JP2003154410A - 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置 - Google Patents

全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置

Info

Publication number
JP2003154410A
JP2003154410A JP2001334677A JP2001334677A JP2003154410A JP 2003154410 A JP2003154410 A JP 2003154410A JP 2001334677 A JP2001334677 A JP 2001334677A JP 2001334677 A JP2001334677 A JP 2001334677A JP 2003154410 A JP2003154410 A JP 2003154410A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
straightening
shaped steel
roll
pinch roll
pinch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001334677A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4191922B2 (ja
Inventor
Tadatsugu Yoshida
忠継 吉田
Shigeru Ogawa
茂 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2001334677A priority Critical patent/JP4191922B2/ja
Publication of JP2003154410A publication Critical patent/JP2003154410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4191922B2 publication Critical patent/JP4191922B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Metal Rolling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全長における断面寸法精度および真直性に優
れ、内部残留応力および局部的材質劣化が少ない形鋼の
矯正方法および矯正装置を提供する。 【解決手段】 矯正圧延機およびその入側および出側の
うちの何れか一方または両方に配置されたピンチロール
列を用いて形鋼を矯正する方法において、前記ピンチロ
ール列を構成する各ピンチロールの位置を調節すること
により、ピンチロール列における形鋼のパスライン位置
を設定するとともに、前記矯正圧延機で圧下することに
より、形鋼の垂直断面全体を塑性変形させることを特徴
とする、全長における断面寸法形状および真直性に優れ
た形鋼の矯正方法および矯正装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長尺材の形鋼の矯
正をその全長にわたって高精度かつ高効率に行う方法お
よび装置を提供する。
【0002】
【従来の技術】軌条やH形鋼などの形鋼の製造技術にお
いては、長手方向にわたる各部位の寸法精度および真直
性の確保が重要な課題であり、高い寸法精度および真直
性の形鋼製品を得るためには、熱間圧延のみで製造する
には限界があるため、通常、圧延後に、圧延材をさらに
冷間または温間で矯正することにより形鋼製品の高い寸
法精度および真直性を確保している。
【0003】従来の形鋼圧延材の矯正方法は、パスライ
ン(形鋼の搬送方向)に沿って上下または左右に千鳥状
に矯正ロールを配設したローラーレベラーを用い、後段
になる程、曲げの曲率が漸減するように各矯正ロールの
パスラインに対する押し込み位置を調節して、被矯正材
(形鋼)の繰り返し曲げをおこなうことにより、矯正を
行う方法が一般的であった。
【0004】このローラーレベラーによる矯正方法は、
比較的コンパクトな設備ですみ、また一旦、適正条件に
設定すれば無人運転が可能なため導入しやすい特長があ
るが、以下の問題があった。
【0005】例えば、軌条(レール)製品においては、
近年鉄道車輌の高速化の指向により、その全長にわたっ
て高い真直性の確保が要求されるが、従来のローラーレ
ベラーによる矯正方法では、原理的に軌条(レール)の
両端部の矯正は不可能であるため、両端部のみ再矯正が
必要であった。この再矯正は、現状、三点曲げや四点曲
げなど間歇的なプレスによる方法が実施されており、生
産性を著しく低下させる一つの原因となっている。
【0006】また、従来のローラーレベラーによる矯正
方法では、被矯正材に対して弾性域と塑性域が複雑に分
布する繰り返し曲げ応力を付与して矯正を行うため、矯
正後の形鋼製品の内部に大きな残留応力が生じやすく、
形鋼製品を使用する際の切断時に、切断面近傍で製品内
部の残留応力に起因する局部変形が発生しやすい。この
切断面近傍の局部変形は、構造物などに組み立てる際の
継ぎ目に段差を生じさせ、所定の接合が困難になるとい
う問題があった。
【0007】また、H形鋼を矯正する場合には、ローラ
ーレベラーによる繰り返し曲げによってウェブ部とフラ
ンジ部の付け根近傍のウェブ側が局部的に圧下され、こ
の部分にせん断変形が生じ、加工硬化およびそれに伴う
割れなどが発生するという材質上の問題があった。
【0008】このようなローラーレベラーによる矯正方
法に代わる方法として、特公昭56-40644号公報
にはユニバーサル圧延機を用いて10%以下の圧下率で
矯正圧延する方法が開示されている。
【0009】図13は、この方法を用いてH形鋼の左右
曲がりを矯正する方法を示した図であり、左曲がりのH
形鋼Aを矯正する場合は、竪ロール1の圧下量P1を竪
ロール2の圧下量P2より大きく(P1>P2)し、逆
に、右曲がりのH形鋼Bを矯正する場合は、竪ロール2
の圧下量P2を竪ロール1の圧下量P1より大きく(P1
<P2)なるように設定し、水平ロール3、4でウエブ
部およびフランジ部内側を拘束しつつ、竪ロール1、2
でフランジ部外側を圧下し、圧下量の大きい方のフラン
ジ部を圧下量の小さい方のフランジ部より長手方向に多
く延伸させることにより左右曲がりを矯正するものであ
る。
【0010】また、図14は、H形鋼の上下曲がりを矯
正する方法を示した図であり、H形鋼C、Dの曲がり方
向に応じて、上下水平ロール3、4の軸心のオフセット
量δを調節し、δを支点長さとする圧延荷重により生じ
る矯正方向のモーメントを利用して上下曲がりを矯正す
るものである。
【0011】しかし、このような圧延による延伸差を利
用した矯正のみでは、所要の真直性を得るためには10
%程度の大圧下率が必要であり、被矯正材の真直性は満
足できても矯正前後の寸法変化、例えば、H形鋼の左右
曲がりを矯正する場合には、左右フランジ部の厚さの変
化が大きくなり製品の寸法外れが生じやすくなる。
【0012】特公昭56-40644号公報は、特に曲
がりが大きい形鋼を矯正する場合には、ユニバーサル圧
延機をタンデムに配置して矯正能力を向上させることを
開示しているが、タンデム圧延による矯正は、矯正設備
の設備コストおよび保守コストを大幅に増加させるとい
う問題が生じる。
【0013】また、特開平5-146824号公報に
は、形鋼を多パスリバース圧延するためのユニバーサル
圧延機の前面または後面に、図15に示すH形鋼10
(フランジ12、ウエブ11を有する。)の上下方向の
端曲がりを防止するためのフランジ端拘束ローラー2
0、および図16に示すH形鋼10の左右の端曲がりを
防止するためのフランジ側部拘束ローラー30を有する
反り及び曲がり防止装置が開示されている。
【0014】この装置は、図17(a)(平面図)およ
び(b)(正面図)の配置例に示すように、ユニバーサ
ル圧延機の水平ロール41および竪ロール42の出側
に、ストリッパガイド44を介して、図15に示される
フランジ端拘束ローラー20を支持する上下方向反り防
止ローラーガイドスタンド46、図16に示されるフラ
ンジ側部拘束ローラー30を支持する左右方向曲がり防
止ローラーガイドスタンド47を交互に配置し、それら
の後にサイドガイド43および搬送テーブルローラ45
を配置するもので、圧延時にユニバーサル圧延機の出側
において、形鋼の端部近傍をフランジ端拘束ローラー2
0及びフランジ側部拘束ローラー30で拘束して、上下
及び左右の曲がりの発生を防止し、圧延機への噛み込み
および搬送トラブルを防止するとともに、搬送中のサイ
ドガイド43での擦り傷を抑制するものである。
【0015】しかし、この反り及び曲がり防止装置は、
圧延機の出側に配置して熱間圧延中の噛み込み不良や摺
り疵の発生を抑制するためのサイドガイドとして使用す
る場合には有効であるが、これを従来のローラー矯正機
に代替して、圧延後の形鋼を冷間および温間で矯正する
場合には、ロール径が小であるため剛性が小であるこ
と、および熱間に比べて温間、冷間での矯正反力が大で
あることなどからスプリングバックが大きいために、両
端部を含む寸法精度および真直性を確保できず、また、
上述したような矯正後の形鋼製品内部の残留応力の発
生、およびそれに伴う切断時の局部変形、加工硬化およ
びそれに伴う割れ発生などの問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の繰り返し曲げの原理に基づくローラーレベラーによ
る矯正では、1)両端の非定常部の矯正が出来ない、
2)残留応力による切断時の局部変形が避けられない、
3)H形鋼のウェブ部とフランジ部の付け根近傍の加工
