JP2011115627A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】球収集部材を小型化しつつ収集される球の球詰まりを抑制することができ、且つ、製造コストを低減することができる遊技機を提供すること。
【解決手段】機構盤33には、遊技盤に配設される各種入賞装置の各入賞口およびアウト口の双方と通じた球収集部72が設けられ、更に、各払出装置が払い出した遊技球を上皿または下皿へ移送する上皿導出通路76及び下皿導出通路77と球タンク35に貯留される遊技球を排出するための球抜き通路78とが一体に形成されている。よって、機構板33の構造が簡素化されることにより、機構板33を小型化することができ、また、成型金型を製造コストを低減することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
打球を遊技領域へ打ち込んで遊技を行うパチンコ機などの遊技機は、遊技領域が形成される遊技盤を備えており、その遊技領域には打球が入賞可能な複数の入賞口と、その複数の入賞口のいずれにも入賞しなかった球を遊技領域の外部へ排出するアウト口とが設けられている。このようなパチンコ機によれば、遊技領域へ打ち込まれた打球が複数の入賞口のいずれかへ入賞することにより遊技者に所定の遊技価値が付与される一方、複数の入賞口のいずれにも入賞しなかった打球がアウト口から遊技領域の外部へ排出される。
また、パチンコ機の遊技盤の裏面側には、遊技者に所定の有価価値、即ち、賞球を払い出す球払出装置を搭載した機構盤が配設されている。この機構盤は、球払出装置が搭載される合成樹脂製の枠フレームを備えており、この枠フレームには、球払出装置の他に、遊技領域に複数設けられた入賞口へ入賞した球(入賞球)をパチンコ機の外部へ排出する入賞球収集通路と、アウト口を通過した球(アウト球)をパチンコ機の外部へ排出するアウト球収集通路とがそれぞれ別個の経路として設けられている。
しかしながら、上記の機構盤における枠フレームでは、入賞球およびアウト球を収集する入賞球収集通路およびアウト球収集通路がそれぞれ別々に設けられるため、枠フレーム全体としての形状が複雑となってしまう。よって、枠フレームを合成樹脂で成型する場合、その成型用の金型の形状が複雑となるため、かかる金型の製造コストが増加して、パチンコ機全体としての製造コストが増加してしまうという問題点があった。
また、入賞球収集通路およびアウト球収集通路が別個に設けられた枠フレームの形状は複雑なため、入賞球収集通路またはアウト球収集通路のいずれかに球詰まりが生じてしまうと、その詰まった球を除去し難く、かかる除去作業のためにパチンコ機を長時間停止しなければならないという問題点があった。
更に、入賞球収集通路およびアウト球収集通路は前後に重層した状態で枠フレームに設けられるため、この枠フレームの前後方向厚さが大型化してしまう。その為、制御回路基板を収容する基板ボックス等を取り付けると、この基板ボックス等が後方へ大きく突出してしまい、パチンコ機が前後方向へ厚くなってしまうという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、球収集部材を小型化しつつ収集される球の球詰まりを抑制することができ、且つ、製造コストを低減することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、球が打ち込まれる遊技領域と、その遊技領域に設けられる入賞口と、その入賞口と連通されると共にその入賞口へ入賞した球が通過する入賞経路と、前記遊技領域に設けられるアウト口と、そのアウト口および入賞口を通過した球を所定箇所に収集する球収集部材とを備え、前記球収集部材は、少なくとも1の前記入賞経路およびアウト口の双方と通じて設けられると共に、その入賞経路およびアウト口を通過した球を一括して移送する収集経路を備えており、その収集経路は、前記入賞経路よりも大きな経路径を有しつつその収集経路の反遊技領域側は平坦面に形成されている。
この請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域へ打ち込まれた球は、入賞口へ入賞すると、入賞経路を通過して、球収集部材へ送られる。一方、遊技領域へ打ち込まれた球のうち、入賞口へ入賞しなかった球は、アウト口を通過して、球収集部材によって、少なくとも1の入賞経路を通過した球とまとめられ、収集経路により一括して所定箇所へ移送される。
本発明の遊技機によれば、球収集部材には、少なくとも1の入賞口およびアウト口の双方と通じた収集経路が設けられるので、その入賞口へ入賞した球およびアウト口を通過した球を一括して移送することができる。よって、従来の遊技機のように、入賞口へ入賞した球とアウト口を通過した球とを収集する経路を別個に設ける必要がなく、球収集部材の形状が簡素化されるので、球収集部材の製造コストを低減して、その分、遊技機全体としての製造コストを低減することができるという効果がある。
また、球収集部材には入賞口へ入賞した球を収集する経路とアウト口を通過した球を収集する経路とを重層した状態で設ける必要がないので、球収集部材の前後厚さを薄く形成することができるという効果がある。更に、球収集部材は、その反遊技領域側が平坦面に形成されているので、基板ボックス等の配置が容易になるという効果がある。よって、球収集部材へ基板ボックス等を容易に取り付けることができるとともに、その基板ボックス等が後方へ大きく突出してしまい、パチンコ機が厚くなってしまうことを防止することができるのである。
そして、球を移送する収集経路は、入賞経路よりも大きな経路径とされているので、入賞経路を通過する球数に比べて多量の球を一括して移送することができる。よって、収集経路は、入賞経路を通過した球にアウト口を通過した球を加えた多量の球を球詰まりを抑制しつつ円滑に移送することができるという効果がある。
図1は、本発明の遊技機の一実施例であるパチンコ機およびカード読取ユニットの正面図である。 図2は、パチンコ機の裏面図である 図3は、集合カバーの前面側を示した斜視図である。 図4は、集合カバーが取着された状態を示した遊技盤および前面枠の裏面図である。 図5は、機構板の前面側を示した斜視図である。 図6は、機構盤の裏面図である。 図7(a)は、図6のVIIa−VIIa線における側断面図であり、図7(b)は、図6のVIIb−VIIb線における側断面図である。 図8は、集合カバー及び機構板の裏面図である。 図9は、図8のIX−IX線における側断面図である。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の遊技機の一実施例であるパチンコ機1及びカード読取ユニット24の正面図である。このパチンコ機1は、いわゆる第1種パチンコ機であり、その前面(図1手前側)には前面枠2が配設されている。前面枠2は略矩形状に形成され、その前面には、2枚のガラス板3a,3bが配設されている。また、前面枠2の略中央部には、略円形状の開口2aが穿設されており、前面枠2の裏面側(図1奥側)に配設される遊技盤4がかかる開口2aから露出されている。
開口2aから露出された遊技盤4の前面(図1手前側)には略円弧状の外レール5が植立され、その外レール5の内側位置には円弧状の内レール6が植立されている。この内レール6および外レール5により囲まれた遊技盤4の前面には、遊技球(打球)が打ち込まれる遊技領域7が形成されており、遊技領域7の周囲には、遊技球が入賞することにより所定数(例えば、15個)の遊技球が賞球として払い出される複数の普通入賞口8aを備える普通入賞装置8が配設されている。この普通入賞装置8は、遊技盤4に穿設された配設穴4a(図9参照)に挿設されており、普通入賞装置8に入賞した遊技球は、その普通入賞装置8内を通過して遊技盤4の裏面側へ移送される。また、複数の普通入賞装置8が配設された遊技領域7の略中央部には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD」と称す)9を備えた可変表示装置10が配設されている。
この可変表示装置10のLCD9の手前側周囲には、可変表示装置10の装飾部材を兼ねたセンターフレーム10aが周設されており、このセンターフレーム10aによりLCD9の周囲が装飾されている。センターフレーム10aの上部中央には表示装置の一種である普通図柄表示装置10bが配設されている。また、遊技領域7の周囲には普通図柄作動ゲート11が配設されている。この普通図柄作動ゲート11を遊技球が通過することにより、普通図柄作動スイッチ(図示せず)がオンして、普通図柄表示装置10bの変動表示が開始される。普通図柄作動の変動後の表示結果が、特定の表示状態となった場合には、後述する図柄作動口(第1種始動口)12へ遊技球が入賞しやすいように、その開口部に設けられる開閉部材12aが所定時間(例えば、0.9秒)だけ開放される。
可変表示装置10の下方には、図柄作動口(第1種始動口)12が配設されている。この図柄作動口12を遊技球が通過することにより、第1種始動口スイッチ(図示せず)がオンして、可変表示装置10の変動表示が開始されると共に、所定個数(例えば、5個)の遊技球が賞球として払い出される。この図柄作動口12は、遊技盤4に穿設された配設穴と連通しており、図柄作動口12に入賞した遊技球は、その配設穴を通過して遊技盤4の裏面側へ移送される。また、図柄作動口12の下方には可変入賞装置13が配設されている。この可変入賞装置13は、遊技盤5に取着可能に形成された本体フレーム13aを備えており、その略中央部には2以上の遊技球が同時に通過可能な幅広矩形状の大入賞口の開口13bが穿設されている。
この大入賞口の開口13bは、大入賞口の一部を構成しており、可変表示装置10の変動後の表示結果が、予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表示)の1つと一致する場合に、遊技球が入賞しやすいように開放されるものであり、通常、所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、又は、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口の開口13b内へ入賞するまで開放されるのを1ラウンドとし、所定のラウンド数(例えば、16ラウンド)まで繰り返されるものである。この大入賞口の開口13bの開閉動作が行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
ここで、大入賞口の内部は、カウントスイッチ13dを有する通路と特定領域スイッチ13eを有する通路とに分かれており、大入賞口へ入賞した遊技球は、いずれかの通路を通過する。大入賞口内へ入賞した遊技球の個数は、カウントスイッチ13d及び特定領域スイッチ13eにより検出され、所定時間(例えば、30秒間)以内に所定個数(例えば、10個)が大入賞口内に入賞し、更に、その入賞した遊技球の内で少なくとも1個の遊技球が特定領域スイッチ13eに検出された場合には、再度、大入賞口の開口13bが開放されるのである。カウントスイッチ13dを有する通路と特定領域スイッチ13eを有する通路とは、後述する集合カバー32の可変入賞球排出部63と連通しており、開口13bに入賞した遊技球は、その可変入賞球排出部63を通過して遊技盤4の裏面側へ移送される(図4参照)。
大入賞口の開口13bには、開閉シャッタ13cが配設されている。この開閉シャッタ13cは、大入賞口の開口13bの形状に合わせて形成されており、大入賞口の開口13bを開閉するものである。大入賞口は、これら本体フレーム13a、開口13b、開閉シャッタ13cで構成されている。
