JP2009034372A - パチンコ機 - Google Patents
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Abstract
【課題】前面枠に対する上皿や下皿の一体化を行うことができて、パチンコ機裏面側のスペースをむやみに制限することがなく、パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けることがなく、パチンコ機前面からの不正行為を防止することができ、しかも、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないパチンコ機を提供すること。
【解決手段】
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたこと。
【選択図】図2
【解決手段】
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたこと。
【選択図】図2
Description
本発明はパチンコ機に関し、特に、遊技者が借りたパチンコ球を発射装置に向けて送り込む上皿と、この上皿から溢れたパチンコ球を受け取るための下皿とを備えたパチンコ機に関するものである。
パチンコ機は、遊技者が借りたパチンコ球を上皿に投入し、この上皿からのパチンコ球を発射装置によって遊技盤上の遊技領域に打ち込み、遊技盤の一般入賞口や特定入賞口に入ったパチンコ球によって所定数のパチンコ球を払い出して、この払い出されたパチンコ球をも使用しながら遊技するものである。そして、この払い出されたパチンコ球が上皿に一杯になることもあるため、上皿から溢れたパチンコ球を貯留しておく「別の皿」を用意しておくこともなされている。
この「別の皿」は、上皿から溢れたパチンコ球を重力を利用して受け取ることにした方が有効であるため、この上皿の下側に設けることが多いことから、「下皿」と言われているものである。そして、この下皿は、溢れたパチンコ球を入れるための別の入れ物を用意しなくてもよいように、また、遊技者がここからパチンコ球を取り出して上皿内に入れ易いように、図1にも示すように、パチンコ機を構成している前面枠の前面に設けてある。
そして、これらの上皿や下皿には、パチンコ機の裏側から前面側にパチンコ球を送り出すための通路が、パチンコ球を流下させ得る断面積で通じているため、不正行為に利用され易いものとなっている。例えば、これらの上皿や下皿は、当該パチンコ機の内部に対する不正行為を行うためのピアノ線を差し込む「差込口」とされることがある。
このような上皿及び下皿を有するパチンコ機としては、特許文献1や特許文献2等に提案されている。
特開2002−186752号公報、要約、代表図
特開2004−81335号公報、要約、代表図
これらの特許文献1や特許文献2に示されているパチンコ機では、「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「通路」が、パチンコ機の裏面側に配置されていることにより、各種電子部品等の設置スペースが減少してしまうという可能性がある。
一般に、最近のパチンコ機は、大きな液晶画面を採用して、美しく楽しい画面で遊技者がパチンコ遊技を十分楽しめるようにしており、その遊技内容も複雑になってきている。この複雑な遊技を可能にするために種々な電子部品が必要になってきているから、パチンコ機の裏側には相当多くの部品やこれらを接続するワイヤハーネス、そして裏パックユニットと呼ばれる電子部品の収納箱を取り付けなければならないものとなってきている。つまり、この種のパチンコ機においては、まず、
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「通路」の配置により、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを無闇に限定しないようにしておきたい
という要望がある。
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「通路」の配置により、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを無闇に限定しないようにしておきたい
という要望がある。
また、前述した上皿及び下皿について考察してみると、従来より種々な構造のものが採択されてきている。従来は、例えば、上皿を本体側に固定しておいて、この上皿とは独立して前面ガラスが開放できるようにしたもの、あるいは上皿と前面ガラスとが一体的で前面ガラスの開放とともに上皿も開放されるものであり、下皿については、上皿や前面ガラスを開放しても本体側に残る構造のものがあるが、これだと、パチンコ機の前面を大きく使ったデザイン設計が制限されるし、前面ガラスの開口サイズに制限を与えることにもなる。つまり、この種のパチンコ機においては、
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにくくしたい
という要望がある。
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにくくしたい
という要望がある。
さらに、この種のパチンコ機において、前面ガラス、上皿、そして下皿が別々に構成されていると、パチンコ機前面に「境目」が形成されることになり、この境目からパチンコ機内への不正具の挿入が行われ易くなる。換言すれば、パチンコ機の前面に「境目」ができていると、この境目が、当該パチンコ機の内部に対する不正行為を行うためのピアノ線を差し込む「差込口」とされることがある。つまり、この種のパチンコ機においては、
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くして、不正行為をしにくくしたい
といった常なる命題あるいは要望があり、これも満足しなければならないものである。
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くして、不正行為をしにくくしたい
といった常なる命題あるいは要望があり、これも満足しなければならないものである。
そして、上記特許文献1及び2のパチンコ機においては、「下皿」は外枠に対して固定的であるため開放されることがなく、当該パチンコ機のメンテナンスがしにくいと考えられる。近年のパチンコ機においては、遊技盤の前面に形成されている遊技領域が拡大する傾向にあって、例えばパチンコ球の発射装置が従来よりも下の方に配置されて下皿の背面側に位置することが多くなってきており、発射装置のメンテナンスを行おうとすれば、直前に位置している下皿を除けなければならないからである。
また、この発射装置のメンテナンスを行い易くするために、前面扉あるいは前面枠にこの下皿を一体化すると、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内に、前面扉を開けたときに閉じるシャッタを設けなければならない。何故なら、前面扉を開放したときに、この前面扉の裏側にて上皿からのパチンコ球が零れてしまうからである。
このようなシャッタには、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための「通路」内にパチンコ球が一杯に溜まると、このパチンコ球の重量が大きく掛かることになって、当該シャッタが壊れやすくなるという問題が生ずることになる。以上の結果、この種のパチンコ機においては、
(4)下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないようにしたい
という要望があるのである。
(4)下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないようにしたい
という要望があるのである。
そこで、本発明者等は、この種のパチンコ機において、上記の(1)〜(4)の要望を全て満たすようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、前面枠に対する上皿や下皿の一体化を行うことができて、パチンコ機裏面側のスペースをむやみに制限することがなく、パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けることがなく、パチンコ機前面からの不正行為を防止することができ、しかも、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないパチンコ機を提供することにある。
以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明の採った手段は、
「遊技場に固定される外枠と、パチンコ球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技盤を保持する内枠と、前記遊技領域を視認可能な窓部が形成された前面枠と、を備え、
前記外枠に開閉可能に支持された前記内枠の前方にて、前記外枠または内枠に開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたパチンコ機であって、
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたことを特徴とするパチンコ機」
である。