硬化など、不均一変形による局部的な材質劣化の問題が
発生しやすい、などの課題があった。
【0017】また、特公昭56-40644号公報に開
示されているようなユニバーサル圧延機を用いた圧延矯
正方法では、真直性は満足できても矯正前後の形鋼の断
面形状変化が大きいため、製品の寸法精度が低下し、寸
法外れが発生しやすいという問題があった。
【0018】これらの従来の矯正方法における問題点に
鑑みて、本発明は、従来のローラーレベラーのみによる
矯正方法の欠点である不均一変形による形鋼内部の残留
応力発生、および局部的材質劣化、従来の矯正方法の欠
点である寸法精度の低下などをともに抑制でき、全長に
おける断面寸法精度および真直性に優れ、内部残留応力
および局部的材質劣化が少ない形鋼の矯正方法および矯
正装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するものであり、その発明の要旨とするところは、
以下の通りである。(1)矯正圧延機とその入側および
出側の何れか一方または両方に配置されたピンチロール
列とを用いて形鋼を矯正する方法において、前記ピンチ
ロール列を構成する各ピンチロールの位置を調節するこ
とにより、ピンチロール列における形鋼のパスライン位
置を設定するとともに、前記矯正圧延機で圧下すること
により、形鋼の垂直断面全体を塑性変形させることを特
徴とする、全長における断面寸法形状および真直性に優
れた形鋼の矯正方法。(2)矯正圧延機とその入側およ
び出側の何れか一方または両方に配置されたピンチロー
ル列とを用いて形鋼を矯正する方法において、前記ピン
チロール列を構成する各ピンチロールの回転軸の水平方
向に対する傾き角度を調節することにより、ピンチロー
ル列における形鋼の捻れに対するパスラインの捻れを設
定するとともに、前記矯正圧延機で圧下することによ
り、形鋼の垂直断面全体を塑性変形させることを特徴と
する、全長における断面寸法形状および真直性に優れた
形鋼の矯正方法。(3)さらに、前記ピンチロール列を
構成する各ピンチロール間の相対位置を調節することに
より、ピンチロール列における形鋼の姿勢を調整するこ
とを特徴とする、上記(1)または(2)の何れかに記
載の全長における断面寸法形状および真直性に優れた形
鋼の矯正方法。(4)さらに、前記ピンチロール列を構
成する各ピンチロールの回転速度を調節することによ
り、前記矯正圧延機と該ピンチロール列の間において形
鋼の長手方向に引張り張力を付与することを特徴とす
る、上記(1)から(3)の何れか1項に記載の全長に
おける断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方
法。(5)前記矯正圧延機で圧下率が10%未満として
圧下することを特徴とする、上記(1)から(4)の何
れか1項に記載の全長における断面寸法形状および真直
性に優れた形鋼の矯正方法。(6)形鋼の垂直断面全体
を塑性変形させるための矯正圧延機と、該矯正圧延機の
入側および出側のうちの何れか一方または両方に設置さ
れ、形鋼を把持して上下および左右方向に移動すること
が可能な複数のピンチロールで構成されたピンチロール
列を有することを特徴とする、全長における断面寸法形
状および真直性に優れた形鋼の矯正装置。(7)さら
に、前記ピンチロール列を構成する複数のピンチロール
が、さらに、形鋼を把持してパスラインの回りに回転す
ることが可能であることを特徴とする、上記(6)に記
載の全長における断面寸法形状および真直性に優れた形
鋼の矯正装置。(8)前記ピンチロール列を構成する各
ピンチロールは、個別に上下および左右方向に移動可能
であり、かつ各ピンチロール間の上下および左右方向の
相対位置が調節可能であることを特徴とする、上記
(6)または(7)の何れかに記載の全長における断面
寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正装置。(9)
前記ピンチロール列を構成する各ピンチロールの少くと
も一対のピンチロールは、回転速度を調節可能であるこ
とを特徴とする、(6)から(8)の何れか1項に記載
の全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼
の矯正装置。(10)前記矯正圧延機の各圧延ロールお
よび前記ピンチロール列の各ピンチロールに設けられた
ロール位置、ロール反力、ロール回転速度を測定するセ
ンサーと、該センサーからの前記矯正圧延機のロール位
置、反力、回転速度、および、前記各ピンチロール列の
ピンチロールの位置、回転速度、反力の各計測信号に基
づいて、前記矯正圧延機において形鋼に作用する圧下率
と、曲げモーメント、捩れモーメント、曲げモーメント
および引っ張り張力のうちの1種または2種以上を演算
するとともに、形鋼の全長を所定の寸法形状に矯正する
ための、前記矯正圧延機のロール位置と、前記ピンチロ
ール列の各ピンチロールの位置、開度及び回転速度のう
ち1種または2種以上とを決定して制御信号とする演算
制御手段と、該制御信号に基づいて、前記矯正圧延機の
圧延ロールおよび前記ピンチロール列のピンチロールを
制御する制御盤またはアクチュエーター手段とからなる
制御手段を備えることを特徴とする(6)から(9)の
いづれか1つに記載の全長における断面寸法形状及び真
直性に優れた形鋼の矯正装置。(11)矯正圧延機の各
圧延ロールおよびピンチロール列の各ピンチロールに設
けられたロール位置、ロール反力、ロール回転速度を測
定するセンサー、及びピンチロール列の各ピンチロール
に設けられたピンチロールの回転軸の傾きを測定するセ
ンサーと、該センサーからの前記矯正圧延機のロール位
置、回転速度、ならびに、ピンチロール列の各ピンチロ
ールの位置、回転速度、反力、および回転軸の傾きの各
計測信号に基づいて、前記矯正圧延機において形鋼に作
用する圧下率と、曲げモーメント、捩れモーメント、曲
げモーメントおよび引っ張り張力のうちの1種または2
種以上を演算するとともに、形鋼の全長を所定の寸法形
状に矯正するための、前記矯正圧延機の圧延ロール位置
と、前記ピンチロール列の各ピンチロールの位置、開
度、回転速度およびロール回転軸の傾きのうち1種また
は2種以上とを決定して制御信号とする演算制御手段
と、該制御信号に基づいて、前記矯正圧延機の圧延ロー
ルおよび前記ピンチロール列のピンチロールを制御する
制御盤またはアクチュエーター手段とからなる制御装置
を備えることを特徴とする(7)から(9)のいづれか
1つに記載の全長における断面寸法形状及び真直性に優
れた形鋼の矯正装置。(12)形鋼の垂直断面全体を塑
性変形させるための矯正圧延機と、該矯正圧延機の入側
および出側のうちの何れか一方または両方に設置され、
該形鋼を把持して該形鋼を上下方向または左右方向また
は回転方向の何れか一方または複数の方向に変位するこ
とが可能な1対または複数対のピンチロールと,該矯正
圧延機の圧延ロールおよび該ピンチロールの位置センサ
ーおよび荷重センサーを有し,該荷重センサーの計測信
号を入力して該矯正圧延機のロールバイトと該ピンチロ
ール間の形鋼に生じる弾性たわみを演算する変形モデル
と,該位置センサーの計測信号を入力して該形鋼のパス
ラインを演算して目標のパスラインからの偏差変位を演
算するパスラインモデルと,該偏差変位に該形鋼の弾性
たわみによる偏差角度を加算して実効偏差角度を推定す
る偏差変位モデルと、該実効偏差角度が零になるように
該ピンチロール位置を調節する信号を演算して出力する
制御装置と,該矯正圧延機の圧延ロールの位置センサー
および荷重センサーの計測信号を入力して目標の圧延ひ
ずみを形鋼に付与するように圧延ロールの開度を調節す
る信号を演算して出力する圧延制御装置と、該ピンチロ
ールおよび該圧延ロールの位置を該制御装置の指令位置
に変位する駆動装置および制御盤を有することを特徴と
する全長における断面寸法形状及び真直性に優れた形鋼
の矯正装置。(13)前記圧延機がユニバーサル圧延機
であることを特徴とする請求項6から請求項12の何れ
か1項に記載の全長における断面寸法形状および真直性
に優れた形鋼の矯正装置。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。
【0021】本発明者らは、従来のローラーレベラーの
みによる矯正方法の欠点である不均一変形による形鋼内
部の残留応力発生および局部的材質劣化、従来の矯正方
法の欠点である寸法精度の低下、などを抑制するため
に、圧延機による圧延矯正とローラーレベラーに代表さ
れる曲げ矯正の長所と短所を鋭意比較検討した結果、そ
れぞれ単独で用いる場合の圧延矯正機構と曲げ矯正機構
に対して、それぞれの特徴を組み合わせることによる相
互作用で、従来にない高機能の軽圧下矯正機構が得ら
れ、これらの機構により、全長における高断面寸法精度
および真直性に優れ、内部残留応力および局部的材質劣
化が少ない形鋼の矯正が可能となることを知見した。
【0022】本発明の矯正装置は、矯正圧延機と、この
矯正圧延機の入側および出側のうちの何れか一方または
両方に設置されたピンチロール列により構成される。
【0023】図1は、本発明の矯正装置の一例として、
ユニバーサル圧延機51とその入側および出側にそれぞ
れ入側ピンチロール列52および出側ピンチロール列5
3を配置する矯正装置を示す。
【0024】形鋼50は、矯正圧延機であるユニバーサ
ル圧延機51の上下および左右にそれぞれ配置された水
平ロール54、54’および竪ロール55、55’によ
り挟み込まれて同時に所定の圧下率で圧下されることに
より、垂直断面全体に均一な塑性変形が付与され、形鋼
50の各部位の形状が所定の寸法に調整される。
【0025】なお、本発明において、断面、垂直断面と
は、いづれも形鋼の長手方向に直角な断面を指すものと
する。
【0026】本発明の矯正圧延機としては、形状が複雑