可変入賞装置13の下方であって、上述した遊技領域7の最下方には、アウトロ14が形成されている。このアウト口14は、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域7外へ排出するためのものであり、遊技盤4の裏面側と連通して穿設されている。いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球は、このアウト口14を通過することにより遊技盤4の裏面側に移送され、後述する機構板33の球収集部72(図5参照)によって、上記した各入賞口に入賞した遊技球とともに、所定箇所へ移送される。
また、遊技領域7の左方側部には、球抜き穴30が前面枠2に穿設されている。この球抜き穴30は、後述するケースレールユニット37の球抜きレバー37fと連通されている。よって、この球抜き穴30から細棒状の器具を挿通することにより球抜きレバー37fを操作することができ、かかる球抜きレバー37fの操作により後述する球タンク35及び球タンクレール36に貯留される遊技球をパチンコ機1の外部に排出することができるのである。
パチンコ機1の下方には、前面枠2に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)15が配設されている。この前面扉板15の前面には遊技球を貯留し、かつ、遊技球発射装置(図示せず)へ遊技球を供給する上皿16が配設され、その上皿16の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿16に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿17が配設されている。これら上皿16と下皿17との間であって、前面扉板15の左方部には、遊技に伴う効果音などを発生するためのスピーカ18が配設され、また、下皿17の右側部分には、遊技球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者により操作される操作ハンドル19が配設されている。この操作ハンドル19の内部には、遊技球発射装置の発射モータ(図示せず)を回転させるためのスイッチであるハンドルスイッチ(図示せず)が内蔵されている。
上述した上皿16の中央には、後述するカード読取ユニット24により読み取られたカードの残高金額を表示するために、7セグメントLEDにより構成された3桁の残高表示器20が配設されている。この残高表示器20の右側には、後述するカード読取ユニット24のカード挿入口25に挿入されたカードを取り出す場合に押下される返却ボタン21が配設される一方、残高表示器20の左側には、貸球の払い出し(貸出)を開始する際に押下される貸出ボタン22が配設されている。また、貸出ボタン22の左側上方には貸出ボタン22が押下可能か否かを報知する貸出ボタンランプ23が配設されている。この貸出ボタンランプ23は、貸出ボタン22が押下可能な状態である場合に点灯される一方、貸出ボタン22が押下不可能な状態である場合に消灯される。よって、遊技者は、この貸出ボタンランプ23を視認することにより、貸出ボタン22が押下可能であるか否かを判断することができる。
上記のように構成されたパチンコ機1の左側には、正面視長方形状のカード読取ユニット24が併設されている。カード読取ユニット24はカードに記録された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における略中央部分には、金銭と同等の有価価値を有するカード挿入口25が縦長に配設されている。このカード挿入口25の上方であって、カード読取ユニット24の上部にはLEDで構成されたカード利用可能ランプ26が配設されている。このカード利用可能ランプ26は、例えば、カード挿入口25へカードが挿入可能である場合に点灯される一方、カード挿入口25へカードが挿入不可能である場合に消灯される。よって、遊技者は、このカード利用可能ランプ26を視認することにより、カード読取ユニット24が使用可能であるか否かを判断することができる。
カード挿入口25とカード利用可能ランプ26との間部分であって、カード読取ユニット24の上側位置には、カードに記録された残高金額のデータに基づいて貸出金額を設定するための金額設定ボタン27が配設されており、この金額設定ボタン27を押下することにより貸出金額を100円、200円、300円または500円に設定することができる。金額設定ボタン27の下側には、端数表示ボタン28が配設されている。この端数表示ボタン28は、カードに記録された残高金額が貸出金額の最低額に満たない場合に、その端数を残高表示器20に表示する際に押下される。例えば、貸出金額の最低額が300円に設定されており、200円の残高金額がある場合、端数表示ボタン28が押下されると、残高表示器20には200円の残高が表示されるのである。
また、端数表示ボタン28の下側には、LEDで構成されたカード挿入中ランプ29が配設されており、このカード挿入中ランプ29はカードがカード挿入口25に挿入されている場合に点灯される一方、カードがカード挿入口25に挿入されていない場合に消灯される。
図2は、パチンコ機1の裏面図である。外枠31はパチンコ機1の骨格をなすものであり、木材等を用いて略矩形額縁状に形成されている。前記した前面枠2は、この外枠31の前面側(図2の紙面奥側)に取着されている。前面枠2の裏面側(図2の紙面手前側)には、遊技盤4が取着され(図4参照)、更にその遊技盤4の裏面側には集合カバー32が取着されている(図4参照)。そして、これら遊技盤4、集合カバー32を覆設するように、機構板33が前面枠2及び遊技盤4の裏面側に取着されている。
機構板33は、賞球の払い出しを行う賞球払出装置38や制御回路基板を収容する各種の基板ボックス等が搭載された部品であり、各ヒンジピン33a,33a(図6参照)が前面枠2の各ピン係合部2a,2a(図4参照)に軸支され、かかる軸支により前面枠2の裏面側に開閉可能に支持されている。機構板33の上方及び下方側端部には、正面視横長状の取付口33c,33cが機構板33の厚さ方向へ貫通形成されている。この取付口33c,33cは、機構板33を固定する際に使用されるものであり、機構板33の前面側が遊技盤4及び前面枠2の裏面側へ当接された場合に、かかる取付口33c,33c内へ前面枠2の裏面側に回転可能に取着された取付部材50,50が挿通される。その取付部材50,50を一の方向へ回転させることにより、機構板33は遊技盤4及び前面枠2の裏面側へ取付部材50,50によって押止されるのである。また、機構板33におけるヒンジピン33a,33aと反対側(図2左側)には、ナイラッチ(登録商標)により構成される係着具51,51が取着されており、この係着具51,51を前面枠2に設けられたロック部材(図示せず)へ係着することにより、機構板33と前面枠2とが係着されるのである。よって、これら取付部材50,50及び係着具51,51により、機構板33は、その前面側が遊技盤4及び前面枠7の裏面側と密着した状態で固定されるのである。
機構板33の裏面上方部(図2上側)には、台管理装置(図示せず)から供給される球が一旦貯留される球タンク35が配設されている。この球タンク35の下方には球タンクレール36が連設され、更に、球タンクレール36の側方(図2右側)にはケースレール37が連設されている。これら球タンクレール36及びケースレール37は、球タンク35に供給された遊技球を賞球払出装置38及び貸球払出装置39へ誘導するための部材であり、ケースレール37の下流側端部に賞球払出装置38及び貸球払出装置39の上部が連設されている。また、球タンク35の側方(図2右側)には、電源中継基板44が配設されており、台管理装置から供給を受けた交流電圧がこの電源中継基板44を中継し電源回路基板へと供給される。
機構板33の裏面中央部には略矩形状の開口33bが貫通形成されており、この開口33bには役物カバー46が被せられている。役物カバー46は、機構盤33の開口窓33bから露出される遊技盤4(図4参照)の裏面を覆う部材であり、遊技盤4に配設される可変表示装置10や各種入賞装置、各種の基板ボックス等が覆われている。
機構板33の裏面下方部には、発射制御基板ボックス40及び電源回路基板ボックス41が並置して取着されている。発射制御基板ボックス40は、遊技領域7へ打ち込まれる遊技球の発射制御を行う発射制御基板を収容するものであり、電源回路基板ボックス41は、電源中継基板44を中継して供給された電源を各装置に配電する電源回路基板を収容するものである。これら発射制御基板ボックス40及び電源回路基板ボックス41の裏面側(図2の紙面手前側)には、主制御基板ボックス取付ベース42aを介して、主制御基板ボックス42が発射制御基板ボックス40及び電源回路基板ボックス41と重層状に取着されている。
また、この主制御基板ボックス42の側方(図2右側)であって電源回路基板ボックス41の裏面側(図2の紙面手前側)には、払出制御基板ボックス取付ベース43aを介して、払出制御基板ボックス43が電源回路基板ボックス41と重層状に取着されている。主制御基板ボックス42は、パチンコ機1における遊技全体の制御を行う主制御基板を収容するものであり、払出制御基板ボックス43は、上述した賞球払出装置38等の制御を行う払出制御基板を収容するものである。また、払出制御基板ボックス43の裏面側側方(図2左側)には、ケースレール37内に貯留している遊技球を上皿16(又は、下皿17)へ排出する際に押下される球抜きスイッチ45が配設されている。
図3は、集合カバー32の前面側を示した斜視図である。集合カバー32は、遊技盤4に配設される上記した普通入賞装置8、図柄作動口12及び可変入賞装置13の各種入賞装置の入賞口へ入賞した球をパチンコ機1の所定の箇所へ誘導するための部材であり、その前面側を遊技盤4の裏面側に当接した状態で遊技盤4へ取着される。集合カバー32は、合成樹脂材料等を材質として正面視略凹字状に一体成形されている。この集合カバー32は、主に、その集合カバー32の前面側に形成され遊技板4の裏面側へ当接される当接面60、その当接面60が遊技盤4へ当接されることにより遊技球が通過可能な通路となる各通路61a〜61e、その各通路61a〜61eを通過した遊技球を所定の箇所へ誘導するための球誘導樋62a,62b、可変入賞装置13に入賞した遊技球を下方へ排出する可変入賞球排出部63等から構成されている。
当接面60は、集合カバー32が遊技盤4へ取着された際にその遊技盤4の裏面側へ当接される部位であり、その全面が平坦な平面状に形成されている。この当接面60の複数箇所をねじ等を用いて遊技盤4の裏面側へ螺着することにより、集合カバー32は遊技盤4の裏面へ隙間なく密着して遊技盤4の裏面へ当接することが可能となる。よって、後述するように遊技球が通過可能な通路61a〜61eを遊技盤4の裏面との間へ確実に形成することができ、通路61a〜61e内から遊技球が流出してしまうことなく遊技球を移送することができるのである。
各通路61a〜61eは、その前面側を開放した状態で形成(凹設)されている。これら各通路61a〜61eは、遊技球を移送するための通路であり、当接面60が遊技盤4の裏面側へ当接されることにより遊技球を移送可能な閉じた通路となる。よって、集合カバー32は、閉じた通路を形成するために別途蓋部材等を製造し、その蓋部材等を各通路61a〜61eの全面側へ覆設する必要がない。従って、一つの金型により一度で成形することができるので、金型の製造コストを低減することができるのである。また、部品点数を低減することができので、その分だけ集合カバー32の前後厚さを薄く形成することができるとともに組み立てコストを低減することができるのである。