「遊技場に固定される外枠と、パチンコ球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技盤を保持する内枠と、前記遊技領域を視認可能な窓部が形成された前面枠と、を備え、
前記外枠に開閉可能に支持された前記内枠の前方にて、前記外枠または内枠に開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたパチンコ機であって、
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたことを特徴とするパチンコ機」
である。
すなわち、この請求項1に係るパチンコ機は、まず、遊技場に固定される外枠と、この外枠に開閉可能に支持されて、パチンコ球が流下する遊技領域を前面に形成した遊技盤を保持する内枠と、前記外枠または内枠に開閉可能に支持されて、前記遊技領域を視認可能な窓部を形成した前面枠とを備えたものである。
また、このパチンコ機は、前記内枠の前方に配置した前面枠の前面に、パチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたものである。
さらに、この請求項1のパチンコ機は、前記前面枠の裏面側に分流部材を設けたものであるが、この分流部材は上皿通路及び下皿通路を備えるものである。これらの上皿通路及び下皿通路は、その各上流側が分流部にて近接し合うことにより一箇所でまとまっているが、各下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かうことにより、前記上皿及び下皿に向けて分岐しているものである。また、前記下皿通路の上流部は、上方に向けて開口しており、下皿通路入口となっている。
以上のように、この請求項1に係るパチンコ機は、外枠と、この外枠に開閉可能で遊技盤を有する内枠と、前記外枠または内枠に開閉可能に設けられるとともに、前面に上皿と下皿とを設けた前面枠とを備えて、この前面枠の裏面側に分流部材を設けたものであるから、内枠裏面にパチンコ球を上皿及び下皿へ導くための部材を設ける必要がないものとなっている。
そして、この請求項1に係るパチンコ機は、外枠と、この外枠に開閉可能で遊技盤を有する内枠と、前記外枠または内枠に開閉可能な前面枠とを備えて、この前面枠の前面に上皿と下皿とを設け、さらにこの前面枠の裏面側に分流部材を設けたものであるから、これらの前面枠と内枠との間の空間を、上皿及び下皿へのパチンコ球の通り道として有効に利用している。
換言すれば、この請求項1のパチンコ機は、前面枠と内枠との間に分流部材を配置して、この分流部材を通して払出機構から送られてきたパチンコ球を上皿及び下皿へ送り込むのであるから、図3、図9及び図14に示すように、遊技盤を支持している内枠の裏面側に、上記払出機構、種々なパックユニット、制御基板などの各種電気部品、あるいはワイヤハーネスのための設置空間を十分なものとして確保しているのである。
この点については、例えば図23図24に示した従来のパチンコ機であれば、内枠裏面側に「溢れ球通路118」等をわざわざ設けなければならず、これらの「溢れ球通路118」等が内枠裏面の空間をある程度占めることになって、内枠の裏面側にパックユニットやワイヤハーネスのための設置空間を十分確保することができなくなり、本請求項1のパチンコ機とは大きく異なるものとなっている。
以上の結果、この請求項1のパチンコ機では、その内枠の裏側、特にこの内枠に支持される遊技盤の裏側に種々な部品が収納できる十分なスペースを確保することができるのであり、
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「通路」の配置により、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを無闇に限定しないようにしておきたい
という要望を満たすものとなっているのである。
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「通路」の配置により、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを無闇に限定しないようにしておきたい
という要望を満たすものとなっているのである。
さて、本請求項1に係るパチンコ機では、前記外枠または内枠に開閉可能に設けた前面枠の前面に上皿及び下皿を設けたものであるから、これらの前面枠、上皿及び下皿が一体的になっているとともに、当該前面枠の前面には何らの隙間もないものとなっている。
まず、この請求項1のパチンコ機において、前面枠、上皿及び下皿が一体的になっていることは、前面枠が例えば下皿とは別体になっている従来のパチンコ機と比較すれば、遊技場において開閉されることのある前面枠の、下皿との「切り離し」を全く考慮しないでデザイン設計できることを意味している。これに対して、図23に示した従来例では、ガラス枠(本発明の前面枠に相当する)と上皿とが、内枠に取り付けられた下皿とは別個に開閉されるため、この下皿の出入を考慮したデザイン設計を行わなければならないのである。
また、上皿及び下皿が一体化されている前面枠は、内枠に保持された遊技領域に対しても開閉自在であるため、この前面枠に形成すべき窓部について、遊技盤の前面に形成されている遊技領域の視認可能領域を自由に取ることができる。このため、本発明に係るパチンコ機の前面枠においては、これに上皿及び下皿を一体化したことによって、遊技領域のサイズを自由に決定できるのである。
以上の結果、この請求項1に係るパチンコ機では、前面枠に、前面ガラス、上皿及び下皿を一体化して、前面枠のデザイン設計と遊技盤の遊技領域のサイズの自由化を図ることができるものとなって、
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにくくしたい
という要望を満足できるのである。
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにくくしたい
という要望を満足できるのである。
一方、この請求項1に係るパチンコ機では、上皿と下皿とを前面に一体的に設けた前面枠の裏面に、上皿通路と下皿通路とを有する分流部材を取り付けたので、この前面枠を開閉する際に分流部材も一体的に開閉される。このため、仮に前面枠を乱暴に開閉したとしても、上皿に上皿通路が、また下皿に下皿通路が繋がったまま開閉されるのであるから、パチンコ球は絶対に零れ落ちることはないのである。
この点に関して、例えば図23に示した従来技術のように、前面枠と下皿とが別体であると、前面枠を開放したとき、パチンコ球が流れ込む上皿と下皿との通路を遮断してパチンコ球の流れを止めなければならないが、遮断するには、そのためのスイッチやシャッタを別途設けなければならないから、全体的に構造が複雑化している。それだけでなく、このようなシャッタには、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための「通路」内にパチンコ球が一杯に溜まると、このパチンコ球の重量が大きく掛かることになって、当該シャッタが壊れやすくなるという問題が生ずることにもなりかねないことになる。
その点、この請求項1のパチンコ機は、上皿と下皿との間のパチンコ球のための通路を一体化して、上皿と下皿とを同時に開放したときの対策、つまりパチンコ球が零れ落ちてしまわないようにしているとともに、
(4)下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないようにする
という要望を満足するものとなっているのである。
(4)下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないようにする
という要望を満足するものとなっているのである。
そして、この請求項1に係るパチンコ機では、前面枠の前面に前面ガラス、上皿及び下皿を一体的に設けたので、パチンコ機前面に「境目」が形成されることがなく、パチンコ機内への不正具の挿入が行いにくくなっている。しかも、この請求項1に係るパチンコ機では、前面枠の裏面に、上皿通路と下皿通路とを有する分流部材を取り付けたので、
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くして、不正行為をしにくくする
という要望をも満たすものとなっている。
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くして、不正行為をしにくくする
という要望をも満たすものとなっている。
何故なら、まず、上皿と下皿とを一体的に設けた前面枠の前面には、上皿や下皿のパチンコ球が流下してくる出口は別にして、不正行為を行うための「セル」や「ピアノ線」といった「道具」を差し込めるような「隙間」や「境目」が全くないからである。
また、上皿や下皿のパチンコ球が流下してくる出口については、前面枠の裏面に取り付けた分流部材の上皿通路及び下皿通路がそれぞれ連通しており、これらの上皿通路及び下皿通路は、上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かうものであるから、長くて複雑な形状になっている。このため、上皿や下皿の出口からセルやピアノ線を通して、その先端を遊技盤の前面の遊技領域や、遊技盤の裏面の電気部品に届かせようとしても届かず、不正行為が殆どできないものとなっているのである。