な形鋼の垂直断面全体を圧延により均一に塑性変形させ
る必要があり、形鋼の周囲全体に接触させて均一に圧下
することが可能であれば、いかなる形態の圧延機、たと
えば孔型ロールを有する圧延機、ユニバーサル圧延機な
どを用いることができるが、被矯正材への汎用性の点か
らユニバーサル圧延機を用いることが好ましい。
【0027】一般に、ユニバーサル圧延機は高価である
が、本発明の軽圧下圧延矯正条件であれば、加工仕事量
が小さく比較的コンパクトで安価な設備で実現できる。
【0028】ユニバーサル圧延機51の入側および出側
には、パスライン(形鋼の搬送方向)に沿って上下およ
び左右に一対づつ配設された複数のピンチロール(5
6、56’、57、57’、58、58’、59、5
9’)で構成された入側ピンチロール列52および出側
ピンチロール列53が配置されており、形鋼50に対し
て所要の曲げ応力を付与するとともに、好ましくは、ピ
ンチロールに回転駆動装置(図示せず)を設け、回転駆
動装置により各ピンチロール(56、56’、57、5
7’、58、58’、59、59’)を所定の回転速度
に調節すること、たとえば、ユニバーサル圧延機の圧延
速度に比して入側ピンチロール列のピンチロールの回転
速度を遅く、出側ピンチロール列のピンチロールの回転
速度を速くするなど、により、ユニバーサル圧延機51
と入側ピンチロール列53または出側ピンチロール列5
2との間で、形鋼50の長手方向に引張り張力を付与す
る。
【0029】なお、ピンチロールに設ける回転駆動装置
は、各ピンチロール列内の各ピンチロールに設けてもよ
いが、各ピンチロール列内で、少くとも1対のピンチロ
ール(たとえば、57、57’および59、59’)に
設けてあれば良い。なお、入側のピンチロールによる張
力付与に関しては、ピンチロールにブレーキを設けるこ
とにより、モーターによるロール回転駆動方式を、回転
制動方式に代替することも可能である。前述のように入
側または出側の回転駆動装置を備えたピンチロールによ
りロールバイト内の材料に張力を付与することにより、
圧下で生じた塑性変形域をより一層均一に保つことが出
来るので、矯正後の形鋼の残留応力を理論的にはほぼ0
まで低減することが可能である。また、本発明の矯正装
置の入側および出側ピンチロール列52、53には、そ
れぞれアクチュエータ(図示せず)が設けられており、
これにより各ピンチロール(56、56’、57、5
7’、58、58’、59、59’)を上下または左右
方向に移動させ、形鋼50の所定のパスライン位置を設
定することができる。
【0030】圧延時に反りや曲がりが生じた形鋼50を
矯正する際には、ユニバーサル圧延機51の各ロール
(54、54’55、55’)、および入側および出側
ピンチロール列52、53の各ピンチロール(56、5
6’、57、57’、58、58’、59、59’)に
は、形鋼50の反りや曲がりによる所定パスラインから
の幾何学的な位置偏差に起因して押付力が負荷され、そ
れらの反力によってユニバーサル圧延機51の入側およ
び出側近傍の形鋼50に曲げモーメントが発生し、形鋼
50を所定パスラインへ矯正する機構が働く。
【0031】また、上記の上下および左右方向に移動さ
せることができる複数のピンチロールには、好ましくは
さらに、アクチュエーター(図示せず)を設けて、複数
のピンチロールの回転軸をパスラインの周りに回転させ
ることを可能とする機能を備えさせる。すなわち、これ
によって、圧延時に捻れ変形が生じた形鋼50を矯正す
る際には、形鋼50の捻れ変形(捻れ角度)に応じて、
入側ピンチロール列52の各ピンチロール(56、5
6’、57、57’)の回転軸に対して、出側ピンチロ
ール列53の各ピンチロール(58、58’、59、5
9’)の回転軸を、上記のアクチュエーターにより、パ
スラインの周りに回転させ、パスラインを中心に形鋼の
捻れ角度を相殺するように傾けた位置に設定する。これ
により、形鋼50の捻れ変形に起因して入側および出側
ピンチロール列52、53に発生する反力によって、ユ
ニバーサル圧延機51の入側および出側近傍の形鋼50
に捻れモーメントが発生し、形鋼50の捻れを矯正する
機構が働く。
【0032】また、圧延時に反りや曲がりが生じた形鋼
50、または捻れ変形が生じた形鋼50を矯正する際に
は、上述のように、同時にユニバーサル圧延機51と入
側および出側ピンチロール列52、53との間には、形
鋼50の長手方向に対して引張り張力を付与することが
できるため、入側および出側ピンチロール列52、53
の反力に起因する曲げモーメントまたは捻れモーメント
と長手方向の引張り張力との重畳作用により、形鋼50
は、ユニバーサル圧延機51による低い圧下率によって
容易に垂直断面全体に均一な塑性変形が可能となり、全
長にわたって垂直断面の寸法精度および真直性に優れた
矯正が可能となる。
【0033】短尺の形鋼50を矯正する場合は、形鋼5
0の自重による入側および出側ピンチロール列52、5
3の各ピンチロール(56、56’、57、57’、5
8、58’、59、59’)の拘束力への影響が少ない
ため、各ピンチロール(56、56’、57、57’、
58、58’、59、59’)の位置を形鋼の目標パス
ライン位置に設定することにより、形鋼50を容易に矯
正することができるが、長尺の形鋼50を矯正する場合
は、形鋼50の自重によるピンチロールの拘束力への影
響が大きくなるため、各ピンチロール(56、56’、
57、57’、58、58’、59、59’)の相対位
置を以下のように調整する必要がある。
【0034】つまり、長尺の形鋼50を矯正する場合
は、ユニバーサル圧延機51の入側または出側のローラ
ーテーブル上に被矯正材の形鋼50が連続して存在し、
それらの自重により各ピンチロール(56、56’、5
7、57’、58、58’、59、59’)の拘束力を
妨げる方向に横荷重や曲げモーメントが作用するため、
入側および出側ピンチロール列52、53における材料
の把持姿勢(パスラインに対する傾き)の変動、および
それに起因したユニバーサル圧延機51における塑性変
形中の材料に作用する圧延荷重や曲げモーメントの変動
が避けられず、矯正における寸法精度が大幅に低下する
という問題が生じる。
【0035】そこで、本発明では、好ましくは入側およ
び出側ピンチロール列52、53を構成する各ピンチロ
ール(56、56’、57、57’、58、58’、5
9、59’)に、それらの相対位置をアクチェータによ
り個別に調整することが可能な機構を設け、圧延中の材
料に負荷すべき最適な曲げモーメントに対して外乱とな
るローラーテーブル上の形鋼50の自重により各ピンチ
ロールに生じる余分な横荷重や曲げモーメントを相殺す
るように各ピンチロールの相対位置を個別に調節し、形
鋼50の姿勢を調整できるようにする。これによりユニ
バーサル圧延機51における塑性変形中の材料に作用す
る圧延荷重や曲げモーメントの変動を抑制することがで
き、長尺の形鋼50を矯正する場合でも、短尺材の矯正
と同様に、全長にわたって垂直断面の寸法精度および真
直性に優れた矯正が可能となる。また、図1では、入
側、出側にそれぞれ4つのピンチロール対(8個のピン
チロール)からなるピンチロール列を示しているが、上
記観点からさらに多くのピンチロール対からなるピンチ
ロール列としてもよいことは明らかである。なお、矯正
に必要な拘束力を維持できるものであれば1対のピンチ
ロール(ピンチロール2個)からなるピンチロール列を
構成しても良いことは言うまでもない。
【0036】また、曲りが大きい形鋼50を矯正する場
合にも、入側ピンチロール列52または出側ピンチロー
ル列53が形鋼50の先端と干渉しないような上下また
は左右位置に予め開いておき、形鋼50の先端が通過す
る際に、これらのピンチロールを閉じて形鋼50に対し
て所要の圧下を付与することによって、曲りが大きい形
鋼50による搬送トラブルを回避することができる。
【0037】上述の通り、本発明の圧延矯正装置におい
ては、ピンチロール列の各ピンチロールは、上下、左右
に移動可能であり、また、好ましくは、ピンチロールの
回転軸の傾きを変更可能とする。これによって各ピンチ
ロールの上下、左右位置を変更し、或いは好ましくは、
さらに、ピンチロールの回転軸の傾きを変更して、パス
ラインの上下、左右位置、および好ましくは、さらにパ
スラインの捻れを調整するものである。上述のように、
ピンチロール列の各ピンチロールの各々にアクチュエー
タを設け、各ピンチロール毎に位置を調整することもで
きるが、上下、或いは左右のピンチロール対単位にアク
チュエータを設け、ピンチロール列毎に上下、左右位
置、或いは好ましくは、さらに回転軸の傾きを調整し
て、上述のようにパスラインの位置、捻りなどの調整を
するようにしても良い。また、好ましくは、ピンチロー
ル列、たとえば、複数個のピンチロールで形成されるピ
ンチロール列単位にアクチュエーターを設け、ピンチロ
ール列単位に、上下、左右移動させ、あるいは好ましく
は、さらにその回転軸を傾斜させて、パスラインの上
下、左右位置、好ましくは、さらに捻れを調整しても良
い。
【0038】この場合、たとえば、上下、左右に移動可
能な台車上にピンチロールを搭載したピンチロール対あ
るいは列を構成し、この台車をアクチュエーターにより
上下、左右に移動させ、或いは好ましくは、さらにアク
チュエータによって台車を傾斜させて、パスラインの調
整を行うことができる。
【0039】また、本発明においては、上述のように、
長尺の形鋼を矯正するような場合、好ましくは、長尺材
の自重によるピンチロール拘束力への影響を緩和するた
め、被矯正材の姿勢(パスラインに対する傾き)を制御
する。このためには、ピンチロール列内における各ピン
チロールの相対位置を調整する必要がある。この場合
は、ピンチロールを個別に位置変更する必要があるの
で、ピンチロール毎に、あるいはピンチロール対毎に相
対位置を変更可能とするアクチュエーターを設けた構成
とすることが好ましい。
【0040】また、相対位置とは、ピンチロール列で形
成されるパスラインに対する各ピンチロールの位置のこ
とであり、通常この位置は、パスラインと一致する。し
かしながら、上述のように長尺材の場合は、ピンチロー
ル列内のいくつかのピンチロールの位置を、パスライン
からずらすことによって、すなわち相対位置を調整する
ことによって、形鋼の姿勢を制御するものである。な
お、矯正圧延機の入側および出側のいずれか一方または
双方に、複数のピンチロール列を備える場合は、ピンチ
ロール列間の相対位置を調整することにより、長尺材の
姿勢を調節することもできるので、ピンチロール列単位
にアクチュエータを設ける構成も好適である。アクチュ
エータとしては油圧式、電動式のものなど公知の装置を
利用できる。
【0041】なお、矯正圧延機の入側及び出側の双方に
ピンチロール列を備えた図1の装置に基づいて説明した
が、ピンチロール列は、入側または出側のいずれか一方
の側にのみ備えたものでもよいし、また、図1の例で
は、それぞれ8個のピンチロールから構成されるピンチ
ロール列を示しているが、姿勢制御などの観点からさら
に多くのピンチロールからなるピンチロール列としても
良く、いずれも本発明の効果を発揮できることは言うま
でもない。
【0042】図2(a)、(b)は、本発明の矯正方法
(図2(b))とローラーレベラーのみによる従来の矯
正方法(図2(a))における被矯正材である形鋼50
の変形特性を比較するための矯正モデルを示した図であ
る。
【0043】図2(a)に示すローラーレベラーのみに
よる従来の矯正方法においては、ローラーレベラーの矯
正ロール73の形鋼50との接触部B点の位置を、矯正
ロール72の形鋼50との接触部B’点の位置に対する
相対移動量、つまり押し込み量をΔだけ上方(図2
(a)の上方)に押し込む位置に設定し、矯正ロール7
1の形鋼50との接触部A点を支点として形鋼50を上
の方向(図2(a)で下に凸の形状)に曲げる矯正力を
負荷した例であり、この場合、矯正中の形鋼の接触点B
点には矯正力に対する下向き(図2(a)で下向き)の
反力が発生する。
【0044】一方、図2(b)に示す本発明の矯正方法
において、ユニバーサル圧延機のロール55、55’の
出側ピンチロール59、59’のロール59’と形鋼5
0との接触部B点の位置を、ユニバーサル圧延機のロー
ル55、55’の入側ピンチロール57、57’のロー
ル57’と形鋼50との接触部B点の位置に対して、図
2(a)と同じ押し込み量Δだけ上方(図2(b)で上
方)に押し込む位置に設定した場合、矯正中の形鋼50
の接触点B点には、同様に矯正力に対する下向き(図2
(b)で下向き)の反力が発生するが、矯正中の形鋼5
0には、同時にユニバーサル圧延機のロール55、5
5’による圧延により、塑性加工域で圧下量uが負荷さ
れており、その圧下量uにより矯正中の形鋼50の接触
部B点の反力は軽減される。また、好ましくは、ユニバ
ーサル圧延機のロール55、55’と入側ピンチロール
57、57’および出側ピンチロール59、59’の間
に引張り張力(図2(b)の左右の矢印の方向)が付与
された状態で、ユニバーサル圧延機のロール55、5
5’による圧延により、塑性加工域で圧下量uが負荷さ
れるため、矯正中の形鋼50の変形特性は変化し、それ
に伴ってB点の反力も変化する。
【0045】すなわち、図3は、図2の本発明法(図2
(b))と従来法(図2(a))の矯正モデルにおい
て、矯正中の形鋼50の接触部B点の矯正反力を弾塑性
有限要素解析により計算し、比較した結果を示したもの
である。ここで、本発明法の矯正モデルにおけるユニバ
ーサル圧延機のロール55、55’の圧下率と矯正中の
形鋼50とピンチロール59’との接触部B点の矯正反
力との関係を知るために、図3の横軸は図2の形鋼50
と圧延機のロール55、55’との接触部AおよびA’
点における圧延の圧下率(%)とした。
【0046】図3から明らかなように、本発明のユニバ
ーサル圧延機のロール55、55’と入側および出側ピ
ンチロール57、57’、59、59’による矯正は、
従来のローラーレベラー71、72、73のみの矯正に
比べて、矯正中の形鋼50とロールとの接触点B点での
矯正反力を低下させることができ、その矯正反力は、ユ
ニバーサル圧延機のロール55、55’による圧延時に
圧下率(%)の増加により、低下させることができる。
また、ユニバーサル圧延機のロールと、入側および出側
のピンチロールにより、形鋼に引張り張力が付与される
と、さらに矯正反力を低下させることができることがわ
かる。
【0047】これは、本発明では、ユニバーサル圧延機
のロール55、55’の圧延により既に降伏状態にある
ロールバイト内、つまり図2(b)の形鋼と圧延機のロ
ールとの接触部A点およびA’点の近傍の垂直断面に対
して、出側ピンチロール59、59’の形鋼との接触部
B点の押し込み量Δに起因する曲げ応力と、ユニバーサ
ル圧延機のロール55、55’と入側および出側ピンチ
ロール57、57’および59、59’(図1では、入
側および出側ピンチロール列52、53に相当)との間
の引張り張力とが重畳して作用し、ユニバーサル圧延機
のロール55、55’の圧下率および引張り張力の増大
により形鋼50は降伏しやすくなるため、形鋼50とピ
ンチロール59’との接触部B点の矯正反力が減少する
ものと考えられる。
【0048】図4は、図2の本発明法(図2(b))と
従来法(図2(a))の矯正モデルにおける矯正中の形
鋼50とローラーレベラーのロール又はピンチロールと
の接触部B点の矯正反力と矯正後のスプリングバック量
(形鋼が矯正機から外れた際に内部応力の解放により変
形する現象)との関係を示す図である。矯正後のスプリ
ングバック量は矯正反力(ローラーレベラーによる矯正
反力P(a)、本発明の方法による矯正反力P(b))
が大きいほど、大きくなることがわかる。
【0049】このように図3および図4から本発明の矯
正法は、従来の矯正方法に比べて矯正後のスプリングバ
ック量、つまり矯正後の形状凍結性に優れ、寸法精度お
よび真直性の高い矯正が可能であることがわかる。
【0050】図5(a)(b)は、図2の本発明法(図
2(b))と従来法(図2(a))の矯正モデルにおけ
る矯正時の残留応力の変化を示す図である。
【0051】図5の材料表面に平行で、厚さ方向にほぼ
等間隔に示した線は、材料厚さ方向の残留応力の分布を
示したもので、線の長さがその大きさを示している。
【0052】図5(a)は、ローラーレベラーのみによ
る従来の曲げ矯正後の残留応力分布であり、開放される
応力が開放すべき残留応力に対して小さく、残留応力が
蓄積され、かつ厚さ方向に不均一な分布となっている。
一方、図5(b)は、本発明の矯正方法で、ロールでの
圧下前後の残留応力の分布を示しており、圧延による塑
性変形が加えられた結果、開放すべき残留応力が大幅に
減少しており、また、板厚方向に均一な分布となってい
ることがわかる。
【0053】従来法(図2(a))であるローラーレベ
ラーのみによる矯正方法では曲げ応力により形鋼50内
部に残留応力が蓄積されるが、本発明法(図2(b))
であるユニバーサル圧延機とピンチロールによる矯正方
法では、原理的に残留応力を零にまで低減することが可
能であり、従来法では、矯正後の形鋼を切断する際に内
部の残留応力に起因して切断面近傍に局部変形が発生し
やすいのに対して、本発明法では、原理的にそれらの問
題を低減できる。
【0054】図6に、ねじれ変形が生じている形鋼(図
6(b))および矯正する方法の原理図(図6(a))
を示す。
【0055】一般に圧延後の形鋼を矯正する場合、形鋼
圧延によって生じた上下または左右の曲がりや反りのほ
かに、捻れによる変形の矯正を考慮する必要がある。
【0056】本発明において、捻れによる変形を生じた
形鋼を矯正する場合は、例えば、図6(a)に示すよう
に、形鋼の捻れ変形(捻れ角度:α)に応じて、入側ピ
ンチロール列52の各ピンチロール(図1の56、5
6’、57、57’)の回転軸に対して、出側ピンチロ
ール列53の各ピンチロール(図1の58、58’、5
9、59’)の回転軸をアクチュエーターにより、パス
ラインの回りに回転させ、パスラインを中心に形鋼の捻
れ角度:αを相殺するように傾けた位置に設定する。
【0057】本発明では、このように捻れによる変形を
生じた形鋼を矯正する場合には、上述のようにユニバー
サル圧延機51の圧延により既に降伏状態にある形鋼5
0に、入側および出側ピンチロール列52、53による
捻り応力と、ユニバーサル圧延機のロール55、55’
(図1)と入側および出側ピンチロール列52、53の
間との引張り張力とが重畳して作用することとなるが、
上述のように、ユニバーサル圧延機のロール55、5
5’(図1)の圧下率および引張り張力の増大により、
形鋼50は降伏しやすくなり、形鋼50との接触部B点
の矯正反力およびそれに起因するスプリングバックは減
少し、全長にわたって垂直断面の寸法精度および真直性
に優れた矯正が可能となる。
【0058】以上のように、本発明における矯正におい
ては、矯正すべき形鋼の曲がりや捩れなど変形の程度に
応じて、更には、付与される引張り張力に応じて、矯正
圧延機における圧下率、入側および出側でのピンチロー
ルの位置、或いはピンチロールの回転軸の傾き等を調整
するが、矯正圧延機における圧下率は10%未満の軽圧
下とすることが好ましい。これは、圧下率が10%を超
えると、形鋼の寸法精度が低下し、また、そのような圧
下を加えようとすると圧延設備を大型化せざるを得ず、
設備費用が増大するからである。本発明では、張力付与
と組み合わせることによって、圧下率を低く、すなわち
軽圧下に調整することが可能である。
【0059】また、先に述べたように、ピンチロールの
