JP2011120577A - 上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 - Google Patents
上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011120577A JP2011120577A JP2010252818A JP2010252818A JP2011120577A JP 2011120577 A JP2011120577 A JP 2011120577A JP 2010252818 A JP2010252818 A JP 2010252818A JP 2010252818 A JP2010252818 A JP 2010252818A JP 2011120577 A JP2011120577 A JP 2011120577A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- culture
- culturing
- epithelial
- oxygen concentration
- skin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】 上皮細胞を初期増殖する第一の培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する第二の培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる第三の培養工程を含む三次元的な上皮再構築体を作成する方法であって、少なくとも第二の培養工程及び第三の培養工程を酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で行うことを特徴とする上皮再構築体の作成方法。
【選択図】 なし
Description
[1] 上皮細胞を初期増殖する第一の培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する第二の培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる第三の培養工程を含む三次元的な上皮再構築体を作成する方法であって、少なくとも第二の培養工程及び第三の培養工程を培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で行うことを特徴とする上皮再構築体の作成方法。
[2] 上皮細胞を初期増殖する第一の培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する第二の培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる第三の培養工程を含む三次元的な上皮再構築体を作成する方法であって、前記全ての工程を培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で行うことを特徴とする上皮再構築体の作成方法。
[3] 上皮細胞がヒト上皮細胞であることを特徴とする前記[1]又は[2]記載の上皮再構築体の作成方法。
[5] 培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする皮膚外用剤の評価又はスクリーニング方法。
[6] 培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする化粧料の評価又はスクリーニング方法。
[7] 培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする薬剤、皮膚外用剤又は化粧料に使用するための被験物質の評価又はスクリーニング方法。
[8] 予め、培養酸素濃度が3%以上23%以下のガス雰囲気下で上皮細胞を初期増殖することを特徴とする前記[4]〜[7]の何れか1記載の評価又はスクリーニング方法。
[9] 皮膚のターンオーバーを指標とすることを特徴とする前記[4]〜[8]の何れか1記載の評価又はスクリーニング方法。
該三次元的上皮再構築体に被験物質を投与して培養する工程、
投与後培養された三次元的再構築体を判定する工程を行うことを特徴とする、薬剤、皮膚外用剤又は化粧料の評価又はスクリーニング方法。
[11] 前記三次元的な上皮再構築体を作成する工程が、上皮細胞を初期増殖する培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程及び該培養容器内で培養して分化誘導させる培養工程を含むことを特徴とする前記[10]記載の評価又はスクリーニング方法。
[12] 前記被験物質を投与する前に、培養酸素濃度が3%以上8%以下のガス雰囲気下で、三次元的上皮再構築体を培養する培養工程を含むことを特徴とする前記[10]又は[11]記載の評価又はスクリーニング方法。
[13] 前記評価又はスクリーニングが、安全性及び/又は薬理性のためのものである前記[10]〜[12]の何れか1記載の評価又はスクリーニング方法。
[14] 前記薬理性が、しわ予防改善作用、皮膚老化予防改善作用、皮膚炎症予防改善作用、日焼け防止作用、美白作用又は皮膚収れん作用についてのいずれか一つ以上のものである前記[13]記載の評価又はスクリーニング方法。