各通路61a〜61eは、遊技盤に設けられる各入賞装置と対応する数(本実施例では、5個)が当接面60に形成されており、各通路61a〜61eの上流側の端部(図3上側)は、それら各入賞口の排出口側と連通するように各入賞口へ対応した位置に配設されており、各通路においてはその全長にわたって他の通路と合流することがない(図4参照)。また、各通路61a〜61eの通路深さ、及び、通路幅は、遊技球の外径略1個分の大きさに形成されている。よって、各入賞口へ入賞した遊技球は、その入賞口に対応して配設された各通路61a〜61e内を1個づつ通過して、後述する球誘導樋62a,62bへ1個ずつ落下されるのである。
また、通路61a及び通路61dの前面側には、補強部材65が当接面60と同一平面内に設けられている。この補強部材65は、所定厚さを有しつつ各通路61a,61dの幅方向間に架設されている。このため、補強部材65の架設により、各通路61a,61dに沿った方向における曲げ剛性を向上させることができ、セーフ球集合板32の機械的強度を向上させることができるのである。
球誘導樋62a,62bは、各通路61a〜61eから落下した遊技球を後述する球落下部64へ誘導するための部材であり、通路61a,61b及び61c,61dのほぼ直下に各通路61a〜61eと同じ深さ(遊技球の外径略1個分の深さ)で凹設されている。球誘導樋62aは、集合カバー32の一の側端部側(図3の左側)から開口部64側へ向けて下降傾斜され、一方、球誘導樋62bは、集合カバー32の他の側端部側(図3の右側)から開口部64側へ向けて下降傾斜されている。よって、球誘導樋62a,62bは、通路61a,61b及び61c,61dを通過し落下した遊技球を受け止め、これら遊技球を一括して開口部64へ送出することができるのである。
可変入賞球排出部63は、可変入賞装置13(図1参照)に入賞した球を開口部64へ送出するための部位であり、集合カバー32の下方略中央部に開口形成されている。この可変入賞球排出部63は、遊技盤4の前面側に配設される可変入賞装置13に対応した位置に形成されており、可変入賞装置13に入賞した遊技球はこの可変入賞球排出部63を介して開口部64へ送出される。
集合カバー32の下端部(図3下側)には、球誘導樋62a,62b及び可変入賞球排出部63と連通する開口部64が開口形成されている。この開口部64は、球誘導樋62a,62bにより誘導された遊技球と、可変入賞球排出部63を通過した遊技球とを後述する機構板33の球収集部72(図5参照)へ落下させる開口であり、集合カバー32の横幅方向へ向けて幅広に開口して形成されている。
また、集合カバー32の側端部(図3の右側)裏面側には、集合カバー32の裏面側に取着される機構板33(図5参照)を位置決めする為の係合部66,66が上下2箇所に設けられている。この係合部66,66には、後述するように機構板33の係合部33f(図8参照)が係合される。
図4は、前面枠2及び遊技盤4の裏面図であり、その遊技盤4の裏面側に集合カバー32が取着された状態を示している。なお、図4では、遊技盤4の前面側にそれぞれ配設される可変表示装置10、普通入賞口8aを備えた普通入賞装置8、図柄作動口12を備えた入賞装置、及び、大入賞口を備えた可変入賞装置13をそれぞれ2点鎖線を用いて図示し、また、集合カバー32に形成される各通路61a〜61e、及び、球誘導樋62a,62bを破線を用いて図示している。
前面枠2は、合成樹脂材料等で略矩形額縁状に形成されており、その上部略中央には遊技盤4の外形に適合した略矩形状の開口である収納空間2cが設けられている。前面枠2の一側(図4右側)縁部には、機構盤33の一対のヒンジピン33a,33a(図5参照)が回動可能に軸支される一対のピン係合部2b,2bが設けられている。
遊技盤4は、木製の合板等で略矩形平板状に形成されており、その前面(図4の紙面奥側の面)に遊技球が打ち込まれる遊技領域7が形成されている(図1参照)。遊技盤4は、前面枠2の収容空間2cに着脱可能に収容されており、その裏面には遊技盤4の板厚方向(図4の紙面に対する垂直方向)へ貫通した複数の配設穴(図示せず)が穿設されている。
遊技盤4の略中央部に穿設される配設穴には可変表示装置取付板52が配設されており、この可変表示装置取付板52を介して複数種類の図柄を表示する可変表示装置10が取り付けられる。この可変表示装置取付板52の下方(図4下側)に設けられる各配設穴には、普通入賞口8aを備えた普通入賞装置8、図柄作動口12を備えた入賞装置、及び、大入賞口を備えた可変入賞装置13が配設されており、各入賞装置に入賞した遊技球は、これら各入賞装置を通過することにより遊技盤4の裏面側へ移送される。
また、可変入賞装置13が配設される配設穴の下方には、上記したアウト口14が遊技盤4に穿設されている。このアウト口14の上方であって遊技盤4の裏面側(図4の紙面手前側)には、集合カバー32が取着されている。
集合カバー32は、上記したように、その前面側を遊技盤4の裏面側へ当接することにより遊技球を移送可能な各通路等が形成される。通路61eは、図柄作動口12に入賞した遊技球を後述する球収集部72へ誘導する通路である。この通路61eは、図柄作動口12に対応した位置に設けられており、通路61eの上流側端部(図4の上側)が図柄作動口12と連通されている。このため、図柄作動口12へ入賞した球は、通路61e内へ流入し、かかる通路61eを流下した後、開口部64落下する。
通路61a〜61dは、普通入賞装置8に入賞した遊技球を球誘導樋62a,62bへ誘導する通路である。この通路61a〜61dは、各普通入賞装置8に対応した位置に設けられており、通路61a〜61dの上流側端部(図4の上側)がその各普通入賞装置8と連通して設けられている。このため、各普通入賞装置8に入賞した遊技球は、各通路61a〜61d内へ流入し、かかる通路61a〜61dを流下した後、球誘導樋62a,62bへ落下する。
球誘導樋62a,62bは、各通路61a〜61dの下流側のほぼ直下に設けられており、これら各通路61a〜61dから流下した遊技球を受け止めることができる。球誘導樋62a,62bは、上記したように、集合カバー32の一側端部から開口部64へ向けて下降傾斜して設けられている。よって、球誘導樋62a,62bは、各通路61a〜61dから流下した遊技球を受け止めた後、その遊技球を球誘導樋62a,62b上を転動させ、開口部64から一括して送出することができる。
可変入賞球排出部63は、開口部64の幅方向(図4の左右方向)略中央部の直上に開口形成されており、可変入賞装置13に入賞した球を開口部64へ落下させる部材である。即ち、上記したように、可変入賞球排出部63に入賞した球は、カウントスイッチ13dを有する通路、あるいは、特定領域スイッチ13eを有する通路のいずれか一方から遊技盤4の裏面側へ移送され、カウントスイッチ13d、又は、特定領域スイッチ13eを通過した後、可変入賞球排出部63から開口64へ流下するのである。
開口部64は、各入賞口へ入賞した遊技球を後述する機構板4の球収集部72(図5参照)へ落下させる開口であり、通路61e、球誘導樋62a,62b、及び、可変入賞球排出部63とそれぞれ連通しつつ集合カバー32の下端部(図4の下側)に開口形成されている。この開口部64の開口幅は、上記した可変シャッタ13c(図1参照)の横幅の約2倍以上の大きさとされている。このため、各入賞口へ入賞した遊技球がこの開口部64へ多量に流入する場合にも、開口部64の開口縁部で球詰まりが生じることなく、遊技球を円滑に送出することができる。また、開口部64の開口幅は、上記した可変シャッタ13c(図1参照)の横幅の約2倍の大きさとされており、セーフ球処理カバー32の横幅(図4の左右方向幅)よりも小さく形成されている。その為、この開口部64から落下する遊技球を収集するための球収集部72を小型化することができるのである。
但し、開口部64の開口幅は、機構板4の球収集部72(図5参照)が大型化してしまうことを避けるため、遊技盤4の横幅の半分以下とすることが望ましい。
ここで、開口部64の下方には、アウト口14が配設されている。このアウト口14が可変入賞装置13のカウントスイッチ13d、又は、特定領域スイッチ13eのいずれかの直下に位置する場合には、その可変入賞装置13のカウントスイッチ13d、又は、特定領域スイッチ13eから流下した遊技球がアウト口14から排出された遊技球と衝突し、かかる衝突により、遊技球がアウト口14から遊技盤4の前面側(遊技領域7、図1参照)へ逆流してしまうおそれがある。しかし、本実施例におけるパチンコ機1では、可変入賞装置13のカウントスイッチ13d、及び、特定領域スイッチ13eがかかるアウト口14と縦方向(図4上下方向)において重ならないように配設されている。その為、カウントスイッチ13d、又は、特定領域スイッチ13eを通過した遊技球は、アウト口14から排出された遊技球と衝突することなく機構板4の球収集部72へ落下されるので、アウト口14から排出された遊技球が遊技盤の前面側(遊技領域7)へ逆流してしまうことを防止することができるのである。
なお、可変入賞装置13から流下する遊技球がアウト口14から排出された遊技球と衝突することを防止するために、アウト口14の上方には、可変入賞装置13から流下した遊技球を案内する案内部材を集合カバー32へ配設しても良い。かかる案内部材により、可変入賞装置13のカウントスイッチ13d、又は、特定領域スイッチ13eを通過した遊技球は、アウト口14を避ける方向へ案内され、アウト口14から排出された遊技球と衝突することが防止されるのである。
図5は、機構板33の前面側を示した斜視図である。機構板33は、合成樹脂材料等を材質として形成された正面視略矩形額縁状の枠フレーム33dを備えている。この枠フレーム33dの一側(図5左側)であって、その上側および下側部分には、上記した前面枠2のピン係合部2b,2bに回動可能に軸支されるヒンジピン33a,33aがそれぞれ1つずつ設けられている。
枠フレーム33dの略中央部分には、略矩形状の開口である開口窓33eが枠フレーム33dの厚さ方向に貫通形成されている。この開口窓33eは、機構盤33が前面枠2に取着された場合(図2参照)に、遊技盤4の裏面に取着された集合カバー32の一部を機構盤33の裏面側に露出させるための開口であり、この開口窓33eから可変表示装置10や各種入賞装置が機構盤33の裏側に露出される。
枠フレーム33dの右方部分(図5の右側)には、開口窓33eの側部を形成するとともに上記した集合カバー32の係合部66,66(図3参照)へ係合される係合部33fが配設されている。また、枠フレーム33dの下方部分であって開口窓33eの下部には、遊技球を所定の箇所へ移送するための球通路部材70が配設されている。この球通路部材70は、主に、裏面板71と、球収集部72と、上皿導出通路76と、下皿導出通路77と、球抜き通路78とを備え、これらが枠フレーム33dと一体に形成されている。
球収集部72は、集合カバー32の開口部64およびアウト口14から流下する遊技球を収集して所定の箇所へ移送するためのものであり、主に、流下する遊技球を受け止める球受け板73,74と、受け止められた遊技球を所定の箇所へ誘導する収集通路75とを備えている。球受け板73,74は枠フレーム33dの横幅方向に延出しつつ裏面板71から立設されており、この球受け板73,74の合流部からは、収集通路75が屈曲しつつ鉛直方向に延出して設けられている。
