しかしながら、最近のビルや商業施設の床面は、従来からのプラスチックタイルに代わり、耐久性が高く光沢があるセラミックタイルの施工が増えてきているため、上記特許文献1に記載のスキージでは、使用時に以下の如き問題が発生していた。
即ち、セラミックタイルは表面硬度が高く滑らかであり、また、比較的白色系の採用が多く、その為、セラミックタイルを洗浄した際の汚水が少量でも残ってしまうと、転倒事故につながり易く、また、汚水が黒く目立ってしまうため、清掃品質面で問題となり、上記のスキージを使用するユーザからは、洗浄後の床面に汚水を残さないようにするための改善が求められていた。
加えて、セラミックタイルの施工に際しては、そのタイル間において、少し間隔を空けた隙間や継ぎ目(以下、目地と称す)を設けた後、モルタルや接着剤を使用して床に固定する施工方法が一般的に用いられているが、その目地には、どうしても汚水が溜まってしまい、上述のように汚水が黒く目立ってしまうため、清掃品質面で問題となっていた。
このような技術的背景により、目地やその他の凹溝等に溜まった汚水をできるだけ吸引できる床面洗浄機が必要となった。ところが、上記特許文献1に記載のスキージ、即ち、進行方向後側のブレードが、内側と外側の2枚の可撓性ゴム板を重ね合わせた構造のスキージを用いて目地に溜まった汚水を吸引すると、以下の如き問題が生じていた。
図16は、上記特許文献1に記載された従来のスキージの構成を説明した側断面図であって、図面では床面FLの目地FTを跨いだ状態で符号100で全体的に示したスキージが、矢印FWD方向に通過する前の課程の状態を示している。
而して図中、101と符号100Xで全体的に示したのは、スキージ本体110に対して、前後に間隔をあけて並設した可撓性ゴムで造った前後のブレードであり、前部側ブレード101と後部側ブレード100Xを構成する内側可撓性ゴム板102は、使用状態において床面FLよりも下に突出する分だけ長く形成されており、更に後部側ブレード100Xを構成する外側可撓性ゴム板103はそれらよりも長く形成されている。また111は機体(図示省略)との連結板、112はスキージ本体110の上面中央部に設けた通気筒、113は床面洗浄機(図示省略)側に設けたブロアーの吸引力を、通気筒112の内部を通して前後のブレード101と100Xの間のスキージ室100R内に及ぼして、後部側ブレード体100Xが掻き集めた洗浄汚水DWやゴミ等を、床面FL又は路面上から吸引するバキュームホースを示す。スキージ室100Rには洗浄汚水DWが貯まっている状態が示されているが、バキュームホース113からブロアー(図示省略)の吸引力が作用するため、スキージ室100Rには図の矢印Fで示した方向に洗浄汚水DWが吸い取られる仕組みに成っている。
次に図17は、上記の後部側ブレード100Xを構成する内側ブレード102が、目地FTの位置に落ち込んだ状態の側断面図である。後部側ブレード体100Xの内側ブレード102は、目地FTの位置にさしかかった瞬間に急激に目地FT内に落ち込んで、その影響で洗浄汚水DWの飛沫DKが後方に飛び散るが、その結果生じる汚水はその後方の外側ブレード103が掻き取るため、この時点ではスキージ100の後方に汚水が残留することはない。
次に図18は、さらにスキージ100が図面上左方向へ進行して、後部側ブレード体100Xが目地FTを通過した後の状態を示した側断面図である。目地FTを通過した後部側ブレード体100Xの内側ブレード102と外側ブレード103との間には、目地FTの上部に堆積していた汚水ZWが入り込み吸引されないので、その結果、清掃後の床面FLに洗浄汚水ZWが引き伸ばされたように残留水ZXとなって床面FLを汚してしまい、再度清掃作業を行わなければならないという欠点があった。
加えて、後部側ブレード体100Xの内側ブレード102には複数の縦スリット(図示省略)が設けられているが、目地FTを通過した後の状態では、スリットは開口していないので、内側ブレード102と外側ブレード103の間にはブロアーの吸引力が作用しない為、内側ブレード102と外側ブレード103との間に入り込んだ汚水ZWを吸引する事ができなくなるという問題もあった。
そこで本発明の技術的課題は、床面に目地やその他の凹溝等があったとしても、これ等目地や凹溝等に溜まった汚水をできる限り回収すると共に、床面に回収した汚水の残りが残留しないように工夫した回収性能の高い床面洗浄機等用のスキージを提供することである。
上記の技術的課題を解決する為に本発明で講じた手段は以下の如くである。即ち、
(1) 本発明の請求項1に係る床面洗浄機等用スキージは、進行方向に対して前後に間隔をあけて前部側と後部側の各ブレードを並設し、これ等前後のブレードの間にブロアーの吸引力を及ぼすことにより、ブレードが掻き集めた汚水やゴミ等を吸い取るように構成した床面洗浄機等用スキージであって、
上記前部側と後部側のブレードのうち、後部側のブレードが、内側と外側の2枚の可撓性ゴム板を内外二重に重ね合わせて構成され、且つ、当該外側可撓性ゴム板の長さが、内側可撓性ゴム板より下側方向に同じか又は長く形成されると共に、上記内側可撓性ゴム板には、当該ゴム板の下端と隔てた位置に吸引穴が設けられていることを特徴としている。
(2) また、本発明の請求項2に係る床面洗浄機等用スキージは、前記内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板のいずれか一方又は両方に、当該スキージの進行に際して、上記内側と外側の可撓性ゴム板の間隔を離間状態にさせるための隙間保持手段が具備されていることを特徴としている。
(3) また、本発明の請求項3に係る床面洗浄機等用スキージは、前記汚水を吸引するための通気口が、前記スキージの上面中央部に設けられていて、当該スキージの全体は略弓型形状に湾曲形成され、且つ、前記内側可撓性ゴム板に設けた吸引穴は、少なくともその横幅方向において上記通気口の横幅の範囲内に設けられていることを特徴としている。
(4) また、本発明の請求項4に係る床面洗浄機等用スキージは、前記の吸引穴が、複数の穴で構成されていることを特徴としている。
(5) また、本発明の請求項5に係る床面洗浄機等用スキージは、前記の吸引穴が、直径3mmから6mmの穴で構成されていることを特徴としている。
(6) また、本発明の請求項6に係る床面洗浄機等用スキージは、前記隙間保持手段が、前記後部側のブレードを構成する外側の可撓性ゴム板の下端部側を、スキージの後方に向けて湾曲させて形成した屈曲部であることを特徴としている。
(7) また、本発明の請求項7に係る床面洗浄機等用スキージは、前記隙間保持手段が、前記スキージの進行時に、床面との接地抵触によって前記後部側のブレードを構成する外側の可撓性ゴム板がスキージの後方に向けて容易に屈曲するように、前記内側の可撓性ゴム板に設けた吸引穴よりも上側に設けられている折曲自在部であることを特徴としている。
(8) また、本発明の請求項8に係る床面洗浄機等用スキージは、前記隙間保持手段が、前記スキージの進行時に、床面との接地抵抗によって前記後部側のブレードを構成する外側の可撓性ゴム板を後方に向けて容易に屈曲可能にするために、当該外側の可撓性ゴム板の外側面に設けた切欠部であることを特徴としている。
(9) また、本発明の請求項9に係る床面洗浄機等用スキージは、前記隙間保持手段が、前記後部側のブレードを構成する前記内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板の間で、且つ、前記吸引穴を除いた部位に対して、スペーサとして挟み込んで取付られる介在型可撓性ゴム板であることを特徴としている。
(10) また、本発明の請求項10に係る床面洗浄機等用スキージは、前記隙間保持手段が、前記吸引穴の周辺に位置させて、前記後部側のブレードを構成する内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板のいずれか一方、又は、両方の互いに対向する内側面に設けた隙間保持用の突起部であることを特徴としている。
(11) また、本発明の請求項11に係る床面洗浄機等用スキージは、前記の突起部が、リベットなどの鋲を、前記ブレードに対してかしめるか、又は、鋲以外の別の突起部材を、前記ブレードに対して嵌め込み形成することによって構成されていることを特徴としている。
(12) また、本発明の請求項12に係る床面洗浄機等用スキージは、前記のブレードを構成する内側と外側の可撓性ゴム板において、前記の吸引穴と突起部が、当該可撓性ゴム板に対して上下左右対称の位置に形成されていることを特徴としている。
(13) 更に、本発明の請求項13に係る床面洗浄機等用スキージは、前記後部側のブレードを構成する内外の可撓性ゴム板の上下の長さ寸法が、前記前部側のブレードを構成する可撓性ゴム板の長さ寸法の略2倍、又は、2倍以上の長さに形成されていて、これ等長尺の内外の可撓性ゴム板の上下両端部の上下左右対称位置には、前記吸引穴と前記隙間保持用の突起部が設けられ、且つ、これ等内外の可撓性ゴム板が二枚重ねで前記スキージ本体の後側部に脱着自在に取付られていることを特徴としている。
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、進行方向に対して後部側のブレードが2枚の可撓性ゴム板を重ね合わせて構成されているため、例えば、磁器タイルを敷き詰めた床面の目地や凹溝をスキージが通過する際、目地や凹溝内に一旦進行方向前側の可撓性ゴム板が落ち込むと、目地や凹溝内に堆積していた洗浄汚水を可撓性ゴム板の弾力ではじき飛ばして周辺に飛散しようとするが、その後側のもう一枚の可撓性ゴム板が飛沫の拡散を防止し、さらに後側の可撓性ゴム板が目地部や凹溝内に残留している汚水を掻き出すため、床面の目地や凹溝の後方に洗浄汚水の残留や飛沫が残ることがなく、洗浄汚水等をきれいに吸い取ることを可能にする。
更に、上記後部側のブレードが目地や凹溝を通過した際、内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板との間に汚水が入り込んでしまうが、内側可撓性ゴム板の下端と隔てた位置には吸引穴が設けられているため、その吸引穴からのブロアーの吸引作用により汚水が吸引される。よって、内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板との間に入り込んだ汚水がその間に残ることがなく、また床面にも引き伸ばされたように汚水が残留しないので、洗浄後の床面を汚すことがなく、床面をきれいに洗浄することを可能にする。
上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、ブロアーの吸引作用により発生する内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板の間の負圧に対して、外側可撓性ゴム板、又は、内側可撓性ゴム板側のいずれか一方、又は両方には、両ゴム板の間隔を離間させるための隙間保持手段が設けられているので、内側可撓性ゴム板と外側可撓性ゴム板が密着する事がなくなって、内側可撓性ゴム板の吸引穴を閉塞することがなくなるため、吸引穴に対して汚水を確実に吸引させる為の吸引経路を確保することができる。
上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、ブロアーの吸引力が作用する通気口(吸い込み口)がスキージの中央に設けられ、且つ、ブレードが横方向(幅方向)に略弓型に湾曲した形状であることから、汚水は中央に集まると共に、吸引穴は通気口の幅の範囲にあるので、中央に集まってきた汚水を効率よく吸い上げて吸引することができる。
上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、吸引穴を複数の穴で形成することにより、スキージと床とのシール性を維持しながら、安定した状態で汚水を吸引することが可能になる。例えば、スキージブレードの下端に、ある程度の長さの吸引穴を長方形に形成したとすると、吸引穴下部のブレードが紐状になってしまい、床面とのシール性が確保できなくなってしまう問題が発生することになる。
上記(5)で述べた請求項5に係る手段によれば、上記の吸引穴を直径3mmから直径6mmの複数の穴で形成することにより、汚水に混在しているゴミの詰まりを防止し、スキージと床とのシール性を維持しながら、安定した状態にて汚水を円滑に吸引することが可能になる。即ち、吸引穴である穴径については、穴径が小さすぎると汚水に混在しているゴミが詰まりやすく、また穴径が大き過ぎるとゴム板の強度が低下してスキージと床との間のシール性が維持できなくなるので、穴径は直径が少なくとも3mmから6mmが適当であることが、実験の結果判明した。
上記(6)、(7)、(8)、(9)、(10)で述べた請求項6、7、8、9、10に係る各手段によれば、前述した隙間保持手段として、屈曲部、折曲部、切欠部、介在型可撓性ゴム板、突起部のいずれかが設けられているため、両ゴム板の密着が防止されて、吸引穴に対して汚水を吸引するための吸引経路を確保することが可能になる。
特に、上記(9)で述べた請求項9に係る手段によれば、内側可撓性ゴム板、又は、外側可撓性ゴム板自身から直接突起物を形成しないので、金型を用いてゴム板を一体成形する必要性がなくなり、その結果、金型費を無くすことができて、コストダウンが図れる。更に、消耗して交換する際にも内側可撓性ゴム板、又は外側可撓性ゴム板は安価であり、加えて、別部材であるスペーサとしての介在型可撓性ゴム板は、消耗せずに使い回しが可能であるので、ランニングコストを低減化することができる。
上記(11)で述べた請求項11に係る手段によれば、内側可撓性ゴム板、又は、外側可撓性ゴム板自身から直接突起部を形成しないので、金型を用いて可撓性ゴム板を一体成形する必要性がなくなり、その結果、金型費を削減することができると共に、コストダウンが図れる。また、別の部材をブレードに対して嵌め込み形成して突起部を形成した場合は、工具を使用しないで外側可撓性ゴム板の弾性力を利用して突起部を嵌め込むことができるので、取付けが容易に行える。
上記(12)と(13)で述べた請求項12、13に係る手段によれば、上下左右対称な位置に吸引穴若しくは突起部を形成しているので、床面と接しているブレードの一方の端面が摩耗や劣化して寿命に達した場合、スキージ本体に対してそのブレードの左右(上下)を逆にして取り付けたり、表と裏を逆にして取り付けることにより、未使用のブレードの端面を使用することができて、一枚のブレードの長期間使用を可能にすることができる。
以上述べた次第で、上記(1)〜(13)で述べた各手段によって上述した本発明の技術的課題を解決して、前記従来技術の問題点を解消する事ができる。
以上の如く構成された本発明に係る床面洗浄機等用スキージによれば、以下の技術的効果を実現する事ができる。即ち、スキージを用いて洗浄汚水を回収しながら床面洗浄機等で床面を洗浄する際に、床面の目地や凹溝等に汚水が堆積していたとしても、床面の目地や凹溝等の後方に洗浄汚水の残留や飛沫が残ることがなく、洗浄汚水等をきれいに吸い取ることができるため、清掃後の床面に洗浄汚水が残り、床面を汚してしまって再度清掃作業を行わなければならない、といった問題を回避できるものであって、汚水の回収性能が高く、また、経済性にも優れた床面洗浄機等用スキージを提供できる利点を発揮することができる。
以下に、上述した本発明に係る床面洗浄機等用スキージの実施の形態を添付した図面と共に詳細に説明する。これらの実施の形態は本発明の好適な具体例であって、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
添付した図面中、図1は本発明に係るスキージが実施されている床面洗浄機の内部構造を説明した斜視図、図2はその平面図であって、これ等の図面に於いて夫々符号1にて全体的に示したのは洗浄機の機体、1Aは運転用のハンドル、1Bと1Cは駆動輪と前輪、2はモータ2Mによって回転して床面を洗浄するパッド又は回転ブラシ、3と4は機体1内に搭載した清液又は洗剤液CW用のタンクと汚水DW用のタンク、5はポンプ5Tの作用によって取入口5Aから取り入れた清液又は洗剤液CWを、上記のパッド又は回転ブラシ2に供給する給液パイプを示す。
また、符号10で全体的に示したのは、全体が略弓型形状を成した本発明に係るスキージであって、機体1の後部に連結されたスキージ10には、吸引パイプ6を通して汚水タンク4内に作用するブロアー6Tの吸引力が、ホース先端口9Aよりバキュームホース9を通して及んでいて、この吸引力でパッド又は回転ブラシ2の洗浄回転によって床面上に残った汚水を、上記バキュームホース9を通して汚水タンク4内に吸引回収するように構成されている。また、上述した吸引パイプ6の上端にはフロート弁付きの吸引口6Aが設けられている。
更に図1と図2において、7はスキージ10の本体10Aの上面中央部に取付けた基板を示し、図2乃至図7と図9及び図12乃至図15において、夫々符号7Tで示したのは、スキージ10を機体1の後部に連結するために当該基板7に連設した連結板、7Kは連結板7Tの連結軸を連結する取付軸を示す。次に、21,21はボルト21X,21Xを用いてスキージ10の左右両端部側の後方部に回動自在に取付けた車輪カバーで、これ等両カバー21,21の内部には車軸21A,21Aによってスキージ10を支持する左右のガイド車輪22,22が回転自在に取付けられている。また、20,20は左右のガイドホイール、7A,7Aは前述した基板7をスキージ10の中央部に取付けるボルト、8は前述したバキュームホース9を接続するために、上記基板7の上面に立設した通気筒で、バキュームホース9を通して作用される前記ブロアー6Tの吸引力は、この通気筒8からスキージ本体10Aの中央部上面に開口した通気口10H(図10、図11参照)を通して、前後の可撓性ブレード12,13の間隔内、即ち、後述するスキージ室11W内に及ぶ仕組みに成っている。
図3の(1)、(2)、(3)は、本発明の実施例に係るスキージ10の実施例を説明した断面図を示したものであって、スキージ10を構成する細長い形状のスキージ本体10Aは、断面略逆さ凹形状に形成されている。図3において矢印FWDは床面洗浄機1の洗浄動作時の進行方向を示し、10Sと10Tはスキージ本体10Aの前側面部と後側面部、12及び符号13で全体的に示したのは、これ等前側面部10Sと後側面部10Tのそれぞれに、前後に間隔をあけて取付けられた前後2組の可撓性ゴム板でできたブレードであり、スキージ本体10Aの底面より下側に垂下されたこれ等前部側ブレード12と後部側ブレード13の内部間隔が、スキージ室11Wを構成している。
更に上述した後部側のブレード13は、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bが前後に重ね合わされて構成されており、11Sと11Tはこれら計3枚のブレード12,13A,13Bを上記前後両側面部10S,10Tに固定するためのサポータであって、上記スキージ本体10Aの上面中央に突設した通気筒8の上端口8T(図10、図11参照)に、バキュームホース9の下端口9Aが接続されていて、図1に示したブロアー6Tの吸引力をこのスキージ本体10Aの内部を通して前後のブレード12,13の間に及ぼす仕組みになっている。また、前部側ブレード12と後部側ブレード13を構成する内側可撓性ゴム板13Aは、図5の(1)に示す如く使用状態において床面FLよりも下に突出する分の長さH1だけ長く形成されており、更に後部側ブレード13を構成する外側可撓性ゴム板13Bは、それらよりもH2だけ長く形成されている。尚、図5の(1)は床面の高さを想像線にて示しており、各ブレードとの高さの差を示している。
更に図5の(1)において、前部側ブレード12及び後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aと床面FLとの高さの差H1は、使用する可撓性ゴム材の硬度やゴム材厚に応じて任意に設定するものであるが、本発明の実施例では、外側可撓性ゴム板13Bと内側可撓性ゴム板13Aとの高さの差H2は、実寸法で数mm程度長い様に設定しており、また、内側可撓性ゴム板13Aがブロアー6Tの吸引力(負圧)により内側に引き寄せられて撓むので、外側可撓性ゴム板13Bに比べて内側可撓性ゴム板13Aのゴムの曲がりがきつくなり、加えて、使用状態において外側可撓性ゴム板13Bには、床面FLとの間に図面上右方向への摩擦力が働くことにより、内側可撓性ゴム板13Aと外側可制撓性ゴム板13Bとの間には隙間H(空間)が生じることとなる。
更に、内側可撓性ゴム板13Aの中央付近、詳しくは横幅においてスキージ本体10Aに設けた通気口10H(図10、図11参照)の幅と同程度の位置で、且つ、下端より約数mmのところには、直径3〜6mm程度の吸引穴13H…が横方向に複数箇所並べて開口形成されている。この複数箇所開口形成された吸引穴13H…は、外側可撓性ゴム板13Bと内側可撓性ゴム板13Aとの間に入り込んだ汚水ZW(図14、図15、図17、図18参照)を吸引する為のものである。
尚、上記の前部側ブレード12と、後部側ブレード13を構成する内側可撓性ゴム板13A及び外側可撓性ゴム板13Bの夫々は、優れた耐久性と柔軟性を備えた例えばウレタンゴム等のゴム材やプラスチック材が使用され、また、サポータ11S,11Tとスキージ本体10Aは金属板や合成樹脂板等の硬質材が使用されるが、これ等の材料はいずれも実施の一例であることは勿論である。
また、上記の前部側ブレード12と、後部側ブレード13を構成する内側可撓性ゴム板13A及び外側可撓性ゴム板13Bは、サポータ11S,11Tによってスキージ本体10Aの前後両側面10S,10Tに押さえ付けられた状態で取付けられている。
而して図3の(1)、(2)、(3)は、上述したスキージ10が矢印FWDの方向に前進する時に、床面FLとの摩擦抵抗(接地抵抗)によって、図4の如く内側可撓性ゴム板13Aが外側可撓性ゴム板13B側に屈曲することにより、両ゴム板13A,13Bが重なって、上述した隙間Hを狭めたり、閉じてしまうことを防止するために、本発明によって開発された間隔保持手段の実施例を示した側断面図である。
即ち、上述した図4に示す如く、両ゴム板13Bが重なって隙間Hが閉じられたり狭められたりすると、前記内側可撓性ゴム板13Aによって上記吸引穴13H…も塞がれてしまって、両ゴム板13A,13Bの隙間Hに入り込んだ汚水ZWを、上述した各吸引穴13T…を通して汚水タンク4側に吸引できなくなる問題が生じる。しかし、本発明では上記の隙間Hを常時確保するための手段が講じられているため、両ゴム板13A,13Bの隙間Hに残留した汚水ZWが、前記図4及び図18に示すように床面FL上に残留水ZXとなって残ってしまって床面FLを汚してしまう問題を解消することができる。
図3(1)に示した請求項6に記載の本発明の実施例では、上記外側可撓性ゴム板13Bの下端部を一旦外側に湾曲させた後、その下端側を上記内側可撓性ゴム板13Aの方向(内側)に若干屈曲させて床面FLに接地させる形状の隙間保持手段としての屈曲部13Xを設けることにより、スキージ10の前進によって内側可撓性ゴム板13Aが後方に屈曲したとしても、上記屈曲部13Xが隙間Hを確保するように構成されている。
また、図3(2)と(3)に示した請求項7及び8に記載の本発明の実施例では、上記外側可撓性ゴム板13Bの上側部分、具体的には、少なくとも前記内側可撓性ゴム板13Aに設けられている吸引穴13T…よりも上側部分、更に具体的には、上側付け根部分に、スキージ10の進行時に発生する床面FLとの接触抵抗によって、外側可撓性ゴム板13Bを後方に向けて少ない力で容易に、且つ、大きく屈曲させることができるように構成した隙間保持手段としての折曲部13Y、及び、切欠部13Zを設けることによって、上記隙間Hを確保できるように構成されている。
加えて、図5(1)と(2)には、上記外側可撓性ゴム板13Bの内側(内側可撓性ゴム板13A側)、詳しくは内側可撓性ゴム板13Aの吸引穴13Hの下側に相当する位置に、請求項10に記載されている隙間保持手段としての複数の突起部13T…を設ける実施例が記載されているが、その詳細な説明は、図6乃至図15を用いて後述する。
次に、図5(2)において前記図5(1)に示した本発明の実施例におけるスキージ10の使用状態を説明する。図5(2)において、床面FLにスキージの前部側ブレード12と後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13A及び外側可撓性ゴム板13Bが夫々撓みながら各下端部が接する様に配置され、スキージ室11Wの床面部には洗浄汚水が前部側ブレード12のスリット(図示省略)から進入してきている状態が示されている。
この様に、スキージ室11Wの下側には洗浄汚水DWが貯まっている状態が示されているが、スキージ室11Wに対してはバキュームホース9から図1に示したブロアー6Tの吸引力が作用するため、スキージ室11Wには図の矢印F…で示した方向に洗浄汚水DWが吸い取られる。また、スキージ室11Wはブロアー6Tの吸引力により周辺よりも気圧の低い負圧状態となっているため、前部側ブレード12より洗浄機側(前寄り)に存在する洗浄汚水FWは、前部側ブレード12のスリット(図示省略)とブレード12と床面FLの接触部分から、スキージ室11W内の負圧に引かれてスキージ室11W内に捕集吸引される。
また、外側可撓性ゴム板13Bの内側(内側可撓性ゴム板13A側)、詳しくは内側可撓性ゴム板13Aの各吸引穴13H…の真下に相当する位置には、間隔保持手段としての複数の突起部13T…が設けられている。一方、スキージ10の後部のガイド車輪22は、車軸22Tにより回転自在に取り付けられていて、走行時にこれ等のガイド車輪22が床面FLをなぞりながら回転することによって、スキージ10の姿勢が床面FLに対して傾かずに安定して支えられると共に、スキージ10が床面FLをなぞりながら床面FLに追従するため、凹凸が多い目地FT(図4、図14、図15参照)を多数備える床面FLであっても、適正な接地角を保って、汚水DWの吸い残しを防止しつつ、汚水DWを円滑に吸引することができる。
尚、図示した実施例では上記間隔保持手段としての突起部13Tが、外側可撓性ゴム板13Bの内側面のみに形成されているが、これを内側可撓性ゴム板13Aの内側面に設けてもよく、また、両ゴム板13A,13Bの双方の内側面に設けてもよいことは勿論である。
また、図5(2)において、床面FLの凹凸やスキージブレード12,13の劣化などにより、特に後部側ブレード13がへたってブレード13の曲がり状態が変化しても、内側可撓性ゴム板13Aと外側可制撓性ゴム板13Bと間には、外側可制撓性ゴム板13B又は内側可撓性ゴム板13Aに形成された隙間保持手段としての突起部13T…が突出していて、これ等の突起部13T…が内側可撓性ゴム板13A又は外側可撓性ゴム板13Bに接触することにより、両ゴム板13Aと13Bの間に隙間(空間H)が確保されているので、夫々のゴム板13A,13B同士が密着することはなく、床面FLから吸引穴13Hまでの吸引経路である空間Hが確保されている状態が示されている。更に、隙間保持手段としての突起部13Tが内側可撓性ゴム板13Aの内側面に接触した場合には、突起部13T…がストッパーの役目をして外側可撓性ゴム板13Bがそれ以上内側可撓性ゴム板13A側に近づかないようにするので、目地FTを通過する際にも、外側可撓性ゴム板13Bの下端は必要以上、目地FT内に侵入する(落ち込む)ことがない。よって、外側可撓性ゴム板13Bの下端が汚水DWを床面FLより残すことなく掻き寄せて、吸い取ることができる。
次に、上記の突起部13Tを形成する具体的な方法として、請求項11に記載された本発明の実施例を図7の記載と共に説明する。即ち、側方からの断面図である図7では、外側可撓性ゴム板13Bの下側部分には、複数個の金属製の鋲13TAが横並びにカシメなどにより接合されている。この実施例によれば金属製の鋲13TAにより前述した突起部13Tを形成したことにより、突起部13Tをブレードから形成する金型が必要なくなるので、大幅なコストダウンが図れる。
また、請求項11に記載の本発明の別の実施例について、図8と共に説明する。即ち、外側可撓性ゴム板13Bの側方からの断面図である図8では、外側可撓性ゴム板13Bの下側部分には、複数の穴13BHが横並びに開口形成されていて、両端が鍔部の形状をした断面H型の別部材、即ち、突起部材13TBを外側可撓性ゴム板13Bの各穴13BHに対して嵌め込み形成することにより、突起部13Tを形成している。この実施例によっても、外側可撓性ゴム板13B自身から直接突起物を形成しないので、金型を用いてゴム板を一体成形する必要性がなくなり、その結果、金型費を削減することができて、コストダウンが図れる。また、工具を使用しないで外側可撓性ゴム板13Bの弾性力を利用して、突起部13Tを嵌め込み形成することができるので、取付けが容易に行える。尚、別部材として、例えばプラスティーリベット等を使用しても何等問題はない。
更に、上記の突起部13Tを形成しないで、上記内外の可撓性ゴム板13Aと13Bの間隔を保持する別の方法として、請求項9に記載された本発明の実施例を図9の記載に従って説明する。即ち、側方からの断面図である図9では、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bの間に別の部材(スペーサ)である隙間保持手段としての介在型可撓性ゴム板13Wを挟みこんで、両ゴム板13A,13Bと一体にスキージ本体10A側に取り付けることにより、間隔(隙間H)を設けている。この実施例によれば、内側可撓性ゴム板13A、又は外側可撓性ゴム板13B自身から突起物13Tを形成しないので、金型を用いて成形する必要がなくなり、その結果金型代がかからなくなって、コストダウンが図れる。更に、内側可撓性ゴム板13A、又は外側可撓性ゴム板13Bが消耗して交換する際には、ゴム板が安価のため、ランニングコストを低減化することができる。
次に、図10は図9におけるA−A線に沿った断面図を示す。図10には後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aをスキージ室11W内部から正視した状態が示されていて、内側可撓性ゴム板13Aの中央付近、詳しくは横幅においてスキージ本体10Aの上面に設けた通気口10Hの幅と同程度の位置で、下端より数mmのところに、直径3〜6mm程度の吸引穴13H…が横並びに複数箇所開口形成されている。更に、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bの間には、吸引穴である上記吸引穴13H…を除く各部位に対して延長する突片13W…を有し、且つ、各吸引穴13H…に相当する部位を吸引穴13V…とした別部材である介在型可撓性ゴム板13Xをスペーサとしてを挟みこんで、上記両ゴム板13A,13Bの間に図9に示した間隔(隙間H)を設けている。而して、上記の介在型可撓性ゴム板13Xは、消耗しないので使い回しが可能であり、ランニングコストの低減化を図ることができる。
図11は図5(2)におけるB−B線に沿った断面図を示す。図11には後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aをスキージ室11W内部から正視した状態が示されていて、内側可撓性ゴム板13Aの中央付近、詳しくは横幅においてスキージ本体10Aの上面に設けた通気口10Hの幅と同程度の位置で、且つ、下端より数mmのところに、直径3〜6mm程度の吸引穴13H…が横並びに複数箇所開口形成されている。通気口10Hはスキージ10の上面中央に設けられていて、ブレードを含むスキージ10の全体が、横方向(幅方向)に略弓なりに湾曲した形状であることから、洗浄汚水DWは中央に集まることとなる。従って、通気口10Hの下側に夫々吸引穴13H…を設けていれば、汚水DWを残さず吸引することができる。よって吸引穴13H…を必要最小限の個数とすることができて、汚水DWを効率よく吸引することができる。
また、内側可撓性ゴム板13Aの複数の吸引穴13H…の縦方向においても、下端から数mmの範囲内に設けられていて、より詳しくは下端からゴム板の厚み(板厚)に対して2〜3倍程度の間隔を離して複数の吸引穴13H…を横並びに開口形成している。ゴム板の厚み(板厚)に対して2〜3倍程度の間隔を離すことにより、ゴム板の下端のシール性を確保(ゴム板の下端の強度を確保)しながら、吸引穴13H…を床面FLに出来る限り近づけているので、目地FTや凹溝等に堆積していた汚水DWを効率よく吸い上げて吸引することができる。
更に、図9のA−A方向より外側可撓性ゴム板13Bを正視すると、外側可撓性ゴム板13Bの中央付近、詳しくは横幅においてスキージ本体10Aに設けた通気口10Hの幅と同程度の位置に、縦方向では吸引穴13H…の真下に配置されていて、直径3〜6mm程度、高さは約1mm程度の円形の突起部13T…が複数個形成されている。
而して汚水吸引時には、内側可撓性ゴム板13Aに形成された吸引穴13H…より、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bの間に対して負圧の吸引力が作用するため、外側可撓性ゴム板13Bは内側可撓性ゴム板13A側に密着しようとする吸引作用が発揮されるが、外側可撓性ゴム板13B又は内側可撓性ゴム板13Aに形成した上記隙間保持手段としての円形の突起13T…によって空間(隙間H)が確保されて、両ゴム板13A,13Bは確実に密着が防止されるため、両ゴム板13A,13Bの間に残留した汚水DWが吸引穴13H…を通過して吸引され、床面FLに汚水DWを残すことがなくなる。
更に、図12は請求項12に記載した本発明の別の実施例を説明した側方からの断面図であって、図示の如く、内側可撓性ゴム板13Eの上下には吸引穴13H,13Hを形成すると共に、外側可撓性ゴム板13Fの上下両面に突起部13T,13Tを設けていて、夫々吸引穴13H,13H及び隙間保持手段としての突起部13T,13Tは上下左右対称の位置に形成してある。
この実施例では、夫々縦長に形成した内側可撓性ゴム板13E及び外側可撓性ゴム板13Fに対して、上下左右対称な位置に吸引穴13H及び突起部13Tを形成しているので、床面FLと接しているブレードの端面が摩耗や劣化して寿命に達した場合、そのブレード13E,13Fの左右を逆にして取り付けたり、表と裏を逆にして取り付けることにより、未使用のブレード13E,13Fの端面を使用可能とすることができて、内側可撓性ゴム板13E及び外側可撓性ゴム板13Fの長寿命化を図ることができる。また、後部側ブレード13を構成する内側可撓性ゴム板13E及び外側可撓性ゴム板13Fは、高さ方向の中心部をサポータ11Xによってスキージ本体10Aに対して交換自在な状態に取付けられている。
次に、以上の如く構成した本発明を実際に使用するに当たって、床面FLに目地FT等の溝がある場合の作用を説明する。図13は、前後2枚のブレードの間、即ち、可撓性ゴム板12と13の間の汚水DWを吸引しながら、目地FTを通過する前の状態を示した側断面図である。更に具体的には、この図13において、床面FLにスキージの前部側ブレード12と後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13A及び外側可撓性ゴム板13Bが撓みながら端部が接する様に配置され、スキージ室11Wの床面部には洗浄汚水DWが前部側ブレード2のスリット(図示省略)から進入してきている状態が示されている。また、スキージ室11Wの床面部の汚水DWは、ブロアー6Tの吸引力により矢印F方向に吸引されるので、後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aに設けられている吸引穴13H…から、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bとの隙間Hに入り込むことはない。
図14は、後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aが目地FTに落ち込んだ状態を示した側断面図である。後部側ブレード13の内側可撓性ゴム板13Aは目地FTの位置にさしかかった瞬間に、その下端が急激に目地FTの溝内に落ち込んで、溝内の汚水DWを掻き出してしまう。その影響で汚水の飛沫DKが後方に飛び散るが、その結果生じる汚水ZWはその後方の外側可撓性ゴム板13Bが掻き取るため、スキージ10の後方に汚水が残留することはない。
また掻き出された汚水DWや飛沫DK…は、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bの間に入り込んでしまうが、内側可撓性ゴム板13Aの吸引穴13H…が貫通しているので、ブロアー6Tからの吸引力による負圧作用により、これ等の汚水DWや飛沫DK…は、矢印に示す如く前記内側可撓性ゴム板13Aの吸引穴13H…を通過してスキージ室11Wに吸引される。
次に図15は、スキージ10がさらに進行して後部側ブレード13が目地FTを通過した後の状態を示した側断面図である。従来のスキージでは、前記図18に示すように、目地FTを通過した後部側ブレード100Xの内側可撓性ゴム板102と外側可撓性ゴム板103との間には、目地FTに溜まった汚水ZWが飛沫DK…と成って入り込んでしまい、その結果、清掃後の床面FLに洗浄汚水が引き伸ばされたように残ってしまって、床面FLを汚してしまうため、再度清掃作業を行わなければならないという欠点があったが、図13で説明したように本発明に係るスキージ10では、この汚水ZWが内側可撓性ゴム板13Aに形成された複数の吸引穴13H…を通過してスキージ室11Wに吸引されることになる。
また、側方からの断面図である前記図4に示すように、内側可撓性ゴム板13Aには吸引穴13H…が存在するが、外側可撓性ゴム板13Bに隙間保持手段としての突起部13Tがない場合を説明すると、後部側ブレード13は、床面FLの凹凸やスキージブレード12,13の経年劣化などにより、ブレード12,13がへたった場合に、ブレード12,13の曲がり状態が変化してしまい、内側可撓性ゴム板13Aと外側可撓性ゴム板13Bが図示の如く密着してしまうケースが生じてしまう。互いのゴム板13A,13Bが密着してしまうと、床面FLから吸引穴13H…までの吸引経路である空間(隙間H)が確保されないので、前述したブロアー6Tによる吸引力が十分に作用しない為、ゴム板13A,13B間の汚水DWは吸引穴13H…を通過して吸引されず、汚水DWはゴム板13A,13B間から滲み出てきて、結果的に前記図18で説明した従来例と同様に床面FLに洗浄汚水ZWが引き延ばされた状態に残ってしまって、床面FLを汚してしまうこととなる。
本発明では上記のような問題も解決することができる。即ち、床面FLに目地FTや凹溝等があったとしても、床面FLの汚水DWは勿論のこと、目地FTや凹溝等に溜まっていた汚水DWも効率よく回収することができるので、床面FLが綺麗に清掃できて、更に、目地FTや凹溝に溜まっていた汚水DWを清掃した床面FLに残すようなことも無くなり、回収性能の高い床面洗浄機等用のスキージ10を提供することができる。