(a)増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程
(b)該培養容器内で分化誘導させる培養工程
この増殖工程の培養中のガス雰囲気は、後述の第二、第三の培養工程にて培養中のガス雰囲気が低酸素濃度であれば、低酸素濃度〜通常の酸素濃度でもよい。当該酸素濃度範囲内であれば、形成される三次元的上皮再構築体の長期間培養ができるので有利であるが、低酸素濃度とするのが、未分化細胞を長期間維持できるので、好適である。
ここで、「低酸素濃度」とは、培養中のガス雰囲気の酸素濃度(以下、「培養酸素濃度」ともいう)が3%以上8%以下(以下、「3〜8%」ともいう)であり、好ましくは4〜7%、より好ましくは4〜6%である。
また、「通常の酸素濃度」とは、通常の大気中の酸素濃度に近い約20%程度、具体的には17〜23%程度であり、好ましくは18〜22%である。
また、「低酸素濃度〜通常の酸素濃度」とは、低酸素濃度の下限〜通常の酸素濃度の上限の範囲であり、具体的な培養酸素濃度は3〜23%程度であり、好ましくは4〜22%程度である。
このときのガス雰囲気中の二酸化炭素濃度は、約5%程度、具体的には4〜7%程度であり、好ましくは4〜6%である。また、ガス雰囲気における酸素及び二酸化炭素以外のガスは、窒素であることが好ましい。
この培養工程の培養中のガス雰囲気は、形成される三次元的上皮再構築体の長期間の培養を可能にする点で、上述の如き低酸素濃度とするのが重要である。
なお、第二の培養工程における低酸素濃度及びガス雰囲気は、上述の「第一の培養工程」と同様である。
なお、第三の培養工程における「気相」とは、「ガス雰囲気」と同義であり、これは「低酸素濃度」のものである。これら「低酸素濃度」及び「ガス雰囲気」は、上述の「第一の培養工程」と同様である。
また、第一の培養工程〜第三の培養工程の全工程を、培養酸素濃度が3〜8%のガス雰囲気下で行うことによっても、長期間未分化細胞を維持できる上皮再構築体を得ることができる。
更に、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる培養工程とを、培養酸素濃度が3〜8%のガス雰囲気下で行うことでも前記上皮再構築体を得ることは可能である。
これに対し、三次元的上皮再構築体を形成する一般的な培養方法での培養工程における分化誘導は、細胞を気相(酸素濃度20%程度)に暴露させることにより行われるが、培養酸素濃度20%のガス雰囲気下で三次元的上皮再構築体を形成する場合では、上皮細胞の分化の進行が早く、早期に角化してしまうため、本発明の課題を解決し得ない。また、上皮細胞の培養工程を酸素濃度1%未満のガス雰囲気下で行う場合では、細胞の延命は期待できるが、細胞の増殖が低下し良好な再構築体が形成されないため本発明の課題を解決し得ない。
また、本発明の再構築皮膚は、健常者や患者等の対象者から採取して上皮細胞を培養し、該培養細胞を再構築して対象者に適用する技術(オーダーメイド医療)にも利用可能である。対象者の細胞から本発明の方法にて得られた三次元的上皮再構築体は、その対象者自身の皮膚(免疫機構や代謝機構等)に近い状態のものとして利用することも可能となる。すなわち、対象者由来の本発明の再構築皮膚を、例えば、皮膚移植、薬量や副作用の見積り等に利用することが可能である。
具体的には、前記三次元的な上皮再構築体作成工程には、上述の如く、培養酸素濃度が3〜8%のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程及び該培養容器内で培養して分化誘導させる培養工程を少なくとも含む。この2工程及びその培養酸素濃度等は上述のとおりである。
この工程前に、上述の初期増殖をさせる培養工程を含んでもよい。この工程及びその培養酸素濃度は上述のとおりである。
この低酸素濃度〜通常の酸素濃度は、上述のとおりであるが、好ましくは上述の低酸素濃度である。
具体的には、本発明の再構築皮膚に、低酸素濃度〜通常の酸素濃度の環境下で薬剤や皮膚外用剤、化粧料等又はこれらに使用するための被験物質を投与して、培養を行う。この際、対照として、未投与の本発明の再構築皮膚を用いるのが、その細胞の角化する状態を互いに比較することにより判定が正確かつ容易に行うことができるので、好適である。なお、必要に応じて従来の再構築皮膚を用いてもよい。
このように本発明の再構築皮膚を用いれば、薬剤や皮膚外用剤、化粧料等又はこれらに使用するための被験物質を評価又はスクリーニングすることが可能となる。
また、本発明の再構築皮膚は、少量採取した上皮細胞から生体皮膚に近い状態の再構築皮膚が得られることから、被験者数を多くでき、得られた結果データの信頼性が高まり、かつ比較的短期間で結果を得ることができるので、従来の評価又はスクリーニング法よりも有利である。
前記安全性試験・評価としては、例えば、細胞増殖阻害や細胞死等を指標とした細胞毒性試験が挙げられる。
前記薬理性試験や評価としては、例えば、しわ予防改善、皮膚老化予防改善、皮膚炎症予防改善、日焼け防止、美白、皮膚収れん、化粧膜形成能、肌荒れ状態、肌水分量増減等の試験・評価が挙げられる。
また、安全性や薬理性に関連する作用メカニズム(作用機序)についても試験・評価することも可能である。この作用機序としては、例えば、抗酸化作用、メラニン産生抑制作用、チロシナーゼ作用等が挙げられる。
