されるものの、ベンドロスの程度が大きい鋼板では、当該機能の減殺を許容できることが見出された。
図2を用いて、ロールにおける鋼板の巻き付け角について説明する。図2のように、鋼板2がロール7に巻き付く場合、鋼板2がロール7と接触を開始する点を巻き付き開始点7a、鋼板2がロール7との接触を終了する点を巻き付き終了点7bとする。この場合に、巻き付け角θは、巻き付き開始点7a、巻き付き終了点7b、及びロール7の回転軸中心によって形成される中心角に相当する。
次に、図1(a)〜(c)の例を用いて、ロールの位置を変更及び固定する方法について説明する。図1(a)〜(c)の例では、図面の左から2番目のロールと右から2番目のロールと(以下、「左右2番目のロール」と称することがある。)が上下方向に変位することで、ブライドルロール6における巻き付け角が変更される。
図1(a)は、ベンドロスの程度が小さい鋼板2を通板する例を示す。図1(a)では、左右2番目のロールの中心軸の位置が、他のロールの中心軸の位置よりも下側に位置するように、各ロールが隣り合うロールの高さをずらして配置される。ベンドロスの程度が小さい鋼板2の場合は、図1(a)のように巻き付け角が大きくなるようにロールの位置を調節する。当該鋼板は、巻き付け角を大きくしても、ブライドルロール6における巻き付きによるベンドロスが起こりにくいことから、ブライドルロール6後段のテンションリール4にて巻き付け張力が不足することを防止できる。尚、ベンドロスの程度が小さい鋼板2の場合には、鋼板2のスリップを防ぐという観点からも、ブライドルロール6における巻き付け角を大きく設けることが好ましい。
図1(b)は、ベンドロスの程度が中程度の鋼板を通板する例を示す。図1(b)は、図1(a)から左右2番目のロールを上方向に変位させて、隣り合うロールの高さが略同じとなるように配置される。ベンドロスの程度が中程度の鋼板では、テンションリール4での良好な巻き取りを実現するために、図1(a)の場合と比べて鋼板2の巻き付け角をより小さくすることが必要であるが、後述する図1(c)に比べると巻き取り角を大きく確保することができる。
図1(c)は、ベンドロスの程度が大きい鋼板を通板する例を示す。図1(c)は、図1(b)から左右2番目のロールを上方向にさらに変位させて、左右2番目のロールの中心軸の位置が、他のロールの中心軸の位置よりも上側に位置するように、各ロールが隣り合うロールの高さをずらして配置される。図1(c)の例では、鋼板の巻き付け角度を小さくすることで、ベンドロスの発生しやすい鋼板を通板する場合であっても、張力不足による操業トラブル等の問題を回避することができる。
鋼板2のベンドロスの程度は、鋼板2の板厚、板幅、及び強度等の因子によって決定される。具体的に、板厚が大きい、板幅が大きい、及び/又は強度が高い鋼板ほど、ベンドロスの程度が大きい。よってこのような鋼板2を通板する場合には、ブライドルロール6での巻き付け角度がより小さくなるように、各ロールの位置を変更及び固定すればよい。一方で、板厚が小さい、板幅が小さい、及び/又は強度の低い鋼板を通板する場合には、巻き付け角度がより大きくなるように各ロールの位置を変更及び固定すればよい。
図1では図示していないが、ブライドルロールは、ロールの位置を変更する駆動手段と、ロールの位置を固定する固定手段とを有することが好ましい。駆動手段及び固定手段の一例について、図3を用いて説明する。図3は、図1のブライドルロール6を構成する1つのロール6aを、図1と同方向から見た側面図である。ロール6aは、ロールチョック8によって保持され、ロールチョック8の変位に伴って上下方向に変位する。尚、図においてロール6aは、ロールチョック8によって隠れた状態にあるので、点線で示す。ロールチョック8は、上下方向に延在する2本のレール9と係合し、その下部にてジャッキ部材(図示せず)により支持される。ジャッキ部材の駆動に応じて、ロールチョック8はレール9に沿って上下方向に移動する。レール9の側面には、左右方向に貫通する固定治具10が設けられる。固定治具10がロールチョック8の側面に設けられた孔部に嵌合することで、ロールチョック8及びロール6aの位置が固定される。ロール6aの位置を特定の複数個所で固定する場合には、ロールチョック8の側面に、固定治具10と対応する孔部を複数位置設ければよい。図3の例では、ロールチョック8、レール9、及びジャッキ部材を総称して駆動手段とすればよく、固定治具10を固定手段とすればよい。