回転速度を制御することによって塑性変形中の形鋼に対
して、引張張力を負荷することができる。負荷する張力
は、大きい程スプリングバック低減効果があるので好ま
しいが、過度に大きな張力負荷は、ピンチロールの設備
コストの増加を招くので、その費用対効果を考慮して設
定する必要がある。一般に形鋼の変形抵抗の10%程度
の張力を負荷できれば、顕著な効果が認められる。な
お、ピンチロールの圧下力を大きくしたり、回転速度制
御するピンチロールの数を増やしたりして、ピンチロー
ルと形鋼との摩擦力を確保することにより、負荷する張
力を調整することも好ましい。
【0060】図7は本発明の形鋼の矯正システムに関す
る実施形態の一例として、ユニバーサル圧延機51とそ
の入側および出側のピンチロール列52、53で構成さ
れた矯正装置(図1に同じ)およびその制御システムの
概念図を示す.また,図8はこの制御システムによる制
御の流れを示す。
【0061】なお、図7には図示していないが、入側お
よび出側ピンチロール列52、53の各ピンチロール列
の中で、少なくとも1対以上のピンチロールには回転駆
動装置が設けられており、回転速度を調整可能としてい
る。
【0062】ユニバーサル圧延機51と、入側および出
側ピンチロール列52、53とには、それぞれ各ロール
の位置、および好ましくは、ピンチロールの回転軸の傾
き、を変えるためのアクチュエータ(図示せず)および
その制御盤60、61、62と、それぞれ各ロールの回
転速度、ロール位置およびロール反力、および好ましく
は、ピンチロールの回転軸の傾きなど、を測定するため
のセンサー63、64および65が設けられており、こ
れらは記録装置67を有する演算制御装置66と信号線
で連結されている。演算制御装置66は主にピンチロー
ル制御に関係する変形モデル81、パスラインモデル8
2、偏差変位モデル83、制御装置84と主に圧延制御
に関係する圧延制御装置85から構成される。変形モデ
ル81はピンチロールに設置された荷重センサー64お
よび65の計測信号を入力してロールバイトと該ピンチ
ロール間の形鋼に生じる弾性たわみを演算する。形鋼を
梁と見なすことにより、材料力学の梁の曲げ変形の公式
が適用できる。即ち、ロールバイトからピンチロールの
間の形鋼をロールバイト側が固定端でピンチロール側が
着力端である片持ち梁と見なせば、ピンチロール荷重や
ねじりモーメントなどの負荷が着力することにより、形
鋼にたわみやねじれなどの弾性変形が生じる。弾性変形
は負荷中に生じ、除荷によって消失する性質がある。そ
のため、矯正中の負荷で発生した弾性たわみや弾性ねじ
れは矯正後にスプリングバックと呼ばれるもどり変形で
消失するので、スプリングバックを補正しないと矯正効
果が不足し形状凍結性が悪化する原因となる。パスライ
ンモデル82はピンチロールに設置された位置センサー
64および65と矯正圧延機に設置された位置センサー
63の計測信号を入力して形鋼のパスラインを演算して
目標のパスラインからの偏差変位を演算する。通常形鋼
の圧延では形鋼が入り側の搬送テーブルから圧延機で圧
延されて出側の搬送テーブルに送られる。その際、形鋼
が通過する軌跡を連ねた曲線がパスラインであり、定常
圧延状態では1本の曲線に収斂する。通常このパスライ
ンが目標の形鋼の形状に一致するように圧延を行う。目
標パスラインと実測のパスラインの差を偏差角度として
求め、これが零になるように制御すれば所望の形状の形
鋼が得られる。但し、各ロールの位置から算出された矯
正中の形鋼のパスラインは弾性変形を含むため矯正後に
スプリングバックを生じるので、前述のように精度の高
い矯正を行うためにはその補正が必要である。偏差変位
モデル83は偏差角度に形鋼の弾性たわみによる偏差角
度を加算して実効偏差角度を推定する。即ち、矯正後の
スプリングバックにより不足する矯正量を弾性たわみの
分補正することにより、矯正効果の不足を補う。これに
より、矯正の高精度化がはじめて可能となる。制御装置
84は実効偏差角度の分だけ該ピンチロール位置を調節
する信号を演算して出力する。圧延制御装置85は矯正
圧延機の圧延ロールの位置センサーおよび荷重センサー
63の計測信号を入力して目標の圧延ひずみを形鋼に付
与するように圧延ロールの開度を調節する信号を演算し
て出力する。圧延矯正では圧下が小であり形鋼の断面全
体に出来るだけ均一なひずみを付与するために、圧延ロ
ールに作用する荷重が適正範囲内を保持するようにロー
ルの開度を調節して目標の圧延ひずみを得る。入側およ
び出側ピンチロール列52、53に設けられたアクチュ
エータは、制御装置の指令に従って各ピンチロールを上
下および左右方向に移動させることで形鋼のパスライン
位置を変更するとともに、好ましくは、各ピンチロール
の回転軸を傾斜させることによりパスラインの捻れを変
更することができる。
【0063】形鋼50を矯正する際には、ユニバーサル
圧延機51の各ロールの回転速度、各ロールの位置と各
ロール反力をセンサー63により測定し、これらの計測
信号を制御装置66に取り込んで演算することにより、
ユニバーサル圧延機51での狙いの圧下率を得るための
適正ロール位置(開度)を決定するとともに、その制御
信号をユニバーサル圧延機51の制御盤60に送信し、
アクチュエータを介して、ロール位置(開度)を調整
し、圧延の圧下率を狙い値に制御する。これより形鋼5
0の垂直断面形状を狙い値に保つとともに、ロールバイ
ト内の形鋼50を塑性変形状態に保持し、入側および出
側ピンチロール列52、53の矯正負荷を低減する。
【0064】一方、入側および出側ピンチロール列5
2、53においては、各ロールの回転速度、各ロール位
置および各ロール反力、好ましくはさらにロール回転軸
の傾きを、センサー64および65で検出し、その計測
信号を演算制御装置66に取り込んで演算することによ
り、形鋼50の形状を推定し、形鋼の形状不良を矯正す
るために最適な入側および出側ピンチロール列52、5
3の各ロール位置、開度および各ロール回転速度、好ま
しくはさらに、ロール回転軸の傾きなど、を決定すると
ともに、その制御信号を入側および出側ピンチロール列
52、53の制御盤61、62に送信し、アクチュエー
タを介して各ピンチロールの位置、開度、および回転速
度、好ましくはさらにロール回転軸の傾きなど、を調整
し矯正後の形鋼の形状を狙い値になるように制御する。
【0065】また、入側および出側ピンチロール列5
2、53の各ロールに取り付けられた各ロール位置およ
び各ロール反力のセンサー64、65により、各ロール
位置および各ロール反力の上下および左右方向の成分を
計測する。この計測値により、矯正中に形鋼50に負荷
される上下および左右方向の荷重、およびピンチロール
の上下および左右位置を検出して、入側および出側ピン
チロール列52、53で把持される形鋼に作用する負荷
(横荷重および曲げモーメント)と、この負荷による形
鋼の弾性変形量とを、次いで、各ロール位置および該形
鋼の弾性変形量から形鋼の曲り量を演算制御装置66の
演算機能を用いて推定するとともに、該形鋼の曲り量を
相殺するような形鋼50の把持姿勢を演算し、それに応
じた各ピンチロールの最適位置の制御信号を入側および
出側ピンチロール列52、53の制御盤61、62に送
信し、アクチュエータを介して好適に設けた個別に位置
調整が可能な機構によって各ピンチロールの相対位置を
調整し、形鋼の把持姿勢が狙い値になるように制御す
る。
【0066】圧延後の形鋼には、全長にわたる曲がりや
捻れ変形の他に、端部など局部的な曲がりや捻れ変形が
生じる場合があるが、このような場合には、好ましく
は、ユニバーサル圧延機51と入側および出側のピンチ
ロール列の各ロールに荷重計、望ましくは荷重計および
変位計を設け、荷重計、荷重計および変位計による計測
信号をもとに、ユニバーサル圧延機51のロール位置
(開度)および入側、出側のピンチロール列52、53
の各ロール位置および各ロール回転速度を制御すること
により、短尺および長尺に関わらず形鋼50の全長およ
び局部に生じている上下左右の曲がりや捻れ変形の矯正
を制御することができる。
【0067】通常の形鋼を矯正する場合は、ユニバーサ
ル圧延機51および入側および出側のピンチロール列5
2、53のパスラインを一致させて、一定に固定した条
件で形鋼の矯正を行うことにより、形鋼の左右曲がり、
上下曲がりおよび捻れ変形を矯正して、全長にわたって
形鋼の各部位の寸法が目標公差内に入る寸法精度と真直
性に優れた形鋼を得ることができる。また、この際、更
に形鋼の矯正効果を高め、寸法精度と真直性を向上させ
るためには、入側または出側のピンチロール列52、5
3のピンチロールの回転速度の制御をおこなって、ユニ
バーサル圧延機51と入側または出側のピンチロール列
52、53との間で形鋼に引張り張力を付与する。
【0068】一方、非常に厳しい寸法精度および内部材
質(残留応力、加工硬化が小さい)が要求される形鋼の
矯正の場合には、図9〜図11に示すように左右曲が
り、上下曲がりおよびねじれ変形の形鋼の形状不良の状
態に応じて、入側および出側のピンチロール列52、5
3の各ピンチロール位置を制御する必要がある。
【0069】つまり、図9に示すように左右曲がりが生
じた形鋼を矯正する場合には、入側および出側のピンチ
ロール列52、53の何れか一方の各ピンチロール位置
を、ユニバーサル圧延機51のパスライン位置に対して
左曲がりの形鋼(a)の場合は右側に、右曲がりの形鋼
(b)の場合は左側に、それぞれ移動させた位置に設定
する。
【0070】図10に示すように上下曲がりが生じた形
鋼を矯正する場合には、入側および出側のピンチロール
列52、53の何れか一方の各ピンチロール位置を、ユ
ニバーサル圧延機51のパスライン位置に対して上曲が
りの形鋼(a)の場合は下側に、下曲がりの形鋼(b)
の場合は上側に、それぞれ移動させた位置に設定する。