このとき、安全性や薬理性を判定する際の指標としては、評価や試験項目に応じて公知の方法を適宜選択すればよく、例えば染色法による顕微鏡観察、画像解析法、水分量分析、遺伝子発現量分析(インボルクリン、GAPDH等)等が挙げられる。この遺伝子発現量分析としては、例えば、PCR法や等温増幅法、抗原抗体反応等を利用したものが挙げられる。
なお、これらを適宜組み合わせても良い。
例えば、紫外線による皮膚ダメージの程度からの回復を見るために、紫外線を照射した後、本発明の再構築皮膚を低酸素濃度又は通常の酸素濃度にて1〜4週間程度培養を行なうことができる。また、各種薬剤の効果を比較するために比験物質を投与した本発明の再構築皮膚を低酸素濃度又は通常の酸素濃度にて1〜4週間程度培養を行なう事も可能である。
対照の再構築皮膚の状態と比較して、再構築皮膚の状態(未分化性維持等)を判定する。
未分化性維持の判定に関して、詳細に説明すると、一例として、低酸素環境下での細胞の未分化性維持については、分化誘導した培養細胞のインボルクリン発現状態を免疫染色像として蛍光観察により判定する。このとき対照として通常酸素環境下において培養した細胞を用いる。この染色は、抗インボルクリン抗体及びこれに対応する蛍光標識抗体を用いて、一次抗体反応次いで二次抗体反応によって行う。
また、上述の方法で培養した細胞を採取し、インボルクリン及びGAPDHの発現状態をPCR法、次いでアガロースゲル染色法等にて発現量を染色強度から判定する。
第一の培養工程:通常の大気下で、ヒト新生児包皮由来細胞(凍結されている市販品)を温浴中で細胞を融解した後、細胞増殖用培地にて1×104cells/cm2の細胞懸濁液を調製し、100mmシャーレに10mL添加する。その後酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%、窒素濃度90%のガス雰囲気下(以下、「低酸素濃度環境下」ともいう)、37℃、湿潤下にて、細胞が培養シャーレに対してサブコンフルエントもしくはコンフルエントになるまで7日間増殖させる。なお、培地は2日もしくは3日に一回交換した。
前記実施例の第一工程から第三工程の全てを空気中(酸素濃度20%)で行って上皮再構築体を得た。
実施例1及び比較例2で得られた上皮再構築体の5週間後と、8週間後の断面像を図1に示した。この図1より、培養酸素濃度5%の雰囲気下で得られた実施例の上皮再構築体は、培養酸素濃度20%の雰囲気下で得られた比較例の上皮再構築体より、角化が抑制されており、8週間たっても角層の下に生細胞が存在していることが確認できる。
また、上述の方法で培養した細胞を採取し、インボルクリン及びGAPDHの発現状態をPCR法、次いでアガロースゲル染色法等にて発現量を染色強度から判定した。
細胞を分化培地に浸漬させた状態にて0日、1日、3日、7日の時点で以下の染色を行った。各時点においてカバーグラス上に接着した細胞をウェル中でPBSにて洗浄し、固定処理をした後、細胞の透過処理をした。透過処理後、再度PBSにて洗浄した後、カバーグラス上に抗インボルクリン抗体を添加し、室温下で2時間、湿潤箱中にて反応を行った。洗浄後、蛍光色素標識二次抗体およびDAPIをPBSにて反応を行った。反応終了後PBSにて洗浄し、スライドグラスに封入し観察した。
細胞を分化培地に浸漬させた状態にて0日、1日、3日、7日の時点で採取した細胞からRNAを抽出した後、cDNAを調製した。次いで、cDNAを調製した後、Involucrin primerもしくはGAPDH primerを用い、それぞれのPCR生成物を調製した。そして、調製されたPCR生成物を用い、2%アガロースゲルにて泳動を行った。泳動後、ゲルはLonza社製 SYBR(登録商標) Green I Nucleic Acid Gel Stainにて染色を行い、FUJIFILM社製 LAS4000にて撮影を行った後、解析を行った。
インボルクリンは上皮細胞が増殖能を失い、分化した際に特徴的に発現するタンパク質であり、代表的な上皮細胞の分化マーカーであり、図2の(1)より、酸素濃度5%の雰囲気下で得られた実施例の上皮細胞は、7日目まで発現が弱いのに対して、酸素濃度20%の雰囲気下で得られた比較例の上皮細胞では分化1日目から強い発現が確認できた。
GAPDHは糖からエネルギーを作る解糖系に関わる主要なタンパク質であり、図2の(2)より、培養酸素濃度20%の雰囲気下で得られた実施例の上皮細胞は、酸素濃度5%の雰囲気下で得られた比較例の上皮細胞に比べ、上皮細胞は経時的に分化(増殖する能力を失う、細胞が死んでゆく方向)していくことが各種解析からわかっており、分化したことによりエネルギーを産生する機構に関わる当タンパク質の発現が減衰していることが示唆されている。
上記実施例1の第一の培養工程のガス雰囲気下を、約20%程度の通常酸素濃度(窒素濃度約75%、二酸化炭素濃度5%)のガス雰囲気下に代えて、培養を行い、上皮再構築体を得た。上記実施例1と同様の上皮再構築体を得ることができた。すなわち、第二の培養工程及び第三の培養酸素濃度を低濃度(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%、窒素濃度90%のガス雰囲気下、培養温度37℃)にすることにより、長期間未分化細胞を維持できる三次元的上皮再構築体を得ることができることが確認できた。
[製造例1]
実施例1の三次元的上皮再構築体の作成方法に準じて、試験例1に使用するための三次元的再構築体を得た。具体的には、第三の培養工程において、上皮細胞を分化培地中にて16時間浸漬培養した後、細胞表面を気相(酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%、窒素濃度90%のガス雰囲気下、温度37℃)に暴露し、引き続き、酸素濃度5%、二酸化炭素濃度5%、窒素濃度90%のガス雰囲気下、培養温度37℃にて5日間培養した。
[抗酸化剤の評価]
三次元的再構築体が存在する培養インサート外側の培地を以下に示す各種抗酸化剤を添加した培地に変え、通常酸素環境下(酸素濃度20%、二酸化炭素濃度5%、窒素濃度75%のガス雰囲気下)、温度37℃で、培養を行った。対照として、各種抗酸化剤を添加しない以外は、製造例1で得られた三次元的再構築体を同様に培養を行った。
そして、抗酸化剤添加時期を基準として、1,2,4週間後に、HE染色にて形態を評価した。
〔抗酸化剤〕
SOD: Superoxide Dismutase Solution(和光純薬工業社製) 45kunitを最終濃度1000unit/mLになるように添加した。
NAC:N-acetyl-L-cystein(Sigma社製)を最終濃度2mMになるように添加した。
VC-PMg:Magnesium Ascorbyl Phosphate(和光純薬工業社製)を最終濃度250μMになるように添加した。
〔HE染色法〕
再構築体の薄切切片をヘマトキシリン液にて5分間染色、水洗した後、エオシン液にて5分間染色を行った。染色後、水洗、脱水工程を行った後、カバーグラスにて封入し、観察標本とした。
このように既知の抗酸化剤において再構築皮膚の維持に有用であることが認められたことから、本発明の再構築皮膚を用いれば、新規の抗酸化剤のスクリーニングや皮膚モデル(場合によっては対象者由来の皮膚)の安全性や薬理性評価を行うことが可能である。
[製造例2]
上記製造例1での気相暴露後の培養期間「5日間」を「3週間」に代えた以外は、上記製造例1と同様にして三次元的再構築体を得た。
[紫外線刺激環境下での評価]
製造例2の三次元的再構築体に200mJ/cm2のUVBを照射し、引き続き低酸素環境下で分化培地にて培養を行った。
そして、紫外線照射時期を基準として、1、2、3、5週間後に、HE染色にて形態を評価した。HE染色は上述のとおりである。
Claims (15)
- 上皮細胞を初期増殖する第一の培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する第二の培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる第三の培養工程を含む三次元的な上皮再構築体を作成する方法であって、少なくとも該第二の培養工程及び該第三の培養工程を培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で行うことを特徴とする上皮再構築体の作成方法。
- 上皮細胞を初期増殖する第一の培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する第二の培養工程と、該培養容器内で分化誘導させる第三の培養工程を含む三次元的な上皮再構築体を作成する方法であって、前記全ての工程を培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で行うことを特徴とする上皮再構築体の作成方法。
- 上皮細胞がヒト上皮細胞であることを特徴とする請求項1又は2記載の上皮再構築体の作成方法。
- 培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする薬剤の評価又はスクリーニング方法。
- 培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする皮膚外用剤の評価又はスクリーニング方法。
- 培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする化粧料の評価又はスクリーニング方法。
- 培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で、増殖された上皮細胞を培養容器に播種して該培養容器内で培養し、更に該培養容器内で分化誘導させることにより作成された三次元的上皮再構築体を用いることを特徴とする薬剤、皮膚外用剤又は化粧料に使用するための被験物質の評価又はスクリーニング方法。
- 予め、培養酸素濃度が3体積%以上23体積%以下のガス雰囲気下で上皮細胞を初期増殖することを特徴とする請求項4〜7の何れか1項記載の評価又はスクリーニング方法。
- 皮膚のターンオーバーを指標とすることを特徴とする請求項4〜8の何れか1項記載の評価又はスクリーニング方法。
- 培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で増殖された上皮細胞の培養及び分化誘導を少なくとも行って、三次元的な上皮再構築体を作成する工程、
該三次元的上皮再構築体に被験物質を投与して培養する工程、
投与後培養された三次元的再構築体を判定する工程を行うことを特徴とする、薬剤、皮膚外用剤又は化粧料の評価又はスクリーニング方法。 - 前記三次元的な上皮再構築体を作成する工程が、上皮細胞を初期増殖する培養工程、増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程及び該培養容器内で培養して分化誘導させる培養工程を含むことを特徴とする請求項10記載の評価又はスクリーニング方法。