実際の冷延ラインの操業では、ベンドロスに応じた厳密なロールの位置制御は難しく、且つ多数の位置でロールを固定できるように駆動手段及び固定手段等を設けると、コストが増大するという問題がある。これらの問題を鑑みて、ロールは、図1(a)、(b)、及び(c)に示すように、特定の3つの位置に変更及び固定されることが好ましい。
上述したように図1(a)〜(c)の例では、左右2番目のロールを上下に変位させることにより、ブライドルロール6における巻き付け角度を変更する。しかし、ロールの巻き付け角度を変更できるのであれば、ロールの変位する方向及び変位するロールの個数等は適宜変更することができる。
ブライドルロールの他の一例として、図4に示す4つのロールからなるブライドルロール6が挙げられる。図4の例では、上下1対ずつ配置されたロールに、巻き付け角度が鈍角となるように鋼板2が巻き付けられる。当該ブライドルロールでは、各ロールを水平方向に変位させることにより、巻き付け角度を調節することができる。例えば、上側に位置する1対のロールを内側に変位させる、或いは下側に位置する1対のロールを外側に変位させることで、巻き付け角度をより大きくすることができる。一方で、上側に位置するロールを外側に変位させる、或いは下側に位置するロールを内側に変位させることで巻き付け角度を小さくすることができる。
ブライドルロールの各ロールにおける巻き付け角度が小さくなりすぎると、ブライドルロールにおける拘束力から解放された鋼板がカテナリー状に垂れ下がり、近傍の付帯設備等と接触して鋼板表面に疵等が発生することがある。当該問題を回避する観点から、ブライドルロールの各ロールにおける巻き付け角度は、鋼板に最低限の拘束力を与えられるように10°以上とすることが好ましい。また、前記巻き付け角度の上限は特に制限されないが、各ロールの配置上の観点から180°以下とすることが好ましい。
ブライドルロールを構成する各ロールの直径は、圧延する鋼板の性状にもよるが、400〜1000mmであることが好ましい。当該径を有するロールを用いると、冷延鋼板のような板厚の小さい鋼板を通板する場合であっても、ブライドルロールにおいて鋼板をスリップさせることなく、安定して張力制御を行うことができる。
次に、本発明に係る冷間圧延方法について説明する。
図1(a)のように冷間圧延方法では、鋼板2は、冷間圧延機3で圧延された後に、テンションリール4によって巻き取られる。冷間圧延機3とテンションリール4との間で、ブライドルロール6が鋼板2の張力制御を行う。
例えば同一のライン(同じ冷間圧延装置)を用いて、性状の異なる複数種類の鋼板を圧延しようとする場合に、鋼板の性状に応じてブライドルロールにおけるベンドロスの程度が異なることが問題となる。一例として、冷延鋼板のなかでも比較的板厚の大きい厚物はよりベンドロスの程度が大きく、比較的板厚の小さい薄物はよりベンドロスの程度が小さい。よって厚物を通板する場合に、ブライドルロール6におけるベンドロスが大きく、ブライドルロール6を起動するモータのトリップ等に起因するライン停止等の操業トラブルが生じることがある。従来は当該問題を鑑みて、性状の異なる鋼板を圧延する場合には、別の冷間圧延装置を用いて圧延を行う必要があり、生産性が低下する原因となっていた。