上皿導出通路76は、賞球払出装置38および貸球払出装置39(図2参照)が払い出した遊技球を上皿へ移送するための通路であり、枠フレーム33dの横幅方向の側方(図5の左側)に配設されている。この上皿導出通路76の一端側(図5の奥側)には開口76aが裏面板71に貫通形成されており、一方、上皿導出通路76の他端側(図5の手前側)は、機構板33が前面枠2に配設された場合に上皿16と連設可能な位置に配設されている(図7(a)参照)。
下皿導出通路77は、上皿16が遊技球で一杯になった場合に上皿導出通路76から溢出する遊技球を下皿17へ移送するための通路であり、上皿導出通路76の下方に設けられている。この下皿導出通路77の上流側(図5の左側)には、開口77aが裏面板71に貫通形成されており、その下流側(図5の右側)は、下皿17に対応して枠フレーム33dの横幅方向略中央部分へ配設されている。また、下皿導出通路77は、枠フレーム33dの横幅方向一側(図5の左側)から他側(図5の右側)へ向かって下降傾斜して形成されている。
球抜き通路78は、球タンク35に貯留された遊技球をパチンコ機1の外部へ排出するための通路であり、下皿導出通路77の下方にその下皿導出通路77と並設されている。この球抜き通路78の上流側(図5の左側)には、開口78aが裏面板71に貫通形成されており、その他端側(図5の右側)が枠フレーム33dの横幅方向略中央部分へ配設されている。球抜き通路78は、枠フレーム33dの横幅方向一側(図5の左側)から他側(図5の右側)へ向かって下降傾斜して形成されている。
これら球収集部72、上皿導出通路76、下皿導出通路77、及び、球抜き通路78は、その全面側(図5の手前側)を開放した状態で形成されており、遊技盤4又は前面枠2の裏面側へ当接されることにより遊技球を移送可能な閉じた通路となる。よって、この球通路部材70は、上記した集合カバー32と同様に、閉じた通路を形成するために別途蓋部材等を製造し、その蓋部材等を各通路の全面側へ覆設する必要がない。従って、一つの金型により一度で成形することができるので、金型の製造コストを低減することができ、また、部品点数を低減することができので、その分だけ集合カバー32の前後厚さを薄く形成することができる共に組み立てコストを低減することができるのである。
また、各通路の通路深さ(図5の奥行き方向)は、すべて同じ通路深さとされている。よって、各通路の裏面側(図5の奥側)を同一平面内に形成することができるので、裏面板71を全域にわたってフラットな平坦面に形成することができる。また、各通路の通路深さは、遊技球の外径の略2倍とされている。よって、機構板33の前後厚さ(図5の奥行き方向寸法)が大きくなってしまうことを防止しつつ、多量の遊技球が各通路内へ流入する場合には、球詰まりを生じることなく、遊技球を円滑に送出することができるのである。
図6は、機構盤33の裏面図である。なお、遊技球を搬送するために機構板33の前面側、或いは、各装置の内部に設けられる各通路を破線を用いて図示している。機構盤33の枠フレーム33dの裏面側上部には、上記したように、台管理装置(図示せず)から供給される球が一旦貯留される球タンク35が配設され、この球タンク35の下方には球タンクレール36が連設されている。球タンク35、球タンクレール36は、ABS樹脂材料等を材質として上方(図6の上側)が開放した箱状に成形されており、その内部に一定量の遊技球の貯留が可能となっている。球タンク35の下流側(図6の左側)には、球タンクレール36と連通する開口が設けられており、球タンク35に貯留される遊技球は、その開口から球タンクレール36へ流下する。球タンクレール36の底部には、遊技球の外径略1個分の幅を有する溝が3本形成されており、球タンク35から流下した遊技球は、その各溝内を1列に整列した状態で下流側端部に連設されたケースレール37へ誘導される。
ケースレール37は、球タンク35に貯留された遊技球を賞球払出装置38、貸球払出装置39へ供給するための通路となるとともに、球タンク35に貯留された遊技球を排出する際の通路となる部材である。ケースレール37は、賞球払出装置38と連通する賞球通路37a,37b、貸球払出装置39と連通する貸球通路37c、球タンクレール36と球通路部材70の球抜き通路78とを連結する連結通路37d等をそなえている。賞球通路37a,37b及び貸球通路37cは遊技球の外径略1個分の通路径を有して形成されており、この各通路37a〜37cは、ケースレール37の奥行き方向(図6の紙面垂直方向)に重層状態で配設されている。賞球通路37a,37bは、ケースレール37の一側(図6の奥側)に配設されており、その上流部が球タンクレール36の2本の溝の端部(図6の右側)に連通される一方、下流部が賞球払出装置38の上部に連通されている。球タンクレール36から流下した遊技球は、この賞球通路37a,37bを一個ずつ通過し賞球払出装置38へ移送されるとともに、賞球払出装置38による遊技球の払出が行われない場合には、遊技球がこの賞球通路37a,37b内に一列に整列した状態で保持される。
貸球通路37cは、ケースレール37の他側(図6の手前側)に賞球通路と重層状態で配設されており、その上流部が球タンクレール36の賞球通路37a,37bと連通しない残りの1本の溝の端部(図6の右側)に連通される一方、下流部が貸球払出装置39の上部に連通されている。球タンクレール36から流下した遊技球は、この貸球通路37cを一個ずつ通過し貸球払出装置39へ移送されるとともに、貸球払出装置39による遊技球の払出が行われない場合には、遊技球がこの貸球通路37c内に一列に整列した状態で保持される。また、貸球通路37cは、ケースレール37内でS字状に複数回屈曲して形成されており、かかる屈曲により通路全長を確保し、その貸球通路37c内に保持できる遊技球の保持数を増加させており、ケースレール37の上流部(後述のサポート板37eの近傍)に設けられた球切れ検出器(図示せず)直下から、貸球払出装置39のスプロケット直上までに、貸出の最小単位である25球を保持できるようになっている。
連結通路37dは、球タンク35に貯留される遊技球を排出するための通路であり、ケースレール37の側端部(図6の右側)で賞球通路37a,37b及び貸球通路37cと並設されている。この連結通路37dは、賞球通路37a,37bと貸球通路37cとを重ねた通路の奥行き(図6の紙面垂直方向)と同等の遊技球の外径略3個分の奥行きを有して形成されており、その上流部(図6の上側)がサポート板37eにより閉塞されている。サポート板37eは球抜きレバー37fの操作に応じて揺動可能に構成されており、通常は所定位置(連結通路37dの上流部を閉塞する位置)に固定され、遊技球を賞球通路37a,37b及び貸球通路37c側へ誘導している。そして、球抜きレバー37fの操作があった場合には、サポート板37eが下方(図6の下側)に揺動し、このサポート板37eより上流側にある遊技球が連結通路37d側へ誘導される。なお、球抜きレバー37fは、前面枠2の前面側に穿設された球抜き穴30に対応する位置に配設されており、パチンコ機1の前面側から操作可能である(図1参照)。
賞球払出装置38は遊技者に賞球を払い出す装置であり、貸球払出装置39は遊技者に貸し球を払い出す装置である。賞球払出装置38の上部(図6の上側)は、上記したケースレール37の賞球通路37a,37bと連結されており、その下流側は後述する払出経路ユニット80と連結されている。遊技球が上記した各入賞口へ入賞した場合には、球タンクレール36及びケースレール37の賞球通路37a,37bにより誘導された球タンク35の遊技球を賞球払出装置38が所定個数だけ払出経路ユニット80へ払い出すことにより、賞球として遊技者へ払い出されるのである。一方、貸球払出装置39の上部(図6の上側)は、上記したケースレール37の貸球通路37cと連結されており、その下流側は払出経路ユニット80と連結されている。遊技者からの球貸し要求があった場合には、球タンクレール36及びケースレール37の貸球通路37cにより誘導された球タンク35の遊技球を貸球払出装置39が所定個数だけ払出経路ユニット80へ払い出すことにより、貸し球として遊技者へ払い出されるのである。このように、賞球払出装置38及び貸球払出装置39によって、球タンクレール36及び各通路37a〜37cにより賞球払出装置38及び貸球払出装置39の内部へ導かれた球を1個ずつ払出経路ユニット80へ払い出すことができるのである。
払出経路ユニット80は、賞球払出装置38及び貸球払出装置39により払い出された賞球や貸球を前面枠2に設けられる上皿16又は下皿17(図1参照)へ誘導する中空箱状の部材であり、賞球払出装置38及び貸球払出装置39の下部と連結しつつ枠フレーム33dの裏面側に配設されている。なお、この払出経路ユニット80は、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出された遊技球へ接触摩擦等により発生した静電気が帯電してしまうことを防止するために、カーボンを配合した樹脂を用いて形成されている。そのため、各種制御回路基板へ悪影響を及ぼしたり、上皿16に貯留される遊技球へ触れた遊技者が感電し不快に感じることを防止することができる。
この払出経路ユニット80内部上方(図6の上側)には、賞球払出装置38及び貸球払出装置39の下部とそれぞれ連通する2本の通路80a,80bが設けられており、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出された遊技球はそれぞれ通路80a,80bを通過して下方へ流下する。
通路80a,80bの下方には遊技球の衝突により発音可能なベル81が配設されており、通路80a,80bの下流出口部はそのベル81に向かって配設されている。よって、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出され、それぞれ通路80a,80bから流下した遊技球はベル81に衝突するので、かかる遊技球の衝突によりベル81が発音し遊技者に払い出し動作が実行されたことを知らせることができるのである。ここで、通路80a,80bの下流出口部は、ベル81に対してそれぞれ異なる角度を有して配設されているので、賞球払出装置38から賞球が払い出された場合と貸球払出装置39から貸球が払い出された場合とで、ベル81の音色を変化させることができ、遊技者に賞球が払い出されたのか、又は、貸球が払い出されたのかを認識させることができるのである。
払出経路ユニット80には、その下流端部左側(図6の左下側)であって枠フレーム33dに当接される側に略矩形状に開口した上皿送出口82が設けられている。この上皿送出口82は、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出された遊技球を上皿16へ送出する開口であり、上記した球通路部材70の上皿導出通路76と連通されている。賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出された遊技球は矢印X方向へ流下して、上皿送出口82を介して球通路部材70の上皿導出通路76内へ流入し、前面枠2に設けられる上皿16へ移送されるのである。
上皿送出口82の側方(図6の右側)には、下皿送出通路83が設けられている。この下皿送出通路83は、上皿16が遊技球で一杯になった場合に上皿送出口82から溢出する遊技球を下皿17へ移送するための通路であり、上皿送出口82との間に設けられる隔壁84により区画されている。下皿送出通路83の下流端部には、枠フレーム33dに当接される側に略矩形状に開口した下皿送出口85が設けられており、上記した球通路部材70の下皿導出通路77と連通されている。上皿16が遊技球で一杯になった場合には遊技球が上皿送出口82近傍に貯留され、更に賞球払出装置38又は貸球払出装置39から遊技球が払い出されると(矢印X方向)、遊技球が隔壁84を乗り越えて下皿送出通路83内へ溢出する(矢印Y)。ここで、図7(a),(b)を参照して、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から払い出された遊技球が上皿16及び下皿17へ移送される経路について説明する。
図7(a)は、図6のVIIa−VIIa線における側断面図であり、図7(b)は、図6のVIIb−VIIb線における側断面図である。なお、図7(a),(b)では、機構板33が遊技盤4及び前面枠2の裏面側(図7(a),(b)の右側)に取着された状態を示している。図7(a)に示すように、払出経路ユニット80の上皿送出口82は、払出経路ユニット80の前面側に貫通形成されており、機構板33に設けられた上皿導出通路76の一端側(開口76a)と連通されている。一方、機構板33に設けられた上皿導出通路76の他端側は、前面枠2に設けられた上皿16と連通されている。よって、賞球払出装置38又は貸球払出装置39から払い出された遊技球は、払出経路ユニット80内を流下し(矢印X)、機構板33に設けられた上皿導出通路76を介して上皿16へ移送されるのである。
下皿送出口85は、図7(b)に示すように、払出経路ユニット80の前面側に貫通形成されており、機構板33に設けられた下皿導出通路77の一端側(開口77a)と連通されている。一方、機構板33に設けられた下皿導出通路77の他端側は、前面枠2に設けられた下皿17と連通されている。よって、
上皿16が遊技球で一杯になった場合に、隔壁84を乗り越えて下皿送出通路83内へ溢出した遊技球は、下皿送出通路83内へ流下し(矢印Y)、機構板33に設けられた下皿導出通路77を介して下皿17へ移送されるのである。
なお、図7(a),(b)に示すように、払出経路ユニット80の奥行き幅(図7(a),(b)の左右方向幅)w1は、遊技球の外径dの略2倍となるように形成されている。よって、払出経路ユニット80の奥行き寸法(図7(a),(b)の左右方向厚さ)が増加することを防止しつつ、賞球払出装置38及び貸球払出装置39から多量の遊技球が払い出された場合にも、球詰まりを生じさせることなく円滑に遊技球を移送することができるのである。
図6に戻って説明する。上述のように構成される払出経路ユニット80の側端部(図6の右側)には、球タンク35に貯留される遊技球を排出する際に遊技球が通過する第2連結通路86が上記したケースレール37の連結通路37dと連通して設けられている。この第2連結通路86の通路幅(図6の左右方向幅)は遊技球の外径と略等しくされ、通路奥行き(図6の紙面垂直方向)寸法は遊技球の外径の略2倍とされている。一方、ケースレール37の連結通路37dの通路奥行き寸法は遊技球の略3倍とされているため、連結通路37dと第2連結通路86との連結部に段差が生じてしまい球詰まりが発生する危険がある。そこで、この連結部を遊技球の外径略1個分の傾斜を有する傾斜部材87により連結することにより、遊技球が円滑に通過できるようにされている。また、ケースレール37及び払出ユニット80は、カーボンを配合した樹脂により成形されるため不透明な黒色を有し、内部を視認できないが、この傾斜部材87は、通路内部を視認可能とするために透明な樹脂材料等により成形されているので、球詰まりの発生を容易に確認することができるのである。
第2連結通路86の下流端部には、枠フレーム33dに当接される側に貫通形成された開口が設けられており、その開口は上記した球通路部材70の球抜き通路78に設けられる開口78aと連通されている。よって、球タンク35に貯留される遊技球は、球抜きレバー37fの操作によって連結通路37dへ流下し、第2連結通路86、下皿導出通路77を通過した後、機構板33から排出されるのである。
枠フレーム33dの下方には、上記した球通路部材70が設けられており、この球通路部材70が有する球収集部72は枠フレーム33dの略中央部に設けられる開口33bの直下に配設されている。送出口75aは収集通路75の上流側に位置する開口であり、枠フレーム33dの開口33bの横幅方向(図6の左右方向)略中央部より若干左側の一箇所に設けられている。即ち、枠フレーム4aの横幅方向(図3の左右方向)に対しては、その中央部分より遊技球の外径略5個分程度だけ左側に設けられている。
送出口75aは、上述した集合カバー32の開口部64およびアウト口14より下方に設けられており(図8参照)、収集通路75と連通され、この収集通路75を介して収集球排出口79と連結される開口である。また、送出口75aの開口幅(図6の左右方向幅)は、遊技球の外径の略一個分とされ、その奥行き寸法(図6の紙面垂直方向寸法)は遊技球の略2個分とされている。このため、多量の遊技球が球収集部72へ流入する場合に、送出口75aの開口縁部で球詰まりを生じることなく、遊技球を収集通路75へ円滑に送出することができる。また、送出口75aの開口縁部の両側(図6の左右両側)には、集合カバー32の開口部64から排出される遊技球を受け止める平板状の球受け板73,74が設けられている。
球受け板73は、集合カバー32の開口部64及びアウト口14のほぼ直下に設けられ、集合カバー32の開口部64の横幅方向(図6左右方向)のほぼ全域に亘って設けられている(図7参照)。この球受け板73は、枠フレーム33dの横幅方向一側(図6の右側)から送出口75aへ向けて下降傾斜されており、球受け板73により受け止められた遊技球を、この送出口75aから集中(一括)して送出できるようにされている。また、球受け板73における送出口75a側との反対端部(図6の右側)には平板状の立壁板73aが立設され、この立壁板73aの上端には同じく平板状の球受け板73b(図5参照)が連設されている。
球受け板73bは、球受け板73と同様に、枠フレーム33dの横幅方向一端側(図6の右側)から球受け板73側へ向けて下降傾斜されている。このため、球受け板73bにより受け止められた遊技球を、球受け板73側へ向けて転動させることができるのである。しかしながら、球受け板73bは、集合カバー32の球誘導樋62bに覆われ、開口部64内に張り出さしていないため、実質的には球を受けることはなく、むしろ、立壁板73cと共に機構板33の補強部材として、及び、配線収納部の区画部材としての機能を有する。
一方、球受け板74は、枠フレーム33dの横幅方向他側(図6の左側)から送出口75aへ向けて下降傾斜されており、その送出口75a側の端部が集合カバー32の開口部64の横幅方向一端部の下方に位置されている(図7参照)。よって、球受け板74は、集合カバー32の開口部64から排出された遊技球を受け止め、その遊技球を送出口75aから集中して送出することができるのである。また、球受け板74における送出口75a側との反対端部(図6の左側)には平板状の立壁板74aが立設されており、この立壁板74aによって、球受け板74により受け止められた遊技球が球受け板74の立壁板74a側端部からこぼれ落ちることを防止することができる。
ところで、球受け板74の送出口75a側端部は、球受け板73の送出口75a側端部より高さh1分だけ上方に位置されており、かかる両球受け板73,74における送出口75a側の端部の間には高さh1分の段差(高低差)が設けられている。この段差によって、球受け板74から送出口75aへ落下する遊技球は、球受け板73から送出口75aへ落下する遊技球よりも上方から送出口75aへ向けて落下される。このため、球受け板73,74により送出口75aに集められる遊技球同士が送出口75aで正面衝突することが回避され、遊技球が送出口75a周辺で滞って球詰まりが生じることを抑制することができる。
しかも、球受け板74から落下した遊技球が球受け板73上の遊技球と接触する場合、球受け板74から落下した遊技球は球受け板73上の遊技球に上方から衝突するので、かかる衝突により球受け板73上の遊技球に衝撃を加えるため、送出口75aの周辺や収集通路75内における球詰まりを更に抑制することができ、送出口75aから送出される遊技球の流下を更に円滑化させることができる。
また、上記の球収集部72の球受け板73,74は、枠フレーム33dの横幅方向(図6の左右方向)のほぼ全域に亘って設けられており、各入賞装置の下方位置に対応して設けられている(図8参照)。よって、例えば、各入賞口へ入賞した遊技球が集合カバー32を介さずに各入賞口の直下へ直接落下されるような場合であっても、球受け板73,74によって各入賞口へ入賞した遊技球を受け止め、送出口75aから集中して送出させることができる。即ち、本実施例のパチンコ機1によれば、集合カバー32とは別種類の集合カバーが取着された遊技盤に交換された場合でも、球収集部72の球受け板73,74によって入賞球を確実に受け止めることができるのである。
収集通路75は、送出口75aへ流入した遊技球を収集球排出口79へ案内する通路であり、この収集通路75の左右両側は平板状の一対の側壁板75b,75cにより仕切られている。この一対の側壁板75b,75cの上端は球受け板73,74の送出口75a側端部とそれぞれ連設され、かかる連設により収集通路75は送出口75aと連結されている。また、収集通路75の通路形状は、送出口75aから垂直に下方(図6の下側)へ延設される鉛直部において遊技球の外径の略1個分だけ一方(図6の左側)へ屈曲(湾曲)されており、この屈曲により収集通路75内を流下する遊技球の落下速度を緩和させることができる。このため、収集通路75の側壁板75b,75cに遊技球が衝突する際の衝突力が緩和されるので、側壁板75b,75cの損傷を抑制して、収集通路75の使用寿命を向上することができ、その結果、枠フレーム33d全体としての使用寿命を向上することができるのである。
更に、このように収集通路75を一方(図6の左側)へ屈曲させて配設することにより、機構板33を前面枠2へ固定する際に使用される取付口33cを配設するためのスペースを、収集通路75と下皿導出通路77との間に確保することができる。即ち、収集通路75及び下皿導出通路77の両近傍へ取付口33cを配設することができ、この取付口33c部を取付部材50により押止固定することにより、収集通路75及び下皿導出通路77の前面側(図6の紙面奥側)を前面枠2の裏面側へ強固に当接させることができる。よって、収集通路75及び下皿導出通路77と前面枠2との間に隙間が生じることが防止されるので、遊技球が通過するための通路を確実に形成することができ、各通路から遊技球が漏出してしまうことが防止される。
また、収集通路75の通路幅、即ち、一対の側壁板75b,75cの対向面間距離は、遊技球の外径の略一個分とされている。このため、収集通路75がフレーム枠33dの平面(遊技盤4に平行な平面)、即ち、球通路部材70の裏面部材71(図5参照)に占有する面積を抑制することができるので、その平面内に上記した取付口33cを配設するためのスペースを容易に確保することができる。よって、枠フレーム33dを大型化することなく他部材の取付スペースを確保でき、設計上の余裕を得ることができるのである。
下皿導出通路77は、球受け板73及び払出経路ユニット80のほぼ直下に設けられ、枠フレーム33dの一側側(図6の右側)から他端側へ向かって下降傾斜されており、下皿送出口85から落下する遊技球を下流側へ誘導し、下皿17へ送出できるようにされている。下皿導出通路77の下流側には、下皿満タンスイッチ77bが配設されている。この下皿満タンスイッチ77bは、下皿17内が遊技球により充塞されているか否かを検出する装置であり、遊技球により下皿17内が充塞された場合にオンされる。かかる場合には、賞球払出装置38及び貸球払出装置39からの遊技球の払い出しが中断される。下皿17内が遊技球で充塞されている場合に、下皿導出通路77内に遊技球が流入すると、遊技球がこの下皿導出通路77内で滞ってしまい球詰まりが生じてしまう。よって、かかる場合に下皿満タンスイッチ77bがオンされ、賞球払出装置38及び貸球払出装置39からの遊技球の払い出しが中断されることにより、下皿導出通路77内に必要以上の遊技球が流下されず、下皿導出通路77内に球詰まりが生じてしまうることを抑制することができる。
また、このように下皿導出通路77の下流側に下皿満タンスイッチ77bを配設することによって、遊技球を保持しておくために下皿導出通路77の経路幅を必要以上に拡幅して設置する必要がない。よって、枠フレーム33dが大型化することを防止することができ、他部材の取付スペースを確保できのである。
また、球収集部72の球受け板73及び側壁板75bと下皿導出通路77とは、互いに所定の間隔を離間させて設けられており、更に、その球収集部72の球受け板73及び側壁板75bと下皿導出通路77との間の離間部には、隔壁部材90a,90bが配設されている。ここで、球収集部72を通過する遊技球は、パチンコ機1の機外へ排出すべき遊技球であり、一方、下皿導出通路77を通過する球は、所定の有価価値を有し遊技者(下皿17)へ払い出されるべき遊技球である。従って、例えば、これらの経路が隣接されて設けられており、その経路の隣接部が破損してしまった場合には、両者の遊技球が互いに混流してしまい、遊技者あるいはパチンコ機1を管理する側に大きな不利益が生じてしまう。しかし、本実施例では、一方の通路が破損した場合にも、その破損部から流出した遊技球は隔壁部材90a,90bに受け止められ、他方の通路へ流出することが防止される。従って、一方の通路から流出した球が他方の通路へ流入し、互いの遊技球が混流してしまうことを防止することができるのである。
図8は、集合カバー32及び機構板33の裏面図であり、図9は、図8のIX−IX線における側断面図である。なお、図8では、遊技球が通過する各通路の説明を容易とするために、集合カバー32及び機構板33の前面側に位置する前面枠2、遊技盤4を省略するとともに、機構板33の裏面側に配設される各種の装置、基板ボックス等を省略して図示している。また、図9中の矢印は遊技球の流下方向を示している。
機構板33は、図8に示すように、遊技盤4(図示せず)の裏面側に取り付けられた集合カバー32の裏面側へ重層状に重ねて取着される。その場合、機構板33は、その係合部33fが集合カバー32の係合部66,66へ係合され、かかる係合により機構板33と集合カバー32との相対位置が位置決めされる。よって、係合部33fの前面側によって集合カバー32を遊技盤4の裏面側へ押圧することができるとともに、機構板33の球受け板73,74と集合カバー32の開口部64との相対位置関係を良好に保つことができるので、集合カバー32の開口部64を通過した遊技球を機構板33の球受け板73,74へ確実に送出することができる。
遊技盤4の配設穴4aは、図9に示すように、遊技盤4の前面(図9左側)に形成される遊技領域7から遊技盤4の裏面へと貫通形成されている。この配設穴4aには、普通入賞装置8の筺体8bが挿設されており、この普通入賞装置8の筺体8bは、配設穴4aに配設された状態で遊技盤4の遊技領域7側に突出されている。その筺体8bの突出部分(図9の左側)の上端面には、リング状のセンサ8cが設けられており、このセンサ8cの内面側の開口が普通入賞口8aとされている。
普通入賞口8aは、図9に示すように、その開口幅w2が遊技球の外径dより若干大きく、且つ、遊技球の外径dの略2倍未満に形成されており(d<w2<2d)、遊技球が1個ずつ入賞するように形成されている。この普通入賞口8aは、筺体8b内に形成された入賞通路8dと連通されており、この入賞通路8dの下流側は遊技盤4の裏面側と連通して開口形成されている。入賞通路8dは、その通路幅w3が遊技球の外径dより若干大きく、且つ、遊技球の外径dの略2倍未満に形成されており(d<w3<2d)、遊技球が1個ずつ通過するように形成されている。
このため、遊技領域7を流下して普通入賞口8aへ入賞した遊技球は、入賞通路8dを1個ずつ通過して、遊技盤4の裏面側(図9の右側)へ排出され、集合カバー32の通路61d内へ向けて1個ずつ落下されるのである。
集合カバー32の通路61c及び球誘導樋62bは、遊技盤4の裏面側から集合カバー32の配設側、即ち、遊技盤4の裏面後方(図9の右側)へ向けて延出されている。この通路61c及び球誘導樋62dは、遊技盤4の裏面からの延出幅w4が遊技球の外径dより若干大きく形成されており、遊技球が1個ずつ通過するように形成されている。
このため、普通入賞口8aへ入賞した遊技球は、通路61c内を一個ずつ通過して、球誘導樋62b上へ一個ずつ落下され、他の通路61d(図4参照)から落下した遊技球とともに球誘導樋62b上を転動し、開口部64から球受け板73へ落下するのである。開口部64の開口幅w5(図8参照)は、上記したように、開閉シャッタ13c(図1参照)の横幅の略2倍の大きさとされている。よって、通路61c,61dから球誘導樋62上へ多量の遊技球が落下し開口部64へ向かって流下した場合にも、開口部64の開口縁部で球詰まりが生じることなく、遊技球を球受け板73へ円滑に落下させることができるのである(図8参照)。
普通入賞装置8が配設された配設穴4aの下方には、遊技盤4の厚さ方向(図9左右方向)に貫通したアウト口14が形成されている。アウト口14の遊技領域7側の下方には、遊技領域7の外周に周設される内レール6が設けられており、この内レール6を介して、遊技球がアウト口14へ導かれるのである。なお、遊技盤4の遊技領域7側には、遊技領域7の形成面(図9の左側)と所定の間隔を隔てて、ガラス扉3a,3bが配設されている。
遊技盤4の裏面側であって、アウト口14の開口位置より下方には、上述した球収集部72が設けられている。この球収集部72は、上述した集合カバー32の開口部64の下方(下流側、図8及び図9の下側)に設けられており、この球収集部72の上方部分は、各入賞口へ入賞し開口部64から落下する遊技球およびアウト口14を通過した遊技球を受け止めるために開放されている。
球受け板73,73bは、遊技盤4の裏面側から球受け板73,73bの配設側、即ち、遊技盤4の裏面から更に後方(図9の右側)へ向けて延出されている。この球受け板73,73bの延出端(図9の右側)には裏面部材71が上方へ向けて立設されており、この裏面部材71と遊技盤4の裏面との間に各入賞口へ入賞し開口部64から落下する遊技球およびアウト口14を通過した遊技球が落下するのである。なお、球受け板74(図8参照)も、球受け板73,73bと同様に、遊技盤4の裏面から更に後方(図9の右側)へ延出され、球受け板74の各延出端(図9の右側)には裏面部材71が上方へ向けて立設されている。
しかも、遊技盤4の裏面及び裏面部材71の対向面間距離、即ち、球受け板73,73bの延出幅w6(図9の左右方向幅)は、遊技球の外径の略2倍とされている。このため、球受け板73,73bにより受け止められた遊技球が送出口75aへ向けて転動して流下する場合に、かかる遊技球を球受け板73,73bで詰まらせずに送出口75aへ円滑に流下させることができる。なお、球受け板74の延出幅も、球受け板73,73bと同様に延出幅w6となるように形成されており、送出口75aの開口幅(図8の紙面垂直方向)も、各球受け板73,73b,74の延出方向へ向けて延出幅w6と略等しい長さに形成されている。
一方、枠フレーム33dの下部には、上述した収集通路75が設けられており、この収集通路75の下端部には収集球排出口79が連結されている。この収集通路75は遊技盤4の裏面と裏面部材71との間に設けられており、遊技盤4の裏面及び裏面部材71の対向面間距離、即ち、収集通路75の通路幅w7(図9の左右方向幅)は、遊技球の外径dの略2倍とされている。このため、多量の遊技球が収集通路75内を通過する場合に、その収集通路75内で球詰まりを生じさせることなく、遊技球を収集球排出口79へ更に円滑に案内することができるのである。
次に、上記のように構成されたパチンコ機1の入賞球およびアウト球の処理方法について説明する。まず、遊技領域7へ打ち込まれた遊技球は、遊技盤4に配設される各種入賞装置の各入賞口へ入賞すると、遊技盤4の裏面側へ排出される。例えば、図9に示す入賞装置8の普通入賞口8aへ遊技球が入賞すると、入賞した遊技球は、入賞通路8dを通過して、遊技盤4の裏面側へ排出される。排出された遊技球は、集合カバー32の通路61cを通過した後に球誘導樋62bへ落下する。そして、遊技球は、球誘導樋62b上を開口部64へ向けて転動し移送された後、集合カバー32の開口部64から機構盤33の球収集部72へ向けて落下される。一方、遊技盤4に配設される各種入賞装置の入賞口のいずれにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域7の下部へ流下し、アウト口14から遊技盤4の裏面側へ排出され、機構盤33の球収集部72へ向けて落下される。即ち、入賞口へ入賞した遊技球及びアウト口14を通過した遊技球は、機構盤33の球収集部72へ一括して落下するのである。
球収集部72へ向けて落下した遊技球は、球収集部72の上部に設けられる球受け板73,73b,74によって受け止められる。この球受け板73,73b,74は、送出口75aへ向けて下降傾斜されているので、球受け板73,73b,74により受け止められた遊技球は、送出口75aへ集められ、その送出口75aから収集通路75へ集中して流下される。収集通路75へ流下した遊技球は、収集通路75を通過して収集球排出口79へ至り、この収集球排出口79から一括して枠フレーム33dの外部へ排出され、台管理装置へ返還されるのである。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1によれば、機構盤33の枠フレーム33dには、遊技盤4に配設される各種入賞装置の各入賞口およびアウト口14の双方と通じた球収集部72が設けられ、かかる球収集部72の一箇所に設けられた送出口75aとその送出口75aに連結される1の収集通路75を介して、入賞口へ入賞した遊技球およびアウト口を通過した遊技球を一括して機構盤4の外部へ排出することができる。更に、その枠フレーム33dには、各払出装置が払い出した遊技球を上皿16及び下皿17へ移送する上皿導出通路76及び下皿導出通路77と球タンク35に貯留される遊技球を排出するための球抜き通路78とが一体に形成されている。
よって、従来のパチンコ機のように、入賞口へ入賞した球を収集する通路とアウト口14を通過した球を収集する通路とを、更には、遊技球を上皿16等へ移送する通路76,77や遊技球を排出するための球抜き通路78を別個に設ける必要がなく、機構盤33の枠フレーム33dの形状を簡素化することができる。このため、例えば、合成樹脂材料等で形成される枠フレーム33dを製造する場合に、枠フレーム33dの形状が簡素化される分、枠フレーム33dを射出成形するための金型の製造コストを低減して、パチンコ機1全体としての製造コストを低減することができる。
ところで、本実施例のパチンコ機1では、球収集部72の球受け板73,73b,74によって、各入賞口へ入賞した遊技球及びアウト口14を通過した遊技球を送出口75aから集中して収集通路75へ一括して送出するので、従来のパチンコ機1に比べて、多量の遊技球が球収集部72に収集される。そこで、球収集部72の各部分は、かかる多量の遊技球を円滑に流下させるために拡幅されている。具体的には、球受け板73,73b,74は、遊技盤4の裏面側からその遊技盤4とは反対側へ向けて延出され、その延出幅w6は遊技球の外径の略2倍となるように形成されている。更に、この球受け板73,73b,74の拡幅に対応して、送出口75aの開口幅も、球受け板73,73b,74の延出方向(図9の左右方向)へ向けて延出幅w6と略等しい長さに形成され、収集通路75の通路幅w7も球受け板73,73b,74の延出方向へ向けて遊技球の外径の略2倍となるように形成されている。
以上のように球収集部72の各部分の幅は、普通入賞口8の開口幅w2及び入賞通路8dの通路幅w3、集合カバー32の各通路の通路幅w4に比べて拡幅されている。このため、球収集部72の各部分は、入賞装置8の入賞通路8dを通過して落下する遊技球より更に多量の遊技球を、収集球排出口79へ円滑に流下させることができる。よって、球収集部72の各部分は、入賞装置8の入賞通路8dを通過した遊技球にアウト口14を通過した遊技球を加えた多量の遊技球を詰まらせることなく円滑に流下させることができる。従って、球収集部72内で詰まった遊技球を除去するために、パチンコ機1の遊技を中断する必要がなく、かかるパチンコ機1の保守に必要なコストを低減することができるのである。
また、球受け板73,73b,74を拡幅することによって、球受け板73,73b,74は、遊技球を受け止める部分の面積が拡大される。よって、その拡大した分だけ、球受け板73,73b,74の単位面積当たりにおける遊技球の衝突頻度を低減して、球受け板73,73b,74の使用寿命を向上させることができるのである。
また、球収集部72は、枠フレーム33dの下側部分に一体的に形成されるので、かかる球収集部72と枠フレーム33dとを別々に製造する必要がなく、その分、パチンコ機1全体としての製造コストを低減することができ、且つ、パチンコ機1全体としての組立作業を簡素化することができるのである。
更に、球通路部材70には、入賞口へ入賞した遊技球およびアウト口を通過した遊技球を一括して機構盤4の外部へ排出する球収集部72と、各払出装置が払い出した遊技球を上皿16及び下皿17へ移送する上皿導出通路76及び下皿導出通路77と、球タンク35に貯留される遊技球を排出するための球抜き通路78との延出幅(図9の左右方向)が略等しく形成されている。よって、球通路部材70、即ち、機構板4の後端面を平坦面(同一平面)に設けることができるので、機構板4の厚さ寸法を大型化することを防止しつつその機構板4の後端面(図9の右側)、即ち、球通路部材70の裏面部材71を平坦に形成することができる。従って、その平坦に構成された機構板4の後端面に基板ボックス等を容易に取り付けることができるとともに、この基板ボックス等が後方へ大きく突出してしまい、パチンコ機1の裏面側(図9の右側)が嵩張ってしまう、即ち、パチンコ機1の前後厚さが厚くなってしまうことを防止することができるのである(図9参照)。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施例では、可変入賞装置13が遊技領域7の略中央部下方に1つ配設され、その可変入賞装置13の両側部に普通入賞装置8が2つずつ配設されたパチンコ機1を例に説明した。しかし、各入賞装置の配設数や配設位置は必ずしもこれに限られるものではなく、上記した以上の数の各入賞装置が配設されていても良く、また、それ以下の数であっても良い。即ち、可変入賞装置が2つ以上配設されていても良く、本実施例では説明しなかったタイプの入賞装置を配設しても良い。その場合には、集合カバーの各通路を、本実施例で説明したように、各入賞装置に対応させて形成し、各入賞装置に入賞した遊技球をその各通路により球誘導樋62a,62bへ、或いは、開口部64へ誘導する。これにより、入賞球を円滑に球収集部72へ移送することができるのである。
また、アウト口14は、可変入賞装置13の下方に1つだけ設けられていたが、本実施例とは異なる位置へ更に1つ以上のアウト口を配設しても良い。例えば、本実施例で説明したアウト口14に追加して、普通入賞口8や可変入賞装置13の上方(上流側)に第2アウト口が配設されていても良い。その場合には、集合カバー32に他の通路と合流しないように第2アウト口用の幅広の通路を形成し、この通路により球誘導樋62a,62bへ、或いは、開口部64へ遊技球を誘導する。これにより、第2アウト口から排出された遊技球を円滑に球収集部72へ移送することができるのである。
また、アウト口には、そのアウト口を通過した遊技球を検出するセンサーを設けても良い。この場合には、遊技球の通過をセンサーが検出することができ、かかる検出を、可変表示装置10に表示する図柄を変更する、或いは、所定のメッセージを表示する等、いわゆる大当たりや賞球の払い出し等に関与しない演出の変化の契機とすることができるのである。例えば、そのセンサーにより検出された遊技球をカウントし、そのカウント値が所定数以上となった場合に、可変表示装置10へ表示する図柄または図柄の背景を変更することができ、また、アウト口を通過した遊技球の総数と入賞した遊技球の総数を表示したり、遊技機外の管理装置に出力しても良い。
更に、本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
以下に本発明の変形例を示す。請求項1記載の遊技機において、前記遊技領域が設けられる遊技盤と、その遊技盤が取り付けられる前面枠とを備え、前記球収集部材は、前記収集経路側の面が開放されて形成されていることを特徴とする遊技機1。
収集経路は入賞口およびアウト口を通過した球を所定の箇所へ移送する必要があるので、その区間において閉じた経路となっていなければならない。球収集部材は、一般に合成樹脂等により型成型されるが、一つの成形金型により閉じた径路を形成することは困難である。その為、従来は、複数の部品を型成形し、これらの部品を重畳し組み立てることにより閉じた経路を形成していた。そのため、従来の球収集部材では、部品点数の増加に伴い成型金型の製造コストが増加してしまう。また、複数の部品から構成されるため構造が複雑になると共に大型化してしまい、パチンコ機の前後方向寸法が厚くなってしまっていた。
しかし、この遊技機1では、球収集部材が収集経路側の面を開放して形成されているので、球収集部材の収集経路側を遊技盤または前面枠の裏面側に当接することにより、入賞口およびアウト口を通過した球を移送可能な閉じた経路を形成することができる。よって、球収集部材をワンピース化することができるので、成型金型の製造コストを低減することができる。また、球収集部材は、複数の部品を重畳することなく一つの構成部品から構成されているので、その球収集部材を小型化することができ、パチンコ機の前後厚さを薄くすることができる。
遊技機1において、前記球収集部材は、前記遊技盤の裏面側における前記入賞経路およびアウト口の下方に配置されると共に前記入賞口へ入賞した球およびアウト口を通過した球を受ける球受け部材を備えており、この球受け部材の前記遊技盤または前面枠方向への延出幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されていることを特徴とする遊技機2。
この遊技機2によれば、入賞経路およびアウト口を通過した球は、その入賞経路およびアウト口の下方に配置された球受け部材により受け止められる。しかも、球受け部材の遊技盤または前面枠方向への延出幅は球の外径の略2倍に形成されている。よって、球受け部材の単位面積当たりにおける球の衝突頻度を低減して、かかる球受け部材の寿命を向上させることができる。
遊技機2において、前記球受け部材は、前記遊技機の横幅方向へ下降傾斜されるとともに、その球受け部材の傾斜方向下端に開口形成された球送出口を備えており、その球送出口の前記遊技盤または前面枠方向への開口幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍にされていることを特徴とする遊技機3。
この遊技機3によれば、球受け部材により受け止められた球は、球受け部材によって球送出口へ集められ、球送出口から一括して送出される。この球送出口の開口は、球の外径の略2倍の大きさに形成されるので、収集経路により多量に収集された球を球送出口周辺で詰まらせることがない。
遊技機3において、前記球収集部材は、前記球受け部材の球送出口と連通されその球送出口の下方へ球を案内する案内通路を備えており、その案内通路の前記遊技盤または前面枠方向への延出幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4において、前記案内通路の通路幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略1倍に形成されていることを特徴とする遊技機5。
この遊技機5によれば、球受け部材により受け止められ球送出口から送出された球は、案内通路によって球送出口の下方へ案内され、この案内通路を経て所定箇所に収集される。しかも、案内通路は、球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍延出して形成されているので、案内通路へ多量の球が流入した場合に、かかる案内通路内で球詰まりが生じることを抑制することができる。一方、案内通路の通路幅は、球の外径の略1倍に形成されているので、遊技盤または前面枠の裏面側における横幅方向のスペースが、この案内通路によって占有されてしまうことを防止することができる。よって、かかる横幅方向のスペースを有効に使用することができるので、例えば、他の通路等を球収集部材の同一平面内へこの案内通路と並設する場合にも、設計上必要なスペースを確保することができる。
遊技機3から5のいずれかにおいて、前記球受け部材は、前記球送出口へ向けて前記遊技盤または前面枠の横幅方向における一側から下降傾斜される第1傾斜面部と、前記球送出口へ向けて前記遊技盤または前面枠の横幅方向における他側から下降傾斜される第2傾斜面部とを備え、その第2傾斜面部における前記球送出口側の端部と前記第1傾斜面部における前記球送出口側の端部との間には、球の外径の略1倍以上の大きさの段差が設けられていることを特徴とする遊技機6。
この遊技機6によれば、入賞口へ入賞した球およびアウト口を通過した球は、第1又は第2傾斜面部によって受け止められ、その第1又は第2傾斜面部を転動しつつ球送出口へ集合し、球送出口から一括して送出される。しかも、第1傾斜面部における球送出口側の端部と第2傾斜面部における球送出口側の端部との間には、球の外径の略1倍以上の大きさの段差が設けられている。よって、第1又は第2傾斜面部の一方を転動する球は、第1又は第2傾斜面部の他方を転動する球より段差分だけ上方から球送出口へ送出される。このため、両傾斜面部により球送出口へ送出される球が球送出口の周辺で球詰まりすることを抑制することができる。
遊技機6において、前記入賞口は、同時に2個以上の球が通過可能に形成される大入賞口を備え、その大入賞口およびアウト口の下方には、前記第1傾斜面または第2傾斜面のいずれか一方が配置され、その第1傾斜面または第2傾斜面の一方は、他方よりも前記球送出口側の端部が下方に配置されていることを特徴とする遊技機7。
大入賞口およびアウト口は、他の入賞口と比較して単位時間当たりに多量の球が通過する。その為、球送出口が大入賞口およびアウト口の直下に設けられている場合には、その大入賞口およびアウト口を通過した多量の球が集中して球送出口へ流下してしまい、球詰まりが発生してしまう。しかし、この遊技機7によれば、大入賞口およびアウト口の下方には、第1又は第2傾斜面のいずれか一方が配置されているので、大入賞口およびアウト口を通過した多量の球は、一旦、第1又は第2傾斜面のいずれか一方によって受け止められる。そして、受け止められた球は、第1又は第2傾斜面部のいずれか一方を転動しつつ整列された状態で球送出口へ集められる。しかも、大入賞口およびアウト口を通過し第1又は第2傾斜面部の一方を転動する球は、第1又は第2傾斜面部の他方を転動する球より段差分だけ下方から球送出口へ送出されるので、その段差を乗り越えて第1又は第2傾斜面部の他方を転動する球と混流することがない。このため、両傾斜面部により球送出口へ送出される球が球送出口の周辺で球詰まりすることを抑制することができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記前面枠の前面側に設けられる上皿および下皿と、その上皿または下皿へ球を払い出す払出装置と、その払出装置が払い出す球を貯留しておく球タンクとを備え、前記球収集部材は、前記払出装置により払い出された球を前記上皿へ移送する上皿経路と、前記払出装置により払い出された球を前記下皿へ移送する下皿経路と、前記球タンクに貯留された球を排出する球抜き経路とを備えるとともに、これら上皿経路、下皿経路および球抜き経路側の面は開放して形成されるとともにその各経路の反対側は平坦面に形成されていることを特徴とする遊技機8。
上皿経路および下皿経路は、払出装置により払い出された球をそれぞれ上皿または下皿へ確実に移送する必要があり、また、球抜き経路は、球タンクに貯留された球を所定の箇所へ確実に移送する必要があるので、その区間において閉じた経路となっていなければならない。これら各経路は、一般に合成樹脂等により型成型されるが、一つの成形金型により閉じた径路を形成することは困難である。その為、従来は、複数の部品を型成形し、これらの部品を重畳し組み立てることにより、閉じた経路を形成していた。よって、部品点数の増加に伴い、金型の製造コストが増加してしまい、また、複数の部品から構成されるため構造が複雑になると共に大型化してしまうので、その球収集部材が取り付けられたパチンコ機の前後厚さが大きくなってしまう。
しかし、この遊技機8では、これら上皿経路、下皿経路および球抜き経路は、その球収集部材の開放面側を遊技盤または前面枠の裏面側へ当接させることにより閉じた経路が形成されるように構成されているので、一つの成型金型により球収集部材を成型することができ、その結果、製造コストを低減することができる。また、球収集部材は、複数の部品を重畳することなく一つの構成部品から構成されているので、その球収集部材を小型化することができ、パチンコ機の前後厚さを薄くすることができる。また、収集経路と上皿経路、下皿経路および球抜き経路とを別々に製造する必要がないので、その分、遊技機全体としての製造コストを低減することができ、且つ、遊技機の組み立て作業を簡素化することができる。そして、球収集部材は、各経路の反対側が平坦面に形成されているので、基板ボックス等を容易に配置することができる。
遊技機8において、前記上皿経路の前記遊技盤または前面枠方向への延出幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されていることを特徴とする遊技機9。
遊技機8において、前記下皿経路の前記遊技盤または前面枠方向への延出幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機8において、前記球抜き経路の前記遊技盤または前面枠方向への延出幅は、前記球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されていることを特徴とする遊技機11。
この遊技機9から11によれば、払出装置により払い出された球は、上皿経路および下皿経路を通過してそれぞれ上皿および下皿へ移送される。また、球タンクに貯留された球は、球抜き経路を通過して所定の箇所へ排出される。これら上皿経路、下皿経路および球抜き経路の遊技盤または前面枠方向への延出幅は、球収集部材が遊技機に装着された場合において、球の外径の略2倍に形成されている。よって、球収集部材の前後厚さが厚くなることを防止しつつ、払出装置により払い出された球を上皿経路および下皿経路内で球詰まりさせることなくそれぞれ上皿および下皿へ移送させることができ、また、球タンク内に貯留された球を球抜き経路内で球詰まりさせることなく所定箇所へ排出することができる。
遊技機2、4及び9から11において、前記収集経路、上皿経路、下皿経路および球抜き経路の各延出幅は、すべて同等の大きさに設定とされていることを特徴とする遊技機12。
この遊技機12によれば、各経路は、すべて同等の延出幅で球収集部材に設けられている。よって、球収集部材の反経路側の全面を平坦面に形成することができるので、制御回路基板を収納する各種の基板ボックスや払出装置等を容易に配置することができる。更に、球収集部材の前後厚さを薄く形成することができるので、基板ボックス等を重層状態で球収集部材の後端面へ配置した場合にも、その基板ボックス等が後方へ大きく突出してしまい、パチンコ機の前後方向寸法が厚くなってしまうことを防止することができる。
遊技機8から12のいずれかにおいて、前記下皿経路の通路幅は、少なくとも前記収集経路の案内通路の通路幅よりも大きな通路幅に形成されていることを特徴とする遊技機13。
払出装置により払い出された球は、下皿経路を通過して下皿へ送出され、下皿内に貯留される。ここで、下皿内が球により充塞された状態となり、更に、下皿経路へ球が流入した場合には、その下皿経路から下皿へ球を移送することができないのでその流入した球が下皿経路内に詰まってしまう。しかし、この遊技機13によれば、その下皿経路は、少なくとも収集経路の案内通路の通路幅よりも大きな通路幅に形成されているので、下皿内を充塞する球が下皿内から排出されるまでの間、その流入した球を下皿経路内に余裕を持って保持しておくことができる。
遊技機8から13のいずれかにおいて、前記収集経路と前記下皿経路とは、互いに所定の間隔を離間させて前記球収集部材に設けられており、その収集経路と下皿経路との間の離間部には、隔壁部材が配設されていることを特徴とする遊技機14。
収集経路を通過する球は、パチンコ機の機外へ排出される球であり、一方、下皿経路を通過する球は、所定の有価価値を有し遊技者へ払い出される球である。従って、例えば、これらの経路が隣接されて設けられ、その経路の隣接部が破損した場合には、両経路の球が互いに混流し遊技者あるいは遊技機を管理する側に大きな不利益が発生してしまう。しかし、この遊技機14によれば、収集経路と下皿経路とは、互いに隣接することなく所定の間隔を離間させて配設され、更に、その離間部間には隔壁部材が立設されている。よって、一方の経路が破損した場合、その破損部から流出した球は隔壁部材に受け止められ、他方の経路側へ流出することが防止される。従って、一方の経路から流出した球が他方の経路へ流入し、互いの球が混流してしまうことを防止することができる。なお、遊技機14の前記収集経路と前記下皿経路との関係と同様に、前記収集経路と前記上皿経路、或いは、前記収集経路と前記球抜き経路とを所定の間隔を離間させて前記球収集部材に設け、その離間部に隔壁部材を配設するようにしても良い。
請求項1記載の遊技機、又は、遊技機1から14のいずれかにおいて、球を払い出す払出装置と、その払出装置が払い出す球を貯留しておく球タンクとが搭載される機構板と、その機構板の骨格をなす枠フレームとを備えており、その枠フレームには前記球収集部材が一体的に形成されていることを特徴とする遊技機15。
この遊技機15によれば、枠フレームと球収集部材とを別々に製造する必要がなく、その分、遊技機全体としての製造コストを低減することができ、且つ、遊技機全体としての組立作業を簡素化することができる。
遊技機15において、前記入賞経路側が開放して形成される入賞球収集部材を備え、前記枠フレームは、その枠フレームが前記前面枠へ取着された場合に、前記入賞球収集部材を反入賞経路側から押圧する押圧部を備えていることを特徴とする遊技機16。
この遊技機16によれば、枠フレームが前面枠に取着される場合には、入賞球収集部材が反入賞経路側から枠フレームの押圧部により押圧される。よって、入賞球収集部材は、その入賞経路側を遊技盤と強固に密着することができ、入賞経路を確実に形成することができる。
遊技機16において、前記入賞球収集部材は、前記枠フレームの押圧部と係合しその枠フレームを位置決めする係合部が設けられていることを特徴とする遊技機17。
この遊技機17によれば、枠フレームが前面枠に取着されると、枠フレームの押圧部が入賞球収集部材を押圧する。その場合、枠フレームの押圧部は、入賞球収集部材の係合部に係合され、枠フレームが位置決めされる。よって、枠フレームと入賞球収集部材との相対位置関係を良好に保つことができるので、入賞球収集部材の入賞経路を通過した球を枠フレームの球収集部材へ確実に移送することができる。
請求項1記載の遊技機、又は、遊技機1から17のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機18。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
なお、遊技機1から20において、球受け部材は本実施例における球受け板73,73b,74に対応し、第1傾斜面部および第2傾斜面部は本実施例における球受け板73,74に対応し、球送出口は本実施例における送出口75aに対応し、案内通路は本実施例における収集通路75に対応する。大入賞口は本実施例における可変入賞装置13に対応し、払出装置は本実施例における賞球払出装置38及び貸球払出装置39に対応する。上皿経路、下皿経路、及び、球抜き経路はそれぞれ本実施例における上皿導出通路76、下皿導出通路77、及び、球抜き通路78に対応する。そして、押圧部は、本実施例における係合部33fに対応し、入賞球収集部材は本実施例における集合カバー32に対応し、する。
1 パチンコ機(遊技機)
7 遊技領域
8a 普通入賞口(入賞口)
12 図柄作動口(入賞口)
13b 開口(入賞口)
14 アウト口
61a〜61e 通路(入賞経路)
71 裏面部材(収集経路の反遊技領域側)
70 球通路部材(球収集部材)
72 球収集部(球収集部材の一部)
73,73b,74 球受け板(収集経路の一部)
73a,73c,74a 縦壁板(収集経路の一部)
75 収集通路(収集経路の一部)
75a 送出口(収集経路の一部)
75b,75c 側壁板(収集経路の一部)
79 収集球排出口(収集経路の一部)

Claims (1)

  1. 球が打ち込まれる遊技領域と、その遊技領域に設けられる入賞口と、その入賞口と連通されると共にその入賞口へ入賞した球が通過する入賞経路と、前記遊技領域に設けられるアウト口と、そのアウト口および入賞口を通過した球を所定箇所に収集する球収集部材とを備えた遊技機において、
    前記球収集部材は、少なくとも1の前記入賞経路およびアウト口の双方と通じて設けられると共に、その入賞経路およびアウト口を通過した球を一括して移送する収集経路を備えており、その収集経路は、前記入賞経路よりも大きな経路径を有しつつその収集経路の反遊技領域側は平坦面に形成されていることを特徴とする遊技機。
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