【0071】また、図11に示すように捻れが生じた形
鋼を矯正する場合には、入側および出側のピンチロール
列52、53の何れか一方の各ピンチロールの回転軸
を、ユニバーサル圧延機51のパスラインを中心に右捻
れ変形の形鋼(a)の場合は左回りに、左捻れ変形の形
鋼(b)の場合は右回りにそれぞれ回転させて、そのピ
ンチロールの回転軸が水平面から傾いた位置に設定す
る。
【0072】図9〜図11では、便宜上、左右曲がり、
上下曲がりおよび捻れ変形のそれぞれの形状不良が単独
で生じた形鋼を矯正する場合の矯正制御ロジックについ
て説明したが、実際のこれらの形状不良が複合して生じ
た形鋼を矯正する場合は、適宜、これらのピンチロール
位置の設定方法を任意に組み合わせて矯正を行うことは
言うまでもない。また、矯正を行なうに際してのパスラ
イン位置、パスラインの捻りなどの設定は、手動設定と
しても良いし、上述の制御システムを適用して自動的に
設定制御してもよい。その設定は、上述のようにパスラ
インを一定として固定する方法、あるいは矯正制御ロジ
ックを適用する方法などいづれも選択できる。尚、本発
明の圧延矯正ではピンチロールを矯正圧延機の入り側と
出側に設置するが、ピンチロールを1台だけ設置する場
合は、圧延機の出側に設置する方が入り側に設置する場
合に比べて大きな矯正効果が得られる。そこで、設備コ
ストや設置スペースの制限からピンチロールを1台にす
る場合は矯正圧延機の出側にピンチロールを設置して矯
正を行うことが好ましい。
【0073】
【実施例】以下に本発明の実施例を用いてその効果を説
明する。
【0074】図12に示す一般的な形鋼の圧延工程にお
いて、本発明の矯正装置と従来のローラーレベラー矯正
機をそれぞれ用いて、矯正後の形鋼の寸法精度および真
直性を比較した。
【0075】本発明の矯正装置は、上述の図7に示した
本発明の実施形態の一例である、ユニバーサル圧延機5
1とその入側および出側のピンチロール列52、53と
から構成された矯正装置および制御システムを用いた。
実施例1:ピンチロール列の位置の手動設定の場合本発
明の図7の矯正機を、図12に示す一般的な形鋼の圧延
工程に設けられたローラーレベラー矯正機とリプレース
し、ピンチロール列の位置を手動設定して形鋼を矯正
し、両者の能力を比較した。
【0076】先ず、ローラーレベラーではロールの押し
込み量を入側で大きく、出側にいくに従って小さくする
基本設定様式で、形鋼の定常部の曲がりを矯正出来る条
件を見つけ矯正することが出来た。しかし、形鋼の端部
に関しては、公差を外れる場合がかなりの頻度で見られ
た。これらの公差外れの形鋼は、生産性の極めて低いプ
レス装置で矯正するか、歩留落ちを前提に端部を切断除
去することで対処せざるを得なかった。また、ローラー
レベラー矯正後の形鋼の全長、特にプレス矯正を施した
部位は、形鋼を切断した際に切断面近傍で垂直断面形状
が変化して、公差から外れる場合が多く観察された。
【0077】一方、本発明の方法でピンチロール列をパ
スラインに一致させた設定では形鋼の両端部を含めてほ
ぼ目標公差に入れることができた。また、形鋼の端部を
含めて何れの場所で切断しても垂直断面形状の大きな変
化は見られなかった。
【0078】以上の結果から、本発明の方法が従来のロ
ーラーレベラーを完全に代替出来ることが判明した。ま
た、ローラーレベラーでは矯正しにくい図11のような
ねじれを有する形鋼に関しても、同様に矯正出来ること
が確認された。更に、短尺材と長尺材とで矯正の精度を
比較したが、ピンチロール列の各ピンチロールの相対位
置を最適に設定することにより両者とも高精度に矯正可
能であることが確認出来た。
【0079】但し、このピンチロール列を手動設定する
方法では、ピンチロールの弾性変形や形鋼のスプリング
バックの影響で、若干の形状不良が製品に残留すること
が判明した。そこで、この残留形状不良を除去するため
に実施した例を以下に示す。実施例2:ピンチロール列
の位置を自動制御する場合実施例1で用いた図7の矯正
装置の制御装置66に、図9〜図11に示す矯正原理に
基づく制御ロジックを適用した。そして、図12に示す
一般的な形鋼の圧延工程に設けられたローラーレベラー
矯正機とリプレースし、上記の制御ロジックを自動設定
するようにして、形鋼を矯正しその効果を検討した。
【0080】先ず、図9に示す左右曲がりの形鋼に関し
て、センサー63、64および65で取り込んだ計測信
号から演算して曲がりの方向を推定するとともに、図9
のように最適ピンチロール列の位置を演算して、制御盤
60、61および62に制御信号を送信し、アクチュエ
ーターを介して、狙いのピンチロール列の位置に制御し
た。同様に、長尺材の矯正の場合には、上記の位置制御
に加えて、ローラーテーブル上の材料からピンチロール
列で把持される材料に作用する負荷を測定して、これの
影響をキャンセルするようにピンチロールの相対位置を
制御した。これにより、短尺材と同様の高精度の矯正が
可能であった。また、各ピンチロール列の位置を測定す
ることにより、該ピンチロール列で把持する材料の曲が
りを演算し、真直になるようにピンチロールの相対位置
を制御した。この場合も短尺材と同様の高精度の矯正が
実現された。
【0081】更に、圧延機およびピンチロールのロール
回転数から形鋼に作用する張力を演算し、この張力を矯
正に適するようにピンチロールの回転速度を制御した。
なお、このとき、形鋼50の変形抵抗に対して、10%
の引張張力が発生するよう複数のピンチロールの回転速
度を制御して矯正した。その結果、ピンチロールの矯正
反力が10%程度低下し、スプリングバックが減少し
た。この方法により、形鋼の全長でほぼ100%真直な
矯正が再現された。また、同様な結果が図10の上下曲
がりの場合や図11のねじれ不良に関しても確認され
た。
【0082】更に、人工的に左右曲がり、上下曲がりお
よび軸方向のねじれが複雑に分布した形鋼を作成して本
発明の手法を適用したところ、形鋼の全長でほぼ100
%真直な矯正が再現された。
【0083】以上は、図12の形鋼の圧延工程の一環と
して組込んだ冷間での矯正の場合であるが、本発明の技
術は熱間矯正、温間矯正、など幅広い工程に適用可能で
ある。
【0084】
【発明の効果】本発明は、均一変形性に優れた圧延矯正
方法と不均一変形ではあるが形状制御性の良い曲げ矯正
方法を適切に組み合わせて、両者の欠点を補うとともに
その長所を十分発揮させるように工夫したことにより、
従来の矯正方法では達成が極めて困難な長尺の形鋼を真
直に矯正することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の矯正方法における装置の基本構成を示
す図である。
【図2】従来技術と本発明の技術の矯正特性を比較する
モデルを示す図であり、図2(a)はローラーレベラー
の、図2(b)は本発明の、それぞれ技術におけるモデ
ルを示す。
【図3】図2のモデルにより求めた矯正反力と圧延圧下
率との関係を示す図である。
【図4】図2のモデルにより求めたスプリングバックと
矯正反力の関係を示す図である。
【図5】従来技術と本発明の矯正技術における残留応力
分布を模式的に示した図であり、図5(a)はローラー
レベラーの場合、図5(b)は本発明の場合をそれぞれ
示す。
【図6】本発明の技術によるねじれ変形の矯正原理を示
す図であり、図6(a)は、矯正装置の状況を、図6
(b)はH形鋼のねじれ変形の一例をそれぞれ示す図で
ある。
【図7】本発明の形鋼の矯正システムの一実施例を示す
図である。
【図8】本発明の形鋼の矯正システムにおける制御の流
れを示す図である。
【図9】本発明の技術による形鋼の左右曲がりの矯正原
理を示す図であり、図9(a)は、左曲りの形鋼、図9
(b)は右曲りの形鋼の場合をそれぞれ示す。
【図10】本発明の技術による形鋼の上下曲がりの矯正
原理を示す図であり、図10(a)は、上曲りの形鋼、
図10(b)は下曲りの形鋼の場合をそれぞれ示す。
【図11】本発明の技術による形鋼のねじれの矯正原理
を示す図であり、図11(a)は右捻れの形鋼、図11
(b)は左捻れの形鋼の場合をそれぞれ示す。
【図12】形鋼の圧延、矯正工程を示す図である。
【図13】従来の矯正技術を示す図である。
【図14】従来の矯正技術を示す図である。
【図15】従来の矯正技術を示す図である。
【図16】従来の矯正技術を示す図である。
【図17】従来の矯正技術を示す図である。
【符号の説明】
1、2…竪ロール 3、4…水平ロール 10…H形鋼 11…H形鋼のウエブ 12…H形鋼のフランジ 20…フランジ端拘束ローラー 30…フランジ側部拘束ローラー 41…ユニバーサル圧延機の水平ロール 42…ユニバーサル圧延機の竪ロール 43…サイドガイド 44…ストリッパガイド 45…搬送テーブルローラー 46…上下方向反り防止ローラーガイドスタンド 47…左右方向曲がり防止ローラーガイドスタンド 50…形鋼 51…ユニバーサル圧延機 52…入側ピンチロール列 53…出側ピンチロール列 54、54’…ユニバーサル圧延機の水平ロール 55、55’…ユニバーサル圧延機の竪ロール 56、56’…入側ピンチロール列の水平ピンチロール 57、57’…入側ピンチロール列の竪ピンチロール 58、58’…出側ピンチロール列の水平ピンチロール 59、59’…出側ピンチロール列の竪ピンチロール 60…ユニバーサル圧延機の制御盤とアクチュエータ 61…入側ピンチロールの制御盤とアクチュエータ 62…出側ピンチロールの制御盤とアクチュエータ 63…ユニバーサル圧延機のセンサー 64…入側ピンチロール列のセンサー 65…出側ピンチロール列のセンサー 66…演算制御装置 67…記録装置 71、72、73…ローラーレベラーのロール 81…変形モデル 82…パスラインモデル 83…偏差変位モデル 84…制御装置 85…圧延制御装置 Δ…曲げ矯正量 u…圧延圧下量 A、B、C、D…H形鋼

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矯正圧延機と、その入側および出側のう
    ちの何れか一方または両方に配置されたピンチロール列
    とを用いて形鋼を矯正する方法において、前記ピンチロ
    ール列を構成する各ピンチロールの位置を調節すること
    により、ピンチロール列における形鋼のパスライン位置
    を設定するとともに、前記矯正圧延機で圧下することに
    より、形鋼の垂直断面全体を塑性変形させることを特徴
    とする、全長における断面寸法形状および真直性に優れ
    た形鋼の矯正方法。
  2. 【請求項2】 矯正圧延機とその入側および出側のうち
    の何れか一方または両方に配置されたピンチロール列と
    を用いて形鋼を矯正する方法において、前記ピンチロー
    ル列を構成する各ピンチロールの回転軸の水平方向に対
    する傾き角度を調節することにより、ピンチロール列に
    おける形鋼の捻れに対するパスラインの捻れを設定する
    とともに、前記矯正圧延機で圧下することにより、形鋼
    の垂直断面全体を塑性変形させることを特徴とする、全
    長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯
    正方法。
  3. 【請求項3】 さらに、前記ピンチロール列を構成する
    各ピンチロール間の相対位置を調節することにより、ピ
    ンチロール列における形鋼の姿勢を調整することを特徴
    とする、請求項1または請求項2の何れかに記載の全長
    における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正
    方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記ピンチロール列を構成する
    各ピンチロールの回転速度を調節することにより、前記
    矯正圧延機と該ピンチロール列との間において、形鋼の
    長手方向に引張り張力を付与することを特徴とする、請
    求項1から請求項3の何れか1項に記載の全長における
    断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法。
  5. 【請求項5】 前記矯正圧延機の圧下率を10%未満と
    して圧下することを特徴とする、請求項1から請求項4
    の何れか1項に記載の全長における断面寸法形状および
    真直性に優れた形鋼の矯正方法。
  6. 【請求項6】 形鋼の垂直断面全体を塑性変形させるた
    めの矯正圧延機と、該矯正圧延機の入側および出側の何
    れか一方または両方に設置され、形鋼を把持して上下お
    よび左右方向に移動することが可能な複数のピンチロー
    ルで構成されたピンチロール列を有することを特徴とす
    る、全長における断面寸法形状および真直性に優れた形
    鋼の矯正装置。
  7. 【請求項7】 前記ピンチロール列を構成する複数のピ
    ンチロールが、さらに、形鋼を把持してパスラインの回
    りに回転することが可能であることを特徴とする、請求
    項6に記載の全長における断面寸法形状および真直性に
    優れた形鋼の矯正装置。
  8. 【請求項8】 前記ピンチロール列を構成する各ピンチ
    ロールは、形鋼を把持して、個別に上下および左右方向
    に移動可能であり、かつ各ピンチロール間の上下および
    左右方向の相対位置が調節可能であることを特徴とす
    る、請求項6または請求項7の何れかに記載の全長にお
    ける断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ピンチロール列を構成する各ピンチ
    ロールの少くとも一対のピンチロールは、回転速度を調
    節可能であることを特徴とする、請求項6から請求項8
    のうちの何れか1項に記載の全長における断面寸法形状
    および真直性に優れた形鋼の矯正装置。
  10. 【請求項10】 前記矯正圧延機の各圧延ロールおよび
    前記ピンチロール列の各ピンチロールに設けられたロー
    ル位置、ロール反力、ロール回転速度を測定するセンサ
    ーと、該センサーからの前記矯正圧延機のロール位置、
    反力、回転速度、および、前記各ピンチロール列のピン
    チロールの位置、回転速度、反力の各計測信号に基づい
    て、前記矯正圧延機において形鋼に作用する圧下率と、
    曲げモーメント、捩れモーメント、曲げモーメントおよ
    び引っ張り張力のうちの1種または2種以上を演算する
    とともに、形鋼の全長を所定の寸法形状に矯正するため
    の、前記矯正圧延機のロール位置と、前記ピンチロール
    列の各ピンチロールの位置、開度及び回転速度のうち1
    種または2種以上とを決定して制御信号とする演算制御
    手段と、該制御信号に基づいて、前記矯正圧延機の圧延
    ロールおよび前記ピンチロール列のピンチロールを制御
    する制御盤またはアクチュエーターとからなる制御手段
    を備えることを特徴とする請求項6から請求項9のいづ
    れか1項に記載の全長における断面寸法形状及び真直性
    に優れた形鋼の矯正装置。
  11. 【請求項11】 矯正圧延機の各圧延ロールおよびピン
    チロール列の各ピンチロールに設けられたロール位置、
    ロール反力、ロール回転速度を測定するセンサー、及び
    ピンチロール列の各ピンチロールに設けられたピンチロ
    ールの回転軸の傾きを測定するセンサーと、該センサー
    からの前記矯正圧延機のロール位置、回転速度、ならび
    に、ピンチロール列の各ピンチロールの位置、回転速
    度、反力、および回転軸の傾きの各計測信号に基づい
    て、前記矯正圧延機において形鋼に作用する圧下率と、
    曲げモーメント、捩れモーメント、曲げモーメントおよ
    び引っ張り張力のうちの1種または2種以上を演算する
    とともに、形鋼の全長を所定の寸法形状に矯正するため
    の、前記矯正圧延機の圧延ロール位置と、前記ピンチロ
    ール列の各ピンチロールの位置、開度、回転速度および
    ロール回転軸の傾きのうち1種または2種以上とを決定
    して制御信号とする演算制御手段と、該制御信号に基づ
    いて、前記矯正圧延機の圧延ロールおよび前記ピンチロ
    ール列のピンチロールを制御する制御盤またはアクチュ
    エーターとからなる制御装置を備えることを特徴とする
    請求項7から請求項9のいづれか1項に記載の全長にお
    ける断面寸法形状及び真直性に優れた形鋼の矯正装置。
  12. 【請求項12】 形鋼の垂直断面全体を塑性変形させる
    ための矯正圧延機と、該矯正圧延機の入側および出側の
    うちの何れか一方または両方に設置され、該形鋼を把持
    して該形鋼を上下方向または左右方向または回転方向の
    何れか一方または複数の方向に変位することが可能な1
    対または複数対のピンチロールと,該矯正圧延機の圧延
    ロールおよび該ピンチロールの位置センサ−および荷重
    センサーを有し,該荷重センサーの計測信号を入力して
    該矯正圧延機のロールバイトと該ピンチロール間の形鋼
    に生じる弾性たわみを演算する変形モデルと,該位置セ
    ンサーの計測信号を入力して該形鋼のパスラインを演算
    して目標のパスラインからの偏差変位を演算するパスラ
    インモデルと,該偏差変位に該形鋼の弾性たわみによる
    偏差角度を加算して実効偏差角度を推定する偏差変位モ
    デルと、該実効偏差角度が零になるように該ピンチロー
    ル位置を調節する信号を演算して出力する制御装置と,
    該矯正圧延機の圧延ロールの位置センサーおよび荷重セ
    ンサーの計測信号を入力して目標の圧延ひずみを形鋼に
    付与するように圧延ロールの開度を調節する信号を演算
    して出力する圧延制御装置と、該ピンチロールおよび該
    圧延ロールの位置を該制御装置の指令位置に変位する駆
    動装置および制御盤を有することを特徴とする全長にお
    ける断面寸法形状及び真直性に優れた形鋼の矯正装置。
  13. 【請求項13】 前記矯正圧延機がユニバーサル圧延機
    であることを特徴とする請求項6から請求項12の何れ
    か1項に記載の全長における断面寸法形状および真直性
    に優れた形鋼の矯正装置。
JP2001334677A 2001-09-06 2001-10-31 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置 Expired - Fee Related JP4191922B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001334677A JP4191922B2 (ja) 2001-09-06 2001-10-31 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-270885 2001-09-06
JP2001270885 2001-09-06
JP2001334677A JP4191922B2 (ja) 2001-09-06 2001-10-31 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003154410A true JP2003154410A (ja) 2003-05-27
JP4191922B2 JP4191922B2 (ja) 2008-12-03