本発明に係る冷間圧延方法では、ベンドロスの程度に応じてブライドルロールにおける鋼板の巻き付け角を調節するように、予めロールの位置を変更及び固定した後に通板を開始する。具体的には、ベンドロスの程度がより大きい鋼板を通板する場合には、巻き付け角がより小さくなるようにロールの位置を変更及び固定した後に、通板を開始する。これにより、ブライドルロールでのベンドロスの影響を抑えて、テンションリールでの巻き取り不良を抑える。一方で、ベンドロスの程度がより小さい鋼板を通板する場合には、巻き付け角がより大きくなるようにロールの位置を調節した後の通板を行う。このように、本発明によると、性状の異なる複数種類の鋼板を、ブライドルロール後段での張力不足に起因する操業トラブル等の問題を防止しつつ、1つの冷間圧延装置で圧延することができ、ひいては鋼板の生産性を向上させることができる。
例えば、板厚0.10mm〜0.60mm程度の鋼板(薄物)、を冷延する場合には、図1(a)のように巻き付け角を大きく確保して圧延を行う。1つの鋼板についての圧延が完了した後に、次の鋼板の圧延を行うことになるが、この場合に性状の異なる鋼板を圧延することがある。例えば、板厚0.60mm〜1.6mm程度の鋼板(厚物)、を冷延することになった場合、冷間圧延機後段でのベンドロスの影響を抑えるため、ロールの位置を変更する。具体的に、図1(c)のように、左右2番目のロールの位置を上方向に変更及び固定した後に通板を行う。これにより、通板時のベンドロールでの巻き付け角が小さくなり、ベンドロスの影響を抑えることができるので、テンションリールでの巻き取り不良を抑えることができる。
尚、板厚が薄物と厚物との中間程度の場合には、図1(b)のように巻き付け角が薄物の場合と厚物の場合との中間程度となるように、ロールの位置を変更してもよい。
上述の例では、鋼板の板厚が変更される場合について説明したが、他に鋼板の板幅、強度等が変更される場合についても同様に、ロールの位置調節を行えばよい。より幅広の鋼板及び/又はより高強度の鋼板を圧延する場合には、ロールの巻き付け角度が小さくなるようにロールの位置の変更及び固定を行った後に圧延を行う。一方で、より幅狭の鋼板及び/又はより低強度の鋼板を圧延する場合には、ロールの巻き付け角度が大きくなるようにロールの位置の変更及び固定を行った後に圧延を行う。尚、ロールの板厚、板幅、及び強度はいずれか一種を個別に判断するだけでなく、これら複数種類を組み合わせてベンドロスの程度を考慮して、ロールの位置の変更及び固定を行ってもよい。
1 冷間圧延装置
2 鋼板
3 冷間圧延機
4 テンションリール
5 デフレクターロール
6 ブライドルロール
6a ロール
7 ロール
7a 巻き付き開始点
7b 巻き付き終了点
8 ロールチョック
9 レール
10 固定治具

Claims (6)

  1. 複数本のロールの回転速度の差によって、通板前後の鋼板に張力差を付与するブライドルロールであって、
    前記鋼板のベンドロスの程度に応じて、少なくともいずれか一つのロールの位置を変更する駆動手段と、前記ロールの位置を固定する固定手段とを備えるブライドルロール。
  2. 前記駆動手段及び前記固定手段は、少なくともいずれか一つのロールを特定の3つの位置に変更及び固定する請求項1に記載のブライドルロール。
  3. 鋼板を圧延する冷間圧延機と、前記冷間圧延機において圧延された鋼板を巻き取るテンションリールとを備えた冷間圧延装置であって、
    前記冷間圧延機と、前記テンションリールとの間に、請求項1又は2に記載のブライドルロールが設けられる冷間圧延装置。
  4. 鋼板を圧延する冷間圧延機で冷間圧延を行い、ブライドルロールにて張力制御を行った後に、テンションリールにて鋼板を巻き取る冷間圧延方法において、
    前記鋼板のベンドロスの程度に応じて、ブライドルロールを構成する少なくともいずれか一つのロールの位置を変更及び固定して、鋼板の巻き付け角を変更する冷間圧延方法。
  5. 前記鋼板のベンドロスの程度は、鋼板の板厚、板幅、及び強度のうち少なくともいずれか一種に応じて決定される請求項4に記載の冷間圧延方法。
  6. 少なくともいずれか一つのロールは、特定の3つの位置に変更及び固定される請求項4又は5に記載の冷間圧延方法。
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