ところで、前面枠の裏面に取り付けた分流部材は、上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えているし、前記分流部は、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしてあるから、払出機構からの賞球は上皿または下皿に分流される。
すなわち、まず、払出機構の下端からの賞球は、分流部材の上流側にある分流部に投下される。この投下が、上皿通路と下皿通路とが近接し合って開口している分流部全体に対して行われれば、賞球は上皿と下皿とに同時に行われることになるが、一般的には、分流部内にて開口している上皿通路に向けて投下される。何故なら、賞球は、発射装置に繋がっている上皿に向けて常に供給するようにしておいて、上皿がパチンコ球で一杯になったときに初めて下皿に送れるようにすれば、パチンコ球を上皿に入れることをしないでもパチンコ遊技を長時間行えるからである。
さて、分流部材の分流部の、上皿通路が開口している部分に賞球を供給するようにしてあると、例えば当該パチンコ機が「大当たり」状態になったときに、パチンコ球は、順次、上皿の中は勿論、これに繋がっている上皿通路内にも一杯になってくる。そして、この分流部材の分流部にてパチンコ球が溢れようとするが、この分流部には下皿通路の上流側が近接していて、この下皿通路の上流部である下皿通路入口が上方に向けて開口しているから、溢れようとしているパチンコ球はこの分流部にて下皿通路の下皿通路入口内に転げ入ることになるのである。
以上の結果、払出機構から払い出された賞球は、分流部材の分流部にてまず上皿側に供給されていき、上皿及びこれに繋がっている上皿通路が一杯になったとき、分流部にて下皿通路側に供給され、上皿から溢れようとしているパチンコ球を下皿に供給するのである。
従って、この請求項1に係るパチンコ機においては、上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材によって、払出機構からの賞球を、上皿と下皿とに効率的に分流するのである。
上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1に記載のパチンコ機について、
「前記パチンコ機に前記前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前記前面枠の開放を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
である。
「前記パチンコ機に前記前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前記前面枠の開放を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項2に係るパチンコ機では、そのどこかに前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けたものであるが、この第1スイッチは前面枠の開放を検知するものであればどのようなものであってもよいし、また何処に設けてもよい。最も簡単なのは、前面枠の前面に設けてある当該前面枠の開閉操作を行うためのキー穴内にこの第1スイッチを設けることである。
この第1スイッチは、これが前面枠の開放を検知したとき、払出機構を停止させるような信号を発するものである。もし、前面枠を開放しようとしたときに未だ払出機構が作動中であると、前面枠の開放によってこの払出機構と分流部材側の分流部との連続が切られることになって、払い出された賞球が分流部から上皿や下皿に入らずに零れ出てしまうから、これを阻止しなければならない。この点、この請求項2のパチンコ機では、前面枠が開放されようとしたとき、これを検知した第1スイッチが払出機構を直ちに停止させてしまうから、賞球が払い出されず、上皿や下皿以外に零れてしまうことがないのである。
従って、この請求項2のパチンコ機は、上記請求項1に係るパチンコ機と同様な機能を発揮する他、前面枠が開放されようとしたときに払出機構が停止されて、賞球が上皿や下皿以外に零れてしまうことがないものとなっているのである。
さらに、上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段はは、上記請求項1または請求項2に記載のパチンコ機について、
「前記下皿または下皿通路内にあるパチンコ球を検出する第2スイッチを設けて、この第2スイッチが前記下皿または下皿通路内のパチンコ球を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
である。
「前記下皿または下皿通路内にあるパチンコ球を検出する第2スイッチを設けて、この第2スイッチが前記下皿または下皿通路内のパチンコ球を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
である。
すなわち、この請求項3のパチンコ機では、下皿または上記分流部材内に形成してある下皿通路内に第2スイッチを設けたものであり、この第2スイッチからの信号が払出機構側に送られるようにしたものである。
このパチンコ機において採用される第2スイッチは、下皿または下皿通路内のパチンコ球が一杯になったことを検知するものであれば何であってもよく、下皿または下皿通路内のパチンコ球が一番多く貯留される場所近傍に設けた金属検知スイッチであってもよいものである。
そして、この第2スイッチは、下皿または下皿通路内のパチンコ球が一杯になったことを検知したとき、停止信号を払出機構側に送るのである。もし、下皿に通ずる下皿通路内にパチンコ球が一杯になったとすると、賞球は何処にも行けないことになって、払出機構による賞球の払出が正確に行えないことになる。この点、この第2スイッチがあれば、少なくとも下皿通路内のパチンコ球が一杯になったときに直ちに払出機構の作動を停止するから、常に正確な賞球の払出が行えるのである。
なお、この第2スイッチによって、少なくとも下皿からのパチンコ球の移動を遊技者に促す音声案内やランプ表示をさせるようにすれば、遊技者によって少なくとも下皿の満タン状態が解除されて、第2スイッチの送信状態も直ちに解除される。そうなれば、払出機構にはこの第2スイッチからの停止信号が来なくなるから、払出機構での正常賞球が始まることになるのである。
従って、この請求項3に係るパチンコ機は、上記請求項1または2のそれと同様な機能を発揮する他、少なくとも分流部材を構成している下皿通路が満タンになったときに第2スイッチによって払出機構が停止されて、正常な賞球がなされる。
以上、詳述した通り、まず、請求項1に係る発明においては、
「遊技場に固定される外枠と、パチンコ球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技盤を保持する内枠と、前記遊技領域を視認可能な窓部が形成された前面枠と、を備え、
前記外枠に開閉可能に支持された前記内枠の前方にて、前記外枠または内枠に開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたパチンコ機であって、
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、前面枠に対する上皿や下皿の一体化を行うことができて、パチンコ機裏面側のスペースをむやみに制限することがなく、パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けることがなく、パチンコ機前面からの不正行為を防止することができ、しかも、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないパチンコ機を提供することができるのである。
「遊技場に固定される外枠と、パチンコ球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技盤を保持する内枠と、前記遊技領域を視認可能な窓部が形成された前面枠と、を備え、
前記外枠に開閉可能に支持された前記内枠の前方にて、前記外枠または内枠に開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたパチンコ機であって、
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、前面枠に対する上皿や下皿の一体化を行うことができて、パチンコ機裏面側のスペースをむやみに制限することがなく、パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けることがなく、パチンコ機前面からの不正行為を防止することができ、しかも、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための通路内にシャッタを設ける必要がないパチンコ機を提供することができるのである。
すなわち、この請求項1に係るパチンコ機によれば、
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「分流部材」を設けたことにより、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを限定することがなく、遊技盤の裏側には種々な部品が収納できるように、十分なスペースを確保しておくことができる
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにすることができる
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くすことができて、不正行為をしにくくすることができる
(4)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「分流部材」を設けたことにより、下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための分流部材内にシャッタを設ける必要がないようにすることができる
といった優れた効果を奏するものである。
(1)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「分流部材」を設けたことにより、パチンコ機の裏側、特に遊技盤の裏側のスペースを限定することがなく、遊技盤の裏側には種々な部品が収納できるように、十分なスペースを確保しておくことができる
(2)パチンコ機前面全体のデザイン設計に制限を受けにすることができる
(3)前面における上皿や下皿等の境目を無くすことができて、不正行為をしにくくすることができる
(4)「上皿」に入りきらないパチンコ球を「下皿」へ送るための「分流部材」を設けたことにより、下皿を前面扉に一体化しても、上皿に入りきらなかったパチンコ球を下皿に送るための分流部材内にシャッタを設ける必要がないようにすることができる
といった優れた効果を奏するものである。
また、この請求項1のパチンコ機によれば、上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材によって、払出機構からの賞球を、上皿と下皿とに効率的に分流することができるのである。
一方、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のパチンコ機について、
「前記パチンコ機に前記前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前記前面枠の開放を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1のそれと同様な効果を発揮する他、前面枠を開放しようとしたときに払出機構を停止することができて、賞球を上皿や下皿以外に零れ出ることを防止することができる。
「前記パチンコ機に前記前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前記前面枠の開放を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、上記請求項1のそれと同様な効果を発揮する他、前面枠を開放しようとしたときに払出機構を停止することができて、賞球を上皿や下皿以外に零れ出ることを防止することができる。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機について、
「前記下皿または下皿通路内にあるパチンコ球を検出する第2スイッチを設けて、この第2スイッチが前記下皿または下皿通路内のパチンコ球を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
にその特徴があり、これにより、上記請求項1または2のそれと同様な効果を発揮する他、少なくとも分流部材を構成している下皿通路が満タンになったときに第2スイッチによって払出機構を停止させることができて、正常な賞球を行うことができるのである。
「前記下皿または下皿通路内にあるパチンコ球を検出する第2スイッチを設けて、この第2スイッチが前記下皿または下皿通路内のパチンコ球を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたこと」
にその特徴があり、これにより、上記請求項1または2のそれと同様な効果を発揮する他、少なくとも分流部材を構成している下皿通路が満タンになったときに第2スイッチによって払出機構を停止させることができて、正常な賞球を行うことができるのである。
次に、上記のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態であるパチンコ機100について説明するが、この最良形態に係るパチンコ機100には、図1〜図13に示した第1実施例と、図14〜図22に示した第2実施例とがあるので、以下では、各実施例に分けて説明することとする。この場合、第2実施例中の説明において、第1実施例における部材と同一あるいは同様部材については、第1実施例中で使用したのと同じ符号を図14〜図22中に付して、その説明を省略することとする。
(実施例1)
図1〜図13に示した第1実施例に係るパチンコ機100は、まず、外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方にて、外枠10に開閉可能に支持した前面枠20に、遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿21と、この上皿21に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿22とを一体的に設けたものである。
図1〜図13に示した第1実施例に係るパチンコ機100は、まず、外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方にて、外枠10に開閉可能に支持した前面枠20に、遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿21と、この上皿21に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿22とを一体的に設けたものである。
すなわち、この実施例1に係るパチンコ機100は、図3に示したように、外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方に前面枠20を配置したものであり、この前面枠20は外枠10に開閉可能に支持したものである。そして、この前面枠20には、図1に示したように、前面ガラス24、上皿21及び下皿22が一体化してあり、内枠30の裏面には、図3に示したように、遊技領域を構成することになる遊技盤31が取り付けてある。
これにより、まず、この実施例1のパチンコ機100では、前面枠20に、上皿21及び下皿22が一体化してあり、この前面枠20に前面ガラス24も取り付けるようにしてあるから、前面枠20のデザイン設計の自由化を図ることができる。何故なら、これらの前面ガラス24、上皿21及び下皿22が別々に開放されることを考慮する必要がないため、前面枠20の前面デザインは、図1に示したように、自由に設計できるからである。
また、この実施例1のパチンコ機100では、上述したように、前面ガラス24、上皿21及び下皿22が取り付けられた前面枠20とは別の内枠30に遊技盤31を設けるようにしているから、この遊技盤31は、前面ガラス24の大きさや形状に左右されることがなく、また前面枠20とは異なる内枠30に取り付ければよいものとなっていて、当該遊技盤31の遊技領域のサイズを自由に設計することができる。逆に言えば、遊技内容の異なる遊技盤31を、この前面枠20を有するパチンコ機100に適用することができて、前面枠20は、複数の機種に共通して使用できる汎用性の高いものとなるのである。
勿論、前面ガラス24を開放したいときにはこの前面枠20を開放すればよく、上皿21及び下皿22も前面ガラス24と一体的に位置を変えることなく開放される。このため、前面ガラスと上皿とが別々に開放される従来のものとは異なって、上皿21がパチンコ球によって一杯になっていたとしても、前面ガラス24の開放によって一杯になっているパチンコ球を上皿21から零れ出させてしまうことはない。
また、本実施例1に係るパチンコ機100では、その前面枠20が、図2に示した枢軸20aによって、図3に示したように内枠30に対して開閉自在に枢着してあり、この内枠30は連結機構によって外枠10に対して枢着してある。これにより、この実施例1の前面枠20は、外枠10に対しても開閉自在となっているが、この前面枠20は、枢軸20aによって外枠10に対して開閉自在に連結してもよい。
本実施例1における上皿21は、図1に示したように、前面ガラス24の下方に設けたものであり、この上皿21の下側に下皿22が配置してある。上皿21は、遊技者が借りたパチンコ球を投入し易いように、例えば図3に示したように、上方に開口しているものであり、上述したように前面枠20の前面に一体化してある。なお、図1に示したように、この上皿21の右上には球抜きボタン26が設けてあって、遊技者が当該上皿21からパチンコ球を抜きたい場合にこの球抜きボタン26を押すと、上皿21内に入っていたパチンコ球を下皿22内に流下させることができるようにしてある。
この上皿21を一体化した前面枠20の裏面には、図2に示したように送り穴29が形成してあり、この送り穴29と上皿21内とは連通していて、上皿21内に投入されたパチンコ球をこの送り穴29に向けて送ることができるようにしてある。そして、この送り穴29に対向する内枠30側には、図3に示したように発射機32が設けてあり、この発射機32によって送り穴29から送られてきたパチンコ球を、遊技盤31の前面に形成される遊技領域内に順次発射できるようにしてある。
また、この実施例1のパチンコ機100では、図1に示したように、その前面枠20の前面であって、例えば上皿21の図示右側部分に発射ハンドル23が設けてあり、この発射ハンドル23を遊技者が操作することによって、上述した発射機32が起動される。さらに、この実施例1のパチンコ機100では、図1に示したように、その前面枠20の前面であって、例えば上皿21の図示右上方部分にキー穴25が設けてあり、このキー穴25に設置店の店員がキ−を差し込んで回すことにより、前面枠20全体を上皿21、下皿22、及び発射ハンドル23とともに開放できるものとしてある。
また、本実施例1に係るパチンコ機100のキー穴25においては、後述する第1スイッチを兼ねているものであり、このキー穴25を回動操作することが、後述する払出機構50の賞球の払い出し操作を直ちに停止することとなる。つまり、このキー穴25は、前面枠20の開放を検知して払出機構50を直ちに停止させる第1スイッチを兼ねているのである。
さらに、当該前面枠20の裏面側には、図4に示したように、上通し穴27及び下通し穴28が形成してある。これらの上通し穴27及び下通し穴28は、後述する分流部材40の上皿側出口42a及び下皿側出口43aが挿通される部分であり、分流部材40の上皿通路42及び下皿通路43を介して送られてきたパチンコ球を、それぞれ上皿21及び下皿22に供給する穴である。
なお、前面枠20の裏面に開口している送り穴29は、図2及び図3に示したシャッタ29aによって閉じることができるようにしてある。つまり、このシャッタ29aがなければ、必要に応じて前面枠20を開放したときに上皿21内のパチンコ球がそのまま送り穴29から零れてしまうが、この実施例1のパチンコ機100においては、例えばこの前面枠20の開放を検知するスイッチからの信号によってシャッタ29aを閉じるようにして、球零れを防止しているのである。
一方、内枠30は、図3及び図9に示したように、その裏面側に遊技盤31が直接的に取り付けられることになるものであり、この遊技盤31を収納するような状態で、図9、図12及び図13に示したように、ユニット枠34が当該内枠30の裏面に取り付けられることになるものである。
遊技盤31は、その前面にて遊技領域を形成するものであり、図3に示したような発射機32から打ち込まれたパチンコ球が、当該遊技盤31の前面側に配置される発射レール内にて案内されて、この遊技盤31の前面の遊技領域内に供給されることになる。なお、この遊技盤31の下部中央には、アウト球口31aが形成してあって、このアウト球口31aから、遊技領域内で何処にも入賞しなかったパチンコ球が機外に排出される。
この内枠30の前面であって、上述した発射機32とは反対側で発射レールの下側に位置する部分には、図3に示したように、分流部挿入口33が形成してある。この分流部挿入口33内には、後述する分流部材40の分流部41が挿入されることになるが、本実施例1では、この分流部挿入口33の前面枠20側がシャッタ33aによって覆われている。そして、この分流部挿入口33の裏面側には、図9に示したように、受取口33bが一体的に取り付けて受取口33bに対しては、図12及び図13に示したように、払出機構50の払出部52が嵌合されることになる。
シャッタ33aは、図10及び図11に示したように、内枠30の前面側に固定的に取り付けられるスプリング台33dに対してスプリング33eを介して連結され、かつ、枢軸33cによって、上述した分流部挿入口33内に枢支されるものである。また、このシャッタ33aの上面には、図10、図11及び図12に示したように、シャッタ面33fが形成してあり、このシャッタ面33fによって上述した受取口33bの下端開口が覆えるようにしてある。
すなわち、このシャッタ33aは、これが後述する分流部材40の分流部41によって押圧されていないとき、つまり前面枠20が開放されたときには、スプリング33eの引っ張り力によって、図10の(a)〜(c)に示したような状態に前傾するものであり、図12に示したように、その上端のシャッタ面33fによって受取口33bの下端開口を覆うものである。これにより、前面枠20を開放したときに、もし、払出機構50からのパチンコ球が払出部52や受取口33b内に残存していたとしても、これらのパチンコ球は、図12に示したように、受取口33bの下端開口を覆うシャッタ面33fあるいはシャッタ33a自身によって機外に零れ出てしまうのが防止されるのである。
逆に、前面枠20が閉じられて、図13に示したように、シャッタ33aが分流部材40の分流部41によって押圧されているときには、このシャッタ33aは、スプリング33eの引っ張り力に抗して、図11の(a)〜(c)に示したような状態に後傾するのである。これにより、この場合には、当該シャッタ33aの上端のシャッタ面33fが受取口33bの下端開口より後方に移動して、受取口33bの下端開口が開放され、上からのパチンコ球の流下を許容することになるのである。
ところで、以上のようなシャッタ33aを設けた内枠30の裏面には、図9及び図12等に示したように、ユニット枠34が設けてあった。このユニット枠34は、当該内枠30に種々な部品を取り付けるために使用されるものであり、本実施例1では、図9にも示したように、払出機構50やそのための貯留タンク51は勿論、種々なパックユニット35を支持することになるものであり、後述する分流部材40を採用することによって、その他の部材あるいは部品を収納したり取り付けたりすることのできる十分な「空間」を形成しているものである。
さて、この実施例1に係るパチンコ機100では、図2及び図3に示したように、前面枠20の裏面に分流部材40が一体的に設けてあるが、この分流部材40は、内部に上皿通路42と下皿通路43とを有しているものである。これらの上皿通路42及び下皿通路43は、図6等に示したように、下流側が上皿21及び下皿22にそれぞれ向かうとともに、図4等に示したように、上流側が分流部41にて近接し合っているものである。
つまり、前面枠20の裏面に一体化される分流部材40の各上皿通路42及び下皿通路43は、図5〜図7に示したように、この中でのパチンコ球の転動と流下を許容する程度の幅を有するものである。また、この分流部材40は、図2〜図4に示したように、厚さがほぼ一定のものとなっていて、前面枠20の裏面と内枠30の前面との空間内に収まるものとなっている。
このため、この分流部材40は、前面枠20の裏面に一体化したとき、前面枠20と内枠30との間の空間を有効に利用することになるだけでなく、本実施例1に係るパチンコ機100では、この分流部材40分の空間を内枠30の裏面に確保できることになるのである。換言すれば、従来であれば、この分流部材40を、図23に示したように、内枠30の裏面側に取り付けなければならないことによって空間を潰すことになるが、本発明に係るパチンコ機100では、内枠30の裏面側にパックユニット35やワイヤハーネスのための設置空間を十分確保することになるのである。
以上の結果、この実施例1のパチンコ機100では、図9に示したように、その内枠30の裏側、特に遊技盤31の裏側に、払出機構50や貯留タンク51、パックユニット35等の種々な部品が収納できる十分なスペースを確保することができることは勿論、図9に示したような空間を確保できるのである。
このパチンコ機100において採用している分流部材40では、その上皿通路42及び下皿通路43の上流側が分流部41にて近接し合っているから、この分流部41を払出機構50の出口側、つまり下端部に近接させるだけで、払出機構50から払い出されたパチンコ球の上皿21側への送りと、この上皿21にて溢れたパチンコ球の下皿22側への送りを同一箇所にて行うことができ、上皿21側の通路内にシャッタや溢れセンサを設けることなく、上皿21での溢れパチンコ球を下皿22側に送ることができる。
すなわち、図2〜図13に示した本実施例1のパチンコ機100においては、この分流部材40の分流部41は、特に図7の(b)に示したように、上皿側入口42bと下皿側入口43bとが同一位置に形成してあって、上方に向けて開口している。これらの上皿側入口42b及び下皿側入口43bは、分流部材40から後方(前面枠20の裏面側)に向けて突出しており、前面枠20を閉じるとき、これらの上皿側入口42b及び下皿側入口43bが一体的になった分流部41が、図13に示したように、内枠30側の分流部挿入口33内に侵入するのであり、内枠30の裏面側の払出機構50の下端部に繋がることになる。
以上のような分流部材40は、図4〜図8に示したように、合成樹脂材料によってそれぞれ「半割り」状のものに形成した前部材40a及び後部材40bからなっており、これらの前部材40a及び後部材40bを重ね合わせることにより、内部に上皿側通路42と下皿通路43とを有したものとなっている。なお、これらの前部材40a及び後部材40bは透明または半透明のものとしてあり、上皿側通路42や下皿通路43等でのパチンコ球の様子を、当該分流部材40の外から簡単に視認できるようにしてある。
前部材40aは、上述した前面枠20に当接して取り付けられるものであり、図6及び図8に示したように、上皿側通路42側の上皿側出口42aを左側上部に、また下皿通路43側の下皿側出口43aを右側下部に開口させたものである。なお、下皿側出口43aの直近には後述する打ち損ね球通路44の打ち損ね球出口44aが形成してある。これらの上皿側出口42a及び下皿側出口43aは、当該分流部材40を前面枠20に当接して取り付けるときに、上通し穴27及び下通し穴28にそれぞれ嵌合されることは前述した通りである。なお、打ち損ね球出口44aは、図4中に示した下通し穴28の図示左側に開口させてある穴に嵌合される。
一方、後部材40bは、上記前部材40aに対応する形状を有して、前部材40aとともに内部に上皿側通路42及び下皿通路43を形成するものであるが、図5及び図7に示したように、その上部に打ち損ね球通路44を開放状態で有するものである。この打ち損ね球通路44は、発射機32によって発射されたパチンコ球が遊技盤31の遊技領域に旨く飛ばなくて、発射レールを伝って再び発射機32側に戻ってきたとき(ファウル球となったとき)に、このファウル球を受け取るものである。従って、この打ち損ね球通路44は、どのように弾んだファウル球をも受け取れるように、発射レールの下側のほぼ全体に亘るように配置してある。
以上の打ち損ね球通路44は、上述したファウル球を、図7の(a)〜(c)に示すように受け取り、かつ案内しながら、最終的には当該分流部材40の図6等に示した打ち損ね球出口44aから下皿22側に排出するのである。
また、この後部材40bには、図4〜図6に示したように、第1覆い40c及び第2覆い40dが取り付けられる。これらの第1覆い40c及び第2覆い40dは、後部材40bの製造上どうしても開けなければならないが、パチンコ機100として完成されたときには不要になる開口を覆うものである。換言すれば、このようなパチンコ機100としたときに言わば不要となる開口は、セルやピアノ線などのような細長い道具を使った不正行為に利用され易い。このため、本実施例1のパチンコ機100では、分流部材40にできる不要開口を、第1覆い40c及び第2覆い40dによって覆うようにしてある。
さて、本実施例1の分流部材40では、図5及び図6に示したように、その中に上皿側通路42及び下皿通路43が形成されるのであるが、これらの上皿側通路42及び下皿通路43の上流側は、図6に示した分流部41において、互いに近接している。つまり、図6では、図示左側に下皿通路43側の下皿側入口43bが位置していて、この下皿側入口43bの図示右側に上皿側通路42の上皿側入口42bが配置してあり、これら上皿側入口42bと下皿側入口43bとの間に分流板41aが形成してある。
また、本実施例1の分流部材40では、図7の(b)及び(c)に示したように、分流部41の外側に突出する突出受45が形成してあり、この突出受45は、上皿側入口42bから下皿側入口43bにオーバーフローしようとしたパチンコ球を受け取って、下皿側入口43b内に確実に落とし込むものである。
上皿側通路42の上皿側入口42bには払出機構50の下端部が対向させてあり、払出機構50から払い出された賞球は、まずこの上皿側通路42側の上皿側入口42bに向けて落下される。そうすると、この賞球は、上皿側入口42bから上皿側通路42に入り、この上皿側通路42の先にある上皿側出口42aから上皿21側に排出されるのである。
上皿21や上皿側通路42内にパチンコ球が一杯になって溢れてくると、この溢れたパチンコ球は、図6中に示した矢印付き仮想線のように、上皿側入口42bと下皿側入口43bとの間にある分流板41aを超えて、下皿通路43側の下皿側入口43bに向けてオーバーフローする。この下皿側入口43bは、下皿通路43に連なっているから、上皿21側でオーバーフローしたパチンコ球は、この下皿通路43を通して下皿側出口43aに至り、最終的に下皿22内に入るのである。
なお、上皿側入口42bから下皿側入口43bにオーバーフローしたパチンコ球が勢いを有している場合には、このパチンコ球は一旦上述した突出受45内に入る。突出受45内に入ったパチンコ球は、その勢いを突出受45内にて柔らげられるし、突出受45の底は下皿側入口43bに向けて傾斜させてあるから、結果的に、勢い強くオーバーフローしたパチンコ球は、分流部材40外に零れ出ることなく下皿側入口43b内に転動する。
そして、この分流部材40の分流部41は、図7の(a)及び(b)にて示したように、後部材40bの基部から外側(分流部材40の裏面側)に突出するものであるから、この分流部材40を取り付けた前面枠20を内枠30側に閉めたとき、図13に示したように、当該分流部41は受取口33b側に入り込み、シャッタ33aを図示右側に押し込むのである。このときには、図13に示したように、上皿側入口42bが受取口33bに対向し、この受取口33bは支払い機構50の払出部52に対向することになる。
さて、この実施例1では、前述した通り、内枠30側の分流部挿入口33の前面側にシャッタ33aが設けてあり、前面枠20が開放されると、このシャッタ33aが自然に閉じて、払出機構50側からのパチンコ球の流下を阻止できるようにしてある。また、前面枠20が閉じられるときには、分流部材40の分流部41がこのシャッタ33aを押し開いて分流部挿入口33内に侵入して、パチンコ球の受け取りを行うことも前述した通りである。
一方、これらの上皿通路42及び下皿通路43の各下流側は、図4〜図8に示したように、上皿21及び下皿22にそれぞれ向かうようにしてある。すなわち、これらの上皿通路42及び下皿通路43は、図5に示したように、当該分流部材40内で互いに区画されながら流下する床を有しており、その各上皿側出口42a及び下皿側出口43aは、図8に示したように、当該分流部材40の前面(前面枠20の裏面に接する面)に開口させてある。そして、これら各上皿側出口42a及び下皿側出口43aが接続される前面枠20側の部分には、例えば図4に示したように、上通し穴27及び下通し穴28がそれぞれ形成してある。
勿論、この前面枠20に形成した上通し穴27及び下通し穴28は、それぞれ独立状態で上皿21及び下皿22に連通しており、上皿通路42及び下皿通路43から流下してきたパチンコ球をそのまま上皿21及び下皿22に送り込むものである。また、分流部材40内の各上皿通路42及び下皿通路43の内面は、パチンコ球が転動し易い形状にしてあるから、上通し穴27及び下通し穴28を通しての、パチンコ球の上皿21及び下皿22への送り込みは、「球詰まり」を生ずることなく、円滑になされるのである。
また、この実施例1に係る分流部材40では、図5に示したように、前面枠20と内枠30との間の空間の殆どを、下皿通路43として使用するようにしている。従って、上皿21で溢れたパチンコ球は、下皿22を満たした後にはこの下皿通路43内にも貯留されることになり、当該分流部材40を採用したパチンコ機100は、大当たりしたときの大量のパチンコ球を、上皿21や下皿22は勿論のこと、分流部材40内の下皿通路43内にも貯留できて、より一層のパチンコ球の貯留が行えるものとなっているのである。
なお、本実施例1のパチンコ機100では、図7にも示したように、当該分流部材40の上面に打ち損ね球通路44(所謂ファール球を下皿22に落とし込む通路)を形成するようにして、この打ち損ね球通路44の下皿側出口44aを、下皿通路43側の下皿側出口43aと合流させるようにしていることは、前述した通りである。
そして、前面枠20の裏面に形成してある分流部材40のための上通し穴27及び下通し穴28は、分流部材40内の上皿通路42及び下皿通路43を通して払出機構50の下端部に連なっているだけで、例えば内枠30に取り付けられている遊技盤31の前面や、内枠30の背後には全く繋がっていないため、例えば上皿21や下皿22からピアノ線を挿入して不正行為を行おうとしても全く不可能となっているのであり、分流部材40内に上皿通路42と下皿通路43を形成したことは、不正行為ができないような十分な対策になっているのである。
従って、この実施例1に係るパチンコ機100は、前面枠20に対する上皿21や下皿22の一体化を行うことができて故障が少なく、これらの上皿21や下皿22でのパチンコ球の貯留量をできるだけ多くすることができ、さらには不正対策が施されたものにもなっているのである。
また、この実施例1のパチンコ機100では、パチンコ機100に前面枠20の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前面枠20の開放を検知したとき、払出機構50を停止させて、賞球が払い出されないようにしてある。
すなわち、このパチンコ機100では、そのどこかに前面枠20の開放を検知する第1スイッチを設けたものであるが、この第1スイッチは前面枠20の開放を検知するものであればどのようなものであってもよいし、また何処に設けてもよい。最も簡単なのは、図1に示した前面枠20に設けてあって、当該前面枠20の開閉操作を行うためのキー穴25内にこの第1スイッチを設けることである。
この第1スイッチは、これが前面枠20の開放を検知したとき、払出機構50を停止させるような信号を発するものである。もし、前面枠20を開放しようとしたときに未だ払出機構50が作動中であると、前面枠20の開放によってこの払出機構50と分流部材40側の分流部41との連続が切られることになって、払い出された賞球が分流部41から上皿21や下皿22に入らずに零れ出てしまうから、これを阻止しなければならない。この点、この実施例1のパチンコ機100では、前面枠20が開放されようとしたとき、これを検知した第1スイッチが払出機構50を直ちに停止させてしまうから、賞球が払い出されず、上皿21や下皿22以外に零れてしまうことがないのである。
さらに、このパチンコ機100では、下皿22または下皿通路43内に第2スイッチを設けて、この第2スイッチが下皿22または下皿通路43内のパチンコ球が一杯になったことを検知したとき、払出機構50を停止させて、賞球が払い出されないようにしてある。
すなわち、この実施例1のパチンコ機100では、下皿22または上記分流部材40内に形成してある下皿通路43内に第2スイッチが設けてあり、この第2スイッチからの信号が払出機構50側に送られるようにしてある。
このパチンコ機100において採用される第2スイッチは、下皿22または下皿通路43内のパチンコ球が一杯になったことを検知するものであれば何であってもよく、下皿22または下皿通路43内のパチンコ球が一番多く貯留される場所近傍に設けた金属検知スイッチであってもよいものである。
そして、この第2スイッチは、下皿22または下皿通路43内のパチンコ球が一杯になったことを検知したとき、停止信号を払出機構50側に送るのである。もし、下皿22に通ずる下皿通路43内にパチンコ球が一杯になったとすると、賞球は何処にも行けないことになって、払出機構50による賞球の払出が正確に行えないことになる。この点、この第2スイッチがあれば、少なくとも下皿通路43内のパチンコ球が一杯になったときに直ちに払出機構50の作動を停止するから、常に正確な賞球の払出が行えるのである。
なお、この第2スイッチによって、少なくとも下皿22からのパチンコ球の移動を遊技者に促す音声案内やランプ表示をさせるようにすれば、遊技者によって少なくとも下皿22の満タン状態が解除されて、第2スイッチの送信状態も直ちに解除される。そうなれば、払出機構50にはこの第2スイッチからの停止信号が来なくなるから、払出機構50での正常賞球が始まることになるのである。
従って、この第2スイッチを設けたパチンコ機100は、少なくとも分流部材40を構成している下皿通路43が満タンになったときに、この第2スイッチによって払出機構50が停止されて、正常な賞球がなされるのである。
(実施例2)
図14〜図22に示した第2実施例に係るパチンコ機100も、外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方にて、外枠10に開閉可能に支持した前面枠20に、遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿21と、この上皿21に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿22とを一体的に設けたものである。
(実施例2)
図14〜図22に示した第2実施例に係るパチンコ機100も、外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方にて、外枠10に開閉可能に支持した前面枠20に、遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿21と、この上皿21に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿22とを一体的に設けたものである。
すなわち、この実施例2に係るパチンコ機100も、図14に示したように、図示しない外枠10に開閉可能に支持した内枠30の前方に前面枠20を配置したものであり、この前面枠20は外枠10に開閉可能に支持したものである。そして、この実施例2の前面枠20にも、図1に示したような前面ガラス24、上皿21及び下皿22が一体化してあり、内枠30の裏面には、図14に示したように、遊技領域を構成することになる遊技盤31が取り付けてある。
この実施例2のパチンコ機100でも、その前面枠20の表側及び裏側の構成は、上述した実施例2と同様になっており、その詳細説明は、前述した実施例1及び図1の説明を援用して省略する。
一方、内枠30についても、図14〜図16に示したように、その裏面側に遊技盤31が直接的に取り付けられることになるものであり、この遊技盤31を収納するような状態で、図16に示したように、ユニット枠34が当該内枠30の裏面に取り付けられることになるものである。
遊技盤31は、その前面にて遊技領域を形成するものであり、図14に示したような発射機32から打ち込まれたパチンコ球が、当該遊技盤31の前面側に配置される発射レール内にて案内されて、この遊技盤31の前面の遊技領域内に供給されることになる。
この内枠30の前面であって、上述した発射機32とは反対側で発射レールの下側に位置する部分には、図14に示したように、分流部挿入口33が形成してある。この分流部挿入口33内には、後述する分流部材40の分流部41が挿入されることになるが、本実施例2の分流部挿入口33は、前述した実施例1におけるシャッタ33aは採用されておらず、開口したままにしてある。
ところで、以上のような内枠30の裏面には、図16等に示したように、ユニット枠34が設けてあった。このユニット枠34は、当該内枠30に種々な部品を取り付けるために使用されるものであり、本実施例2でも、払出機構50や、そのための実施例1で説明した貯留タンク51は勿論、種々なパックユニット35を支持することになるものであり、後述する分流部材40を採用することによって、その他の部材あるいは部品を収納したり取り付けたりすることのできる十分な空間を形成しているものである。
特に、この実施例2における内枠30の裏面には、図16に示したように、アウト球通路46が設けてある。このアウト球通路46は、遊技盤31表面の遊技領域に打ち込まれたパチンコ球の内、何処にも入賞しなかったもの、つまりアウトになったパチンコ球を、内枠30の裏面にて集めて、機外へ排出するためのものである。
さて、この実施例2に係るパチンコ機100では、図14〜図16に示したように、前面枠20の裏面に分流部材40が一体的に設けてあるが、この分流部材40は、内部に上皿通路42と下皿通路43とを有しているものである。これらの上皿通路42及び下皿通路43は、図15に示したように、下流側が上皿21及び下皿22にそれぞれ向かうとともに、図14に示したように、上流側が分流部41にて近接し合っているものである。
つまり、前面枠20の裏面に一体化される分流部材40の各上皿通路42及び下皿通路43は、図18に示したように、この中でのパチンコ球の転動と流下を許容する程度の幅を有するものである。また、この分流部材40は、図17の(a)及び図18に示したように、大部分の厚さがほぼ一定のものとなっていて、前面枠20の裏面と内枠30の前面との空間内に収まるものとなっているが、分流部41は後方(内枠30側)に突出させてある。
このため、この分流部材40は、前面枠20の裏面に一体化したとき、前面枠20と内枠30との間の空間を有効に利用することになるだけでなく、本実施例2に係るパチンコ機100では、この分流部材40分の空間を内枠30の裏面に確保できることになるのである。換言すれば、従来であれば、この分流部材40を、図23に示したように、内枠30の裏面側に取り付けなければならないことによって空間を潰すことになるが、本発明に係るパチンコ機100では、内枠30の裏面側にパックユニット35やワイヤハーネスのための設置空間を十分確保することになるのである。
このパチンコ機100において採用している分流部材40では、図17の(a)に示したように、その上皿通路42及び下皿通路43の上流側が分流部41にて近接し合っているから、この分流部41を払出機構50の出口側、つまり下端部に近接させるだけで、払出機構50から払い出されたパチンコ球の上皿21側への送りと、この上皿21にて溢れたパチンコ球の下皿22側への送りを同一箇所にて行うことができ、上皿21側の通路内にシャッタや溢れセンサを設けることなく、上皿21での溢れパチンコ球を下皿22側に送ることができる。
すなわち、この実施例2のパチンコ機100においては、この分流部材40の分流部41は、特に図17の(a)及び図18に示したように、上皿側入口42bと下皿側入口43bとが同一位置に形成してあって、上方に向けて開口している。これらの上皿側入口42b及び下皿側入口43bは、分流部材40から後方(前面枠20の裏面側)に向けて突出しており、前面枠20を閉じるとき、これらの上皿側入口42b及び下皿側入口43bが一体的になった分流部41が、図18に示したように、内枠30側の分流部挿入口33内に侵入するのであり、内枠30の裏面側の払出機構50の下端部に繋がることになる。
さて、上皿側通路42及び下皿通路43を形成した本実施例2の分流部材40では、図19の(a)及び(b)に示したように、上皿側通路42及び下皿通路43の上流側は分流部41において互いに近接している。つまり、図19では、図示右側に下皿通路43側の下皿側入口43bが位置していて、この下皿側入口43bの図示左側に上皿側通路42の上皿側入口42bが配置してあり、これら上皿側入口42bと下皿側入口43bとの間に分流板41aが形成してある。なお、これら上皿側入口42bと下皿側入口43bとの位置関係は、前述した実施例1の場合とは逆になっている。
上皿側通路42の上皿側入口42bには払出機構50の下端部が対向させてあり、払出機構50から払い出された賞球は、まずこの上皿側通路42側の上皿側入口42bに向けて落下される。そうすると、この賞球は、上皿側入口42bから上皿側通路42に入り、この上皿側通路42の先にある上皿側出口42aから上皿21側に排出されるのである。
上皿21や上皿側通路42内にパチンコ球が一杯になって溢れてくると、この溢れたパチンコ球は、上皿側入口42bと下皿側入口43bとの間にある分流板41aを超えて、下皿通路43側の下皿側入口43bに向けてオーバーフローする。この下皿側入口43bは、下皿通路43に連なっているから、上皿21側でオーバーフローしたパチンコ球は、この下皿通路43を通して下皿側出口43aに至り、最終的に下皿22内に入るのである。
そして、この分流部材40の分流部41は、図17の(a)、図18〜図22にて示したように、基部から外側(分流部材40の裏面側)に突出するものであるから、この分流部材40を取り付けた前面枠20を内枠30側に閉めたとき、図14、図18及び図22に示したように、当該分流部41は内枠30の分流部挿入口33に入り込み、支払い機構50の払出部52に対向することになる。
一方、これらの上皿通路42及び下皿通路43の各下流側は、図19に示したように、上皿21及び下皿22にそれぞれ向かうようにしてある。すなわち、これらの上皿通路42及び下皿通路43は、図19の(a)に示したように、当該分流部材40内で互いに区画されながら流下する床を有しており、その各上皿側出口42a及び下皿側出口43aは、図15及び図19の(b)に示したように、当該分流部材40の前面(前面枠20の裏面に接する面)に開口させてある。そして、これら各上皿側出口42a及び下皿側出口43aが接続される前面枠20側の部分には、例えば図4に示したように、上通し穴27及び下通し穴28がそれぞれ形成してある。
勿論、この前面枠20に形成した上通し穴27及び下通し穴28は、それぞれ独立状態で上皿21及び下皿22に連通しており、上皿通路42及び下皿通路43から流下してきたパチンコ球をそのまま上皿21及び下皿22に送り込むものである。また、分流部材40内の各上皿通路42及び下皿通路43の内面は、パチンコ球が転動し易い形状にしてあるから、上通し穴27及び下通し穴28を通しての、パチンコ球の上皿21及び下皿22への送り込みは、「球詰まり」を生ずることなく、円滑になされるのである。
また、この実施例2に係る分流部材40では、図15及び図16に示したように、前面枠20と内枠30との間の空間の殆どを、下皿通路43として使用するようにしている。従って、上皿21で溢れたパチンコ球は、下皿22を満たした後にはこの下皿通路43内にも貯留されることになり、当該分流部材40を採用したパチンコ機100は、大当たりしたときの大量のパチンコ球を、上皿21や下皿22は勿論のこと、分流部材40内の下皿通路43内にも貯留できるのである。
そして、前面枠20の裏面に形成してある分流部材40のための上通し穴27及び下通し穴28は、分流部材40内の上皿通路42及び下皿通路43を通して払出機構50の下端部に連なっているだけで、例えば内枠30に取り付けられている遊技盤31の前面や、内枠30の背後には全く繋がっていないため、例えば上皿21や下皿22からピアノ線を挿入して不正行為を行おうとしても全く不可能となっているのであり、分流部材40内に上皿通路42と下皿通路43を形成したことは、不正行為ができないような十分な対策になっているのである。
従って、この実施例2に係るパチンコ機100は、前面枠20に対する上皿21や下皿22の一体化を行うことができて故障が少なく、これらの上皿21や下皿22でのパチンコ球の貯留量をできるだけ多くすることができ、さらには不正対策が施されたものにもなっているのである。
また、この実施例2のパチンコ機100でも、上述した実施例1と同様に、パチンコ機100に前面枠20の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前面枠20の開放を検知したとき、払出機構50を停止させて、賞球が払い出されないようにしてある。
さらに、このパチンコ機100でも、下皿22または下皿通路43内に第2スイッチを設けて、この第2スイッチが下皿22または下皿通路43内のパチンコ球が一杯になったことを検知したとき、払出機構50を停止させて、賞球が払い出されないようにしてある。
すなわち、この実施例2のパチンコ機100でも、上述した実施例1と同様に、下皿22または上記分流部材40内に形成してある下皿通路43内に第2スイッチが設けてあり、この第2スイッチからの信号が払出機構50側に送られるようにしてある。
100 パチンコ機
10 外枠
20 前面枠
20a 枢軸
21 上皿
22 下皿
22a 球抜きスライダ
23 発射ハンドル
24 前面ガラス
25 キー穴
26 球抜きボタン
27 上通し穴
28 下通し穴
29 送り穴
29a シャッタ
30 内枠
31 遊技盤
31a アウト球口
32 発射機
33 分流部挿入口
33a シャッタ
33b 受取口
33c 枢軸
33d スプリング台
33e スプリング
33f シャッタ面
34 ユニット枠
35 パックユニット
40 分流部材
40a 前部材
40b 後部材
40c 第1覆い
40d 第2覆い
41 分流部
41a 分流板
42 上皿通路
42a 上皿側出口
42b 上皿側入口
43 下皿通路
43a 下皿側出口
43b 下皿側入口
44 打ち損ね球通路
44a 打ち損ね球出口
45 突出受
46 アウト球通路
50 払出機構
51 貯留タンク
52 払出部
53 排出口
10 外枠
20 前面枠
20a 枢軸
21 上皿
22 下皿
22a 球抜きスライダ
23 発射ハンドル
24 前面ガラス
25 キー穴
26 球抜きボタン
27 上通し穴
28 下通し穴
29 送り穴
29a シャッタ
30 内枠
31 遊技盤
31a アウト球口
32 発射機
33 分流部挿入口
33a シャッタ
33b 受取口
33c 枢軸
33d スプリング台
33e スプリング
33f シャッタ面
34 ユニット枠
35 パックユニット
40 分流部材
40a 前部材
40b 後部材
40c 第1覆い
40d 第2覆い
41 分流部
41a 分流板
42 上皿通路
42a 上皿側出口
42b 上皿側入口
43 下皿通路
43a 下皿側出口
43b 下皿側入口
44 打ち損ね球通路
44a 打ち損ね球出口
45 突出受
46 アウト球通路
50 払出機構
51 貯留タンク
52 払出部
53 排出口
Claims (3)
- 遊技場に固定される外枠と、パチンコ球が流下する遊技領域が前面に形成された遊技盤を保持する内枠と、前記遊技領域を視認可能な窓部が形成された前面枠と、を備え、
前記外枠に開閉可能に支持された前記内枠の前方にて、前記外枠または内枠に開閉可能に支持された前面枠に、前記遊技領域に発射されるパチンコ球を貯留する上皿と、この上皿に入りきらないパチンコ球を受け入れる下皿とを設けたパチンコ機であって、
上流側が分流部にて近接し合い、下流側が前記上皿及び下皿にそれぞれ向かう上皿通路及び下皿通路を備えるとともに、前記上流側において、上方に向けて開口した前記下皿通路の上流部である下皿通路入口と、が形成された分流部を備えた分流部材を、前記前面枠の裏面側に設けるとともに、前記分流部を、賞球を払い出す払出機構の下端に対向させ得るようにしたことを特徴とするパチンコ機。 - 前記パチンコ機に前記前面枠の開放を検知する第1スイッチを設けて、この第1スイッチが前記前面枠の開放を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
- 前記下皿または下皿通路内にあるパチンコ球を検出する第2スイッチを設けて、この第2スイッチが前記下皿または下皿通路内のパチンコ球を検知したとき、前記払出機構を停止させて、賞球が払い出されないようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007201739A JP2009034372A (ja) | 2007-08-02 | 2007-08-02 | パチンコ機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007201739A JP2009034372A (ja) | 2007-08-02 | 2007-08-02 | パチンコ機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009034372A true JP2009034372A (ja) | 2009-02-19 |
Family
ID=40436865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007201739A Withdrawn JP2009034372A (ja) | 2007-08-02 | 2007-08-02 | パチンコ機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009034372A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010273705A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Fujishoji Co Ltd | 遊技機 |
JP2012024638A (ja) * | 2011-11-09 | 2012-02-09 | Fujishoji Co Ltd | 遊技機 |
-
2007
- 2007-08-02 JP JP2007201739A patent/JP2009034372A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010273705A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Fujishoji Co Ltd | 遊技機 |
JP2012024638A (ja) * | 2011-11-09 | 2012-02-09 | Fujishoji Co Ltd | 遊技機 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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