- 前記被験物質を投与する前に、培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で、三次元的上皮再構築体を培養する培養工程を含むことを特徴とする請求項10又は11記載の評価又はスクリーニング方法。
- 前記評価又はスクリーニングが、安全性及び/又は薬理性のためのものである請求項10〜12の何れか1項記載の評価又はスクリーニング方法。
- 前記薬理性が、しわ予防改善作用、皮膚老化予防改善作用、皮膚炎症予防改善作用、日焼け防止作用、美白作用又は皮膚収れん作用についてのいずれか一つ以上のものである請求項13記載の評価又はスクリーニング方法。
- 次の(a)及び(b)工程を含み、該(a)及び(b)工程を培養酸素濃度が3体積%以上8体積%以下のガス雰囲気下で行う、三次元的な上皮再構築体を作成する方法により得られた三次元的上皮再構築体。
(a)増殖された上皮細胞を培養容器に播種し、該培養容器内で培養する培養工程
(b)該培養容器内で分化誘導させる培養工程
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010252818A JP5892576B2 (ja) | 2009-11-13 | 2010-11-11 | 上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009260337 | 2009-11-13 | ||
JP2009260337 | 2009-11-13 | ||
JP2010252818A JP5892576B2 (ja) | 2009-11-13 | 2010-11-11 | 上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011120577A true JP2011120577A (ja) | 2011-06-23 |
JP5892576B2 JP5892576B2 (ja) | 2016-03-23 |
Family
ID=44285171
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010252818A Active JP5892576B2 (ja) | 2009-11-13 | 2010-11-11 | 上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5892576B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017111065A (ja) * | 2015-12-18 | 2017-06-22 | 株式会社コーセー | 角質細胞の観察方法 |
WO2017222065A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 株式会社資生堂 | 三次元培養皮膚シート、その製造に使用するための細胞培養容器及びその製造方法 |
WO2019225728A1 (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | ポーラ化成工業株式会社 | 加齢又は低酸素による皮膚の状態を改善する成分のスクリーニング方法並びに皮下組織の粘弾性を指標とする皮下組織の酸素レベル又は皮下脂肪細胞の線維化レベルの推定方法 |
JP2019201602A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | ポーラ化成工業株式会社 | 低酸素条件下におけるocculudin遺伝子、claudin遺伝子及びzo−1遺伝子の発現量を指標とするスクリーニング方法、並びにclaudin遺伝子の発現低下抑制剤、細胞接着装置の機能低下抑制剤、及び皮膚バリア機能の低下の改善又は予防剤 |
JP2020051869A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | ポーラ化成工業株式会社 | コラーゲン線維の結束度を指標とする、低酸素条件及び/又は加齢による、コラーゲン構造の悪化を抑制する成分のスクリーニング方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005168398A (ja) * | 2003-12-11 | 2005-06-30 | Masahito Taya | 上皮細胞の培養方法及び上皮細胞の三次元構造体の作製方法 |
JP2008026092A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-07 | Pola Chem Ind Inc | 皮膚バリア機能の改善のための素材の有用性の鑑別方法。 |
-
2010
- 2010-11-11 JP JP2010252818A patent/JP5892576B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005168398A (ja) * | 2003-12-11 | 2005-06-30 | Masahito Taya | 上皮細胞の培養方法及び上皮細胞の三次元構造体の作製方法 |
JP2008026092A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-07 | Pola Chem Ind Inc | 皮膚バリア機能の改善のための素材の有用性の鑑別方法。 |
Non-Patent Citations (7)
Title |
---|
CSNC200902288027; 'ニコダームリサーチ,SkinEthic社の三次元培養表皮モデルの国内販売を開始' フレグランスジャーナル 37巻 2号 FRAGRANCE JOURNAL The Magazine of Research & Development fo 第37巻, 茂利 文夫 フレグランスジャーナル社 * |
JPN6009043499; Enzyme Microbiol.Technol., vol.30, pp.817-821 (2002) * |
JPN6015000934; M.A.Ngo, et al: Journal of Investigative Dermatology Vol.127, 2007, p.354-361 * |
JPN6015000937; 'ニコダームリサーチ,SkinEthic社の三次元培養表皮モデルの国内販売を開始' フレグランスジャーナル 37巻 2号 FRAGRANCE JOURNAL The Magazine of Research & Development fo 第37巻, 茂利 文夫 フレグランスジャーナル社 * |
JPN6015032315; H.URA, et al: Journal of Dermatological Science Vol.35, 2004, p.19-28 * |
JPN6015032319; M.KUBO, et al: Journal of Investigative Dermatology Vol.82, No.6, 1984, p.580-586 * |
JPN6015032322; M.FAURE, et al: Journal of Investigative Dermatology Vol.76, No.5, 1981, p.347-351 * |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017111065A (ja) * | 2015-12-18 | 2017-06-22 | 株式会社コーセー | 角質細胞の観察方法 |
WO2017222065A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 株式会社資生堂 | 三次元培養皮膚シート、その製造に使用するための細胞培養容器及びその製造方法 |
JPWO2017222065A1 (ja) * | 2016-06-24 | 2019-04-11 | 株式会社 資生堂 | 三次元培養皮膚シート、その製造に使用するための細胞培養容器及びその製造方法 |
JP6993329B2 (ja) | 2016-06-24 | 2022-02-04 | 株式会社 資生堂 | 三次元培養皮膚シート、その製造に使用するための細胞培養容器及びその製造方法 |
WO2019225728A1 (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | ポーラ化成工業株式会社 | 加齢又は低酸素による皮膚の状態を改善する成分のスクリーニング方法並びに皮下組織の粘弾性を指標とする皮下組織の酸素レベル又は皮下脂肪細胞の線維化レベルの推定方法 |
JP2019201602A (ja) * | 2018-05-25 | 2019-11-28 | ポーラ化成工業株式会社 | 低酸素条件下におけるocculudin遺伝子、claudin遺伝子及びzo−1遺伝子の発現量を指標とするスクリーニング方法、並びにclaudin遺伝子の発現低下抑制剤、細胞接着装置の機能低下抑制剤、及び皮膚バリア機能の低下の改善又は予防剤 |
JP7237465B2 (ja) | 2018-05-25 | 2023-03-13 | ポーラ化成工業株式会社 | 低酸素条件下におけるoccludin遺伝子、claudin遺伝子及びzo-1遺伝子の発現量を指標とするスクリーニング方法、並びにclaudin遺伝子の発現低下抑制剤、細胞接着装置の機能低下抑制剤、及び皮膚バリア機能の低下の改善又は予防剤 |
JP2020051869A (ja) * | 2018-09-26 | 2020-04-02 | ポーラ化成工業株式会社 | コラーゲン線維の結束度を指標とする、低酸素条件及び/又は加齢による、コラーゲン構造の悪化を抑制する成分のスクリーニング方法 |
JP7280676B2 (ja) | 2018-09-26 | 2023-05-24 | ポーラ化成工業株式会社 | コラーゲン線維の結束度を指標とする、低酸素条件及び/又は加齢による、コラーゲン構造の悪化を抑制する成分のスクリーニング方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5892576B2 (ja) | 2016-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Randall et al. | Advances in the biofabrication of 3D skin in vitro: healthy and pathological models | |