Family

ID=26621782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001334677A Expired - Fee Related JP4191922B2 (ja) 2001-09-06 2001-10-31 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4191922B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101298064B1 (ko) * 2013-04-26 2013-08-20 주식회사 이래시에스 자동차용 링더스트 자동생산장치
WO2016136419A1 (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 日本発條株式会社 コイリングマシンと、コイルばねの製造方法
CN110142296A (zh) * 2019-06-24 2019-08-20 山东钢铁股份有限公司 型钢锯切切分装置和切分方法及型钢生产方法
JP2019163606A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 日本製鉄株式会社 レールの搬送方法
JP2020082181A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 三菱重工業株式会社 加工装置及び加工装置の制御方法
EP3782746A1 (de) * 2019-08-22 2021-02-24 DREISTERN GmbH & Co.KG Profil-richtapparat für eine profilieranlage und verfahren zum korrigieren von axialen abweichungen eines metallprofils

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101298064B1 (ko) * 2013-04-26 2013-08-20 주식회사 이래시에스 자동차용 링더스트 자동생산장치
WO2016136419A1 (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 日本発條株式会社 コイリングマシンと、コイルばねの製造方法
JP2016155162A (ja) * 2015-02-26 2016-09-01 日本発條株式会社 コイリングマシンと、コイルばねの製造方法
US10556265B2 (en) 2015-02-26 2020-02-11 Nhk Spring Co., Ltd. Coiling machine and manufacturing method of coil spring
JP7040173B2 (ja) 2018-03-19 2022-03-23 日本製鉄株式会社 レールの搬送方法
JP2019163606A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 日本製鉄株式会社 レールの搬送方法
JP2020082181A (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 三菱重工業株式会社 加工装置及び加工装置の制御方法
WO2020110442A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 三菱重工業株式会社 加工装置及び加工装置の制御方法
US11559835B2 (en) * 2018-11-30 2023-01-24 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Processing device, and method for controlling processing device
JP7313813B2 (ja) 2018-11-30 2023-07-25 三菱重工業株式会社 加工装置及び加工装置の制御方法
CN110142296A (zh) * 2019-06-24 2019-08-20 山东钢铁股份有限公司 型钢锯切切分装置和切分方法及型钢生产方法
EP3782746A1 (de) * 2019-08-22 2021-02-24 DREISTERN GmbH & Co.KG Profil-richtapparat für eine profilieranlage und verfahren zum korrigieren von axialen abweichungen eines metallprofils
US11779974B2 (en) 2019-08-22 2023-10-10 Dreistern Gmbh & Co. Kg Profile straightening apparatus for a profiling system

Also Published As

Publication number Publication date
JP4191922B2 (ja) 2008-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6920774B1 (en) Drive system for multi-roll leveler
KR101651313B1 (ko) 금속 스트립을 연속적으로 신장-굽힘 교정하기 위한 방법 및 장치
JPS59197309A (ja) 高いプロフィル品質と平担度品質とを備えたストリップを造るための方法およびストリップタンデム圧延ライン
JP3802727B2 (ja) 形鋼の矯正方法および装置
JP2003154410A (ja) 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法および矯正装置
JP3621915B2 (ja) 厚鋼板圧延方法
JP3914742B2 (ja) 全長における断面寸法形状および真直性に優れた形鋼の矯正方法
JP2003039107A (ja) 非対称形鋼圧延時の圧延ロールおよびガイドの最適位置設定・制御方法および装置
JPH08108208A (ja) 薄板製造・処理ラインのピンチロール設備とその制御装置
JP3690282B2 (ja) 熱間圧延におけるキャンバおよびウエッジの防止方法
JP2002292427A (ja) ローラレベラ用矯正ロールの圧下位置の設定方法
JP2003305514A (ja) 形鋼の矯正装置および矯正方法
JP2003305515A (ja) 形鋼の矯正装置
JP3250446B2 (ja) サイドガイド装置およびその開度調整方法
JP3520646B2 (ja) 形鋼の製造方法
JP3211709B2 (ja) 形鋼の製造方法
JP2003305513A (ja) 形鋼の矯正方法および矯正装置
JP2002028711A (ja) 熱間圧延設備および熱間圧延方法
JP3419293B2 (ja) 形鋼の連続矯正装置および連続矯正方法
JP2000176502A (ja) H形鋼の圧延方法
JP2004141925A (ja) 形鋼の曲げ加工方法およびその装置
JP6743835B2 (ja) 形鋼の圧延方法及び形鋼の圧延におけるレベリング量の調整方法
JPH0641686Y2 (ja) H形鋼のフランジ直角度矯正装置
JPS60133922A (ja) 金属板の形状矯正方法及びその装置
JPH04100624A (ja) 熱間連続圧延機の板厚・形状制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070507

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080919

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110926

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4191922

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120926

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130926

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees