JP7040173B2 - レールの搬送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、湾曲した搬送路に沿ってレールを搬送する方法に関する。特に、長さの長い(長尺)レールなどの搬送に関する。
鉄道軌条(レール)は、乗り心地の改善や現場での敷設作業性向上の観点からロングレール化が進められている。例えば、従来のレールの長さは25mであったが、75mや100m、150mなどの長さの長いレール(長尺レール)が求められている。ところが、鋼製の長尺レールを生産する場合、圧延設備など既存の製造設備を活用することはできても、従来の製品の置き場には置けない場合が多い。そのため、新たに製品置き場(倉庫など)を設置しなければならないが、圧延設備などの近くに設置できない場合には、製造後に新設の置き場まで長尺レールを運ばなければならない。しかし、既存設備との兼ね合いから、直線状の搬送経路を確保できず湾曲搬送路での搬送を余儀なくされる場合がある。
特許文献1には、長尺レールの搬送方法として、水平ロール上の長尺レールの先部を把持し持ち上げるクランプ機構を有し、搬送経路に沿って敷設されたレール上を走行する台車を備える搬送装置により搬送する方法が開示されている。この時、長尺レールは、前記搬送装置により引っ張られながら、搬送路に沿って複数組設置された1対の竪ロールに挟まれるように搬送される。これにより搬送経路が湾曲していても、レールを搬送することができるというものである。
特開2013-217019号公報
特許文献1に記載の方法は、搬送される長尺レールの先頭部の処理に着目されたものであり、先頭部の位置を制御して湾曲搬送路に誘導する方法である。湾曲搬送路を搬送される長尺レールは、その側面をロールによって拘束することにより、湾曲搬送路を通過するようになっている。即ち、搬送される長尺レールの湾曲搬送路の曲率半径方向をロールにより拘束することにより、湾曲搬送路に沿うようになっている。
しかし、搬送路の湾曲した部分において長尺レールの尾端部が、これらの曲率半径方向を拘束しているロールを通過すると、弾性変形により湾曲していたレールは拘束力が解かれ元の形状に復元する。この時の長尺レールの反発力は大きいので、その振れ幅も大きくなり、周辺設備に衝突することが懸念される。搬送時に長尺レールが周辺設備に衝突すると、周辺設備の故障の原因になるだけでなく、長尺レール自身にも疵がつき、品質上の重大な欠陥を生じることになる。また、長尺レールの反発も考慮して湾曲搬送路を確保すると、余分な敷地を確保する必要が生じる。いずれにせよ、設備保全や品質の観点、経済性の観点から問題を生じる。
そこで、本発明は、湾曲搬送路に沿って配置されたロールにより、その側面(湾曲部分においては曲率半径方向)を拘束して長尺レールを搬送する際に、当該長尺レールの尾端部が拘束ロールを通過する際に生じる長尺ロールの反発を抑制することを課題とする。この課題を解決することにより、長尺レールの反発による振れ幅が減少し、若しくは無くなるため、長尺レールの湾曲搬送路の搬送において周辺設備へ干渉せず、しかも長尺レールの疵の発生を防止し、尚且つ搬送に必要な敷地面積を抑制することが可能となる。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、以下の知見を得た。
(a)湾曲搬送路に沿って配置された拘束ロールにより、レールを拘束しつつ、湾曲搬送路に沿ってレールを搬送する方法において、レールの尾端部が拘束ロールを通過する前に、当該拘束ロールの拘束力を徐々に弱めることにより、レールの復元反発力を抑制することができる。
(b)この時、湾曲搬送路の凸側(湾曲搬送路の曲線の外側)の拘束ロール(以下、本明細書において「外側拘束ロール」と呼ぶ。)にはレールからの反発力が作用するため、レールの尾端部が通過する前に、外側拘束ロールを曲線の外側方向に移動させることにより、レールからの反発力を弱めることができる。この反発力が拘束ロールの拘束力に相当する。
(c)そして、レールの尾端部が拘束ロールを通過する際に生じる振れ幅を抑えるためには、レールの尾端部が拘束ロールを通過する時点までに、外側拘束ロールを湾曲搬送路の外側方向に移動させ、レールの尾端部が拘束ロールを通過した後の振れを十分抑制できるまで拘束力を小さくするとよい。この時の拘束力を、拘束力を減少させることを開始した時点の1/2以下にするとよい。
(d)その際、外側拘束ロールの移動速度がレールの復元する速度より速くなると、一旦拘束ロールとレールが離れ、拘束ロールが所定の位置で停止した時にレールが拘束ロールに衝突するので、復元しようとするレールが外側拘束ロールに接触したまま移動し、外側拘束ロールによる拘束力を徐々に減少させていくことが望ましい。
(e)外側拘束ロールを湾曲搬送路の曲線の外側方向に移動する方法は、例えば外側拘束ロールを曲率半径方向に移動するための移動機構を備えておけばよい。例えば油圧シリンダーや、電動モーターなどにより移動させてもよい。
また、例えば油圧シリンダーの油圧を徐々に開放することなどにより、レールの反発力に応じて、拘束力を減少させてもよい。
(f)レールの尾端部が対象としている拘束ロールより前に設置された拘束ロール(以下、本明細書において「前設置拘束ロール」と呼ぶ。即ち、前設置拘束ロールは、レールの進行方向に対し、対象となる拘束ロールの後方に設置した拘束ロールであり、搬送されるレールが対象となる拘束ロールよりも前に通過した拘束ロールのことを指す。一つ前の拘束ロールに限らず、2つ前、3つ前など対象となる拘束ロールよりも前に設置された拘束ロールを指す。)を通過すると、対象としている拘束ロールの外側拘束ロールにかかるレールからの反発力(拘束力に相当)が高くなる。特に、対象としている拘束ロールの一つ前の拘束ロール(以下、本明細書において「直前拘束ロール」と呼ぶ。)を通過すると、対象としている拘束ロールの拘束力は顕著に高くなる。この拘束力の変化を検知して、外側拘束ロールを湾曲搬送路の曲線の外側方向に移動させるとよい。
また、拘束ロールごとに設置したセンサーにより、レールの尾端部が通過することを検知して、外側拘束ロールを移動させてもよい。
本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1)搬送路に配置された拘束ロールによりレールの側面を拘束し、レールを湾曲搬送路に沿って搬送する方法であって、レールの尾端が前記拘束ロールを通過する前に前記拘束ロールによる前記レールへの拘束力を減少させることを開始することを特徴とするレールの搬送方法。
(2)前記湾曲搬送路の曲線の外側に配置されている外側拘束ロールを、前記湾曲搬送路の曲率半径の外側に向けて移動させることを特徴とする(1)に記載のレールの搬送方法。
(3)前記外側拘束ロールに前記レールが接触したまま、前記外側拘束ロールを移動させることを特徴とすることを特徴とする(2)に記載のレールの搬送方法。
(4)前記レールの尾端が拘束ロールを通過するまでに、前記拘束力を、前記拘束力を減少させることを開始した時点の1/2以下にすることを特徴とする(1)~(3)の何れか1項に記載のレールの搬送方法。
(5)前記レールの尾端が前記拘束ロールよりも前に設置されている前設置拘束ロールを通過した後に、前記拘束ロールの拘束力を減少させることを開始することを特徴とする(1)~(4)の何れか1項に記載のレールの搬送方法。
(6)前記レールの尾端が前記前設置拘束ロールを通過したことを、前記前設置拘束ロールの近傍に設置したセンサーにより検知することを特徴とする(5)に記載のレールの搬送方法。
(7)前記外側拘束ロールにかかる拘束力を測定し、拘束力が増加したことを検知して、前記外側拘束ロールを移動させることを特徴とする(2)~(6)のいずれか1項に記載のレールの搬送方法。
(8)前記レールの長さが25m以上であることを特徴とする(1)~(7)のいずれか1項に記載のレールの搬送方法。
本発明によれば、搬送路に配置されたロールにより、その側面を拘束してレールを搬送する方法において、当該レールの尾端部が拘束ロールを通過する際に生じるレールからの反発を抑制することができる。それにより、レールの振れ幅が減少し、若しくは無くなるため、レールの湾曲搬送路の搬送において周辺設備へ干渉せず、レールの疵を防止し、尚且つ搬送に必要な敷地面積を抑制することが可能となる。
図1は、湾曲搬送路を説明するための概念図である。図1(a)は、湾曲搬送路の一例である。図1(b)は、湾曲搬送路上をレールが搬送されるところを示す概念図であって、外側拘束ロールと内側拘束ロールが対向して配置されている例を示す概念図である。図1(c)は、外側拘束ロールと内側拘束ロールが対向せずに配置されている例を示す概念図である。 図2は、従来の湾曲搬送路のレールの搬送方法の一例を示す概念図である。図2(a)は、レールが通常搬送されている状態を示す概念図である。図2(b)は、レールの尾端が拘束ロールを通過する時を示す概念図である。図2(c)は、レールの尾端が拘束ロールを通過した際の挙動を示す概念図である。 図3は、本発明に係る湾曲搬送路のレールの搬送方法の一例を示す概念図である。図3(a)は、レールが通常搬送されている状態を示す概念図である。図3(b)は、レールの尾端が拘束ロールを通過する前に、外側拘束ロールを曲線の外側に移動させた状態を示す概念図である。図3(c)は、レールの尾端が、拘束ロールを通過する際に一つ次の拘束ロールでの曲線の接線上に位置するように外側拘束ロールを移動した状態を示す概念図である。図3(d)は、レールの尾端が、拘束ロールを通過した状態を示す概念図である。
本発明について、図面を例として実施するための形態を説明する。
[湾曲搬送路]
図1(a)に湾曲搬送路の一例を示す。湾曲搬送路1は、曲線状または曲線と直線を組み合わせた形状の搬送路である。曲線部分の曲率半径は一律である必要はなく、異なる曲率半径を有する円弧が組み合わさった曲線であってもよい。湾曲搬送路1は、一平面上に存在する必要もなく、例えばスパイラル状のような3次元構造の曲線であってもよい。一般的には、工事や設置場所の都合から水平面上に搬送路を設置する場合が多いが、湾曲搬送路は水平面上にある必要もない。
図1(b)に湾曲搬送路1に沿ってレール2が搬送されている状態の一例を示す。湾曲搬送路1に沿って拘束ロール11、12が配置されている。図1(b)の例では、拘束ロールは、湾曲搬送路1の曲線(以下、本明細書において単に「曲線」と呼ぶ場合は、湾曲搬送路の曲線のことを言う。)の外側に配置された外側拘束ロール11と、内側に配置された内側拘束ロール12で構成されている。搬送されるレール2は、外側拘束ロール11と内側拘束ロール12に挟まれ、側面を拘束され、湾曲搬送路1に沿うように搬送される。
図1(b)では拘束ロール11、12は、外側拘束ロール11と内側拘束ロール12が曲率半径方向に対向して配置されている例を示す。しかし、図1(c)に示すように、外側拘束ロール11と内側拘束ロール12は対向する必要はなく、湾曲搬送路1に沿って配置されていれていてもよい。
拘束ロール11、12により湾曲搬送路1に沿ってレール2を搬送させるとき、レール自体は弾性変形して湾曲搬送路1に沿うように拘束されている。この時、レールの弾性反力が曲線の外側方向(曲率半径の外側方向)に働く。したがって、外側拘束ロール11にその反力が作用することになる。そのため、外側拘束ロール11でレールを押さえつけて、レール2を曲げて搬送させることになる。この押さえつける力が拘束力である。搬送されるレール2に対し拘束力を加えるロールが重要になる。
以下、外側拘束ロール11と内側拘束ロール12が対向配置されている場合を例に説明する。単に「拘束ロール」と称する場合は、一対の外側拘束ロール11と内側拘束ロール12を指すものとする。
また、図1(c)のような外側拘束ロール11と内側拘束ロール12が対向配置されていない場合は、搬送されるレール2に対し拘束力を負荷するロールが拘束ロールになる。図1(c)の場合は、曲線の外側に配置された外側拘束ロール11がそれに該当する。図1(c)のような態様の場合は、本明細書中の拘束ロールは、レールに拘束力を負荷する外側拘束ロール11を指すものとして読み替えればよい。
なお、外側拘束ロール11と内側拘束ロール12の間にレール2を挿入する方法は、特に限定されない。特許文献1に記載の方法を適用することができる。もちろん、その他の方法を適用しても構わない。
同様に、レール2の搬送駆動方法も特に限定されない。特許文献1に記載の方法を適用することができる。もちろん、その他の方法を適用しても構わない。
本発明は拘束ロール11、12(特に外側拘束ロール11)からレールが抜ける際(レール2の尾端が通過する際)に生じる現象を問題にしているので、拘束ロール11、12にレール2を挿入する方法や搬送駆動する方法は本発明に何ら影響を及ぼすものではない。
[レールの尾端が拘束ロールを通過する前に拘束ロールによるレールへの拘束力を減少させることを開始すること]
図2に、従来技術でのレール2の尾端が拘束ロール11、12を通過する際の現象を概念的に示す。図2において四角で囲った拘束ロール11、12にて説明する。
図2(a)は、レール2が湾曲搬送路1を搬送されている状態を示す。図2(b)は、尾端が拘束ロール11、12を通過する瞬間を示す。通過する瞬間までは拘束ロール11、12(特に外側拘束ロール11)により拘束されている。しかし、通過した瞬間、レールの尾端は拘束ロール11、12による拘束が解かれるため、その弾性反力によりレール2は元の形状に戻ろうとする。この時、その反力が大きいほど、振れ幅が大きくなる。図2(c)にこの様子を模式的に示す。もともと直線状に成形されたレール2であるので、一つ次の拘束ロールにおける曲線の接線方向に戻ろうとするが、その弾性反力により、その接線を越えて反対側にも振れる場合がある。特に一つ次の拘束ロール11A、12Aまでの距離が長い場合は、その振れ幅も大きくなる。このレールの振れにより、湾曲搬送路の外側にある設備などに接触し、その設備の故障の原因になったり、レール自体にも疵がつき品質上の問題になったりする。
この問題を解消するため、レールの尾端が拘束ロール11、12を通過する前に拘束ロールによるレールへの拘束力を減少させることを開始することが重要である。図3に本発明例の一例を示す。図3において四角で囲った拘束ロール11、12にて、本発明を以下に説明する。
図3(a)は、レール2が湾曲搬送路1を搬送されている状態を示す。図3(b)は、レール2の尾端が一つ前の拘束ロール(直前拘束ロール)11B、12Bを通過した直後の状態を示す。レールの尾端が直前の拘束ロール11B、12Bを通過すると、対象としている拘束ロール11、12の外側拘束ロール11にかかる拘束力(レールの反発力に相当)が高くなる。レール2の尾端が振れないようにするには、レール2の反発力を弱めることが重要である。つまり、拘束ロール(特に外側拘束ロール11)の拘束力を弱めることが重要である。そのため、外側拘束ロール11を曲線の外側方向に移動させるとレールの弾性変形による歪を下げることができ、その分弾性反力を弱めることができる。すなわち、外側拘束ロール11を曲線の曲率半径の外側方向に移動させることが好ましい。図3(b)は、外側拘束ロール11を曲線の曲率半径の外側方向21に移動した状態を示す。このように、レール2の尾端が拘束ロール11、12を通過する前に、拘束ロールによる拘束力を弱めることを開始することにより、レールの振れを抑制することが可能になる。
[レールの尾端が拘束ロールを通過するまでに拘束力を、前記拘束力を減少させることを開始した時点の1/2以下にすること]
さらに、レールの反発による振れ幅を抑えるためには、レールの尾端が拘束ロールを通過するまでに、拘束力を、前記拘束力を減少させることを開始した時点よりも小さくするとよい。レールの尾端が通過するときに拘束力を小さくするということは、レールの弾性反力も小さくなるので、弾性反力による振れを抑制することができる。レールの尾端が拘束ロールを通過するまでに、拘束力はできるだけ小さくした方がよく、好ましくは前記拘束力を減少させることを開始した時点の1/2以下にするとよい。さらに好ましくは1/4以下に、より好ましくは1/5以下にするとよい。
例えば、図3(c)は、レール2の尾端が拘束ロール11、12を通過する際に、一つ次の拘束ロール11A、12Aにおける湾曲搬送路の接線3上にレール2の尾端が位置するように、対象となる拘束ロール(外側拘束ロール11)を移動させた状態である。この時、レールの尾端を含む部分(尾端部)は弾性変形していないので弾性反力は生じていない。もちろん、外側拘束ロール11をレール2に接触しない位置まで移動させてもよい。外側拘束ロール11が接触していないのであるから、レールは非拘束状態になり、反力が生じない。
図3(d)には、レール2の尾端が対象となる拘束ロール11、12を通過した後の状態を示す。図3(c)において、レール2の尾端部が、一つ次の拘束ロール11A、12Aでの曲線の接線3上に位置するようにしているため、レール2の尾端が対象となる拘束ロール11、12を通過した後は、振れることなく、図3(d)に示すようにレール2の尾端はその接線3上を移動していく。
[外側拘束ロールにレールが接触したまま、外側拘束ロールを移動させること]
外側拘束ロールの移動速度が、レールの復元する速度より速くなると、一旦拘束ロールとレールが離れ、拘束ロールが所定の位置で停止した時にレールが拘束ロールに衝突することも懸念される。例えば、尾端が通過する直前まで拘束力がかかっていて、通過する瞬間に外側拘束ロールを急速に移動させた場合、レール尾端部の復元力が大き過ぎ、レール尾端が大きく振れる。場合によっては、拘束ロールに衝突する可能性がある。これを抑制するため、外側拘束ロールをレールに接触したまま移動させ、外側拘束ロールによる拘束力(レールの反力)を徐々に減少させるとよい。これにより、レール尾端部が拘束ロールを抜ける際に衝撃が発生することもない。
[拘束ロールの移動手段]
拘束ロールの移動手段は特に限定されるものではない。例えば、油圧シリンダーにより外側拘束ロールや内側拘束ロールをそれぞれ移動させてもよい。また、例えば電動モーターにより移動させてもよい。また、油圧シリンダーにより拘束ロールを移動させる場合であっても、例えば、拘束力が一定値を超えた時に、いわゆるダンパーのように油圧を減少させていく機構にしてもよい。
[拘束力を減少させることを開始するタイミングの把握方法]
対象となる拘束ロールにおける拘束力を減少させることを開始するタイミングの把握方法は特に限定されるものではない。例えば、対象となる拘束ロールの直前の拘束ロールよりも前に設置された拘束ロール(前設置拘束ロール)を、レールの尾端が通過した後に、対象となる拘束ロールの拘束力を減少させ始めてもよい。
前設置拘束ロールをレールの尾端が通過したかどうかを検知して、対象となる外側拘束ロールを曲率半径外側に移動させてもよい。検知手段は特に限定されない。例えば、前設置拘束ロールの直後に設置したセンサーで検知してもよい。
また、前記したように、対象とする拘束ロールよりも前に設置した拘束ロール(前設置拘束ロール)をレールの尾端が通過すると、対象となる拘束ロールにかかるレールの反力が増加する。このため、対象となる拘束ロールの拘束力も増加する。特に、対象としている拘束ロールの一つ前の拘束ロール(直前拘束ロール)を通過すると、対象としている拘束ロールの拘束力は顕著に高くなる。この対象となる拘束ロールの拘束力の変化を検知して、外側拘束ロールを曲率半径の外側方向に移動させるとよい。拘束力の検知手段は特に限定されない。例えば、拘束ロールの拘束力をセンサー(ロードセル等)で測定し、拘束力が増加したことを検知することにより、前設置拘束ロール(もちろん直前拘束ロールも含まれる。)をレール尾端が通過したことを認識することもできる。この拘束力の増加を検知して、外側拘束ロールを移動させてもよい。
[レール]
本発明におけるレールは、特に形状などを限定しない。鉄道軌条に用いる場合が多いが、その用途についても特に限定されない。
本発明は、長さが比較的長いレール(長尺レール)に適用するとより効果を奏する。比較的長い長さとは、通常製造している長さより長いものをいう。例えば、25m以上の長さを有するレールが考えられる。具体的には、25m、50m、75m、100m、150mのレールなどがすぐにでも適用可能である。理論的には150m以上のレールの製造も可能であり、そのような長尺レールの搬送にも効果を奏する。
以上説明に使用した態様は本発明の一例であり、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載されている事項の範囲であれば、本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明を長尺レールの搬送装置に適用した。長尺レールの搬送装置の搬送路は、100mの直線搬送路、それに続く曲率半径120mの曲線の湾曲搬送路、そしてそれに続く100mの直線搬送路で構成されている。搬送路の全長は300mである。搬送路に沿って水平配置された搬送用の搬送ローラ(直径300mm、長さ800mm)が2m間隔で設置され、この上に長尺レールが載せられ移動する。湾曲搬送路には、その曲線の曲率半径方向を拘束する拘束ロールが2m間隔で設置されている。拘束ロールは、外側拘束ロールと内側拘束ロールが曲率半径方向に対向するように配置されている。直線搬送路には、同様な拘束ロールが4m間隔で配置されている。外側拘束ロールは油圧シリンダーで、曲線の外側に移動可能になっている。油圧シリンダーの油圧制御により、その移動速度を制御することができるようになっている。
湾曲搬送路における拘束ロール(外側拘束ロールと内側拘束ロールとも)にはロードセルが取り付けられ拘束力を測定できるようにしている。
搬送するレールは以下のとおりである。
・JIS E1101:2001 (JIS 50N)
・AREMA CHAPTER4 RAIL (141RE)
・レール長さ:JIS 50N:75mおよび150m
141RE:25m
・搬送速度 :3.8m/sec
本発明の例として、以下の水準での実験を行った。
(水準1)直前拘束ロールの拘束力が0になったとき(レールの異端が直前拘束ロールを通過したとき)に、対象となる拘束ロールの外側拘束ロールの移動を開始し、レール尾端が対象となる拘束ロールを通過する際に拘束ロールの拘束力を、外側拘束ロールの移動を開始した時点の1/2以下にしたとき。
(水準2)直前拘束ロールの拘束力が0になったとき(レールの異端が直前拘束ロールを通過したとき)に、対象となる拘束ロールの外側拘束ロールの移動を開始し、レール尾端が対象となる拘束ロールを通過する際に拘束ロールの拘束力が0になるようにしたとき。但し、レール尾端が通過する前に、外側拘束ロールの移動速度を早くし、外側拘束ロールにレールが接触していないようにした。
(水準3)直前拘束ロールの拘束力が0になったとき(レールの異端が直前拘束ロールを通過したとき)に、対象となる拘束ロールの外側拘束ロールの移動を開始し、外側拘束ロールの移動速度を制御し、外側拘束ロールにレールが接触したまま外側拘束ロールを移動させ、レール尾端が対象となる拘束ロールを通過する際に拘束ロールの拘束力を、外側拘束ロールの移動を開始した時点の1/2以下にしたとき。
(比較例)従来例であって、拘束ロールを移動させずに、レールを、湾曲搬送路上を搬送させたとき。
評価に当たっては、目視にてレールの振れの発生の有無、レールの疵(擦り疵(捻じれが生じることによりローラガングでこすることにより発生する底面の疵)や追突疵(レール尾端部が拘束ロール等に衝突することで発生する端面の疵))の有無、拘束ロールの表面疵の有無、および聴覚による衝突音の有無を観察した。観察した結果を表1、表2、表3にまとめた。ここで、表中の疵の目視において、〇は疵がない場合、△は疵があるものの品質上合格範囲の場合、×は疵があり品質上も不合格であるものを示す。
Figure 0007040173000001
Figure 0007040173000002
Figure 0007040173000003
表1、表2、表3に示すように、本発明の各水準とも目視において疵がないことが確認された。また、レール尾端が拘束ロールを通過する際の衝撃音も軽減されていることが確認された。衝撃音があっても、拘束ロールの表面疵は目視では確認されなかったが、回数を重ねるに従い、拘束ロール表面へのダメージが重畳的に蓄積されることが推察される。したがって衝撃音はない方が好ましい。
本発明は、湾曲搬送路を、レールを搬送する際に利用することができる。特に、長尺レールの搬送する際に利用することができる。
1 湾曲搬送路
2 レール
3 一つ前の拘束ロールでの曲線の接線
11 拘束ロール(外側拘束ロール)
12 拘束ロール(内側拘束ロール)
21 拘束ロールの移動方向

Claims (8)

  1. 搬送路に配置された拘束ロールによりレールの側面を拘束し、レールを湾曲搬送路に沿って搬送する方法であって、レールの尾端が前記拘束ロールを通過する前に前記拘束ロールによる前記レールへの拘束力を減少させることを開始することを特徴とするレールの搬送方法。
  2. 前記湾曲搬送路の曲線の外側に配置されている外側拘束ロールを、前記湾曲搬送路の曲率半径の外側に向けて移動させることを特徴とする請求項1に記載のレールの搬送方法。
  3. 前記外側拘束ロールに前記レールが接触したまま、前記外側拘束ロールを移動させることを特徴とする請求項2に記載のレールの搬送方法。
  4. 前記外側拘束ロールにかかる拘束力を測定し、前記外側拘束ロールにかかる拘束力が増加したことを検知して、前記外側拘束ロールを移動させることを特徴とする請求項2または3に記載のレールの搬送方法。
  5. 前記レールの尾端が拘束ロールを通過する時に、前記拘束力を、前記拘束力を減少させることを開始した時点の1/2以下にすることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載のレールの搬送方法。
  6. 前記レールの尾端が前記拘束ロールよりも前に設置されている前設置拘束ロールを通過した後に、前記拘束ロールの拘束力を減少させることを開始することを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載のレールの搬送方法。
  7. 前記レールの尾端が前記前設置拘束ロールを通過したことを、前記前設置拘束ロールの近傍に設置したセンサーにより検知することを特徴とする請求項に記載のレールの搬送方法。
  8. 前記レールの長さが25m以上であることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のレールの搬送方法。
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