ES2252259T3 (es) | Modelo de piel tridiminsional. | |
Brohem et al. | Artificial skin in perspective: concepts and applications | |
KR102426746B1 (ko) | 모낭 줄기 세포의 3d 오가노이드 시스템을 이용하여 모발을 재생시키기 위한 방법 및 시스템 | |
ES2755096T3 (es) | Sistema que permite el mantenimiento de la supervivencia y el transporte de biopsias de piel y sus aplicaciones | |
US10323230B2 (en) | Method for preparing a three-dimensionally cultured skin comprising dermis and epidermis, and the cultured skin made therefrom | |
CN103261394A (zh) | 细胞培养室及其制造方法、以及利用该细胞培养室的组织模型及其制作方法 | |
JP5892576B2 (ja) | 上皮再構築体の作成方法及び該上皮再構築体を用いたスクリーニング方法 | |
Paquet et al. | Tissue engineering of skin and cornea: Development of new models for in vitro studies | |
JP2022505035A (ja) | 皮膚培養装置および方法 | |
US7816133B2 (en) | Preparation of fibroblast-populated connective tissue substitute | |
CN107683148B (zh) | 皮肤重建方法 | |
Chen et al. | Mechanical engineering of hair follicle regeneration by in situ bioprinting | |
WO2007090575A1 (de) | Hautmodell mit dendritischen zellen | |
JP2014204711A (ja) | 三次元培養皮膚モデルの製造方法およびその利用 | |
KR101849104B1 (ko) | 인공피부를 이용한 피부 재생 효능 평가법 | |
Kalyanaraman et al. | Wound healing on athymic mice with engineered skin substitutes fabricated with keratinocytes harvested from an automated bioreactor | |
CN104459145A (zh) | 一种化妆品检测 | |
JP2017113030A (ja) | 再構成頭皮モデルおよび活性分子のスクリーニング方法 | |
JP6033023B2 (ja) | 色素含有人工皮膚 | |
CN109182264A (zh) | 制备人脂肪干细胞培养液的方法及其在美容用品中的应用 | |
JP2018510643A (ja) | 皮膚同等物及び使用 | |
Lombardi et al. | 3D Models Currently Proposed to Investigate Human Skin Aging and Explore Preventive and Reparative Approaches: A Descriptive Review | |
Footner et al. | Layer-by-Layer Analysis of In Vitro Skin Models | |
CN104388385A (zh) | 一种人外周血间充质干细胞的培养方法以及应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131022 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150120 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150224 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20150818 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151112 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20151120 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160126 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160218 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5892576 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |